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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181891
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】冷蔵庫システム
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20221201BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20221201BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20221201BHJP
   F25D 27/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
F25D23/00 301G
F25D11/00 101B
F25D29/00 Z
F25D27/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089097
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】小林 大謹
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045AA05
3L045BA01
3L045CA02
3L045LA18
3L045NA16
3L045NA19
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA21
3L345BB01
3L345BB02
3L345BB05
3L345HH36
3L345HH37
3L345HH40
3L345HH42
3L345JJ02
3L345JJ04
3L345JJ22
3L345JJ23
3L345JJ27
3L345KK01
3L345KK02
3L345KK03
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】利便性の向上を図ることができる冷蔵庫システムを提供することである。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫システムは、冷蔵庫本体と、報知部とを持つ。前記冷蔵庫本体は、それぞれ食材を収容可能な複数の保存領域と、前記複数の保存領域にそれぞれ対応して設けられた複数の発光部とを含む。前記報知部は、前記冷蔵庫本体に第1食材が収容される場合に、前記複数の保存領域のなかで前記第1食材の保存に適した保存領域に対応する前記発光部を第1態様で発光させ、摂取期限が所定条件を満たす第2食材が前記冷蔵庫本体に収容されている場合に、前記複数の保存領域のなかで前記第2食材が収容されている保存領域に対応する前記発光部を第2態様で発光させる。前記第1態様と前記第2態様とは、発光色、発光時機、または発光状態が異なる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ食材を収容可能な複数の保存領域と、前記複数の保存領域にそれぞれ対応して設けられた複数の発光部とを含む冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体に第1食材が収容される場合に、前記複数の保存領域のなかで前記第1食材の保存に適した保存領域に対応する前記発光部を第1態様で発光させ、摂取期限が所定条件を満たす第2食材が前記冷蔵庫本体に収容されている場合に、前記複数の保存領域のなかで前記第2食材が収容されている保存領域に対応する前記発光部を第2態様で発光させ、前記第1態様と前記第2態様とは、発光色、発光時機、または発光状態が異なる、報知部と、
を備えた冷蔵庫システム。
【請求項2】
前記報知部は、前記第2食材の摂取期限までの残り日数が所定値以下の場合に、前記第2食材が収容されている保存領域に対応する前記発光部を前記第2態様で発光させ、前記第2食材の摂取期限が既に過ぎている場合に、前記第2食材が収容されている保存領域に対応する前記発光部を第3態様で発光させ、前記第1態様と前記第2態様と前記第3態様は、発光色、発光時機、または発光状態が異なる、
請求項1に記載の冷蔵庫システム。
【請求項3】
前記報知部は、摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材と、摂取期限が既に過ぎている食材とが同一の保存領域に収容されている場合、当該保存領域に対応する前記発光部を前記第2態様よりも前記第3態様を優先して発光させる、
請求項2に記載の冷蔵庫システム。
【請求項4】
前記報知部は、前記冷蔵庫本体に前記第1食材が収容される場合であって、前記複数の保存領域のなかで前記第1食材の保存に適した保存領域に余裕空間が無い場合、前記第1食材の保存に適した保存領域に対応する前記発光部を第4態様で発光させ、前記第1態様と前記第2態様と前記第4態様とは、発光色、発光時機、または発光状態が異なる、
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫システム。
【請求項5】
前記第1態様と前記第2態様は、発光色、発光時機、または発光状態のうち1つが異なり、
前記第1態様と前記第4態様は、発光色、発光時機、または発光状態のうち別の1つが異なる、
請求項4に記載の冷蔵庫システム。
【請求項6】
前記報知部は、前記冷蔵庫本体の扉が開かれた場合に、前記第1食材の保存に適した保存領域であるか否かに関わらず、前記第2食材が収容されている1つ以上の保存領域に対応する前記発光部を前記第2態様または第3態様で発光させた後に消灯させ、前記発光部を前記第2態様または前記第3態様で発光させる前または後に前記第1食材の保存に適した保存領域に対応する前記発光部を前記第1態様で発光させる、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の冷蔵庫システム。
【請求項7】
1つ以上の特定食材が登録された特定食材情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記報知部は、前記第1食材が前記特定食材情報に登録された前記特定食材である場合に限り、前記冷蔵庫本体に第1食材が収容される場合に、前記発光部を前記第1態様で発光させる、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の冷蔵庫システム。
【請求項8】
前記特定食材は、前記複数の保存領域のなかで特定の保存領域に保存されることの効果が他の食材と比べて大きい食材である、
請求項7に記載の冷蔵庫システム。
【請求項9】
前記発光部は、面光源を含む、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の冷蔵庫システム。
