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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181869
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】感圧センサ、ロボット
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/173 20200101AFI20221201BHJP
   B25J 19/02 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G01L5/173
B25J19/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089064
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】小野木 智英
【テーマコード(参考)】
2F051
3C707
【Fターム(参考)】
2F051AA10
2F051AB04
2F051DA03
3C707BS12
3C707DS01
3C707ES03
3C707KS34
3C707KV18
3C707KX07
(57)【要約】
【課題】静的感度を有する感圧センサを提供すること。
【解決手段】感圧センサは、超音波を送信または受信する第1超音波デバイスを有する第1基板と、超音波を送信または受信する第2超音波デバイスを有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置される中間層と、備え、前記第1基板は、前記中間層の第1面に接して配置され、前記第2基板は、前記中間層の第2面に接して配置され、前記第1超音波デバイスは、前記中間層を挟んで前記第2超音波デバイスの少なくとも一部と対向するように配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送信または受信する第1超音波デバイスを有する第1基板と、
超音波を送信または受信する第2超音波デバイスを有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される中間層と、備え、
前記第1基板は、前記中間層の第1面に接して配置され、
前記第2基板は、前記中間層の第2面に接して配置され、
前記第1超音波デバイスは、前記中間層を挟んで前記第2超音波デバイスの少なくとも一部と対向するように配置される、
感圧センサ。
【請求項2】
前記第2基板は、前記第2超音波デバイスと離間して配置された第3超音波デバイスをさらに有し、
前記第1超音波デバイスは、前記中間層を挟んで、前記第2超音波デバイスの少なくとも一部と対向し、かつ、前記第3超音波デバイスの少なくとも一部と対向するように配置される、
請求項1に記載の感圧センサ。
【請求項3】
前記第2基板は、第4超音波デバイス、及び、前記第4超音波デバイスと離間して配置された第5超音波デバイスをさらに有し、
前記第2超音波デバイスと第3超音波デバイスとの離間方向を第1方向としたときに、
前記第4超音波デバイスと第5超音波デバイスとは、前記第1方向と交差する第2方向に離間して配置され、
前記第1超音波デバイスは、前記中間層を挟んで、前記第2超音波デバイスの少なくとも一部と対向し、前記第3超音波デバイスの少なくとも一部と対向し、前記第4超音波デバイスの少なくとも一部と対向し、前記第5超音波デバイスの少なくとも一部と対向するように配置される、
請求項2に記載の感圧センサ。
【請求項4】
前記中間層は、弾性体である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の感圧センサ。
【請求項5】
前記中間層は、弾性体からなる第1部分と、液体または気体からなる第2部分とから構成され、
前記第1超音波デバイスは、前記第2部分を挟んで前記第2超音波デバイスの少なくとも一部と対向するように配置される、
請求項1に記載の感圧センサ。
【請求項6】
前記第1超音波デバイスは、前記中間層とは反対の方向に超音波を送信し、対象物で反射された超音波を受信して、前記対象物との距離を計測する、
請求項1に記載の感圧センサ。
【請求項7】
前記超音波デバイスは、アレイ状の複数の超音波素子からなる超音波素子群であり、
前記超音波素子は、超音波を送信または受信可能に設けられる、
請求項1~6のいずれか一項に記載の感圧センサ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の感圧センサと、
アームと、
前記アームと連結するエンドエフェクターと、を備え、
前記感圧センサは、前記エンドエフェクターに取り付けられる、
ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧センサ、及び、当該感圧センサを備えたロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電素子に加わる圧力を電気信号として検出する感圧センサが知られている。
