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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181934
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】受光装置の製造方法及び受光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
H01L21/60 311S
H01L21/92 602G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089179
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】右田 真樹
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044KK17
5F044KK18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】センサアレイと読み出し回路とを高いアライメント精度で接続できる受光装置の製造方法及び受光装置を提供する。
【解決手段】製造方法は、センサアレイ20及び読み出し回路30を準備する。第1主面22aの第2エリアA2と第2主面32aの第4エリアA4との間に接続材料40aが配置された状態で、各第1電極26と各第2電極36とが互いに対向するように、センサアレイと読み出し回路とを位置合わせする。各第1電極と各第2電極との間に間隔GPが設けられた状態で、センサアレイと読み出し回路とが接続材料によって接続されるように、第1荷重P1で読み出し回路をセンサアレイに押圧する。各第1電極と各第2電極とが接続されるように、第1荷重よりも大きい第2荷重P2で読み出し回路をセンサアレイに押圧する。第2荷重で押圧する工程の前において、各第1電極及び各第2電極のうちいずれか一方が錐体形状を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1エリアと前記第1エリアを取り囲む第2エリアとを含む第1主面を有する第1基板と、前記第1エリアに2次元状に配置された複数の受光素子と、前記複数の受光素子にそれぞれ接続された複数の第1電極と、を備えるセンサアレイを準備する工程と、
第3エリアと前記第3エリアを取り囲む第4エリアとを含む第2主面を有する第2基板と、前記第3エリアに2次元状に配置された複数の第2電極と、を備える読み出し回路を準備する工程と、
前記第1主面の前記第2エリアと前記第2主面の前記第4エリアとの間に接続材料が配置された状態で、前記複数の第1電極のそれぞれと前記複数の第2電極のそれぞれとが互いに対向するように、前記センサアレイと前記読み出し回路とを位置合わせする工程と、
前記位置合わせする工程の後、前記複数の第1電極のそれぞれと前記複数の第2電極のそれぞれとの間に間隔が設けられた状態で、前記センサアレイと前記読み出し回路とが前記接続材料によって接続されるように、第1荷重で前記読み出し回路を前記センサアレイに押圧する工程と、
前記押圧する工程の後、前記複数の第1電極のそれぞれと前記複数の第2電極のそれぞれとが接続されるように、前記第1荷重よりも大きい第2荷重で前記読み出し回路を前記センサアレイに押圧する工程と、
を含み、
前記第2荷重で押圧する工程の前において、前記複数の第1電極のそれぞれ及び前記複数の第2電極のそれぞれのうちいずれか一方が錐体形状を有する、受光装置の製造方法。
【請求項2】
前記接続材料が半田を含む、請求項1に記載の受光装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1荷重で押圧する工程と前記第2荷重で押圧する工程との間に、前記半田を溶融させるように前記接続材料を加熱する工程を更に含む、請求項2に記載の受光装置の製造方法。
【請求項4】
前記接続材料が熱硬化性樹脂を含む、請求項1に記載の受光装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1主面は矩形形状を有しており、
前記位置合わせする工程において、前記第1主面に直交する方向から見て前記接続材料が前記第1主面の角部に位置する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の受光装置の製造方法。
【請求項6】
前記位置合わせする工程において、前記接続材料は、前記第1主面に沿った方向において、前記複数の第1電極のそれぞれの第1径及び前記複数の第2電極のそれぞれの第2径よりも大きい第3径を有する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の受光装置の製造方法。
【請求項7】