【請求項10】
それぞれ食材を収容可能な複数の保存領域と、前記複数の保存領域にそれぞれ対応して設けられた複数の発光部とを含む冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体に第1食材が収容される場合に、前記複数の保存領域のなかから前記第1食材の保存に適した特定保存領域を特定し、摂取期限が所定条件を満たす第2食材が前記特定保存領域に収容されていない場合に前記特定保存領域に対応する前記発光部を第1態様で発光させ、摂取期限が所定条件を満たす第2食材が前記特定保存領域に収容されている場合に前記特定保存領域に対応する前記発光部を第2態様で発光させ、前記第1態様と前記第2態様とは、発光色、発光時機、または発光状態が異なる、報知部と、
を備えた冷蔵庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫における保存場所を食品名ごとに記憶した記憶手段と、受信した食品情報に含まれている食品名に対応した保存場所を検索し、検索した保存場所を案内する案内手段とを備えた冷蔵庫が提案されている。冷蔵庫は、さらなる利便性の向上が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-249355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができる冷蔵庫システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫システムは、冷蔵庫本体と、報知部とを持つ。前記冷蔵庫本体は、それぞれ食材を収容可能な複数の保存領域と、前記複数の保存領域にそれぞれ対応して設けられた複数の発光部とを含む。前記報知部は、前記冷蔵庫本体に第1食材が収容される場合に、前記複数の保存領域のなかで前記第1食材の保存に適した保存領域に対応する前記発光部を第1態様で発光させ、摂取期限が所定条件を満たす第2食材が前記冷蔵庫本体に収容されている場合に、前記複数の保存領域のなかで前記第2食材が収容されている保存領域に対応する前記発光部を第2態様で発光させる。前記第1態様と前記第2態様とは、発光色、発光時機、または発光状態が異なる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の冷蔵庫システムの全体構成を示す図。
図2】第1実施形態の冷蔵庫の構成を示すブロック図。
図3】第1実施形態の冷蔵庫を示す正面図。
図4】第1実施形態の冷蔵室扉が開かれた冷蔵庫を示す斜視図。
図5】第1実施形態の在庫情報の内容の一例を示す図。
図6】第1実施形態の保存領域情報の内容の一例を示す図。
図7】第1実施形態の制御の流れを示すフローチャート。
図8】第1実施形態の制御の流れを示すフローチャート。
図9】第2実施形態の冷蔵庫の構成を示すブロック図。
図10】第2実施形態の特定食材情報の内容の一例を示す図。
図11】第3実施形態の保存領域情報の内容の一例を示す図。
図12】第1から第3の実施形態の変形例の冷蔵庫を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
(第1実施形態)
<1.冷蔵庫システムの全体構成>
まず、冷蔵庫システム1の全体構成について説明する。
図1は、冷蔵庫システム1の全体構成を示す図である。冷蔵庫システム1は、例えば、冷蔵庫100と、サーバ200と、端末装置300とを含む。なお、冷蔵庫システム1は、上記例に限らず、冷蔵庫100のみによって構成されてもよい。後述するネットワークNWは、インターネット、セルラー網、Wi-Fi(登録商標)網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などのうち1つ以上を含み得る。
【0009】
冷蔵庫100は、ユーザUの住居に配置される。冷蔵庫100は、例えばユーザUの住居に配置された無線ルータRを介してネットワークNWと接続され、ネットワークNWを介してサーバ200と通信可能である。また、冷蔵庫100は、上記例に代えて/加えて、Bluetooth(登録商標)などの無線通信によって端末装置300と直接に通信可能であってもよい。ただし、冷蔵庫100は、上述した例に限定されず、サーバ200や端末装置300に対する通信機能を有しなくてもよい。冷蔵庫100については、詳しく後述する。
【0010】
サーバ200は、冷蔵庫100の食材管理に関するサービスを提供する。サーバ200は、例えば、ネットワークNWに接続された1台以上のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)で構成される。サーバ200は、ネットワークNW中のルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。サーバ200は、ネットワークNWを介して、冷蔵庫100および端末装置300と通信可能である。なお、サーバ200は、クラウドサーバに限定されず、ユーザUの住居にあるコンピュータでもよく、家庭内ルータ(例えば無線ルータR)でもよい。また、サーバ200は、端末装置300の一部として実現されてもよい。
【0011】
端末装置300は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末装置のような携帯端末装置である。端末装置300は、種々の情報を表示可能な表示画面を含む表示装置301と、ユーザUの入力(音声入力を含む)を受け付け可能な入力受付部302とを含む。表示装置301は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。入力受付部302は、例えば、表示装置301の表示画面に重ねて設けられたタッチセンサや、ユーザの音声を収音するマイクなどである。端末装置300には、冷蔵庫100を利用するためのアプリケーションプログラムPがインストールされ、以下に説明する機能がサポートされる。なお、端末装置300は、携帯端末装置に限定されず、パーソナルコンピュータやスマートスピーカなどでもよい。
【0012】
<2.冷蔵庫>
次に、冷蔵庫100について説明する。
図2は、冷蔵庫100の構成を示すブロック図である。冷蔵庫100は、例えば、冷蔵庫本体110、食材検出部120、在庫管理部130、余裕空間検出部140、報知部150、および記憶部160を含む。
【0013】
<2.1 冷蔵庫本体>
まず、冷蔵庫本体110について説明する。
図3は、冷蔵庫100を示す正面図である。冷蔵庫本体110は、冷蔵庫100の基本機能を実現する構成である。冷蔵庫本体110は、例えば、筐体10、複数の扉31、回転仕切部32(図4参照)、扉開閉検知スイッチ33、複数の棚41(図4参照)、複数の収容空間51(図4参照)、複数の容器61(図4参照)、カメラ71,72(図4参照)、および複数の発光部81(図4参照)を備えている。なお、冷蔵庫本体110は、上述した構成の他に、冷蔵庫100の冷却機能を実現するための、各種センサ(温度センサなど)、冷却部(圧縮機、冷却器、ダクトなど)、および冷蔵庫本体110の制御を行う制御部90(図2参照)などを含む。
