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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181898
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/52 20060101AFI20221201BHJP
   B65D 5/02 20060101ALI20221201BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20221201BHJP
   B65D 5/43 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
B65D5/52 H
B65D5/02 J
B65D5/66 301G
B65D5/43
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089111
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000102544
【氏名又は名称】エステー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】高野 孟
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA04
3E060BA08
3E060BB03
3E060BC04
3E060CB02
3E060CB16
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE14
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CE25
3E060CF05
3E060DA15
3E060DA22
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】店舗内のスペースの大きさやレイアウトなどの事情に応じて、販売者が、店頭の棚に載置して並べ陳列する販売形態と、店頭に吊り下げて陳列する販売形態とを選択でき、何れの販売形態でも見栄え良く陳列できる包装容器を提供すること。
【解決手段】上部が開口部12とされた容器本体14と、容器本体14に接続され開口部12を閉塞する上面部16とを備えた包装容器10Aである。上面部16は、第1上面部16Aと、第1上面部16Aの上に重ねられた第2上面部16Bとの2枚で形成されている。第2上面部16Bに、第2上面部16Bに対して起立可能で吊り下げ用孔4002が形成された吊り下げ用起立片40が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口部とされた容器本体と、前記容器本体に接続され前記開口部を閉塞する上面部とを備えた包装容器であって、
前記上面部は、前記上面部に対して起立可能で吊り下げ用孔が形成された吊り下げ用起立片を備える、
ことを特徴とする包装容器。
【請求項2】
前記上面部は、第1上面部と、前記第1上面部の上に重ねられた第2上面部との2枚で形成され、
前記吊り下げ用起立片は前記第2上面部に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の包装容器。
【請求項3】
前記第2上面部は、切り取り可能な第2上面部用切り取り線を介して前記容器本体の上縁に折り曲げ可能に接続され、
前記第2上面部用切り取り線と反対に位置する第2上面部の先部に、前記容器本体の被係止部または前記第1上面部の被係止部に係止して前記第2上面部で前記開口部を閉塞した状態を保持する係止片が設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載の包装容器。
【請求項4】
前記第1上面部は、容器本体の上縁に設けられ係止片用切れ目を有する第1上面部用折り線から山折されて前記開口部を閉塞し、
前記第2上面部用切り取り線は、前記第1上面部用折り線と対向する前記容器本体の上縁に設けられ、
前記被係止部は前記係止片用切れ目を含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項3記載の包装容器。
【請求項5】
前記吊り下げ用起立片は前記第2上面部に対して、前記吊り下げ用起立片を前記第2上面部から起立させる起立用折り線と、前記起立用折り線以外の前記吊り下げ用起立片の箇所を前記第2上面部から切り離し可能な起立片用切り取り線とで区画されている、
ことを特徴とする請求項2~4の何れか1項記載の包装容器。
【請求項6】
前記第2上面部は、前記第2上面部用切り取り線と直交する方向の奥行と、この奥行に直交する幅とを有し、
前記吊り下げ用起立片は、前記第2上面部の幅方向の中央に設けられている、
ことを特徴とする請求項3または4記載の包装容器、または請求項3または4を引用する請求項5記載の包装容器。
【請求項7】
前記吊り下げ用起立片は、前記起立用折り線と反対に位置する先端縁を有し、
前記先端縁は、前記第2上面部用切り取り線の延在方向の中央部に位置し、
前記第2上面部用切り取り線は、前記先端縁の両側に位置している、
ことを特徴とする請求項4を引用する請求項5記載の包装容器または請求項4を引用する請求項5に従属する請求項6記載の包装容器。
