(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181903
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】気泡発生装置、及び、気泡発生方法
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20221201BHJP
A47K 3/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
F24H1/00 602K
A47K3/00 G
A47K3/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089122
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沢田 勇一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 圭二
【テーマコード(参考)】
3L024
【Fターム(参考)】
3L024CC13
3L024DD17
3L024DD22
3L024DD27
3L024EE13
(57)【要約】
【課題】浴槽湯水の白濁性を安定して維持しやすい気泡発生装置を提供する。
【解決手段】気泡発生装置3の制御装置39は、タンク30から湯水を排出しつつ、タンク30に気体を導入する給気運転と、タンク30に供給湯水を導入しつつ、その供給湯水に気体を溶解させて気体溶解水を生成して、その気体溶解水を浴槽2に供給する給水運転とを実行する。また、制御装置39は、基準運転を実行した際におけるタンク30の内部の水位の変化の速度に基づいて基準時間を認識し、その基準時間に基づいて、給水運転の実行時間を設定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁と、前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁と、前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送るポンプと、前記気体導入弁及び前記湯水導入弁の開閉、並びに、前記ポンプの駆動及び停止を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記タンクから湯水を排出しつつ、前記タンクに前記気体を導入する給気運転と、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、該供給湯水に前記気体を溶解させて気体溶解水を生成して、該気体溶解水を浴槽に供給する給水運転とを、前記気体導入弁、前記湯水導入弁及び前記ポンプの少なくとも1つを制御して実行する気泡発生装置において、
所定のタイミングで実行される前記給気運転又は前記給水運転である基準運転を実行した際における前記タンクの内部の水位の変化に基づいて、基準時間を認識する基準時間認識部と、
前記基準時間に基づいて、該基準時間を認識した後における前記給気運転及び前記給水運転の少なくとも一方の開始から終了までの時間である実行時間を設定する実行時間設定部とを備えていることを特徴とする気泡発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の気泡発生装置において、
前記タンクの内部の水位を検知する水位センサを備え、
前記基準時間認識部は、前記水位センサの検知結果に基づいて前記水位の変化を認識し、該認識された水位の変化に基づいて前記基準時間を認識することを特徴とする気泡発生装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の気泡発生装置において、
前記タンクの内部の水位を検知する水位センサと、
前記水位センサにエラーが生じているか否かを判定するエラー判定部とを備え、
前記エラー判定部は、前記基準運転以後における、前記水位センサが所定の低水位を検知した時刻から所定の高水位を検知した時刻までの時間、又は、所定の高水位を検知した時刻から所定の低水位を検知した時刻までの時間である検知時間を認識するとともに、該検知時間と前記基準時間との比較結果に基づいて、前記基準運転以後に、前記水位センサにエラーが生じているか否かを判定することを特徴とする気泡発生装置。
【請求項4】
タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁と、前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁と、前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送るポンプと、前記気体導入弁及び前記湯水導入弁の開閉、並びに、前記ポンプの駆動及び停止を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記タンクから湯水を排出しつつ、前記タンクに前記気体を導入する給気運転と、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、該供給湯水に前記気体を溶解させて気体溶解水を生成して、該気体溶解水を浴槽に供給する給水運転とを、前記気体導入弁、前記湯水導入弁及び前記ポンプの少なくとも1つを制御して実行する気泡発生装置を用いて実行される気泡発生方法において、
基準時間認識部が、所定のタイミングで実行される前記給気運転又は前記給水運転である基準運転を実行した際における前記タンクの内部の水位の変化に基づいて、基準時間を認識する工程と、
実行時間設定部が、前記基準時間に基づいて、該基準時間を認識した後における前記給気運転及び前記給水運転の少なくとも一方の開始から終了までの時間である実行時間を設定する工程とを含んでいることを特徴とする気泡発生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体溶解水を浴槽に供給して、浴槽に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させて白濁化させる気泡発生装置、及び、気泡発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、風呂給湯装置等に組み込まれる気泡発生装置としては、気体溶解水を浴槽に導出することによって、浴槽に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させて白濁化させるものがある。
