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特開2022-181966開閉装置の取付構造及び開閉装置用雨水受け
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  • 特開-開閉装置の取付構造及び開閉装置用雨水受け 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181966
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】開閉装置の取付構造及び開閉装置用雨水受け
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20221201BHJP
   E06B 7/14 20060101ALI20221201BHJP
   E04B 1/64 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
E06B9/17 W
E06B7/14
E04B1/64 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089225
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】藤井 一毅
【テーマコード(参考)】
2E001
2E036
【Fターム(参考)】
2E001DA01
2E001DA03
2E001FA32
2E001GA07
2E001GA60
2E001HB01
2E001HF02
2E001MA02
2E001MA06
2E036RA06
2E036TA07
(57)【要約】
【課題】雨水の進入による窓ガラス外面などへの雨水付着を抑制できる開閉装置の取付構造を提供する。
【解決手段】開閉装置の取付構造において、躯体51に固定されて外面に外装材57を有する外壁材19と、開口部13と外壁材19との境に配置されるサッシ枠21と、サッシ枠21の上辺部23に沿う長尺で形成されて上辺部23の外側に曲がる水切り71と、上辺部23に沿う長尺で形成されてシャッターカーテン15を収納する収納部31と、シャッターカーテン15と上辺部23との間で上辺部23よりも長尺となって受け口81に水切り71の垂下片75を配置する開閉装置用雨水受け73と、中空部93を有し開口部13を挟む左右の縦辺部に沿う長尺で形成され、開閉装置用雨水受け73の少なくとも長手方向一方の端部を挿入する挿入口97が形成される一対の外枠41と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体に固定されて外面に外装材を有する外壁材と、
前記躯体に設けられた開口部と前記外壁材との境に配置される建具枠と、
前記建具枠の上辺部に沿う長尺で形成されて前記躯体と前記外壁材との間から前記上辺部の外側に曲がって垂下する垂下片を有する水切りと、
前記上辺部に沿う長尺で形成されて前記外装材の外側から前記躯体に固定され前記開口部を覆う開閉体を収納する収納部と、
前記収納部から繰り出される前記開閉体と前記上辺部との間で前記上辺部よりも長尺となって配置され、上側が受け口となる形状の前記受け口に前記水切りの垂下片を配置する開閉装置用雨水受けと、
中空部を有し、前記開口部を挟む前記建具枠の左右の縦辺部に沿う長尺で形成され、前記開閉体の左右両側部を案内するガイドレールをそれぞれが備え、前記外装材の外側から前記躯体に固定されて前記開閉装置用雨水受けの少なくとも長手方向一方の端部を挿入する挿入口が形成される一対の外枠と、
を備えることを特徴とする開閉装置の取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉装置の取付構造であって、
前記開閉装置用雨水受けは、前記受け口を挟んで前記上辺部と反対側となる外側板部が前記収納部側に固定されることを特徴とする開閉装置の取付構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の開閉装置の取付構造であって、
前記開閉装置用雨水受けは、前記外側板部に対向する内側板部が前記上辺部に密着して躯体側に固定されることを特徴とする開閉装置の取付構造。
【請求項4】
躯体に固定されて外面に外装材を有する外壁材と、
前記躯体に設けられた開口部と前記外壁材との境に配置される建具枠と、
前記建具枠の上辺部に沿う長尺で形成されて前記躯体と前記外壁材との間から前記上辺部の外側に曲がって垂下する垂下片を有する水切りと、
前記上辺部に沿う長尺で形成されて前記外装材の外側から前記躯体に固定され前記開口部を覆う開閉体を収納する収納部と、
前記収納部から繰り出される前記開閉体と前記上辺部との間で前記上辺部よりも長尺となって配置され、上側が受け口となる形状の前記受け口に前記水切りの垂下片を配置する開閉装置用雨水受けと、
前記開口部を挟む前記建具枠の左右の縦辺部に沿う長尺で形成され、前記開閉体の左右両側部を案内するガイドレールをそれぞれが備え、前記外装材の外側から前記躯体に固定されて前記開閉装置用雨水受けの長手方向両端から隙間を有して配置される一対の外枠と、
