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特開2022-181971端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、および、制御方法
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  • 特開-端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、および、制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181971
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、および、制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 92/10 20090101AFI20221201BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20221201BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20221201BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20221201BHJP
【FI】
H04W92/10
H04W92/18
H04W84/10 110
H04W88/02 131
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089230
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘和
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】 OSプログラムが端末装置のメモリ内の無線プロファイルを通信装置に送信する送信処理を利用するための技術を提供する。
【解決手段】 アプリケーションプログラムは、無線インターフェイスを介して、端末装置の周囲に存在する1個以上の通信装置を検索して、1個以上の通信装置のそれぞれから、当該通信装置を示す装置情報を受信し、検索済みの1個以上の通信装置の中から対象の通信装置が選択される場合に、対象の通信装置を示す対象の装置情報をOSプログラムに供給し、1個以上のアクセスポイントを示す1個以上のアクセスポイント情報の中から対象のアクセスポイント情報が選択される場合に、対象のアクセスポイント情報をOSプログラムに供給する。OSプログラムは、無線インターフェイスを介した対象の接続を対象の装置情報によって示される対象の通信装置と確立して、対象のアクセスポイント情報を利用した送信処理を実行する。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのアプリケーションプログラムであって、
前記端末装置のOSプログラムは、
アクセスポイントによって形成されている無線ネットワークに接続するための無線プロファイルを前記端末装置のメモリに記憶する記憶処理と、
前記端末装置の無線インターフェイスを介した接続を外部の通信装置と確立する確立処理と、
前記無線インターフェイスを介した前記接続を利用して、前記メモリ内の前記無線プロファイルを前記通信装置に送信する送信処理と、
を実行可能であり、
前記アプリケーションプログラムは、前記端末装置のコンピュータを以下の各部、即ち、
前記無線インターフェイスを介して、前記端末装置の周囲に存在する1個以上の通信装置を検索して、前記1個以上の通信装置のそれぞれから、当該通信装置を示す装置情報を受信する第1の受信部と、
検索済みの前記1個以上の通信装置の中から対象の通信装置が選択される場合に、前記対象の通信装置を示す対象の前記装置情報を前記OSプログラムに供給する第1の供給部であって、
前記OSプログラムは、前記無線インターフェイスを介した対象の前記接続を前記対象の装置情報によって示される前記対象の通信装置と確立することを含む、前記対象の装置情報を利用した前記確立処理を実行する、前記第1の供給部と、
1個以上のアクセスポイントを示す1個以上のアクセスポイント情報の中から対象のアクセスポイント情報が選択される場合に、前記対象のアクセスポイント情報を前記OSプログラムに供給する第2の供給部であって、
前記OSプログラムは、前記対象のアクセスポイント情報を利用した前記送信処理を実行し、
前記対象のアクセスポイント情報を利用した前記送信処理は、
前記メモリから、前記対象のアクセスポイント情報によって示される対象のアクセスポイントによって形成されている対象の前記無線ネットワークに接続するための対象の前記無線プロファイルを取得することと、
確立済みの前記対象の接続を利用して取得済みの前記対象の無線プロファイルを前記対象の通信装置に送信することを含む、前記第2の供給部と、
として機能させる、アプリケーションプログラム。
【請求項2】
前記1個以上のアクセスポイントは、前記対象の通信装置によって検索され、
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータをさらに、
前記無線インターフェイスを介して、前記対象の通信装置から前記1個以上のアクセスポイント情報を受信する第2の受信部として機能させる、請求項1に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項3】
前記第2の受信部は、前記対象の接続を利用して、前記対象の通信装置から前記1個以上のアクセスポイント情報を受信する、請求項2に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項4】