【0003】
この種の気泡発生装置では、タンクに残存している残存湯水を排出しつつ、タンクに気体を導入する給気運転と、タンクの内部に供給湯水を導入しつつ、その供給湯水に給気運転で導入された気体を溶解させて気体溶解水を生成して、その気体溶解水を浴槽に導出する給水運転とを、交互に繰り返して行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載の気泡発生装置では、給気運転の実行中に、タンクの内部の水位が徐々に低下し、給水運転の実行中に、タンクの内部の水位が徐々に上昇する。そこで、その気泡発生装置は、給気運転及び給水運転の開始及び終了(すなわち、実行時間)を、タンクの内部の水位を検知する水位センサの検知結果に基づいて、制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の気泡発生装置を循環する湯水の粘度は、入浴剤等によって、通常の湯水の粘度よりも高くなってしまう場合がある。また、その湯水は、浴槽を介して循環するものであるので、不純物が含まれてしまう場合もある。そのような場合、粘度の高い湯水、不純物等がセンサに付着してしまうおそれがある。ひいては、タンクの内部の水位を、正確に検知できなくなるおそれがある。
【0007】
そして、そのようにして水位が正確に検知できないと、水位に基づいて給気運転と給水運転との切り換えが制御されている場合には、その切り換えが設計時に想定されていたタイミングとは異なるタイミングで実行されてしまい、給気運転又は給水運転の実行時間が変化してしまう場合があった。
【0008】
その結果、それらの実行時間が適切なものではなくなってしまい、気体溶解水に含まれる気体の量又は浴槽に供給される気体溶解水そのものの量が安定せずに、浴槽の内部の浴槽湯水の白濁性を安定して維持しにくくなってしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、浴槽湯水の白濁性を安定して維持しやすい気泡発生装置、及び、気泡発生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の気泡発生装置は、
タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁と、前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁と、前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送るポンプと、前記気体導入弁及び前記湯水導入弁の開閉、並びに、前記ポンプの駆動及び停止を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記タンクから湯水を排出しつつ、前記タンクに前記気体を導入する給気運転と、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、該供給湯水に前記気体を溶解させて気体溶解水を生成して、該気体溶解水を浴槽に供給する給水運転とを、前記気体導入弁、前記湯水導入弁及び前記ポンプの少なくとも1つを制御して実行する気泡発生装置において、
所定のタイミングで実行される前記給気運転又は前記給水運転である基準運転を実行した際における前記タンクの内部の水位の変化に基づいて、基準時間を認識する基準時間認識部と、
前記基準時間に基づいて、該基準時間を認識した後における前記給気運転及び前記給水運転の少なくとも一方の開始から終了までの時間である実行時間を設定する実行時間設定部とを備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の気泡発生方法は、
タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁と、前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁と、前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送るポンプと、前記気体導入弁及び前記湯水導入弁の開閉、並びに、前記ポンプの駆動及び停止を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記タンクから湯水を排出しつつ、前記タンクに前記気体を導入する給気運転と、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、該供給湯水に前記気体を溶解させて気体溶解水を生成して、該気体溶解水を浴槽に供給する給水運転とを、前記気体導入弁、前記湯水導入弁及び前記ポンプの少なくとも1つを制御して実行する気泡発生装置を用いて実行される気泡発生方法において、
基準時間認識部が、所定のタイミングで実行される前記給気運転又は前記給水運転である基準運転を実行した際における前記タンクの内部の水位の変化に基づいて、基準時間を認識する工程と、
実行時間設定部が、前記基準時間に基づいて、該基準時間を認識した後における前記給気運転及び前記給水運転の少なくとも一方の開始から終了までの時間である実行時間を設定する工程とを含んでいることを特徴とする。
【0012】
このように、本発明の気泡発生装置及び気泡発生方法では、基準時間認識部が、所定のタイミングで実行される給気運転又は給水運転である基準運転を実行した際におけるタンクの内部の水位の変化に基づいて、予め基準時間を認識し、実行時間設定部が、その基準時間に基づいて、その基準時間を認識した後における給気運転及び給水運転の少なくとも一方の開始から終了までの時間(すなわち、実行時間)を設定している。
【0013】
すなわち、その実行時間は、気泡発生装置を循環する湯水の粘度が通常の湯水よりも高くなったり、その湯水に不純物が含まれてしまったりするという状況が生じてしまったりしたとしても、それらの状況が生じる前に認識された基準時間を参照して設定されたものとなっている。また、その実行時間は、実際の風呂給湯装置、気泡発生装置、若しくは、浴槽等の設置状態、又は、実際に組み込まれたそれらの構成物品(例えば、ポンプ等)の性能を反映した基準時間を参照して設定されたものとなっている。
