(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181797
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】可搬形作業機の内部冷却構造
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20221201BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20221201BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H05K7/20 G
H02J3/38 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088962
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000109819
【氏名又は名称】デンヨー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100963
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 陽男
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 勇人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 愛
【テーマコード(参考)】
5E322
5G066
5H127
【Fターム(参考)】
5E322AA10
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA04
5E322BB03
5E322EA11
5E322FA01
5G066HB07
5H127AB01
5H127AC07
5H127BA02
5H127BB02
5H127BB07
5H127CC07
5H127EE02
5H127EE29
(57)【要約】
【課題】 作業機内での冷却空気の流れの乱れを少なくして冷却効率を上げる。また、装置のかさ上げをすることなく十分な吸気量を確保できるようにする。
【解決手段】 作業機本体を収納した筐体の長手方向両端部にそれぞれ半円筒状のフロントフレーム1とリアフレーム2を設け、それらに吸気口9と排気口10を設けることにより、空気の流れを乱す隅部を無くして、冷却空気が効率的に流れるようにする。また、下段ベース4を横断するように、断面コの字状で両端に吸気開口11を有する溝型導風部材を、所定の間隔をあけて平行に設け、それら導風部材の中間部側面に、互いに対向させて排出開口を設け、吸気開口11,11から吸引した空気を筐体内へ導入する。これらの吸気開口11,11は、フォークリフトの爪の受け口としても利用できる。本発明は、燃料電池ユニットの冷却に利用できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機本体を収納した筐体の長手方向両端部にそれぞれ半円筒状のフレームを、互いに対向させて設け、その内の一方の面に吸気口を、他方の面に排気口を設け、前記筐体内側の曲面に沿って、前記吸気口から前記排気口に向けて冷却空気を流すようにしたことを特徴とする可搬形作業機の内部冷却構造。
【請求項2】
前記吸気口と前記排気口に、先端縁が前記フレームの外周面に沿うような円弧状で、前記筐体の内側から外側に向かって斜め下に傾斜し、更に外側下向きに円錐状に丸みを持たせたルーバをそれぞれ複数枚平行に設けたことを特徴とする請求項1に記載の可搬形作業機の内部冷却構造。
【請求項3】
前記筐体の底部を横断するように、断面コの字状で両端が開口した溝型導風部材を伏せた状態で、所定の間隔をあけて平行に設け、それら前記導風部材の中間部側面に、互いに対向させて排出開口を設け、前記導風部材の両端の開口から吸引した空気を前記筐体内へ導入するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の可搬形作業機の内部冷却構造。
【請求項4】
