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特開2022-181901ドアクローザのカバー及びドアクローザ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181901
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】ドアクローザのカバー及びドアクローザ
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/70 20150101AFI20221201BHJP
   E06B 5/16 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
E05F15/70
E06B5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089120
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006943
【氏名又は名称】リョービ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117204
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 徳哉
(72)【発明者】
【氏名】安倍 俊太郎
(72)【発明者】
【氏名】池田 大樹
【テーマコード(参考)】
2E052
2E239
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052CA06
2E052DA07
2E052DB07
2E052EA03
2E052EB01
2E052EC01
2E052KA17
2E239CA01
2E239CA12
2E239CA26
2E239CA41
2E239CA66
(57)【要約】
【課題】防火性と美観の両立を図る。
【解決手段】ドアクローザの駆動装置を覆うカバー12であって、下面部を含み、少なくとも一部が樹脂製であって、火災時に駆動装置から落ちる落下部と、火災時に駆動装置に残る金属製の残留部と、を有し、残留部は、上面部のうち少なくとも扉面側の大部分を占めており、落下部は、全体が樹脂製であって、正面部及び左右の側面部を更に含み、落下部は、残留部側に向けて突出するネジボスを有し、ネジボスにネジ17が螺入されることにより残留部に落下部がネジ止めされている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアクローザの駆動装置を覆うカバーであって、
下面部を含み、少なくとも一部が樹脂製であって、火災時に駆動装置から落ちる落下部と、
火災時に駆動装置に残る金属製の残留部と、を有する、ドアクローザのカバー。
【請求項2】
残留部は、上面部のうち少なくとも扉面側の大部分を占めており、落下部は、全体が樹脂製であって、正面部及び左右の側面部を更に含む、請求項1記載のドアクローザのカバー。
【請求項3】
落下部は、残留部側に向けて突出するネジボスを有し、ネジボスにネジが螺入されることにより残留部に落下部がネジ止めされている、請求項2記載のドアクローザのカバー。
【請求項4】
扉を駆動する駆動装置と、駆動装置を覆うカバーとを備えた、ドアクローザであって、
カバーは、下面部を含み、少なくとも一部が樹脂製であって、火災時に駆動装置から落ちる落下部と、火災時に駆動装置に残る金属製の残留部と、を有する、ドアクローザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアクローザのカバーと、ドアクローザに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、下記特許文献1のように、駆動装置を覆うカバーを備えたドアクローザについて提案している。
【0003】
