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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181851
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/02 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B66B31/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089039
(22)【出願日】2021-05-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディマピリス キングマークエヴァンヘリスタ
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321HA23
3F321HA27
(57)【要約】
【課題】手摺りベルトが摩耗し難く、清掃装置も長持ちする乗客コンベアを提供することを目的とする。
【解決手段】欄干36の上部と下部を循環しながら所定の走行速度で走行する無端状の手摺りベルト38と、手摺りベルト38の表面に所定間隔毎に設けられた目印部材90と、欄干36の下部において、走行する手摺りベルト38の目印部材90を識別する色識別センサ74と、色識別センサ74で識別した目印部材90のみを清掃する拭き掃除器78とを有する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に走行する無端状の踏段と、
前記踏段の左右両側に設けられた左右一対の欄干と、
前記欄干の上部と下部を循環しながら所定の走行速度で走行する無端状の手摺りベルトと、
前記手摺りベルトに所定間隔毎に設けられた目印部材と、
前記欄干の下部に設けられ、走行する前記手摺りベルトの前記目印部材を検出するセンサと、前記センサで検出した前記目印部材を清掃する清掃実施部と、を有する清掃装置と、
を有することを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
前記清掃実施部は、
前記センサで検出した前記目印部材に清掃液を噴霧するスプレーと、
前記清掃液が噴霧された前記目印部材の汚れを拭いて清掃する拭き掃除器と、
を有する請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記目印部材は、前記手摺りベルトの表面に接着されたフィルムである、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記目印部材は、前記手摺りベルトと異なる色であり、
前記センサは、色識別センサである、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
隣接する前記目印部材の間隔は、前記踏段の前後方向の寸法の2個分の寸法である、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗客コンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアにおいて、手摺りベルトを清掃、除菌する清掃装置が設けられている。この清掃装置は、走行する手摺りベルトに清掃液を噴射し、その後に拭き掃除器で清掃シートを押圧して、汚れを拭き取り、除菌を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-7369号公報
【特許文献2】特開2004-217319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような手摺りベルトの清掃装置であると、乗客コンベアの運転中は手摺りベルトを常に清掃しているため、清掃シートの押圧による手摺りベルトの早期摩耗の可能性や、清掃装置の清掃液と清掃シートの使用量が多くなり、早く使い切って一時的に清掃不可能となる恐れもあるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明の実施形態は、手摺りベルトが摩耗し難く、清掃装置も長持ちする乗客コンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、前後方向に走行する無端状の踏段と、前記踏段の左右両側に設けられた左右一対の欄干と、前記欄干の上部と下部を循環しながら所定の走行速度で走行する無端状の手摺りベルトと、前記手摺りベルトに所定間隔毎に設けられた目印部材と、前記欄干の下部に設けら、走行する前記手摺りベルトの前記目印部材を検出するセンサと、前記センサで検出した前記目印部材を清掃する清掃実施部と、を有する清掃装置と、を有することを特徴とする乗客コンベアである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態のエスカレータの全体を示す左側面説明図である。