第1エリアと前記第1エリアを取り囲む第2エリアとを含む第1主面を有する第1基板と、前記第1エリアに2次元状に配置された複数の受光素子と、前記複数の受光素子にそれぞれ接続された複数の第1電極と、を備えるセンサアレイと、
第3エリアと前記第3エリアを取り囲む第4エリアとを含む第2主面を有する第2基板と、前記第3エリアに2次元状に配置された複数の第2電極と、を備える読み出し回路と、
前記第1主面の前記第2エリアと前記第2主面の前記第4エリアとを接続する接続部材と、
を備え、
前記複数の第1電極のそれぞれと前記複数の第2電極のそれぞれとが接続されており、
前記複数の第1電極のそれぞれ及び前記複数の第2電極のそれぞれのうちいずれか一方が錐台形状を有する、受光装置。
【請求項8】
前記接続部材が半田を含む、請求項7に記載の受光装置。
【請求項9】
前記接続部材が熱硬化性樹脂を含む、請求項7に記載の受光装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1主面は矩形形状を有しており、
前記接続部材は、前記第1主面に直交する方向から見て前記第1主面の角部に位置する、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の受光装置。
【請求項11】
前記接続部材は、前記第1主面に沿った方向において、前記複数の第1電極のそれぞれの第1径及び前記複数の第2電極のそれぞれの第2径よりも大きい第3径を有する、請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の受光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、受光装置の製造方法及び受光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、熱膨張係数の異なる半導体チップ同士を高密度でバンプ接続するために、一辺が伸張されたバー状の金属バンプを用いることを開示する。
【0003】
非特許文献1は、ピラミッド状のバンプを用いて2つのチップ同士を接続する方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-201664号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Naoya Watanabe et al.,"Pyramid Bumps for Fine-Pitch Chip-Stack Interconnection" J. Appl.Phys. 44 2751 (2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
受光装置は、センサアレイと、センサアレイに接続された読み出し回路とを備える。センサアレイは、2次元状に配置された複数の受光素子を有する。
【0007】
受光装置を製造する際、フリップチップボンダーを用いて、各受光素子の電極と読み出し回路の電極とが接続される。1つの受光素子の電極に加えられる必要な荷重を考慮すると、受光素子の数が増加した場合、読み出し回路をセンサアレイに押圧する際に大荷重が必要になる。その場合、フリップチップボンダーでは大荷重の付与が困難であるため、比較的低いアライメント精度を有するプレス装置を用いて大荷重が付与される。
【0008】
本開示は、センサアレイと読み出し回路とを高いアライメント精度で接続できる受光装置の製造方法及び受光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一側面に係る受光装置の製造方法は、第1エリアと前記第1エリアを取り囲む第2エリアとを含む第1主面を有する第1基板と、前記第1エリアに2次元状に配置された複数の受光素子と、前記複数の受光素子にそれぞれ接続された複数の第1電極と、を備えるセンサアレイを準備する工程と、第3エリアと前記第3エリアを取り囲む第4エリアとを含む第2主面を有する第2基板と、前記第3エリアに2次元状に配置された複数の第2電極と、を備える読み出し回路を準備する工程と、前記第1主面の前記第2エリアと前記第2主面の前記第4エリアとの間に接続材料が配置された状態で、前記複数の第1電極のそれぞれと前記複数の第2電極のそれぞれとが互いに対向するように、前記センサアレイと前記読み出し回路とを位置合わせする工程と、前記位置合わせする工程の後、前記複数の第1電極のそれぞれと前記複数の第2電極のそれぞれとの間に間隔が設けられた状態で、前記センサアレイと前記読み出し回路とが前記接続材料によって接続されるように、第1荷重で前記読み出し回路を前記センサアレイに押圧する工程と、前記押圧する工程の後、前記複数の第1電極のそれぞれと前記複数の第2電極のそれぞれとが接続されるように、前記第1荷重よりも大きい第2荷重で前記読み出し回路を前記センサアレイに押圧する工程と、を含み、前記第2荷重で押圧する工程の前において、前記複数の第1電極のそれぞれ及び前記複数の第2電極のそれぞれのうちいずれか一方が錐体形状を有する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、センサアレイと読み出し回路とを高いアライメント精度で接続できる受光装置の製造方法及び受光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る受光装置を模式的に示す平面図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。