【0014】
筐体10は、上壁11、下壁12、左右の側壁13,14、および後壁15(図4参照)を有し、前面が開放された箱状に形成されている。筐体10は、例えば、筐体10の内面を形成する内箱と、筐体10の外面を形成する外箱と、内箱と外箱との間に設けられた発泡断熱材とを含み、断熱性を有する。
【0015】
筐体10の内部には、複数の貯蔵室21が設けられている。複数の貯蔵室21は、例えば、冷蔵室21A、複数の特別貯蔵室(例えば、チルド室21AA、お惣菜室21AB、およびソフト冷凍室21AC)、野菜室21B、製氷室21C、小冷凍室21D、および主冷凍室21Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室21Aが配置され、冷蔵室21Aの下方に野菜室21Bが配置され、野菜室21Bの下方に製氷室21Cおよび小冷凍室21Dが配置され、製氷室21Cおよび小冷凍室21Dの下方に主冷凍室21Eが配置されている。野菜室21Bの平均温度は、冷蔵室21Aの平均温度より高い。
【0016】
チルド室21AA、お惣菜室21AB、およびソフト冷凍室21ACは、冷蔵室21Aの内部に設けられ、冷蔵室21Aの他領域に対して棚や蓋などにより少なくとも部分的に区画されている。チルド室21AAは、冷蔵室21Aの一部の下方に設けられている。お惣菜室21ABおよびソフト冷凍室21ACは、左右に並んで、チルド室21AAの下方に設けられている。
【0017】
チルド室21AAは、冷蔵室21Aよりも下方に位置して冷却器からの冷たい冷気が流入しやすいことや、冷蔵室21Aと比べて不図示の冷却器の近くに位置することで、冷蔵室21Aよりも低い温度帯に冷却される。チルド室21AAは、温度または圧力に関する特別な制御モードを実施可能であってもよい。また、冷蔵庫本体110は、チルド室21AAに代えて/加えて、チルド室21AAよりも低く主冷凍室21Eよりも高い温度帯(例えば平均温度が-3℃)に冷却されるパーシャル室を有してもよい。お惣菜室21ABは、例えばヒータを備え、お惣菜の保存に適した温度帯(例えば平均温度が+9℃)に維持される。ソフト冷凍室21ACは、冷却器からの冷たい冷気がより多く供給され、チルド室21AAよりも低く主冷凍室21Eよりも高い温度帯(例えば平均温度が-7℃)に冷却される。
【0018】
上述した冷蔵室21A、複数の特別貯蔵室(例えば、チルド室21AA、お惣菜室21AB、およびソフト冷凍室21AC)、野菜室21B、小冷凍室21D、および主冷凍室21Eの各々は、「保存領域」または「保存部屋」の一例であり、それぞれ食材が収容可能である。
【0019】
複数の貯蔵室21の開口は、複数の扉31によって開閉可能に閉じられる。複数の扉31は、冷蔵室21Aの開口を閉じる左右の冷蔵室扉31Aa,31Ab、野菜室21Bの開口を閉じる野菜室扉31B、製氷室21Cの開口を閉じる製氷室扉31C、小冷凍室21Dの開口を閉じる小冷凍室扉31D、および主冷凍室21Eの開口を閉じる主冷凍室扉31Eを含む。冷蔵室扉31Aa,31Abは、複数の特別貯蔵室(例えば、チルド室21AA、お惣菜室21AB、およびソフト冷凍室21AC)を含む冷蔵室27Aを開閉可能に閉じる扉である。言い換えると、複数の特別貯蔵室(例えば、チルド室21AA、お惣菜室21AB、およびソフト冷凍室21AC)は、左冷蔵室扉31Aaまたは右冷蔵室扉31Abが開かれた場合に接近可能になる貯蔵室の一例である。本出願で「接近可能」とは、貯蔵室が外部に露出される場合に限定されず、例えば、冷蔵室21Aの内部で特別貯蔵室を閉じている蓋(例えば後述する前面蓋C)にユーザUが接近できる場合なども含む。
【0020】
本実施形態では、冷蔵庫本体110は、冷蔵室扉31Aa,31Abの間の隙間を閉じる回転仕切部32を有する(図4参照)。回転仕切部32は、例えば、左冷蔵室扉31Aaの右端部に設けられ、左冷蔵室扉31Aaの閉じ動作に応じて回動して冷蔵室扉31Aa,31Abの間の隙間を閉じる。さらに、冷蔵庫本体110は、各扉31に対応する位置に、各扉31の開閉を検知する扉開閉検知スイッチ33を有する。
【0021】
本実施形態では、右冷蔵室扉31Abには、種々の情報を表示可能な表示画面を含む表示装置34と、ユーザUの入力を受け付け可能な入力受付部35とを含む。表示装置34は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである。入力受付部35は、例えば、表示装置301の表示画面に重ねて設けられたタッチセンサである。
【0022】
図4は、冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれた冷蔵庫100を示す斜視図である。
複数の棚41は、冷蔵室21Aの内部に設けられている。複数の棚41は、鉛直方向の複数の高さに分かれて配置されている。これにより、冷蔵室21Aの内部に、複数の棚41によって仕切られた複数の収容空間51(収容空間51A,51B,51C,51D,51E)が形成されている。複数の収容空間51には、例えば、不図示の冷却器で冷却された冷却空気が不図示のダクトを下方から上方に向けて流れて供給される。このため、複数の収容空間51は、上方に位置する収容空間51であるほど、供給される冷却空気の量が少なく、平均温度は高くなる。これら複数の収容空間51の各々は、「保存領域」または「保存部屋」の一例であり、それぞれ食材が収容可能である。
【0023】
以下の説明では、複数の収容空間51、チルド室21AA、お惣菜室21AB、およびソフト冷凍室21AC、野菜室21B、製氷室21C、小冷凍室21D、および主冷凍室21Eを互いに区別しない場合は、「保存領域S」と称する。すなわち、冷蔵庫本体110は、複数の保存領域Sを有する。本出願でいう「保存領域」とは、特定の部材によって仕切られた空間(複数の棚41の間に位置する空間など)に限定されない。例えば、1つの棚41の上に複数の保存領域(右側保存領域、中央保存領域、左側保存領域など)が設定されてもよい。
【0024】
複数の容器61は、例えば、第1容器61A、第2容器61B、および第3容器61Cを含む。第1容器61Aは、前方に向けて引き出し可能にチルド室21AAに収容されている。第2容器61Bは、前方に向けて引き出し可能にお惣菜室21ABに収容されている。第3容器61Cは、前方に向けて引き出し可能にソフト冷凍室21ACに収容されている。
【0025】
ここで、チルド室21AAは、当該チルド室21AAの内部と冷蔵室21Aとを区画するための開閉可能な前面蓋Cを有する。前面蓋Cは、第1容器61Aと一体に設けられて第1容器61Aと一体に前方に引き出し可能であってもよいし、冷蔵室21A内で回動可能に支持されていてもよい。お惣菜室21ABおよびソフト冷凍室21ACの各々も、チルド室21AAと同様に、前面蓋Cを有する。
【0026】