カバーが樹脂製であれば、良好な美観を得ることができる。しかしながら、火災時にはカバーが燃える可能性がある。一方、カバーが金属製であれば、燃焼しないものの、良好な美観を得ることが難しく、また、コストも上昇しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-183534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、防火性と美観の両立を図ることができるドアクローザのカバー及びドアクローザを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るドアクローザのカバーは、ドアクローザの駆動装置を覆うカバーであって、下面部を含み、少なくとも一部が樹脂製であって、火災時に駆動装置から落ちる落下部と、火災時に駆動装置に残る金属製の残留部と、を有する。
【0007】
この構成によれば、カバーは、火災時に駆動装置から落ちる落下部と駆動装置に残る残留部とを有している。落下部は、カバーの下面部を含んでいる。そのため、火災時に落下部が落下することにより、落下部の樹脂製の部分が早期に発火することがない。また、火災時に落下部が落下することにより、カバーの下面部が開放される。カバーの下面部が開放されることにより、火災時に駆動装置のうちの一部が溶融したとしてもそれがカバーの下面部の内側に残って発火するということがない。また、残留部は金属製であり、火災時に残留部が発火することはない。
【0008】
特に、残留部は、上面部のうち少なくとも扉面側の大部分を占めており、落下部は、全体が樹脂製であって、正面部及び左右の側面部を更に含むことが好ましい。この構成によれば、カバーの下面部、正面部及び左右の側面部というカバーの主要部を樹脂により容易に製造することができる。カバーの主要部は、下側から見たときに見えやすい部分である。そのカバーの主要部が樹脂製であるため、良好な美感が得られやすい。また、カバーを容易に軽量化できる。一方、残留部は、カバーの上面部のうちの扉面側の大部分を占めているので、火災時に樹脂製の落下部が駆動装置の上面に残留することを防止することができる。
【0009】
更に、落下部は、残留部側に向けて突出するネジボスを有し、ネジボスにネジが螺入されることにより残留部に落下部がネジ止めされていることが好ましい。この構成によれば、樹脂製のネジボスが残留部側に突出しているので、ネジボスの温度が上昇しやすい。そのため、火災時にネジボスが早く溶融して落下部が残留部から分離して落下する。
【0010】
また、本発明に係るドアクローザは、扉を駆動する駆動装置と、駆動装置を覆うカバーとを備えた、ドアクローザであって、カバーは、下面部を含み、少なくとも一部が樹脂製であって、火災時に駆動装置から落ちる落下部と、火災時に駆動装置に残る金属製の残留部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、カバーが樹脂と金属のハイブリッド構造であるため、防火性と美観の両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態におけるドアクローザを右開きの扉に取り付けた状態を示す概略図。
図2】同ドアクローザを左開きの扉に取り付けた状態を示す概略図。
図3】同ドアクローザの右開き仕様を示す斜視図。
図4】同ドアクローザの本体を示す斜視図。
図5】同本体からカバーを取り外した状態を示す斜視図。
図6】同本体の図5のA-A線に対応した箇所の断面図。
図7】同本体のカバーを示す斜視図。
図8】同カバーの本体カバーを示す斜視図。
図9】同本体カバーのメイン本体カバーを示す斜視図。
図10】同本体カバーのサブ本体カバーを示す平面図。
図11】同カバーの左サイドカバーを示す斜視図。
図12】同カバーの右サイドカバーを示す斜視図。
図13】同本体の火災時の想定図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態にかかるドアクローザとそのカバーについて図1図13を参酌しつつ説明する。本実施形態におけるドアクローザは、電動ドアクローザであって、電動で扉を開閉させる。図1に右開き(右勝手)の扉1を示し、図2に左開き(左勝手)の扉1を示している。扉1は、扉枠2に図示しないヒンジを介して回動可能に取り付けられていて、上下方向の軸線まわりに回動する。
【0014】