例えば、特許文献1には、感圧素子として圧電素子を用い、当該圧電素子における表裏面の少なくとも片面に弾性体層を設けた圧電センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-53549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の圧電素子を構成する圧電体は電荷応答型であるため、電荷が漏洩してしまい、直流成分のピーク値を維持し続けることが困難であった。このため、圧電素子を感圧素子として用いる感圧センサでは、一定圧力が印加され続けている状態を検出することが困難であるという課題があった。つまり、静的感度を有する感圧センサが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に係る感圧センサは、超音波を送信または受信する第1超音波デバイスを有する第1基板と、超音波を送信または受信する第2超音波デバイスを有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置される中間層と、備え、前記第1基板は、前記中間層の第1面に接して配置され、前記第2基板は、前記中間層の第2面に接して配置され、前記第1超音波デバイスは、前記中間層を挟んで前記第2超音波デバイスの少なくとも一部と対向するように配置される。
【0006】
本願に係るロボットは、上記の感圧センサと、アームと、前記アームと連結するエンドエフェクターと、を備え、前記感圧センサは、前記エンドエフェクターに取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1に係る感圧センサの平面図。
図2】感圧センサの断面図。
図3】圧力印加時における感圧センサの態様を示す断面図。
図4】実施形態2に係る感圧センサの平面図。
図5】感圧センサの断面図。
図6】せん断力印加時における感圧センサの断面態様図。
図7】実施形態3に係る感圧センサの平面図。
図8】実施形態4に係る感圧センサの平面図。
図9】実施形態5に係る感圧センサの断面図。
図10】距離測定モード、圧力測定モードの切替え方法の流れを示すフローチャート図。
図11】実施形態6に係る超音波デバイスの平面図。
図12】実施形態7に係るロボットの外観図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態1
***感圧センサの基本構成***
図1は、実施形態1の感圧センサの平面図である。図2は、感圧センサの断面図である。本実施形態の感圧センサ100は、超音波を送受信する超音波デバイスを用いた感圧センサであり、静的感度を備えている。
【0009】
まず、感圧センサ100の基本構成について、図1図2を用いて説明する。
図1に示すように、感圧センサ100は、平面的には略正方形をなしており、第1基板10の表面が感圧面となる。第1基板10の外形は、略正方形であり、中心に同心矩形の開口部15を有している。開口部15には、振動膜13が露出している。振動膜13の背面には、第1超音波デバイス30が設けられている。
なお、以下、XY座標軸に示すように、第1基板10の一辺に沿った方向をX軸プラス方向とし、当該一辺と交差する方向をY軸プラス方向として説明する。また、X軸Y軸を含む面から垂直な方向をZプラス方向とし、Zプラス方向を上方、Zマイナス方向を下方ともいう。Zプラス側の面を表面、Zマイナス側の面を裏面ともいう。
【0010】
図2に示すように、感圧センサ100は、第1基板10と、第2基板20との間に、中間層5を挟持した構成となっている。
第1基板10は、好適例ではシリコン基板を用いる。なお、シリコン基板に限定するものではなく、外部からの圧力に耐え得る剛性を備えたリジッド基板であれば良い。
第1基板10の裏面には、振動膜13が設けられている。振動膜13は、第1基板10上に積層される第1層11と、第1層11上に積層される第2層12とからなる2層構成となっている。好適例において、第1層11は酸化シリコン(SiO2)層とし、第2層12は酸化ジルコニウム(ZrO2)層としている。振動膜13の膜厚は、送受信する超音波の共振周波数に基づいて設定することが好ましい。なお、この構成に限定するものではなく、超音波で共振可能な硬質材料であれば良い。
【0011】
第1基板10の開口部15に設けられた振動膜13の上には、第1超音波デバイス30が設けられている。換言すれば、第1基板10は、第1超音波デバイス30を有する。
第1超音波デバイス30は、第1電極16、圧電体17、第2電極18などから構成されている。
振動膜13の上に設けられる第1電極16は、圧電体17の駆動電極であり、導電性材料から構成される。導電性材料としては、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ステンレス鋼等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の酸化スズ系導電材料、酸化亜鉛系導電材料、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO3)、ニッケル酸ランタン(LaNiO3)、元素ドープチタン酸ストロンチウム等の酸化物導電材料や、導電性ポリマー等を用いることができる。
【0012】