前記筐体内部を上下2段に区画し、上段に前記作業機本体として燃料電池ユニットを配置し、下段にパワーコンディショナーを配置し、前記導風部材の前記排出開口から排出された空気により、筐体下段に配置された前記パワーコンディショナーを冷却した後、筐体上段に導入するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の可搬形作業機の内部冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン駆動式の発電機,溶接機や燃料電池式可搬形発電装置のような可搬形作業機の内部冷却構造、特に、燃料電池式可搬形発電装置に好適な可搬形作業機の内部冷却構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジン駆動式の発電機,溶接機や燃料電池式可搬形発電装置のような可搬形作業機は、エンジン,作業機本体等を筐体内に格納し、筐体内に冷却風を流して発熱するエンジンや作業機本体の冷却を行う。例えば、特許文献1に示される燃料電池式発電装置では、四角い箱型の筐体内を、制御装置,インバータ等を収納する電気室と、燃料電池本体を収納する本体室とに隔壁により区画し、電気室,本体室の底面にそれぞれ吸気口を設けている。
【0003】
そして、電気室内に設けた電気室ファンにより、電気室の底面に設けた吸気口から電気室内に外気を吸引し、それにより電気室内に収納されている制御装置,インバータ等を冷却した後、電気室から隔壁の隙間を通して本体室内に導く。また、隔壁の隙間を通して電気室から導かれた空気とともに、本体室の底面に設けた吸気口から吸引された空気により本体室内に収納されている燃料電池本体を冷却し、冷却後の空気を本体室内に設けた本体室ファンにより外部に排出する。このようにして、空気の滞留部分が少ない効率的な換気ができるようにしている。
【0004】
また、エンジン発電機等のエンジン作業機においては、エンジンや作業機本体を収納した四角い箱型筐体の側面や背面に吸気口を、上面前部に排気口を設けて、吸気口から吸引した空気を筐体内部に満遍なく流し、排気口から外部に排気する。このようにして、エンジンや作業機本体を冷却するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の可搬形作業機の内部冷却構造の内、上記可搬形作業機やエンジン作業機のように四角い箱型筐体にエンジンや作業機本体を収納したものでは、冷却空気が四角い箱型の中を流れるため、空気の流れが筐体内部の隅部で乱れてしまい、効率的な冷却ができないという問題点があった。また、特許文献1に示されるようなものは、吸気口が電気室と本体室の底面に設けられているため、十分な吸気量を確保するためには、装置のかさ上げが必要であり、その分、高さ方向のサイズが大きくなって設置場所が限定されるという問題点があった。
【0007】
本発明は、そのような問題点に鑑み、作業機内での冷却空気の流れの乱れを少なくして冷却効率を上げること、及び、装置のかさ上げをすることなく十分な吸気量を確保できるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、作業機本体を収納した筐体の長手方向両端部にそれぞれ半円筒状のフレームを、互いに対向させて設け、その内の一方
の面に吸気口を、他方の面に排気口を設け、前記筐体内側の曲面に沿って、前記吸気口から前記排気口に向けて冷却空気を流すようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記吸気口と排気口に、先端縁が前記フレームの外周面に沿うような円弧状で、前記筐体の内側から外側に向かって斜め下に傾斜し、更に外側下向きに円錐状に丸みを持たせたルーバをそれぞれ複数枚平行に設けたことを特徴とする。
【0010】
また、本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記筐体の底部を横断するように、断面コの字状で両端が開口した溝型導風部材を伏せた状態で、所定の間隔をあけて平行に設け、それら前記導風部材の中間部側面に、互いに対向させて排出開口を設け、前記導風部材の両端の開口から吸引した空気を前記筐体内へ導入するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記筐体内部を上下2段に区画し、上段に前記作業機本体として燃料電池ユニットを配置し、下段にパワーコンディショナーを配置し、前記導風部材の前記排出開口から排出された空気により、筐体下段に配置された前記パワーコンディショナーを冷却した後、筐体上段に導入するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1に係る発明においては、作業機本体を収納した筐体の長手方向両端部にそれぞれ半円筒状のフレームを、互いに対向させて設け、その内の一方の面に吸気口を、他方の面に排気口を設け、前記筐体内側の曲面に沿って、前記吸気口から前記排気口に向けて冷却空気を流すようにしたので、冷却空気の流れが乱れる隅部がなくなり、作業機内での冷却空気の流れの乱れが少なくなって冷却効率を上げることができる。