カメラ71は、筐体10、扉31、棚41、または容器61などに設けられ、冷蔵庫100の外部から保存領域Sに収容される食材を撮影する。例えば、カメラ71は、扉31が開かれた状態で撮影を行う。本実施形態では、カメラ71は、回転仕切部32または左冷蔵室扉31Aaに設けられた1つ以上のカメラ71Aと、右冷蔵室扉31Abに設けられたカメラ71Bとを含む。これらカメラ71A,71Bは、左冷蔵室扉31Aaまたは右冷蔵室扉31Abが開かれた状態で、冷蔵庫100の外部から冷蔵室100に収容されようとする食材を撮影可能な位置に配置されている。なお、冷蔵庫本体110は、左右の冷蔵室扉31Aa,31Abにカメラ71を備えることに代えて、冷蔵室21Aの内部に露出した筐体10の内側面や天井、各棚41の下面などにカメラ71を備えてもよい。さらに本実施形態では、野菜室扉31B、小冷凍室扉31D、および主冷凍室扉31Eにもカメラ71が設けられている。なお、カメラ71は、省略されてもよい。
【0027】
冷蔵庫本体110は、カメラ71に代えて/加えて、保存領域Sの余裕空間(空きスペース)を検出するための1つ以上のカメラ72を有してもよい。カメラ72は、筐体10の内面、扉31の内面、棚41、または容器61などに設けられ、貯蔵室21の内部を撮影する。なお、カメラ72は、上述したカメラ71が兼用されてもよい。また、カメラ72は、省略されてもよい。
【0028】
複数の発光部81は、複数の保存領域Sにそれぞれ対応して設けられ、例えば冷蔵庫100の前方を向けて発光可能である。例えば、最上段の収容空間51Aに対応する発光部81は、最上段の棚41の前縁部に設けられている。同様に、二段目の収容空間32Bに対応する発光部81は、二段目の棚41の前縁部に設けられている。三段目以降も同様である。また、チルド室21AAに対応する発光部81は、チルド室21AAの前面蓋Cに設けられている。お惣菜室21ABに対応する発光部81は、お惣菜室21ABの前面蓋Cに設けられている。ソフト冷凍室21ACに対応する発光部81は、ソフト冷凍室21ACの前面蓋Cに設けられている。野菜室21Bに対応する発光部81は、野菜室扉31Bに設けられている。小冷凍室21Dおよび主冷凍室21Eについても同様である。各発光部81は、発光色が異なる複数の発光源(例えばLED(Light Emitting Diode))を含み、青、赤、黄などの色で発光可能である。
【0029】
図2に戻り、冷蔵庫100の残りの構成について説明する。冷蔵庫100は、上述した冷蔵庫本体110に加え、食材検出部120と、在庫管理部130と、余裕空間検出部140と、報知部150とを含む。これら機能部は、冷蔵庫100に搭載されたCPU(Central Processing Unit)のような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、これら機能部の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。なお、上述した各機能部の一部または全部は、冷蔵庫100に代えて、サーバ200または端末装置300に設けられてもよい。
【0030】
さらに、冷蔵庫100は、記憶部160を含む。記憶部160は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数の組み合わせにより実現される。記憶部160には、後述する在庫情報I1および保存領域情報I2が記憶されている。なお、記憶部160の一部または全部は、サーバ200または端末装置300に設けられてもよい。
【0031】
<2.2 食材検出部>
食材検出部120は、外部から冷蔵庫本体110に食材が収容される場合に、例えばカメラ71によって撮影された画像に基づき、新しく収容される食材の種類および量を検出する。食材検出部120は、例えば、画像と食材の種類および量の対応関係が事前に学習された学習済みモデルを用いて、食材の種類および量を検出する。学習済みモデルは、例えば、ディープラーニングにより学習が行われたニューラルネットワークであるが、これ以外のモデルでもよい。例えば、食材検出部120は、画像に基づくテンプレートマッチングなどにより食材の種類および量を検出してもよい。なお、食材検出部120は、カメラ71によって撮影された画像に代えて/加えて、端末装置300の入力受付部302または冷蔵庫本体110の入力受付部35に対するユーザUの入力(例えば手入力または音声入力)に基づき、新しく収容される食材の種類および量を検出してもよい。
【0032】
<2.3 在庫管理部>
在庫管理部130は、ユーザUが保有する食材を示す在庫情報I1を管理する。在庫情報I1には、冷蔵庫100に在庫として収容されている食材が登録される。食材管理部230は、例えば、端末装置300の入力受付部302または冷蔵庫本体110の入力受付部35に対するユーザUの入力(例えば手入力または音声入力)に基づき、在庫情報I1を更新する。在庫情報I1の更新は、ユーザUが保有する食材の追加、削除、または数量変更などである。なお、在庫管理部130は、ユーザUの指示に代えて/加えて、冷蔵庫本体110に設けられたセンサ(例えばカメラ71)から得らえる情報、またはレシートのような食材の購入情報に基づき、在庫情報I1を更新してもよい。
【0033】
図5は、在庫情報I1の内容の一例を示す図である。在庫情報I1では、食材毎に、「管理ID」、「食材名」、「食材分類」、「保存場所」、「購入日」、「摂取期限」、「数量」、「単位」、および「履歴」が対応付けられて登録されている。
【0034】
在庫情報I1における「食材毎」とは、例えば同時に購入された同じ食材を意味する。言い換えると、同じ種類であっても、ある日時に購入された食材と、別の日時に購入された食材は、別の食材として登録される。なお、ここでいう「購入日」とは、特定の食材が新たに登録された登録日、すなわち在庫量が増えた日を指し、その食材の入手経路が購入ではなかった場合も含む意味で用いる。
【0035】
「保存場所」は、食材が収容された保存領域Sを意味する。「摂取期限」は、賞味期限または消費期限である。「摂取期限」は、端末装置300の入力受付部302または冷蔵庫本体110の入力受付部35に対するユーザUの入力(例えば手入力または音声入力)に基づいて登録されてもよく、購入日に対して所定の日数が加算された日付が自動入力されてもよい。「数量」には、食材の最新の数量が登録される。「履歴」には、食材が減少した場合に、減少後の数量および減少した日時などを示す情報が登録される。
【0036】
<2.4 余裕空間検出部>
余裕空間検出部140は、例えばカメラ72によって撮影された画像に基づき、各保存領域Sにおける余裕空間の有無を検出する。例えば、余裕空間検出部140は、カメラ72によって撮影された画像において、ある保存領域Sに全体的に密に食材が収容されている場合、当該保存領域Sに余裕空間は無いと検出する。一方で、余裕空間検出部140は、カメラ72によって撮影された画像において、ある保存領域Sの少なくとも一部に食材が存在しない空間がある場合、当該保存領域Sに余裕空間はあると検出する。なお、食材検出部120は、カメラ72によって撮影された画像に代えて/加えて、上述した在庫情報I1に基づき、各保存領域Sにおける余裕空間の有無を検出してもよい。余裕空間の有無の検出には、食材検出部120により検出された食材(後述する第1食材)の量が考慮されてもよい。
