(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181931
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】スリーブ材及び配管の止水構造
(51)【国際特許分類】
F16L 5/00 20060101AFI20221201BHJP
F16L 5/02 20060101ALI20221201BHJP
E04B 1/66 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
F16L5/00 Q
F16L5/02 D
E04B1/66 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089167
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新川 隆将
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 素行
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 一将
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 快行
(72)【発明者】
【氏名】園田 真吾
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DA01
2E001FA04
2E001FA34
2E001MA02
(57)【要約】
【課題】配管が挿通するスリーブ材と外壁との間にシール代を形成する。
【解決手段】スリーブ材10は、外壁20に形成された貫通孔30に差し込まれると共に配管90が挿通される第一筒部110と、第一筒部110の屋外22側の端部から外側に張り出す第一鍔部130と、第一鍔部130の上部に設けられた庇部150と、を有する第一部材100と、第一部材100の第一鍔部130と外壁20との間に挟まれるスペーサ180と、貫通孔30に挿通した第一筒部110が挿入されて接合される第二筒部210と、第二筒部210の外壁20側の端部から外側に張り出す第二鍔部230と、を有する第二部材200と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁に形成された貫通孔に差し込まれると共に配管が挿通される第一筒部と、前記第一筒部の屋外側の端部から外側に張り出す第一鍔部と、前記第一鍔部の上部に設けられた庇部と、を有する第一部材と、
前記第一部材の前記第一鍔部と前記外壁との間に挟まれるスペーサと、
前記貫通孔に挿通した前記第一筒部が挿入されて接合される第二筒部と、前記第二筒部の前記外壁側の端部から外側に張り出す第二鍔部と、を有する第二部材と、
を備えたスリーブ材。
【請求項2】
前記第一部材の前記第一筒部の外周面には、第一ネジ部が形成され、
前記第二部材の前記第二筒部の内周面には、前記第一ネジ部にねじ込む第二ネジ部が形成されている、
請求項1に記載のスリーブ材。
【請求項3】
外壁に形成された貫通孔に取り付けられた請求項1又は請求項2に記載のスリーブ材と、
前記スリーブ材の前記第一部材の前記第一筒部に挿通された配管と、
前記第一筒部と前記配管との間をシールする第一シール部と、
前記スリーブ材の前記第一部材の前記第一鍔部と前記外壁との間をシールする第二シール部と、
を備えた配管の止水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリーブ材及び配管の止水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配管の外壁貫通部構造、詳細には熱移動する配管の雨仕舞対策を講じた外壁貫通部構造に関する技術が開示されている。この先行技術では、外壁の配管貫通孔の上部に、必要に応じて配管の外周より大きい長円形の配管用穴を設けたカバープレートを介して水切板を固定するともに、該配管に該配管の径より大きい径の突起を設けたカバーを固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、配管が挿通されるカバープレートと外壁との間には十分なシール代がなく、シールを施工することができない又は施工が困難である。
【0005】