前記対象のアクセスポイント情報を利用した前記送信処理が実行された後に、前記対象の無線プロファイルは、前記対象の通信装置と前記対象のアクセスポイントとの間の特定の接続の確立に利用され、
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータをさらに、
前記端末装置と前記対象のアクセスポイントとの間の接続と、前記対象の通信装置と前記対象のアクセスポイントとの間の前記特定の接続と、を利用して、前記対象の通信装置との通信を実行する通信実行部として機能させる、請求項1から3のいずれか一項に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項5】
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータをさらに、
前記無線インターフェイスを介して、前記対象の通信装置から前記対象の通信装置の宛先を示す宛先情報を受信する第3の受信部として機能させ、
前記通信実行部は、受信済みの前記宛先情報を利用して、前記対象の通信装置との前記通信を実行する、請求項4に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項6】
前記対象の接続は、前記対象の通信装置から前記1個以上のアクセスポイント情報が受信された後も維持され、
前記対象のアクセスポイント情報を利用した前記送信処理が実行された後に、前記対象の無線プロファイルは、前記対象の通信装置と対象のアクセスポイントとの特定の接続の確立に利用され、
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータをさらに、
前記対象の通信装置と前記対象のアクセスポイントとの間に前記特定の接続が確立された後に、前記無線インターフェイスを介して、前記対象の接続を利用して、前記対象の通信装置から前記対象の通信装置の宛先を示す宛先情報を受信する第3の受信部と
前記端末装置と前記対象のアクセスポイントとの間の接続と、前記対象の通信装置と前記対象のアクセスポイントとの間の前記特定の接続とを利用して、受信済みの前記宛先情報によって示される前記対象の通信装置との通信を実行する通信実行部と、
として機能させる、請求項1から3のいずれか一項に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項7】
前記対象のアクセスポイント情報を利用した前記送信処理は、前記端末装置においてユーザ認証のための所定の操作が入力されることをトリガとして実行される、請求項1から6のいずれか一項に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項8】
前記無線インターフェイスは、Bluetooth(登録商標)に従った無線通信を実行するためのインターフェイスであり、
前記第1の受信部は、前記1個以上の通信装置のそれぞれから、前記装置情報を含む前記Bluetoothに従ったAdvertise信号を受信する、請求項1から7のいずれか一項に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項9】
端末装置であって、
OSプログラムと、アプリケーションプログラムと、を記憶するメモリと、
コンピュータと、
を備え、
前記OSプログラムは、
アクセスポイントによって形成されている無線ネットワークに接続するための無線プロファイルを前記端末装置のメモリに記憶する記憶処理と、
前記端末装置の無線インターフェイスを介した接続を外部の通信装置と確立する確立処理と、
前記無線インターフェイスを介した前記接続を利用して、前記メモリ内の前記無線プロファイルを前記通信装置に送信する送信処理と、
を実行可能であり、
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータを以下の各部、即ち、
前記無線インターフェイスを介して、前記端末装置の周囲に存在する1個以上の通信装置を検索して、前記1個以上の通信装置のそれぞれから、当該通信装置を示す装置情報を受信する第1の受信部と、
検索済みの前記1個以上の通信装置の中から対象の通信装置が選択される場合に、前記対象の通信装置を示す対象の前記装置情報を前記OSプログラムに供給する第1の供給部であって、
前記OSプログラムは、前記無線インターフェイスを介した対象の前記接続を前記対象の装置情報によって示される前記対象の通信装置と確立することを含む、前記対象の装置情報を利用した前記確立処理を実行する、前記第1の供給部と、
1個以上のアクセスポイントを示す1個以上のアクセスポイント情報の中から対象のアクセスポイント情報が選択される場合に、前記対象のアクセスポイント情報を前記OSプログラムに供給する第2の供給部であって、
前記OSプログラムは、前記対象のアクセスポイント情報を利用した前記送信処理を実行し、
前記対象のアクセスポイント情報を利用した前記送信処理は、
前記メモリから、前記対象のアクセスポイント情報によって示される対象のアクセスポイントによって形成されている対象の前記無線ネットワークに接続するための対象の前記無線プロファイルを取得することと、
確立済みの前記対象の接続を利用して取得済みの前記対象の無線プロファイルを前記対象の通信装置に送信することを含む、前記第2の供給部と、
として機能させる、端末装置。
【請求項10】
端末装置の制御方法であって、
前記端末装置のOSプログラムは、
アクセスポイントによって形成されている無線ネットワークに接続するための無線プロファイルを前記端末装置のメモリに記憶する記憶処理と、
前記端末装置の無線インターフェイスを介した接続を外部の通信装置と確立する確立処理と、
前記無線インターフェイスを介した前記接続を利用して、前記メモリ内の前記無線プロファイルを前記通信装置に送信する送信処理と、
を実行可能であり、