【0014】
したがって、本発明の気泡発生装置及び気泡発生方法によれば、給気運転と給水運転とを適切なタイミングで実行することができるので、適切な実行時間を維持することができる。ひいては、浴槽湯水の白濁性を安定して維持しやすくなる。
【0015】
また、本発明の気泡発生装置においては、
前記タンクの内部の水位を検知する水位センサを備え、
前記基準時間認識部は、前記水位センサの検知結果に基づいて前記水位の変化を認識し、該認識された水位の変化に基づいて前記基準時間を認識することが好ましい。
【0016】
このように、タンクの内部の水位を検知する機構として水位センサを採用すると、容易な構成でありながら基準時間(ひいては、その基準時間に基づいて設定される実行時間)を、認識することができる。
【0017】
また、本発明の気泡発生装置においては、
前記タンクの内部の水位を検知する水位センサと、
前記水位センサにエラーが生じているか否かを判定するエラー判定部とを備え、
前記エラー判定部は、前記基準運転以後における、前記水位センサが所定の低水位を検知した時刻から所定の高水位を検知した時刻までの時間、又は、所定の高水位を検知した時刻から所定の低水位を検知した時刻までの時間である検知時間を認識するとともに、該検知時間と前記基準時間との比較結果に基づいて、前記基準運転以後に、前記水位センサにエラーが生じているか否かを判定することが好ましい。
【0018】
水位センサを用いた気泡発生装置では、その水位センサの検知結果のみでは、その水位センサ自体のエラーを判定できない場合がある。そこで、このように、基準時間(すなわち、その水位センサが本来想定していた検知範囲に対応した時間)と、実際の検知結果に基づく時間である検知時間とを比較して、エラーを判定するようにすると、他の構成を用いずに、容易に水位センサ自体のエラーを判定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】
図1の風呂給湯装置が準備運転を実行する場合における系統図。
【
図4】
図1の風呂給湯装置が給水運転を実行する場合における系統図。
【
図5】
図1の風呂給湯装置が給気運転を実行する場合における系統図。
【
図6】
図1の風呂給湯装置が洗浄運転を実行する場合における系統図。
【
図7】
図1の風呂給湯装置が気体溶解水を浴槽に供給する際に実行する処理を示すフローチャート。
【
図8】
図1の風呂給湯装置がセンサのエラーを判定する際に実行する処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、
図1~
図8を参照して、実施形態に係る風呂給湯装置1について説明する。なお、
図2~
図6の系統図においては、理解を容易にするために、各状態において、風呂給湯装置1に含まれる水路のうち、気体又は湯水の流れる部分を実線で示し、気体又は湯水の流れない部分を破線で示している。
【0021】
[風呂給湯装置の構成]
まず、
図1を参照して、風呂給湯装置1の概略構成について説明する。
【0022】
図1に示すように、風呂給湯装置1は、気体溶解水を生成して、浴室に設置された浴槽2に供給するための気泡発生装置3と、浴槽2の浴槽湯水を循環加熱するための熱源機4とを備えている。気泡発生装置3は、浴槽2及び熱源機4に接続されている。また、熱源機4は、気泡発生装置3に加え、浴槽2及び水道等の水供給源5(
図1では不図示。
図2参照)に接続されている。気泡発生装置3は、独立したユニットとして構成されており、既存の風呂設備に追加可能となっている。
【0023】
この風呂給湯装置1は、浴槽2への湯はりを行う湯はり運転(浴槽2への給湯を行う運転)、及び、浴槽2に足し湯を行う足し湯運転に加え、後述する準備運転、給気運転、給水運転、及び、洗浄運転を実行可能なものである。なお、風呂給湯装置1は、浴槽湯水を循環加熱する追い焚き運転が実行可能となるように構成されていてもよい。
【0024】
ここで、給気運転とは、後述するタンク30の内部から湯水を排出しつつ、タンク30の内部に湯水に気体を溶解させた気体溶解水を生成するために空気等の気体を取り込むための運転である。また、給水運転とは、生成した気体溶解水を浴槽2に供給して、浴槽2の内部に貯められている湯水である浴槽湯水に気泡を発生させる運転である。
【0025】
また、準備運転とは、気体溶解水の供給を開始する指示が認識された際に、給水運転の実行前に実行される運転である。また、洗浄運転とは、気体溶解水の供給を停止する指示が認識された後に、後述するタンク30の内部を洗浄するために実行される運転である。
【0026】
次に、
図2~
図6を参照して、風呂給湯装置1を構成する各部分について説明する。
【0027】
図2に示すように、気泡発生装置3は、タンク30と、タンク30の上流側に接続されている第1水路31(湯水導入路)と、タンク30の下流側及び浴槽2に接続されている第2水路32と、第2水路32の中間部に接続されている第3水路33と、第1水路31のタンク30側とは反対側の端部、第3水路33の第2水路32側の端部とは反対側の端部及び浴槽2に接続されている第4水路34と、タンク30に接続されている気体導入路35とを備えている。
【0028】
また、気泡発生装置3は、電動式の三方弁によって構成された第1切換弁36及び第2切換弁37を備えている。第1切換弁36は、第1水路31の端部、第3水路33の端部及び第4水路34の端部に接続されている。第2切換弁37は、第2水路32の中間部に介装されており、第3水路33の第1切換弁36側の端部とは反対側の端部に接続されている。
【0029】
タンク30には、第1水路31を介して、浴槽2から引き込まれた浴槽湯水、又は、水供給源5から供給された水等である供給湯水が導入され、気体導入路35を介して、空気等の気体が導入される。
【0030】
タンク30の内部では、導入されて貯留された供給湯水に気体を溶解させることによって、気体溶解水が生成される。生成された気体溶解水は、第2水路32を介して、浴槽2に供給される(
図4参照)、又は、後述する排出水路6を介して、浴槽2に排出される(
図5参照)。
【0031】
タンク30は、その内部に、第1水路31から導入された湯水を噴射するための噴射ノズル30aと、タンク30の内部の湯水の水位を検知するための第1センサ30b(水位センサ)及び第2センサ30c(水位センサ)とを備えている。
