(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181896
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20120101AFI20221201BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221201BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089103
(22)【出願日】2021-05-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】江本 二郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】設備の異常発生の予測精度を向上させる技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む第1の入力データ及び前記複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関する第1の出力データを含む学習データに基づく機械学習により生成された学習済モデルに、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む第2の入力データを入力する入力部と、前記入力部による前記学習済モデルへの前記第2の入力データの入力に基づいて、前記学習済モデルから前記予測対象設備における異常発生に関する第2の出力データを取得する出力データ取得部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む第1の入力データ及び前記複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関する第1の出力データを含む学習データに基づく機械学習により生成された学習済モデルに、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む第2の入力データを入力する入力部と、
前記入力部による前記学習済モデルへの前記第2の入力データの入力に基づいて、前記学習済モデルから前記予測対象設備における異常発生に関する第2の出力データを取得する出力データ取得部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む第1の入力データ及び前記複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関する第1の出力データを含む学習データを取得する学習データ取得部と、
前記学習データ取得部により取得された前記学習データに基づく機械学習により、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む第2の入力データの入力に基づいて前記予測対象設備における異常発生に関する第2の出力データを出力する学習済モデルを生成する学習済モデル生成部と、
前記学習済モデル生成部により生成された前記学習済モデルを記憶部に保存する記憶制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項3】
前記1以上の学習用センシングデータは、前記複数の設備のそれぞれの振動を計測する1以上の振動センサの計測に基づく1以上の学習用振動データを含み、
前記1以上の予測用センシングデータは、前記予測対象設備の振動を計測する1以上の振動センサの計測に基づく1以上の予測用振動データを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記1以上の学習用センシングデータは、前記複数の設備のそれぞれの環境を計測する1以上の環境センサの計測に基づく1以上の学習用環境データを含み、
前記1以上の予測用センシングデータは、前記予測対象設備の環境を計測する1以上の環境センサの計測に基づく1以上の予測用環境データを含む、
請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記1以上の学習用環境データは、学習用環境温度データ及び学習用湿度データの少なくとも何れか一方のデータを含み、
前記1以上の予測用環境データは、予測用温度データ及び予測用湿度データの少なくとも何れか一方のデータを含む、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記1以上の学習用センシングデータは、前記複数の設備のそれぞれの表面温度を計測する1以上の温度センサの計測に基づく1以上の学習用表面温度データを含み、
前記予測用センシングデータは、前記予測対象設備の表面温度を計測する1以上の温度センサの計測に基づく1以上の予測用表面温度データを含む、
請求項1から5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記1以上の学習用センシングデータは、前記複数の設備のそれぞれの電流値を計測する電流センサの計測に基づく学習用電流データを含み、
前記1以上の予測用センシングデータは、前記予測対象設備の電流値を計測する電流センサの計測に基づく予測用電流データを含む、
請求項1から6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1の入力データは、前記複数の設備のそれぞれに関する前記学習用電流データ及び前記複数の設備のそれぞれに関する定格電流値に基づく指標の学習用データを含み、
前記第2の入力データは、前記予測対象設備に関する前記予測用電流データ及び前記予測対象設備に関する定格電流値に基づく指標の予測用データを含む、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1の入力データは、前記複数の設備のそれぞれに関する学習用整備履歴情報を含み、
前記第2の入力データは、前記予測対象設備に関する予測用整備履歴情報を含む、
請求項1から8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1の入力データは、前記複数の設備のそれぞれに関する学習用損傷履歴情報を含み、
前記第2の入力データは、前記予測対象設備に関する予測用損傷履歴情報を含む、
請求項1から9の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1の入力データは、前記複数の設備のそれぞれに関する学習用劣化履歴情報を含み、
前記第2の入力データは、前記予測対象設備に関する予測用劣化履歴情報を含む、
請求項1から10の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記1以上の学習用センシングデータは、負荷運転期間の1以上の学習用センシングデータであり、
前記1以上の予測用センシングデータは、負荷運転期間の1以上の予測用センシングデータである、
請求項1から11の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記学習データ取得部は、
前記複数の設備のそれぞれに関連付けられた1以上のセンサから収集された前記複数の設備のそれぞれに関する1以上の収集センシングデータを取得し、
前記1以上の収集センシングデータのうちの少なくとも1つの収集センシングデータに基づいて前記複数の設備のそれぞれの負荷運転期間を推定し、
前記1以上の収集センシングデータ及び推定された負荷運転期間に基づいて、前記複数の設備のそれぞれに関する前記負荷運転期間の1以上の学習用センシングデータを取得する、
直接的又は間接的に請求項2を引用する請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記1以上の学習用センシングデータは、前記複数の設備のそれぞれの整備後の設定期間に含まれるデータであり、
前記1以上の予測用センシングデータは、前記予測対象設備の整備後の前記設定期間に含まれるデータである、
請求項1から13の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記1以上の学習用センシングデータは、前記複数の設備のそれぞれの整備後の設定期間を除く期間に含まれるデータであり、
前記1以上の予測用センシングデータは、前記予測対象設備の整備後の前記設定期間を除く期間に含まれるデータである、
請求項1から13の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む第1の入力データ及び前記複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関する第1の出力データを含む学習データに基づく機械学習により生成された学習済モデルに、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む第2の入力データを入力することと、
前記学習済モデルへの前記第2の入力データの入力に基づいて、前記学習済モデルから前記予測対象設備における異常発生に関する第2の出力データを取得することと、
を備える情報処理方法。
【請求項17】
複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む第1の入力データ及び前記複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関する第1の出力データを含む学習データを取得することと、
前記学習データに基づく機械学習により、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む第2の入力データの入力に基づいて前記予測対象設備における異常発生に関する第2の出力データを出力する学習済モデルを生成することと、
前記学習済モデルを記憶部に保存することと、
を備える情報処理方法。
【請求項18】
コンピュータに、
複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む第1の入力データ及び前記複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関する第1の出力データを含む学習データに基づく機械学習により生成された学習済モデルに、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む第2の入力データを入力することと、
前記学習済モデルへの前記第2の入力データの入力に基づいて、前記学習済モデルから前記予測対象設備における異常発生に関する第2の出力データを取得することと、
を実行させる情報処理プログラム。
【請求項19】
コンピュータに、
複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む第1の入力データ及び前記複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関する第1の出力データを含む学習データを取得することと、
前記学習データに基づく機械学習により、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む第2の入力データの入力に基づいて前記予測対象設備における異常発生に関する第2の出力データを出力する学習済モデルを生成することと、
前記学習済モデルを記憶部に保存することと、
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
設備の不意な動作停止を回避するために、設備の未来の異常発生を予測したというニーズがある。設備で測定される振動データは、設備の未来の異常発生を予測するための異常兆候の検出に用いられている。
【0003】