本発明は、上記事実を鑑み、配管が挿通するスリーブ材と外壁との間にシール代を形成することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一態様は、外壁に形成された貫通孔に差し込まれると共に配管が挿通される第一筒部と、前記第一筒部の屋外側の端部から外側に張り出す第一鍔部と、前記第一鍔部の上部に設けられた庇部と、を有する第一部材と、前記第一部材の前記鍔部と前記外壁との間に挟まれるスペーサと、前記貫通孔に挿通した前記第一筒部が挿入されて接合される第二筒部と、前記第二筒部の前記外壁側の端部から外側に張り出す第二鍔部と、を有する第二部材と、を備えたスリーブ材である。
【0007】
第一態様のスリーブ材では、第一部材の第一筒部と配管との間に軸方向に沿ってシール代が形成される。また、第一部材の第一鍔部と外壁との間にスペーサによって隙間が形成、つまりシール代が形成される。
【0008】
第二態様は、前記第一部材の前記第一筒部の外周面には、第一ネジ部が形成され、前記第二部材の前記第二筒部の内周面には、前記第一ネジ部にねじ込む第二ネジ部が形成されている、第一態様に記載のスリーブ材である。
【0009】
第二態様のスリーブ材は、第一部材の第一筒部の外周面の第一ネジ部に第二部材の第二筒部の内周面の第二ネジ部にねじ込むことで、第一筒部と第二筒部とが接合され、第一部材と第二部材とが一体化される。
【0010】
第三態様は、外壁に形成された貫通孔に取り付けられた第一態様又は第二態様に記載のスリーブ材と、前記スリーブ材の前記第一部材の前記第一筒部に挿通された配管と、前記第一筒部と前記配管との間をシールする第一シール部と、前記スリーブ材の前記第一部材の前記第一鍔部と前記外壁との間をシールする第二シール部と、を備えた配管の止水構造である。
【0011】
第三態様の配管の止水構造は、外壁の貫通孔に差し込んだ第一部材の第一筒部に、第二部材の第二筒部を接合することで、スリーブ材が外壁に取り付けられる。また、第一部材の第一鍔部と外壁との間に設けられたスペーサと第二部材の第二鍔部とで、外壁を挟みこむことで、スリーブ材が固定される。
【0012】
スリーブ材の第一部材の第一筒部と配管との間に軸方向に沿って形成されたシール代を第一シール部でシールすることで、第一筒部との配管との隙間が止水される。また、スペーサよってスリーブ材の第一部材の第一鍔部と外壁との間に隙間が形成され、この隙間、つまりシール代を第二シール部でシールすることで、第一部材の第一鍔部と外壁との間が止水される。
【0013】
更に、第一部材の庇部によって、第一シール部に雨水が直接掛からない又は掛かりにくくなるので、第一シール部の止水性能が向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配管が挿通するスリーブ材と外壁との間にシール代を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一実施形態の止水構造のX方向に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態>
本発明の一実施形態のスリーブ材及び止水構造について説明する。なお、水平方向の直交する二方向をX方向及びY方向とし、それぞれ矢印X及び矢印Yで示す。X方向及びY方向と直交する鉛直方向をZ方向として、矢印Zで示す。
【0017】
(スリーブ材)
先ず、スリーブ材について説明する。
【0018】
図1及び
図3に示すスリーブ材10は、第一部材100と第二部材200とを有して構成されている。本実施形態におけるスリーブ材10を構成する第一部材100及び第二部材200は、合成樹脂で構成されているが、これに限定されるものではない。
【0019】
なお、X方向が後述する第一筒部110及び第二筒部210の軸方向であると共に後述する外壁20(
図1参照)の面外方向である。また、外壁20における屋外22(
図1参照)方向を外側とし、屋内24(
図1参照)方向を内側とする。また、スリーブ材10の各方向は、
図1に示す外壁20に固定された状態で説明する。
【0020】
図1及び
図3に示すように、第一部材100は、第一筒部110と第一鍔部130とスペーサ部180と庇部150を有して構成されている。第一筒部110の外周面112には、第一ネジ部114が形成されている。なお、第一部材100は、第一筒部110と第一鍔部130とスペーサ部180と庇部150とが、一体成型によって一体的に形成されているが、これに限定されるものではない。
【0021】
第一鍔部130は、第一筒部110の屋外22(
図1参照)側の一端部から径方向外側に張り出している。
【0022】
図2に示すように、第一鍔部130は、軸方向であるX方向から見た外形は、縦長の楕円形状である。また、第一筒部110は、軸心が楕円の第一鍔部130の円中心よりも下側に位置している。