図3図3は、一実施形態に係る受光装置の製造方法における一工程を示す断面図である。
図4図4は、一実施形態に係る受光装置の製造方法における一工程を示す断面図である。
図5図5は、一実施形態に係る受光装置の製造方法における一工程を示す断面図である。
図6図6は、一実施形態に係る受光装置の製造方法における一工程を示す断面図である。
図7図7は、他の実施形態に係る受光装置を模式的に示す断面図である。
図8図8は、他の実施形態に係る受光装置を模式的に示す断面図である。
図9図9は、他の実施形態に係る受光装置を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本開示の実施形態の説明]
一実施形態に係る受光装置の製造方法は、第1エリアと前記第1エリアを取り囲む第2エリアとを含む第1主面を有する第1基板と、前記第1エリアに2次元状に配置された複数の受光素子と、前記複数の受光素子にそれぞれ接続された複数の第1電極と、を備えるセンサアレイを準備する工程と、第3エリアと前記第3エリアを取り囲む第4エリアとを含む第2主面を有する第2基板と、前記第3エリアに2次元状に配置された複数の第2電極と、を備える読み出し回路を準備する工程と、前記第1主面の前記第2エリアと前記第2主面の前記第4エリアとの間に接続材料が配置された状態で、前記複数の第1電極のそれぞれと前記複数の第2電極のそれぞれとが互いに対向するように、前記センサアレイと前記読み出し回路とを位置合わせする工程と、前記位置合わせする工程の後、前記複数の第1電極のそれぞれと前記複数の第2電極のそれぞれとの間に間隔が設けられた状態で、前記センサアレイと前記読み出し回路とが前記接続材料によって接続されるように、第1荷重で前記読み出し回路を前記センサアレイに押圧する工程と、前記押圧する工程の後、前記複数の第1電極のそれぞれと前記複数の第2電極のそれぞれとが接続されるように、前記第1荷重よりも大きい第2荷重で前記読み出し回路を前記センサアレイに押圧する工程と、を含み、前記第2荷重で押圧する工程の前において、前記複数の第1電極のそれぞれ及び前記複数の第2電極のそれぞれのうちいずれか一方が錐体形状を有する。
【0013】
上記受光装置の製造方法によれば、高いアライメント精度でセンサアレイと読み出し回路とを位置合わせした状態で、接続材料によりセンサアレイと読み出し回路とを仮止めできる。よって、その後の第2荷重で押圧する工程を行うまでにセンサアレイと読み出し回路とが位置ずれし難い。したがって、センサアレイと読み出し回路とを高いアライメント精度で接続できる。
【0014】
前記接続材料が半田を含んでもよい。この場合、半田によりセンサアレイと読み出し回路とを仮止めできる。
【0015】
上記製造方法は、前記第1荷重で押圧する工程と前記第2荷重で押圧する工程との間に、前記半田を溶融させるように前記接続材料を加熱する工程を更に含んでもよい。この場合、半田が溶融する際に、セルフアライメントにより、センサアレイと読み出し回路との間のアライメント精度が更に高くなる。
【0016】
前記接続材料が熱硬化性樹脂を含んでもよい。この場合、熱硬化性樹脂によりセンサアレイと読み出し回路とを仮止めできる。
【0017】
前記第1主面は矩形形状を有しており、前記位置合わせする工程において、前記第1主面に直交する方向から見て前記接続材料が前記第1主面の角部に位置してもよい。この場合、接続材料が第1主面の辺部に位置する場合と比べて、より高いアライメント精度が得られる。
【0018】
前記位置合わせする工程において、前記接続材料は、前記第1主面に沿った方向において、前記複数の第1電極のそれぞれの第1径及び前記複数の第2電極のそれぞれの第2径よりも大きい第3径を有してもよい。この場合、接続材料とセンサアレイとの間の接続面積及び接続材料と読み出し回路との間の接続面積が大きくなるので、センサアレイと読み出し回路とを強固に接続できる。
【0019】
一実施形態に係る受光装置は、第1エリアと前記第1エリアを取り囲む第2エリアとを含む第1主面を有する第1基板と、前記第1エリアに2次元状に配置された複数の受光素子と、前記複数の受光素子にそれぞれ接続された複数の第1電極と、を備えるセンサアレイと、第3エリアと前記第3エリアを取り囲む第4エリアとを含む第2主面を有する第2基板と、前記第3エリアに2次元状に配置された複数の第2電極と、を備える読み出し回路と、前記第1主面の前記第2エリアと前記第2主面の前記第4エリアとを接続する接続部材と、を備え、前記複数の第1電極のそれぞれと前記複数の第2電極のそれぞれとが接続されており、前記複数の第1電極のそれぞれ及び前記複数の第2電極のそれぞれのうちいずれか一方が錐台形状を有する。