特許文献1には、所定のタイミングで取得された回転機器の振動データと、所定のタイミングにおける回転機器の運転データに対応する回転機器の正常状態において予め取得された記憶振動データとに基づいて、回転機器の異常兆候の有無を予測する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、予測対象の回転機器のみの記憶振動データを用いているため、予測対象の回転機器の運転データ毎の記憶振動データを収集しなければならない。記憶振動データの量が十分な量でなければ、回転機器の異常兆候の有無を予測する精度は向上しない。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、設備の異常発生の予測精度を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様によれば、情報処理装置は、複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む第1の入力データ及び前記複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関する第1の出力データを含む学習データに基づく機械学習により生成された学習済モデルに、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む第2の入力データを入力する入力部と、前記入力部による前記学習済モデルへの前記第2の入力データの入力に基づいて、前記学習済モデルから前記予測対象設備における異常発生に関する第2の出力データを取得する出力データ取得部と、を備える。
【0008】
実施形態の別の態様によれば、情報処理装置は、複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む第1の入力データ及び前記複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関する第1の出力データを含む学習データを取得する学習データ取得部と、前記学習データ取得部により取得された前記学習データに基づく機械学習により、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む第2の入力データの入力に基づいて前記予測対象設備における異常発生に関する第2の出力データを出力する学習済モデルを生成する学習済モデル生成部と、前記学習済モデル生成部により生成された前記学習済モデルを記憶部に保存する記憶制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
実施形態によれば、情報処理装置は、設備の異常発生の予測精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係るサーバ及びサーバと通信可能に接続された複数の電子機器を例示するブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るサーバの構成を例示するブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るサーバに記憶されている収集データを例示する図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るサーバによる学習済モデルの生成処理を例示するフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係るサーバによる学習データの取得処理を例示するフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る収集振動データを例示する図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るサーバによる学習済モデルを用いた情報処理を例示するフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係るセンシング技術の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るサーバ1及びサーバ1と通信可能に接続された複数の電子機器を例示するブロック図である。
【0012】
サーバ1は、ネットワークNWを介して、工場3-1~工場3-a(aは1以上の整数)に設けられた種々の電子機器からデータ及び情報を収集する電子機器である。サーバ1は、いわゆるクラウド上のサーバである。例えば、ネットワークNWは、インターネット、携帯通信網及びLAN(Local Area Network)等の種々のネットワークのうちの1以上のネットワークを含む。サーバ1は、ネットワークNWを介して、端末2と通信可能に接続する。サーバ1は、情報処理装置の一例である。サーバ1の構成例については後述する。
【0013】
端末2は、ネットワークNWを介したサーバ1との通信機能及び情報の表示機能を備える電子機器である。例えば、端末2は、PC(Personal Computer)、スマートフォン又はタブレット端末等である。
【0014】
工場3-1~工場3-aは、同じ企業の複数の工場を含むこともあるし、異なる企業のそれぞれの1以上の工場を含むこともある。工場3-1が備える要素ついて説明する。工場3-aが備える要素は、工場3-1が備える要素と同様であってもよいので、
図1における図示は省略されている。
【0015】
工場3-1は、設備31-1~設備31-b(bは1以上の整数)、センサ群32-1~センサ群32-b、アクセスポイント33、集計モジュール34-1~集計モジュール34-c(cは1以上の整数)、エージェントモジュール35及び端末36を備える。
【0016】
設備31-1~設備31-bのそれぞれは、動機器である。動機器は、電力、蒸気、燃料などの動力を使用した可動部をもち、物の加工や移動など有用な作用を発現するものである。例えば、動機器は、ポンプ、レシプロコンプレッサ及びモータ等の電力により動作する装置であるが、これらの例に限定されない。工場3-1は、同じ種類の複数の設備を備えることもあるし、異なる種類のそれぞれの1以上の設備を備えることもある。設備の種類については後述する。
【0017】
センサ群32-1~センサ群32-bのそれぞれは、設備31-1~設備31-bのそれぞれに関する1以上のセンシングデータを取得する1以上のセンサを含む。1以上のセンサは、設備自体の状態を計測するセンサを含む。1以上のセンサは、設備の置かれている状態を計測するセンサを含む。センシングデータは、一定期間間隔で測定されたデータである。例えば、一定期間は、数分又は数時間等の期間である。一定期間の間隔は、適宜設定可能である。1以上のセンシングデータは、設備自体の状態を反映するセンシングデータを含む。1以上のセンシングデータは、設備の置かれている状態を反映するセンシングデータを含む。
【0018】
1以上のセンサに含まれるセンサの例について説明する。1以上のセンサは、以下に例示するセンサ以外のセンサを含んでいてもよい。
【0019】
1以上のセンサは、設備の振動を計測し、センシングデータとして時系列の振動データを取得する1以上の振動センサ含んでもよい。設備には、1つの振動センサが設置されることもあるし、複数の振動センサが設置されることもある。
【0020】
1以上のセンサは、設備の表面温度を計測し、センシングデータとして時系列の表面温度データを取得する1以上のサーモグラフィモジュールを含んでもよい。設備には、1つのサーモグラフィモジュールが設置されることもあるし、複数のサーモグラフィモジュールが設置されることもある。サーモグラフィモジュールは、設備の表面温度を計測する温度センサの一例である。
【0021】
1以上のセンサは、設備の電流値を計測し、センシングデータとして時系列の電流データを取得する電流センサを含んでもよい。
【0022】
1以上のセンサは、設備の環境を計測し、センシングデータとして時系列の環境データを取得する1以上の環境センサを含んでもよい。設備の環境は、設備の動作環境又は設置環境を含む。1以上の環境センサは、環境温度を計測し、センシングデータとして時系列の環境温度データを取得する温度センサを含んでもよい。1以上の環境センサは、湿度を計測し、センシングデータとして時系列の湿度データを取得する湿度センサを含んでもよい。
【0023】
アクセスポイント33は、ネットワークNWを介してサーバ1と通信可能な電子機器である。
【0024】
集計モジュール34-1~集計モジュール34-cのそれぞれは、ZigBee等の任意の無線通信により、センサ群32-1~センサ群32-bに含まれる任意のセンサと通信可能な通信機器である。集計モジュール34-1~集計モジュール34-cのそれぞれは、Wi-Fi等の任意の無線通信により、エージェントモジュール35と通信可能に接続する。
【0025】
エージェントモジュール35は、Wi-Fi等の任意の無線通信により、集計モジュール34-1~集計モジュール34-cのそれぞれと通信可能な電子機器である。エージェントモジュール35は、Wi-Fi等の任意の無線通信により、アクセスポイント33と通信可能である。エージェントモジュール35は、Wi-Fi等の無線通信により、任意のセンサと通信可能であってもよい。
【0026】
エージェントモジュール35は、直接的に又は集計モジュール34-1~集計モジュール34-cを介して、設備31-1~設備31-bのそれぞれに関する各センシングデータを取得する。エージェントモジュール35は、アクセスポイント33を経由して、取得した各センシングデータを、各センシングデータに関連する設備の設備識別情報に関連付けてサーバ1に送信する。設備識別情報は、設備を一意に識別可能な識別情報である。エージェントモジュール35は、センシングデータを取得する毎に、取得したセンシングデータをサーバ1に送信してもよい。エージェントモジュール35は、バッチ処理により、複数のセンシングデータをまとめてサーバ1に送信してもよい。
【0027】
端末36は、Wi-Fi等の任意の無線通信によるアクセスポイント33との通信機能及び工場3-1のユーザのよる種々の情報の入力機能を備える電子機器である。例えば、端末36は、PC、スマートフォン又はタブレット端末等である。端末36は、各設備に関する設備情報の入力毎に、アクセスポイント33を経由して、入力された設備情報を設備識別情報に関連付けてサーバ1に送信する。
【0028】
設備情報に含まれる情報の例について説明する。設備情報は、以下に例示する情報以外の情報を含んでいてもよい。設備情報は、テキストで入力されたテキスト情報であってもよい。
【0029】
設備情報は、設備の種類を示す種類情報を含んでもよい。種類情報は、設備の機種を示す機種情報を含んでもよい。例えば、機種は、ポンプ、レシプロコンプレッサ及びモータ等である。種類情報は、設備についての型式を示す型式情報を含んでもよい。型式情報は、設備自体の型式を示す情報を含んでもよい。型式情報は、設備に含まれる部品の型式を示す情報を含んでもよい。例えば、設備に含まれる部品は、軸及び軸受等である。種類情報は、設備の特徴を示す特徴情報を含んでもよい。特徴情報は、回転数等の設備の動作的な特徴を示す情報を含んでもよい。特徴情報は、軸径等の設備の構造的な特徴を示す情報を含んでもよい。種類情報は、設備の使用開始のタイミングに端末36に入力され得る。
【0030】
設備情報は、設備の使用開始日を示す使用開始日情報を含んでもよい。使用開始日情報は、設備の使用開始のタイミングに端末36に入力され得る。
【0031】
設備情報は、設備の整備履歴を示す整備履歴情報を含んでもよい。整備履歴は、設備に対する整備の履歴である。整備は、設備の動作が停止する故障に至る前の設備の機能が維持されない状態で行われるものでもよい。整備は、故障に至る前の設備の機能が維持されている状態のうち、平均的な正常な状態から外れた異常な状態で行われるものでもよい。整備は、部品の交換を伴う整備だけでなく、部品の交換を伴わない整備も含む。整備履歴情報は、整備日情報を含んでもよい。整備日情報は、設備に対する整備日を示す情報である。整備履歴情報は、整備形態情報を含んでもよい。整備形態情報は、設備に対する整備の形態を示す情報である。整備形態情報は、整備の原因となる異常内容を示す情報を含んでもよい。整備形態情報は、整備に伴う交換部品の有無を示す情報を含んでもよい。整備に伴い部品が交換された場合、整備形態情報は、整備に伴う交換部品を示す情報を含んでもよい。例えば、部品交換を伴う異常は、ベアリングの疲労損傷(フレーキング)、軸摩耗、ハウジング(穴側)の摩耗、カップリングの劣化(カップリングゴムの破損等)等である。例えば、部品交換を伴わない異常は、付着物によるアンバランスにより掃除で復旧可能なもの、基礎ボルトなどのゆるみを増し締めすることで復旧可能なもの、組込みミスによる芯ずれの修正で復旧可能なもの等である。