圧電体17は、好適例では、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)による圧電体層を用いる。なお、これに限定するものではなく、同等の変位量を有する圧電材料を用いても良い。圧電体17の上に設けられる第2電極18は、圧電体17の駆動電極であり、第1電極16と同様の導電性材料から構成される。
【0013】
第2基板20、振動膜23、及び、第2超音波デバイス40は、第1基板10、振動膜13、第1超音波デバイス30を上下反転させた構成である。詳しくは、第2基板20上に、振動膜23と第2超音波デバイス40とが、この順番に積層される。第2基板20は第1基板10と同じ材料から構成され、その外形は、第1基板10と同様に略正方形であり、中心に同心矩形の開口部25を有している。換言すれば、第2基板20は、第2超音波デバイス40を有する。なお、第1基板10、第2基板20における開口部は必須ではなく、開口部がない構成であっても良い。各デバイスが基板に裏打ちされる構成であっても、超音波の送受信は可能である。
【0014】
振動膜23は、振動膜13と同様、第1層21と第2層22とからなる2層構成であり、第1層21は第1層11に、第2層22は第2層12にそれぞれ対応しており、両者は同じ材料から構成される。
第2超音波デバイス40は、第1超音波デバイス30と同様、圧電体27を第1電極26と第2電極28とで挟持する構成であり、圧電体27は圧電体17に、第1電極26は第1電極16に、第2電極28は第2電極18にそれぞれ対応しており、両者は同じ材料から構成される。
【0015】
***中間層の構成***
中間層5は、弾性体であり、好適例ではシリコーン樹脂の一種であるPDMS(Polydimethylsiloxane)を用いる。中間層5は、高弾性であることが好ましいため、例えば、弾性率が2.7MPaのPDMSを用いる。なお、これに限定するものではなく、高弾性の材料であれば良く、例えば、シリコーン樹脂、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ウレアゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、エラストマーなどを用いても良い。また、弾性率は、0.1MPa以上10MPa以上の範囲内で、印加される圧力に応じて適宜設定することが好ましい。
【0016】
図2に示すように、中間層5における第1基板10側の面を第1面6としたときに、第1基板10は、中間層5の第1面6に接して配置される。なお、図2では、解り易くするために第1超音波デバイス30を厚く図示しているが、実際の当該デバイスの厚さは数μm~数十μmであるため、第1基板10面との段差は僅かである。
同様に、中間層5における第2基板20側の面を第2面7としたときに、第2基板20は、中間層5の第2面7に接して配置される。
そして、第1超音波デバイス30は、中間層5を挟んで、第2超音波デバイス40と対向して配置される。なお、全てが対向していなくても良く、平面的に両デバイスの一部が重なっていれば良い。平面的とは、Zプラス方向から第1超音波デバイス30を透過観察することを指し、平面視ともいう。換言すれば、第1超音波デバイス30は、中間層5を挟んで第2超音波デバイス40の少なくとも一部と対向するように配置される。
【0017】
***超音波デバイスによる送受信態様***
第1超音波デバイス30は、超音波を送受信可能に構成されている。
まず、超音波を送信する際には、第1超音波デバイス30に駆動信号として超音波域周波数のパルス信号が供給される。駆動信号は、不図示の配線を介して第1電極16、第2電極18から圧電体17に印加される。ここで、第1基板10の開口部15から露出した振動膜13は、周囲の第1基板10に固定された部分を支点にして、厚み方向に振動可能に構成されているため、駆動信号により駆動された第1超音波デバイス30の振動に応じて超音波振動する。
【0018】
次いで、超音波を受信する際には、駆動信号は必要なく、第1電極16、第2電極18に接続する配線(図示せず)から出力される検出信号を検出する。詳しくは、第1超音波デバイス30に超音波が入射すると、当該超音波により第1超音波デバイス30を含む開口部15の振動膜13が振動する。この超音波振動により圧電体17で圧電効果が生じ、振動の大きさに応じた検出信号が第1電極16、第2電極18を介して出力される。なお、駆動信号の供給、および、検出信号の受信は、例えば、ロボットのコントローラーなど、感圧センサ100が取付けられた装置の制御部(図示せず)で制御される。
【0019】
好適例として感圧センサ100では、第1超音波デバイス30を送信器、第2超音波デバイス40を受信器としている。なお、これに限定するものではなく、第2超音波デバイス40も、超音波を送受信可能に構成されているため、第2超音波デバイス40を送信器とし、第1超音波デバイス30を受信器としても良い。
感圧センサ100により圧力検出を行う際には、第1超音波デバイス30から発せられた超音波が中間層5を伝搬して、第2超音波デバイス40に到達するまでの時間であるTOF(Time of flight)を計測する。TOFは、第1超音波デバイス30と第2超音波デバイス40との間の距離に応じて変化する。詳しくは、両デバイス間の距離が長ければTOFは大きく(長く)なり、距離が短ければTOFは小さく(短く)なる。なお、押圧がない初期状態における両超音波デバイス間の距離は、図2に示すように、第1の距離70となっている。