<全体構成>
本実施形態におけるドアクローザは、左右両勝手に対応しているが、主に右開き仕様について説明する。図3に、右開き仕様のドアクローザの全体構成を示している。ドアクローザは、本体3と、リンク機構とを備えている。本体3は、扉1に取り付けられる。本体3は、扉1の前面の上部であって、ヒンジ寄りの位置に取り付けられる。リンク機構は本体3と扉枠2とを連結する。リンク機構は、アーム4とリンク5とブラケット6とを備えている。
【0015】
本体3は、上下方向の軸線まわりに回転する駆動軸20を備えており、駆動軸20の上端部にアーム4の一端部が連結される。アーム4は、駆動軸20を中心として、駆動軸20と一体となって回転する。アーム4の他端部はリンク5の一端部に回動可能に連結されており、リンク5の他端部はブラケット6に回動可能に連結されている。ブラケット6は扉枠2(上枠)に取り付けられる。
【0016】
図4図6に右開き仕様の本体3を示している。本体3は、左右方向に長い直方体形状である。左右方向は扉1の回転軸に対して半径方向である。本体3は、本体3を扉1に取り付けるための取付板10と、取付板10に取り付けられる本体ユニット11と、本体ユニット11を正面側(前側)から覆うカバー12を備えている。
【0017】
<取付板10>
取付板10は、カバー12と共に本体3の外郭(ケーシング)を構成している。本体3の外郭は、六つの壁面から構成されているが、取付板10は、外郭の六つの壁面のうち背面側(後側)の壁面を構成している。取付板10は、本体ユニット11の背面を覆う。取付板10は、左右方向に長い長方形状である。取付板10には、扉1にネジ止めするための図示しないネジ挿通孔が形成されており、左開きの扉1と右開きの扉1の双方に取り付け可能である。取付板10には、本体ユニット11を取り付けるための図示しないネジ孔が形成されている。本体ユニット11は、合計四つのネジ13によって取付板10に、本体ユニット11側から取り付けられている。
【0018】
<本体ユニット11>
本体ユニット11は、左右方向に長い直方体形状である。本体ユニット11は、駆動軸20を駆動することにより扉1を開閉させる駆動ユニット14(駆動装置)と、駆動ユニット14を制御する制御ユニット15(制御装置)を備えている。駆動ユニット14と制御ユニット15は、取付板10の正面(前面)に取り付けられている。駆動ユニット14と制御ユニット15は、互いに左右方向に並んで配置されている。右開き仕様では、駆動ユニット14が向かって右側即ち(ヒンジ側、扉尻側)に位置し、制御ユニット15は向かって左側(反ヒンジ側、扉先側)に位置する。
【0019】
<駆動ユニット14>
駆動ユニット14は、本体ユニット11の大部分を占めている。駆動ユニット14は、左右方向に長い長方形状である。駆動ユニット14は、駆動軸20と、駆動軸20を駆動するための図示しないモータを備えている。駆動軸20は、駆動ユニット14の右寄りに設けられる。モータは、駆動軸20と制御ユニット15との間に位置する。モータは、例えばブラシレスDCモータである。駆動ユニット14の正面及び背面には、それぞれカバー取り付け孔21が設けられている。カバー取り付け孔21の個数や配置は任意であるが、本実施形態では、正面及び背面にそれぞれ左右方向に離れて一対ずつ設けられている。正面側のカバー取り付け孔21と背面側のカバー取り付け孔21は互いに対称に配置されている。カバー12は、本体ユニット11の正面と背面の何れにも取り付け可能である。
【0020】
<制御ユニット15>
制御ユニット15は、モータを駆動制御する。制御ユニット15は、駆動ユニット14の左側に位置している。即ち、制御ユニット15は、駆動軸20とは反対側に位置している。制御ユニット15の左右方向の長さは、駆動ユニット14のそれよりも短い。制御ユニット15は、略立方体である。制御ユニット15は、駆動ユニット14に取り付けられている。但し、制御ユニット15が駆動ユニット14ではなく取付板10に取り付けられてもよい。
【0021】
<カバー12>