整備履歴情報は、整備のタイミング毎に端末36に入力され得る。
【0032】
設備情報は、設備の損傷履歴を示す損傷履歴情報を含んでもよい。損傷履歴は、設備における損傷の履歴である。損傷履歴情報は、損傷日情報を含んでもよい。損傷日情報は、設備の損傷を発見された日を示す情報である。損傷履歴情報は、損傷形態情報を含んでもよい。損傷形態情報は、設備で発見された損傷形態を示す情報である。例えば、損傷形態は、フレーキング、スミアリング、摩耗及び電食等である。フレーキングは、軸受では、転がり接触面に発生する金属疲労による剥離現象である。フレーキングは、不具合の結果発生する場合もあるが、正常な軸受の寿命でも発生する。フレーキングは、軸受の外輪、内輪及び転動体に発生する。摩耗は、軸に発生することがある。軸受の内輪穴と軸のはめあいが甘いと軸摩耗が発生する。軸が軸受より柔らかい材質であるので、軸が大きく摩耗する。摩耗は、ハウジングに発生することがある。軸受の外輪とハウジングの穴のはめあいが甘いとハウジング摩耗が発生する。ハウジングが軸受より柔らかい材質であるので、ハウジングの方が大きく摩耗する。電食は、インバータ駆動モータ等で発生しやすい。漏洩電流によるスパークで洗濯板状の凹凸の電食が発生する。損傷履歴情報は、損傷の発見のタイミング毎に端末36に入力され得る。
【0033】
設備情報は、設備の劣化履歴を示す劣化履歴情報を含んでもよい。劣化履歴は、設備における劣化の履歴である。例えば、劣化は、設備の機能が維持されている状態で、設備の使用に伴い発生する劣化である。劣化履歴情報は、劣化日情報を含んでもよい。劣化日情報は、設備の劣化を発見された日を示す情報である。劣化履歴情報は、劣化形態情報を含んでもよい。劣化形態情報は、設備で発見された劣化形態を示す情報である。例えば、劣化形態は、フレーキングと呼ばれる疲労剥離によるベアリングの損傷等である。劣化履歴情報は、劣化の発見のタイミング毎に端末36に入力され得る。
【0034】
サーバ1の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係るサーバ1の構成を例示するブロック図である。
サーバ1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インタフェース14を備える。サーバ1を構成する各部は、互いに信号を入出力可能に接続されている。
図2では、インタフェースは、「I/F」と記載されている。
【0035】
プロセッサ11は、サーバ1の中枢部分に相当する。プロセッサ11は、サーバ1のコンピュータを構成する要素である。例えば、プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限定されない。プロセッサ11は、種々の回路で構成されていてもよい。プロセッサ11は、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に予め記憶されている情報処理プログラムをメインメモリ12に展開する。情報処理プログラムは、サーバ1のプロセッサ11に後述する各部を実行させるプログラムである。プロセッサ11は、メインメモリ12に展開される情報処理プログラムを実行することで、種々の動作を実行する。
【0036】
メインメモリ12は、サーバ1の主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はプログラムを記憶する。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。例えば、メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域としてROM(Read Only Memory)を含む。例えば、メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域としてRAM(Random Access Memory)を含む。メインメモリ12は、情報処理プログラムを記憶し得る。
【0037】
補助記憶デバイス13は、サーバ1の補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス13は、EEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等である。補助記憶デバイス13は、上述の情報処理プログラム、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ及びプロセッサ11での処理によって生成されるデータを記憶し得る。
【0038】
補助記憶デバイス13は、収集データを記憶する収集データ記憶領域131を含む。収集データ記憶領域131は、記憶部の一例である。収集データは、各設備の設備情報及び各設備に関する1以上のセンシングデータを含む。収集データに含まれる設備情報は、収集設備情報ともいう。収集データに含まれるセンシングデータは、収集センシングデータともいう。
【0039】
各設備の収集設備情報は、各設備の設備識別情報に関連付けられている。例えば、各設備の収集設備情報は、サーバ1が各工場の端末36から収集する設備情報である。端末36からの設備情報がテキスト情報である場合、サーバ1は、テキストマイニングにより、端末36からの設備情報から収集設備情報を取得してもよい。
【0040】
各設備に関する1以上の収集センシングデータは、各設備の設備識別情報に関連付けられている。各設備に関する1以上の収集センシングデータは、サーバ1が各設備に関連付けられた1以上のセンサから収集するセンシングデータである。
【0041】
収集データは、サーバ1による何れかの設備の設備情報の取得に基づいて更新され得る。収集データは、サーバ1による何れかの設備に関連付けられた1以上のセンシングデータの取得に基づいて更新され得る。
【0042】
補助記憶デバイス13は、複数の学習済モデルを記憶する学習済モデル記憶領域132を含む。学習済モデル記憶領域132は、記憶部の一例である。複数の学習済モデルのそれぞれは、予測対象設備における未来の異常発生を予測するモデルである。予測対象設備は、所定の設備ともいう。
【0043】
複数の学習済モデルは、設備の種類に応じて異なる複数の学習データに基づいて生成される複数のモデルである。設備の種類は、機種情報で示される設備の機種に応じた種類でもよい。設備の種類は、型式情報で示される設備についての型式に応じた種類でもよい。型式に応じた種類は、機種に応じた種類よりも細分化された種類である。設備の種類は、特徴情報で示される設備の特徴に応じた種類でもよい。設備の特徴に応じた種類は、機種に応じた種類よりも細分化された種類である。設備の特徴に応じた種類は、型式に応じた種類よりも細分化された種類であることもあり得る。
【0044】
複数の学習済モデルは、設備の種類毎に、データの期間の異なる複数の学習データに基づいて生成される複数の学習済モデルを含んでもよい。データの期間の異なる複数の学習データは、第1の期間に含まれる学習データを含む。第1の期間は、設備の整備後の期間である。例えば、第1の期間は、整備日又は整備日後の日からの設定された長さの期間である。第1の期間は、長期間の使用に伴う異常が発生する可能性よりも整備に伴う異常が発生する可能性の方が高い期間である。第1の期間の長さは適宜設定可能である。第1の期間は設定期間ともいう。データの期間の異なる複数の学習データは、第2の期間に含まれるデータ学習データを含む。第2の期間は、第1の期間を除く期間である。第2の期間は、整備に伴う異常が発生する可能性よりも長期間の使用に伴う異常が発生する可能性の方が高い期間である。整備に伴う異常の異常形態は、長期間の使用に伴う異常の異常形態とは異なる。例えば、整備に伴う異常は、カップリングの芯ずれ、ポンプなどの隙間調整ミスでインペラーとケーシングが接触すること、モータ電源の結線ミスで逆転させること(ポンプでは、流量や圧力が低くなる)、等である。例えば、長期間の使用に伴う異常は、ベアリングの疲労損傷(フレーキング)、軸摩耗、ハウジング(穴側)の摩耗、汚れによる回転体のアンバランス、腐食による回転体のアンバランス等である。センシングデータの推移の傾向は、整備に伴う異常と長期間の使用に伴う異常とで異なる。
【0045】
複数の学習済モデルは、サーバ1により収集データに基づいて生成される。生成することは、新たに学習済モデルを作成することを含む。生成することは、作成された学習済モデルを更新することを含む。複数の学習済モデルのそれぞれは、サーバ1により収集データの更新に応じて適宜更新される。
【0046】
通信インタフェース14は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークNWを介して、サーバ1を他の電子機器と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。
【0047】
なお、サーバ1のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。サーバ1は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0048】
上述のプロセッサ11に実現される各部について説明する。
プロセッサ11は、学習データ取得部111、学習済モデル生成部112、記憶制御部113、入力データ取得部114、入力部115、出力データ取得部116及び出力部117を実現する。プロセッサ11に実現される各部は、各機能ということもできる。プロセッサ11に実現される各部は、プロセッサ11及びメインメモリ12を含む制御部に実現されるということもできる。
【0049】
学習データ取得部111は、学習データを取得する。学習データは、第1の入力データ及び第1の出力データを含む。
【0050】
第1の入力データは、複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む。学習用センシングデータは、収集データに含まれる収集センシングデータに基づくデータである。学習用センシングデータは、収集センシングデータそのもののデータでもいいし、学習データ取得部111によりノイズ除去等の処理を施されたデータでもよい。学習用センシングデータは、時系列のデータである。
【0051】
第1の入力データは、複数の設備のそれぞれに関する学習用設備情報を含んでもよい。学習用設備情報は、収集データに含まれる収集設備情報に基づく情報である。学習用設備情報は、収集設備情報そのものの情報でもいいし、学習データ取得部111により収集設備情報から選択的に取得される情報でもよい。
【0052】
第1の出力データは、複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関するデータである。第1の出力データは、正解データである。異常発生に関するデータは、収集データに基づくデータである。異常発生に関するデータは、複数の設備のそれぞれにおける学習用異常発生日情報を含む。学習用異常発生日情報は、設備の異常発生日とする日を示す情報である。設備の異常発生日は、複数の設備のそれぞれについて、収集データに含まれる1以上の収集センシングデータのうちの少なくとも1つの収集センシングデータが基準を満たさなくなった日であってもよい。基準は、故障に至る前の設備の機能が維持されている状態のうち、平均的な正常な状態の値から外れた異常な状態の値であってもよい。異常な状態の値は、適宜設定され得る。基準は、設備の種類に応じて異なってもよい。設備の異常発生日は、整備日情報で示される整備日よりも前の日になることもあり得る。異常発生に関するデータは、複数の設備のそれぞれにおける学習用異常形態情報を含んでもよい。学習用異常形態情報は、設備の異常形態を示す情報である。学習用異常形態情報は、設備の異常内容を示す情報を含んでいてもよい。学習用異常形態情報は、学習用異常発生日情報で示される日に近い整備履歴情報に含まれる整備日情報に関連付けられた整備形態情報に対応してもよい。
