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  • 特開-海苔加工食品 図1
  • 特開-海苔加工食品 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181846
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】海苔加工食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/60 20160101AFI20221201BHJP
   A23G 3/36 20060101ALN20221201BHJP
   A23G 3/34 20060101ALN20221201BHJP
【FI】
A23L17/60 103A
A23G3/36
A23G3/34 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089032
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000208787
【氏名又は名称】第一製網株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥薗 一彦
(72)【発明者】
【氏名】藤本 啓明
【テーマコード(参考)】
4B014
4B019
【Fターム(参考)】
4B014GE03
4B014GG06
4B014GG07
4B014GG17
4B014GL10
4B014GP15
4B014GQ02
4B019LC02
4B019LE06
4B019LK06
4B019LK08
4B019LP05
4B019LP11
4B019LP14
(57)【要約】
【課題】 海苔とナッツだけの新しいスタイルの海苔加工食品を提供することが可能となり、食品業界・海苔業界へ有効に貢献できる。
【解決手段】海苔と海苔の間に、液糖を繋ぎとしてナッツを固着させることで、海苔ナッツ加工食品を製造することができる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板海苔と板海苔の間に、液糖とナッツを乗せ、成型焼成した海苔加工食品。
【請求項2】
温度100~140℃で、1.5~8分で、焼き上げることを特徴とする請求項1記載の海苔加工食品。
【請求項3】
液糖が、メープルシロップ・はちみつ・糖蜜・果糖ブドウ糖液糖・ブドウ糖果糖液糖・高果糖液糖の中の一つ以上であることを特徴とする請求項1~2記載の海苔加工食品。
【請求項4】
ナッツが、アーモンド・クルミ・カシューナッツ・ピスタチオ・ヘーゼルナッツ・ピカンナッツ・マカダミアナッツ・ブラジルナッツ・ピーナッツの中の一つ以上を含有することを特徴とする請求項1~3記載の海苔加工食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔と海苔の間に、液糖を繋ぎとしてナッツを固着させた海苔加工食品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、海苔は、乾海苔・焼きのり・味付け海苔・塩海苔・ばら干し海苔として販売されている。海苔をもちいた加工食品としては、海苔巻き煎餅、粉海苔をまぶしたスナック、乾海苔とナッツを混合した製品、海苔を配合したフリカケ・お茶漬け、佃煮等が販売されている。
上記の形態の海苔加工食品は、長年販売されており、新タイプの海苔加工食品は、開発されていないのが現状である。そのため、食品業界では、海苔を用いた新しい形態の海苔加工食品の開発が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
海苔の片面に、液糖を塗布し、液糖を塗布した面にナッツを乗せ、その後、別の液糖を塗布した海苔を乗せ、ナッツを海苔で挟んだ状態で、薄焼き煎餅焼き機等で成型焼成することで、海苔と海苔の間にナッツが固着した海苔加工食品を製造することができる。
また、液糖を絡めたナッツを、海苔2枚で挟み込み、焼き上げる方法でも、海苔の間にナッツが固着した海苔加工食品を製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、海苔とナッツだけで構成する新しい形態の海苔加工食品を提供することにある。
本発明は、液糖を塗った海苔と海苔の間にナッツを挟み、成型焼成することで、海苔ナッツ加工食品を製造できることを見出した。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、海苔を用いた新しい形態の海苔加工食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の実施形態を詳しく説明する。使用する海苔は、乾海苔・焼きのり・味付け海苔等を使用する。大きさは、全形(21cm×19cm)、半切、3切、4切、6切、8切、十字4切、十字6切、十字8切等を使用できるが、限定されるものではない。
【0007】
使用する液糖としては、メープルシロップ・はちみつ・糖蜜・果糖ブドウ糖液糖・ブドウ糖果糖液糖・高果糖液糖があげられる。好ましいのは、天然の液糖であるメープルシロップ・はちみつ・糖蜜である。
【0008】
使用するナッツとしては、アーモンド、クルミ、カシューナッツ・ピスタチオ・ヘーゼルナッツ・ピカンナッツ・マカダミアナッツ・ブラジルナッツ・ピーナッツ等があげられる。
【0009】
全形海苔(3g)に使用する液糖は、2~8gが好ましい。2gより少ないと、ナッツが接着しにくくなるし、8gより多くなると、海苔がべた付き製造がしづらくなる。液糖は、海苔に塗布して使用しても良いし、ナッツに絡めて使用しても良い。
ナッツの量は、海苔3gに対して、30~120gが好ましい。ナッツは、そのまま使用しても良いし、砕いたものを使用しても良い。
【0010】
煎餅焼き機を用いて製造する時は、上下鉄板の温度は、100~140℃が好ましい。100℃より低くなると歯切れが悪い製品となる。140℃を超えると焦げ臭が発生し美味しくない。
焼き時間は、1~8分が好ましい。0.5分以下では歯ごたえがなく、10分以上だと、焦げ臭が発生する。
【実施例0011】
焼き海苔(全形)を十字4切にカットしたもの(0.75g)を2枚準備した。カットした海苔の片面に、メープルシロップ1gを塗布した。1枚の海苔上に、アーモンド18gを均一になるように乗せ、残りの1枚(メープルシロップ塗布面)を、ナッツの上にかぶせ、ナッツを焼き海苔で挟んだ状態とした。
煎餅焼き機(福山製菓機械製、TW-200、上下の鉄板で挟み焼き上げる機械)を用い、焼き上げた。上下の鉄板の温度は130℃、焼き時間は3分とした。
下記のような海苔とナッツが結合した海苔加工食品(海苔ナッツチップス)を製造することができた。
焼き上げ時に、鉄板で挟み込むため、ナッツが少し砕けた状態で海苔と固着する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明実施例1の正面図
図2】本発明実施例1の断面図
【0013】
(試験例1)
表1に示す組成の海苔加工食品(海苔ナッツチップス)を製造した。
海苔は、十字4切の焼き海苔を使用した。メープルシロップの量は、十字4切に塗布した量を示す。製造には、煎餅焼き機(福山製菓機械製TW-200)を用いた。
【0014】
【表1】
【0015】
焼き時間は、0.5分以下であると、ナッツが海苔と結合せず、10分以上になると、焦げ臭や苦みを感じる。焼き時間は、1~8分が好ましい。
【0016】
(試験例2)
表2に示す組成の海苔加工食品(海苔ナッツチップス)を製造した。
海苔は、十字4切の焼き海苔を使用した。メープルシロップの量は、十字4切に塗布した量を示す。製造には、煎餅焼き機(福山製菓機械製TW-200)を用いた。
【0017】
【表2】
【0018】
焼き温度は、80℃以下であると、ナッツが海苔と固着しない。150℃以上になると、焦げ臭や苦みを感じる。焼き温度は、100~140℃が好ましい。
【0019】
(試験例3)
表3に示す組成の海苔加工食品(海苔ナッツチップス)を製造した。
海苔は、十字4切の焼き海苔を使用した。メープルシロップ・蜂蜜・糖蜜の量は、十字4切に塗布した量を示す。製造には、煎餅焼き機(福山製菓機械製TW-200)を用いた。
【0020】
【表3】
【産業上の利用可能性】
【0021】
液糖を塗布した海苔2枚で、ナッツを挟み、上下鉄板で加熱しながら焼き上げることで、海苔と海苔の間にナッツが固着した海苔加工食品を製造することができる。液糖を絡めたナッツを、海苔2枚で挟み込み方法でも製造することができる。
本発明により、海苔とナッツを組み合わせた新しいタイプの海苔加工食品を提供することが可能となり、食品業界に有効に貢献することができる。
図1
図2