【0032】
第1センサ30b及び第2センサ30cは、公知の電極式の水位センサである。第1センサ30bは、タンク30が満水となったときの水位である高水位を検知する。第2センサ30cは、高水位よりも低い低水位を検知する。低水位は、給水運転の際に要求される気体溶解水の生成能力、タンク30の容量、各水路の長さ、後述する各ポンプの性能、水供給源5の供給能力等に応じて、適宜設定される。
【0033】
なお、タンクの内部の水位を検知するための水位センサは、このような構成に限定されるものではない。例えば、電極式の水位センサに代わり、他の公知の水位センサ(例えば、圧力式の水位センサ等)を用いてもよい。また、例えば、高水位として検知する水位は、必ずしもタンクが満水となる水位である必要はなく、低水位と同様に、給水運転の際に要求される気体溶解水の生成能力等に応じて設定してもよい。
【0034】
第1水路31は、一方の端部で、タンク30の上流端に接続されており、他方の端部で、第1切換弁36を介して、第3水路33の端部、及び、第4水路34の端部に接続されている。第1水路31には、熱源機4の循環水路40の下流端が接続されている。
【0035】
第1水路31には、循環水路40の接続部と第1水路31のタンク30側の端部との間で、上流側から順に、第1水路31を開閉するための電磁弁である第1閉止弁31a(湯水導入弁)と、第1水路31の内部の湯水をタンク30に圧送するための加圧ポンプ31bとが介装されている。
【0036】
第2水路32は、一方の端部で、タンク30の下流端に接続されており、他方の端部で、浴槽2の給湯口に設けられたアダプタ2aを介して、浴槽2に接続されている。
【0037】
第2水路32には、タンク30に近い方の端部側から順に、逆止弁32aと、第2切換弁37とが介装されている。第2水路32は、第2切換弁37を境にして、タンク30側の部分である第1部分32bと、浴槽2側の部分である第2部分32c(湯水導出路)とに分かれている。
【0038】
第3水路33は、一方の端部で、第1切換弁36に接続されており、他方の端部で、第2切換弁37に接続されている。第3水路33の中間部には、循環水路40の上流端が接続されている。
【0039】
第4水路34は、一方の端部で、第1切換弁36を介して、第1水路31のタンク30から離れた方の端部、及び、第3水路33の第2水路32から離れた方の端部に接続されており、他方の端部で、浴槽2の給湯口に設けられたアダプタ2aを介して、浴槽2に接続されている。
【0040】
アダプタ2aには、気泡発生ノズルであるノズル2bが設けられている。タンク30から導出された気体溶解水は、ノズル2bを介して、噴射されるようにして浴槽2の内部に供給されて、浴槽湯水に混ざり込む。これにより、浴槽湯水に気泡が発生して、浴槽湯水が白濁化する。
【0041】
気体導入路35は、上流端で、気体供給源(不図示)に接続されており、下流端で、タンク30に接続されている。気体導入路35には、気体導入路35を開閉するための電磁弁である気体導入弁35aが介装されている。
【0042】
第1切換弁36は、第1水路31と、第3水路33と、第4水路34とに接続されている。
【0043】
この第1切換弁36を切り換えることによって、第1水路31から第4水路34に湯水が流れる状態(
図3,
図5参照)と、第4水路34から第3水路33に湯水が流れる状態(
図4参照)又は第3水路33から第4水路34に湯水が流れる状態(
図6参照)とが切り換えられる。
【0044】
第2切換弁37は、第2水路32の第1部分32bと、第2水路32の第2部分32cと、第3水路33とに接続されている。
【0045】
この第2切換弁37を切り換えることによって、第2水路32の第1部分32b及び第2部分32cから第3水路33に湯水が流れる状態(
図3参照)と、第2水路32の第1部分32bから第2部分32cに湯水が流れる状態(
図4参照)と、第2水路32の第1部分32bから第3水路33に湯水が流れる状態(
図5,
図6参照)とが切り換えられる。
【0046】
気泡発生装置3では、第1閉止弁31a(湯水導入弁)、第1切換弁36及び第2切換弁37によって、切換装置38が構成されている。この切換装置38によって、準備運転状態(
図3参照)と、給水運転状態(
図4参照)と、給気運転状態(
図5参照)と、洗浄運転状態(
図6参照)とが切り換えられる。
【0047】
また、気泡発生装置3は、制御装置39を備えている。制御装置39は、実装されたハードウェア構成又はプログラムにより実現される機能(処理部)として、切換制御部39aと、ポンプ制御部39bと、タイマ39cと、基準時間認識部39dと、基準時間格納部39eと、実行時間設定部39fと、エラー判定部39gとを有している。
【0048】
切換制御部39aは、切換装置38を構成する弁(すなわち、第1閉止弁31a、第1切換弁36及び第2切換弁37)の開閉を制御する。
【0049】
ポンプ制御部39bは、加圧ポンプ31b及び後述する循環ポンプ40aの駆動及び停止を制御する。
【0050】
基準時間認識部39dは、準備運転の直後の給水運転(すなわち、基準運転)において、第2センサ30cが低水位を検知してから第1センサ30bが高水位を検知するまでに、タイマ39cによって計測された時間を基準時間として認識する。
【0051】
なお、本実施形態においては、基準時間をタイマ39cによって計測された時間に基づいて認識しているが、本発明の基準時間はそのような構成に限定されるものではなく、基準運転におけるタンクの内部の水位の変化に基づいて定められるものであればよい。そのため、例えば、単位時間当たりの水位の変化を測定し、それとタンクの容量等に基づいて、基準時間を認識するようにしてもよい。
【0052】
基準時間格納部39eは、基準時間認識部39dによって認識された基準時間を格納する。
【0053】
なお、本実施形態において、基準時間を格納しているのは、後述するように、基準時間を、実行時間の設定に用いるだけでなく、第1センサ30b及び第2センサ30cのエラーの判定にも用いるためである。しかし、本発明の気泡発生装置は、そのような構成に限定されるものではない。そのため、基準時間を実行時間の設定のためにのみ用いる場合には、基準時間格納部は省略してもよい。
【0054】