また、吸気口と排気口を半円筒状のフレームの表面に設けることで、吸気口と排気口を横幅方向に大きくとれるようになって、その点でも冷却効率を上げることができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明においては、請求項1に係る可搬形作業機の内部冷却構造において、前記吸気口と排気口に、先端縁が前記フレームの外周面に沿うような円弧状で、前記筐体の内側から外側に向かって斜め下に傾斜し、更に外側下向きに円錐状に丸みを持たせたルーバをそれぞれ複数枚平行に設けたので、吸気口や排気口から中に入り込もうとする雨滴は、ルーバ先端部の円錐状の丸みにより落下して中に入りにくくなる。
【0014】
また、請求項3に係る発明においては、請求項1又は2に係る可搬形作業機の内部冷却構造において、前記筐体の底部を横断するように、断面コの字状で両端が開口した溝型導風部材を伏せた状態で、所定の間隔をあけて平行に設け、それら前記導風部材の中間部側面に、互いに対向させて排出開口を設け、前記導風部材の両端の開口から吸引した空気を前記筐体内へ導入するようにしたので、可搬形作業機を移動させる際に、導風部材をフォークリフトの爪の差込部として利用でき、装置のかさ上げをすることなく十分な吸気量を確保できるようになる。
【0015】
また、請求項4に係る発明においては、請求項3に係る可搬形作業機の内部冷却構造において、前記筐体内部を上下2段に区画し、上段に前記作業機本体として燃料電池ユニットを配置し、下段にパワーコンディショナーを配置し、前記導風部材の前記排出開口から排出された空気により、筐体下段に配置された前記パワーコンディショナーを冷却した後、筐体上段に導入するようにした。その結果、燃料電池ユニットが収納されている筐体内部上段に、筐体の長手方向両端部に設けた吸気口から排気口へと抜ける冷却風に加えて、
筐体下段からパワーコンディショナーを冷却した後の冷却空気も導入されることで、燃料電池ユニットを効率的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施例に係る燃料電池式可搬形発電装置を示す図である。
【
図2】
図1の燃料電池式可搬形発電装置の内部構造を示す図である。
【
図3】フロントフレームとリアフレームを示す図である。
【
図10】制御装置室内のパワーコンディショナの配置を示す図である。
【
図11】制御装置室を架台カバーで覆った状態を示す図である。
【
図12】可搬形発電装置内部での冷却風の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例0018】
図1は、本発明の一実施例に係る燃料電池式可搬形発電装置を示す図であり、
図2は、
図1の燃料電池式可搬形発電装置の内部構造を示す図であって、それぞれ、斜めフロント側から見た図と、それとは反対の斜めリア側から見た図とを示している。
図1,
図2において、符号1は、フロントフレーム、2はリアフレーム、3はルーフパネル、4は下段ベース、5,6はサイドドア、7,8はスプラッシャパネル、9は吸気口、10は排気口、11は吸気開口、12は生成水排出口、13は水素供給口、14は吊りフック、15は吊りフックカバー、16は出力端子部、17は操作パネル、18は運転スイッチ、19は非常停止ボタン、20は上段ベース、21は吊り金具、22は制御箱、23は電装品箱、24はカバーである。
【0019】
フロントフレーム1とリアフレーム2は、
図3に示すように、半円筒形をしていて、リアフレーム2の下部には吸気口9が設けられ、フロントフレーム1の下部には排気口10が設けられている。側面は、サイドドア5,6とスプラッシャパネル7,8で覆われており、サイドドア5,6は、上辺を中心にして上下方向に回転し、開閉できるようになっている。
【0020】
上部はルーフパネル3で覆われている。ルーフパネル3は、
図4に示すように、前後は半円筒形で上部の全周は丸みを持たせ、裏側には、フロントフレーム1,リアフレーム2に取り付ける面を設けている。また、長手方向中央部を横断するように,断面がコの字状の吊りフック取付金具3aが設けられており、その中央部には、吊りフック14を取り付けるための吊りフック取付部3bが設けられている。そして、吊りフックカバー15は、吊りフック取付金具3aの開口部全体をカバーするように取り付けられる。さらに、吊りフック取付金具3aの一方の端部には、カバー24,24用のカバー取付ブラケット3c,3cが設けられている。