【0020】
上記受光装置によれば、接続部材によりセンサアレイと読み出し回路とが高いアライメント精度で接続される。
【0021】
前記接続部材が半田を含んでもよい。この場合、半田によりセンサアレイと読み出し回路とが接続される。
【0022】
前記接続部材が熱硬化性樹脂を含んでもよい。この場合、熱硬化性樹脂によりセンサアレイと読み出し回路とが接続される。
【0023】
前記第1主面は矩形形状を有しており、前記接続部材は、前記第1主面に直交する方向から見て前記第1主面の角部に位置してもよい。この場合、接続部材が第1主面の辺部に位置する場合と比べて、より高いアライメント精度が得られる。
【0024】
前記接続部材は、前記第1主面に沿った方向において、前記複数の第1電極のそれぞれの第1径及び前記複数の第2電極のそれぞれの第2径よりも大きい第3径を有してもよい。この場合、接続部材とセンサアレイとの間の接続面積及び接続部材と読み出し回路との間の接続面積が大きくなるので、センサアレイと読み出し回路とを強固に接続できる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。図面には、互いに交差するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向が示される。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は例えば互いに直交している。
【0026】
図1は、一実施形態に係る受光装置を模式的に示す平面図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図1及び図2に示される受光装置10は、例えば赤外線イメージセンサである。受光装置10は、センサアレイ20と、読み出し回路30とを備える。センサアレイ20は、受光装置10に入射した光を電気信号に変換できる。読み出し回路30は、センサアレイ20において生成された電気信号を読み出すことができる。
【0027】
センサアレイ20は、第1基板22と、複数の受光素子24と、複数の第1電極26とを備える。第1基板22は、第1エリアA1と第2エリアA2とを含む第1主面22aを有する。第1主面22aは矩形形状を有してもよい。第2エリアA2は第1エリアA1を取り囲む。第1基板22は、例えばInP等のIII-V族化合物半導体基板であってもよい。
【0028】
複数の受光素子24は、第1エリアA1に2次元状に配置される。複数の受光素子24は、例えばX軸方向及びY軸方向にアレイ配置される。各受光素子24は例えばフォトダイオード等の半導体受光素子であってもよい。各受光素子24は1つの画素に対応する。
【0029】
複数の第1電極26は、複数の受光素子24にそれぞれ接続される。各第1電極26は各受光素子24上に設けられる。よって、複数の第1電極26は、第1エリアA1に2次元状に配置される。各第1電極26は例えば角錐台又は円錐台等の錐台形状を有してもよい。各第1電極26は、Z軸方向において各受光素子24から遠ざかるに連れて小さくなる径を有してもよい。各第1電極26は例えば金又は銅等を含む金属バンプであってもよい。第2エリアA2上に第3電極28が設けられてもよい。第3電極28は、平坦な表面を有する電極であってもよい。第3電極28は、第1電極26に含まれる材料と同じ材料を含んでもよい。
【0030】
読み出し回路30は、第2基板32と複数の第2電極36とを備える。第2基板32は、第3エリアA3と第4エリアA4とを含む第2主面32aを有する。第4エリアA4は第3エリアA3を取り囲む。第2主面32aは矩形形状を有してもよい。第2基板32は、例えばシリコン基板等の半導体基板であってもよい。
【0031】
複数の第2電極36は、第3エリアA3に2次元状に配置される。複数の第2電極36は、例えばX軸方向及びY軸方向にアレイ配置される。Z軸方向から見て、各第2電極36は、各第1電極26と少なくとも部分的に重なってもよい。各第2電極36は例えば平坦な表面を有してもよい。各第2電極36は、例えば金又は銅等を含む金属電極であってもよい。各第1電極26と各第2電極36とは接続されている。各第1電極26の頂面と各第2電極36の表面とは接合されてもよい。よって、センサアレイ20の各受光素子24は読み出し回路30に電気的に接続される。第4エリアA4上に第4電極38が設けられてもよい。第4電極38は、平坦な表面を有する電極であってもよい。第4電極38は、第2電極36に含まれる材料と同じ材料を含んでもよい。
【0032】