実行時間設定部39fは、基準時間格納部39eに格納された基準時間を参照して、その基準時間を認識した後における給水運転の開始から終了までの時間である実行時間を設定する。
【0055】
エラー判定部39gは、第1センサ30b及び第2センサ30cによる検知結果、及び、基準時間格納部39eに格納されている基準時間に基づいて、第1センサ30b又は第2センサ30cにエラーが生じているかを判定する。
【0056】
具体的には、エラー判定部39gは、基準時間の認識後において、第2センサ30cが低水位を検知した時刻から第1センサ30bが高水位を検知した時刻までの時間を検知時間として認識する。その後、エラー判定部39gは、その検知時間と基準時間とを比較して、その時間に差異があった場合には、第1センサ30b及び第2センサ30cの少なくともいずれか一方にエラーが生じていると判定する。
【0057】
このように構成すると、特別な構成を追加しなくても、第1センサ30b又は第2センサ30cにエラーが生じていることを判定することができるようになる。なお、気泡発生装置3では、エラーが生じていると判定された場合には、不図示の報知部(スピーカー、モニタ等)によって、ユーザにエラーが生じている旨が報知される。
【0058】
なお、本発明の気泡発生装置は、このような構成に限定されるものではなく、エラー判定を行う他の構成を備えている場合等には、エラー判定部は省略してもよい。
【0059】
なお、本実施形態の気泡発生装置3では、タイマ39c、基準時間認識部39d、実行時間設定部39f及びエラー判定部39gは、制御装置39の一部として構成されている。しかし、本発明の気泡発生装置は、そのような構成に限定されるものではなく、それらの一部又は全部が、制御装置とは独立して構成されていてもよい。
【0060】
熱源機4は、気泡発生装置3の第3水路33及び第1水路31に接続されている循環水路40と、水供給源5に接続されており、水供給源5からの水を風呂給湯装置1に供給するための注水路41とを備えている。
【0061】
循環水路40の上流端は、気泡発生装置3の第3水路33の中間部に接続されており、下流端は、第1水路31の第1閉止弁31aと第1切換弁36との間となる部分に接続されている。循環水路40の中間部には、注水路41の下流端が接続されている。
【0062】
循環水路40の注水路41の接続部と下流端との間には、循環水路40の内部の湯水を第1水路31に圧送するための循環ポンプ40aが介装されている。また、循環ポンプ40aの下流側には、循環水路40の内部の湯水を加熱するための第1熱源部40bが設けられている。
【0063】
注水路41の上流端は、水供給源5に接続されており、下流端は、循環水路40の上流端と循環ポンプ40aとの間となる部分に接続されている。
【0064】
注水路41には、注水路41を開閉するための電磁弁である注水弁41aが介装されている。また、注水弁41aの上流側には、注水路41の内部の湯水を加熱するための第2熱源部41bが設けられている。
【0065】
[気泡供給運転の際における動作及び処理]
次に、
図3~
図7を参照して、気体溶解水を浴槽2に供給する気泡供給運転において、風呂給湯装置1が実行する動作及び処理(気泡生成方法)について説明する。
【0066】
なお、
図3は、準備運転を実行する場合における系統図である。
図4は、給水運転を実行する場合における系統図である。
図5は、給気運転を実行する場合における系統図である。
図6は、洗浄運転を実行する場合における系統図である。
図7は、気体溶解水を浴槽2に供給する際に制御装置39が実行する制御を示すフローチャートである。
【0067】
この気泡供給運転においては、風呂給湯装置1(すなわち、気泡発生装置3)は、ユーザがコントロールパネル(不図示)を操作したこと等に基づいて、気泡供給運転の開始を指示する旨の信号を認識した場合には、まず、準備運転を実行し、その後、給気運転と給水運転とを交互に繰り返し実行する。すなわち、気泡発生装置3は、いわゆる間欠式の気泡発生装置として構成されている。
【0068】
また、気泡発生装置3は、ユーザがコントロールパネルを操作したこと等に基づいて、気泡供給運転の停止を指示する旨の信号を認識した場合には、気体溶解水を供給するための給気運転及び給水運転を停止した後、洗浄運転及び後述するタンク30の内部を乾燥させるための給気運転を実行する。
【0069】
すなわち、気泡供給運転とは、準備運転の開始からタンク30の内部を乾燥させるための給気運転までの一連の運転を指す。
【0070】
以下の説明は、気泡供給運転について詳細に説明する他、その前提として、風呂給湯装置1の備えている弁及びポンプは、前回の気泡供給運転(すなわち、タンク30の内部を乾燥させるための給気運転)が完了した際の状態とほぼ同じ状態となっているものとする。具体的には、以下のような状態となっている。
【0071】
[初期状態]
第1閉止弁31a:閉状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:開状態
第1切換弁36:第1水路31と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第3水路33とを接続した状態
循環ポンプ40a:停止
第1熱源部40b:停止
注水弁41a:閉状態
第2熱源部41b:停止
【0072】
そのうえで、ユーザが操作パネル(不図示)を操作すること等によって気泡供給運転を実行する旨の指示なされた場合においては、まず、制御装置39は、風呂給湯装置1の備えている弁、ポンプ及び熱源部を制御して、準備運転を実行する(
図7/STEP100)。
【0073】
具体的には、制御装置39は、風呂給湯装置1の備えている弁、ポンプ及び熱源部を以下の状態(
図3に示す状態)になるように制御し、第2センサ30cによって低水位が検知された後所定の時間が経過するまで準備運転を実行する。
【0074】
[準備運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:閉状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:閉状態
第1切換弁36:第1水路31と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32b及び第2部分32cと第3水路33とを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