【0053】
学習済モデル生成部112は、学習データ取得部111により取得された学習データに基づく機械学習により、学習済モデルを生成する。学習済モデルは、第2の入力データの入力に基づいて第2の出力データを出力するモデルである。
【0054】
第2の入力データは、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む。予測用センシングデータは、収集データに含まれる収集センシングデータに基づくデータである。予測用センシングデータは、収集センシングデータそのもののデータでもいいし、入力データ取得部114によりノイズ除去等の処理を施されたデータでもよい。予測用センシングデータは、入力データ取得部114により収集センシングデータから期間を区切って取得されるデータであってもよい。予測用センシングデータは、時系列のデータである。
【0055】
第2の入力データは、予測対象設備に関する予測用設備情報を含んでもよい。予測用設備情報は、収集データに含まれる収集設備情報に基づく情報である。予測用設備情報は、収集設備情報そのものの情報でもいいし、入力データ取得部114により収集設備情報から選択的に取得される情報でもよい。予測用設備情報は、入力データ取得部114により収集設定情報から期間を区切って取得される情報であってもよい。
【0056】
第2の出力データは、予測対象設備における異常発生に関するデータである。異常発生に関するデータは、異常発生タイミング予測情報を含む。異常発生タイミング予測情報は、予測対象設備において異常が発生すると予測される未来のタイミングを示す情報である。異常が発生すると予測される未来のタイミングは、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータのうちの少なくとも1つの予測用センシングデータが基準を満たさなくなると予測される未来のタイミングである。未来のタイミングは、予測される一つの日でもいいし、幅を持った期間でもよい。異常発生に関するデータは、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータのうちの少なくとも1つの予測用センシングデータに対応する将来の予測結果データを含んでいてもよい。予測結果データは、時系列データである。異常発生に関するデータは、異常発生形態予測情報を含んでもよい。異常発生形態予測情報は、異常発生タイミングにおいて発生すると予測される異常形態を示す情報である。予測情報は、1以上の予測結果データを含んでもよい。異常発生形態予測情報は、予測対象設備における予測される異常内容を示す情報を含んでもよい。
【0057】
記憶制御部113は、学習済モデル生成部112により生成された学習済モデルを学習済モデル記憶領域132に保存する。
【0058】
入力データ取得部114は、第2の入力データを取得する。
【0059】
入力部115は、学習データに基づく機械学習により生成された学習済モデルに、入力データ取得部114により取得された第2の入力データを入力する。第2の入力データを入力する対象の学習済モデルは、入力対象学習済モデルともいう。
【0060】
出力データ取得部116は、入力部115による入力対象学習済モデルへの第2の入力データの入力に基づいて、入力対象学習済モデルから第2の出力データを取得する。
【0061】
出力部117は、出力データ取得部116により取得された第2の出力データに基づく予測情報を出力する。予測情報は、第2の出力データに含まれる異常発生タイミング予測情報を含む。予測情報は、第2の出力データに含まれる少なくとも1つの予測結果データを含んでもよい。予測情報は、第2の出力データに含まれる異常発生形態予測情報を含んでもよい。
【0062】
収集データの構成例について説明する。
図3は、実施形態に係るサーバ1に記憶されている収集データを例示する図である。
【0063】
収集データは、各設備の設備識別情報に関連付けられた収集設備情報及び各設備に関する1以上の収集センシングデータを含む。
【0064】
収集設備情報は、種類情報を含んでもよい。種類情報は、機種情報を含んでもよい。種類情報は、型式情報を含んでもよい。種類情報は、特徴情報を含んでもよい。
【0065】
収集設備情報は、使用開始日情報を含んでもよい。
【0066】
収集設備情報は、整備履歴情報を含んでもよい。整備履歴情報は、整備日情報を含んでもよい。整備履歴情報は、整備形態情報を含んでもよい。
【0067】
収集設備情報は、損傷履歴情報を含んでもよい。損傷履歴情報は、損傷日情報を含んでもよい。損傷履歴情報は、損傷形態情報を含んでもよい。
【0068】
収集設備情報は、劣化履歴情報を含んでもよい。劣化履歴情報は、劣化日情報を含んでもよい。劣化履歴情報は、劣化形態情報を含んでもよい。
【0069】
1以上の収集センシングデータは、設備に関連付けられた1以上の振動センサから収集された設備に関する1以上の振動データを含んでもよい。1以上の収集センシングデータに含まれる振動データは、収集振動データともいう。
【0070】
1以上の収集センシングデータは、設備に関連付けられた1以上のサーモグラフィモジュールから収集された設備に関する1以上の表面温度データを含んでもよい。1以上の収集センシングデータに含まれる表面温度データは、収集表面温度データともいう。
【0071】
1以上の収集センシングデータは、設備に関連付けられた電流センサから収集された設備に関する電流データを含んでもよい。1以上の収集センシングデータに含まれる電流データは、収集電流データともいう。
【0072】
1以上の収集センシングデータは、設備に関連付けられた1以上の環境センサから収集された設備に関する1以上の環境データを含んでもよい。1以上の収集センシングデータに含まれる環境データは、収集環境データともいう。1以上の収集環境データは、設備に関連付けられた温度センサから収集された設備に関する環境温度データを含んでもよい。収集環境データに含まれる環境温度データは、収集環境温度データともいう。1以上の収集環境データは、設備に関連付けられた湿度センサから収集された設備に関する湿度データを含んでもよい。収集環境データに含まれる湿度データは、収集湿度データともいう。
【0073】
サーバ1における処理の手順について説明する。
【0074】
図4は、実施形態に係るサーバ1による学習済モデルの生成処理を例示するフローチャートである。
サーバ1は、
図4に例示する生成処理により、設備の種類に応じて異なる複数の学習データのそれぞれに基づく学習済モデルを生成する。サーバ1は、
図4に例示する生成処理により、設備の種類毎に、データの期間の異なる複数の学習データのそれぞれに基づく学習済モデルを生成してもよい。
以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0075】
学習データ取得部111は、学習データを取得する(ステップS11)。学習データは、複数の設備に関するデータを含む。複数の設備は、同じ種類の設備である。同じ種類の設備は、同じ機種の設備でもよい。同じ種類の設備は、同じ型式の設備でもよい。同じ種類の設備は、同じ特徴の設備でもよい。学習データ取得部111は、各設備の収集設備情報に含まれる種類情報に基づいて同じ種類の複数の設備に関するデータを含む学習データを取得する。
【0076】
学習データに含まれる第1の入力データについて説明する。
第1の入力データは、複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関連付けられた1以上の収集センシングデータに基づいて複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを取得する。1以上の学習用センシングデータは、以下に例示する種々の学習用のデータを含む。
【0077】
1以上の学習用センシングデータは、複数の設備のそれぞれの振動を計測する1以上の振動センサの計測に基づく1以上の学習用振動データを含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する1以上の収集振動データに基づいて複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用振動データを取得する。
【0078】
1以上の学習用センシングデータは、複数の設備のそれぞれの環境を計測する1以上の環境センサの計測に基づく1以上の学習用環境データを含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する1以上の収集環境データに基づいて複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用環境データを取得する。
【0079】
1以上の学習用環境データは、学習用環境温度データ及び学習用湿度データの少なくとも何れか一方のデータを含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集環境温度データに基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用環境温度データを取得する。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集湿度データに基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用湿度データを取得する。
【0080】
1以上の学習用センシングデータは、複数の設備のそれぞれの表面温度を計測する1以上のサーモグラフィモジュールの計測に基づく1以上の学習用表面温度データを含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する1以上の収集表面温度データに基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用表面温度データを取得する。
【0081】
1以上の学習用センシングデータは、複数の設備のそれぞれの電流値を計測する電流センサの計測に基づく学習用電流データを含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集電流データに基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用電流データを取得する。
【0082】
第1の入力データは、複数の設備のそれぞれに関する学習用電流データ及び複数の設備のそれぞれに関する定格電流値に基づく指標の学習用データを含んでもよい。学習用電流データ及び定格電流値に基づく指標は、設備の余裕度を反映する指標である。学習用電流データ及び定格電流値に基づく指標は、学習用電流データを構成する電流値を定格電流値で割った値である。学習用電流データ及び定格電流値に基づく指標の学習用データは、学習用余裕度データともいう。学習用余裕度データは、時系列のデータである。学習データ取得部111は、上述のように、複数の設備のそれぞれに関する学習用電流データを取得する。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する定格電流値を取得する。複数の設備のそれぞれに関する定格電流値は、補助記憶デバイス13に記憶されていてもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集電流データを複数の設備のそれぞれに関する定格電流値で割ることにより、複数の設備のそれぞれに関する学習用余裕度データを取得する。