図2】手摺りベルトの縦断面図である。
図3】手摺りベルトの平面図である。
図4】上階側の手摺りベルトの清掃装置の左側から見た一部欠裁縦断面図である。
図5】下階側の手摺りベルトの清掃装置の左側から見た一部欠裁縦断面図である。
図6】手摺りベルトの清掃制御を行うエスカレータのブロック図である。
図7】変更例の清掃装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態の乗客コンベアについて、図1図7を参照して説明する。本実施形態では、乗客コンベアとしてエスカレータ10で説明する。
【0009】
(1)エスカレータ10
エスカレータ10の全体の構造について図1を参照して説明する。図1は、エスカレータ10を左側面から見た説明図である。但し、エスカレータ10の内部構造をわかりやすくするために、エスカレータ10の左側の部材の図示を省略している。なお、エスカレータ10の前後方向を説明するときは、上階から下階を見下ろし、上階が後側、下階が前側とする。
【0010】
エスカレータ10の枠組みであるトラス12が、建屋1の上階と下階に跨がって支持アングル2,3を用いて前後方向に沿って支持されている。
【0011】
トラス12の上端部にある上階側の機械室14内部には、踏段30を走行させる駆動装置18、左右一対の踏段スプロケット24,24、左右一対のベルトスプロケット27,27が設けられている。この駆動装置18は、モータ20と、減速機21と、この減速機21の出力軸に取り付けられた駆動小スプロケット19と、モータ20の回転を停止させ、かつ、停止状態を保持するディスク式の電磁ブレーキ23とを有している。左右一対の踏段スプロケット24,24には、同軸に駆動大スプロケット17が取り付けられ、駆動小スプロケット19との間に無端状の駆動チェーン22が架け渡されている。左右一対の踏段スプロケット24,24と左右一対のベルトスプロケット27,27とは、不図示の連結ベルトにより連結され、同期して回転する。また、上階側の機械室14内部には、モータ20や電磁ブレーキ23などを制御する制御装置50が設けられている。
【0012】
トラス12の下端部にある下階側の機械室16内部には、左右一対の従動スプロケット26,26が設けられている。上階側の左右一対の踏段スプロケット24,24と下階側の左右一対の従動スプロケット26,26との間には、左右一対の無端状の踏段チェーン28,28が架け渡されている。左右一対の踏段チェーン28,28の間には、複数の踏段30の左右一対の第1輪301,301が一定間隔毎に連結されている。モータ20が回転すると踏段30の第1輪301は、トラス12に固定された不図示の第1輪専用の案内レールを走行し、踏段30の第2輪302は、トラス12に固定された第2輪専用の案内レール25を走行する。
【0013】
トラス12の上部の左右両側には、左右一対の欄干36,36が立設されている。この欄干36の上部には手摺りレール39が設けられ、この手摺りレール39に沿って無端状の手摺りベルト38が移動する。
【0014】
左右一対の欄干36の上階側の正面下部には上階側の正面スカートガード40が設けられ、下階側の正面下部には下階側の正面スカートガード42が設けられている。正面スカートガード40,42から手摺りベルト38の出入口であるインレット部46,48がそれぞれ突出している。左右一対の欄干36の側面下部には、スカートガード44がそれぞれ設けられ、左右一対のスカートガード44,44の間を踏段30が走行する。
【0015】
手摺りベルト38は、ベルトスプロケット27が踏段スプロケット24と共に回転することにより、踏段30と同期して移動する。例えば、図1に示すように、踏段30が下降しているときは、手摺りベルト38は、欄干36の上端部にある手摺りレール39に沿って下階側に向かって走行し、下階側のインレット部48から正面スカートガード42内に進入し、欄干36の側面下部にあるスカートガード44内を上へ移動し、複数の案内ローラ66を経てベルトスプロケット27に架け渡されて駆動力が与えられ、その後、複数の案内ローラ64を経て上階側のインレット部46から正面スカートガード40の外に現れる。また、回転するベルトスプロケット27に、走行する手摺りベルト38を押圧するための押圧部材68が、ベルトスプロケット27の下方に設けられている。