【0020】
***圧力の検出方法***
図3は、圧力印加時における感圧センサの態様を示す断面図であり、図2に対応している。図3は、感圧センサ100が所定の装置の台座60に取付けられた状態を図示しており、第2基板20が台座60に固定された状態で、第1基板10上の対象物61から押圧されている状態を示している。
【0021】
対象物61は、第1基板10に密着した状態で矢印で示すZマイナス方向の押圧力80を感圧センサ100に加えている。押圧力80により、弾性体からなる中間層5が圧縮されて、第1超音波デバイス30と第2超音波デバイス40との間は、第1の距離70よりも短い第2の距離71となる。
よって、印加された押圧力に応じてTOFが小さくなるため、計測したTOFを用いて演算することにより、押圧力を求めることができる。詳しくは、中間層5の弾性率における押圧力と変形量との相関関係、及び、当該変形量とTOFとの相関関係に基づく演算を行う。または、これらのパラメータを予めデータテーブル化しておき、当該テーブルから計測したTOFに対応する押圧力を引き当てることでも良い。
【0022】
以上述べた通り、本実施形態の感圧センサ100によれば、以下の効果を得ることができる。
感圧センサ100は、超音波を送信または受信する第1超音波デバイス30を有する第1基板10と、超音波を送信または受信する第2超音波デバイス40を有する第2基板20と、第1基板10と第2基板20との間に配置される中間層5と、を備え、第1基板10は、中間層5の第1面6に接して配置され、第2基板20は、中間層5の第2面7に接して配置され、第1超音波デバイス30は、中間層5を挟んで第2超音波デバイス40の少なくとも一部と対向するように配置される。
【0023】
これによれば、第1超音波デバイス30から超音波を送信した場合、超音波は中間層5を伝搬して、第2超音波デバイス40で受信される。この際、中間層5の厚さは、第1基板10に加わる外部からの押圧力に応じて変化するため、TOFを計測することにより、圧力を検出することができる。つまり、感圧センサ100によれば、超音波の到達時間を計測する方法を採用することにより、一定圧力が印加され続けている状態の検出が困難であった従来の感圧センサと異なり、当該状態における圧力を検出することができる。
従って、静的感度を有する感圧センサ100を提供することができる。
【0024】
実施形態2
***感圧センサの異なる態様-1***
図4は、本実施形態に係る感圧センサの平面図であり、図1に対応している。図5は、感圧センサの断面図であり、図2に対応している。
【0025】
実施形態1では、第1基板10、第2基板20共に1つずつの超音波デバイスを備える構成であったが、複数の超音波デバイスを備える構成であっても良い。
図4に示すように、本実施形態の感圧センサ110では、第1基板10には第1超音波デバイス31を1つ設け、第2基板20には第2超音波デバイス41と第3超音波デバイス42の2つを設ける構成としている。以下、実施形態1と同じ構成部位には、同一の付番を付し、重複する説明は省略する。
【0026】
第1基板10に設けられる第1超音波デバイス31は、基本的に実施形態1の第1超音波デバイス30と同じ構成であるが、平面的に第1超音波デバイス30よりも一回り小さく図示している。
第2基板20には、第2超音波デバイス41と、第3超音波デバイス42とが離間して配置される。詳しくは、両デバイス間の間隙部分に重なり、かつ、両デバイスの一部に重なるように、第1超音波デバイス31が配置されている。また、第2超音波デバイス41と、第3超音波デバイス42は、基本的に実施形態1の第2超音波デバイス40と同じ構成であるが、平面的に第2超音波デバイス40よりも小さく図示している。
【0027】
図5に示すように、断面的には、第1超音波デバイス31を頂点とする二等辺三角形において、底辺の2つの頂点に第2超音波デバイス41と第3超音波デバイス42とが位置する配置となっている。押圧がない初期状態では、X軸の延在方向において、第1超音波デバイス31と第2超音波デバイス41とは、寸法75の重なりを持っている。同様に、第1超音波デバイス31と第3超音波デバイス42との間でも、寸法75の重なりがある。換言すれば、第1超音波デバイス31は、中間層5を挟んで、第2超音波デバイス41の少なくとも一部と対向し、かつ、第3超音波デバイス42の少なくとも一部と対向するように配置されている。
【0028】
初期状態において、第1超音波デバイス31と第2超音波デバイス41との間の距離は距離77aであり、第1超音波デバイス31と第3超音波デバイス42との間の距離78aと同じとなっている。
また、第2基板20には、第2超音波デバイス41に対応する開口部24と、第3超音波デバイス42に対応する開口部29とが設けられている。これらの構成以外は、実施形態1の感圧センサ100と同様である。
【0029】
***せん断力の検出方法***
図6は、せん断力印加時における感圧センサの態様を示す断面図であり、図3に対応している。図6は、感圧センサ110が所定の装置の台座60に取付けられた状態を図示しており、第2基板20が台座60に固定された状態で、第1基板10上の対象物61から押圧されている状態を示している。