【0083】
1以上の学習用センシングデータは、負荷運転期間の学習用センシングデータであってもよい。学習データ取得部111による負荷運転期間の学習用センシングデータの取得例については後述する。
【0084】
第1の入力データは、複数の設備のそれぞれに関する学習用設備情報を含む。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に基づいて複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用設備情報を取得する。学習用設備情報は、以下に例示する種々の学習用の情報を含む。
【0085】
第1の入力データは、複数の設備のそれぞれに関する学習用使用開始日情報を含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる使用開始日情報に基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用使用開始日情報を取得する。
【0086】
第1の入力データは、複数の設備のそれぞれに関する学習用整備履歴情報を含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる整備履歴情報に基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用整備履歴情報を取得する。
【0087】
学習用整備履歴情報は、複数の設備のそれぞれに関する学習用整備日情報を含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる整備日情報に基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用整備日情報を取得する。学習用整備履歴情報は、複数の設備のそれぞれに関する学習用整備形態情報を含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる整備形態情報に基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用整備形態情報を取得する。
【0088】
第1の入力データは、複数の設備のそれぞれに関する学習用損傷履歴情報を含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる損傷履歴情報に基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用損傷履歴情報を取得する。
【0089】
学習用損傷履歴情報は、複数の設備のそれぞれに関する学習用損傷日情報を含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる損傷日情報に基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用損傷日情報を取得する。学習用損傷履歴情報は、複数の設備のそれぞれに関する学習用損傷形態情報を含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる損傷形態情報に基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用損傷形態情報を取得する。
【0090】
第1の入力データは、複数の設備のそれぞれに関する学習用劣化履歴情報を含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる劣化履歴情報に基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用劣化履歴情報を取得する。
【0091】
学習用劣化履歴情報は、複数の設備のそれぞれに関する学習用劣化日情報を含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる劣化日情報に基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用劣化日情報を取得する。学習用劣化履歴情報は、複数の設備のそれぞれに関する学習用劣化形態情報を含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる劣化形態情報に基づいて複数の設備のそれぞれに関する学習用劣化形態情報を取得する。
【0092】
学習データに含まれる第1の出力データについて説明する。
第1の出力データは、複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関するデータである。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集データに基づいて複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関するデータを取得する。異常発生に関するデータは、複数の設備のそれぞれにおける学習用異常発生日情報を含む。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する1以上の収集センシングデータに基づいて複数の設備のそれぞれにおける学習用異常発生日情報を取得する。例えば、学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれについて、収集振動データで示される振動値が基準を満たさなくなった日に基づいて学習用異常発生日情報を取得する。基準は、平均的な正常値の2~4倍の間で設定された値であってもよい。平均的な正常値の4倍の値は、設備の機能が維持されている状態のうち、安全と考えられる限界値であり得る。学習データ取得部111は、収集振動データに加えて他の収集センシングデータに基づいて学習用異常発生日情報を取得してもよい。異常発生に関するデータは、複数の設備のそれぞれにおける学習用異常形態情報を含んでもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる整備履歴情報に基づいて複数の設備のそれぞれにおける学習用異常形態情報を取得する。
【0093】
なお、学習データ取得部111がデータの期間の異なる複数の学習データのそれぞれに基づく学習済モデルを生成する場合、学習データ取得部111は、以下のように学習データを取得してもよい。
【0094】
一例では、学習データ取得部111は、第1の期間に含まれる学習データを取得する。 第1の入力データに含まれる複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータについて説明する。1以上の学習用センシングデータは、複数の設備のそれぞれの第1の期間に含まれるデータである。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設定情報に含まれる整備日情報に基づいて複数の設備のそれぞれにおける第1の期間を特定する。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれについて、1以上の収集センシングデータに基づいて、特定した第1の期間に含まれる1以上の学習用センシングデータを取得する。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれの第1の期間に含まれる複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを取得することができる。
【0095】
第1の入力データに含まれる複数の設備のそれぞれに関する学習用設備情報について説明する。学習用設備情報は、複数の設備のそれぞれの第1の期間に含まれる情報である。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設定情報に含まれる整備日情報に基づいて複数の設備のそれぞれにおける第1の期間を特定する。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれについて、収集設定情報に基づいて、特定した第1の期間に含まれる学習用設備情報を取得する。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれの第1の期間に含まれる複数の設備のそれぞれに関する学習用設備情報を取得することができる。
【0096】
第1の出力データについて説明する。第1の出力データは、複数の設備のそれぞれの第1の期間に含まれる異常発生に関するデータである。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関する収集設備情報に含まれる整備日情報に基づいて複数の設備のそれぞれにおける第1の期間を特定する。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれについて、1以上の収集センシングデータに基づいて、特定した第1の期間に含まれる学習用異常発生日情報を取得する。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれの第1の期間に含まれる複数の設備のそれぞれにおける学習用異常発生日情報を取得することができる。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれについて、収集設備情報に含まれる整備履歴情報に基づいて、特定した第1の期間に含まれる学習用異常形態情報を取得してもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれの第1の期間に含まれる複数の設備のそれぞれにおける学習用異常形態情報を取得することができる。
【0097】
別の例では、学習データ取得部111は、第2の期間に含まれる学習データを取得する。第1の入力データに含まれる複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータは、複数の設備のそれぞれの第2の期間に含まれるデータである。第1の入力データに含まれる複数の設備のそれぞれに関する学習用設備情報は、複数の設備のそれぞれの第2の期間に含まれる情報である。第1の出力データは、複数の設備のそれぞれの第2の期間に含まれる異常発生に関するデータである。学習データ取得部111による第2の期間に含まれる学習データを取得する処理は、上述の第1の期間に含まれる学習データを取得する処理と同様である。上述の第1の期間に含まれる学習データを取得する処理の説明において、「第1の期間」の表記は、「第2の期間」と読み替えられてもよい。
【0098】
学習済モデル生成部112は、学習データ取得部111により取得された学習データに基づく機械学習により、学習済モデルを生成する(ステップS12)。ステップS12では、例えば、学習済モデル生成部112は、機械学習により、第1の出力データに対する第1の入力データに含まれている各要素の関係を推定する。学習済モデル生成部112は、推定に基づいて学習済モデルを生成する。例えば、機械学習は、ニューラルネットワークであるが、これに限定されない。
【0099】
第1の入力データは、1以上の学習用センシングデータを含む。過去の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向は、将来の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、センシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、センシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、1以上の学習用センシングデータと学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。1以上の学習用センシングデータと学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0100】