【0023】
よって、
図1及び
図2に示すように、第一鍔部130の上端130Aから第一筒部110の外周面112までの距離は、第一鍔部130の下端130Bと第一筒部110の外周面112との距離よりも長い。
【0024】
図1及び
図3に示すように、庇部150は、第一鍔部130の第一筒部110の上方に設けられ、屋外22(
図1参照)方向に突出して設けられている。
【0025】
図2に示すように、庇部150は、X方向から見た正面視で上側凸に湾曲した形状となっている。
【0026】
図1、
図3及び
図4に示すように、スペーサ部180は、第一鍔部130の内面130Cと第一筒部110の外周面112との隅部に設けられている。
図1及び
図4に示すように、スペーサ部180は、X方向と直交する方向から見ると、傾斜部182を有する直角三角形状となっている。また、
図2及び
図3に示すように、スペーサ部180は、X方向から見た正面視で、三箇所に等間隔で設けられている。なお、下側の二つのスペーサ部180は、真横からみると、
図1のようには見えないが、判り易くするため、上側と同じように図示している。また、スペーサ部180には、ハッチングを入れている。
【0027】
図1及び
図3に示すように、第二部材200は、第二筒部210と第二鍔部230とを有して構成されている。第二筒部210の内周面212には、第二ネジ部214が形成されている。第二鍔部230は、第二筒部210の一端部から径方向外側に張り出している。また、第二筒部210には、リング状のシール材250が嵌る溝240が形成されている。
【0028】
図2に示すように、第二鍔部230は、軸方向であるX方向から見た外形は真円形状である。
【0029】
図1に示すように、第一部材100の第一筒部110の第一ネジ部114に第二部材200の第二筒部210第二ネジ部214をねじ込むことで、両者が接合され一体化する。
【0030】
(止水構造)
次に止水構造について説明する。
【0031】
図1に示すように、止水構造50は、スリーブ材10、第一シール部310、312、314及び第二シール部320、321を有して構成されている。
【0032】
外壁20には、貫通孔30が形成され、スリーブ材10が取り付けられている。スリーブ材10には、配管90が挿通されている。なお、
図1における外壁20の左側が屋外22で、右側が屋内24である。また、本願の外壁20は、鉄板で構成され、屋内24側の内壁面20Aには、断熱材80が設けられている。
【0033】
スリーブ材10を構成する第一部材100の第一筒部110は、外壁20に形成された貫通孔30に差し込まれている。スリーブ材10の第二部材200の第二筒部210の第二ネジ部214を第一筒部110の第一ネジ部114にねじ込むことで、第一筒部110と第二筒部210とが接合、つまり第一部材100と第二部材200とが接合されて一体化する。そして、第一部材100のスペーサ部180と第二部材200の第二鍔部230とで外壁20を挟むことで、スリーブ材10が外壁20の貫通孔30に固定される(
図4も参照)。なお、
図4に示すように、実際には、スペーサ部180は、傾斜部182が貫通孔30の角部30Aに食い込むように当たっている。
【0034】
また、第二鍔部230の溝240に嵌め込まれたシール材250によって、第二鍔部230と内壁面20Aとの間がシールされている。
【0035】
図1及び
図4に示すように、第一部材100のスペーサ部180が、外壁20の外壁面20Bに当たる、正確には傾斜部182が貫通孔30の角部30Aに食い込むように当たることで、第二鍔部230と外壁面20Bとの間に隙間26が形成される。
【0036】
図1に示すように、スリーブ材10を構成する第一部材100の第一筒部110には配管90が挿通されている。第一筒部110の内周面116と配管90との間は、第一シール部310、312、314でシールされている。また、第一筒部110の内周面116と配管90との間における第一シール部312と第一シール部314との間には、バッカー材350が設けられている。なお、第一シール部310、312、314及びバッカー材350は、全周に亘って設けられている。
【0037】
また、スリーブ材10を構成する第一部材100の第一鍔部130と外壁20の外壁面20Bとの隙間26は、第二シール部320、321でシールされている。なお、第二シール部320、321は、全周に亘って設けられている。
【0038】