【0037】
<2.5 報知部>
報知部150は、外部から冷蔵庫本体110に食材(以下「第1食材」と称する)が収容される場合に、複数の保存領域Sのなかから第1食材の保存に適した保存領域Sを特定し、特定した保存領域Sに対応する発光部81を第1態様で発光させる。例えば、外部から冷蔵庫本体110に第1食材が収容される場合、カメラ71によって第1食材の画像が取得され、食材検出部120によって第1食材の種類が検出される。そして、報知部150は、食材検出部120によって検出された食材の種類と、記憶部160に記憶された保存領域情報I2とに基づいて、複数の保存領域Sのなかから第1食材の保存に適した保存領域Sを特定する。
【0038】
図6は、保存領域情報I2の内容の一例を示す図である。保存領域情報I2では、食材毎に、食材と、複数の保存領域Sのなかでその食材の保存に適した(例えば最も適した)保存領域Sとが対応付けられて登録されている。「その食材の保存に適した保存領域」は、1つの収容空間51が対応付けられることに代えて、冷蔵室上段(例えば収容空間51A,51B)、冷蔵室中段(例えば収容空間51C,51D)、冷蔵室下段(例えば収容空間51E)のように、複数の収容空間51が合わされて対応付けられてもよい。図6に示す例では、「牛肉」についてはソフト冷凍室21ACが対応付けられており、「おにぎり」についてはお惣菜室21ABが対応付けられており、「ハム」についてはチルド室21AAが対応付けられており、「ケーキ」については冷蔵室下段(収容空間51E)が対応付けられている。なお、保存領域情報I2としては、冷蔵庫本体110の運転モード(例えば、チルド室の制御モードや、機能を切り替え可能な機能切換室の設定状態など)に応じた複数の保存領域情報I2が記憶されていてもよい。
【0039】
報知部150は、保存領域情報I2に基づくことで、複数の保存領域Sのなかから第1食材の保存に適した保存領域Sを特定する。そして、報知部150は、特定した保存領域Sに対応する発光部81を発光させる。例えば、報知部150は、第1食材に対してチルド室21AAが対応付けられている場合、チルド室21AAの前方蓋Cの発光部81を発光させる。例えば、報知部150は、第1食材に対して冷蔵室上段(収容空間51A,51B)が対応付けられている場合、最上段および二段目の棚41の発光部81を発光させる。これにより、報知部150は、第1食材を収容すべき保存領域SをユーザUに視覚的に案内する。
【0040】
さらに、報知部150は、摂取期限が所定条件を満たす食材(以下では「第2食材」と称する)が冷蔵庫本体110に収容されている場合に、複数の保存領域Sのなかで第2食材が収容されている保存領域Sに対応する発光部81を第2態様で発光させる。第1態様と第2態様とは、発光色、発光時機、または発光状態が異なる。「摂取期限が所定条件を満たす」とは、例えば、第2食材の摂取期限までの残り日数が所定値以下(例えば2日以下)の場合である。これに代えて、「摂取期限が所定条件を満たす」場合の例は、第2食材の摂取期限が既に過ぎている場合でもよい。「発光時機が異なる」とは、例えば、発光の開始時点または発光の終了時点が異なることを意味する。「発光状態が異なる」とは、例えば、点灯状態であるか、点滅状態であるかが異なることを意味する。
【0041】
本実施形態では、報知部150は、第2食材の摂取期限までの残り日数が所定値以下の場合に、第2食材が収容されている保存領域Sに対応する発光部81を第2態様で発光させる。一方で、報知部150は、第2食材の摂取期限が既に過ぎている場合に、第2食材が収容されている保存領域Sに対応する発光部81を第3態様で発光させる。第1態様と第2態様と第3態様は、発光色、発光時機、または発光状態が異なる。
【0042】
例えば、報知部150は、貯蔵室21に対して扉31が開かれる場合、例えば在庫情報I1に基づき、当該貯蔵室21に含まれる食材のなかで摂取期限を既に過ぎている食材があるか、および摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材があるかを検出する。報知部150は、摂取期限を既に過ぎている食材がある、または摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材がある場合、例えば在庫情報I1に基づき、それら食材が収容されている保存領域Sを特定する。そして、報知部150は、摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材が収容されている保存領域Sに対応する発光部81を黄色に点灯させる。さらに、報知部150は、摂取期限を既に過ぎている食材が収容されている保存領域Sに対応する発光部81を赤色に点灯させる。
【0043】
本実施形態では、報知部150は、摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材と、摂取期限が既に過ぎている食材とが同一の保存領域Sに収容されている場合、当該保存領域Sに対応する発光部81を第2態様よりも第3態様を優先して発光させる。例えば、報知部150は、当該保存領域Sに発光部81を赤色に点灯させる。
【0044】
さらに、報知部150は、冷蔵庫本体110に第1食材が収容される場合であって、複数の保存領域Sのなかで第1食材の保存に適した保存領域Sに余裕空間が無い場合、第1食材の保存に適した保存領域Sに対応する発光部81を第4態様で発光させる。第1態様と第2態様と第3態様と第4態様は、発光色、発光時機、または発光状態が異なる。
【0045】
例えば、余裕空間検出部140は、カメラ72によって撮影された画像に基づき、各保存領域Sの余裕空間の有無を検出する。そして、報知部150は、第1食材の保存に適した保存領域Sを案内する場合において、当該保存領域Sに余裕空間が存在しない場合、当該保存領域Sに対応する発光部81を青色で点滅させる。青色の点滅は、「第4態様」の一例である。本実施形態では、第4態様は、第1態様、第2態様、および第3態様に対して、発光状態が異なる。
【0046】
<3.制御の流れ>
次に、制御の流れについて説明する。
図7および図8は、冷蔵庫100における制御の流れを示すフローチャートである。以下では、冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれる場合を例に説明する。
【0047】