1以上の学習用センシングデータは、1以上の学習用振動データを含む。過去の設備の挙動に関する振動データの傾向は、将来の振動データの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、振動データの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、振動データの傾向に応じて異なる。そのため、1以上の学習用振動データと学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。1以上の学習用振動データと学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0101】
1以上の学習用センシングデータは、1以上の学習用環境データを含んでもよい。環境は、その度合いに応じて設備に負荷を与え得るので、環境データは、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、1以上の学習用環境データと学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。1以上の学習用環境データと学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0102】
1以上の学習用環境データは、学習用環境温度データを含んでもよい。環境温度は、その度合いに応じて設備に負荷を与え得るので、環境温度データは、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。例えば、環境温度は、軸受の寿命に大きく影響を与える。環境温度が70℃以上出る場合、潤滑が困難になり、軸受の寿命が短くなる。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用環境温度データと学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用環境温度データと学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0103】
1以上の学習用環境データは、学習用湿度データを含んでもよい。湿度は、設備に負荷を与え得るので、湿度データは、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用湿度データと学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用湿度データと学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0104】
第1の入力データは、学習用電流データを含んでもよい。電流は、その度合いに応じて設備に負荷を与え得るので、湿度データは、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用電流データと学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用電流データと学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0105】
1以上の学習用センシングデータは、1以上の学習用表面温度データを含んでもよい。表面温度は、その度合いに応じて設備に負荷を与え得るので、表面温度データは、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。例えば、フィルム製造では、フィルムを加工するためロールを蒸気又は電気で加熱する。この場合、軸受は、軸から伝わる熱で高温になる。表面温度は、軸受の寿命に大きく影響を与える。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用表面温度データと学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用表面温度データと学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0106】
第1の入力データは、学習用余裕度データを含む。余裕度は、設備の負荷を見やすくする値であるので、余裕度データは、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用余裕度データと学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用余裕度データと学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0107】
1以上の学習用センシングデータは、負荷運転期間の学習用センシングデータであってもよい。負荷運転期間は、無負荷運転期間よりも設備に負荷を与える。設備に負荷を与える負荷運転期間に絞った機械学習により、学習済モデルによる異常発生の予測精度を向上させることができる。
【0108】
第1の入力データは、学習用使用開始日情報を含んでもよい。設備の使用開始日は、設備の使用期間に関係する。設備の使用期間は、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用使用開始日情報と学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用使用開始日情報と学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0109】
第1の入力データは、学習用整備履歴情報を含んでもよい。設備の整備履歴は、設備の状態に関係する。設備の状態は、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用整備履歴情報と学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用整備履歴情報と学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0110】
学習用整備履歴情報は、学習用整備日情報を含んでもよい。整備日は、整備後の設備の使用期間に関係する。整備後の設備の使用期間は、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用整備日情報と学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用整備日情報と学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0111】
学習用整備履歴情報は、学習用整備形態情報を含んでもよい。設備の整備形態は、設備の状態に関係する。設備の状態は、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用整備形態情報と学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用整備形態情報と学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0112】
第1の入力データは、学習用損傷履歴情報を含んでもよい。設備の損傷履歴は、設備の状態に関係する。設備の状態は、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用損傷履歴情報と学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用損傷履歴情報と学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0113】
学習用損傷履歴情報は、学習用損傷日情報を含んでもよい。損傷日は、損傷後の設備の使用期間に関係する。損傷後の設備の使用期間は、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用損傷日情報と学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用損傷日情報と学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0114】
学習用損傷履歴情報は、学習用損傷形態情報を含んでもよい。設備の損傷形態は、設備の状態に関係する。設備の状態は、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用損傷形態情報と学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用損傷形態情報と学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0115】
第1の入力データは、学習用劣化履歴情報を含んでもよい。設備の劣化履歴は、設備の状態に関係する。設備の状態は、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用劣化履歴情報と学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用劣化履歴情報と学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0116】
学習用劣化履歴情報は、学習用劣化日情報を含んでもよい。劣化日は、劣化後の設備の使用期間に関係する。劣化後の設備の使用期間は、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用劣化日情報と学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用劣化日情報と学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0117】
学習用劣化履歴情報は、学習用劣化形態情報を含んでもよい。設備の劣化形態は、設備の状態に関係する。設備の状態は、振動データ等の設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に影響を与え得る。異常発生のタイミングは、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なり得る。異常の形態は、設備の挙動に関するセンシングデータの傾向に応じて異なる。そのため、学習用劣化形態情報と学習用異常発生日情報との間には、一定の相関関係があり得る。学習用劣化形態情報と学習用異常形態情報との間には、一定の相関関係があり得る。
【0118】
学習データは、第1の期間に含まれるデータであってもよい。整備に伴う異常が発生する可能性の高い第1の期間に絞った機械学習により、学習済モデルによる第1の期間における整備に伴う異常発生の予測精度を向上させることができる。
【0119】
学習データは、第2の期間に含まれるデータであってもよい。整備に伴う異常が発生する可能性の高い第1の期間を除いた第2の期間に絞った機械学習により、学習済モデルによる第2の期間における長期間の使用に伴う異常発生の予測精度を向上させることができる。
【0120】
記憶制御部113は、学習済モデル生成部112により生成された学習済モデルを学習済モデル記憶領域132に保存する(ステップS13)。
【0121】
図5は、ステップS11における学習データの取得処理のうち、負荷運転期間の学習用センシングデータの取得処理を例示するフローチャートである。
以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0122】