を備えることを特徴とする開閉装置の取付構造。
【請求項5】
躯体に固定されて外面に外装材を有する外壁材と、
前記躯体に設けられた開口部と前記外壁材との境に配置される建具枠と、
前記建具枠の上辺部に沿う長尺で形成されて前記躯体と前記外壁材との間から前記上辺部の外側に曲がって垂下する垂下片を有する水切りと、
前記上辺部に沿う長尺で形成されて前記外装材の外側から前記躯体に固定され前記開口部を覆う開閉体を収納する収納部と、
中空部を有し、前記開口部を挟む前記建具枠の左右の縦辺部に沿う長尺で形成され、前記開閉体の左右両側部を案内するガイドレールをそれぞれが備え、前記外装材の外側から前記躯体に固定される一対の外枠と、
を備えた開閉装置の取付構造に用いられる開閉装置用雨水受けであって、
前記収納部から繰り出される前記開閉体と前記上辺部との間で前記上辺部よりも長尺となって配置され、上側が受け口となる形状の前記受け口に前記水切りの垂下片を配置することを特徴とする開閉装置用雨水受け。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置の取付構造及び開閉装置用雨水受けに関する。
【背景技術】
【0002】
建物躯体の開口部に設置される窓シャッターが知られている(特許文献1参照)。この窓シャッターは、建物躯体にシャッターが固定される。シャッターケースは、上枠と左右の縦枠と下枠とから構成され構造体に固着されたケース下地枠に取り付けられる。このため、シャッターケースは、外壁材の外面には固定されない。このような窓シャッターは、建物躯体にシャッターケースを固定できることから、シャッターカーテンとサッシの窓ガラスとの間への雨水の進入は防ぎやすい。ところが、建物躯体に外壁材が施工された後や、建物が既設である場合にシャッター装置を後から取り付けたいとなると、外壁面にシャッターケースを取り付けなければならない。
【0003】
特許文献2には、外壁材が施工された後や、建物が既設である場合に、外壁に取り付けられるシャッターの防水構造が提案されている。この外壁取り付けシャッターの防水構造は、シャッターケースに、上面ケース板に沿って長尺状の補強板材が設けられる。補強板材は、上面ケース板の垂直片に外壁側から当接する上側の垂直補強片を備える。この外壁取り付けシャッターの防水構造によれば、シーリング材として乾式シーリング材を用い、当該乾式シーリング材を補強板材の垂直補強片を用いて薄肉状に弾性変形させて防水構造を形成することで、品質の安定した防水構造が得られるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-154686号公報
【特許文献2】特開2012-087456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、建物外壁面の構造は、一様に平滑な面ではなく意匠性を有することが多く、例えば、タイルが貼られるものや、デザインによって凹凸を有する外壁面となるものがある。このような既設の外壁面にシャッターケースを固定する場合、タイル目地や模様等による凹部をコーキングやシーリング材により埋めなくてはならない。ところがコーキング等が不十分であったり、或いは経年変化などが生じたりすると、雨水が、外壁面とシャッターケースとの間の目地等を伝わり、窓シャッターのシャッターカーテンと開口部のサッシ窓との間に進入してしまうことがある。このような状況は、サッシ窓が存在することから屋内への雨水進入は発生しないものの、シャッターカーテンが閉まっているにも関わらず、サッシ窓のガラス外面に雨水が付着する、という不具合となるおそれがある。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、雨水の進入による窓ガラス外面などへの雨水付着を抑制できる開閉装置の取付構造及び開閉装置用雨水受けを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の開閉装置の取付構造は、躯体51に固定されて外面に外装材57を有する外壁材19と、
前記躯体51に設けられた開口部13と前記外壁材19との境に配置される建具枠21と、
前記建具枠21の上辺部23に沿う長尺で形成されて前記躯体51と前記外壁材19との間から前記上辺部23の外側に曲がって垂下する垂下片75を有する水切り71と、
前記上辺部23に沿う長尺で形成されて前記外装材57の外側から前記躯体51に固定され前記開口部13を覆う開閉体15を収納する収納部31と、
前記収納部31から繰り出される前記開閉体15と前記上辺部23との間で前記上辺部23よりも長尺となって配置され、上側が受け口81となる形状の前記受け口81に前記水切り71の垂下片75を配置する開閉装置用雨水受け73と、
中空部93を有し、前記開口部13を挟む前記建具枠21の左右の縦辺部25に沿う長尺で形成され、前記開閉体15の左右両側部を案内するガイドレール49をそれぞれが備え、前記外装材57の外側から前記躯体51に固定されて前記開閉装置用雨水受け73の少なくとも長手方向一方の端部95を挿入する挿入口97が形成される一対の外枠41と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