まず、制御部90は、扉開閉検知スイッチ33により冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれた否かを判定する(S101)。扉開閉検知スイッチ33により左冷蔵室扉31Aaまたは右冷蔵室扉31Abが開かれたことが検知された場合、S102以降の処理が開始される。一方で、扉開閉検知スイッチ33により冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれたことが検知されない場合、S101の処理が繰り返される。
【0048】
制御部90は、扉開閉検知スイッチ33により冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれたことが検知された場合(S101:YES)、カメラ71を起動させ、カメラ71により所定周期(例えば0.5秒毎)で撮影を行う(S102)。これにより、カメラ71は、外部から冷蔵庫本体110の内部に向けて収容されようとする食材を撮影する。
【0049】
在庫管理部130は、扉開閉検知スイッチ33により冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれたことが検知された場合(S101:YES)、例えば在庫情報I1に基づき、冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれることで接近可能になる複数の保存領域S(例えば、複数の収容空間51A,51B,51C,51D,51E、チルド室21AA、お惣菜室21AB、およびソフト冷凍室21AC)に収容された食材のなかで、摂取期限を既に過ぎている食材があるか否かを判定する(S103)。そして、報知部150は、冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれることで接近可能になる複数の保存領域Sのなかで、摂取期限を既に過ぎている食材が収容されている全ての保存領域Sに対応する発光部81を赤色に点灯させることを開始する(S104)。なお、報知部150は、摂取期限を既に過ぎている食材が収容されている全ての保存領域Sを赤色に点灯させることに代えて、摂取期限を既に過ぎている食材が収容されている一部の保存領域Sだけを赤色に点灯させてもよい。
【0050】
さらに、在庫管理部130は、扉開閉検知スイッチ33により冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれたことが検知された場合(S101:YES)、例えば在庫情報I1に基づき、冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれることで接近可能になる複数の保存領域S(例えば、複数の収容空間51A,51B,51C,51D,51E、チルド室21AA、お惣菜室21AB、およびソフト冷凍室21AC)に収容された食材のなかで、摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材があるか否かを判定する(S105)。そして、報知部150は、冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれることで接近可能になる複数の保存領域Sのなかで、摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材が収容されている保存領域Sであって、摂取期限を既に過ぎている食材が無い全ての保存領域Sに対応する発光部81を黄色に点灯させることを開始する(S106)。なお、S105およびS106の処理は、S104およびS103の処理と同時に行われてもよく、それら処理の前または後に行われてもよい。また、報知部150は、摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材が収容されている全ての保存領域Sを黄色に点灯させることに代えて、摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材が収容されている一部の保存領域Sだけを黄色に点灯させてもよい。
【0051】
そして、報知部150は、S104およびS106の処理で点灯させた発光部81を、一定時間(例えば数秒)の経過後、消灯させる(S107)。
【0052】
また、報知部150は、カメラ71により撮影された画像から検出された食材の種類と、保存領域情報I2とに基づき、複数の保存領域Sのなかで冷蔵庫本体110に収容されようとする食材の保存に適した保存領域S(以下では「特定保存領域S」と称する)を特定する(S111)。なお、S111は、S103~S106の処理と同時に行われてもよく、それら処理の前または後に行われてもよい。
【0053】
次に、報知部150は、例えば在庫情報I1に基づき(またはS103の処理の結果に基づき)、特定保存領域Sに摂取期限を既に過ぎている食材があるか否かを判定する(S112)。報知部150は、特定保存領域Sに摂取期限を既に過ぎている食材がある場合(S112:YES)、余裕空間検出部140により特定保存領域Sに余裕空間が検出されているか否かを判定する(S113)。なお、余裕空間検出部140による余裕空間の検出は、冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれる前に行われてもよく、冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれる最中に行われてもよく、冷蔵室扉31Aa,31Abが開かれた後に行われてもよい。
【0054】
報知部150は、特定保存領域Sに余裕空間が検出されている場合(S113:YES)、一定時間に亘り、特定保存領域Sに対応する発光部81を赤色に点灯させる(S114)。一方で、報知部150は、特定保存領域Sに余裕空間が検出されていない場合(S113:NO)、一定時間に亘り、特定保存領域Sに対応する発光部81を赤色に点滅させる(S115)。
【0055】
報知部150は、特定保存領域Sに摂取期限を既に過ぎている食材がない場合(S112:NO)、例えば在庫情報I1に基づき(またはS105の処理の結果に基づき)、特定保存領域Sに摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材があるか否かを判定する(S116)。報知部150は、特定保存領域Sに摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材がある場合(S116:YES)、余裕空間検出部140により特定保存領域Sに余裕空間が検出されているか否かを判定する(S117)。
【0056】
報知部150は、特定保存領域Sに余裕空間が検出されている場合(S117:YES)、一定時間に亘り、特定保存領域Sに対応する発光部81を黄色に点灯させる(S118)。一方で、報知部150は、特定保存領域Sに余裕空間が検出されていない場合(S117:NO)、一定時間に亘り、特定保存領域Sに対応する発光部81を黄色に点滅させる(S119)。
【0057】
