(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181834
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】通信装置、通信制御方法及び通信制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/06 20090101AFI20221201BHJP
H04L 13/00 20060101ALI20221201BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20221201BHJP
G08G 1/09 20060101ALN20221201BHJP
【FI】
H04W48/06
H04L13/00 307C
H04W4/40
G08G1/09 F
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089015
(22)【出願日】2021-05-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】志田 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】大黒 將弘
【テーマコード(参考)】
5H181
5K034
5K067
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181EE10
5H181FF03
5K034AA07
5K034DD01
5K034EE03
5K034FF11
5K034FF13
5K034HH01
5K034HH02
5K034HH64
5K034MM11
5K067BB03
5K067LL11
(57)【要約】
【課題】通信装置がデータを送信又は受信する際に通信を逼迫させるおそれを低減する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る通信装置1は、複数の領域それぞれにおける通信の混雑状況を示す混雑情報を受信する受信部121と、複数の領域のうち、通信装置が位置している領域を特定する特定部122と、混雑情報が示す混雑状況であって、特定部が特定した領域の混雑状況に基づいて、通信装置によるデータの送信又は受信を待機するか否かを判定する判定部123と、判定部が送信又は受信を待機しないと判定したことを条件として、データを送信又は受信する通信制御部124と、を有し、判定部は、送信又は受信を待機すると判定した後、データの送信又は受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされたときに通信装置が位置している領域における混雑状況に基づいて、データの送信又は受信を待機するか否かを再び判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
複数の領域それぞれにおける通信の混雑状況を示す混雑情報を受信する受信部と、
前記複数の領域のうち、前記通信装置が位置している領域を特定する特定部と、
前記混雑情報が示す前記混雑状況であって、前記特定部が特定した前記領域の前記混雑状況に基づいて、前記通信装置によるデータの送信又は受信を待機するか否かを判定する判定部と、
前記判定部が送信又は受信を待機しないと判定したことを条件として、前記データを送信又は受信する通信制御部と、
を有し、
前記判定部は、送信又は受信を待機すると判定した後、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされたときに前記通信装置が位置している領域における前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再び判定する、
通信装置。
【請求項2】
前記判定部が送信又は受信を待機すると判定した対象である前記データの容量である待機データ量を測定する測定部をさらに有し、
前記通信制御部は、前記測定部が測定した前記待機データ量を、前記通信装置の外部へ送信する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記混雑情報は、前記複数の領域それぞれの時間帯ごとの前記混雑状況を示し、
前記判定部は、前記特定部が特定した前記領域の前記混雑状況であって、現在時刻が含まれる時間帯の前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを判定する、
請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記再判定条件は、前記判定部が送信又は受信を待機すると判定した時点から、前記混雑情報において前記混雑状況が混雑していないことを示す時間帯に達するまでの時間が経過したことである、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記再判定条件は、前記特定部が特定した前記領域が、前記判定部が送信又は受信を待機すると判定した際の前記領域から切り替わったことである、
請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記通信装置が有する記憶部であって、前記データを記憶している記憶部の使用容量又は残容量を特定し、
前記判定部は、前記混雑状況と、前記使用容量又は前記残容量と、に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを判定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記判定部は、送信又は受信を待機しないと判定した後、所定時間が経過した場合に、前記混雑情報が示す前記混雑状況であって、前記特定部が特定した前記領域の前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再び判定し、
前記通信制御部は、前記判定部が送信又は受信を待機すると判定したことを条件として、送信又は受信していた前記データの送信又は受信を中止する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記判定部は、送信又は受信を待機しないと判定した後、前記特定部が特定した前記領域が、前記判定部が送信又は受信を待機しないと判定した際の前記領域から切り替わった場合に、前記混雑情報が示す前記混雑状況であって、前記特定部が特定した前記領域の前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再び判定し、
前記通信制御部は、前記判定部が送信又は受信を待機すると判定したことを条件として、送信又は受信していた前記データの送信又は受信を中止する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記特定部は、前記データを送信又は受信する優先度を特定し、
前記通信制御部は、前記優先度に基づいて、前記判定部による判定結果に基づいて前記データを送信又は受信するか、前記判定部による判定結果に基づかずに前記データを送信又は受信するかを制御する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記通信装置は、車両に設置された装置である、
請求項1から9のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項11】
通信装置のプロセッサが実行する、
複数の領域それぞれにおける通信の混雑状況を示す混雑情報を受信するステップと、
前記複数の領域のうち、前記通信装置が位置している領域を特定するステップと、
前記混雑情報が示す前記混雑状況であって、前記特定するステップにおいて特定した前記領域の前記混雑状況に基づいて、前記通信装置によるデータの送信又は受信を待機するか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて送信又は受信を待機しないと判定したことを条件として、前記データを送信又は受信するステップと、
前記判定するステップにおいて送信又は受信を待機すると判定した後、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされたときに前記通信装置が位置している領域における前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再び判定するステップと、
を有する、通信制御方法。
【請求項12】
通信装置のプロセッサに、
複数の領域それぞれにおける通信の混雑状況を示す混雑情報を受信するステップと、
前記複数の領域のうち、前記通信装置が位置している領域を特定するステップと、
前記混雑情報が示す前記混雑状況であって、前記特定するステップにおいて特定した前記領域の前記混雑状況に基づいて、前記通信装置によるデータの送信又は受信を待機するか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて送信又は受信を待機しないと判定したことを条件として、前記データを送信又は受信するステップと、
前記判定するステップにおいて送信又は受信を待機すると判定した後、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされたときに前記通信装置が位置している領域における前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再び判定するステップと、