【請求項8】
前記先端縁の両側の前記第2上面部用切り取り線の間の前記容器本体の上端部に、前記容器本体の上端縁を開放する上面部開放用欠部が設けられている、
ことを特徴とする請求項7記載の包装容器。
【請求項9】
前記第1上面部用折り線と反対に位置する前記第1上面部の先部に、差し込み片用折り線を介して差し込み片が設けられ、
前記第1上面部で前記開口部を閉塞した状態で、前記差し込み片は前記容器本体の上端の内側に折り込まれ、前記上面部開放用欠部を閉塞している、
ことを特徴とする請求項8記載の包装容器。
【請求項10】
前記包装容器は上下に細長状を呈し、
前記容器本体は、前記容器本体が被載置面に載置された状態で前記包装容器を起立状態に保持する底面部を有する、
ことを特徴とする請求項1~9の何れか1項記載の包装容器。
【請求項11】
前記容器本体は、正面部と背面部とが対向する中空状を呈し、
前記第1上面部は、前記正面部と前記背面部の一方に接続され、
前記第2上面部は、前記正面部と前記背面部の他方に接続されている、
ことを特徴とする請求項2~9の何れか1項記載の包装容器または請求項2を引用する請求項10記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店頭の棚に載置して並べ陳列する販売形態と、店頭に吊り下げて陳列する販売形態とを選択でき、何れの販売形態でも見栄え良く陳列できる包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の商品が収容された包装容器の店頭での陳列形態は、店頭の棚などに載置して並べ陳列する形態(特許文献1)と、店頭に吊り下げて陳列する形態(特許文献2)との何れかである。
店頭に吊り下げて陳列する形態の包装容器は、上面部から吊り下げ用片が起立している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-141276号公報
【特許文献2】実開平6-16228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
店頭に吊り下げて陳列する形態の包装容器を店頭の棚などに載置して並べることもできるが、上面部から吊り下げ用片が起立しているので、店頭に吊り下げて陳列する形態の包装容器を店頭の棚などに載置して並べたのでは見栄えが悪い。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、店舗内のスペースの大きさやレイアウトなどの事情に応じて、販売者が、店頭の棚などに載置して並べ陳列する販売形態と、店頭に吊り下げて陳列する販売形態とを選択でき、何れの販売形態でも見栄え良く陳列できる包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明は、上部が開口部とされた容器本体と、前記容器本体に接続され前記開口部を閉塞する上面部とを備えた包装容器であって、前記上面部は、前記上面部に対して起立可能で吊り下げ用孔が形成された吊り下げ用起立片を備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記上面部は、第1上面部と、前記第1上面部の上に重ねられた第2上面部との2枚で形成され、前記吊り下げ用起立片は前記第2上面部に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第2上面部は、切り取り可能な第2上面部用切り取り線を介して前記容器本体の上縁に折り曲げ可能に接続され、前記第2上面部用切り取り線と反対に位置する第2上面部の先部に、前記容器本体の被係止部または前記第1上面部の被係止部に係止して前記第2上面部で前記開口部を閉塞した状態を保持する係止片が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1上面部は、容器本体の上縁に設けられ係止片用切れ目を有する第1上面部用折り線から山折されて前記開口部を閉塞し、前記第2上面部用切り取り線は、前記第1上面部用折り線と対向する前記容器本体の上縁に設けられ、前記被係止部は前記係止片用切れ目を含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記吊り下げ用起立片は前記第2上面部に対して、前記吊り下げ用起立片を前記第2上面部から起立させる起立用折り線と、前記起立用折り線以外の前記吊り下げ用起立片の箇所を前記第2上面部から切り離し可能な起立片用切り取り線とで区画されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第2上面部は、前記第2上面部用切り取り線と直交する方向の奥行と、この奥行に直交する幅とを有し、前記吊り下げ用起立片は、前記第2上面部の幅方向の中央に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記吊り下げ用起立片は、前記起立用折り線と反対に位置する先端縁を有し、前記先端縁は、前記第2上面部用切り取り線の延在方向の中央部に位置し、前記第2上面部用切り取り線は、前記先端縁の両側に位置していることを特徴とする。