【0016】
上階側の左右一対のスカートガード44,44の間の乗降口である、機械室14の天井面には、上階側の乗降板32が水平に設けられている。下階側の左右一対のスカートガード44,44の間の乗降口である、機械室16の天井面には、下階側の乗降板34が水平に設けられている。上階側の乗降板32の先端には櫛歯状のコム60が設けられ、このコム60に踏段30が進入したり、引き出されたりする。また、下階側の乗降板34の先端にも櫛歯状のコム62が設けられている。
【0017】
(2)手摺りベルト38
手摺りベルト38について図2図3を参照して説明する。手摺りベルト38は、天然ゴム、合成ゴム、又はウレタンゴム等のエラストマー製であって、図2に示すように、断面C字型であり、中央の平面部分と、その平面部分の左右両側からそれぞれ湾曲するように延びた左右一対の両側部とからなり、その裏面側に手摺りレール39が配されている。この手摺りベルト38は黒色である。
【0018】
図2図3に示すように、手摺りベルト38の表面には、フィルムよりなる目印部材90が所定間隔L毎に、貼り付けられている。目印部材90は、図3においてハッチングで示す部分であり、その平面形状が長方形である。目印部材90が貼り付けられている所定間隔Lとしては、例えば踏段30の前後方向の長さ2個分である。目印部材90の色は緑色であり、黒色の手摺りベルト38に貼り付けた場合に、目印部材90の位置が簡単に色で識別できる。なお、目印部材90の色は、手摺りベルト38とは異なる色であればよく、少なくともその識別が可能であればよいが、識別し易い色であることが好ましい。
【0019】
(3)手摺りベルト38の清掃装置70,72
エスカレータ10は、左右一対の手摺りベルト38,38を清掃するために、図1に示すように、上階の左右一対の欄干36,36の下部には、左右一対の清掃装置70,70、下階の左右一対の欄干36,36の下部には、左右一対の清掃装置72,72を有している。これら清掃装置70,72について図4図5を参照して説明する。
【0020】
上階に設けられている清掃装置70は、図4に示すように欄干36の下部、即ち、正面スカートガード40とスカートガード44に囲まれたデッキ92の内部であって、上階側のインレット部46と案内ローラ64との間に設けられている。清掃装置70には、下階の方から順番に、色識別センサ74、スプレー76、拭き掃除器78が設けられている。色識別センサ74は、黒色の手摺りベルト38と緑色の目印部材90とを色の違いで識別するものである。スプレー76は、その上端部から目印部材90に向かって清掃液を噴霧するものである。拭き掃除器78は、布や紙などの清掃シート80を上面に取り付けた取り付け台82と、取り付け台82に取り付けられた清掃シート80を目印部材90に向かって押圧するエアシリンダからなる押圧部材84とを有している。スプレー76と拭き掃除器78とは、清掃実施部を構成する。
【0021】
また、色識別センサ74、スプレー76、拭き掃除器78を制御する清掃制御部86が設けられている。清掃制御部86は、図4においてデッキ92内部を左から右に走行する手摺りベルト38について、色識別センサ74が目印部材90を識別すると、スプレー76を用いてその目印部材90に向かって清掃液を噴霧し、次に拭き掃除器78の押圧部材84を用いて清掃シート80を、清掃液が噴霧された目印部材90の表面に押圧し、目印部材90のみの清掃、除菌を行う。なお、本明細書における「除菌」という語は、菌やウイルスの数を減らす場合の他、無毒化(消毒)する場合も含み、清掃液としては、これらの作用を行い得る液体が広く使用可能である。
【0022】
下階に設けられている清掃装置72は、図5に示すように欄干36の下部、即ち、正面スカートガード42とスカートガード44に囲まれたデッキ94の内部に設けられている。下階の清掃装置72には、上階の方から順番に色識別センサ74、スプレー76、拭き掃除器78が設けられ、その構造は、清掃装置70の色識別センサ74、スプレー76、拭き掃除器78と同様である。図5に示すように手摺りベルト38が右から左に走行しているときに、色識別センサ74で目印部材90を識別し、識別した目印部材90に向かってスプレー76が清掃液を噴霧し、拭き掃除器78が清掃シート80で目印部材90の表面を清掃、除菌するものであり、この制御を清掃制御部86が行っている。
【0023】
(4)手摺りベルトの清掃制御を行うエスカレータ10の電気的構成