報知部150は、特定保存領域Sに摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材がない場合(S116:NO)、余裕空間検出部140により特定保存領域Sに余裕空間が検出されているか否かを判定する(S120)。
【0058】
報知部150は、特定保存領域Sに余裕空間が検出されている場合(S120:YES)、一定時間に亘り、特定保存領域Sに対応する発光部81を青色に点灯させる(S121)。一方で、報知部150は、特定保存領域Sに余裕空間が検出されていない場合(S120:NO)、一定時間に亘り、特定保存領域Sに対応する発光部81を青色に点滅させる(S122)。
【0059】
<4.利点>
本実施形態では、冷蔵庫システム1は、報知部150を有する。報知部150は、冷蔵庫本体110に第1食材が収容される場合に、複数の保存領域Sのなかで第1食材の保存に適した保存領域Sに対応する発光部81を第1態様で発光させる。報知部150は、摂取期限が所定条件を満たす第2食材が冷蔵庫本体110に収容されている場合に、複数の保存領域Sのなかで第2食材が収容されている保存領域Sに対応する発光部81を第2態様で発光させる。第1態様と第2態様とは、発光色、発光時機、または発光状態が異なる。
【0060】
このような構成によれば、ユーザUは、食材の保存領域Sおよび摂取期限に関しての管理を容易に視覚的に行うことができる。例えば、各食材の保存に適した保存領域Sを直感的に知ることができる。これにより、適した保存領域Sに食材を保存することができ、鮮度維持効果を向上させることができる。これらにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0061】
本実施形態では、報知部150は、第2食材の摂取期限までの残り日数が所定値以下の場合に、第2食材が収容されている保存領域Sに対応する発光部81を第2態様で発光させ、第2食材の摂取期限が既に過ぎている場合に、第2食材が収容されている保存領域Sに対応する発光部81を第3態様で発光させ、第1態様と第2態様と第3態様は、発光色、発光時機、または発光状態が異なる。このような構成によれば、ユーザUは、摂取期限切れが近い食材が収容されている保存領域Sを容易に認識することができ、廃棄ロスの削減を図ることができる。また、ユーザUは、摂取期限切れの食材が収容されている保存領域Sを容易に知ることができ、摂取期限切れの食材を廃棄することで冷蔵庫100の容量を有効に利用することができる。
【0062】
本実施形態では、報知部150は、摂取期限までの残り日数が所定値以下の食材と、摂取期限が既に過ぎている食材とが同一の保存領域Sに収容されている場合、当該保存領域Sに対応する発光部81を第2態様よりも第3態様を優先して発光させる。このような構成によれば、摂取期限切れの食材をより確実に知ることができる。これにより、冷蔵庫100の容量をより有効に利用することができる。
【0063】
本実施形態では、報知部150は、冷蔵庫本体110に第1食材が収容される場合であって、複数の保存領域Sのなかで第1食材の保存に適した保存領域Sに余裕空間が無い場合、第1食材の保存に適した保存領域Sに対応する発光部81を第4態様で発光させる。第1態様と第2態様と第4態様は、発光色、発光時機、または発光状態が異なる。このような構成によれば、第1食材の保存に適した保存領域Sの余裕区間の有無を容易に知ることができる。例えば、ユーザUは、発光部81が赤色に点滅している場合は、現時点で余裕空間がなくても、摂取期限が既に過ぎている食材を廃棄することで余裕空間が生じる可能性があることを容易に知ることができる。同様に、発光部81が黄色に点滅している場合は、現時点で余裕空間がなくても、摂取期限が近い食材を消費することで余裕空間が生じる可能性があることを容易に知ることができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0064】
本実施形態では、第1態様と第2態様は、発光色、発光時機、または発光状態のうち1つ(上述した例では発光時機)が異なり、第1態様と第4態様は、発光色、発光時機、または発光状態のうち別の1つ(上述した例では発光状態)が異なる。このような構成によれば、摂取期限に関する所定条件を満たす食材があるか否か、および特定保存領域Sに余裕空間があるか否かを容易に区別して知ることができる。なお上記例に代えて、例えば、第1態様と第2態様は、発光色が異なり、第1態様と第4態様は、発光状態が異なってもよい。また例えば、第1態様と第2態様は、発光状態が異なり、第1態様と第4態様は、発光色態が異なってもよい。
【0065】
本実施形態では、報知部150は、冷蔵庫本体110の扉31が開かれた場合に、扉31が開かれることで接近可能になる複数の保存領域Sのなかで第2食材が収容されている1つ以上の保存領域S(例えば全ての保存領域S)に対応する発光部81を第2態様または第3態様で発光させた後に消灯させ、発光部81を第2態様または第3態様で発光させる前または後に、扉31が開かれること外部から接近可能になる複数の保存領域Sのなかで前記第1食材の保存に適した保存領域Sに対応する発光部81を第1態様で発光させる。このような構成によれば、各食材の保存に適した保存領域Sと、摂取期限が所定条件を満たす食材が存在する保存領域Sとをより容易に区別して認識することができる。
【0066】
言い換えると、報知部150は、冷蔵庫本体110の扉31が開かれた場合に、第1食材の保存に適した保存領域Sであるか否かに関わらず、第2食材が収容されている1つ以上の保存領域Sに対応する発光部81を第2態様または第3態様で発光させた後に消灯させ、発光部81を第2態様または第3態様で発光させる前または後に第1食材の保存に適した保存領域Sに対応する発光部81を第1態様で発光させる。このような構成によれば、各食材の保存に適した保存領域Sと、摂取期限が所定条件を満たす食材が存在する保存領域Sとをより容易に区別して認識することができる。
【0067】
なお、発光部81に関する制御の流れは、上記実施形態の例に限定されない。例えば、S103からS107の処理が行われずに、S111からS122の処理が行われてもよい。すなわち、複数の保存領域Sに関して摂取期限が所定条件を満たす食材があることの報知が行われずに、特定保存領域Sだけに関して摂取期限が所定条件を満たす食材があることの報知が行われてもよい。
【0068】
言い換えると、ある1つの観点では、報知部150は、冷蔵庫本体110に第1食材が収容される場合に、複数の保存領域Sのなかから第1食材の保存に適した特定保存領域Sを特定し、摂取期限が所定条件を満たす第2食材が特定保存領域Sに収容されていない場合に特定保存領域Sに対応する発光部81を第1態様で発光させ、摂取期限が所定条件を満たす第2食材が特定保存領域Sに収容されている場合に特定保存領域Sに対応する発光部81を第2態様で発光させる。第1態様と第2態様とは、発光色、発光時機、または発光状態が異なる。上述した実施形態では、青色の点灯は、「第1態様」の一例である。赤色または黄色の点灯は、「第2態様」の一例である。このような構成によっても、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0069】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1食材が特定食材である場合に限り、第1食材の保存領域Sを案内する発光が行われる点で、第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態の構成と同じである。