図7にカバー12の全体構成を示している。カバー12は、取付板10の前面に取り付けられた本体ユニット11を、その正面側(前面側)から覆う。カバー12は、正面部、上面部、下面部、及び、左右の側面部を有していて、背面部は開放されている。カバー12は、本体3の外郭のうち背面側の壁面以外の残る五つの壁面を構成する。カバー12は、本体ユニット11の正面、上面、下面、左右両側面を覆う。カバー12は、本体カバー30と左サイドカバー31と右サイドカバー32を備えている。
【0022】
<本体カバー30>
図8に本体カバー30を示している。本体カバー30は、カバー12の正面部と上面部と下面部を構成する。本体カバー30の左右方向の第1端部と第2端部は何れも開口している。即ち、本体カバー30の左右両端部は何れも開口している。本実施形態において、本体カバー30の左端部が第1端部であり、右端部が第2端部である。本体カバー30は、本体ユニット11の正面と上面と下面の合計三面を覆う。
【0023】
本体カバー30は、メイン本体カバー33とサブ本体カバー34を備えている。メイン本体カバー33とサブ本体カバー34は互いに着脱可能である。メイン本体カバー33は樹脂製であって火災時に溶融する。メイン本体カバー33は、樹脂成形品である。サブ本体カバー34は、金属製であって火災時に溶融しない。メイン本体カバー33は、本体ユニット11の正面と下面を覆い、更に、メイン本体カバー33は、本体ユニット11の上面のうち、正面側の一部のみを僅かに左右方向に長い帯状に覆う。メイン本体カバー33は、カバー12の正面部と下面部を構成すると共に、カバー12の上面部のうち正面側の細幅の帯状部を構成する。サブ本体カバー34は、本体ユニット11の上面のうち背面側(扉面側)の大部分を覆う。サブ本体カバー34は、カバー12の上面部のうち背面側の大部分を占める主要部を構成する。
【0024】
<メイン本体カバー33>
図9にメイン本体カバー33を示している。メイン本体カバー33は、本体ユニット11の正面と対向する本体正面片40と、本体正面片40の下端から背面側に向けて延びて本体ユニット11の下面と対向する本体下面片41と、本体正面片40の上端から背面側に向けて突出する細幅の本体帯状片42とを有している。本体帯状片42の背面側の端部には、サブ本体カバー34を狭持するための狭持部が設けられている。狭持部は、サブ本体カバー34の正面側の端部を上下に狭持する。サブ本体カバー34は、狭持部に背面側から正面側に向けて差し込まれて、狭持部との間の摩擦抵抗によって保持される。
【0025】
詳細には、狭持部は、サブ本体カバー34を上側から支持する上支持部43と、サブ本体カバー34を下側から支持する下支持部44とを有する。図6のように、上支持部43と下支持部44によりサブ本体カバー34を上下に狭持する。上支持部43の大きさは、下支持部44の大きさよりも小さいことが好ましく、火災時にメイン本体カバー33がサブ本体カバー34から容易に外れる。上支持部43と下支持部44の構成、即ち、形状や配置は任意であるが、例えば、上支持部43は、左右方向に間隔をあけて複数、具体的には三個設けられており、より詳細には、上支持部43は、本体帯状片42の背面側の端部から背面側に突出する半円状である。下支持部44は、本体帯状片42の左右方向の全長のうち、上支持部43が設けられていない領域に設けられる。即ち、上支持部43と下支持部44は、左右方向に交互に設けられる。下支持部44は、本体帯状片42の背面側の端部から背面側に鍔状に突出し、左右方向に長い帯状である。
【0026】
図6のように、メイン本体カバー33の本体正面片40の内面には、嵌合ピン45が取り付けられている。尚、嵌合ピン45はメイン本体カバー33と別部材ではなく一体に形成されていてもよい。嵌合ピン45は、樹脂製であって、本体正面片40の内面に接着固定されている。嵌合ピン45は、本体ユニット11のカバー取り付け孔21に嵌合可能である。嵌合ピン45の配置は、カバー取り付け孔21に対応していて、左右方向に離れて一対設けられている。
【0027】
メイン本体カバー33の左右両端部にはそれぞれ左サイドカバー31と右サイドカバー32を係止するための係止突起46が設けられている。係止突起46は、メイン本体カバー33の内面に設けられている。係止突起46は、本体下面片41と本体正面片40にそれぞれ設けられている。尚、本体正面片40の係止突起46の図示は省略している。係止突起46の個数は任意であるが、本実施形態では、本体正面片40の左右両端部にそれぞれ一箇所ずつ、本体下面片41の左右両端部にはそれぞれ二箇所ずつ設けられている。