学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれに関連付けられた1以上のセンサから収集された複数の設備のそれぞれに関する1以上の収集センシングデータを取得する(ステップS111)。ステップS111では、例えば、学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれについて、収集データから1以上の収集センシングデータを取得する。
【0123】
学習データ取得部111は、1以上の収集センシングデータのうちの少なくとも1つの収集センシングデータに基づいて複数の設備のそれぞれの負荷運転期間を推定する(ステップS112)。ステップS112では、例えば、学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれについて、取得した1以上の収集センシングデータから少なくとも1つの収集センシングデータを抽出する。学習データ取得部111は、抽出した少なくとも1つの収集センシングデータを負荷運転期間の推定に用いる。学習データ取得部111が抽出する少なくとも1つの収集センシングデータは、少なくとも1つの推定用収集センシングデータともいう。
【0124】
学習データ取得部111は、少なくとも1つの推定用収集センシングデータのそれぞれを任意に設定された閾値と比較することにより無負荷運転期間を推定する。閾値は、負荷運転期間と無負荷運転期間とを分けるための閾値である。例えば、少なくとも1つの推定用収集センシングデータは、収集電流データ、収集振動データ及び収集表面温度データの少なくとも何れか一つのデータを含む。少なくとも1つの推定用収集センシングデータは、収集電流データを含むことが好ましい。負荷運転期間と無負荷運転期間との境界では、電流の変化は、振動及び表面温度の変化よりも急峻であるからである。収集電流データは、負荷運転期間と無負荷運転期間との境界での変化が収集振動データ及び収集表面温度データよりも表れやすい。
【0125】
学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれについて、少なくとも1つの推定用収集センシングデータに基づいて、無負荷運転期間を推定する。少なくとも1つの推定用収集センシングデータが1つの推定用収集センシングデータを含む場合、学習データ取得部111は、1つの推定用収集センシングデータに基づいて無負荷運転期間を推定する。少なくとも1つの推定用収集センシングデータが複数の推定用収集センシングデータを含む場合、学習データ取得部111は、複数の収集センシングデータのそれぞれに基づいて負荷運転期間を推定する。学習データ取得部111は、推定した複数の無負荷運転期間の平均により無負荷運転期間を推定してもよい。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれについて、推定した無負荷運転期間以外の期間を負荷運転期間として推定する。学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれについて、無負荷運転期間の推定に基づいて負荷運転期間を推定することに代えて、直接的に負荷運転期間を推定してもよい。学習データ取得部111は、少なくとも1つの推定用収集センシングデータのそれぞれを、負荷運転状態で測定された値に基づく範囲と比較することにより、負荷運転期間を推定してもよい。負荷運転状態で測定された値に基づく範囲は、負荷運転状態と見做す期間である。電流データを例にして説明する。負荷運転状態の電流値と、無負荷運転状態の電流値を予め測定する。負荷運転状態で測定された電流値に基づく範囲は、負荷運転状態の電流値±3σであってもよい。学習データ取得部111は、収集電流データを負荷運転状態で測定された値に基づく範囲と比較する。学習データ取得部111は、電流値がこの範囲に含まれる期間を負荷運転期間として推定してもよい。
【0126】
学習データ取得部111は、1以上の収集センシングデータ及び推定された負荷運転期間に基づいて、複数の設備のそれぞれに関する負荷運転期間の1以上の学習用センシングデータを取得する(ステップS113)。ステップS113では、例えば、学習データ取得部111は、複数の設備のそれぞれについて、1以上の収集センシングデータに基づいて、推定された負荷運転期間に含まれる1以上の学習用センシングデータを取得する。学習データ取得部111は、収集電流データから、推定された負荷運転期間に含まれる学習用電流データを取得することができる。学習データ取得部111は、収集振動データから、推定された負荷運転期間に含まれる学習用振動データを取得することができる。学習データ取得部111は、収集表面温度データから、推定された負荷運転期間に含まれる学習用表面温度データを取得することができる。学習データ取得部111は、収集環境データから、推定された負荷運転期間に含まれる学習用環境データを取得することができる。
【0127】
負荷運転期間に含まれる学習用振動データの取得例について説明する。
図6は、収集振動データを例示する図である。
縦軸は、振動値である。横軸は、時間である。
学習データ取得部111は、収集電流データに基づいて負荷運転期間を推定したものとする。負荷運転期間は、
図6においてXで示される期間である。学習データ取得部111は、収集振動データ及び推定された負荷運転期間に基づいて、負荷運転期間の学習用振動データを取得する。
【0128】
実施形態によれば、情報処理装置は、1以上の収集センシングデータのうちの少なくとも1つの収集センシングデータに基づいて複数の設備のそれぞれの負荷運転期間を推定し、複数の設備のそれぞれに関する負荷運転期間の1以上の学習用センシングデータを取得する。これにより、情報処理装置は、少なくとも1つの収集センシングデータに基づいて推定した負荷運転期間を、他の収集センシングデータにも適用することができる。そのため、情報処理装置は、負荷運転期間を推定することの難しい表面温度データ等の収集センシングデータについて、負荷運転期間に含まれる学習用センシングデータを取得することができる。情報処理装置は、直接的に負荷運転期間を推定することのできない環境データ等の収集センシングデータについて、負荷運転期間に含まれる学習用センシングデータを取得することができる。
【0129】
図7は、実施形態に係るサーバ1による学習済モデルを用いた情報処理を例示するフローチャートである。
以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0130】
入力データ取得部114は、第2の入力データを取得する(ステップS21)。ステップS21では、例えば、入力データ取得部114は、入力対象学習済モデルの生成に用いられた第1の入力データに対応する第2の入力データを取得する。予測対象設備は、入力対象学習済モデルの生成に用いられた第1の入力データ関する複数の設備と同じ種類の設備である。
【0131】
第2の入力データは、予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む。入力データ取得部114は、予測対象設備に関連付けられた1以上の収集センシングデータに基づいて予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを取得する。1以上の予測用センシングデータは、以下に例示する種々の予測用のデータを含む。
【0132】
1以上の予測用センシングデータは、予測対象設備の振動を計測する1以上の振動センサの計測に基づく1以上の予測用振動データを含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する1以上の収集振動データに基づいて予測対象設備に関する1以上の予測用振動データを取得する。
【0133】
1以上の予測用センシングデータは、予測対象設備の環境を計測する1以上の環境センサの計測に基づく1以上の予測用環境データを含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する1以上の収集環境データに基づいて予測対象設備に関する1以上の予測用環境データを取得する。
【0134】
1以上の予測用環境データは、予測用環境温度データ及び予測用湿度データの少なくとも何れか一方のデータを含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集環境温度データに基づいて予測対象設備に関する予測用環境温度データを取得する。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集湿度データに基づいて予測対象設備に関する予測用湿度データを取得する。
【0135】
1以上の予測用センシングデータは、予測対象設備の表面温度を計測する1以上のサーモグラフィモジュールの計測に基づく1以上の予測用表面温度データを含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する1以上の収集表面温度データに基づいて予測対象設備に関する予測用表面温度データを取得する。
【0136】
1以上の予測用センシングデータは、予測対象設備の電流値を計測する電流センサの計測に基づく予測用電流データを含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集電流データに基づいて予測対象設備に関する予測用電流データを取得する。
【0137】
第2の入力データは、予測対象設備に関する予測用電流データ及び予測対象設備に関する定格電流値に基づく指標の予測用データを含んでもよい。予測用電流データ及び定格電流値に基づく指標は、予測対象設備の余裕度を反映する指標である。予測用電流データ及び定格電流値に基づく指標は、予測用電流データを構成する電流値を定格電流値で割った値である。予測用電流データ及び定格電流値に基づく指標の予測用データは、予測用余裕度データともいう。予測用余裕度データは、時系列のデータである。入力データ取得部114は、上述のように、予測対象設備に関する予測用電流データを取得する。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する定格電流値を取得する。予測対象設備に関する定格電流値は、補助記憶デバイス13に記憶されていてもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集電流データを予測対象設備に関する定格電流値で割ることにより、予測対象設備に関する予測用余裕度データを取得する。
【0138】
1以上の予測用センシングデータは、負荷運転期間の予測用センシングデータであってもよい。入力データ取得部114は、上述の学習データ取得部111による負荷運転期間の学習用センシングデータの取得例と同様に、負荷運転期間の予測用センシングデータを取得してもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関連付けられた1以上のセンサから収集された予測対象設備に関する1以上の収集センシングデータを取得する。入力データ取得部114は、1以上の収集センシングデータのうちの少なくとも1つの収集センシングデータに基づいて予測対象設備のそれぞれの負荷運転期間を推定する。入力データ取得部114は、1以上の収集センシングデータ及び推定された負荷運転期間に基づいて、予測対象設備に関する負荷運転期間の1以上の予測用センシングデータを取得する。
【0139】
第2の入力データは、予測対象設備に関する予測用設備情報を含む。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設備情報に基づいて予測対象設備に関する1以上の予測用設備情報を取得する。予測用設備情報は、以下に例示する種々の予測用の情報を含む。
【0140】
第2の入力データは、予測対象設備に関する予測用使用開始日情報を含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設備情報に含まれる使用開始日情報に基づいて予測対象設に関する予測用使用開始日情報を取得する。
【0141】