【0030】
対象物61は、第1基板10に密着した状態で矢印で示す押圧力81を感圧センサ110に加えている。押圧力81は、ベクトル81vに示すように、第1基板10をZマイナス方向に押付ける力と、第1基板10をXプラス方向(右方向)に動かす力との合力となっている。なお、押付け力の割合は僅かであり、第1基板10を右方向に動かす力が主体である。この押圧力81は、感圧センサ110においてはせん断力となる。詳しくは、第2基板20を固定した状態で、第1基板10を右に動かす力となる。
【0031】
この押圧力81により、中間層5が圧縮及び変形して、第1超音波デバイス31と第2超音波デバイス41との間の距離は、初期の距離77aよりも長い距離77bとなる。よって、TOFは大きく(長く)なる。他方、第1超音波デバイス31と第3超音波デバイス42との間の距離は、初期の距離78aよりも短い距離78bとなり、TOFは小さく(短く)なる。このように、TOFはせん断力とも相関性があることが解る。なお、受信感度もTOFと相関関係があるため、パラメータに加えても良い。詳しくは、TOFが大きくなると、受信信号強度は小さくなる。他方、TOFが小さくなると、受信信号強度は大きくなる。
また、平面的には、第1超音波デバイス31と第2超音波デバイス41との重なりはなくなり、第1超音波デバイス31と第3超音波デバイス42との重なりは、初期の寸法75よりも長い寸法76の重なりとなっている。
【0032】
よって、実施形態1で説明した圧力検出方法と同様に、計測したTOFを用いて演算することにより、押圧力に加えて、X軸に沿った方向におけるせん断力も求めることができる。または、これらのパラメータを予めデータテーブル化しておき、当該テーブルから計測したTOFに対応する押圧力、及びせん断力を引き当てることでも良い。
【0033】
以上述べた通り、本実施形態の感圧センサ110によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
感圧センサ110によれば、第2基板20は、第2超音波デバイス41と離間して配置された第3超音波デバイス42をさらに有し、第1超音波デバイス31は、中間層5を挟んで、第2超音波デバイス41の少なくとも一部と対向し、かつ、第3超音波デバイス42の少なくとも一部と対向するように配置される。
【0034】
これによれば、第1超音波デバイス31と第2超音波デバイス41との間でのTOF計測、及び、第1超音波デバイス31と第3超音波デバイス42との間でのTOF計測から演算することにより、圧力に加えて、せん断力も検出することができる。
従って、静的感度を有し、せん断力も検出可能な感圧センサ110を提供することができる。
【0035】
実施形態3
***感圧センサの異なる態様-2***
図7は、本実施形態に係る感圧センサの平面図であり、図4に対応している。
【0036】
図7に示すように、本実施形態の感圧センサ120では、第2基板20において、X軸の延在方向に配置された第2超音波デバイス41、第3超音波デバイス42に加えて、Y軸の延在方向にも第4超音波デバイス43、第5超音波デバイス44を設けた点が、実施形態2の感圧センサ110と異なる。その他は、感圧センサ110と同様である。
以下、上記実施形態と同じ構成部位には、同一の付番を付し、重複する説明は省略する。
【0037】
本実施形態の感圧センサ120では、第2超音波デバイス41と第3超音波デバイス42とが離間する方向である第1方向としてのX軸の延在方向と交差する第2方向としてのY軸の延在方向に、第4超音波デバイス43と第5超音波デバイス44とを離間して配置している。詳しくは、図7に示すように、略正方形の第1超音波デバイス31の4辺に対応して、第2超音波デバイス41、第3超音波デバイス42、第4超音波デバイス43、第5超音波デバイス44が配置されている。そして、第1超音波デバイス31は、平面的に4つのデバイスの中央で、かつ、各デバイスの一部に重なるように配置されている。換言すれば、第1超音波デバイス31は、中間層5を挟んで、第2超音波デバイス41の少なくとも一部と対向し、第3超音波デバイス42の少なくとも一部と対向し、第4超音波デバイス43の少なくとも一部と対向し、第5超音波デバイス44の少なくとも一部と対向するように配置される。
【0038】
また、第4超音波デバイス43、第5超音波デバイス44は、第2超音波デバイス41と同じ構成のデバイスである。よって、図7のY軸に沿ったc-c断面の形状は、図5の断面形状と同じとなる。
【0039】
以上述べた通り、本実施形態の感圧センサ120によれば、上記実施形態での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
感圧センサ120において、第2基板20は、第4超音波デバイス43、及び、第4超音波デバイス43と離間して配置された第5超音波デバイス44をさらに有し、第2超音波デバイス41と第3超音波デバイス42との離間方向をX軸の延在方向としたときに、第4超音波デバイス43と第5超音波デバイス44とは、X軸の延在方向と交差するY軸の延在方向に離間して配置され、第1超音波デバイス31は、中間層5を挟んで、第2超音波デバイス41の少なくとも一部と対向し、第3超音波デバイス42の少なくとも一部と対向し、第4超音波デバイス43の少なくとも一部と対向し、第5超音波デバイス44の少なくとも一部と対向するように配置される。