を実行させる、通信制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを送受信するための通信装置、通信制御方法及び通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に搭載された車載装置において取得された画像データ及び走行データを移動体通信等によってサーバに送信し、サーバのデータベースに蓄積するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両等に搭載された通信装置と外部のサーバとの間で送受信されるデータの中には、即時処理される必要がない一方で、大容量のものもある。従来、スマートフォン等の携帯通信端末と車両等に搭載された通信装置とは同じ優先度で通信を行うため、通信装置が大容量のデータを送受信すると、携帯通信端末の通信を逼迫させるおそれがあるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、通信装置がデータを送信又は受信する際に通信を逼迫させるおそれを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の通信装置は、複数の領域それぞれにおける通信の混雑状況を示す混雑情報を受信する受信部と、前記複数の領域のうち、前記通信装置が位置している領域を特定する特定部と、前記混雑情報が示す前記混雑状況であって、前記特定部が特定した前記領域の前記混雑状況に基づいて、前記通信装置によるデータの送信又は受信を待機するか否かを判定する判定部と、前記判定部が送信又は受信を待機しないと判定したことを条件として、前記データを送信又は受信する通信制御部と、を有し、前記判定部は、送信又は受信を待機すると判定した後、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされたときに前記通信装置が位置している領域における前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再び判定する。
【0007】
前記通信装置は、前記判定部が送信又は受信を待機すると判定した対象である前記データの容量である待機データ量を測定する測定部をさらに有し、前記通信制御部は、前記測定部が測定した前記待機データ量を、前記通信装置の外部へ送信してもよい。
【0008】
前記混雑情報は、前記複数の領域それぞれの時間帯ごとの前記混雑状況を示し、前記判定部は、前記特定部が特定した前記領域の前記混雑状況であって、現在時刻が含まれる時間帯の前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを判定してもよい。
【0009】
前記再判定条件は、前記判定部が送信又は受信を待機すると判定した時点から、前記混雑情報において前記混雑状況が混雑していないことを示す時間帯に達するまでの時間が経過したことであってもよい。
【0010】
前記再判定条件は、前記特定部が特定した前記領域が、前記判定部が送信又は受信を待機すると判定した際の前記領域から切り替わったことであってもよい。
【0011】
前記特定部は、前記通信装置が有する記憶部であって、前記データを記憶している記憶部の使用容量又は残容量を特定し、前記判定部は、前記混雑状況と、前記使用容量又は前記残容量と、に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを判定してもよい。
【0012】
前記判定部は、送信又は受信を待機しないと判定した後、所定時間が経過した場合に、前記混雑情報が示す前記混雑状況であって、前記特定部が特定した前記領域の前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再び判定し、前記通信制御部は、前記判定部が送信又は受信を待機すると判定したことを条件として、送信又は受信していた前記データの送信又は受信を中止してもよい。
【0013】
前記判定部は、送信又は受信を待機しないと判定した後、前記特定部が特定した前記領域が、前記判定部が送信又は受信を待機しないと判定した際の前記領域から切り替わった場合に、前記混雑情報が示す前記混雑状況であって、前記特定部が特定した前記領域の前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再び判定し、前記通信制御部は、前記判定部が送信又は受信を待機すると判定したことを条件として、送信又は受信していた前記データの送信又は受信を中止してもよい。
【0014】
前記特定部は、前記データを送信又は受信する優先度を特定し、前記通信制御部は、前記優先度に基づいて、前記判定部による判定結果に基づいて前記データを送信又は受信するか、前記判定部による判定結果に基づかずに前記データを送信又は受信するかを制御してもよい。
【0015】
前記通信装置は、車両に設置された装置であってもよい。
【0016】
本発明の第2の態様の通信制御方法は、通信装置のプロセッサが実行する、複数の領域それぞれにおける通信の混雑状況を示す混雑情報を受信するステップと、前記複数の領域のうち、前記通信装置が位置している領域を特定するステップと、前記混雑情報が示す前記混雑状況であって、前記特定するステップにおいて特定した前記領域の前記混雑状況に基づいて、前記通信装置によるデータの送信又は受信を待機するか否かを判定するステップと、前記判定するステップにおいて送信又は受信を待機しないと判定したことを条件として、前記データを送信又は受信するステップと、前記判定するステップにおいて送信又は受信を待機すると判定した後、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされたときに前記通信装置が位置している領域における前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再び判定するステップと、を有する。
【0017】
本発明の第3の態様の通信制御プログラムは、通信装置のプロセッサに、複数の領域それぞれにおける通信の混雑状況を示す混雑情報を受信するステップと、前記複数の領域のうち、前記通信装置が位置している領域を特定するステップと、前記混雑情報が示す前記混雑状況であって、前記特定するステップにおいて特定した前記領域の前記混雑状況に基づいて、前記通信装置によるデータの送信又は受信を待機するか否かを判定するステップと、前記判定するステップにおいて送信又は受信を待機しないと判定したことを条件として、前記データを送信又は受信するステップと、前記判定するステップにおいて送信又は受信を待機すると判定した後、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされたときに前記通信装置が位置している領域における前記混雑状況に基づいて、前記データの送信又は受信を待機するか否かを再び判定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通信装置がデータを送信又は受信する際に通信を逼迫させるおそれを低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態に係る通信システムの模式図である。
【
図2】第1実施形態に係る通信システムのブロック図である。
【
図3】例示的なトラヒック情報及び混雑情報の模式図である。
【
図6】通信装置がデータの送受信を開始した後に再判定する方法を説明するための模式図である。
【
図7】通信システムがユーザに特典を付与する方法を説明するための模式図である。
【
図8】第1実施形態に係る通信装置が実行する通信制御方法のフローチャートを示す図である。
【
図9】第2実施形態に係る通信システムのブロック図である。
【
図11】通信装置がデータの送受信の待機を開始した後に再判定する方法を説明するための模式図である。
【
図12】通信装置がデータの送受信を開始した後に再判定する方法を説明するための模式図である。
【
図13】通信システムがユーザに特典を付与する方法を説明するための模式図である。
【
図14】第2実施形態に係る通信装置が実行する通信制御方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
[通信システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る通信システムSの模式図である。通信システムSは、通信装置1と、管理サーバ2と、記録サーバ3と、を含む。通信システムSは、その他の端末、装置等を含んでもよい。
【0021】
通信装置1は、通信によりデータを送信又は受信(以下、送受信ともいう)するコンピュータである。通信装置1は、ユーザに関連付けられている。通信装置1は、移動体通信、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信により、管理サーバ2及び記録サーバ3とデータを送受信する。
【0022】
通信装置1は、例えば、自動車等の車両に設置された車載端末である。通信装置1は、例えば、車両が備える撮像装置によって生成された撮像画像データ、車速等の車両の走行に関する走行データ、車両の運転操作に関する運転データ等を外部に送信する。また、通信装置1は、例えば、カーナビゲーションに用いられる地図データや、車両内で出力される画像、音楽等のコンテンツデータを、外部から受信する。通信装置1は、ここに示した具体的なデータに限られず、その他のデータを外部との間で送受信してもよい。
【0023】
管理サーバ2は、通信装置1によるデータの送受信に関する情報を管理するコンピュータである。また、管理サーバ2は、混雑情報に応じて通信装置1が送受信を待機したデータ量に応じて、通信装置1を利用するユーザに所定の特典を付与する。管理サーバ2は、単一の装置、又は複数の装置である。また、管理サーバ2は、コンピュータ資源の集合であるクラウド上で動作する一又は複数の仮想的なサーバであってもよい。
【0024】
記録サーバ3は、通信装置1から受信したデータを記憶し、又は通信装置1に送信するデータを記憶するコンピュータである。記録サーバ3は、管理サーバ2と一体的に構成されてもよい。すなわち、管理サーバ2が記録サーバ3として機能してもよい。
【0025】
本実施形態に係る通信システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。管理サーバ2は、複数の領域それぞれにおける通信の混雑状況を示す混雑情報を、通信装置1に送信する。混雑情報は、例えば、移動体通信の複数のセル(すなわち、1つの基地局の通信可能範囲)それぞれにおける通信の混雑状況を示す情報である。通信装置1は、管理サーバ2が送信した混雑情報を受信する。
【0026】
通信装置1は、混雑情報が示す混雑状況のうち、通信装置1が位置している領域の混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送信又は受信を待機するか否かを判定する。通信装置1は、例えば、現在時刻と同じ時間帯において過去に混雑していた又は現在混雑していることを混雑状況が示す場合に送受信を待機すると判定し、そうでない場合に送受信を待機しないと判定する。通信装置1は、送受信を待機しないと判定した場合に記録サーバ3との間でデータを送受信し、送受信を待機すると判定した場合にデータの送受信を待機する。
【0027】