受光装置10は、第1主面22aの第2エリアA2と第2主面32aの第4エリアA4とを接続する接続部材40を備える。接続部材40と第2エリアA2との間に第3電極28が配置されてもよい。接続部材40と第4エリアA4との間に第4電極38が配置されてもよい。本実施形態において、接続部材40は例えば半田を含む。半田は、インジウムを含んでもよい。接続部材40は、第1主面22aに直交する方向(Z軸方向)から見て、第1主面22aの角部に位置してもよい。具体的には、第1主面22aが矩形形状を有する場合、接続部材40は、第1主面22aの角部に対向するように、Z軸方向から見て矩形の角の内側に配置される。第1主面22aの4つの角部のそれぞれに接続部材40が配置されてもよい。接続部材40は、例えばZ軸方向に延在する円柱形状を有する。接続部材40は、第1主面22aに沿った方向(Z軸方向に直交する方向)において、各第1電極26の第1径D1及び各第2電極36の第2径D2よりも大きい第3径D3を有してもよい。第1径D1は、第1主面22aに沿った方向における各第1電極26の径の最大値であってもよい。第2径D2は、第1主面22aに沿った方向における各第2電極36の径の最大値であってもよい。第2径D2は第1径D1と同じであってもよい。第3径D3は、第1主面22aに沿った方向における接続部材40の径の最大値であってもよい。接続部材40は、第3電極28と第4電極38とを接続する導電部材であってもよい。この場合、接続部材40により、センサアレイ20と読み出し回路30とを電気的に接続できる。
【0033】
受光装置10は、第1主面22aと第2主面32aとの間に設けられた樹脂部材50を備えてもよい。樹脂部材50はアンダーフィルとして機能する。樹脂部材50は例えばエポキシ樹脂を含んでもよい。樹脂部材50により受光装置10の機械的強度が向上する。
【0034】
本実施形態の受光装置10によれば、接続部材40によりセンサアレイ20と読み出し回路30とが高いアライメント精度(X軸方向及びY軸方向におけるアライメント精度)で接続される。よって、多数の受光素子24を狭ピッチで配置できる。
【0035】
接続部材40が第1主面22aの角部に位置する場合、接続部材40が第1主面22aの辺部に位置する場合と比べて、より高いアライメント精度が得られる。
【0036】
接続部材40が大きい第3径D3を有する場合、接続部材40とセンサアレイ20との間の接続面積及び接続部材40と読み出し回路30との間の接続面積が大きくなるので、センサアレイ20と読み出し回路30とを強固に接続できる。
【0037】
図3から図6は、一実施形態に係る受光装置の製造方法における一工程を示す断面図である。受光装置10は、以下の方法によって製造され得る。
【0038】
(準備工程)
まず、図3に示されるように、センサアレイ20及び読み出し回路30を準備する。本工程において、各第1電極26は例えば角錐又は円錐等の錐体形状を有してもよい。センサアレイ20の第3電極28及び読み出し回路30の第4電極38上には、接続部材40を形成するための複数の接続材料40aがそれぞれ配置されてもよい。各接続材料40aは半田を含んでもよい。接続材料40aは、センサアレイ20の第3電極28及び読み出し回路30の第4電極38のうちいずれか一方のみの上に配置されてもよい。接続材料40aは、例えばZ軸方向に延在する円柱形状を有する。
【0039】
(位置合わせ工程)
次に、図3に示されるように、第1主面22aの第2エリアA2と第2主面32aの第4エリアA4との間に接続材料40aが配置された状態で、各第1電極26と各第2電極36とが互いに対向するように、センサアレイ20と読み出し回路30とを位置合わせする。各第1電極26と各第2電極36との間には間隔GPが設けられる。本工程は、フリップチップボンダー100を用いて行われてもよい。具体的には、フリップチップボンダー100のステージST1上に読み出し回路30を載置した後、フリップチップボンダー100の駆動部DRを用いてセンサアレイ20を第1主面22aに沿った方向(X軸方向及びY軸方向)に沿って駆動する。
【0040】
本工程において、接続材料40aがZ軸方向から見て第1主面22aの角部に位置してもよい。第1主面22aの4つの角部のそれぞれに接続材料40aが配置されてもよい。接続材料40aは、第1主面22aに沿った方向において、各第1電極26の第1径D1a及び各第2電極36の第2径D2aよりも大きい第3径D3aを有してもよい。第2径D2aは第1径D1aと同じであってもよい。接続材料40aの第3径D3aは、図1及び図2に示される接続部材40の第3径D3より小さい。第3電極28は、第1主面22aに沿った方向において、接続材料40aの第3径D3aよりも大きい径D4を有してもよい。第1主面22aに沿った方向において、第1電極26はピッチPでアレイ配置される。ピッチPは30μm以下であってもよい。
【0041】