第1熱源部40b:駆動
注水弁41a:閉状態
第2熱源部41b:停止
【0075】
この準備運転を実行することにより、風呂給湯装置1の配管の内部に残存していた冷めた湯水が、沸き上げられながら、浴槽2へと排出される。これにより、タンク30の内部は、後述する給気運転の完了後の状態よりも、さらに湯水が少なく、乾燥した状態になる。
【0076】
そのため、準備運転を実行した場合、準備運転を実行しなかった場合に比べ、その後の給水運転(すなわち、基準運転)において、より正確に第1センサ30b及び第2センサ30cによる検知を行うことができる。ひいては、後述する処理によって設定される実行時間が、より適切なものになる。なお、そこまでの正確な検知が不要であるような場合には、この準備運転(STEP100)は省略してもよい。
【0077】
その後、制御装置39は、給水運転の実行時間が未設定であるか否かを判断する(
図7/STEP101)。
【0078】
実行時間は、例えば、気泡発生装置3の取り付けの際等に一度だけ設定し、それを継続して用いてもよい。また、風呂給湯装置1を使用するために、電源が投入されるたびに設定してもよい。また、気泡発生装置3の取り付け後所定の期間(使用初期の期間)のいずれかのタイミングで実行された給水運転を準備運転として、その準備運転に基づいて設定した実行時間を、継続して使用するようにしてもよい。また、複数回の準備運転において認識された基準時間の平均値に基づいて、実行時間を設定してもよい。
【0079】
実行時間が未設定であった場合(STEP101でYESの場合)、制御装置39は、基準運転として、風呂給湯装置1の備えている弁、ポンプ及び熱源部を制御して、給水運転を実行する(
図7/STEP102)。
【0080】
具体的には、制御装置39は、風呂給湯装置1の備えている弁、ポンプ及び熱源部を以下の状態(
図4に示す状態)になるように制御し、第1センサ30bが高水位を検知するまで、給水運転を実行する。
【0081】
[給水運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:開状態
加圧ポンプ31b:駆動
気体導入弁35a:閉状態
第1切換弁36:第3水路33と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第2部分32cとを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
第1熱源部40b:停止
注水弁41a:閉状態
第2熱源部41b:停止
【0082】
この状態では、タンク30の内部で気体溶解水が生成されるとともに、生成した気体溶解水がタンク30から導出され、ノズル2bを介して浴槽2に供給される。ここで、タンク30に加圧された供給湯水が導入される速度は、タンク30から気体溶解水の導出される速度よりも大きい。その結果、タンク30の内部の水位は、時間の経過とともに上昇していく。
【0083】
この基準運転としての給水運転の実行時間は、第1センサ30b及び第2センサ30cの検知結果に基づいて制御される。具体的には、第2センサ30cが低水位を検知した段階で、気体溶解水の生成及び浴槽2への供給が開始され、第1センサ30bが高水位を検知した段階で、気体溶解水の生成及び浴槽2への供給が停止される。
【0084】
このとき、タイマ39cは、タンク30の内部の水位の変化を示すパラメータとして、第2センサ30cが低水位を検知した時刻から第1センサ30bが高水位を検知した時刻までの時間を計測する。
【0085】
次に、制御装置39の基準時間認識部39dは、第1センサ30b及び第2センサ30cの検知結果に基づいて、基準時間を認識する(
図7/STEP103)。
【0086】
具体的には、基準時間認識部39dは、基準運転において第2センサ30cが低水位を検知した時刻から第1センサ30bが高水位を検知した時刻までにタイマ39cが計測した時間を、基準時間として認識する。
【0087】
次に、制御装置39の基準時間格納部39eは、基準時間認識部39dによって認識された基準時間を格納する(
図7/STEP104)。
【0088】
次に、制御装置39の実行時間設定部39fは、基準時間格納部39eに格納されている基準時間に基づいて、実行時間を設定する(
図7/STEP105)。
【0089】
具体的には、実行時間設定部39fは、基準時間格納部39eに格納されている基準時間を、これ以降に実行する給水運転の実行時間として設定する。
【0090】
次に、制御装置39は、風呂給湯装置1の備えている弁、ポンプ及び熱源部を制御して、給気運転を実行する(
図7/STEP106)。
【0091】
具体的には、制御装置39は、風呂給湯装置1の備えている弁、ポンプ及び熱源部を以下の状態(
図5に示す状態)になるように制御し、第2センサ30cが低水位を検知するまで、給気運転を実行する。
【0092】
[給気運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:閉状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:開状態
第1切換弁36:第1水路31と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第3水路33とを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
第1熱源部40b:停止
注水弁41a:閉状態
第2熱源部41b:停止
【0093】
この状態では、気体がタンク30の内部に導入されるとともに、タンク30の内部に残存している残存湯水(すなわち、生成された気体溶解水又は導入された供給湯水)が、浴槽2に排出される。その結果、タンク30の水位は、時間の経過とともに下降していく。
【0094】
この給気運転の実行時間は、第1センサ30b及び第2センサ30cの検知結果に基づいて制御される。具体的には、第1センサ30bが高水位を検知した段階で、タンク30の内部への気体の導入が開始され、第2センサ30cが低水位を検知した段階で、タンク30の内部への気体の導入が停止される。
【0095】