さらに通信装置1は、送受信を待機すると判定した後、データの送受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされたときに通信装置1が位置している領域における混雑状況に基づいて、データの送受信を待機するか否かを再び判定する。再判定条件は、例えば、所定の時間(例えば、一定の時間、又は混雑状況が混雑していないことを示す時間帯に達するまでの時間)が経過したこと、又は通信装置1が位置している領域(例えば、セル)が切り替わったことである。通信装置1は、再判定において、送受信を待機すると判定した場合にデータの送受信の待機を継続し、送受信を待機しないと判定した場合に記録サーバ3との間でデータを送受信する。
【0028】
このような構成により、通信システムSは、通信装置1が位置している領域における通信の混雑状況に基づいて、通信が混雑していると推定される場合に通信装置1によるデータの送受信を待機させ、通信が混雑していないと推定される場合に通信装置1によるデータの送受信を行わせる。これにより、通信システムSは、通信装置1がデータを送受信する際に通信を逼迫させるおそれを低減できる。
【0029】
[通信システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る通信システムSのブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0030】
通信装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、通信装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部12との間でデータの授受を行ってもよい。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部11は、外部に送信するデータ(撮像画像データ、走行データ、運転データ等)を、当該データが送信されるまで一時的に記憶する。
【0031】
制御部12は、受信部121と、特定部122と、判定部123と、通信制御部124と、測定部125と、を有する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部121、特定部122、判定部123、通信制御部124及び測定部125として機能する。
【0032】
管理サーバ2は、記憶部21と、制御部22とを有する。記憶部21は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部21は、管理サーバ2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部22との間でデータの授受を行ってもよい。記憶部21は、制御部22が実行するプログラムを予め記憶している。
【0033】
また、記憶部21は、複数の領域(例えば、移動体通信のセル)それぞれにおける通信のトラヒックを示すトラヒック情報を予め記憶している。また、記憶部21は、例えば、通信装置1が設置された車両を識別するための車両識別情報(以下、車両ID)と、当該通信装置1を利用するユーザを識別するためのユーザ識別情報(以下、ユーザID(Identification))と、を関連付けて予め記憶している。また、記憶部21は、例えば、通信装置1が送受信を待機したデータの容量である待機データ量を、当該通信装置1を利用するユーザのユーザIDと関連付けて記憶する。
【0034】
制御部22は、取得部221と、送信部222と、受信部223と、特典付与部224と、を有する。制御部22は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部21に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部221、送信部222、受信部223及び特典付与部224として機能する。
【0035】
以下、本実施形態に係る通信システムSが実行する処理を詳細に説明する。管理サーバ2において、取得部221は、記憶部21に予め記憶されたトラヒック情報から、混雑情報を取得する。
【0036】
図3(a)は、例示的なトラヒック情報の模式図である。トラヒック情報は、複数の領域それぞれにおける時間帯ごとの通信のトラヒックを示す情報である。トラヒック情報は、例えば、複数の領域それぞれを識別するための領域識別情報(
図3(a)のセルID)と、時間帯と、混雑率と、混雑レベルと、を含む。
【0037】
時間帯は、例えば、所定期間(例えば、15分間)の開始時刻によって表される。混雑率は、1つの領域における通信の混雑の程度を示す指標であり、通信が逼迫しているほど高い値をとる。混雑率は、例えば、1つの領域において、同じ時間帯に通信をした通信装置の数や、同じ時間帯に送受信されたデータの容量に基づいて、既知の方法によって算出される。混雑レベルは、混雑率を所定の基準で分類した値である。
図3(a)の例において、混雑レベルは、例えば、混雑率が高いほど小さい値であり、混雑率が低いほど大きい値である。トラヒック情報は、ここに示した具体的な情報に限られず、その他の情報を含んでもよい。
【0038】
図3(b)は、例示的な混雑情報の模式図である。混雑情報は、複数の領域それぞれにおける時間帯ごとの通信の混雑状況を示す情報である。取得部221は、記憶部21に予め記憶されたトラヒック情報から、通信が混雑していることに対応する条件を満たすトラヒック情報を、混雑情報として取得する。取得部221は、例えば、混雑レベルが所定値以下であるトラヒック情報を、混雑情報として取得する。そのため、混雑情報がある時間帯に関連付けられた領域識別情報を含む場合に、当該領域識別情報に対応する領域は当該時間帯において通信が混雑しており、そうでない場合に通信が混雑していないといえる。
【0039】
取得部221は、過去の所定期間(例えば、過去1ヶ月分)のトラヒック情報から混雑情報を取得し、又は最新のトラヒック情報から混雑情報を取得する。取得部221は、トラヒック情報が含む複数の項目のうち一部の項目(
図3(a)の例では混雑率以外の項目)を混雑情報として取得し、又はトラヒック情報の全項目を混雑情報として取得する。混雑情報は、ここに示した具体的な情報に限られず、その他の情報を含んでもよい。
【0040】
本実施形態において、トラヒック情報及び混雑情報において用いられる領域は、移動体通信のセルであるが、地理的に区分されたエリア(ゾーンともいう)であってもよい。トラヒック情報及び混雑情報において用いられる領域が地理的に区分されたエリアである場合に、地域ごとにエリアの大きさが異なるように設定されてもよい。これにより、例えば、都市部では小さいエリアで混雑状況を判定し、過疎地域では大きいエリアで混雑状況を判定する等、地域の特性に応じて通信制御の粒度を調整できる。
【0041】
送信部222は、取得した混雑情報を、通信装置1に送信する。通信装置1において、受信部121は、管理サーバ2が送信した混雑情報を受信する。受信部121は、受信した混雑情報を、記憶部11に記憶させる。
【0042】
特定部122は、データの送受信を待機するか否かを判定するために用いる判定対象情報を特定する。判定対象情報は、通信装置1が設置された車両及び通信装置1に関する情報である。特定部122は、車両に搭載されたECU(Electronic Control Unit)又は通信装置1の記憶部11から、判定対象情報が含む各情報を特定する。
【0043】
図4は、例示的な判定対象情報の模式図である。判定対象情報は、例えば、通信装置1が設置された車両を識別するための車両識別情報(車両ID)と、車両の位置と、車両の速度と、を含む。判定対象情報は、車両の位置に代えて、通信装置1の位置を含んでもよい。また、判定対象情報は、例えば、通信装置1の記憶部11の残容量及び容量と、通信装置1が通信をしているセルの領域識別情報(セルID)と、を含む。判定対象情報は、記憶部11の残容量に代えて、記憶部11の使用容量を含んでもよい。
【0044】
また、判定対象情報は、例えば、通信装置1が送受信しようとしているデータの優先度及び発生日時を含む。データの優先度は、データの種類や、データを出力したソフトウェア又はハードウェアの種類に応じて、記憶部11に予め記憶された規則に従って特定される。通信装置1が複数のデータを送受信しようとしている場合に、判定対象情報は、複数のデータそれぞれの優先度及び発生日時を含んでもよい。判定対象情報は、ここに示した具体的な情報に限られず、その他の情報を含んでもよい。
【0045】
特定部122は、特定した判定対象情報を用いて、複数の領域のうち、通信装置1が位置している領域を特定する。特定部122は、例えば、判定対象情報が含む領域識別情報に対応するセルを、通信装置1が位置している領域として特定する。また、特定部122は、判定対象情報が含む領域識別情報に対応するエリアを、通信装置1が位置している領域として特定してもよい。
【0046】
判定部123は、受信部121が受信した混雑情報が示す混雑状況であって、特定部122が特定した領域の混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を待機するか否かを判定する。判定部123は、例えば、受信部121が受信した混雑情報が示す混雑状況が、現在時刻と同じ時間帯において過去に混雑していた又は現在混雑していることを示す場合に送受信を待機すると判定し、そうでない場合に送受信を待機しないと判定する。
【0047】
また、判定部123は、受信部121が受信した混雑情報が示す混雑状況に加えて、送受信されるデータを記憶する記憶部11の使用容量又は残容量に基づいて、データの送受信を待機するか否かを判定してもよい。判定部123は、例えば、混雑状況が過去に混雑していた又は現在混雑していることを示す場合において、記憶部11の使用容量が所定値以上であるとき、又は記憶部11の残容量が所定値以下であるときに、データの送信を待機しないと判定し、そうでないときにデータの送信を待機すると判定する。これにより、通信装置1は、通信が混雑しているおそれがある場合であっても、記憶部11の容量に余裕がないときには待機をせずにデータを送信し、送信前のデータが記憶部11から溢れるおそれを低減できる。
【0048】
通信制御部124は、判定対象情報が含む優先度に基づいて、判定部123による判定結果に基づいてデータを送受信するか、判定部123による判定結果に基づかずにデータを送受信するかを制御する。通信装置1が複数のデータを送受信しようとしている場合に、通信制御部124は、複数のデータそれぞれの優先度に基づいて当該データの送受信を制御する。