また、本発明は、前記先端縁の両側の前記第2上面部用切り取り線の間の前記容器本体の上端部に、前記容器本体の上端縁を開放する上面部開放用欠部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1上面部用折り線と反対に位置する前記第1上面部の先部に、差し込み片用折り線を介して差し込み片が設けられ、前記第1上面部で前記開口部を閉塞した状態で、前記差し込み片は前記容器本体の上端の内側に折り込まれ、前記上面部開放用欠部を閉塞していることを特徴とする。
また、本発明は、前記包装容器は上下に細長状を呈し、前記容器本体は、前記容器本体が被載置面に載置された状態で前記包装容器を起立状態に保持する底面部を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記容器本体は、正面部と背面部とが対向する中空状を呈し、前記第1上面部は、前記正面部と前記背面部の一方に接続され、前記第2上面部は、前記正面部と前記背面部の他方に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、店頭の棚などの被載置面に載置して並べ陳列する場合、吊り下げ用起立片が起立していない包装容器を被載置面に載置して陳列することができ、また、店頭に吊り下げて陳列する場合、吊り下げ用起立片を起立させ、吊り下げ用孔にフックなどを通して吊り下げた状態で陳列できる。
したがって、店舗内の高さや広さ、レイアウトなどの事情に応じて、販売者が、店頭の棚に載置して並べ陳列する販売形態と、店頭に吊り下げて陳列する販売形態とを選択でき、何れの販売形態でも見栄え良く陳列でき、店舗内で扱う商品の売り上げを増大する上で有利となる。
また、上面部を、第1上面部と、第1上面部の上に重ねられる第2上面部との2枚で形成し、吊り下げ用起立片を第2上面部に設けると、吊り下げ用起立片が起立した状態で第2上面部に設けられる吊り下げ用起立片に対応した輪郭の開口部を第1上面部で閉塞でき、包装容器10Aの外観性を高め、商品の販売量の増大を図る上で有利となる。
また、第2上面部を、切り取り可能な第2上面部用切り取り線を介して容器本体の上縁に折り曲げ可能に接続し、第2上面部用切り取り線と反対に位置する第2上面部の先部に容器本体の被係止部または上面部の被係止部に係止して第2上面部で開口部を閉塞した状態を保持する係止片を設けると、重量の重い商品を収納して吊り下げた場合でも上面部の不意の開放を抑制する上で有利となる。また、第2上面部用切り取り線を見ることで不正開封されたか否かを瞬時に判断でき、不正開封防止を図る上で有利となる。
また、係止片が係止する被係止部は、第1上面部用折り線に設けた係止片用切れ目により簡単に構成できる。
また、吊り下げ用起立片は、起立用折り線と、起立片用切り取り線とで簡単に構成できる。
また、吊り下げ用起立片を、第2上面部の幅方向の中央に設けると、包装容器を安定した状態で吊り下げる上で有利となる。
また、吊り下げ用起立片の先端縁を、第2上面部の縁をなす第2上面部用切り取り線と同一直線上に位置させると、先端縁を指でつまんで吊り下げ用起立片を持ち上げることで起立させ易く、吊り下げ用起立片の起立を効率良く行なう上で有利となる。
また、上面部開放用欠部を設けると、上面部開放用欠部から上面部の下に指を入れ易くなり、上面部を持ち上げる操作を簡単に行なう上で有利となり、容器本体の開口部を開放する操作を簡単に行なう上で有利となる。
また、第1上面部の先部に、上面部開放用欠部を閉塞する差し込み片を設けると、包装容器を棚に載置して陳列する場合や吊り下げて陳列する場合に、包装容器の外観性を高め、商品の販売量の増大を図る上で有利となる。
包装容器が上下に細長状を呈している場合、底面部を設けると、包装容器を被載置面上で安定した状態で起立する上で有利となる。
また、容器本体が互いに対向する正面部と背面部とを有する場合、第1上面部を、正面部と背面部の一方に設け、第2上面部を、正面部と背面部の他方に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(A)は第1の実施の形態の包装容器を正面から見た斜視図、(B)は背面から見た斜視図である。
図2】(A)は第1の実施の形態の包装容器の吊り下げ用起立片を起立させた状態を正面から見た斜視図、(B)は背面から見た斜視図である。
図3】(A)は第1の実施の形態の包装容器の吊り下げ用起立片を起立させた状態の正面図、(B)は同背面図である。
図4】(A)は第1の実施の形態の包装容器の吊り下げ用起立片を起立させた状態の平面図、(B)は第1の実施の形態の包装容器の底面図である。
図5】第1の実施の形態の包装容器の上面部を開いた状態の容器本体の斜視図である。
図6】第1の実施の形態の包装容器の開口部を第1上面部で閉塞した状態の容器本体の斜視図である。
図7】(A)は第1の実施の形態の包装容器の第1上面部と第2上面部を開いて開口部を開放した状態を正面から見た斜視図、(B)は背面から見た斜視図である。
図8】第1の実施の形態の包装容器を構成する厚紙の展開図である。
図9】(A)は厚紙の第1上面部部分の拡大図、(B)は第2上面部部分の拡大図である。
図10】第1の実施の形態の変形例の包装容器を構成する厚紙の展開図である。
図11】(A)は第2の実施の形態の包装容器を正面から見た斜視図、(B)は背面から見た斜視図である。
図12】(A)は第2の実施の形態の包装容器の吊り下げ用起立片を起立させた状態を正面から見た斜視図、(B)は背面から見た斜視図である。