この開閉装置の取付構造では、収納部31と外装材57との間、外装材57と外壁材19との間、外壁材19と躯体51との間を下方へ伝わる雨による水滴は、水切り71の上面で一旦受けられた後、水切り71に設けられた垂下片75から落下する。この水滴の落下先には、開閉装置用雨水受け73の受け口81が配置されている。垂下片75から落下した水滴は、受け口81に受け止められ、開閉装置用雨水受け73に沿って、開閉装置用雨水受け73の長手方向の端部95に流れる。この開閉装置用雨水受け73の端部95は、開口部13を挟んで左右に配置されている一対の外枠41の少なくとも一方に挿入されている。外枠41は、中空部93を有する。従って、開閉装置用雨水受け73の端部95から落下した水滴は、中空部93を通って外枠41の下端へ流れ、最終的には外枠41から外装材57の表面よりも外側へ排水される。このように、水切り71により受け止められた水滴は、建具枠21の上辺部23よりも長い開閉装置用雨水受け73に受け止められて、その端部95から外枠41により外部へ排出される。すなわち、建具枠21における左右一対の縦辺部25の間で、閉鎖された開閉体15と、建具枠21に取り付けられた窓(サッシ窓29)との間には雨水が流入しなくなる。これにより、開閉装置の取付構造は、雨水の進入による窓ガラス面などへの雨水付着を抑制することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の開閉装置の取付構造は、請求項1に記載の開閉装置の取付構造であって、
前記開閉装置用雨水受け73は、前記受け口81を挟んで前記上辺部23と反対側となる外側板部83が前記収納部31側に固定されることを特徴とする。
【0010】
この開閉装置の取付構造では、開閉装置用雨水受け73の形状が、上側が受け口81となる形状となっている。このため、開閉装置用雨水受け73は、受け口81を挟んで外側が外側板部83となり、躯体51側が内側板部91となる。この開閉装置の取付構造では、このうち、開閉装置用雨水受け73の外側板部83が、上方に位置している収納部31側、例えば下面37や側面に固定される。開閉装置用雨水受け73は、収納部31側に固定されることにより、受け口81が、水切り71の垂下片75の下方に配置される。一方、受け口81を挟んで外側板部83と反対側の内側板部91は、建具枠21の上辺部23に近接または密着して配置される。これにより、建具枠21には穴あけせず、水切り71の垂下片75から落下する水滴を、受け口81で受けることができ、雨水の進入による窓ガラス面などへの雨水付着を防止することができる。
【0011】
本発明の請求項3記載の開閉装置の取付構造は、請求項1または2に記載の開閉装置の取付構造であって、
前記開閉装置用雨水受け73は、前記外側板部83に対向する内側板部91が前記上辺部23に密着して躯体51側に固定されることを特徴とする。
【0012】
この開閉装置の取付構造では、開閉装置用雨水受け73の内側板部91が、上辺部23に密着して躯体51側に固定される。ここで、躯体51側とは、建具枠21の上辺部23、或いは、躯体51そのものである。また、建具枠とは、サッシ窓29が取り付けられるサッシ枠21(すなわち、上辺部23)やその他の建具である。開閉装置用雨水受け73の形状は、上側が受け口81となる形状、例えば、長手方向に直交方向での断面形状がコ字状や、V字状、U字状などとなっている。
これにより、開閉装置の取付構造では、開閉装置用雨水受け73の内側板部91が、上辺部23に密着して躯体51側に固定されるので、内側板部91と上辺部23との間に隙間がなくなった状態で、水切り71の垂下片75の下方に受け口81が配置される。
【0013】
本発明の請求項4記載の開閉装置の取付構造は、躯体51に固定されて外面に外装材57を有する外壁材19と、
前記躯体51に設けられた開口部13と前記外壁材19との境に配置される建具枠21と、
前記建具枠21の上辺部23に沿う長尺で形成されて前記躯体51と前記外壁材19との間から前記上辺部23の外側に曲がって垂下する垂下片75を有する水切り71と、
前記上辺部23に沿う長尺で形成されて前記外装材57の外側から前記躯体51に固定され前記開口部13を覆う開閉体15を収納する収納部31と、
前記収納部31から繰り出される前記開閉体15と前記上辺部23との間で前記上辺部23よりも長尺となって配置され、上側が受け口81となる形状の前記受け口81に前記水切り71の垂下片75を配置する開閉装置用雨水受け73と、
前記開口部13を挟む前記建具枠21の左右の縦辺部25に沿う長尺で形成され、前記開閉体15の左右両側部を案内するガイドレール49をそれぞれが備え、前記外装材57の外側から前記躯体51に固定されて前記開閉装置用雨水受け73の長手方向両端から隙間99を有して配置される一対の外枠41と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