【0049】
通信制御部124は、例えば、優先度が低い場合(例えば、優先度が所定の基準値未満である場合)に、判定部123による判定結果に基づいてデータを送受信し、優先度が高い場合(例えば、優先度が所定の基準値以上である場合)に、判定部123による判定結果に基づかずにデータを送受信する。優先度が高い場合には、判定部123による上述の判定は行われなくてもよい。これにより、通信装置1は、リアルタイムで送受信が必要な高優先度のデータを、通信の混雑状況によらずに送受信を行うことができる。
【0050】
また、通信制御部124は、通信装置1が送受信しようとしているデータの種類、又は当該データを出力したソフトウェア若しくはハードウェアの種類に基づいて、判定部123による判定結果に基づいてデータを送受信するか、判定部123による判定結果に基づかずにデータを送受信するかを制御してもよい。通信制御部124は、例えば、データの種類、又は当該データを出力したソフトウェア若しくはハードウェアの種類が、予め定義された判定対象の種類である場合に、判定部123による判定結果に基づいてデータを送受信し、そうでない場合に、判定部123による判定結果に基づかずにデータを送受信する。これにより、通信装置1は、データの種類又はデータの出力元の種類に応じて、通信の混雑状況によらずに送受信を行うか否かを切り替えることができる。
【0051】
通信制御部124は、判定対象情報が含む車両の速度に基づいて、判定部123による判定結果に基づいてデータを送受信するか、判定部123による判定結果に基づかずにデータを送受信するかを制御してもよい。通信制御部124は、例えば、車両の速度が低い場合(例えば、車両の速度が所定の基準値未満である場合)に、判定部123による判定結果に基づいてデータを送受信し、車両の速度が高い場合(例えば、車両の速度が所定の基準値以上である場合)に、判定部123による判定結果に基づかずにデータを送受信する。車両の速度が高いとすぐに通信中のセルが切り替わるため、1つのセルの通信を継続的に逼迫させるおそれが小さい。そのため、通信装置1は、車両の速度が高い場合には、通信の混雑状況によらずにデータの送受信を行い、データの送受信を効率的に進めることができる。
【0052】
通信制御部124は、判定部123が送受信を待機しないと判定したことを条件として、記録サーバ3へデータの送信を開始し、又は記録サーバ3からデータの受信を開始する。通信制御部124は、例えば、データを送信する場合に、記憶部11から送信対象のデータを取得し、記録サーバ3にデータ(例えば、撮像画像データ、走行データ又は運転データ)を送信する。通信制御部124は、例えば、データを受信する場合に、記録サーバ3にデータの受信要求を送信し、記録サーバ3が受信要求に応じて送信したデータ(例えば、地図データ又はコンテンツデータ)を受信する。一方、通信制御部124は、判定部123が送受信を待機すると判定した場合に、記録サーバ3に対するデータの送受信の待機を開始する。これにより、通信装置1は、通信が混雑しているおそれが小さいことを条件としてデータを送受信するため、データを送受信する際に通信を逼迫させるおそれを低減できる。
【0053】
また、通信制御部124は、判定部123が送受信を待機しないと判定した場合に、管理サーバ2から受信したトラヒック情報が示す混雑の程度に応じて、データを送受信するスループット(送受信の速度)を制御してもよい。この場合に、受信部121は、管理サーバ2が混雑情報とともに送信したトラヒック情報を受信する。通信制御部124は、例えば、混雑レベルの値が小さいほど(すなわち、混雑率が高いほど)、スループットを低く、混雑レベルの値が大きいほど(すなわち、混雑率が低いほど)、スループットを高くして、データを送受信する。これにより、通信装置1は、データの送受信を待機しない場合であっても、混雑の程度に応じてデータの送受信のスループットを制御し、データを送受信する際に通信を逼迫させるおそれをさらに低減できる。
【0054】
判定部123が送受信を待機すると判定し、通信制御部124がデータの送受信の待機を開始した後、判定部123は、所定の再判定条件が満たされた場合にデータの送受信を待機するか否かを再び判定する。
【0055】
図5は、通信装置1がデータの送受信の待機を開始した後に再判定する方法を説明するための模式図である。判定部123は、送受信を待機すると判定した後、データの送受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされているか否かを判定する。送受信を待機すると判定された後の再判定条件は、例えば、以下の第1の再判定条件及び第2の再判定条件のうち一方又は両方である。
【0056】
第1の再判定条件は、判定部123が送受信を待機すると判定した時点から、所定の時間が経過したことである。第1の再判定条件として用いる所定の時間は、例えば、一定の時間、又は混雑情報において混雑状況が混雑していないことを示す時間帯に達するまでの時間である。一定の時間は、例えば、管理サーバ2に予め設定された値である。また、一定の時間は、例えば、トラヒック情報又は混雑情報における時間帯の長さと同じ時間(
図3(a)、
図3(b)の例では15分間)であってもよい。
【0057】
混雑情報において混雑状況が混雑していないことを示す時間帯に達するまでの時間は、混雑状況が、ある時間帯において混雑していることを示しており、かつ当該時間帯の次の時間帯において混雑していないことを示している場合に、当該次の時間帯に達するまでの時間である。これにより、通信装置1は、通信の混雑が解消した確率の高いタイミングで再判定を行うことができる。
【0058】
第2の再判定条件は、特定部122が特定した、通信装置1が位置している領域(セル又はエリア)が、判定部123が送受信を待機すると判定した際の領域から切り替わったことである。すなわち、第2の再判定条件は、判定部123が送受信を待機すると判定した時点で通信装置1が位置していた領域と、通信装置1が現在位置している領域と、が異なっていることである。これにより、通信装置1は、領域の切り替わりにより混雑状況が変化したタイミングで再判定を行うことができる。
【0059】
判定部123は、再判定条件が満たされたと判定した場合に、再判定条件が満たされたときに通信装置1が位置している領域における混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を待機するか否かを再判定する。判定部123が通信装置1によるデータの送受信を待機するか否かを再判定する処理は、最初の判定と同様である。
【0060】
通信制御部124は、再判定において判定部123が送受信を待機しないと判定したことを条件として、記録サーバ3へデータの送信を開始し、又は記録サーバ3からデータの受信を開始する。一方、通信制御部124は、再判定において判定部123が送受信を待機すると判定した場合に、記録サーバ3に対するデータの送受信の待機を継続する。これにより、通信装置1は、通信の混雑状況に基づいてデータの送受信を待機するか否かを継続的に判定することができる。
【0061】
判定部123が送受信を待機しないと判定し、通信制御部124がデータの送受信を開始した後、判定部123は、所定の再判定条件が満たされた場合にデータの送受信を待機するか否かを再び判定する。
【0062】
図6は、通信装置1がデータの送受信を開始した後に再判定する方法を説明するための模式図である。判定部123は、送受信を待機しないと判定した後、データの送受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされているか否かを判定する。送受信を待機しないと判定された後の再判定条件は、例えば、以下の第3の再判定条件及び第4の再判定条件のうち一方又は両方である。
【0063】
第3の再判定条件は、例えば、判定部123が送受信を待機しないと判定した時点から、所定の時間が経過したことである。第3の再判定条件として用いる所定の時間は、例えば、一定の時間、又は送受信されるデータに対応する時間である。一定の時間は、例えば、通信装置1に予め設定された値である。また、一定の時間は、例えば、トラヒック情報又は混雑情報における時間帯の長さと同じ時間(
図3(a)、
図3(b)の例では15分間)であってもよい。
【0064】
送受信されるデータに対応する時間は、送受信されるデータの種類、又は送受信されるデータを出力したソフトウェア若しくはハードウェアの種類に予め関連付けられた時間である。これにより、通信装置1は、時間経過に応じて再判定を行い、データの送受信が開始された後に通信が混雑した状況で通信帯域を占有し続けることを抑制できる。
【0065】
第4の再判定条件は、特定部122が特定した、通信装置1が位置している領域(セル又はエリア)が、判定部123が送受信を待機しないと判定した際の領域から切り替わったことである。すなわち、第4の再判定条件は、判定部123が送受信を待機しないと判定した時点で通信装置1が位置していた領域と、通信装置1が現在位置している領域と、が異なっていることである。これにより、通信装置1は、領域の切り替わりにより混雑状況が変化したタイミングで再判定を行うことができる。
【0066】
判定部123は、再判定条件が満たされたと判定した場合に、再判定条件が満たされたときに通信装置1が位置している領域における混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を待機するか否かを再判定する。判定部123が通信装置1によるデータの送受信を待機するか否かを再判定する処理は、最初の判定と同様である。
【0067】
通信制御部124は、再判定において判定部123が送受信を待機すると判定したことを条件として、記録サーバ3に対するデータの送受信の待機を開始する。一方、通信制御部124は、再判定において判定部123が送受信を待機しないと判定した場合に、記録サーバ3に対するデータの送受信を継続する。これにより、通信装置1は、通信の混雑状況に基づいてデータの送受信を待機するか否かを継続的に判定することができる。
【0068】
さらに通信システムSは、通信装置1が送受信を待機したデータの容量に応じて、通信装置1を利用するユーザに特典を付与する。
図7は、通信システムSがユーザに特典を付与する方法を説明するための模式図である。
【0069】