前記制御方法は、
前記無線インターフェイスを介して、前記端末装置の周囲に存在する1個以上の通信装置を検索して、前記1個以上の通信装置のそれぞれから、当該通信装置を示す装置情報を受信する第1の受信工程と、
検索済みの前記1個以上の通信装置の中から対象の通信装置が選択される場合に、前記対象の通信装置を示す対象の前記装置情報を前記OSプログラムに供給する第1の供給工程であって、
前記OSプログラムは、前記無線インターフェイスを介した対象の前記接続を前記対象の装置情報によって示される前記対象の通信装置と確立することを含む、前記対象の装置情報を利用した前記確立処理を実行する、前記第1の供給工程と、
1個以上のアクセスポイントを示す1個以上のアクセスポイント情報の中から対象のアクセスポイント情報が選択される場合に、前記対象のアクセスポイント情報を前記OSプログラムに供給する第2の供給工程であって、
前記OSプログラムは、前記対象のアクセスポイント情報を利用した前記送信処理を実行し、
前記対象のアクセスポイント情報を利用した前記送信処理は、
前記メモリから、前記対象のアクセスポイント情報によって示される対象のアクセスポイントによって形成されている対象の前記無線ネットワークに接続するための対象の前記無線プロファイルを取得することと、
確立済みの前記対象の接続を利用して取得済みの前記対象の無線プロファイルを前記対象の通信装置に送信することを含む、前記第2の供給工程と、
を含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、無線プロファイルを通信装置に送信可能な端末装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、スマートフォン等の情報処理装置は、近距離無線通信部を介して、外部アクセスポイントの情報(例えばSSID、パスワード)を通信装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-184169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スマートフォンは、アプリケーションプログラムとOSプログラムを記憶する。ここで、外部アクセスポイントの情報が、OSプログラムによってスマートフォンに記憶される場合がある。この場合、アプリケーションプログラムによる外部アクセスポイントの情報の利用は、OSプログラムに制限され得る。一方、近年、OSプログラムが外部アクセスポイントの情報を外部に送信する技術が登場している。
【0005】
本明細書では、OSプログラムが端末装置のメモリ内の無線プロファイルを通信装置に送信する送信処理を利用するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、端末装置のためのアプリケーションプログラムを開示する。前記端末装置のOSプログラムは、アクセスポイントによって形成されている無線ネットワークに接続するための無線プロファイルを前記端末装置のメモリに記憶する記憶処理と、前記端末装置の無線インターフェイスを介した接続を外部の通信装置と確立する確立処理と、前記無線インターフェイスを介した前記接続を利用して、前記メモリ内の前記無線プロファイルを前記通信装置に送信する送信処理と、を実行可能であり、前記アプリケーションプログラムは、前記端末装置のコンピュータを以下の各部、即ち、前記無線インターフェイスを介して、前記端末装置の周囲に存在する1個以上の通信装置を検索して、前記1個以上の通信装置のそれぞれから、当該通信装置を示す装置情報を受信する第1の受信部と、検索済みの前記1個以上の通信装置の中から対象の通信装置が選択される場合に、前記対象の通信装置を示す対象の前記装置情報を前記OSプログラムに供給する第1の供給部であって、前記OSプログラムは、前記無線インターフェイスを介した対象の前記接続を前記対象の装置情報によって示される前記対象の通信装置と確立することを含む、前記対象の装置情報を利用した前記確立処理を実行する、前記第1の供給部と、1個以上のアクセスポイントを示す1個以上のアクセスポイント情報の中から対象のアクセスポイント情報が選択される場合に、前記対象のアクセスポイント情報を前記OSプログラムに供給する第2の供給部であって、前記OSプログラムは、前記対象のアクセスポイント情報を利用した前記送信処理を実行し、前記対象のアクセスポイント情報を利用した前記送信処理は、前記メモリから、前記対象のアクセスポイント情報によって示される対象のアクセスポイントによって形成されている対象の前記無線ネットワークに接続するための対象の前記無線プロファイルを取得することと、確立済みの前記対象の接続を利用して取得済みの前記対象の無線プロファイルを前記対象の通信装置に送信することを含む、前記第2の供給部と、として機能させる。
【0007】
このような構成によれば、アプリケーションプログラムは、1個以上の通信装置を検索して、検索結果から選択された対象の装置情報をOSプログラムに供給する。さらに、アプリケーションプログラムは、対象のアクセスポイント情報をOSプログラムに供給する。OSプログラムは、対象の装置情報を利用して、対象の通信装置との対象の接続を確立し、対象のアクセスポイント情報を利用して、メモリから対象の無線プロファイルを取得する。そして、OSプログラムは、確立済みの対象の接続を利用して、取得済みの対象の無線プロファイルを対象の通信装置に送信する。このようなアプリケーションプログラムにより、OSプログラムが端末装置のメモリ内の無線プロファイルを通信装置に送信する送信処理を利用することができる。
【0008】
上記の端末装置自身、上記の端末装置を実現するための制御方法、及び、コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】端末装置及び多機能機のブロック図を示す。