なお、第一シール部310、312、314及び第二シール部320、321の材料は、限定されるものではないが、本実施形態ではウレタン樹脂を用いている。また、バッカー材350は、発泡ポリエチレン等の耐水性及び耐薬品性に優れた加工性の良い材料で構成されている。
【0039】
なお、本実施形態では、第一シール部310、312、314の三箇所に設けられているが、これに限定されるものではない。第一シール部は、一箇所以上設けられていればよい。また、シール箇所は、適宜設定すればよい。つまり、第一シール部は、第一筒部110の内周面116と配管90との間が止水されるように設けられていればよい。
【0040】
また、本実施形態では、第二シール部320、321の二箇所に設けられているが、これに限定されるものではない。第二シール部は、一箇所以上設けられていればよい。また、シール箇所は、適宜設定すればよい。つまり、第二シール部は、第一鍔部130と外壁20との間が止水されるように設けられていればよい。
【0041】
(施工工程)
次に、
図1を用いて施工工程の一例を説明する。
【0042】
まず、外壁20に貫通孔30を形成し、屋外22側から第一部材100の第一筒部110を貫通孔30に差し込む。
【0043】
次に、第二部材200の第二鍔部230にシール材250を取り付けた状態で、屋内24側から第二筒部210を第一筒部110にねじ込む。これにより、第二鍔部230が外壁20の内壁面20Aに当たると共に第一部材100のスペーサ部180の傾斜部182が貫通孔30の角部30Aに食い込むように当たることで、スリーブ材10が外壁20にしっかりと固定される。
【0044】
配管90を第一部材100の第一筒部110に挿入し、第一シール部310、312、314、第二シール部320、321及びバッカー材350でシール処理をする。
【0045】
外壁20の内壁面20Aに、断熱材80を吹き付ける。
【0046】
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0047】
外壁20の貫通孔30に屋外22側から差し込んだ第一部材100の第一筒部110に、第二部材200の第二筒部210を接合することで、スリーブ材10を外壁20に容易に取り付けられる。
【0048】
また、第一部材100の第一鍔部130と外壁20との間に設けられたスペーサ部180と第二部材200の第二鍔部230とで、外壁20を挟みこむことで、スリーブ材10が固定される。なお、本実施形態では、スペーサ部180の傾斜部182が貫通孔30の角部30Aに食い込むように当たることで、しっかりと固定され、がたつきが防止又は抑制される。
【0049】
なお、スリーブ材10は、第一部材100の第一筒部110の外周面112の第一ネジ部114に第二部材200の第二筒部210の内周面212の第二ネジ部214をねじ込むことで、第一筒部110と第二筒部210とが容易に接合される。また、両者を容易に取り外すことができる。
【0050】
また、スリーブ材10を構成する第一部材100の第一筒部110と配管90との間に軸方向(X方向)に沿って形成されたシール代を第一シール部310、312、314でシールすることで、第一筒部110と配管90との隙間が止水される。よって、スリーブ材10の第一筒部110と配管90との隙間から屋内24への雨水の侵入が防止される。
【0051】
ここで、第一筒部110が無い場合、外壁20と壁幅が配管90とのシール代になる。外壁20は、鉄板で構成されており、壁厚、つまりシール代が殆ど形成されない。よって、シール部材でシールすることができない又は困難であり、屋内24への雨水の侵入を別の方法で防止する必要がある。
【0052】
これに対して、本実施形態では、第一筒部110の軸方向(X方向)の長さ分、シール代が形成されるので、第一シール部310、312、314でシールすることが可能となり、第一筒部110と配管90との隙間が止水される。
【0053】
また、スペーサ部180よって、スリーブ材10の第一部材100の第一鍔部130と外壁20との間に隙間26が形成され、この隙間26、つまり、シール代を第二シール部320、312でシールすることで、第一部材100の第一鍔部130と外壁20との間が止水される。よって、スリーブ材10の第一筒部110と貫通孔30との隙間から屋内24への雨水の侵入が防止される。
【0054】
ここで、スペーサ部180が無い場合、外壁20に第一鍔部130が接触し、シール代が形成されないので、シール部材でシールすることができない又は困難である。よって、第一鍔部130と外壁20との間に雨水が侵入し、更に貫通孔30から屋内24に進入するので、別の方法で防止する必要がある。
【0055】