この開閉装置の取付構造では、収納部31から繰り出される開閉体15と上辺部23との間に、開閉装置用雨水受け73が配置される。開閉装置用雨水受け73は、上辺部23よりも長尺となる。開閉装置用雨水受け73は、上側が受け口81となる形状で受け口81に水切り71の垂下片75を配置する。つまり、収納部31と外装材57との間、外装材57と外壁材19との間、外壁材19と躯体51との間を下方へ伝わる水滴は、水切り71の上面で一旦受けられた後、水切り71に設けられた垂下片75から落下する。
この水滴の落下先には、開閉装置用雨水受け73の受け口81が配置されている。垂下片75から落下した水滴は、受け口81に受け止められ、開閉装置用雨水受け73に沿って、開閉装置用雨水受け73の長手方向の端部95に流れる。この開閉装置用雨水受け73の端部95は、開口部13を挟んで左右に配置されている一対の外枠41に対して隙間99を有して配置されている。従って、開閉装置用雨水受け73の端部95から落下した水滴は、建具枠21の縦辺部25と、外枠41との間で、主に外枠41に沿って外枠41の下端へ流れ、最終的には外装材57の表面よりも外側へ排水される。
このように、水切り71により受け止められた水滴は、建具枠21の上辺部23よりも長い開閉装置用雨水受け73に受け止められて、その端部95から外枠41に沿って流下して外部へ排出される。すなわち、建具枠21における左右一対の縦辺部25の間で、閉鎖された開閉体15と、建具枠21に取り付けられたサッシ窓29との間には雨水が流入しなくなる。
【0015】
本発明の請求項5記載の開閉装置用雨水受け73は、躯体51に固定されて外面に外装材57を有する外壁材19と、
前記躯体51に設けられた開口部13と前記外壁材19との境に配置される建具枠21と、
前記建具枠21の上辺部23に沿う長尺で形成されて前記躯体51と前記外壁材19との間から前記上辺部23の外側に曲がって垂下する垂下片75を有する水切り71と、
前記上辺部23に沿う長尺で形成されて前記外装材57の外側から前記躯体51に固定され前記開口部13を覆う開閉体15を収納する収納部31と、
中空部93を有し、前記開口部13を挟む前記建具枠21の左右の縦辺部25に沿う長尺で形成され、前記開閉体15の左右両側部を案内するガイドレール49をそれぞれが備え、前記外装材57の外側から前記躯体51に固定される一対の外枠41と、
を備えた開閉装置の取付構造に用いられる開閉装置用雨水受け73であって、
前記収納部31から繰り出される前記開閉体15と前記上辺部23との間で前記上辺部23よりも長尺となって配置され、上側が受け口81となる形状の前記受け口81に前記水切り71の垂下片75を配置することを特徴とする。
【0016】
この開閉装置用雨水受け73では、収納部31と外装材57との間、外装材57と外壁材19との間、外壁材19と躯体51との間を下方へ伝わる水滴は、水切り71の上面で一旦受けられた後、水切り71に設けられた垂下片75から落下する。
この水滴の落下先には、開閉装置用雨水受け73の受け口81が配置されている。垂下片75から落下した水滴は、受け口81に受け止められ、開閉装置用雨水受け73に沿って、開閉装置用雨水受け73の長手方向の端部95に流れる。この開閉装置用雨水受け73の端部95は、開口部13を挟んで左右に配置されている一対の外枠41のいずれかに挿入されている構成としてもよい。外枠41は、中空部93を有する。従って、開閉装置用雨水受け73の端部95から落下した水滴は、中空部93を通って外枠41の下端へ流れ、最終的には外枠41から外装材57の表面よりも外側へ排水される。
このように、水切り71により受け止められた水滴は、建具枠21の上辺部23よりも長い開閉装置用雨水受け73に受け止められて、その端部95から外枠41に沿って外部へ排出、或いは外枠41に端部95が挿入されていれば外枠41の中空部93を通って外部へ排出される。すなわち、建具枠21における左右一対の縦辺部25の間で、閉鎖された開閉体15と、建具枠21に取り付けられたサッシ窓29との間には雨水が流入しなくなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る請求項1記載の開閉装置の取付構造によれば、水滴が開閉装置用雨水受けに受け止められ、閉鎖された開閉体と建具枠の窓との間には雨水が流入しなくなり、雨水の進入による窓ガラス外面などへの雨水付着を抑制できる。
【0018】
本発明に係る請求項2記載の開閉装置の取付構造によれば、開閉装置用雨水受けを、開閉装置の収納部側に固定できるので、建物側への固定手段を不要にできる。また、建物側に穴をあけないで済む。
【0019】
本発明に係る請求項3記載の開閉装置の取付構造によれば、開閉装置用雨水受けの内側板部と、建具枠の上辺部との間に隙間をなくした状態で、水切りにおける垂下片の下方に受け口を配置できる。
【0020】
本発明に係る請求項4記載の開閉装置の取付構造によれば、建具枠よりも外側に配置される開閉装置の外枠に沿わせて雨水を流下させることができるので、雨水の進入による窓ガラス外面などへの雨水付着を抑制できる。
【0021】
本発明に係る請求項5記載の開閉装置用雨水受けによれば、躯体に既設の開閉装置などに対して雨水の進入による窓ガラス外面などへの雨水付着を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態に係る開閉装置の取付構造を備えた窓シャッターの外観を示す斜視図である。