図3】端末装置を利用して多機能機を無線LANに接続する処理のシーケンス図を示す。
図4図3の続きを示す。
図5】比較例の概念図を示す。
図6】実施例の概念図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、端末装置10、多機能機100(以下では、多機能機を「MFP(Multifunction Peripheralの略)」と記載)、及び、3個のアクセスポイント50、52、54(以下では、アクセスポイントを「AP」と記載)を備える。端末装置10は、タブレットPC、スマートフォン等の携帯端末である。なお、変形例では、端末装置10は、デスクトップPC、ノートPC等の端末装置であってもよい。
【0011】
AP50~54のそれぞれは、無線LAN(Local Area Networkの略)を形成する。端末装置10とMFP(例えば100)は、各AP50~54によって形成される無線LANに接続可能である。各APは、SSID(Service Set Identifierの略)とパスワードとを記憶する。例えば、AP50は、SSID「ap01」とパスワード「xxxx」とを記憶する。
【0012】
(MFP100の構成;図2
MFP100は、印刷機能、スキャン機能、及び、ファクシミリ機能を含む多機能を実行可能な周辺装置(例えば、端末装置10の周辺装置)である。MFP100は、表示部112、操作部114、無線LANインターフェイス120、Bluetooth(登録商標)インターフェイス122、印刷実行部124、及び、制御部130を備える。各部112~130は、バス線(符号省略)に接続されている。印刷実行部124は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備える。なお、以下では、インターフェイスのことを「I/F」と記載する。また、Bluetoothのことを「BT」と記載する。
【0013】
表示部112は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部114は、複数個のキーを備える。ユーザは、操作部114を操作することによって、様々な指示をMFP100に入力することができる。表示部112は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部114)として機能する。なお、変形例では、表示部112は、タッチパネルとして機能しなくてもよい。
【0014】
無線LANI/F120は、無線LANを介した通信を実行するためのI/Fである。無線LANを介した通信は、例えば、Wi-Fi方式に従った通信(以下では「Wi-Fi通信」と記載)である。Wi-Fi方式は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば802.11a,11b,11g,11n,11ac等)に従って、無線通信を実行するための無線通信方式である。
【0015】
BTI/F122は、BT方式に従った無線通信(以下では、「BT通信」と記載)を実行するためのI/Fである。BT方式は、例えば、IEEE802.15.1の規格、及び、それに準ずる規格に基づく無線通信方式である。より具体的に言うと、BTI/F122は、BLE(Bluetooth Low Energyの略)をサポートしている。BLEは、BT方式のバージョン4.0以降のバージョンで実現されている規格である。BTI/F122は、BLEに従った無線通信(以下では「BLE通信」と記載)を実行可能である。BTI/F122は、BTI/F122を識別するデバイスID「dv1」を記憶する。
【0016】
Wi-Fi方式とBT方式との相違点を記述しておく。Wi-Fi通信の通信速度(例えば最大の通信速度が600Mbps)は、BT通信の通信速度(例えば最大の通信速度が24Mbps)よりも速い。Wi-Fi通信における搬送波の周波数は、2.4GHz帯又は5.0GHz帯である。BT通信における搬送波の周波数は、2.4GHz帯である。即ち、Wi-Fi通信における搬送波の周波数として5.0GHz帯が採用される場合には、Wi-Fi通信における搬送波の周波数とBT通信における搬送波の周波数とは異なる。また、Wi-Fi通信を実行可能な最大の距離(例えば約100m)は、BT通信を実行可能な最大の距離(例えば約数十m)よりも大きい。
【0017】
制御部130は、CPU132と、メモリ134と、を備える。CPU132は、メモリ134に記憶されているプログラム140に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0018】
MFP100のモデル名は、「MF1」であり、MFP100には、MACアドレスMA1が割り当てられている。モデル名「MF1」、MACアドレスMA1は、メモリ134に記憶されている。
【0019】
(端末装置10の構成;図2
端末装置10は、表示部12、操作部14、無線LANI/F20、BTI/F22、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0020】
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイであり、操作部14は、例えば、タッチパネルである。操作部14は、様々な指示を受け付け可能である。
【0021】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラム40、42に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。OS(Operating Systemの略)プログラム40(以下では「OS40」と記載)は、端末装置10の基本的な処理を実行するためのプログラムである。アプリケーションプログラム42(以下では、「アプリ42」と記載)は、MFP(例えば100)を無線LANに接続するためのプログラムである。