【0040】
これによれば、X軸の延在方向における圧力、せん断力検出に加えて、Y軸の延在方向における圧力、せん断力も検出することができる。換言すれば、全方向における圧力、せん断力を検出できる。よって、力覚センサとして用いることができる。
従って、静的感度を有し、力覚センサとして利用可能な感圧センサ120を提供することができる。
【0041】
実施形態4
***感圧センサの異なる態様-3***
図8は、本実施形態に係る感圧センサの平面図であり、図2に対応している。
【0042】
図8に示す、本実施形態の感圧センサ130では、中間層55が弾性体からなる第1部分51と、液体または気体からなる第2部分52とから構成される点が、実施形態1の感圧センサ100と異なる。その他は、感圧センサ100と同様である。以下、上記実施形態と同じ構成部位には、同一の付番を付し、重複する説明は省略する。
【0043】
図8に示すように、中間層55は、第1部分51と、第2部分52とから構成されている。第1部分51は、実施形態1の中間層5と同様の弾性体から構成されており、平面的には額縁状をなしており、中央の第1超音波デバイス30、第2超音波デバイス40を含む領域が第2部分52となっている。
第1超音波デバイス30と第2超音波デバイス40との対向部分を含む第2部分52には、液体または気体が充填される。換言すれば、両デバイス間の超音波の送受信経路は、液体中または気体中となる。つまり、第1超音波デバイス30は、第2部分52を挟んで第2超音波デバイス40の少なくとも一部と対向するように配置される。
【0044】
第2部分52を液体で構成する場合、好適な液体としては水、シリコンオイル、水ガラスなどを用いる。液体は、非圧縮性のため第1超音波デバイス30と第2超音波デバイス40との間の距離が縮まり難く、高圧力が印加されるような用途に好適である。また、液体の選択に際しては、液体中の音速も考慮することが望ましい。ちなみに、水中における音速は約1497m/sであり、シリコンオイル中での音速は約1000m/s、水ガラスでの音速は約2350m/sである。
【0045】
第2部分52を気体で構成する場合、好適な気体としては空気、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、窒素などを用いる。気体は、一般的な弾性体より音速が低いため、第1超音波デバイス30と第2超音波デバイス40との間の距離が共通であれば、弾性体よりも気体の方がTOFが長くなる。また、気体の選択に際しては、気体中の音速も考慮することが望ましい。ちなみに、空気中における音速は約345m/sであり、アルゴン中での音速は約319m/s、ヘリウム中での音速は約866m/s、二酸化炭素中での音速は約262m/s、窒素中での音速は約362m/sである。
【0046】
なお、図8では、実施形態1の感圧センサ100に適用した事例で説明したが、第2部分に液体または気体を用いる構成は、実施形態2の感圧センサ110、実施形態3の感圧センサ120にも適用しても良い。この場合、第1超音波デバイス31と向い合う複数の超音波デバイスとの対向部分を含む部分を第2部分として、液体または気体を充填すれば良い。この構成であっても、感圧センサ130と同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
以上述べた通り、本実施形態の感圧センサ130によれば、上記実施形態での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
感圧センサ130によれば、中間層55は、弾性体からなる第1部分51と、液体または気体からなる第2部分52とから構成され、第1超音波デバイス30は、第2部分52を挟んで第2超音波デバイス40の少なくとも一部と対向するように配置される。
【0048】
これによれば、第2部分52を液体で構成した場合、液体は非圧縮性のため第1超音波デバイス30と第2超音波デバイス40との間の距離が縮まり難く、高圧力が印加されるような用途に好適である。よって、高圧力の測定に適した感圧センサ130を提供することができる。
また、第2部分52を気体で構成した場合、気体は一般的な弾性体より音速が低いため、第1超音波デバイス30と第2超音波デバイス40との間の距離が共通であれば、弾性体よりも気体の方がTOFが長く取れる。よって、駆動信号のクロック周波数を下げても弾性体を用いた際と同等の精度が担保できるため、検出回路の消費電力を抑制することができる。
【0049】
実施形態5
***感圧センサの拡張用途***
図9は、本実施形態に係る感圧センサの断面図であり、図2図3に対応している。図10は、距離測定モード、圧力測定モードの切替え方法の流れを示すフローチャート図である。
【0050】
前述したように、上記超音波デバイスは、超音波の送信、及び、受信が可能に設けられている。この機能を対象物との距離測定にも活用することができる。