通信装置1において、測定部125は、通信装置1が送受信を待機したデータの容量である待機データ量を測定(算出、計算、カウントともいう)する。測定部125は、例えば、判定部123が送受信を待機すると判定した対象である一又は複数のデータの容量を合計することによって、待機データ量を測定する。また、測定部125は、待機データ量に加えて又は代えて、通信装置1がデータの送受信を待機した時間である待機時間を測定してもよい。通信制御部124は、測定部125が測定した待機データ量を、通信装置1が設置された車両の車両IDと関連付けて、管理サーバ2に送信する。通信制御部124は、通信装置1がデータの送受信を待機する度に待機データ量を送信してもよく、所定期間(例えば、1日間)の待機データ量をまとめて送信してもよい。
【0070】
管理サーバ2において、受信部223は、通信装置1が送信した待機データ量及び車両IDを受信する。受信部223は、受信した待機データ量を、受信した車両IDに予め関連付けられたユーザIDに関連付けて、記憶部21に記憶させる。特典付与部224は、記憶部21に記憶された待機データ量に応じて、当該待機データ量に関連付けられたユーザIDに対応するユーザに、所定の特典を付与する。特典付与部224は、例えば、商品やサービスと引き換え可能なポイント、商品やサービスに適用可能なクーポン、ユーザに対する請求料金からの割引等を、特典としてユーザに付与する。特典付与部224は、受信部223が待機データ量を受信する度に当該待機データ量に対応する特典をユーザに付与してもよく、所定期間(例えば、一ヶ月間)ごとに当該期間において蓄積された待機データ量に対応する特典をユーザに付与してもよい。
【0071】
特典付与部224は、例えば、ユーザに特典を付与するための情報として、特典の内容を示す情報を、通信装置1に送信する。また、特典付与部224は、例えば、ユーザに特典を付与するための情報として、特典の付与を行う外部サーバに待機データ量を示す情報を送信し、当該外部サーバがユーザに対して特典を付与してもよい。これにより、通信システムSは、通信の混雑時にデータの送受信を待機したユーザに利益が生じるようにすることができる。
【0072】
また、特典付与部224は、待機データ量に加えて又は代えて、待機時間に基づいて特典を決定してもよい。この場合に、特典付与部224は、待機時間が長いほど特典の数又は量を大きくし、待機時間が短いほど特典の数又は量を小さくする。これにより、ユーザがデータの送受信を長く待機するほどユーザの利益を大きくすることができる。
【0073】
[通信制御方法のフロー]
図8は、本実施形態に係る通信装置1が実行する通信制御方法のフローチャートを示す図である。受信部121は、管理サーバ2が送信した、複数の領域それぞれにおける時間帯ごとの通信の混雑状況を示す混雑情報を受信する(S11)。
【0074】
特定部122は、データの送受信を待機するか否かを判定するために用いる判定対象情報を特定する(S12)。判定対象情報は、通信装置1が設置された車両及び通信装置1に関する情報である。特定部122は、特定した判定対象情報を用いて、複数の領域のうち、通信装置1が位置している領域を特定する(S13)。
【0075】
判定対象情報が含む優先度が高い場合(例えば、優先度が所定の基準値以上である場合)に(S14のNO)、通信装置1はステップS19に進む。判定対象情報が含む優先度が低い場合(例えば、優先度が所定の基準値未満である場合)に(S14のYES)、判定部123は、受信部121が受信した混雑情報が示す混雑状況であって、特定部122が特定した領域の混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を待機するか否かを判定する(S15)。
【0076】
ステップS15において、判定部123は、受信部121が受信した混雑情報が示す混雑状況に加えて、送受信されるデータを記憶する記憶部11の使用容量又は残容量に基づいて、データの送受信を待機するか否かを判定してもよい。
【0077】
判定部123が送受信を待機すると判定した場合に(S16のNO)、通信制御部124は、記録サーバ3に対するデータの送受信の待機を開始する。測定部125は、通信装置1が送受信を待機したデータの容量である待機データ量を測定する(S17)。通信制御部124は、測定部125が測定した待機データ量を、通信装置1が設置された車両の車両IDと関連付けて、管理サーバ2に送信する。通信制御部124は、通信装置1がデータの送受信を待機する度に待機データ量を送信してもよく、所定期間の待機データ量をまとめて送信してもよい。管理サーバ2において、車両IDに関連付けられたユーザIDに対応するユーザに、待機データ量に対応する特典が付与される。
【0078】
判定部123は、送受信を待機すると判定した後、データの送受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされているか否かを判定する。再判定条件は、上述の第1の再判定条件及び第2の再判定条件のうち一方又は両方である。
【0079】
判定部123は、再判定条件が満たされたと判定した場合に(S18のYES)、ステップS12~S15によって、再判定条件が満たされたときに通信装置1が位置している領域における混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を待機するか否かを再判定する。判定部123は、再判定条件が満たされていないと判定した場合に(S18のNO)、再判定条件の判定を繰り返す。
【0080】
判定部123が送受信を待機しないと判定した場合に(S16のYES)、通信制御部124は、記録サーバ3へデータの送信を開始し、又は記録サーバ3からデータの受信を開始する(S19)。
【0081】
判定部123は、送受信を待機しないと判定した後、データの送受信を待機するか否かを再判定するための再判定条件が満たされているか否かを判定する。再判定条件は、上述の第3の再判定条件及び第4の再判定条件のうち一方又は両方である。判定部123は、再判定条件が満たされたと判定した場合に(S20のYES)、ステップS12~S15によって、再判定条件が満たされたときに通信装置1が位置している領域における混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を待機するか否かを再判定する。
【0082】
判定部123は、再判定条件が満たされていないと判定した場合であって(S20のNO)、データの送受信が終了していない場合に(S21のNO)、再判定条件の判定を繰り返す。判定部123は、再判定条件が満たされていないと判定した場合であって(S20のNO)、データの送受信が終了した場合に(S21のYES)、処理を終了する。
【0083】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る通信システムSによれば、通信装置1は、通信装置1が位置している領域における通信の混雑状況に基づいて、通信が混雑していると推定される場合にデータの送受信を待機し、通信が混雑していないと推定される場合にデータの送受信を行う。これにより、通信システムSは、通信装置1がデータを送受信する際に通信を逼迫させるおそれを低減できる。
【0084】
<第2実施形態>
第1実施形態では通信装置1がデータの送受信を待機するか否かを判定するのに対して、本実施形態では管理サーバ2がデータの送受信を待機するか否かを判定する。本実施形態に係る通信システムSは、
図1と同様の構成を有する。
【0085】
図9は、本実施形態に係る通信システムSのブロック図である。
図9において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図9に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図9に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0086】
通信装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。記憶部11は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、通信装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部12との間でデータの授受を行ってもよい。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部11は、外部に送信するデータ(撮像画像データ、走行データ、運転データ等)を、当該データが送信されるまで一時的に記憶する。
【0087】
制御部12は、特定部126と、通信制御部127と、受信部128と、を有する。制御部12は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、特定部126、通信制御部127及び受信部128として機能する。
【0088】
管理サーバ2は、記憶部21と、制御部22とを有する。記憶部21は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部21は、管理サーバ2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部22との間でデータの授受を行ってもよい。記憶部21は、制御部22が実行するプログラムを予め記憶している。
【0089】
また、記憶部21は、複数の領域(例えば、移動体通信のセル)それぞれにおける通信のトラヒックを示すトラヒック情報を予め記憶している。また、記憶部21は、例えば、通信装置1が設置された車両を識別するための車両識別情報(車両ID)と、当該通信装置1を利用するユーザを識別するためのユーザ識別情報(ユーザID)と、を関連付けて予め記憶している。また、記憶部21は、例えば、通信装置1が送受信を待機したデータの容量である待機データ量を、当該通信装置1を利用するユーザのユーザIDと関連付けて記憶する。
【0090】
制御部22は、受信部225と、管理部226と、取得部227と、判定部228と、送信部229と、測定部230と、特典付与部231と、を有する。制御部22は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部21に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部225、管理部226、取得部227、判定部228、送信部229、測定部230及び特典付与部231として機能する。