図2図1に示した収納部近傍の縦断面図である。
図3図2の水切り近傍を拡大した要部拡大図である。
図4】外枠に設けられた挿入口近傍の要部拡大平断面図である。
図5】水切りと開閉装置用雨水受けと外枠とを概略的に表した要部分解斜視図である。
図6】収納部を上側から見た要部拡大平面図である。
図7】開閉装置用雨水受けの長手方向両端と外枠との間に隙間が設けられる変形例の要部拡大平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る開閉装置の取付構造を備えた窓シャッター11の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る開閉装置の取付構造は、開閉装置が窓シャッター11である場合を例に説明する。窓シャッター11は、建物の躯体51に設けられた開口部13(図4参照)を、開閉体であるシャッターカーテン15により開閉自在とする。シャッターカーテン15は、開口部13の間口方向に長いスラット17を、長辺部同士で可動可能に連結して巻回できる面状に構成される。
【0024】
窓シャッター11の取り付けられる開口部13は、内側に、建具枠が設けられる。建具枠は、建物の外壁を構成する外壁材19(図2参照)と開口部13との境に設けられる。本実施形態において、この建具枠は、サッシ枠21である。サッシ枠21は、開口部13の上部で、間口方向に延在する上辺部23(図2参照)と、開口部13を左右から挟んで上下方向に延在する一対の縦辺部25(図4参照)と、この一対の縦辺部25の下端同士を連結する敷居部27と、を有する。サッシ枠21には、敷居部27にすれ違い可能にガラス面を備えるサッシ窓29が取り付けられる。
【0025】
窓シャッター11は、サッシ枠21の上辺部23よりも上側の外壁材19の外面に、上辺部23に沿って収納部31が取り付けられる。収納部31は、上辺部23に沿う長尺で形成され、外壁材19の外側から躯体51に固定され、開口部13を覆うシャッターカーテン15を巻回して収納する。窓シャッター11は、収納部31に設けられる開閉機33(図2参照)により、シャッターカーテン15の巻取部35(図2参照)を回転することにより、収納部31の下面37(図3参照)に形成されて、上辺部23に沿って長いスリット状のカーテン出入口39(図2参照)から、シャッターカーテン15を繰り出し、また、巻き取り収納する。
【0026】
収納部31の長手方向である左右両端には、窓シャッター11の構成部材である一対の外枠41が、開口部13を左右から挟んで設けられる。一対の外枠41の下端同士は、下枠43により連結される。この下枠43には、開口部13を閉鎖した際のシャッターカーテン15の下端に取り付けられている水切りスラット45が接する。下枠43の表面は、サッシ窓29や敷居部27、シャッターカーテン15からの雨水を外壁材19よりも外側へ導いて落下させる下枠水切り47となる。
【0027】
図2は、図1に示した収納部近傍の縦断面図である。
窓シャッター11は、収納部31のカーテン出入口39から出入りして開口部13を開閉するシャッターカーテン15を、昇降可能にガイドする一対のガイドレール49が、それぞれの外枠41の対向する面に設けられる。躯体は、例えば木軸構造の建物では、柱や間柱、胴差し、まぐさ、窓台などの構造躯体51となる。構造躯体51には外壁材19が取り付けられる。なお、外壁材19と構造躯体51との間には、防水シート(不図示)が張られる。
【0028】
本実施形態において、外壁材19は、胴縁53や添え木と、下地材55と、外装材57と、を有する。外装材57は、例えばタイル(図5参照)となる。なお、外壁材19は、タイル状の外装材57を外面に有した建材や、その他の外面に凹凸のある意匠性を備えた建材、例えばレンガや、サイディング材であってもよい。タイルは、乾式工法或いは湿式工法により下地材55に取り付けられる。下地材55に取り付けられた左右上下に隣接するタイル同士の間には、例えば地震時の躯体の歪みによるタイル割れを防止するための縦目地59や横目地61(図5参照)が設けられる。この他、縦目地59や横目地61は、模様などデザインとして外表面に形成されたものであってもよい。
【0029】
窓シャッター11の収納部31は、外壁材19を貫通する固定具63、例えば釘やねじなどにより構造躯体51側に固定される。収納部31の上面には、外装材57と収納部31との間を水密にシールするシール部65が、収納部31の長手方向に渡って設けられる。シール部65は、例えば収納部31の取付ベース板67の上端に形成された凹溝部の内側に、コーキング剤69を充填することにより、外装材57表面と取付ベース板67との間を水密にシールする。
【0030】
図3は、図2の水切り近傍を拡大した要部拡大図である。
本実施形態に係る開閉装置の取付構造は、外壁材19と、サッシ枠21と、水切り71と、収納部31と、開閉装置用雨水受け73と、外枠41と、を主要な構成として有する。外壁材19は、上述のように、構造躯体51に固定されて外面に外装材57を有する。サッシ枠21は、上辺部23と、縦辺部25と、敷居部27と、からなり、構造躯体51に設けられた開口部13と外壁材19との境に配置される。