図9の感圧センサ100は、実施形態1の感圧センサ100と同一であるが、第1超音波デバイス30を距離センサとしても用いる点が実施形態1と異なる。その他は、実施形態1での説明と同様である。以下、上記実施形態と同じ構成部位には、同一の付番を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
本実施形態では、感圧センサ100を距離センサとして用いる距離測定モードと、圧力を測定する圧力測定モードとを切替えることにより、対象物との距離に応じて適切な検出が可能なモード切替え方法を採用している。詳しくは、距離測定モードで対象物との距離を測定し、対象物が近接して圧力検出が必要となったら圧力測定モードに切替える。
以下、図10を中心に、適宜、図9を交えて説明する。なお、初期状態において、図9に示すように、対象物61は、感圧センサ100から離れた位置にあり、徐々に感圧センサ100に近づいて来るものとする。
【0052】
ステップS11では、図9に示すように、第1超音波デバイス30は、対象物61に向かって超音波を送信し、対象物61から反射してくる超音波を受信する。この際、送信から受信までのTOFを計測することにより、対象物61までの距離を測定できる。つまり、第1超音波デバイス30は、中間層5とは反対の方向に超音波を送信し、対象物61で反射された超音波を受信して、対象物61との距離を計測する。換言すれば、第1超音波デバイス30は、距離センサとして機能する。
【0053】
ステップS12では、測定した距離が、所定の距離以内であるか否か判定する。所定の距離は、例えば、数ミリ程度であり、対象物が第1基板10に近接したことを判定する指標となる。所定の距離以内である場合は、ステップS13に進む。所定の距離に達していない場合は、ステップS11に戻り、対象物61との距離を測定する。
【0054】
ステップS13では、圧力測定モードに切替えて、感圧測定を行う。詳しくは、第1超音波デバイス30は、第2超音波デバイス40に向かって超音波を送信し、第2超音波デバイス40は超音波を受信するまでのTOFを計測する。換言すれば、第1超音波デバイス30、第2超音波デバイス40は、圧力センサとして機能する。
【0055】
ステップS14では、計測したTOFから押圧力を導出する。なお、押圧力の導出方法は、実施形態1での説明と同様である。
【0056】
なお、図9では、実施形態1の感圧センサ100に適用した事例で説明したが、第1超音波デバイスを距離センサとして用いることは、実施形態2の感圧センサ110、実施形態3の感圧センサ120にも適用しても良い。この場合、第1超音波デバイス31を距離センサとして用いる。この構成であっても、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0057】
以上述べた通り、本実施形態の感圧センサ100、及び、モード切替え方法によれば、上記実施形態での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
感圧センサ100によれば、第1超音波デバイス30は、中間層5とは反対の方向に超音波を送信し、対象物61で反射された超音波を受信して、対象物61との距離を計測する。
【0058】
これによれば、第1超音波デバイス30を距離センサとして用いることにより、対象物61との距離が解るので、近接したら圧力センサに切替えて、圧力検出を行うことができる。従って、距離測定モードと、圧力測定モードとを切替え可能な感圧センサ100、及び、モード切替え方法を提供することができる。この方法によれば、例えば、ロボットのエンドフェクターに感圧センサ100を用いた場合、対象物や障害物に触れる直前に検知することができるため、作業時における障害物との衝突回避や、ロボットの高速動作に寄与することができる。
【0059】
実施形態6
***感圧センサの異なる構成***
図11は、本実施形態に係る超音波デバイスの平面図であり、図1に対応している。詳しくは、図11は、図1の第1超音波デバイス30に対応している。
【0060】
上記では、各超音波デバイスは、1つの圧電体を用いるものとして説明したが、アレイ状の複数の超音波素子からなる超音波素子群を超音波デバイスとして用いても良い。
図11の第1超音波デバイス35は、アレイ状に配置された複数の超音波素子33から構成されている点が、図1の第1超音波デバイス30と異なる。その他は、実施形態1での説明と同様であり、第1超音波デバイス35は、図1の第1超音波デバイス30と置換え可能である。以下、上記実施形態と同じ構成部位には、同一の付番を付し、重複する説明は省略する。
【0061】
第1超音波デバイス35は、Xプラス方向に4列、Yプラス方向に4行で配列された超音波素子33から構成されている。つまり、第1超音波デバイス35は、アレイ状に配置された16個の超音波素子33からなる超音波素子群として構成される。
超音波素子33は、図1の第1超音波デバイス30を小型化した物であり、各々が第1電極と第2電極との間に挟持された圧電体や、開口部を備えている。また、振動膜は、全ての超音波素子33に共通で設けられている。つまり、それぞれの超音波素子33が、超音波を送信または受信可能に設けられている。
【0062】