【0021】
図1,
図2に示すように、この燃料電池式可搬形発電装置の底部には下段ベース4が設けられ、下段ベース4の左右両側面には、吸気開口11,11が設けられており、吸気口9だけでなく吸気開口11,11からも冷却用の空気を内部に導入できるようになっている。
【0022】
下段ベース4の上には、上段ベース20が配置され、上段ベース20の上には、燃料電池ユニット(図示せず)が配設される。上段ベース20の上の一方の側部には、燃料電池ユニットの制御箱22及び電装品箱23が配設され、他方の側部は、カバー24,24が配設されて、吸気口9から吸引された空気は、制御箱22,電装品箱23とカバー24,24の間を流れて、それらの間にある燃料電池ユニットを冷却した後、排気口10から排出されるようになっている。
【0023】
また、下段ベース4の両側部中央には、吊り金具21,21の下端部が取り付けられており、それら吊り金具21,21の上端部には、吊りフック取付金具3aを介して吊りフック14が取り付けられる。そして、その吊りフック14は、吊りフックカバー15により、常時は覆われる。
【0024】
吸気口9の内側には、断面がコの字状の吸気ダクト9aが設けられ、
図5に示すように、その内面には、複数枚の整流板9b,9b,9bが垂直方向に設けられている。そして、吸気ダクト9aのコの字状側壁部に、複数枚の吸気ルーバ9c,9c,9cを平行に取り付ける。吸気ルーバ9c,9c,9cは、先端縁がリアフレーム2の外周面に沿うような円弧状に形成されていて、
図6に示すように、筐体の内側から外側に向かって斜め下に傾斜するように設けて、更に外側下向きに円錐状に丸みを持たせている。
【0025】
また、排気口10の内側には枠状の排気ダクト10aが設けられているが、
図7に示すように、その内面を筐体の内側に向けていて、上部には開口部があり、該開口部の下側外面には、複数枚の整流板10c,10c,10cが垂直方向に設けられている。そして、上記開口部には、上と左右の三面が台形板で囲まれ下方が開放された排気ダクトカバー10bが外側から被せられる。その排気ダクトカバー10bの内側には、
図8に示すように、複数枚の整流板10g,10gが垂直方向に設けられている。なお、それらの整流板10g,10gは、排気ダクト10aに設けた整流板10c,10c,10cの間に位置するように配置する。
【0026】
また、排気ダクト10aの両側面で、排気ダクトカバー10bの下側に、断面がL字状のルーバ固定部材10f,10fを取り付けて、それらの上端間を覆うように排気ルーバ上板10eを取り付け、その下側には、上記吸気ルーバ9c,9c,9cと同様な、複数枚の排気ルーバ10d,10d,・・・を一定間隔で平行に取り付けている。
【0027】
吸気口9に、このような吸気ルーバ9c,9c,9cを設け、排気口10に排気ルーバ10d,10d,・・・を設けたことにより、各ルーバに当たった雨滴は、円弧状をした各ルーバの円錐状の丸みを持った先端部から落下して、吸気口9や排気口10から中に入りにくくなる。
【0028】
図9は、下段ベースと上段ベースの組立図である。下段ベース4の下段ベース底板4aは、中間部が長方形で長手方向両端部が半円形をしていて全体が小判状に形成されており、その下段ベース底板4a上を横断するように、断面コの字状で両端が開口した溝型の導風部材4bを伏せた状態で、所定の間隔をあけて平行に設けている。それら導風部材4bの中間部側面には、互いに対向させて排出開口4cを設けている。
【0029】
また、下段ベース底板4aの両側辺部には、垂直に下段ベース側板4dを設け、導風部材4bが当接する部分は開口させている。また、下段ベース底板4aのフロント側には、垂直に下段ベース前板4eを、リア側には、垂直に下段ベース後板4fを設けている。そして、下段ベース側板4dの上部には、断面がL字状の下段ベース側部上板4g,4gを、下段ベース前板4eと下段ベース後板4fの上部には、下段ベース端部上板4h,4h
を設けている。
【0030】
左右の下段ベース側板4d,4dには、吊り金具21を取り付けるためのブラケット4i,4iを設けており、また、一方の下段ベース側板4dには、燃料電池生成水を生成水排出口12(
図1)から外部へ排出するためのドレンジョイント4jを設けている。
【0031】
そして、下段ベース4の上には、上段ベース20を載置して取り付ける。上段ベース20の上段ベース底板20aは、下段ベース底板4aと同様に、小判状に形成されており、その上段ベース底板20aの中央部には、導風部材4bの排出開口4cから排出された冷却空気を上方に導入するための通風孔20bを設けている。