これに対して、本実施形態では、第一部材100の第一鍔部130と外壁20との間にスペーサ部180が挟まれ、第一鍔部130と外壁20との間に隙間26が形成される。そして、この隙間26をシール代として、第二シール部320、321でシールすることで、第一部材100の第一鍔部130と外壁20との間が止水される。
【0056】
更に、第一部材100の庇部150によって、第一シール部310に雨水が直接掛からない又は掛かりにくくなるので、第一シール部310、312、314の止水性能が向上すると共に劣化速度が低減し長期間に亘って止水性能が維持される。
【0057】
ここで、庇部150と第一鍔部130の外周面132との距離が短いと、第一シール部310、312、314の施工性が低下する。よって、庇部150と第一筒部110の外周面132との距離は、第一シール部310、312、314への雨水への影響を抑えられる範囲において、長い方が良い。
【0058】
第一鍔部130の外形が真円の場合、庇部150と第一筒部110の外周面112との距離を長くするために、第一鍔部130の直径を大きくすると、上下方向だけでなく、横方向(Y方向)にも大きくなる。第一鍔部130の横幅が大きくなると、横方向(Y方向)に連続して配管90を設置する際に、その間隔が広くなる。よって、第一鍔部130の横幅は、小さいことが望ましい。
【0059】
そこで、本実施形態では、第一鍔部130を縦長の楕円形状とし、第一筒部110の軸心が楕円の第一鍔部130の円中心よりも下側に位置するようにすることで、第一鍔部130の上端130Aから第一筒部110の外周面112までの距離を大きく確保している。よって、第一鍔部130の外形が真円の場合と比較し、第一鍔部130の上端130Aから第一筒部110の外周面112までの距離を大きく確保しつつ、第一鍔部130の横幅を小さくすることができる。
【0060】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0061】
例えば、上記実施形態では、スペーサ部180は、傾斜部182を有する三角形状であったが、これに限定されるものではない。スペーサ部180は、例えば、矩形状であってもよいし、半円形状であってもよい。また、スペーサ部180は、第一鍔部130の内面130Cに設けられていれば、設ける位置及び数は適宜設定可能である。
【0062】
また、例えば、上記実施形態では、スペーサ部180は、第一部材100に形成されていたが、これに限定されるものではない。スペーサ部180は、第一部材100と別体であってもよい。別体とする場合は、スペーサ部180をリング状にすると施工性が良い。
【0063】
また、例えば、第一部材100の第一筒部110と第二部材200の第二筒部210とは、第一ネジ部114と第二ネジ部214とが螺合することで、両者が接合されていたが、これに限定されるものではない。例えば、第一部材100の第一筒部110と第二部材200の第二筒部210とは、圧入や接着等のその他の接合方法で接合されていてもよい。
【0064】
また、例えば、上記実施形態では、庇部150は、第一鍔部130と一体的に形成、上記実施形態では合成樹脂による一体成型で設けていたが、これに限定されるものではない。例えば、庇部150を第一鍔部130に接着してもよい。但し、庇部150を第一鍔部130に接着した場合、接着面に隙間が形成され、そこから雨水の垂れが発生する虞があるので、一体的に形成することが望ましい。
【0065】
スリーブ材10を構成する第一部材100及び第二部材200は、それぞれ合成樹脂を材料として構成されているが、これに限定されるものではない。第一部材100及び第二部材200の一方又は両方を合成樹脂以外、例えば金属材料で構成されていてもよい。
【0066】
また、例えば、上記実施形態では、外壁20は、鉄板で構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、鉄板以外の板材やパネル材、一例を挙げると、サンドイッチパネルで構成されていてもよい。
【0067】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0068】
10 スリーブ材
20 外壁
22 屋外
30 貫通孔
50 止水構造
90 配管
100 第一部材
110 第一筒部
112 外周面
114 第一ネジ部
130 第一鍔部
150 庇部
180 スペーサ
200 第二部材
210 第二筒部
212 内周面
214 第二ネジ部
230 第二鍔部
310 第一シール部
312 第一シール部
314 第一シール部
320 第二シール部
321 第二シール部