【0031】
水切り71は、サッシ枠21の上辺部23に沿う長尺で形成される。水切り71は、構造躯体51と外壁材19との間から上辺部23の外側に曲がって垂下する垂下片75を有する。水切り71は、垂下片75が、傾斜片77の傾斜下端に接続される。傾斜片77の上端には、起立片79が接続される。水切り71は、起立片79が、例えば防水シートと構造躯体51との間に挿入されて、構造躯体51に固定される。傾斜片77と、胴縁53及び下地材55等の外壁材19の下端との間は、コーキング剤69により防水シールされる。つまり、防水シートよりも外側の雨水は、傾斜片77により垂下片75へ導かれ、垂下片75の下端からサッシ枠21の外側へ排出されることになる。
【0032】
開閉装置用雨水受け73は、収納部31から繰り出されるシャッターカーテン15と上辺部23との間で上辺部23よりも長尺となって配置される。開閉装置用雨水受け73は、上側が受け口81となる。開閉装置用雨水受け73は、長手方向に直交する断面形状がコ字状となって上側に受け口81が向けられる。この受け口81の上方には、水切り71の垂下片75が配置される。つまり、水切り71の垂下片75から落下する水滴Wは、受け口81により受けられるようになっている。なお、開閉装置用雨水受け73の断面形状は、上側が受け口81となる形状であればよく、上記したコ字状以外に、例えば、V字状やU字状など凹部を有する形状とされていればよい。
【0033】
開閉装置用雨水受け73は、受け口81を挟んで上辺部23と反対側となる外側板部83が収納部31側、例えば下面37や側面など、本実施形態では収納部31の下面37に固定される。外側板部83の上端には、収納部31の下面37と平行となって外側に曲げられる固定片85が形成される。収納部31の下面37には、収納部31と一体に構成されるまぐさ87が設けられている。本実施形態では、固定片85は、このまぐさ87の下面に例えばリベットやビスなどの固定部材89により固定される。
【0034】
なお、開閉装置用雨水受け73は、外側板部83に対向する内側板部91を有する。この内側板部91は、サッシ枠21の上辺部23に近接、或いは密着する。開閉装置用雨水受け73は、この内側板部91が上辺部23に密着して構造躯体51側に固定されてもよい。
【0035】
また、開閉装置用雨水受け73は、開口部13の間口が大きい場合、間口方向となる長手方向が複数に分割されてもよい。この場合、隣接する開閉装置用雨水受け73の端部同士は、例えば、連結部材(不図示)により、連結される。連結部材は、受け口81から入った雨水を滞留させることなく、流下させることができるように、例えば開閉装置用雨水受け73の外周側で端部同士を連結する。なお、このような分割構造とすることで、既設の窓シャッターに開閉装置用雨水受け73を組み込む際に、狭小部分であるシャッターカーテン15と上辺部23との間への取り付け作業を容易なものとすることができる。
【0036】
図4は、外枠41に設けられた挿入口近傍の要部拡大平断面図である。
ところで、上述した外枠41は、中空部93を有する。外枠41は、開口部13を挟むサッシ枠21の左右の縦辺部25に沿う長尺で形成される。外枠41は、シャッターカーテン15の左右両側部を案内するガイドレール49をそれぞれが備える。外枠41は、外装材57の外側から構造躯体51に固定される。これら左右の外枠41には、開閉装置用雨水受け73の少なくとも長手方向一方の端部95を挿入可能とするように、この端部95に対応する少なくとも左右いずれか一方の外枠41に挿入口97が形成されている。
【0037】
図5は、水切り71と開閉装置用雨水受け73と外枠41とを概略的に表した要部分解斜視図である。
開閉装置用雨水受け73は、特に雨水を流下させるための勾配を設ける必要はない。勿論、開閉装置用雨水受け73は、長手方向のいずれか、或いは双方に向かって勾配が設けられていてもよい。開閉装置用雨水受け73は、長手方向両端の端部95が、左右一対の外枠41に形成された挿入口97に挿入されても勿論よい。開閉装置用雨水受け73は、サッシ枠21の上辺部23に沿って取り付けられることにより、水切り71から落下する水滴Wが、開口部13に進入しなくなる。すなわち、開閉装置用雨水受け73は、水切り71から落下する水滴Wを受け入れて、開口部13左右の少なくとも一方の外枠41における中空部93に流して排出することができる。
【0038】
図6は、収納部31を上側から見た要部拡大平面図である。
窓シャッター11は、収納部31が、上述したように、外壁材19を貫通して構造躯体51に固定される。その際、外壁材19の外面にタイルなどの外装材57が貼着され、縦目地59や横目地61が存在していると、収納部31の取付ベース板67と外装材57との間に、縦目地59や横目地61による間隙が生じる。この間隙は、コーキング剤69などにより埋められるが、充填不良や、経年劣化によるコーキング剤69の痩せ(萎み)により防水性能が不十分となることが考えられる。
【0039】