各第1電極26の第1径D1a及び高さH1は、ピッチPの半分程度であってもよい。2つの接続材料40aの合計高さH2は、第3電極28と第4電極38との間の距離と同じである。接続材料40aの第3径D3a及び合計高さH2は、ピッチPと同じ程度であってもよい。第3電極28の径D4と接続材料40aの第3径D3aとの差は、ピッチPの1/10程度であってもよい。
【0042】
ピッチPが30μmである第1実施例では、第1電極26の第1径D1a及び高さH1は、例えば10μm以上20μm以下である。接続材料40aの第3径D3a及び合計高さH2は、例えば25μm以上35μm以下である。第3電極28の径D4と接続材料40aの第3径D3aとの差は、例えば28μm以上38μm以下である。
【0043】
ピッチPが15μmである第2実施例では、第1電極26の第1径D1a及び高さH1は、例えば5μm以上10μm以下である。接続材料40aの第3径D3a及び合計高さH2は、例えば12μm以上18μm以下である。第3電極28の径D4と接続材料40aの第3径D3aとの差は、例えば14μm以上20μm以下である。
【0044】
ピッチPが10μmである第3実施例では、第1電極26の第1径D1a及び高さH1は、例えば4μm以上6μm以下である。接続材料40aの第3径D3a及び合計高さH2は、例えば9μm以上11μm以下である。第3電極28の径D4と接続材料40aの第3径D3aとの差は、例えば10μm以上12μm以下である。
【0045】
(第1押圧工程)
次に、図4に示されるように、各第1電極26と各第2電極36との間に間隔GPが設けられた状態で、センサアレイ20と読み出し回路30とが接続材料40aによって接続されるように、第1荷重P1で読み出し回路30をセンサアレイ20に押圧する。これにより、読み出し回路30をセンサアレイ20に仮圧着する。その結果、読み出し回路30とセンサアレイ20とが仮止めされる。第1荷重P1は、0N超20N以下であってもよい。本工程は、フリップチップボンダー100を用いて行われてもよい。本工程がフリップチップボンダー100を用いて行われる場合、第1荷重P1の読み出し回路30への印加は、駆動部DRによって行われる。本工程の終了後、仮止めされたセンサアレイ20及び読み出し回路30はフリップチップボンダー100から取り出される。
【0046】
(リフロー工程)
次に、接続材料40aが半田を含む場合、図5に示されるように、半田を溶融させるように接続材料40aを加熱してもよい。本工程においても各第1電極26と各第2電極36との間に間隔GPが設けられる。加熱温度は、半田の融点(例えば157℃)よりも高い。加熱により接続材料40aが溶融して液状の接続材料40bに変化すると、表面張力により、第1主面22aに沿った方向において読み出し回路30がセンサアレイ20に対して相対移動する。その結果、センサアレイ20と読み出し回路30とがセルフアライメントされる。その後、接続材料40bは冷却されて固化する。本工程は、リフロー装置200を用いて行われてもよい。本工程の終了後、センサアレイ20及び読み出し回路30はリフロー装置200から取り出される。
【0047】
(第2押圧工程)
次に、図6に示されるように、各第1電極26と各第2電極36とが接続されるように、第2荷重P2で読み出し回路30をセンサアレイ20に押圧する。第2荷重P2は第1荷重P1よりも大きい。第2荷重P2は、50N以上であってもよい。本工程において、各第1電極26の先端は各第2電極36の表面によって潰される。これにより、例えば角錐台又は円錐台等の錐台形状を有する各第1電極26が形成される。また、接続材料40bが潰されて接続部材40が形成される。本工程においてセンサアレイ20及び読み出し回路30は加熱されてもよい。これにより、各第1電極26と各第2電極36との接合強度が向上するので、各第1電極26と各第2電極36との電気抵抗も低下する。加熱温度は、接続材料40aの融点よりも低い。本工程は、第1押圧工程において用いられる押圧装置とは異なる押圧装置を用いて行われてもよい。例えば、本工程は、プレス装置300を用いて行われてもよい。具体的には、プレス装置300のステージST2上にセンサアレイ20及び読み出し回路30を載置した後、第2荷重P2で読み出し回路30をセンサアレイ20に圧着する。プレス装置300は、フリップチップボンダー100と比べて低いアライメント精度を有してもよく、またはアライメント機能自体を有さなくてもよい。プレス装置300は、フリップチップボンダー100と比べて大きな荷重(例えば10kN以上)を読み出し回路30に付与できる。
【0048】
(樹脂部材形成工程)
次に、図2に示されるように、第1主面22aと第2主面32aとの間に樹脂部材50を形成してもよい。毛管現象を用いて液状の樹脂を第1主面22aと第2主面32aとの間に配置した後、液状の樹脂を加熱して硬化させてもよい。リフロー工程と第2押圧工程との間において液状の樹脂を第1主面22aと第2主面32aとの間に配置した後、液状の樹脂を加熱して硬化させてもよい。この場合、第2押圧工程における加熱により、液状の樹脂を硬化させてもよい。