次に、手摺りベルトの清掃制御を行うエスカレータ10の電気的構成について図6のブロック図を参照して説明する。
【0024】
上階の機械室14に設けられた制御装置50には、上階の左側に設けられた清掃装置70の清掃制御部86と、上階の右側に設けられた清掃装置70の清掃制御部86と、下階の左側に設けられた清掃装置72の清掃制御部86と、下階の右側に設けられた清掃装置72の清掃制御部86と、モータ20の回転/停止、回転方向、回転速度を制御する駆動回路29が接続されている。駆動回路29には、モータ20と電磁ブレーキ23が接続されている。
【0025】
(5)手摺りベルト38の清掃装置70,72の動作状態
次に、上階の手摺りベルト38の清掃装置70、下階の手摺りベルト38の清掃装置72の動作状態について説明する。
【0026】
踏段30を下降運転しているときは、制御装置50は上階にある左右一対の清掃装置70,70を動作させ、下階にある清掃装置72,72は停止させておく。
【0027】
踏段30が下降しているときは、図4に示すように、手摺りベルト38は、上階のデッキ92内部において左から右に移動している。また、この移動している手摺りベルト38は、図2に示した手摺りレール39を走行している手摺りベルト38とは上下が逆になり、目印部材90が下側になっている。そのため、清掃制御部86は、色識別センサ74が手摺りベルト38の中の目印部材90を識別すると、スプレー76で目印部材90に清掃液を噴霧し、拭き掃除器78の清掃シート80を押圧部材84によって、清掃液が噴霧された目印部材90に向かって押圧して清掃、除菌する。そして、清掃制御部86は、色識別センサ74により目印部材90が通過したことを検出してから所定時間t後に、スプレー76による清掃液の噴霧と、拭き掃除器78による清掃シート80の押圧を停止する。これにより、上階の清掃装置70は目印部材90の表面のみを清掃、除菌できる。所定時間tとは、目印部材90が色識別センサ74を通過してから清掃シート80の位置を通過するまでの時間であり、予め測定しておく。
【0028】
踏段30を上昇運転しているときは、制御装置50は上階の清掃装置70,70を停止させ、下階の清掃装置72,72を動作させる。
【0029】
踏段30が上昇しているときは、図5に示すように、手摺りベルト38は、下階のデッキ94内部において右から左に移動している。また、この移動している手摺りベルト38は、図2に示した手摺りレール39を走行している手摺りベルト38とは上下が逆になり、目印部材90が下側になっている。そのため、清掃制御部86は、色識別センサ74が目印部材90を識別すると、スプレー76で目印部材90に清掃液を噴霧し、拭き掃除器78の清掃シート80を押圧部材84によって、清掃液が噴霧された目印部材90に向かって押圧して清掃、除菌する。そして、清掃制御部86は、色識別センサ74により目印部材90が通過したことを検出してから前記した所定時間t後に、スプレー76による清掃液の噴霧と、拭き掃除器78による清掃シート80の押圧を停止する。これにより、上階の清掃装置70は目印部材90の表面のみを清掃、除菌できる。
【0030】
なお、清掃装置70,72の清掃制御部86,86は、一定時間毎に色識別センサ74で目印部材90を識別することとなるが、目印部材90が何らかの理由で手摺りベルト38から剥がれた場合は、剥がれた目印部材90が識別できず、識別間隔が長くなるため、予め定めた識別時間内に目印部材90を識別できないときは目印部材90が剥がれたとして、報知信号を制御装置50に送り、制御装置50ではその旨を記録すると共に、外部にある監視装置に警告信号を発する。
【0031】
(6)効果
本実施形態によれば、拭き掃除器78の清掃シート80を手摺りベルト38の中の目印部材90のみを押圧部材84によって押圧するため、従来のように手摺りベルト38全体が常に押圧されておらず、手摺りベルト38が摩耗し難い。
【0032】
また、スプレー76で手摺りベルト38の中の目印部材90にのみ清掃液を噴霧し、清掃シート80も目印部材90だけ押圧するため、清掃液と清掃シートを長持ちさせることができる。
【0033】
また、目印部材90は清掃装置70,72で清掃、除菌されているため、エスカレータ10の踏段30に乗っている乗客が、目印部材90を掴むことにより、衛生的なエスカレータの利用ができる。
【0034】
また、手摺りベルト38の中の目印部材90は、次の目印部材90までの間隔Lが、踏段30の前後方向の2個分に相当しているため、目印部材90を掴むことは1個の踏段30を空けて乗ることを乗客に促し、乗客同士のソーシャルディスタンスを維持できる。