開閉装置の取付構造によれば、コーキング剤69が充填されているにも関わらず、僅かな間隙などが存在してしまうことで、収納部31の取付ベース板67と、外壁材19との間を雨水が通過し、流下することがあるが、水切り71により受け止められ、水切り71の垂下片75から落下する。垂下片75から落下した水滴Wは、その下方に配置された開閉装置用雨水受け73により受けられることになる。開閉装置用雨水受け73に受けられた水滴Wは、開口部13の左右に設けられたいずれかの外枠41の中空部93を通って、屋外へ排出されることになる。
【0040】
本実施形態に係る開閉装置用雨水受け73は、構造躯体51に固定されて外面に外装材57を有する外壁材19と、構造躯体51に設けられた開口部13と外壁材19との境に配置されるサッシ枠21と、サッシ枠21の上辺部23に沿う長尺で形成されて構造躯体51と外壁材19との間から上辺部23の外側に曲がって垂下する垂下片75を有する水切り71と、上辺部23に沿う長尺で形成されて外装材57の外側から躯体に固定され開口部13を覆うシャッターカーテン15を収納する収納部31と、中空部93を有し、開口部13を挟むサッシ枠21の左右の縦辺部25に沿う長尺で形成されシャッターカーテン15の左右両側部を案内するガイドレール49をそれぞれが備え、外装材57の外側から構造躯体51に固定される一対の外枠41と、を備えた開閉装置の取付構造に用いられる開閉装置用雨水受け73であって、収納部31から繰り出されるシャッターカーテン15と上辺部23との間で、上辺部23よりも長尺となって配置され上側が受け口81となる形状、例えば断面コ字状の、受け口81に垂下片75を配置するものである。
【0041】
図7は、開閉装置用雨水受け73の長手方向両端と外枠41との間に隙間99が設けられる変形例の要部拡大平断面図である。
なお、開閉装置の取付構造は、開閉装置用雨水受け73の端部95が、外枠41の挿入口97に挿入されていなくてもよい。すなわち、外枠41には挿入口97が設けられない。この変形例に係る開閉装置の取付構造において、外枠41は、開口部13を挟むサッシ枠21の左右の縦辺部25に沿う長尺で形成され、シャッターカーテン15の左右両側部を案内するガイドレール49をそれぞれが備え、外装材57の外側から構造躯体51側に固定されて開閉装置用雨水受け73の長手方向両端から隙間99を有して配置されることになる。開閉装置用雨水受け73は、上述と同様に、固定片85がまぐさ87の下面に固定部材89にて固定される(図3参照)。
【0042】
次に、上記した構成の作用を説明する。
【0043】
本実施形態に係る開閉装置の取付構造では、収納部31から繰り出されるシャッターカーテン15と上辺部23との間に、開閉装置用雨水受け73が配置される。開閉装置用雨水受け73は、上辺部23よりも長尺となる。開閉装置用雨水受け73は、上側が受け口81となる断面コ字状で受け口81に水切り71の垂下片75を配置する。つまり、収納部31と外装材57との間、外装材57と外壁材19との間、外壁材19と構造躯体51との間を下方へ伝わる水滴Wは、水切り71の上面で一旦受けられた後、水切り71に設けられた垂下片75から落下する。
【0044】
この水滴Wの落下先には、開閉装置用雨水受け73の受け口81が配置されている。垂下片75から落下した水滴Wは、受け口81に受け止められ、開閉装置用雨水受け73に沿って、開閉装置用雨水受け73の長手方向一方の端部95に流れる。この開閉装置用雨水受け73の端部95は、開口部13を挟んで左右に配置されている一対の外枠41のいずれかに挿入されている。外枠41は、中空部93を有する。従って、開閉装置用雨水受け73の端部95から落下した水滴Wは、中空部93を通って外枠41の下端へ流れ、最終的には外枠41から外装材57の表面よりも外側へ排水される。
【0045】
このように、水切り71により受け止められた水滴Wは、サッシ枠21の上辺部23よりも長い開閉装置用雨水受け73に受け止められて、その端部95から外枠41により外部へ排出される。すなわち、サッシ枠21における左右一対の縦辺部25の間で、閉鎖されたシャッターカーテン15と、サッシ枠21に取り付けられたサッシ窓29との間には雨水が流入しなくなる。これにより、開閉装置の取付構造は、雨水の進入による窓ガラス面などへの雨水付着を抑制することができる。
【0046】
また、この開閉装置の取付構造では、開閉装置用雨水受け73の断面形状が、長手方向に直交方向で断面コ字状となっている。このため、開閉装置用雨水受け73は、受け口81を挟んで外側が外側板部83となり、構造躯体51側が内側板部91となる。この開閉装置の取付構造では、このうち、開閉装置用雨水受け73の外側板部83が、上方に位置している収納部31の下面37に固定される。開閉装置用雨水受け73は、収納部31の下面37に固定されることにより、受け口81が、水切り71の垂下片75の下方に配置される。一方、受け口81を挟んで外側板部83と反対側の内側板部91は、サッシ枠21の上辺部23に近接、或いは密着して配置される。これにより、サッシ枠21には固定のためなどの穴あけを不要とし、水切り71の垂下片75から落下する水滴Wを、受け口81で受けることができ、雨水の進入による窓ガラス面などへの雨水付着を抑制することができる。その結果、開閉装置用雨水受け73を、窓シャッター11の収納部31に固定できるので、建物側構造躯体51への固定手段を不要にできる。また、建物側に穴をあけないで済む。