【0022】
OS40は、無線LANに接続する処理(以下では、「LAN接続処理」と記載)、及び、BTI/F22を介したペアリングを外部の装置と確立する処理(以下では、「ペア確立処理」と記載)を実行可能である。LAN接続処理は、無線LANI/F20を介して無線LANに接続するための通信を実行する処理と、当該無線LANに接続するための無線プロファイルをメモリ34に記憶する処理と、を含む。
【0023】
また、OS40は、BTI/F22を介したペアリングを利用して、メモリ34内の無線プロファイルを外部の装置に送信する処理(以下では、「プロ送信処理」と記載)も実行可能である。ここで、メモリ34内の無線プロファイルの全てをアプリ(例えば42)に提供する処理は、OS40によって制限されている。例えば、アプリ42は、OS40から無線プロファイルを取得して、当該無線プロファイルを外部の装置に送信することができない。なお、メモリ34内の無線プロファイルのうちのSSIDをアプリに提供する処理は、OS40によって制限されていない。
【0024】
本実施例では、端末装置10は、AP50によって形成されている無線LAN(以下では、「AP50の無線LAN」と記載)に現在接続されている。また、端末装置10は、AP52によって形成されている無線LAN(以下では、「AP52の無線LAN」と記載)と過去に接続した実績を有する。メモリ34には、AP50、52の無線LANのそれぞれに接続するため無線プロファイル(即ちSSID(Service Set Identifierの略)とパスワード)が記憶されている。
【0025】
(MFPを無線LANに接続する処理;図3図4
図3図4を参照して、通信システム2によって実現される処理について説明する。具体的には、図3図4は、端末装置10を利用して、MFP100をAP50によって形成されている無線LANに接続するケースを示す。
【0026】
以下では、端末装置10のCPU32がOS40に従って実行する処理について、理解の容易さの観点から、CPU32を主体として記載せずに、OS40を主体として記載する。また、CPU32がアプリ42に従って実行する処理も、アプリ42を主体として記載する。また、MFP100のCPU132が実行する処理は、CPU132を主体として記載せず、MFP100を主体として記載する。
【0027】
本ケースの初期段階では、MFP100の電源は既にオンされている。MFP100は、電電オンをトリガとして、BTI/F122を介して、BLEに従ったAdvertise信号をブロードキャストに送信することを開始する。当該Advertise信号は、BTI/F122を識別するデバイスID「dv1」と、MFP100のモデル名「MF1」と、を含む。
【0028】
また、本ケースの初期段階では、アプリ42は既に起動している。ユーザは、T10において、無線LANへの接続のセットアップの指示を端末装置10の操作部14に入力する。これにより、アプリ42は、BTI/F22を介して、端末装置10の周囲に存在するMFPを検索する。具体的には、アプリ42は、BTI/F22を介して、外部からAdvertise信号を受信することを監視する。本ケースでは、MFP100の電源がオンされているので、アプリ42は、T12において、BTI/F22を介して、MFP100からAdvertise信号を受信する。なお、変形例では、アプリ42は、BLEに従った他の信号(例えばScan要求)の受信を監視してもよい。
【0029】
T14では、アプリ42は、周囲のMFPの検索結果のリストを含む画面SC1を表示部12に表示させる。当該リストは、外部から受信した1個以上のAdvertise信号に含まれる1個以上のモデル名を含む。本ケースでは、アプリ42は、1個のMFP100から1個のAdvertise信号を受信する。リストは、MFP100のモデル名「MF1」を含む。
【0030】
T20では、アプリ42は、操作部14を介して、画面SC1内のリストからモデル名「MF1」を選択する指示を受ける。
【0031】
T22では、アプリ42は、OS40のAPI(Application Programming Interfaceの略)を利用して、T20で選択されたモデル名「MF1」に対応するAdvertise信号に含まれるデバイスID「dv1」をOS40に供給する。例えば、OS40の提供者は、OS40のAPIとして、LAN接続処理、ペア確立処理、及び、プロ送信処理のコードを公開している。T22では、ペア確立処理のコードが利用される。
【0032】
OS40は、T22において、アプリ42からデバイスID「dv1」を取得すると、T24~T30において、デバイスID「dv1」を利用したペア確立処理を実行する。
【0033】
T24では、OS40は、BTI/F22を介して、T22で取得したデバイスID「dv1」によって示されるMFP100のBTI/F122を宛先とする、BLEに従ったScan要求をユニキャストに送信する。これにより、OS40は、T26において、BTI/F22を介して、MFP100のBTI/F122から、当該Scan要求に対するScan応答を受信する。
【0034】
T28では、OS40は、BTI/F22を介して、PINコード等を利用した認証を実行して、MFP100のBTI/F122とのペアリングを確立する。
【0035】
T30では、OS40は、ペアリングの確立が完了したことを示すペアリング確立通知をアプリ42に供給する。
【0036】
一方、MFP100は、T28において、端末装置10とのペアリングが確立されると、MFP100の周囲に存在するAPを検索する。本ケースでは、MFP100の周囲には、3個のAP50~54が存在する。このため、MFP100は、T40A~T40Cにおいて、無線LANI/F120を介して、3個のAP50~54のそれぞれからビーコン信号を受信する。ビーコン信号は、APがブロードキャストに送信する信号であり、当該APのSSID(例えばAP50のSSID「ap01」)を含む。