また、Y軸の延在方向には、4つの超音波素子33の第1電極を電気的に接続する第1配線38が、列ごとに設けられている。X軸の延在方向には、4つの超音波素子33の第2電極を電気的に接続する第2配線37が、行ごとに設けられている。これにより、第1超音波デバイス35は、電気的に共通の駆動信号で超音波の送信が可能で、受信時には検出信号を送信することができる。なお、この配線態様に限定するものではなく、超音波素子33ごとにスイッチング素子を設けて、超音波素子33を個別にアクティブ駆動しても良い。
【0063】
なお、図11では、実施形態1の感圧センサ100に適用した事例で説明したが、他の超音波デバイスにおいても同様に、複数の超音波素子33からなる超音波素子群を超音波デバイスとして用いても良い。詳しくは、第1超音波デバイス31、第2超音波デバイス40,41、第3超音波デバイス42、第4超音波デバイス43、第5超音波デバイス44に適用しても良い。これらの構成であっても、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
以上述べた通り、本実施形態の感圧センサの第1超音波デバイス35によれば、上記実施形態での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
第1超音波デバイス35は、アレイ状の複数の超音波素子33からなる超音波素子群であり、超音波素子33は、超音波を送信または受信可能に設けられる。
この構成であっても、上記各実施形態の感圧センサ100と同様の作用効果を得ることができる。
【0065】
実施形態7
***感圧センサを備えたロボット***
図12は、本実施形態に係るロボットの外観図である。
【0066】
図12に示すロボット500は、6軸の垂直多関節ロボットであり、精密機器や、これを構成する部品(対象物)の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。
【0067】
ロボット500は、基台190、基台190に接続されたロボットアーム200、ロボットアーム200の先端部に設けられたハンド400などから構成される。また、ロボット500は、ロボットアーム200を駆動させる動力を発生させる複数の駆動源を有している。基台190は、ロボット500を任意の設置箇所に取り付けるベース部分である。なお、基台190の設置箇所は、特に限定されず、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などが挙げられる。
【0068】
ロボットアーム200は、第1アーム210、第2アーム220、第3アーム230、第4アーム240、第5アーム250、第6アーム260などから構成されており、これらが基台190側から先端側に向って、この順に連結されている。第1アーム210は、基台190に接続されている。また、図示しないが、第1アーム210と第2アーム220との接合部には関節部が設けられている。関節部には、モーターや、減速機が組込まれている。他のアーム間にも、同様に関節部が設けられている。そして、各駆動源は、図示しない制御装置により制御される。
【0069】
そして、第6アーム260の先端には、例えば、各種部品等を把持するハンド400が取り付けられている。ハンド400は、エンドエフェクターであり、2本の指410,411を備えている。ハンド400は、2本の指410,411により、例えば、対象物としての各種部品等を把持可能に設けられている。
ここで、指410の根元には、上記の感圧センサ120が取付けられている。もう1本の指411根元にも、感圧センサ120が取付けられている。前述したように、感圧センサ120は力覚センサとしての機能を備えているため、作業時における各種部品等の対象物からの圧力を精密に検出することができる。なお、指に取付けることに限定するものではなく、感圧センサ120は、エンドエフェクターに取付けられていれば良く、例えば、ハンド400の手首部分に取付けられることであっても良い。よって、正確な作業を行うことが可能となり、リワークが減少し作業効率を向上させることができる。従って、作業効率が高く、正確な作業を行うことが可能なロボット500を提供することができる。
【0070】
また、感圧センサ120に変えて、感圧センサ100,110を用いても良い。この構成であっても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0071】
5…中間層、6…第1面、7…第2面、10…第1基板、11…第1層、12…第2層、13…振動膜、15…開口部、16…第1電極、17…圧電体、18…第2電極、20…第2基板、21…第1層、22…第2層、23…振動膜、24…開口部、26…第1電極、27…圧電体、28…第2電極、29…開口部、30,31…第1超音波デバイス、33…超音波素子、35…第1超音波デバイス、37…第2配線、38…第1配線、40,41…第2超音波デバイス、42…第3超音波デバイス、43…第4超音波デバイス、44…第5超音波デバイス、51…第1部分、52…第2部分、55…中間層、60…台座、61…対象物、100,110,120,130…感圧センサ、190…基台、200…ロボットアーム、400…ハンド、410…指、411…指、500…ロボット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12