【0049】
本実施形態の製造方法によれば、高いアライメント精度でセンサアレイ20と読み出し回路30とを位置合わせした状態で、接続材料40aによりセンサアレイ20と読み出し回路30とを仮止めできる。よって、その後の第2押圧工程を行うまでに、例えばセンサアレイ20及び読み出し回路30を搬送しても、センサアレイ20と読み出し回路30とが位置ずれし難い。したがって、センサアレイ20と読み出し回路30とを高いアライメント精度で接続できる。
【0050】
リフロー工程を行うと、半田が溶融する際に、セルフアライメントにより、センサアレイ20と読み出し回路30との間のアライメント精度が更に高くなる。したがって、センサアレイ20と読み出し回路30とをより高いアライメント精度で接続できる。
【0051】
接続材料40aがZ軸方向から見て第1主面22aの角部に位置する場合、接続材料40aが第1主面22aの辺部に位置する場合と比べて、より高いアライメント精度が得られる。
【0052】
接続材料40aが大きい第3径D3aを有する場合、接続材料40aとセンサアレイ20との間の接続面積及び接続材料40aと読み出し回路30との間の接続面積が大きくなるので、センサアレイ20と読み出し回路30とを強固に接続できる。
【0053】
図7は、他の実施形態に係る受光装置を模式的に示す断面図である。図7に示される受光装置110は、第1電極26と第2電極36とが入れ替わったこと以外は図1及び図2に示される受光装置10と同じ構成を備える。よって、受光装置110では、センサアレイ20の各第1電極126が平坦な表面を有し、読み出し回路30の各第2電極136が例えば角錐台又は円錐台等の錐台形状を有する。本実施形態においても受光装置10と同様の作用効果が得られる。受光装置110は、受光装置10と同様の方法により製造され得る。
【0054】
図8は、他の実施形態に係る受光装置を模式的に示す断面図である。図8に示される受光装置210は、接続部材40に代えて接続部材140を備え、第3電極28及び第4電極38を備えないこと以外は図1及び図2に示される受光装置10と同じ構成を備える。接続部材140は熱硬化性樹脂を含む。接続部材140は、例えばエポキシ樹脂等の非導電性樹脂を含む樹脂部材であってもよいし、異方性導電性フィルム又は非導電性フィルムであってもよい。本実施形態においても受光装置10と同様の作用効果が得られる。受光装置210では、熱硬化性樹脂によりセンサアレイ20と読み出し回路30とが接続される。受光装置210は、受光装置10と同様の方法により製造され得る。受光装置210は、第3電極28及び第4電極38を備えてもよい。この場合、接続部材140は第3電極28と第4電極38との間に配置される。
【0055】
図9は、他の実施形態に係る受光装置を模式的に示す平面図である。図9に示される受光装置310は、更なる接続部材40を備えること以外は図1及び図2に示される受光装置10と同じ構成を備える。受光装置310では、Z軸方向から見て、矩形形状を有する第1主面22aの4つの角部のそれぞれに配置された接続部材40に加えて、隣り合う角部間にも接続部材40が配置される。第1主面22aの4つの辺部に沿って複数の接続部材40が配置される。本実施形態では、受光装置10と同様の作用効果に加えて、より高いアライメント精度が得られる。受光装置310は、受光装置10と同様の方法により製造され得る。
【0056】
以上、本開示の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本開示は上記実施形態に限定されない。各実施形態の各構成要素は、任意に組み合わされてもよい。
【0057】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0058】
10…受光装置
20…センサアレイ
22…第1基板
22a…第1主面
24…受光素子
26…第1電極
28…第3電極
30…読み出し回路
32…第2基板
32a…第2主面
36…第2電極
38…第4電極
40…接続部材
40a…接続材料
40b…接続材料
50…樹脂部材
100…フリップチップボンダー
110…受光装置
126…第1電極
136…第2電極
140…接続部材
200…リフロー装置
210…受光装置
300…プレス装置
310…受光装置
A1…第1エリア
A2…第2エリア
A3…第3エリア
A4…第4エリア
D1…第1径
D1a…第1径
D2…第2径
D2a…第2径
D3…第3径
D3a…第3径
D4…径
DR…駆動部
GP…間隔
H1…高さ
H2…合計高さ
P…ピッチ
P1…第1荷重
P2…第2荷重

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9