【0037】
アプリ42は、T30において、OS40からペアリング確立通知を取得すると、T50において、OS40のAPIを利用して、T28のペアリングを利用したRead要求をOS40に供給する。これにより、OS40は、T52において、BTI/F22を介して、T28のペアリングを利用して、T40A~T40Cの検索結果を要求するRead要求をMFP100に送信する。
【0038】
T54では、OS40は、BTI/F22を介して、T28のペアリングを利用して、T52のRead要求に対する応答として、MFP100から検索結果であるSSIDリストを受信し、当該SSIDリストをアプリ42に供給する。当該SSIDリストは、3個のAP50~54の3個のSSID「ap01」、「ap02」、「ap03」を含む。
【0039】
本ケースでは、端末装置10のメモリ34には、無線プロファイルとして、2個のSSID「ap01」、「ap02」が記憶されており、SSID「ap03」が記憶されていない。アプリ42は、T54で取得したSSIDリストから、無線プロファイルとしてメモリ34に記憶されていないSSID「ap03」を除く。そして、アプリ42は、T56において、2個のSSID「ap01」、「ap02」のリストを含む画面SC2を表示部12に表示させる。即ち、端末装置10の周囲の3個のAP50~56のうち、端末装置10との接続の実績を有する2個のAP50、54のSSIDのリストが表示される。
【0040】
例えば、T40A~T54の処理が実行されず、アプリ42が、メモリ34内の2個のSSID「ap01」、「ap02」のリストを含む画面を表示する比較例が想定される。この比較例では、例えば、MFP100の周囲にAP52が存在しない状況において、AP52のSSID「ap02」が表示される。この場合に、SSID「ap02」が選択されると、MFP100の周囲にAP52が存在しないことに起因して、MFP100の無線LANへの接続が失敗する可能性がある。これに対して、本実施例の構成によれば、アプリ42は、MFP100の検索結果をMFP100から受信して(T54)、当該検索結果を利用して画面SC2を表示する(T56)。即ち、MFP100の周囲に存在しないAPのSSIDは表示されない。MFP100の無線LANへの接続が失敗することを抑制することができる。なお、変形例では、上記の比較例の構成が採用されてもよい。
【0041】
また、アプリ42は、T28のペアリングを利用して、MFP100の検索結果をMFP100から受信する(T54)。T28のペアリングは、OS40のプロ送信処理で利用されるペアリングである。本実施例では、OS40のプロ送信処理で利用されるペアリングを、MFP100の検索結果を受信する用途にも流用することができる。
【0042】
続く図4のT70では、アプリ42は、操作部14を介して、画面SC2内のリストから、AP50のSSID「ap01」を選択する指示を受ける。
【0043】
T72では、アプリ42は、OS40のAPIのうちのプロ送信処理のコードを利用して、T70で選択されたSSID「ap01」をOS40に供給する。
【0044】
OS40は、T72において、アプリ42からSSID「ap01」を取得すると、T74~T94において、SSID「ap01」を利用したプロ送信処理を実行する。
【0045】
T74では、OS40は、プロ送信処理の実行をユーザに確認するための画面SC3を表示部112に表示させる。画面SC3は、OS40がユーザを認証するためのパスコードを入力するための入力欄を含む。なお、変形例では、画面SC3は、生体認証(例えば指紋認証、顔認証等)の実行を要求するメッセージを含んでいてもよい。
【0046】
T80では、OS40は、操作部14を介して、パスコードを画面SC3内の入力欄に入力する操作を受ける。本ケースでは、T82において、T80で入力されたパスコードの認証が成功する。OS40は、パスコードの認証が成功すると、T84以降の処理を実行する。なお、仮に、パスコードの認証が失敗する場合には、OS40は、T84以降の処理を実行しない。このような構成によれば、ユーザの意図に反して、プロ送信処理が実行されることを抑制することができる。
【0047】
T84では、OS40は、メモリ34から、T72で取得したSSID「ap01」を含む無線プロファイルを取得する。
【0048】
T90では、OS40は、BTI/F22を介して、図3のT28のペアリングを利用して、T84で取得した無線プロファイル(即ちSSID「ap01」とパスワード「xxxx」)を含むWrite要求をMFP100に送信する。これにより、T92において、MFP100は、T90で受信した無線プロファイルを利用して、AP50との無線接続を確立する。即ち、MFP100が、AP50によって形成されている無線LANに接続される。
【0049】
MFP100は、T92において、AP50との無線接続を確立すると、T94において、BTI/F122を介して、図3のT28のペアリングを利用して、MFP100がAP50の無線LANに接続されたことを示す接続完了通知を端末装置10に送信する。当該接続完了通知は、OS40を介して、アプリ42に供給される。
【0050】
アプリ42は、T94において、OS40から接続確立通知を取得すると、T100の処理を実行する、T100は、MFP100のIPアドレスとMACアドレスMA1とを要求するRead要求が利用される点を除いて、T50、T52と同様である。当該IPアドレスは、T92において、AP50によってMFP100に割り当てられる。
【0051】