【0070】
図9は、第2実施形態の冷蔵庫100の構成を示すブロック図である。本実施形態では、記憶部160には、特定食材情報I3が記憶されている。
【0071】
図10は、特定食材情報I3の内容の一例を示す図である。特定食材情報I3では、報知部150によって適した保存領域Sが報知される対象となる食材(以下「特定食材」と称する)が特定されている。特定食材は、例えば、複数の保存領域Sのなかで特定の保存領域Sに保存されることの効果が他の食材と比べて大きい食材である。「特定の保存領域Sに保存されることの効果」は、例えば、鮮度や食感の維持、特定の栄養素やうまみ成分の増大であるが、これらに限定されない。図10に示す例では、「刺身」や「生ハム」が特定食材の例として登録されている。「刺身」や「生ハム」は、チルド室21AAに保存されることで、他の食材がチルド室21AAに保存される場合と比べて、鮮度や食感の維持効果が大きい。特定食材情報I3は、予め設定されていてもよく、ユーザUによって登録されてもよい。
【0072】
本実施形態では、報知部150は、第1食材が特定食材情報I3に登録された特定食材である場合に限り、冷蔵庫本体110に第1食材が収容される場合に、複数の保存領域Sのなかで第1食材の保存に適した保存領域Sに対応する発光部81を第1態様で発光させる。一方で、報知部150は、第1食材が特定食材情報I3に登録された特定食材でない場合、第1食材の保存に適した保存領域Sに対応する発光部81を発光させない。このような構成によれば、全ての食材について発光部81が発光される場合と比べて、発光部81の発光頻度を減らすことができる。これにより、例えば過度な案内を欲しないユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0073】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、冷蔵庫本体110に第1食材が収容される場合において、第1食材に最も適した保存領域Sの余裕空間がない場合に、第1食材に次に適した保存領域Sに対応する発光部81が第1態様で発光される点で、第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態の構成と同じである。
【0074】
図11は、第3実施形態の保存領域情報I2Aの内容の一例を示す図である。本実施形態では、保存領域情報I2Aでは、食材毎に、食材と、複数の保存領域Sのなかでその食材の保存に最も適した保存領域Sと、複数の保存領域Sのなかでその食材の保存に次に適した保存領域Sとが対応付けられている。例えば、「牛肉」については、ソフト冷凍室21ACが最も適した保存領域Sとして対応付けられるとともに、チルド室21AAが次に最も適した保存領域Sとして対応付けられている。
【0075】
本実施形態では、報知部150は、冷蔵庫本体110に第1食材が収容される場合に、保存領域情報I2Aに基づき、複数の保存領域Sのなかで第1食材の保存に最も適した特定保存領域Sを特定する。しかしながら、報知部150は、余裕空間検出部140により特定保存領域Sに余裕空間が検出されていない場合、保存領域情報I2Aに基づき、第1食材に対して次に適した保存領域Sを特定する。そして、報知部150は、余裕空間検出部140によって次に適した保存領域Sに余裕空間が検出されている場合、次に適した保存領域Sに対応する発光部81が第1態様で発光させる。このような構成によれば、最も適した保存領域Sに余裕空間が存在しない場合でも、適した保存領域SをユーザUに案内することができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0076】
(変形例)
次に、第1から第3の実施形態の変形例について説明する。
図12は、変形例の冷蔵庫100を示す斜視図である。本実施形態では、冷蔵庫本体110は、上述した発光部81に代えて、発光部81Aを有する。発光部81Aは、面光源である。例えば、発光部81Aは、各棚41の前縁に配置されて左右方向の延びた面光源を含む。別の発光部81Aは、チルド室21AA、お惣菜室21AB、およびソフト冷凍室21ACの各々の前面蓋Cに設けられた面光源を含む。発光部81Aは、例えば、導光板、または光ファイバーケーブルからの側面発光などにより実現される。
【0077】
このような構成によれば、発光部81Aが面光源を含むため、光が柔らかくなり、意匠性の向上を図ることができる。また、発光部81Aが面光源を含むため、棚41の前縁全体あるいはチルド室21AAなどの前面全体が光るので、視覚的に分かりやすくなる。
【0078】
以上、いくつかの実施形態および変形例について説明したが、実施形態および変形例は上記例に限定されない。例えば、第1食材に適した保存領域Sを示す発光が行われた後に、摂取期限が所定条件を満たす第2食材が存在する保存領域Sを示す発光が行われてもよい。また、第1食材に適した保存領域Sを示す発光と、摂取期限が所定条件を満たす第2食材が存在する保存領域Sを示す発光とが交互に行われてもよい。
【0079】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷蔵庫システムは、報知部を持つ。報知部は、冷蔵庫本体に第1食材が収容される場合に、複数の保存領域のなかで第1食材の保存に適した保存領域に対応する発光部を第1態様で発光させ、摂取期限が所定条件を満たす第2食材が冷蔵庫本体に収容されている場合に、複数の保存領域のなかで第2食材が収容されている保存領域に対応する発光部を第2態様で発光させる。第1態様と第2態様とは、発光色、発光時機、または発光状態が異なる。このような構成によれば、利便性の向上を図ることができる。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0081】
1…冷蔵庫システム、10…筐体、21AA…チルド室(保存領域)、21AB…お惣菜室(保存領域)、21AC…ソフト冷凍室(保存領域)、41…棚、51,51A,51B,51C,51D,51E…収容空間(保存領域)、81,81A…発光部、100…冷蔵庫、110…冷蔵庫本体、120…食材検出部、130…在庫管理部、140…余裕空間検出部、150…報知部、160…記憶部、200…サーバ、300…端末装置。
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図12