【0035】
また、目印部材90は、手摺りベルト38とは異なる色で形成されているため、乗客の目に付き易く、容易に掴むことができる。
【0036】
また、目印部材90は、フィルムであるため、その取り替えを容易にすることができる。
【0037】
また、目印部材90が何らかの理由で手摺りベルト38から剥がれた場合には、エスカレータの管理者はその状態を簡単に認識できる。
【変更例】
【0038】
上記実施形態では、上階と下階にそれぞれ左右一対の清掃装置70,72を設けたが、これに代えて上階又は下階のみに清掃装置71を設けてもよい。この場合の清掃装置71は、図7に示すように色識別センサ74、スプレー76、拭き掃除器78、スプレー76、色識別センサ74の順番に並べる。この構造であると手摺りベルト38が図7において右から左に走行しても、又は、左から右に走行しても清掃できる。
【0039】
また、上記実施形態では、拭き掃除器78を用いたが、これに代えて紙や布などの清掃シートを巻き付けた巻き付けロールと、巻取りロールを用意し、一定時間毎に巻取りロールで清掃シートを巻き取ることにより、常に新しい状態の清掃シートを押圧部材で押圧して清掃してもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、清掃実施部として、スプレー76と拭き掃除器78で構成したが、これに代えて、紫外線発生装置を用い、目印部材90だけ紫外線による除菌を行ってもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、目印部材90は、手摺りベルト38とは異なる色で形成したが、これに加えて目印部材90に人間の手の平の形を描き、乗客が目印部材90を目にしたときに掴む場所であることをより認識し易いようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、エスカレータ10に適用して説明したが、これに代えて動く歩道に適用してもよい。
【0043】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
10・・・エスカレータ、14・・・機械室、20・・・モータ、30・・・踏段、38・・・手摺りベルト、50・・・制御装置、70・・・上階の清掃装置、72・・・下階の清掃装置、74・・・色識別センサ、76・・・スプレー、78・・・拭き掃除器、86・・・清掃制御部、90・・・目印部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に走行する無端状の踏段と、
前記踏段の左右両側に設けられた左右一対の欄干と、
前記欄干の上部と下部を循環しながら所定の走行速度で走行する無端状の手摺りベルトと、
前記手摺りベルトに所定間隔毎に設けられた目印部材と、
前記欄干の下部に設けられ、走行する前記手摺りベルトの前記目印部材を検出するセンサと、前記センサで検出した前記目印部材を清掃する清掃実施部と、を有する清掃装置と、
を有し、
前記清掃実施部は、
前記センサで検出した前記目印部材に清掃液を噴霧するスプレーと、
前記清掃液が噴霧された前記目印部材の汚れを拭いて清掃する拭き掃除器と、
を有する乗客コンベア。
【請求項2】
前記目印部材は、前記手摺りベルトの表面に接着されたフィルムである、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記目印部材は、前記手摺りベルトと異なる色であり、
前記センサは、色識別センサである、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
隣接する前記目印部材の間隔は、前記踏段の前後方向の寸法の2個分の寸法である、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の実施形態は、前後方向に走行する無端状の踏段と、前記踏段の左右両側に設けられた左右一対の欄干と、前記欄干の上部と下部を循環しながら所定の走行速度で走行する無端状の手摺りベルトと、前記手摺りベルトに所定間隔毎に設けられた目印部材と、前記欄干の下部に設けら、走行する前記手摺りベルトの前記目印部材を検出するセンサと、前記センサで検出した前記目印部材を清掃する清掃実施部と、を有する清掃装置と、を有し、前記清掃実施部は、前記センサで検出した前記目印部材に清掃液を噴霧するスプレーと、前記清掃液が噴霧された前記目印部材の汚れを拭いて清掃する拭き掃除器と、を有することを特徴とする乗客コンベアである。