T104では、アプリ42は、BTI/F22及びOS40を介して、図3のT28のペアリングを利用して、T102のRead要求に対する応答として、MFP100からMFP100のIPアドレスとMACアドレスMA1を受信する。このような構成によれば、OS40のプロ送信処理で利用されるペアリングを、MFP100のIPアドレスとMACアドレスMA1の受信に流用することができる。
【0052】
T110では、アプリ42は、OS40のAPIを利用して、無線LANI/F20を介して、AP50によって形成されている無線LANに接続されているMFP100を検索する検索信号を送信する。当該検索信号は、T104で取得した情報(即ちMFP100のIPアドレスとMACアドレスMA1)を含む。当該検索信号は、端末装置10とAP50との間の無線接続と、MFP100とAP50との間の無線接続と、を利用して、MFP100に受信される。当該検索信号は、ユニキャストに送信される。
【0053】
T112では、アプリ42は、無線LANI/F20及びOS40を介して、MFP100からT110の検索信号に対する応答信号を受信する。当該検索信号は、MFP100のモデル名「MF1」を含む。
【0054】
T114では、アプリ42は、T104で受信した情報(即ちMFP100のIPアドレスとMACアドレスMA1)とT112で受信したモデル名「MF1」とを、制御対象のMFP100を示す情報としてメモリ34に記憶する。そして、アプリ42は、印刷、スキャン等の機能の実行の指示を受け付けるための画面SC4を表示部12に表示させる。画面SC4は、制御対象のMFP100を示すモデル名「MF1」を含む。
【0055】
アプリ42は、画面SC4内の「Print」ボタンの選択を受けると、T120において、OS40のAPIを利用して、印刷対象の画像を示す印刷データをOS40に供給する。これにより、OS40は、無線LANI/F20とAP50を介して、AP50によって形成されている無線LANを利用して、印刷対象の画像を示す印刷データをMFP100に送信する。
【0056】
MFP100は、T120において、AP50と無線LANI/F120を介して、端末装置10から印刷データを受信すると、T122において、印刷データによって示される画像の印刷を印刷実行部124に実行させる。
【0057】
(本実施例の効果)
本実施例の構成によれば、アプリ42は、1個以上のMFPを検索して、検索結果から選択されたMFP100を示すデバイスID「dv1」をOS40に供給する(図3のT22)。さらに、アプリ42は、接続対象のAP50を示すSSID「ap01」をOS40に供給する(図4のT72)。OS40は、アプリ42から取得したデバイスID「dv1」を利用して、MFP100とのペアリングを確立し(図3のT28)、アプリ42から取得したSSID「ap01」を利用して、メモリ34からAP50の無線プロファイルを取得する(図4のT84)。そして、OS40は、確立済みのペアリングを利用して、取得済みのAP50の無線プロファイルをMFP100に送信する。本実施例のアプリ42により、OS40によって提供されるプロ送信処理を利用することができる。
【0058】
また、上記の実施例では、アプリ42は、BTI/F22を介して、AP50の無線LANの子局として動作するMFP100の宛先を示す宛先情報(即ちIPアドレスとMACアドレスMA1)を受信する(図4のT104)。そして、アプリ42は、プロ送信処理の実行後に、宛先情報を利用して、無線LANI/F20を介して、MFP100との通信を実行する(T110、T120)。例えば、T104の処理が実行されない比較例が想定される。この比較例では、アプリ42は、例えば、無線LANI/F20を介して、AP50の無線LANの子局を検索する信号をブロードキャストに送信して、MFP100から宛先情報を受信する。本実施例では、無線LANI/F20を介した検索を実行することなく、宛先情報を取得することができる。なお、変形例では、上記の比較例の構成を採用してもよい。
【0059】
(本実施例の他の効果;図5図6
(比較例の概念;図5
本実施例の他の効果を説明する前に、図5を参照して、OS40のプロ送信処理を利用する比較例について説明する。比較例の端末装置900のアプリ942は、Y1において、OS40のAPIのうちの検索コードをOS40に供給する。ここで、検索コードは、BTI/F22を介したAdvertise信号の検索をOS40に実行させて、Advertise信号内の情報をOS40から取得するためのコードである。
【0060】
Y2では、OS40は、Y1の検索コードに従って、MFP100から、デバイスID「dv1」を含むAdvertise信号を受信する。ここで、検索コードによる情報の取得は、OS40により認証された装置にのみ許可される。本比較例では、Y3において、Advertise信号内のデバイスID「dv1」の認証が成功する。この結果、Y4において、アプリ942は、OS40からデバイスID「dv1」を取得する。なお、仮に、Advertise信号内のデバイスID「dv1」の認証が失敗する場合には、Y4以降の処理は実行されない。
【0061】
Y5では、アプリ942は、OS40のAPIのペア確立処理を利用して、Y3で取得したデバイスID「dv1」をOS40に供給する。Y6では、OS40は、Y5で取得したデバイスID「dv1」を利用したペア確立処理を実行して、MFP100とのペアリングを確立する。Y7では、OS40は、Y6で確立したペアリングを利用したプロ送信処理を実行して、メモリ34内の無線プロファイルをMFP100に送信する。
【0062】
Y3に示すように、本比較例では、デバイスID「dv1」の認証の失敗に起因して、無線プロファイルのMFP100に送信が失敗する可能性がある。
【0063】
(実施例の概念;図6