図13】(A)は第2の実施の形態の包装容器の第2上面部を開いて開口部を開放した状態を正面から見た斜視図、(B)は背面から見た斜視図である。
図14】第2の実施の形態の包装容器を構成する厚紙の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
まず、図1図10を参照して本発明の第1の実施の形態から説明する。
図5に示すように、本実施の形態の包装容器10Aは、上部が開口部12とされた容器本体14と、容器本体14の開口部12を閉塞する上面部16とを備えている。
本実施の形態では、包装容器10Aに収容される商品は芳香剤である。
芳香剤は、ガラス製のボトル状のケースに充填され、購入者は、ケースのキャップを取り外し、付属品を介してケース上にカバーを被せて使用する。
なお、包装容器10Aに収容される商品は、殺虫剤、防かび剤、殺菌剤、防虫剤、除湿剤、消臭剤、忌避剤などの薬剤であってもよく、あるいは化粧品や食品などであってもよく、商品は芳香剤に限定されない。
【0009】
包装容器10Aは、図8に示す一枚の厚紙18から形成されている。
ここで、本発明において厚紙18とは、商品が収容された包装容器10Aをつり下げた場合であっても商品の重量により包装容器10Aの形状を保持し得る厚さや強さを有したもので、材料として、紙や合成樹脂、あるいは、合成紙(合成樹脂を主成分とした紙)など従来公知の様々な材料が使用可能である。
一枚の厚紙18には、第1上面部16Aと、第2上面部16Bと、第3上面部16Cと、第4上面部16Dと、正面部20Aと、背面部20Bと、左側面部20Cと、右側面部20Dと、内貼片20Eと、第1底面部22Aと、第2底面部22Bと、第3底面部22Cと、第4底面部22Dなどが設けられている。
正面部20Aと、背面部20Bと、左側面部20Cと、右側面部20Dとは、上下に細長の矩形で形成されている。
【0010】
正面部20Aと左側面部20Cは第1折り線2401で山折りされ、正面部20Aと右側面部20Dは第2折り線2402で山折りされ、左側面部20Cと背面部20Bとは第3折り線2403で山折りされ、背面部20Bから第4折り線2404で山折りされた内貼片20Eが右側面部20Dの内面に糊付けされ、図5に示すように、断面が矩形で上下に縦長の胴体部20が形成されている。
正面部20Aの幅と背面部20Bの幅は等しい寸法で形成され、左側面部20Cの幅は右側面部20Dの幅よりも若干小さい寸法で形成されている。
なお、本発明において折り線とは、厚紙18がその箇所で折れ曲がり易いように形成された箇所であり、切り取り線とは、厚紙18がその箇所で切り取り可能に形成された箇所であり、折り線や切り取り線には従来公知の様々な構造が採用可能である。
【0011】
図8に示すように、第1底面部22Aは、第5折り線2405を介して正面部20Aに接続され、第2底面部22Bは、第6折り線2406を介して背面部20Bに接続され、第3底面部22Cは、第7折り線2407を介して左側面部20Cに接続され、第4底面部22Dは、第8折り線2408を介して右側面部20Dに接続されている。
第1底面部22Aには、折り線2409を介して第1外貼片2202が連接され、第2底面部22Bには、折り線2410を介して第2外貼片2204が連接されている。
図4(B)に示すように、第1底面部22Aは第5折り線2405で正面部20Aから胴体部20の内側に山折りされ、第8折り線2408で右側面部20Dから胴体部20の内側に山折された第4底面部22Dの下面に第1外貼片2202が糊付けされている。
【0012】
第2底面部22Bは第6折り線2406で背面部20Bから胴体部20の内側に山折りされ、第2外貼片2204と反対に位置する第2底面部22Bの箇所は、第2底面部22Bの上面および第1底面部22Aの上面に載置されている。
第3底面部22Cは、第7折れ線2407から胴体部20の内側に山折りされ、第3底面部22Cの正面部20A側の箇所は、第1外貼片2202と反対に位置する第1底面部22Aの箇所の下面に配置され、第3底面部22Cの背面部20B側の箇所は、第2外貼片2204の上面に配置され第2外貼片2204に糊付けされている。
このような第1~第4底面部22Dにより矩形の底面部22が形成され、胴体部20と底面部22とにより上部が開口部12とされた容器本体14が構成されている。
容器本体14は、底面部22を平坦な被載置面に載置することで起立可能となり、かつ、起立状態が保持される。
【0013】
上面部16は、容器本体14の開口部12を閉塞する箇所であり、図5図8に示すように、上面部16は、第1上面部16A、第2上面部16B、第3上面部16C、第4上面部16Dで構成されている。
なお、包装容器10Aに収容される商品によっては第1上面部16Aと第3上面部16Cと第4上面部16Dは省略可能であるが、第1上面部16Aと、第3上面部16Cと第4上面部16Dとを設けると、容器本体14の開口部12を隙間なく閉塞する上で有利となる。
図8に示すように、第3上面部16Cは、左側面部20Cの上縁に第3上面部用折り線3002を介して接続されている。
図9(B)に示すように、第3上面部16Cの両側縁のうち第2上面部16B側に位置する側縁には、第3折り線2403の延長上に位置する左係止片1602が設けられている。
左係止片1602は切れ目1604により第2上面部16Bと切り離されている。