【0091】
以下、本実施形態に係る通信システムSが実行する処理を詳細に説明する。通信装置1において、特定部126は、データの送受信を待機するか否かを判定するために用いる判定対象情報を特定する。判定対象情報は、通信装置1が設置された車両及び通信装置1に関する情報である。特定部126は、車両に搭載されたECU又は通信装置1の記憶部11から、判定対象情報が含む各情報を特定する。
【0092】
図4に例示したように、判定対象情報は、例えば、通信装置1が設置された車両を識別するための車両識別情報(車両ID)と、車両の位置と、車両の速度と、を含む。判定対象情報は、車両の位置に代えて、通信装置1の位置を含んでもよい。また、判定対象情報は、例えば、通信装置1の記憶部11の残容量及び容量と、通信装置1が通信をしているセルの領域識別情報(セルID)と、を含む。判定対象情報は、記憶部11の残容量に代えて、記憶部11の使用容量を含んでもよい。
【0093】
また、判定対象情報は、例えば、通信装置1が送受信しようとしているデータの優先度及び発生日時を含む。データの優先度は、データの種類や、データを出力したソフトウェア又はハードウェアの種類に応じて、記憶部11に予め記憶された規則に従って特定される。通信装置1が複数のデータを送受信しようとしている場合に、判定対象情報は、複数のデータそれぞれの優先度及び発生日時を含んでもよい。判定対象情報は、ここに示した具体的な情報に限られず、その他の情報を含んでもよい。
【0094】
通信制御部127は、特定部126が特定した判定対象情報を含む通信要求を、通信装置1が設置された車両の車両IDと関連付けて、管理サーバ2に送信する。管理サーバ2において、受信部225は、通信装置1が送信した通信要求を受信する。受信部225は、受信した通信要求が含む判定対象情報を、受信した車両IDと関連付けて、記憶部21に記憶させる。
【0095】
管理部226は、受信部225が受信した通信要求が示す領域において通信を行っている又は通信要求を行っている一又は複数の通信装置1に関する情報を示す通信リストを記憶部11に記憶させることによって、当該通信装置1の数を管理する。
【0096】
図10は、例示的な通信リストの模式図である。通信リストは、受信部225が受信した一又は複数の通信要求それぞれが含む判定対象情報と、当該通信要求に応じてデータの送受信を許可したか否かを示す状態と、を関連付けた情報である。
【0097】
管理部226は、受信部225が通信要求を受信した場合に、当該通信要求が含む判定対象情報を、状態を待機中に設定して通信リストに追加する。また、管理部226は、送信部229が後述の通信許可指示を送信した場合に、当該通信許可指示に対応する判定対象情報の状態を通信中に設定する。また、管理部226は、送信部229が後述の通信中止指示を送信した場合に、当該通信中止指示に対応する判定対象情報の状態を待機中に設定する。また、管理部226は、受信部225が後述の通信完了通知を受信した際に、当該通信完了通知に対応する判定対象情報を通信リストから削除する。通信リストは、ここに示した具体的な情報に限られず、その他の情報を含んでもよい。
【0098】
取得部227は、記憶部21に予め記憶されたトラヒック情報から、混雑情報を取得する。
図3(a)に例示したように、トラヒック情報は、複数の領域それぞれにおける時間帯ごとの通信のトラヒックを示す情報である。トラヒック情報は、例えば、複数の領域それぞれを識別するための領域識別情報と、時間帯と、混雑率と、混雑レベルと、を含む。
【0099】
時間帯は、例えば、所定期間(例えば、15分間)の開始時刻によって表される。混雑率は、1つの領域における通信の混雑の程度を示す指標であり、通信が逼迫しているほど高い値をとる。混雑率は、例えば、1つの領域において、同じ時間帯に通信をした通信装置の数や、同じ時間帯に送受信されたデータの容量に基づいて、既知の方法によって算出される。混雑レベルは、混雑率を所定の基準で分類した値である。
図3(a)の例において、混雑レベルは、例えば、混雑率が高いほど小さい値であり、混雑率が低いほど大きい値である。トラヒック情報は、ここに示した具体的な情報に限られず、その他の情報を含んでもよい。
【0100】
図3(b)に例示したように、混雑情報は、複数の領域それぞれにおける時間帯ごとの通信の混雑状況を示す情報である。取得部227は、記憶部21に予め記憶されたトラヒック情報から、通信が混雑していることに対応する条件を満たすトラヒック情報を、混雑情報として取得し、記憶部21に記憶させる。取得部227は、例えば、混雑レベルが所定値以下であるトラヒック情報を、混雑情報として取得する。そのため、混雑情報がある時間帯に関連付けられた領域識別情報を含む場合に、当該領域識別情報に対応する領域は当該時間帯において通信が混雑しており、そうでない場合に通信が混雑していないといえる。
【0101】
取得部227は、過去の所定期間(例えば、過去1ヶ月分)のトラヒック情報から混雑情報を取得し、又は最新のトラヒック情報から混雑情報を取得する。取得部227は、トラヒック情報が含む複数の項目のうち一部の項目(
図3(a)の例では混雑率以外の項目)を混雑情報として取得し、又はトラヒック情報の全項目を混雑情報として取得する。混雑情報は、ここに示した具体的な情報に限られず、その他の情報を含んでもよい。
【0102】
本実施形態において、トラヒック情報及び混雑情報において用いられる領域は、移動体通信のセルであるが、地理的に区分されたエリア(ゾーンともいう)であってもよい。トラヒック情報及び混雑情報において用いられる領域が地理的に区分されたエリアである場合に、地域ごとにエリアの大きさが異なるように設定されてもよい。これにより、例えば、都市部では小さいエリアで混雑状況を判定し、過疎地域では大きいエリアで混雑状況を判定する等、地域の特性に応じて通信制御の粒度を調整できる。
【0103】
判定部228は、受信部225が受信した通信要求が含む判定対象情報を用いて、複数の領域のうち、通信装置1が位置している領域を特定する。判定部228は、例えば、判定対象情報が含む領域識別情報に対応するセルを、通信装置1が位置している領域として特定する。また、判定部228は、判定対象情報が含む領域識別情報に対応するエリアを、通信装置1が位置している領域として特定してもよい。
【0104】
判定部228は、記憶部21に記憶された混雑情報が示す混雑状況であって、受信部225が受信した通信要求に基づいて特定した領域の混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を許可するか否かを判定する。判定部228は、例えば、記憶部21に記憶された混雑情報が示す混雑状況が、現在時刻と同じ時間帯において過去に混雑していた又は現在混雑していることを示す場合に送受信を許可しないと判定し、そうでない場合に送受信を許可すると判定する。
【0105】
また、判定部228は、記憶部21に記憶された混雑情報が示す混雑状況に加えて、通信装置1において送受信されるデータを記憶する記憶部11の使用容量又は残容量(すなわち、受信部225が受信した通信要求が含む判定対象情報が示す使用容量又は残容量)に基づいて、データの送受信を許可するか否かを判定してもよい。判定部228は、例えば、混雑状況が過去に混雑していた又は現在混雑していることを示す場合において、通信装置1の記憶部11の使用容量が所定値以上であるとき、又は通信装置1の記憶部11の残容量が所定値以下であるときに、データの送信を許可すると判定し、そうでないときにデータの送信を許可しないと判定する。これにより、管理サーバ2は、通信が混雑しているおそれがある場合であっても、通信装置1の記憶部11の容量に余裕がないときには待機をせずに通信装置1にデータを送信させ、送信前のデータが通信装置1の記憶部11から溢れるおそれを低減できる。
【0106】
また、判定部228は、記憶部21に記憶された混雑情報が示す混雑状況に加えて、通信要求を送信した通信装置1とは異なる他の通信装置1の数に基づいて、データの送受信を許可するか否かを判定してもよい。この場合に、判定部228は、記憶部21に記憶された通信リストに基づいて、判定部228が特定した通信装置1が位置している領域と同じ領域において通信をしている他の通信装置1の数(例えば、通信リストにおいて通信中の状態に設定された判定対象情報の数)を特定する。そして判定部228は、例えば、混雑状況が過去に混雑していた又は現在混雑していることを示さない場合において、特定した他の通信装置1の数が所定値以下であるときに、データの送信を許可すると判定し、そうでないときにデータの送信を許可しないと判定する。これにより、管理サーバ2は、通信が混雑しているおそれがない場合であっても、現在通信中の通信装置1の数が多い場合にはデータの送受信を制限し、通信装置1がデータを送受信する際に通信を逼迫させるおそれをさらに低減できる。
【0107】
送信部229は、判定対象情報が含む優先度に基づいて、判定部228による判定結果に基づいて通信装置1におけるデータの送受信を許可するか、判定部228による判定結果に基づかずに通信装置1におけるデータの送受信を許可するかを制御する。通信装置1が複数のデータを送受信しようとしている場合に、送信部229は、複数のデータそれぞれの優先度に基づいて通信装置1における当該データの送受信を制御する。
【0108】
送信部229は、例えば、優先度が低い場合(例えば、優先度が所定の基準値未満である場合)に、判定部228による判定結果に基づいて通信装置1におけるデータの送受信を許可し、優先度が高い場合(例えば、優先度が所定の基準値以上である場合)に、判定部228による判定結果に基づかずに通信装置1におけるデータの送受信を許可する。優先度が高い場合には、判定部228による上述の判定は行われなくてもよい。これにより、管理サーバ2は、通信装置に、リアルタイムで送受信が必要な高優先度のデータを、通信の混雑状況によらずに送受信させることができる。
【0109】
また、送信部229は、通信装置1が送受信しようとしているデータの種類、又は当該データを出力したソフトウェア若しくはハードウェアの種類に基づいて、判定部228による判定結果に基づいてデータの送受信を許可するか、判定部228による判定結果に基づかずにデータの送受信を許可するかを制御してもよい。送信部229は、例えば、データの種類、又は当該データを出力したソフトウェア若しくはハードウェアの種類が、予め定義された判定対象の種類である場合に、判定部228による判定結果に基づいて通信装置1におけるデータの送受信を許可し、そうでない場合に、判定部228による判定結果に基づかずに通信装置1におけるデータの送受信を許可する。これにより、管理サーバ2は、データの種類又はデータの出力元の種類に応じて、通信の混雑状況によらずに送受信を許可するか否かを切り替えることができる。