本実施例では、アプリ42は、図5のY1の処理を実行しない。即ち、T1では、アプリ42は、BTI/F22を介したAdvertise信号の検索を実行する(図3のT12参照)。T2では、アプリ42は、OS40のAPIのペア確立処理のコードを利用して、T1の検索で取得したデバイスID「dv1」をOS40に供給する(図3のT22参照)。T3では、OS40は、デバイスID「dv1」を利用したペア確立処理を実行する(図3のT28参照)。T4では、OS40は、T3で確立したペアリングを利用したプロ送信処理を実行して、メモリ34内の無線プロファイルをMFP100に送信する(図4のT90)。本実施例の構成によれば、図5の比較例のY3の処理を実行することなく、OS40のプロ送信処理を利用することができる。メモリ34内の無線プロファイルのMFP100への送信が失敗することを抑制することができる。
【0064】
(対応関係)
端末装置10、アプリ42、OS40、メモリ34、BTI/F22が、それぞれ、「端末装置」、「アプリケーションプログラム」、「OSプログラム」、「メモリ」、「無線インターフェイス」の一例である。LAN接続処理、ペア確立処理、プロ送信処理が、それぞれ、「記憶処理」、「確立処理」、「送信処理」の一例である。MFP100が、「1個以上の通信装置(対象の通信装置)」の一例である。デバイスID「dv1」が、「装置情報(対象の装置情報)」の一例である。AP50~54が、「1個以上のアクセスポイント」の一例である。SSID「ap01」~「ap03」が、「1個以上のアクセスポイント情報」の一例である。SSID「ap01」、AP50によって形成されている無線LANが、それぞれ、「対象のアクセスポイント情報」、「対象の無線ネットワーク」の一例である。SSID「ap01」とパスワード「xxxx」が、「対象の無線プロファイル」の一例である。T28のペアリングが、「対象の接続」の一例である。図4のT92の無線接続が、「特定の接続」の一例である。IPアドレス及びMACアドレスMA1が、「宛先情報」の一例である。図4のT80の操作が、「所定の操作」の一例である。
【0065】
図3のT12、T22、図4のT72が、それぞれ、「第1の受信部」、「第1の供給部」、「第2の供給部」によって実現される処理の一例である。
【0066】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0067】
(変形例1)「通信装置」は、MFP100に限らず、プリンタ、スキャナ、FAX機、デスクトップPC、ノートPC等であってもよい。
【0068】
(変形例2)「通信インターフェイス」は、BTI/F22に限らず、例えば、無線LANI/F20であってもよい。「通信インターフェイス」が無線LANI/F20である変形例では、アプリ42は、無線LANI/F20を介して、MFP100からデバイスID「dv1」を受信してもよい。また、OS40は、ペアリングに代えて、Wi-Fi Direct(登録商標)に従った無線接続を確立し、当該無線接続を利用して無線プロファイルをMFP100に送信してもよい。
【0069】
(変形例3)図3のT54の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「第2の受信部」を省略可能である。
【0070】
(変形例4)図3のT54の処理において、T28のペアリングが利用されなくてもよい。例えば、アプリ42は、T28のペアリングとは異なるペアリング、又は、Scan要求に対するScan応答等を利用して、MFP100からSSIDのリストを受信してもよい。
【0071】
(変形例5)図4のT110~T120の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「通信実行部」を省略可能である。
【0072】
(変形例6)図4のT104の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「第3の受信部」を省略可能である。
【0073】
(変形例7)図4のT104の処理において、T28のペアリングが利用されなくてもよい。例えば、アプリ42は、T28のペアリングとは異なるペアリング、又は、Scan要求に対するScan応答等を利用して、MFP100からIPアドレスとMACアドレスMA1とを受信してもよい。
【0074】
(変形例8)「所定の操作」は、パスコードを入力することに限らない。例えば、図4に示す変形例では、画面SC3は、パスコードを入力するための入力欄に代えて、ユーザからの許可を受け付ける「OK」ボタンを含んでいてもよい。本変形例では、「OK」ボタンを選択する操作が、「所定の操作」の一例である。
【0075】
(変形例9)図4のT74、T80の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「所定の操作」を省略可能である。
【0076】
(変形例10)上記の各実施例では、図3図4の各処理がソフトウェア(例えば各プログラム40、42、140等)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0077】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0078】
2:通信システム、10:端末装置、12:表示部、14:操作部、20:無線LANI/F、22:BTI/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、40:OS、42:アプリ、50~54:AP、100:MFP、112:表示部、114:操作部、120:無線LANI/F、122:BTI/F、124:印刷実行部、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、140:プログラム、MA1:MACアドレス、SC1~SC4:画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6