図8に示すように、第4上面部16Dは、右側面部20Dの上縁に第4上面部用折り線3004を介して接続されている。
第4上面部16Dの両側縁のうちの第1上面部16Aと離れた側縁には、第4上面部16Dの側縁の延長上に位置する右係止片1606が設けられている。
【0014】
容器本体14の開口部12を閉塞する上面部16は、実質的に、開口部12上に山折りされた第3上面部16Cと第4上面部16Dの上に重ねられる第1上面部16Aと、第1上面部16Aの上に重ねられる第2上面部16Bとの2枚で形成されている。
図8に示すように、第1上面部16Aは、正面部20Aの上縁に第1上面部用折り線3006を介して接続され、矩形状を呈している。
図9(A)に示すように、第1上面部用折り線3006の延在方向の中央には、係止片用切れ目32が形成されている。
係止片用切れ目32は、第1上面部用折り線3006と同一直線状に位置する一対の端部切れ目3202と、それら端部切れ目3202に接続され第1上面部用折り線3006よりも第1上面部16Aの内側に変位した箇所で第1上面部用折り線3006に平行する中央切れ目3204とで構成されている。
なお、中央切れ目3204の正面部20A側の箇所は、第1上面部16Aを第1上面部用折り線3006から胴体部20の内側に山折りした際、突起部3210を構成するが、この突起部3210は、図6に示すように、後述する第2上面部用係止片42を係止片用切れ目32に挿入する際の第2上面部用係止片42のガイド片として機能する。
図8に示すように、第1上面部用折り線3006と反対に位置する第1上面部16Aの先部には、差し込み片用折り線3008を介して差し込み片34が接続されている。
第1上面部16Aと差し込み片34は正面部20Aの幅よりも若干小さい寸法の同一幅を有している。
図9(A)に示すように、差し込み片用折り線3008の延在方向の両端の箇所に、差し込み片用折り線3008よりも差し込み片34の先端に変位した箇所で差し込み片用折り線3008と平行して延在する一対の差し込み片用切れ目3402が形成されている。
この一対の差し込み片用切れ目3402は、差し込み片用折り線3008の延在方向の両端に接続されている。
【0015】
図8に示すように、第2上面部16Bは背面部20Bの上縁に接続され、矩形状を呈している。
第2上面部16Bの幅は、開口部12を覆うように背面部20Bの幅よりも若干大きい寸法で形成されている。
第2上面部16Bは一対の第2上面部用切り取り線38を介して背面部20Bに山折り可能にかつ背面部20Bから切り取り可能に接続されている。
背面部20Bの上端部の幅方向の中央には、正面部20Aの上縁に開放された上面部開放用欠部36が設けられている。
したがって、第2上面部は、上面部開放用欠部36の両側の背面部20Bの上縁に接続され、一対の第2上面部用切り取り線38は、この上面部開放用欠部36の両側の背面部20Bの上縁に、第2上面部16Bを背面部20Bから切り取り可能に設けられている。
【0016】
図9(B)に示すように、第2上面部16Bには、第2上面部16Bに対して起立可能で吊り下げ用孔4002が形成された吊り下げ用起立片40が設けられている。
第2上面部16Bは、第2上面部用切り取り線38と直交する方向の奥行と、この奥行に直交する幅とを有し、吊り下げ用起立片40は、第2上面部16Bの幅方向の中央に設けられている。
中央に吊り下げ用孔4002は吊り下げ用起立片40の中央に設けられている。
吊り下げ用起立片40は、起立用折り線4004と、一対の起立片用切り取り線4006を介して上面部16に対して縁取られている。
吊り下げ用起立片40は、本実施の形態では台形を呈している。
吊り下げ用起立片40は、台形の底辺に対応する底辺と、台形の上辺に対応する先端縁4010と、台形の斜辺に対応する斜辺を有している。
起立用折り線4004は台形の底辺上を延在し、起立片用切り取り線4006は台形の斜辺上を延在している。
吊り下げ用起立片40の先端縁4010は、第2上面部用切り取り線38と同一直線上を延在し、上面部開放用欠部36の上部に位置している。
吊り下げ用起立片40の先端縁4010の延在方向の中央には、先端縁4010から僅かに突出し先端縁4010を摘まみ易くするための突起4012が設けられている。
【0017】
第2上面部用切り取り線38と反対に位置する第2上面部16Bの先端の縁の中央には係止片用折り線4202とその両側の係止片区画用切れ目4204とにより第2上面部用係止片42が設けられている。
係止片用折り線4202は、第2上面部16Bの先端の縁よりも僅かに第2上面部16Bの内側に変位した箇所に設けられている。
第2上面部用係止片42は、係止片用折り線4202とほぼ同じ幅の基部42Aと、係止片本体42Bとを有している。
基部42Aは、図9(A)に示す第1上面部16Aの第1上面部用折り線3006よりも第1上面部16Aの内側に変位した中央切れ目3204に挿入される箇所である。
係止片本体42Bは、先端から基端に向かうにつれて次第に幅広に形成されており、幅広となった中央に基部42Aが接続されている。
係止片用折り線4202の両側の係止片区画用切れ目4204は、第2上面部16Bの先端の縁上を延在し幅広となった係止片本体42Bの両側を第2上面部16Bの先端の縁から切り離す第1切れ目4204Aと、この第1切れ目4204Aの先端から基部42Aの側縁に沿って延在し基部42Aを第2上面部16Bから切り離す第2切れ目4204Bとにより形成されている。