【0028】
<サブ本体カバー34>
サブ本体カバー34の単体の状態を図10に示している。サブ本体カバー34は、一枚の薄い金属板からなり、平板状である。サブ本体カバー34は、表裏の区別のない、両面使用可能な構成である。図10は、右開き仕様のサブ本体カバー34の平面図を示している。サブ本体カバー34は、左右方向に長い長方形状である。サブ本体カバー34の左右両端部には、それぞれネジ用貫通孔47が形成されている。ネジ用貫通孔47を介して左サイドカバー31と右サイドカバー32がサブ本体カバー34にネジ止めされる。
【0029】
サブ本体カバー34は、左右方向の一端側に、背面側に切り欠かれて開口する相対的に大きな第1切欠部48及び相対的に小さな第2切欠部49を有している。第1切欠部48から本体ユニット11の駆動軸20が上側に露出し、第2切欠部49から本体ユニット11におけるコード接続用のコネクタ16(図5参照)が上側に露出できる。尚、コード接続用のコネクタ16には、図示しないコードの端部が着脱自在に接続される。コードはカールコードが好ましい。コードを介して本体ユニット11には電力が供給され、また、電力と共に外部からの信号も送られてもよい。図10においては、第1切欠部48と第2切欠部49が右側に位置しているが、図10の状態からサブ本体カバー34を表裏反転させると、サブ本体カバー34は左開き仕様となり、第1切欠部48及び第2切欠部49は左側に位置する。
【0030】
<左サイドカバー31と右サイドカバー32>
図11に左サイドカバー31を単体の状態で示しており、図12に右サイドカバー32を単体の状態で示している。左サイドカバー31と右サイドカバー32は、互いに左右対称である。左サイドカバー31と右サイドカバー32は、何れも樹脂製であって、樹脂成形品であり、火災時に溶融する。
【0031】
左サイドカバー31は、本体カバー30の左端部に着脱自在に取り付けられて、本体カバー30の左端開口部を閉じる。右サイドカバー32は、本体カバー30の右端部に着脱自在に取り付けられて、本体カバー30の右端開口部を閉じる。左サイドカバー31は、カバー12の左側面部を構成し、右サイドカバー32は、カバー12の右側面部を構成する。左サイドカバー31は、本体ユニット11の左側面を覆い、右サイドカバー32は、本体ユニット11の右側面を覆う。
【0032】
左サイドカバー31の内面には、係止凹部50(係止部)を有する係止片51が内側即ち右側に向けて突設されている。係止片51は、左サイドカバー31の下部に二箇所と前部に一箇所の合計三箇所に設けられている。尚、係止凹部50は、貫通孔であってもよい。
【0033】
また、左サイドカバー31の内面の上部には、ネジボス52が前後一対設けられている。ネジボス52は、内側即ち右側に向けて突出している。換言すれば、左サイドカバー31のメイン本体カバー33への取り付け状態において、ネジボス52はメイン本体カバー33側に突出している。ネジボス52には、上下方向に沿ってネジ止め孔53が形成されている。ネジ止め孔53には予め雌ネジが形成されていてもよいし、ネジ17が螺入されることにより雌ネジ部が形成されるものであってもよい。即ち、ネジ17はタッピングネジでもよい。ネジ止め孔53はサブ本体カバー34のネジ用貫通孔47に対応しており、図7のように、上側からネジ17がネジ用貫通孔47を挿通してネジ止め孔53に螺入されることにより、左サイドカバー31がサブ本体カバー34に、即ち、本体カバー30にネジ止めされる。
【0034】
右サイドカバー32は、左サイドカバー31と同様であって、三つの係止片51の係止凹部50にメイン本体カバー33の三つの係止突起46がそれぞれ係止する。そして、上側からネジ17がネジ用貫通孔47を挿通してネジ止め孔53に螺入されることにより、右サイドカバー32がサブ本体カバー34に、即ち、本体カバー30にネジ止めされる。尚、左サイドカバー31及び右サイドカバー32を本体カバー30にネジ止めするためのネジ17は、樹脂製であってもよいが金属製であることが好ましい。