実行時間が未設定でなかった場合(STEP101でNOの場合)、又は、実行時間を設定後に給気運転を実行した後(STEP106を実行した後)には、制御装置39は、設定された実行時間に基づいて、給水運転を実行する(
図7/STEP107)。
【0096】
次に、制御装置39は、切換制御部39a及びポンプ制御部39bによって、風呂給湯装置1の備えている弁及びポンプを制御して、設定された実行時間が経過するまで、給気運転を実行する(
図7/STEP108)。
【0097】
次に、制御装置39は、給水運転の実行回数が規定回数であるか否かを判定する(
図7/STEP109)。
【0098】
給水運転の実行回数が規定回数でなかった場合(STEP109でNOの場合)、STEP107に戻り、給水運転及び給気運転を再度実行する。すなわち、既定の回数実行されるまで、給水運転と給気運転とが繰り返し実行される。
【0099】
一方、給水運転の実行回数が規定回数であった場合(STEP109でYESの場合)、制御装置39は、風呂給湯装置1の備えている弁、ポンプ及び熱源部を制御して、洗浄運転を実行する(
図7/STEP110)。
【0100】
具体的には、制御装置39は、風呂給湯装置1の備えている弁、ポンプ及び熱源部を以下の状態(
図6に示す状態)になるように制御し、所定の時間が経過するまで、洗浄運転を実行する。
【0101】
[洗浄運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:開状態
加圧ポンプ31b:駆動
気体導入弁35a:閉状態
第1切換弁36:第3水路33と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第3水路33とを接続した状態
循環ポンプ40a:停止
第1熱源部40b:駆動
注水弁41a:開状態
第2熱源部41b:駆動
【0102】
この洗浄運転を実行することにより、水供給源5から供給された水等である供給湯水(すなわち、入浴剤等によって粘度が上昇しておらず、不純物の少ない湯水)が、第1熱源部40b及び第2熱源部41bで加熱された後に、タンク30の内部に供給される。これによって、タンク30の内部が洗浄される。タンク30の内部を洗浄した湯水は、その後、浴槽2へと排出される。なお、この洗浄運転は、省略してもよい。
【0103】
次に、制御装置39は、風呂給湯装置1の備えている弁、ポンプ及び熱源部を制御して、給気運転を実行して(
図7/STEP111)、今回の処理を終了する。
【0104】
以上説明したように、気泡発生装置3及びそれを用いて実行される気泡発生方法では、制御装置39は、準備運転の直後において実行された給水運転(すなわち、基準運転)において、予め認識された基準時間を認識し、その基準時間に基づいて、その基準時間を認識した後における給水運転の実行時間を設定している。
【0105】
すなわち、その実行時間は、気泡発生装置3を循環する湯水の粘度が通常の湯水よりも高くなったり、その湯水に不純物が含まれてしまったりするという状況が生じてしまったりしたとしても、それらの状況が生じる前に認識された基準時間を参照して設定されたものとなっている。また、その実行時間は、実際の風呂給湯装置1、気泡発生装置3、若しくは、浴槽2等の設置状態、又は、実際に組み込まれたそれらの構成物品(例えば、加圧ポンプ31b等)の性能を反映した基準時間を参照して設定されたものとなっている。
【0106】
そのため、そのようにして設定された実行時間は、それらの状況、又は、設置状態、性能等のばらつきによる影響が抑制されたものになっている。ひいては、給水運転から給気運転への切り換えを適切なタイミングで実行することができるようになっている。
【0107】
したがって、この気泡発生装置3及びそれを用いて実行される気泡発生方法によれば、給水運転から給水運転への切り換えを適切なタイミングで実行することができるので、適切な実行時間を維持することができる。ひいては、浴槽湯水の白濁性を安定して維持しやすくなっている。
【0108】
[エラー判定の際における動作及び処理]
次に、
図4及び
図8を参照して、風呂給湯装置1が、第1センサ30b又は第2センサ30cにエラーが生じているか否かを判定する際に実行する処理について説明する。
【0109】
なお、以下の説明においては、この処理は、前述の気泡発生方法を実行する処理(
図7を参照して説明した処理)と同時に実行しているものとする。しかし、この処理は、気泡発生方法を実行する処理と独立して実行してもよい。ただし、そのように独立して実行する場合には、基準時間を認識する処理(例えば、
図7のSTEP100~STEP104の処理)を別途行っておく必要がある。
【0110】
この処理においては、まず、制御装置39は、風呂給湯装置1の備えている弁、ポンプ及び熱源部を制御して、給水運転を実行する(
図8/STEP200)。
【0111】
次に、制御装置39は、第2センサ30cが低水位を検知したか否かを判定する(
図8/STEP201)。
【0112】
低水位を検知していない場合(STEP201でNOの場合)、制御装置39は、STEP201でYESとなるまで、所定の制御周期でSTEP201の判定を繰り返す。
【0113】
一方、低水位を検知した場合(STEP201でYESの場合)、タイマ39cは、エラーの判定に用いる検知時間の計測を開始する(
図8/STEP202)。
【0114】
次に、制御装置39は、第1センサ30bが高水位を検知したか否かを判定する(
図8/STEP203)。
【0115】
高水位を検知していない場合(STEP203でNOの場合)、制御装置39は、STEP203でYESとなるまで、所定の制御周期でSTEP203の判定を繰り返す。
【0116】
一方、高水位を検知した場合(STEP203でYESの場合)、タイマ39cは、検知時間の計測を終了する(
図8/STEP204)。
【0117】
次に、制御装置39のエラー判定部39gは、検知時間と基準時間とは相違しているか否かを判定する(
図8/STEP205)。
【0118】
この判定によって、エラー判定部39gは、第1センサ30b及び第2センサ30cの少なくとも一方にエラーが生じているかを判定する。具体的には、エラー判定部39gは、検知時間と基準時間とが相違している場合には、いずれかのセンサにエラーが生じていると判定する。一方、相違していない場合には、エラーが生じていないと判定する。
【0119】