【0018】
第1切れ目4204Aにより第2上面部16Bから切り離された幅広となった係止片本体42Bの両側は、それぞれ係止部44として機能し、第2上面部用係止片42は基部42Aの両側に一対の係止部44を備えている。
すなわち、基部42Aが、図9(A)、(B)に示すように、第1上面部16Aの第1上面部用折り線3006よりも第1上面部16Aの内側に変位した中央切れ目3204に挿入されることから、第2上面部用係止片42の一対の係止部44が、中央切れ目3204の両側の第2上面部16Bの内面に係止し、第2上面部16Bで開口部12を閉塞した状態が保持される。
したがって、本実施の形態では、図6図9(A)に示すように、中央切れ目3204の両側の第1上面部16Aの内面が、図9(B)に示す第2上面部用係止片42の係止部44が係止する被係止部46を構成している。
【0019】
次に、本実施の形態の包装容器10Aの使用方法と共に作用、効果について説明する。
まず、工場から出荷する際の取り扱いと作用、効果について説明する。
作業者は、上述のように胴体部20と底面部22とにより上部が開口部12とされた図5に示す容器本体14を構成し、開口部12から商品を底面部22に載置して胴体部20の内部に収容する。
次いで作業者は、第3上面部16Cと第4上面部16Dとをそれぞれ開口部12上に山折りし、図6に示すように、第1上面部16Aを第1上面部用折り線3006から開口部12上に山折りし、山折りされた第3上面部16Cと第4上面部16Dの上に重ねる。
また、差し込み片34を差し込み片用折り線3008から山折りし、背面部20Bの上部の内面と、背面部20B側に位置する第3上面部16Cの側縁および正面部20A側に位置する第4上面部16Dの側縁との間に挿入する。
この差し込み片34の挿入により、差し込み片34の基端の両側の一対の差し込み片用切れ目3402(図9(A)参照)に第3上面部16Cの右係止片1606(図8参照)と第4上面部16Dの左係止片1602(図8参照)とが浸入して係止し、図6に示すように、内部に容器が収容され、第1上面部16Aで開口部12を閉塞した状態が保持される。
【0020】
次いで作業者は、第2上面部16Bを一対の第2上面部用切り取り線38で山折りして第1上面部16Aの上に重ねる。
また、第2上面部用係止片42を係止片用折り線4202から山折りし、第2上面部用係止片42を係止片用切れ目32に挿入する。
これにより、第2上面部用係止片42の基部42A(図9(B)参照)が、第1上面部16Aの第1上面部用折り線3006よりも第1上面部16Aの内側に変位した中央切れ目3204(図9(A)参照)に位置し、一対の係止部44(図9(B)参照)が、被係止部46(図9(A)参照)を構成する中央切れ目3204の両側の第2上面部16Bの内面に係止し、図1(A)、(B)に示すように、第2上面部16Bで開口部12を閉塞した状態が保持される。
このような作業により商品が収容された包装容器10Aが形成され、出荷されることになる。
商品が収容された包装容器10Aは直方体状を呈しており、吊り下げて陳列できるにも拘らず、何ら突出した箇所を有していないので、取り扱いが簡単になされ、また、多数の包装容器10Aを梱包箱内に並べ重ねて収容でき、包装容器10Aの出荷を効率良く行なう上で有利となる。
【0021】
次に、小売店での取り扱いと作用、効果について説明する。
販売者は、包装容器10Aを棚などの被載置面に載置して陳列することができる。
この場合、吊り下げ用起立片40を有しているものの、吊り下げ用起立片40は包装容器10Aから突出しておらず、第2上面部16Bと同一面上に位置しているので、包装容器10Aを被載置面に載置して見栄え良く陳列する上で有利となる。
また、店頭に吊り下げて陳列する場合、販売者は、吊り下げ用起立片40の先端縁4010を摘まんで吊り下げ用起立片40を持ち上げると、起立片用切り取り線4006が破断して吊り下げ用起立片40の斜辺が第2上面部16Bから離れ、図2図3で示すように、吊り下げ用起立片40が起立用折り線4004から起立する。
吊り下げ用起立片40には吊り下げ用孔4002が形成されていることから、販売者は吊り下げ用孔4002にフックを通し、包装容器10Aをつり下げて陳列することができる。
この場合、吊り下げ用起立片40が第2上面部16Bから起立したあたかも吊り下げ専用の包装容器10Aが吊り下げられた状態で陳列されるため、吊り下げた状態で包装容器10Aを見栄え良く陳列する上で有利となる。
吊り下げ用孔4002にフックを通し包装容器10Aをつり下げて陳列した状態において、商品および包装容器10Aの重量は、吊り下げ用起立片40から第2上面部16Bに掛かるが、第2上面部16Bの奥行方向の一方の端部は、一対の第2上面部用切り取り線38を介して正面部20Aに接続され、第2上面部16Bの奥行方向の一方の端部は、一対の係止部44が第1上面部16Aの被係止部46に係止している。
したがって、第2上面部16Bは、起立用折り線4004が設けられた箇所が最も高位となるように上方に凸状に湾曲し、包装容器10Aは安定した状態で吊り下げられることになる。
また、吊り下げ用起立片40は、第2上面部16Bの幅方向の中央に設けられているので、包装容器10Aは安定した状態で吊り下げられることになる。
【0022】