第2の入力データは、予測対象設備に関する予測用整備履歴情報を含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設備情報に含まれる整備履歴情報に基づいて予測対象設備に関する予測用整備履歴情報を取得する。
【0142】
予測用整備履歴情報は、予測対象設備に関する予測用整備日情報を含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設備情報に含まれる整備日情報に基づいて予測対象設備に関する予測用整備日情報を取得する。予測用整備履歴情報は、予測対象設備に関する予測用整備形態情報を含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設備情報に含まれる整備形態情報に基づいて予測対象設備に関する予測用整備形態情報を取得する。
【0143】
第2の入力データは、予測対象設備に関する予測用損傷履歴情報を含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設備情報に含まれる損傷履歴情報に基づいて予測対象設備に関する予測用損傷履歴情報を取得する。
【0144】
予測用損傷履歴情報は、予測対象設備に関する予測用損傷日情報を含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設備情報に含まれる損傷日情報に基づいて予測対象設備に関する予測用損傷日情報を取得する。予測用損傷履歴情報は、予測対象設備に関する予測用損傷形態情報を含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設備情報に含まれる損傷形態情報に基づいて予測対象設備に関する予測用損傷形態情報を取得する。
【0145】
第2の入力データは、予測対象設備に関する予測用劣化履歴情報を含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設備情報に含まれる劣化履歴情報に基づいて予測対象設備に関する予測用劣化履歴情報を取得する。
【0146】
予測用劣化履歴情報は、予測対象設備に関する予測用劣化日情報を含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設備情報に含まれる劣化日情報に基づいて予測対象設備に関する予測用劣化日情報を取得する。予測用劣化履歴情報は、予測対象設備に関する予測用劣化形態情報を含んでもよい。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設備情報に含まれる劣化形態情報に基づいて予測対象設備に関する予測用劣化形態情報を取得する。
【0147】
なお、入力対象学習済モデルが期間を区切った学習データに基づいて生成されたモデルである場合、入力データ取得部114は、以下のように第2の入力データを取得してもよい。
【0148】
一例では、入力データ取得部114は、第1の期間に含まれる学習データに基づいて生成された入力対象学習済モデルに入力するために、第1の期間に含まれる第2の入力データを取得する。
第2の入力データに含まれる予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータについて説明する。1以上の予測用センシングデータは、予測対象設備の整備後の第1の期間に含まれるデータである。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設定情報に含まれる整備日情報に基づいて予測対象設備における第1の期間を特定する。入力データ取得部114は、予測対象設備について、1以上の収集センシングデータに基づいて、特定した第1の期間に含まれる1以上の予測用センシングデータを取得する。入力データ取得部114は、予測対象設備の第1の期間に含まれる予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを取得することができる。
【0149】
第2の入力データに含まれる予測対象設備に関する予測用設備情報について説明する。予測用設備情報は、予測対象設備の整備後の第1の期間に含まれる情報である。入力データ取得部114は、予測対象設備に関する収集設定情報に含まれる整備日情報に基づいて予測対象設備における第1の期間を特定する。入力データ取得部114は、予測対象設備について、収集設定情報に基づいて、特定した第1の期間に含まれる1以上の予測用センシングデータを取得する。入力データ取得部114は、予測対象設備の第1の期間に含まれる予測対象設備に関する予測用設備情報を取得することができる。
【0150】
別の例では、入力データ取得部114は、第2の期間に含まれる学習データに基づいて生成された入力対象学習済モデルに入力するために、第2の期間に含まれる第2の入力データを取得する。第2の入力データに含まれる予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータは、予測対象設備の整備後の第1の期間を除く第2の期間に含まれるデータである。第2の入力データに含まれる予測対象設備に関する予測用設備情報は、予測対象設備の第2の期間に含まれる情報である。入力データ取得部114による第2の期間に含まれる第2の入力データを取得する処理は、上述の第1の期間に含まれる第2の入力データを取得する処理と同様である。上述の第1の期間に含まれる第2の入力データを取得する処理の説明において、「整備後の第1の期間」及び「第1の期間」の表記は、「第2の期間」と読み替えられてもよい。
【0151】
入力部115は、入力対象学習済モデルに、入力データ取得部114により取得された第2の入力データを入力する(ステップS22)。入力対象学習済モデルの生成に用いられた学習データは、予測対象設備に関するデータを含んでいてもいいし、含んでいなくてもよい。
【0152】
出力データ取得部116は、入力部115による入力対象学習済モデルへの第2の入力データの入力に基づいて、入力対象学習済モデルから第2の出力データを取得する(ステップS23)。
【0153】
第2の出力データは、予測対象設備に関する異常発生タイミング予測情報を含む。第2の出力データは、1以上の予測結果データを含んでいてもよい。例えば、第2の出力データは、振動の予測結果データを含んでもよい。第2の出力データは、予測対象設備に関する異常発生形態予測情報を含んでもよい。
【0154】
なお、入力対象学習済モデルへ入力される第2の入力データが第1の期間に含まれるデータである場合、第2の出力データは、予測対象設備の整備後の第1の期間における異常発生タイミング予測情報を含む。予測対象設備の整備後の第1の期間に異常が発生しないと予測される場合、第2の出力データは、異常発生タイミング予測情報を含まないこともある。
【0155】
出力部117は、出力データ取得部116により取得された第2の出力データに基づく予測情報を出力する(ステップS24)。例えば、出力部117は、予測情報を表示可能な態様で端末2に出力する。
【0156】
実施形態によれば、情報処理装置は、複数の設備のそれぞれに関する1以上の学習用センシングデータを含む第1の入力データ及び前記複数の設備のそれぞれにおける異常発生に関する第1の出力データを含む学習データに基づく機械学習により、学習済モデルを生成する。情報処理装置は、上述のように生成された学習済モデルへの予測対象設備に関する1以上の予測用センシングデータを含む第2の入力データの入力に基づいて、学習済モデルから予測対象設備における異常発生に関する第2の出力データを取得する。これにより、情報処理装置は、複数の設備のデータを用いることで、種々の傾向のデータを学習データとして用いて学習済モデルを生成することができる。そのため、情報処理装置は、予測対象設備の異常発生の予測精度を向上させることができる。
【0157】
実施形態によれば、情報処理装置は、同じ種類の複数の設備のデータを含む学習データに基づく機械学習により、学習済モデルを生成する。情報処理装置は、上述のように生成された学習済モデルへの第2の入力データの入力に基づいて、第2の出力データを取得する。これにより、情報処理装置は、設備の種類に応じた学習済モデルを生成することができる。そのため、情報処理装置は、予測対象設備の異常発生の予測精度を向上させることができる。
【0158】
上述の例では、集計モジュール34-1~集計モジュール34-cは、エージェントモジュール35を介して、センシングデータをサーバ1に送信する例を説明したが、これに限定されない。集計モジュール34-1~集計モジュール34-cは、通信SIM(Subscriber Identity Module)を有することで、エージェントモジュール35を介することなく、ネットワークNWを介してサーバ1に送信することができる。これにより、サーバ1は、ネットワークNWを介して直接的に集計モジュール34-1~集計モジュール34-cを再起動させたり、プログラムの更新を行ったりすることができる。
【0159】
本実施形態では、設備の異常発生の予測精度を向上、つまり、整備(メンテナンス)時期の予測管理の精度を向上させるために、センシングデータは、上記例示したものに限定されない。
図8は、実施形態に係るセンシング技術の他の例を示す図である。
図8のA-Dを付したセンサによるセンシングデータを学習データに用いてもよい。好ましい例は、A-Cを付したセンサによるセンシングデータである。さらに好ましい例は、A-Bを付したセンサによるセンシングデータである。A-Bを付したセンサによるセンシングデータは軸受の劣化に深い関連性を有するので、データの時系列の変化は、故障の予兆として表れやすい。A-Dを付したセンサによるセンシングデータを上述の振動データ等のセンシングデータに組み合わせた多次元的な学習データとすることで、設備の異常発生の予測精度をさらに向上させることができる。
【0160】
本実施形態は、クラウド上のサーバに適用することで真価を発揮する。サーバと各機器がオンラインで接続可能であれば、遠隔地等といった設備の物理的な設置場所には影響されない。また、設備の種類は問わないので、生産品の種類にも業種にも影響されない。つまり、本実施形態は、世界中の多種多様な生産ラインをクラウドで接続することで、単一の生産ラインでは難しい短期間かつ多様なデータ蓄積を可能にする。多種多様な生産ラインのデータを用いて学習することで、設備の異常発生の予測精度の向上を可能にする。言い換えれば、本実施形態は、世界中の生産ラインの維持管理情報を参考にして、自らの生産ラインの維持管理コストを最小限にすることを可能にする技術である。
【0161】
情報処理装置は、サーバ1を例に説明したように1つの電子機器で実現されてもよいし、機能を分散させた複数の電子機器で実現されてもよい。
【0162】
プログラムは、電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記録媒体に記録された状態で譲渡されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形の媒体である。記録媒体は、コンピュータ可読媒体である。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0163】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0164】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0165】
1…サーバ、2…端末、3-1~3-a…工場、31-1~31-b…設備、32-1~32-b…センサ群、33…アクセスポイント、34-1~34-c…集計モジュール、35…エージェントモジュール、36…端末、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…通信インタフェース、111…学習データ取得部、112…学習済モデル生成部、113…記憶制御部、114…入力データ取得部、115…入力部、116…出力データ取得部、117…出力部、131…収集データ記憶領域、132…学習済モデル記憶領域。