なお、検知時間と基準時間とが一致しているか否かの判定は、必ずしも完全に一致しているか否かを基準とする必要はなく、ある程度の差(例えば、2秒程度の差)がある場合であっても、一致していると判定するように構成してもよい。許容される長さは、センサの感度、タンク30の容量等に応じて適宜設定してよい。
【0120】
検知時間と基準時間とが相違していない場合(STEP205でNOの場合)、エラー判定部39gは、第1センサ30b及び第2センサ30cにエラーが生じていないと判定して、今回の処理を終了する。
【0121】
検知時間と基準時間とが相違していた場合(STEP205でYESの場合)、エラー判定部39gは、第1センサ30b及び第2センサ30cの少なくとも一方にエラーが生じていると判定して、報知部(不図示)を介してその旨を報知して(
図8/STEP206)、今回の処理を終了する。
【0122】
以上説明したように、基準時間(すなわち、その水位センサが本来想定していた検知範囲に対応した時間)と、実際の検知結果に基づく時間である検知時間とを比較して、エラーを判定するようにすると、他の構成を用いずに、容易に水位センサ自体のエラーを判定することができる。
【0123】
なお、本実施形態においては、給水運転の実行とともにエラーの判定を実行しているが、本発明はそのような構成に限定されるものではない。そのため、準備運転、給気運転及びタンク洗浄運転のいずれかにおいて、それらの経過時間を基準時間として認識しておき、次回の準備運転、給気運転及びタンク洗浄運転のいずれかの際に、その基準時間と検知時間とを比較して、エラーの判定を実行するようにしてもよい。
【0124】
[その他の実施形態]
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
【0125】
例えば、上記実施形態では、水位の変化を表すパラメータとして、タンクの内部の水位が低水位から高水位に変化するまでの経過時間を採用している。しかし、本発明における水位の変化を表すパラメータは、そのようなパラメータに限定されるものではない。
【0126】
そのため、例えば、タンクの内部に導入される湯水の流量を図る流量計と、流量計で測定された流量、タンクの容量及び形状に基づいて算出されたパラメータを本発明における水位の変化を表すパラメータとしてもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、基準運転で認識された基準時間に基づいて、その後における給水運転の実行時間を規定している。しかし、本発明の気泡発生装置は、このような構成に限定されるものではなく、給気時間及び給水時間のいずれか一方の実行時間を、基準時間に基づいて設定するものであればよい。
【0128】
そのため、例えば、基準運転としての給水運転(第1の基準運転)を実行した直後の給気運転を、第2の基準運転とし、その第2の基準運転で認識された第2の基準時間に基づいて、その後における給気運転の実行時間を規定してもよい。また、上記実施形態とは逆に、給水運転の実行時間を、基準時間に基づいて定めずにセンサの検知結果に基づいて定め、給気運転の実行時間を、基準時間に基づいて定めるようにしてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、準備運転を実行した直後の給水運転を基準運転としている。しかし、本発明の基準運転は、そのようなタイミングで実行される運転に限定されるものではなく、その基準運転に基づいて実行される給気運転又は給水運転の実行以前の所定のタイミングで実行されるものであればよい。
【0130】
そのため、例えば、給気運転と給水運転とが複数回交互に実行される構成である場合には、所定の回数ごとに実行される給気運転又は給水運転を基準運転とするように構成してもよい。すなわち、基準運転を複数回実行し、定期的に基準時間(ひいては、実行時間)を更新するように構成してもよい。また、給気運転及び給水運転を所定回数実行した後(すなわち、安定して実行されている状態における)給気運転又は給水運転を基準運転としてもよい。なお、これらの場合、準備運転は省略してもよい。
【0131】
さらに、例えば、気泡発生装置の設置時に、試験的に基準運転を実行して、その際に認識した基準時間を、それ以後継続して使用し続けるようにしてもよい。
【0132】
また、上記実施形態においては、基準時間を参照して実行時間を設定する方法として、基準運転で認識された基準時間をそのまま実行時間として採用している。しかし、本発明の実行時間は、そのような構成に限定されるものではない。
【0133】
そのため、基準時間を参照して実行時間を設定する場合には、水位センサによって検知された給気運転又は給水運転の開始又は終了のタイミングを、基準時間に基づいて適宜補正するように構成してもよい。
【0134】
また、本発明の気泡発生装置の基準運転の実行のタイミングは、本実施形態のような構成に限定されるものではなく、適宜設定してよい。そのため、基準運転を、前回の給気運転の実行後所定の期間経過前に実行してもよい。
【0135】
また、上記実施形態においては実装していないが、タンクの容量ととともに、タンクの内部の水位の変化又はそれに基づいて算出できる水位を参照すると、給水運転の残りの実行時間を算出することができる。そのため、そのような残りの実行時間を算出して、報知部を介してユーザに報知するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0136】
1…風呂給湯装置、2…浴槽、2a…アダプタ、2b…ノズル、3…気泡発生装置、4…熱源機、5…水供給源、6…排出水路、30…タンク、30a…噴射ノズル、30b…第1センサ(水位センサ)、30c…第2センサ(水位センサ)、31…第1水路(湯水導入路)、31a…第1閉止弁(湯水導入弁)、31b…加圧ポンプ、32…第2水路、32a…逆止弁、32b…第1部分、32c…第2部分(湯水導出路)、33…第3水路、34…第4水路、35…気体導入路、35a…気体導入弁、36…第1切換弁、37…第2切換弁、38…切換装置、39…制御装置、39a…切換制御部、39b…ポンプ制御部、39c…タイマ、39d…基準時間認識部、39e…基準時間格納部、39f…実行時間設定部、39g…エラー判定部、40…循環水路、40a…循環ポンプ、40b…第1熱源部、41…注水路、41a…注水弁、41b…第2熱源部。