なお、図10に示すように、吊り下げ用起立片40を第2上面部16Bの輪郭の内側に形成し、吊り下げ用起立片40の先端縁4010を摘まみやすくするための欠部48を第2上面部16Bに設けるようにしてもよい。
しかしながら、本実施の形態のように、吊り下げ用起立片40の先端縁4010を第2上面部16Bの縁をなす第2上面部用切り取り線38と同一直線上に位置させると、先端縁4010を指でつまんで吊り下げ用起立片40を持ち上げ、起立片用切り取り線4006を破断して吊り下げ用起立片40を起立用折り線4004から起立させ易く、吊り下げ用起立片40の起立を効率良く行なう上で有利となる。
また、第1上面部16Aと第3上面部16Cと第4上面部16Dは省略してもよいが、包装容器10Aが吊り下げられた状態で第2上面部16Bは、起立用折り線4004が設けられた箇所が最も高位となるように上方に凸状に湾曲するので、本実施の形態のように第1上面部16Aと第3上面部16Cと第4上面部16Dを設けると、吊り下げられた状態における包装容器10Aの開口部12を閉塞し、吊り下げられた状態における包装容器10Aの外観性を高め、商品の販売量の増大を図る上で有利となる。
【0023】
また、図2(B)に示すように、吊り下げ用起立片40を起立させた状態では、起立用折り線4004と一対の起立片用切り取り線4006で囲まれた第2上面部16Bの箇所は開口部1610となり、第1上面部16Aを設けない場合には、開口部1610から包装容器10Aの内側が視認可能とる。
本実施の形態では、第1上面部16Aを設けているので、この開口部1610を第1上面部16Aで閉塞でき、包装容器10Aの外観性を高め、商品の販売量の増大を図る上で有利となる。
また、図2(B)に示すように、第1上面部16Aの先部に差し込み片34を設けると、上面部開放用欠部36が差し込み片34により閉塞されるため、包装容器10Aを棚などに載置して陳列する場合や吊り下げて陳列する場合に、包装容器10Aの外観性を高め、商品の販売量の増大を図る上で有利となる。
【0024】
また、本実施の形態では、吊り下げ用起立片40の先端縁4010の延在方向の中央に突起4012を設けたので、図1(B)で示すように、先端縁4010を指で摘まみやすくなり、吊り下げ用起立片40の起立を効率良く行なう上で有利となる。
また、本実施の形態では、図1(B)で示すように、吊り下げ用起立片40の先端縁4010の下方に、背面部20Bが切り欠かれた上面部開放用欠部36が位置し、吊り下げ用起立片40の先端縁4010の下方の正面部20Aの箇所は、差し込み片34を底面とする凹部となっているので、先端縁4010を指で摘まみやすくなり、吊り下げ用起立片40の起立を効率良く行なう上で有利となる。
本実施の形態によれば、店舗内の高さや広さ、レイアウトなどの事情に応じて、販売者が、店頭の棚に載置して並べ陳列する販売形態と、店頭に吊り下げて陳列する販売形態とを選択でき、何れの販売形態でも見栄え良く陳列でき、店舗内で扱う商品の売り上げを増大する上で有利となる。
また、包装容器10Aを開封するには、第1上面部16Aおよび第2上面部16Bを持ち上げて上面部16を開放しなければならず、上面部16を開放すると、一対の第2上面部用切り取り線38が破断することから、一対の第2上面部用切り取り線38を見ることで不正開封されたか否かを瞬時に判断でき、不正開封防止を図る上で有利となる。
【0025】
次に、商品の購入者が包装容器10Aから商品を取り出す場合の操作と作用、効果について説明する。
購入者が商品を取り出す場合には、図7(A)、(B)に示すように、背面部20Bの上縁に開放された上面部開放用欠部36に指を入れ、差し込み片34を押し込んで第1上面部16Aおよび第2上面部16Bの下に指を位置させ、第1上面部16Aおよび第2上面部16Bを持ち上げる。
なお、上面部開放用欠部36は省略してもよいが、本実施の形態のように上面部開放用欠部36を設けると、上面部開放用欠部36から第1上面部16Aの下に指を入れ易くなり、第1上面部16Aおよび第2上面部16Bを持ち上げる操作を簡単に行なう上で有利となり、容器本体10Aの開口部12を開放する操作を簡単に行なう上で有利となる。
また、上面部開放用欠部36を省略し、上面部開放用欠部36の輪郭に沿った切り取り線を設け、上面部開放用欠部36の輪郭に沿った厚紙18の部分を折り線を介して吊り下げ用起立片40の先端縁4010に接続し、開口部12の開放時に、この厚紙18の部分を指で押し込んで背面部20Bから切り取り、この厚紙18を第2上面部16Bと共に上方に持ち上げるようにしてもよい。しかしながら、本実施の形態のように上面部開放用欠部36を設けると、購入者がどこから開口部12を開放するかがより判断し易くなり、容器本体10Aの開口部12を開放する操作を簡単に行なう上で有利となる。
この上面部開放用欠部36からの持ち上げにより、一対の第2上面部用切り取り線38が破断し、第1上面部16Aは、第1上面部16Aの第1上面部用折り線3006を支点として、また、第2上面部16Bは、第2上面部16Bの被係止部46に係止する第2上面部用係止片42の係止部44を支点として開口部12を開く方向に揺動する。
次いで購入者は、第3上面部16Cと第4上面部16Dとを開き、包装容器10Aから商品を取り出す。
したがって、購入者による包装容器10Aからの商品の取り出しも簡単になされる。