【0047】
また、この開閉装置の取付構造では、開閉装置用雨水受け73の内側板部91が、上辺部23に密着して構造躯体51側に固定される構成としてもよい。ここで、構造躯体51側とは、サッシ枠21の上辺部23、或いは、躯体そのものである。また、建具枠とは、サッシ窓29が取り付けられるサッシ枠21、すなわち、上辺部23やその他の建具である。開閉装置用雨水受け73の断面形状は、長手方向に直交方向で断面コ字状となっている。
【0048】
これにより、開閉装置の取付構造では、開閉装置用雨水受け73の内側板部91が、上辺部23に密着して構造躯体51側に固定されるので、内側板部91と上辺部23との間に隙間のない状態で、水切り71の垂下片75の下方に受け口81が配置される。
【0049】
さらに、この開閉装置の取付構造では、収納部31から繰り出されるシャッターカーテン15と上辺部23との間に、開閉装置用雨水受け73が配置される。開閉装置用雨水受け73は、上辺部23よりも長尺となる。また、開閉装置用雨水受け73の端部95は、開口部13を挟んで左右に配置されている一対の外枠41に対して隙間99を有して配置される。開閉装置用雨水受け73は、上側が受け口81となる断面コ字状で受け口81に水切り71の垂下片75を配置する。つまり、収納部31と外装材57との間、外装材57と外壁材19との間、外壁材19と構造躯体51との間を下方へ伝わる水滴Wは、水切り71の上面で一旦受けられた後、水切り71に設けられた垂下片75から落下する。
【0050】
この水滴Wの落下先には、開閉装置用雨水受け73の受け口81が配置されている。垂下片75から落下した水滴Wは、受け口81に受け止められ、開閉装置用雨水受け73の勾配に沿って、開閉装置用雨水受け73の長手方向一方の端部95に流れる。この開閉装置用雨水受け73の端部95は、一対の外枠41に対して隙間99を有して配置されている。従って、開閉装置用雨水受け73の端部95から落下した水滴Wは、サッシ枠21の縦辺部25と、外枠41との間で、主に外枠41に沿って外枠41の下端へ流れ、最終的には外装材57の表面よりも外側へ排水される。
【0051】
このように、水切り71により受け止められた水滴Wは、サッシ枠21の上辺部23よりも長い開閉装置用雨水受け73に受け止められて、その端部95から外枠41に沿って流下して外部へ排出される。すなわち、サッシ枠21における左右一対の縦辺部25の間で、閉鎖されたシャッターカーテン15と、サッシ枠21に取り付けられたサッシ窓29との間には雨水が流入しなくなる。その結果、サッシ枠21よりも外側に配置される窓シャッター11の外枠41に沿わせて雨水を流下させることができるので、雨水の進入による窓ガラス外面などへの雨水付着を抑制できる。
【0052】
そして、本実施形態に係る開閉装置用雨水受け73では、収納部31と外装材57との間、外装材57と外壁材19との間、外壁材19と構造躯体51との間を下方へ伝わる水滴Wは、水切り71の上面で一旦受けられた後、水切り71に設けられた垂下片75から落下する。
【0053】
この水滴Wの落下先には、開閉装置用雨水受け73の受け口81が配置されている。垂下片75から落下した水滴Wは、受け口81に受け止められ、開閉装置用雨水受け73に沿って、開閉装置用雨水受け73の長手方向一方の端部95に流れる。この開閉装置用雨水受け73の端部95は、開口部13を挟んで左右に配置されている一対の外枠41のいずれかに挿入されることとしてもよい。従って、開閉装置用雨水受け73の端部95から落下した水滴Wは、中空部93を通って外枠41の下端へ流れ、或いは外枠41に沿って流下し、最終的には外枠41から外装材57の表面よりも外側へ排水される。その結果、雨水の進入による窓ガラス外面などへの雨水付着を抑制できる。
【0054】
このように、水切り71により受け止められた水滴Wは、サッシ枠21の上辺部23よりも長い開閉装置用雨水受け73に受け止められて、その端部95から外枠41により外部へ排出される。すなわち、サッシ枠21における左右一対の縦辺部25の間で、閉鎖された開閉体と、サッシ枠21に取り付けられたサッシ窓29との間には雨水が流入しなくなる。
【0055】
従って、本実施形態に係る開閉装置の取付構造及び開閉装置用雨水受け73によれば、シャッターカーテン15が閉鎖した状態で、雨水の進入による窓ガラス外面などへの雨水付着を抑制できる。
【符号の説明】
【0056】
13…開口部
15…開閉体(シャッターカーテン)
19…外壁材
21…建具枠(サッシ枠)
23…上辺部
25…縦辺部
31…収納部
37…下面
41…外枠
49…ガイドレール
51…躯体(構造躯体)
57…外装材
71…水切り
73…開閉装置用雨水受け
75…垂下片
81…受け口
83…外側板部
91…内側板部
93…中空部
95…端部
97…挿入口
99…隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7