【0035】
<カバー12の組み立て>
次に、カバー12の組立手順について説明する。但し、以下の手順は一例であって、種々変更してよい。まず、メイン本体カバー33の狭持部にサブ本体カバー34を狭持させる。これにより、メイン本体カバー33とサブ本体カバー34が合体されて、本体カバー30が完成する。
【0036】
本体カバー30に右サイドカバー32を取り付ける。本体カバー30の右端部の内側に右サイドカバー32の係止片51とネジボス52を差し込み、メイン本体カバー33の係止突起46に右サイドカバー32の係止片51の係止凹部50を係止させる。そして、サブ本体カバー34のネジ用貫通孔47を介して、上側からネジ17を右サイドカバー32のネジボス52に螺入して、本体カバー30に右サイドカバー32をネジ止めする。本体カバー30に右サイドカバー32が取り付けられることにより、本体カバー30の右端部の開口が閉じられる。
【0037】
同様に、本体カバー30の左端部に左サイドカバー31を取り付ける。本体カバー30の左端部の内側に左サイドカバー31の係止片51とネジボス52を差し込み、メイン本体カバー33の係止突起46に左サイドカバー31の係止片51の係止凹部50を係止させる。そして、サブ本体カバー34のネジ用貫通孔47を介して、上側からネジ17を左サイドカバー31のネジボス52に螺入して、本体カバー30に左サイドカバー31をネジ止めする。本体カバー30に左サイドカバー31が取り付けられることにより、本体カバー30の左端部の開口が閉じられる。
【0038】
<カバー12の取り付け>
取付板10に取り付けられた本体ユニット11にカバー12を正面側から取り付ける。本体カバー30の嵌合ピン45を本体ユニット11のカバー取り付け孔21に嵌入することにより、カバー12を本体ユニット11に装着することができる。
【0039】
<左開き仕様への変更>
本体ユニット11は、図5の状態から上下方向の軸線まわりに180度回転させることによって前後反転させて、取付板10に取り付ければよく、左開き仕様に簡単に変更できる。
【0040】
本体カバー30は、サブ本体カバー34を上下反転させるだけで左開き仕様に変更可能である。サブ本体カバー34を前後方向の軸線回りに180度回転させることによって上下反転(表裏反転)させればよく、簡単に左開き仕様のカバー12に変更できる。
【0041】
上述のように、カバー12は、樹脂製の部分と、金属製の部分とを有している。樹脂製の部分は火災時に溶融する溶融部であり、金属製の部分は、火災時に溶融しない非溶融部である。本実施形態において、カバー12のうち、サブ本体カバー34が金属製であって非溶融部であり、それ以外の部分、即ち、メイン本体カバー33と右サイドカバー32と左サイドカバー31が樹脂製であって溶融部である。
【0042】
そして、扉1に本体3が取り付けられた状態において万一火災が発生した場合には、カバー12のうちメイン本体カバー33と右サイドカバー32と左サイドカバー31は、火災時の熱によって溶融し、本体ユニット11から外れて、床に落下する。一方、サブ本体カバー34は、溶融せずにそのまま本体ユニット11の上に残る。図13に火災時の想定図を示している。本実施形態において、メイン本体カバー33と右サイドカバー32と左サイドカバー31が、火災時に本体ユニット11から落下する落下部であり、サブ本体カバー34が火災時に本体ユニット11に残る残留部である。尚、右サイドカバー32と左サイドカバー31のネジ止め用のネジ17が金属製の場合には、そのネジもサブ本体カバー34と共に残留する残留部となる。
【0043】
樹脂製であるメイン本体カバー33と右サイドカバー32と左サイドカバー31は、火災時の熱によって溶融するが、本体ユニット11には残留せずに床に落下するので、それ以上高温にはなりにくい。また、メイン本体カバー33が落下することによってカバー12の下面部が開放される。そのため、本体ユニット11における樹脂製の部品が溶融したとしても、床に落ちる。一方、サブ本体カバー34は本体ユニット11の上面に残留するが、金属製であって溶融しない。このように、カバー12のうち溶融部は火災時に本体ユニット11に残留せずに落下し、本体ユニット11にはカバー12のうちの非溶融部のみが残留するので、防火性が確保される。