【0026】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図11図14を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付してその説明を簡略化、省略化し、第1の実施の形態と異なった箇所を重点的に説明する。
図14に示すように、第2の実施の形態の包装容器10Bは、第1の実施の形態から、第1上面部16Aと、第3上面部16Cと、第4上面部16Dを省略したものであり、また、第2上面部用係止片42の構造が第1の実施の形態と異なっており、その他の箇所は第1の実施の形態と同様である。
第2の実施の形態の第2上面部用係止片42は、第2上面部用切り取り線38と反対に位置する第2上面部16Bの先端中央の縁に第2上面部用係止片折り線4220で接続され第2上面部用係止片折り線4220から突出するアーム部4210と、このアーム部4210の先端に設けられ係止部44を有する係止片本体4212とを備える。
この第2上面部用係止片42に対応し、正面部20Aの上部中央に係止片用切れ目32が設けられている。
【0027】
そして、図11(A)、(B)に示すように、第1の実施の形態と同様に、胴体部20と底面部22とにより上部が開口部12とされた容器本体14を構成し、開口部12から商品を底面部22に載置して胴体部20の内部に収容したならば、第2上面部16Bを一対の第2上面部用切り取り線38で山折りして開口部12を閉塞し、第2上面部用係止片42を第2上面部用係止片折り線4220で山折りし、係止片本体4212を係止片用切れ目32に挿入する。
これにより、係止片本体4212の両側の係止部44が、係止片用切れ目32の両端の被係止部46に係止し、係止部44が被係止部46に係止することで、図11(A)、(B)に示すように、第2上面部16Bで開口部12を閉塞した状態が保持された包装容器10Bが得られる。
【0028】
吊り下げ用起立片40を起立させる場合には、第1の実施の形態と同様に、図12(A)、(B)に示すように、吊り下げ用起立片40の先端縁4010を摘まんで吊り下げ用起立片40を起立用折り線4004から起立させる。
購入者が商品を取り出す場合には、上面部開放用欠部36に指を入れ、第2上面部16Bを持ち上げると、一対の第2上面部用切り取り線38が破断し、図13(A)、(B)に示すように、第2上面部16Bは、正面部20Aの被係止部46に係止する係止部44を支点としてアーム部4210と共に開口部12を開く方向に揺動するので、購入者は包装容器10Aから商品を取り出すことができる。
このような第2の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様に、店頭の棚などに載置して並べ陳列する販売形態と、店頭に吊り下げて陳列する販売形態とを選択でき、何れの販売形態でも見栄え良く陳列でき、店舗内で扱う商品の売り上げを増大する上で有利となり、また、一対の第2上面部用切り取り線38を見ることで不正開封されたか否かを瞬時に判断でき、不正開封防止を図る上で有利となるなどの効果が奏される。
なお、正面部20Aの被係止部46に係止する係止部44と、アーム部4210とを備える第2上面部用係止片42の構造は、第1の実施の形態にも適用可能である。
【0029】
なお、本発明では、第1上面部16Aが接続された容器本体14の箇所を正面部20Aとし、第2上面部16Bが接続された容器本体14の箇所を背面部20Bとした場合について説明した、第1上面部16Aが接続された容器本体14の箇所を背面部20Bとし、第2上面部16Bが接続された容器本体14の箇所を正面部20Aとし、あるいは、右側面部20Dや左側面部20Cを正面部20A、背面部20Bとして用いるなど任意である。
また、包装容器10Aの断面形状は矩形に限定されず、矩形以外の多角形や円筒形などであってもよく、包装容器10Aの断面形状に対応して上面部16の形状も変化する。
【符号の説明】
【0030】
10A、10B 包装容器
12 開口部
14 容器本体
16 上面部
16A 第1上面部
16B 第2上面部
16C 第3上面部
16D 第4上面部
1602 左係止片
1604 切れ目
1606 右係止片
1610 開口部
18 厚紙
20 胴体部
20A 正面部
20B 背面部
20C 左側面部
20D 右側面部
20E 内貼片
22 底面部
22A 第1底面部
22B 第2底面部
22C 第3底面部
22D 第4底面部
2202 第1外貼片
2204 第2外貼片
2401~2408 第1~第8折り線
2409,2410 折り線
3002 第3上面部用折り線
3004 第4上面部用折り線
3006 第1上面部用折り線
3008 差し込み片用折り線
32 係止片用切れ目
3202 端部切れ目
3204 中央切れ目
3210 突起部
34 差し込み片
3402 差し込み片用切れ目
36 上面部開放用欠部
38 第2上面部用切り取り線
40 吊り下げ用起立片
4002 吊り下げ孔
4004 起立用折り線
4006 起立片用切り取り線
4010 先端縁
4012 突起
42 第2上面部用係止片
42A 基部
42B 係止片本体
4202 係止片用折り線
4204 係止片区画用切れ目
4204A 第1切れ目
4204B 第2切れ目
4210 アーム部
4220 第2上面部用係止片用折り線
44 係止部
46 被係止部
48 欠部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14