【0110】
送信部229は、判定対象情報が含む車両の速度に基づいて、判定部228による判定結果に基づいて通信装置1におけるデータの送受信を許可するか、判定部228による判定結果に基づかずに通信装置1におけるデータの送受信を許可するかを制御してもよい。送信部229は、例えば、車両の速度が低い場合(例えば、車両の速度が所定の基準値未満である場合)に、判定部228による判定結果に基づいて通信装置1におけるデータの送受信を許可し、車両の速度が高い場合(例えば、車両の速度が所定の基準値以上である場合)に、判定部228による判定結果に基づかずに通信装置1におけるデータの送受信を許可する。車両の速度が高いとすぐに通信中のセルが切り替わるため、1つのセルの通信を継続的に逼迫させるおそれが小さい。そのため、管理サーバ2は、通信装置1に、車両の速度が高い場合には、通信の混雑状況によらずにデータを送受信させ、データの送受信を効率的に進めることができる。
【0111】
送信部229は、判定部228が送受信を許可すると判定したことを条件として、データの送受信を許可することを示す通信許可指示を、通信装置1に送信する。一方、送信部229は、判定部228が送受信を許可しないと判定した場合に、通信許可指示を通信装置1に送信しない。
【0112】
通信装置1において、受信部128は、管理サーバ2が送信した通信許可指示を受信する。通信制御部127は、受信部128が通信許可指示を受信したことを条件として、記録サーバ3へデータの送信を開始し、又は記録サーバ3からデータの受信を開始する。通信制御部127は、例えば、データを送信する場合に、記憶部11から送信対象のデータを取得し、記録サーバ3にデータ(例えば、撮像画像データ、走行データ又は運転データ)を送信する。通信制御部127は、例えば、データを受信する場合に、記録サーバ3にデータの受信要求を送信し、記録サーバ3が受信要求に応じて送信したデータ(例えば、地図データ又はコンテンツデータ)を受信する。通信制御部127は、データの送受信が完了した場合に、通信完了通知を通信装置1に送信する。
【0113】
一方、通信制御部127は、受信部128が通信許可指示を受信していない場合に、記録サーバ3に対するデータの送受信の待機を開始する。これにより、管理サーバ2は、通信装置1に、通信が混雑しているおそれが小さいことを条件としてデータを送受信させるため、データを送受信する際に通信を逼迫させるおそれを低減できる。
【0114】
また、通信制御部127は、受信部128が通信許可指示を受信した場合に、管理サーバ2から受信したトラヒック情報が示す混雑の程度に応じて、データを送受信するスループット(送受信の速度)を制御してもよい。この場合に、受信部128は、管理サーバ2が通信許可指示とともに送信したトラヒック情報を受信する。通信制御部127は、例えば、混雑レベルの値が小さいほど(すなわち、混雑率が高いほど)、スループットを低く、混雑レベルの値が大きいほど(すなわち、混雑率が低いほど)、スループットを高くして、データを送受信する。これにより、管理サーバ2は、データの送受信を許可する場合であっても、通信装置1において混雑の程度に応じてデータの送受信のスループットを制御し、データを送受信する際に通信を逼迫させるおそれをさらに低減できる。
【0115】
管理サーバ2において、判定部228が送受信を許可しないと判定し、通信装置1がデータの送受信の待機を開始した後、判定部228は、所定の再判定条件が満たされた場合にデータの送受信を許可するか否かを再び判定する。
【0116】
図11は、通信装置1がデータの送受信の待機を開始した後に再判定する方法を説明するための模式図である。判定部228は、送受信を許可しないと判定した後、データの送受信を許可するか否かを再判定するための再判定条件が満たされているか否かを判定する。送受信を許可しないと判定された後の再判定条件は、例えば、第1実施形態と同様の第1の再判定条件及び第2の再判定条件のうち一方又は両方である。
【0117】
第1の再判定条件は、判定部228が送受信を許可しないと判定した時点から、所定の時間が経過したことである。第1の再判定条件として用いる所定の時間は、例えば、一定の時間、又は混雑情報において混雑状況が混雑していないことを示す時間帯に達するまでの時間である。一定の時間は、例えば、管理サーバ2に予め設定された値である。また、一定の時間は、例えば、トラヒック情報又は混雑情報における時間帯の長さと同じ時間(
図3(a)、
図3(b)の例では15分間)であってもよい。
【0118】
混雑情報において混雑状況が混雑していないことを示す時間帯に達するまでの時間は、混雑状況が、ある時間帯において混雑していることを示しており、かつ当該時間帯の次の時間帯において混雑していないことを示している場合に、当該次の時間帯に達するまでの時間である。これにより、管理サーバ2は、通信の混雑が解消した確率の高いタイミングで再判定を行うことができる。
【0119】
第2の再判定条件は、判定部228が特定した、通信装置1が位置している領域(セル又はエリア)が、判定部228が送受信を許可しないと判定した際の領域から切り替わったことである。すなわち、第2の再判定条件は、判定部228が送受信を許可しないと判定した時点で通信装置1が位置していた領域と、通信装置1が現在位置している領域と、が異なっていることである。これにより、管理サーバ2は、領域の切り替わりにより混雑状況が変化したタイミングで再判定を行うことができる。
【0120】
判定部228は、再判定条件が満たされたと判定した場合に、再判定条件が満たされたときに通信装置1が位置している領域における混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を許可するか否かを再判定する。判定部228が通信装置1によるデータの送受信を許可するか否かを再判定する処理は、最初の判定と同様である。
【0121】
送信部229は、再判定において判定部228が送受信を許可すると判定したことを条件として、通信装置1に通信許可指示を送信することにより、通信装置1にデータの送受信を開始させる。一方、送信部229は、再判定において判定部228が送受信を許可しないと判定した場合に、通信装置1に通信許可指示を送信しないことにより、通信装置1にデータの送受信の待機を継続させる。これにより、管理サーバ2は、通信の混雑状況に基づいてデータの送受信を待機するか否かを継続的に判定することができる。
【0122】
管理サーバ2において、判定部228が送受信を許可すると判定し、通信装置1がデータの送受信を開始した後、判定部228は、所定の再判定条件が満たされた場合にデータの送受信を許可するか否かを再び判定する。
【0123】
図12は、通信装置1がデータの送受信を開始した後に再判定する方法を説明するための模式図である。判定部228は、送受信を許可すると判定した後、データの送受信を許可するか否かを再判定するための再判定条件が満たされているか否かを判定する。送受信を許可すると判定された後の再判定条件は、例えば、第1実施形態と同様の第3の再判定条件及び第4の再判定条件のうち一方又は両方である。
【0124】
第3の再判定条件は、例えば、判定部228が送受信を許可すると判定した時点から、所定の時間が経過したことである。第3の再判定条件として用いる所定の時間は、例えば、一定の時間、又は送受信されるデータに対応する時間である。一定の時間は、例えば、管理サーバ2に予め設定された値である。また、一定の時間は、例えば、トラヒック情報又は混雑情報における時間帯の長さと同じ時間(
図3(a)、
図3(b)の例では15分間)であってもよい。
【0125】
送受信されるデータに対応する時間は、送受信されるデータの種類、又は送受信されるデータを出力したソフトウェア若しくはハードウェアの種類に予め関連付けられた時間である。これにより、管理サーバ2は、時間経過に応じて再判定を行い、データの送受信が開始された後に通信が混雑した状況で通信帯域を占有し続けることを抑制できる。
【0126】
第4の再判定条件は、判定部228が特定した、通信装置1が位置している領域(セル又はエリア)が、判定部228が送受信を許可すると判定した際の領域から切り替わったことである。すなわち、第4の再判定条件は、判定部228が送受信を許可すると判定した時点で通信装置1が位置していた領域と、通信装置1が現在位置している領域と、が異なっていることである。これにより、管理サーバ2は、領域の切り替わりにより混雑状況が変化したタイミングで再判定を行うことができる。
【0127】
判定部228は、再判定条件が満たされたと判定した場合に、再判定条件が満たされたときに通信装置1が位置している領域における混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を許可するか否かを再判定する。判定部228が通信装置1によるデータの送受信を許可するか否かを再判定する処理は、最初の判定と同様である。
【0128】
送信部229は、再判定において判定部228が送受信を許可しないと判定したことを条件として、データの送受信を中止することを示す通信中止指示を通信装置1に送信することにより、通信装置1にデータの送受信を中止させる。一方、送信部229は、再判定において判定部228が送受信を許可すると判定した場合に、通信装置1に通信中止指示を送信しないことにより、通信装置1にデータの送受信を継続させる。これにより、管理サーバ2は、通信の混雑状況に基づいてデータの送受信を待機するか否かを継続的に判定することができる。
【0129】
さらに通信システムSは、通信装置1が送受信を待機したデータの容量に応じて、通信装置1を利用するユーザに特典を付与する。
図13は、通信システムSがユーザに特典を付与する方法を説明するための模式図である。
【0130】
管理サーバ2において、測定部230は、通信装置1が送受信を待機したデータの容量である待機データ量を、当該通信装置1が設置された車両の車両IDと関連付けて測定(算出、計算、カウントともいう)する。測定部230は、例えば、判定部228が送受信を許可しないと判定した対象である一又は複数のデータの容量を合計することによって、待機データ量を測定する。また、測定部230は、待機データ量に加えて又は代えて、通信装置1がデータの送受信を待機した時間である待機時間を測定してもよい。測定部230は、通信装置1がデータの送受信を待機する度に待機データ量を測定してもよく、所定期間(例えば、1日間)の待機データ量をまとめて測定してもよい。測定部230は、測定した待機データ量を、通信装置1が設置された車両IDに予め関連付けられたユーザIDと関連付けて記憶部21に記憶させる。