【0032】
また、上段ベース底板20aには、角パイプ20c,20c,・・・を立設して、それらの上端に上段ベース上板20dを載せて固定し、架台とする。そして、上段ベース底板20aと上段ベース上板20dのそれぞれ対向する位置に、燃料電池生成水処理用のホースを通すための排水ホース挿通孔20e,20eを設けている。
【0033】
この上段ベース底板20aと上段ベース上板20dの間の空間を制御装置室として、
図10に示すように、燃料電池で発電した直流電圧を交流電圧に変換するためのパワーコンディショナー25,25,・・・とパワーコンディショナー制御装置26を設置する。そして、上段ベース上板20dの上は、燃料電池ユニット室として、そこに燃料電池スタック30a,エアクリーナ30b,ラジエータ30c,ラジエータファン30d等とからなる燃料電池ユニット30を設置する。
【0034】
燃料電池スタック30aは、水素供給口13(
図1)から供給された水素と、エアクリーナ30bから吸い込んだ空気中の酸素とを化学反応させる所である。ラジエータ30cは、燃料電池スタック30a内で水素と酸素が反応する際に発生する熱を吸収して高温になった冷却水を冷却する。ラジエータファン30dは、ラジエータ30cを冷却するためのファンで、筐体内に配置することで、筐体内の冷却風を外部へ吸い出す。
【0035】
パワーコンディショナー25は複数のユニットにユニット化されていて、それぞれのユニットは、四角いボックスに収納され、それぞれ、DCファン25aによりパワーコンディショナー冷却用の空気を吸い込んで、ボックス内を冷却し、空気排出口25bから排出するようにしている。
【0036】
図11は、制御装置室を架台カバーで覆った状態を示す図である。符号は、
図5,
図8,
図10のものに対応しており、20fは架台カバー、20gは排風開口である。架台の一方の側面は、排風開口20gを有する架台カバー20fで覆われ、他方の側面は開口部がない裏カバー(図示せず)で覆われている。また、架台のフロント側は排気ダクト10aで塞がれ、リア側は吸気ダクト9aで塞がれている。
【0037】
したがって、架台内では、前記上段ベース底板20aの通風孔20bから導入された冷却空気が、各パワーコンディショナー25を冷却した後、排風開口20gから排出されて、燃料電池ユニット30が収納されている上部へ流れていく。
【0038】
筐体内の冷却風の流れは、燃料電池ユニット30のラジエータファン30dによる吸出効果により生じる。
図12は、可搬形発電装置内部での冷却風の流れを示す図である。図中にF1で示す流れは、下段ベース4横の吸気開口11,11,11,11から外気が吸い込まれ、導風部材4bの排出開口4c,上段ベース底板20aの通風孔20bを通り、架台内の制御装置室に送られて、パワーコンディショナー25とパワーコンディショナー制御装置26を冷却する。
【0039】
その後、パワーコンディショナー25のDCファン25aにより、制御装置室を覆う架台カバー20f,20fの排風開口20g,20gから冷風F2,F3,F4となって上方へ排出される。冷風F2は、排風開口20gから電装品箱23の横を通り、燃料電池ユニット室に送られ、燃料電池スタック30aの冷却にも利用される。冷風F3,F4は、排風開口20gからサイドドア5と電装品箱23の間を通り、電装品箱23上部の空間から燃料電池ユニット室に入り、燃料電池スタック30aの冷却にも利用される。
【0040】
冷風F5は、リアフレーム2の吸気口9から取り込まれて、吸気ダクト9aの整流板9bにより整流され、リアフレーム2内側曲面に沿って燃料電池ユニット室内に導入され、燃料電池スタック30a,ラジエータ30cを冷却した後、整流板10g,10cで整流され、フロントフレーム1の内側曲面に沿って回り込んだ冷風F5(図示なし)と一緒に、排風F6として排気口10から外部に排出される。
【0041】
燃料電池ユニット室は、左右の一方の側に制御箱22と電装品箱23,23が設置され、他方の側はカバー24,24で覆われており、冷却風はそれらの間を吹き抜けるように流れていく。そして、燃料電池ユニット室内を冷却した空気は、ラジエータファン30dにより、排気ダクト10a,排気ダクトカバー10b,排気ルーバ10dを整流されながらよどみなく流れていく。燃料電池ユニット30の冷却対象は、燃料電池スタック30aとラジエータ30cという狭い範囲に限定されるので、このようにすれば非常に効率的に冷却ができる。