【0044】
右サイドカバー32と左サイドカバー31も落下するので、カバー12の下面部のみならず左右両側面部も開放されて、本体ユニット11に溶融部が残存することをより一層防止することができる。
【0045】
サブ本体カバー34は、カバー12の上面部のうち背面側(扉面側)の大部分を占めていて、カバー12の上面部のうちで溶融部は正面側の細い本体帯状片42のみであるため、本体ユニット11の上面に溶融部が残存することを容易に防止できる。
【0046】
右サイドカバー32と左サイドカバー31は、サブ本体カバー34に向けて突出するネジボス52によってサブ本体カバー34にネジ止めされている。そのため、ネジボス52が金属製のサブ本体カバー34によって比較的早く温度上昇することになる。従って、火災時にサブ本体カバー34から右サイドカバー32と左サイドカバー31が容易に分離でき、落下できる。
【0047】
メイン本体カバー33とサブ本体カバー34との間の連結は、狭持部によるものであるため、火災時にはサブ本体カバー34からメイン本体カバー33が前側に容易に分離して落下できる。特に、上支持部43が下支持部44よりも小さいので、上支持部43の方が下支持部44よりも先に溶融する。そのため、火災時にメイン本体カバー33が前側に向けて容易に分離落下できる。上支持部43が左右方向に間隔をあけて複数設けられているので、上支持部43が容易に溶融できる。また、上支持部43が本体帯状片42の左右方向の全長のうち一箇所あるいは数カ所において島状あるいはスポット状に設けられているため、上支持部43が容易に溶融できる。尚、狭持部に代えて、あるいは、狭持部と共に、メイン本体カバー33の本体帯状片42に背面側に向けてネジボス52を突設してメイン本体カバー33をサブ本体カバー34にネジ止めしてもよい。
【0048】
一方、メイン本体カバー33と右サイドカバー32と左サイドカバー31は、カバー12のうちで目立つ部分であるが、その目立つ部分を樹脂製とすることにより、良好な美感を容易に確保できる。更に、メイン本体カバー33に細い幅の本体帯状片42を設けているので、金属製のサブ本体カバー34が本体帯状片42によって見えにくくなり、美感をより一層向上させることができる。また、サブ本体カバー34が本体帯状片42に対して一段下がっているので、サブ本体カバー34が見えにくい。
【0049】
尚、本実施形態では、左サイドカバー31と右サイドカバー32がメイン本体カバー33に対して別部材であったが、左サイドカバー31あるいは右サイドカバー32がメイン本体カバー33と一つの部材として一体に形成されたものであってもよいし、左サイドカバー31と右サイドカバー32とメイン本体カバー33が一つの部材として一体に形成されたものであってもよい。
【0050】
また、落下部の全体が溶融部、即ち、樹脂製であったが、例えば、落下部のうち、落下部と残存部との間の連結部のみが樹脂製であって、落下部のその他の部分は金属製であってもよい。カバー12の側面部が落下せずに残留してもよい。ドアクローザは電動でなくてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 扉
2 扉枠
3 本体
4 アーム
5 リンク
6 ブラケット
10 取付板
11 本体ユニット
12 カバー
13 ネジ
14 駆動ユニット(駆動装置)
15 制御ユニット
16 コネクタ
17 ネジ
20 駆動軸
21 カバー取り付け孔
30 本体カバー
31 左サイドカバー(落下部)
32 右サイドカバー(落下部)
33 メイン本体カバー(落下部)
34 サブ本体カバー(残留部)
40 本体正面片
41 本体下面片
42 本体帯状片
43 上支持部
44 下支持部
45 嵌合ピン
46 係止突起
47 ネジ用貫通孔
48 第1切欠部
49 第2切欠部
50 係止凹部
51 係止片
52 ネジボス
53 ネジ止め孔
図1
図2
図3
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図5
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