【0131】
特典付与部231は、記憶部21に記憶された待機データ量に応じて、当該待機データ量に関連付けられたユーザIDに対応するユーザに、所定の特典を付与する。特典付与部231は、例えば、商品やサービスと引き換え可能なポイント、商品やサービスに適用可能なクーポン、ユーザに対する請求料金からの割引等を、特典としてユーザに付与する。特典付与部231は、測定部230が待機データ量を測定する度に当該待機データ量に対応する特典をユーザに付与してもよく、所定期間(例えば、一ヶ月間)ごとに当該期間において蓄積された待機データ量に対応する特典をユーザに付与してもよい。
【0132】
特典付与部231は、例えば、ユーザに特典を付与するための情報として、特典の内容を示す情報を、通信装置1に送信する。また、特典付与部231は、例えば、ユーザに特典を付与するための情報として、特典の付与を行う外部サーバに待機データ量を示す情報を送信し、当該外部サーバがユーザに対して特典を付与してもよい。これにより、通信システムSは、通信の混雑時にデータの送受信を待機したユーザに利益が生じるようにすることができる。
【0133】
また、特典付与部231は、待機データ量に加えて又は代えて、待機時間に基づいて特典を決定してもよい。この場合に、特典付与部231は、待機時間が長いほど特典の数又は量を大きくし、待機時間が短いほど特典の数又は量を小さくする。これにより、ユーザがデータの送受信を長く待機するほどユーザの利益を大きくすることができる。
【0134】
[通信制御方法のフロー]
図14は、本実施形態に係る管理サーバ2が実行する通信制御方法のフローチャートを示す図である。受信部225は、通信装置1が送信した、判定対象情報を含む通信要求を受信する(S31)。判定対象情報は、通信装置1が設置された車両及び通信装置1に関する情報である。受信部225は、受信した通信要求が含む判定対象情報を、通信装置1が設置された車両の車両IDと関連付けて、記憶部21に記憶させる。
【0135】
管理部226は、受信部225が受信した通信要求が示す領域において通信を行っている又は通信要求を行っている一又は複数の通信装置1に関する情報を示す通信リストを記憶部11に記憶させることによって、当該通信装置1の数を管理する(S32)。取得部227は、記憶部21に予め記憶されたトラヒック情報から、混雑情報を取得する(S33)。
【0136】
判定対象情報が含む優先度が高い場合(例えば、優先度が所定の基準値以上である場合)に(S34のNO)、管理サーバ2はステップS40に進む。判定対象情報が含む優先度が低い場合(例えば、優先度が所定の基準値未満である場合)に(S34のYES)、判定部228は、受信部225が受信した通信要求が含む判定対象情報を用いて、複数の領域のうち、通信装置1が位置している領域を特定する(S35)。
【0137】
判定部228は、記憶部21に記憶された混雑情報が示す混雑状況であって、受信部225が受信した通信要求に基づいて特定した領域の混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を許可するか否かを判定する(S36)。
【0138】
ステップS36において、判定部228は、受信部121が受信した混雑情報が示す混雑状況に加えて、送受信されるデータを記憶する通信装置1の記憶部11の使用容量又は残容量に基づいて、データの送受信を許可するか否かを判定してもよい。また、ステップS36において、判定部228は、受信部121が受信した混雑情報が示す混雑状況に加えて、記憶部21に記憶された通信リストが示す、通信要求を送信した通信装置1とは異なる他の通信装置1の数に基づいて、データの送受信を許可するか否かを判定してもよい。
【0139】
判定部228が送受信を許可しないと判定した場合に(S37のNO)、送信部229は、通信許可指示を通信装置1に送信しないことにより、通信装置1にデータの送受信の待機を開始させる。測定部230は、通信装置1が送受信を待機したデータの容量である待機データ量を測定する(S38)。測定部230は、測定した待機データ量を、通信装置1が設置された車両の車両IDに予め関連付けられたユーザIDと関連付けて記憶部21に記憶させる。測定部230は、通信装置1がデータの送受信を待機する度に待機データ量を測定してもよく、所定期間の待機データ量をまとめて測定してもよい。
【0140】
判定部228は、送受信を許可しないと判定した後、データの送受信を許可するか否かを再判定するための再判定条件が満たされているか否かを判定する。再判定条件は、上述の第1の再判定条件及び第2の再判定条件のうち一方又は両方である。
【0141】
判定部228は、再判定条件が満たされたと判定した場合に(S39のYES)、ステップS32~S36によって、再判定条件が満たされたときに通信装置1が位置している領域における混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を許可するか否かを再判定する。判定部228は、再判定条件が満たされていないと判定した場合に(S39のNO)、再判定条件の判定を繰り返す。
【0142】
判定部228が送受信を許可すると判定した場合に(S37のYES)、送信部229は、データの送受信を許可することを示す通信許可指示を、通信装置1に送信する(S40)。判定部228は、送受信を許可すると判定した後、データの送受信を許可するか否かを再判定するための再判定条件が満たされているか否かを判定する。再判定条件は、上述の第3の再判定条件及び第4の再判定条件のうち一方又は両方である。判定部228は、再判定条件が満たされたと判定した場合に(S41のYES)、ステップS32~S36によって、再判定条件が満たされたときに通信装置1が位置している領域における混雑状況に基づいて、通信装置1によるデータの送受信を待機するか否かを再判定する。
【0143】
再判定条件が満たされていないと判定部228が判定した場合であって(S41のNO)、データの送受信が終了していない場合に(S42のNO)、判定部228は再判定条件の判定を繰り返す。再判定条件が満たされていないと判定部228が判定した場合であって(S41のNO)、データの送受信が終了した場合に(S42のYES)、特典付与部231は、測定部230が測定した待機データ量に応じて、当該待機データ量に関連付けられたユーザIDに対応するユーザに、所定の特典を付与し(S43)、処理を終了する。
【0144】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る通信システムSによれば、管理サーバ2は、通信装置1が位置している領域における通信の混雑状況に基づいて、通信が混雑していると推定される場合に通信装置1にデータの送受信を待機させ、通信が混雑していないと推定される場合に通信装置1にデータの送受信を行わせる。これにより、通信システムSは、通信装置1がデータを送受信する際に通信を逼迫させるおそれを低減できる。
【0145】
<第3実施形態>
第1実施形態と第2実施形態とは、組み合わせて実装されてもよい。すなわち、通信システムSは、第1実施形態に示したように通信装置1がデータの送受信を待機するか否かを判定する状態と、第2実施形態に示したように管理サーバ2がデータの送受信を許可するか否かを判定する状態とを切り替え可能であってもよい。例えば、通信装置1の処理速度が所定値以上である場合に、通信装置1がデータの送受信を待機するか否かを判定し、そうでない場合に、管理サーバ2がデータの送受信を許可するか否かを判定する。これにより、通信システムSが含む通信装置1のプロセッサ等にばらつきがある場合に、処理速度が高い通信装置1においては通信装置1側で主な処理を行い、処理速度が低い通信装置1においては管理サーバ2側で主な処理を行うことにより、通信システムS全体として処理の負荷を分散させることができる。
【0146】
また、通信システムSは、通信装置1のユーザ又は管理サーバ2の管理者から、通信装置1又は管理サーバ2のどちらが判定をするかの設定を受け付け、当該設定に応じて通信装置1又は管理サーバ2のどちらが判定をするかを切り替えてもよい。これにより、通信システムSは、ユーザ又は管理者の希望に応じて、通信装置1又は管理サーバ2のどちらかに主な処理を行わせることができる。
【0147】
また、通信システムSは、通信装置1が位置する地域(出荷国等)を示す地域情報を取得し、当該地域情報に応じて通信装置1又は管理サーバ2のどちらが判定をするかを切り替えてもよい。例えば、通信装置1が位置する地域が予め定義された地域である場合に、通信装置1がデータの送受信を待機するか否かを判定し、そうでない場合に、管理サーバ2がデータの送受信を許可するか否かを判定する。これにより、通信システムSは、地域ごとの特性(普及している端末や通信の環境)に応じて、通信装置1又は管理サーバ2のどちらかに主な処理を行わせることができる。
【0148】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0149】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0150】
通信装置1及び管理サーバ2のプロセッサは、
図8及び
図14に示す通信制御方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、通信装置1及び管理サーバ2のプロセッサは、
図8及び
図14に示す通信制御方法を実行するためのプログラムを実行することによって、
図8及び
図14に示す通信制御方法を実行する。
図8及び
図14に示す通信制御方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0151】
S 通信システム
1 通信装置
11 記憶部
12 制御部
121 受信部
122 特定部
123 判定部
124 通信制御部
125 測定部
126 特定部
127 通信制御部
128 受信部
2 管理サーバ
21 記憶部
22 制御部
221 取得部
222 送信部
223 受信部
224 特典付与部
225 受信部
226 管理部
227 取得部
228 判定部
229 送信部
230 測定部
231 特典付与部