(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182003
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】行動予測支援装置及び行動予測支援方法並びに行動予測システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221201BHJP
G06Q 10/04 20120101ALI20221201BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20221201BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/04
G06N20/00 130
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089276
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】女川 正起
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】行動予測の演算処理を簡素化することを目的とする。
【解決手段】行動予測支援装置10は、センサからセンサ情報を受信する受信部21と、センサ情報に基づいて行動情報を作成する行動情報作成部22と、過去に作成された複数の行動情報を教師データとして用いて、機械学習により第1予測モデルを生成する第1予測モデル生成部24と、第1予測モデルを用いて、過去の行動情報に対して行動予測を行う予測処理部26と、予測処理部26の行動予測結果と、該行動予測結果を得たときの過去の行動情報に基づく行動条件とを対応付けた第2予測モデルを生成する第2予測モデル生成部27と、第2予測モデルに含まれる行動予測結果に対応する操作対象デバイスを特定するデバイス特定部29と、特定した操作対象デバイスを制御する制御装置に対して第2予測モデルを送信する送信部30とを具備する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人または動物の行動予測を支援する行動予測支援装置であって、
センサからセンサ情報を受信する受信部と、
前記センサ情報に基づいて行動情報を作成する行動情報作成部と、
過去に作成された複数の前記行動情報を教師データとして用いて、機械学習により第1予測モデルを生成する第1予測モデル生成部と、
前記第1予測モデルを用いて、過去の前記行動情報に対して行動予測を行う予測処理部と、
前記予測処理部の行動予測結果と、該行動予測結果を得たときの過去の前記行動情報に基づく行動条件とを対応付けた第2予測モデルを生成する第2予測モデル生成部と、
前記第2予測モデルに含まれる前記行動予測結果に対応する操作対象デバイスを特定するデバイス特定部と、
特定した前記操作対象デバイスを制御する制御装置に対して前記第2予測モデルを送信する送信部と
を具備する行動予測支援装置。
【請求項2】
前記第1予測モデル生成部は、所定のタイミングで、複数の前記行動情報が蓄積される行動情報蓄積部から新規の前記行動情報を含む複数の前記行動情報を取得し、取得した複数の前記行動情報を教師データとして用いて機械学習を行うことにより、前記第1予測モデルを更新する請求項1に記載の行動予測支援装置。
【請求項3】
前記予測処理部は、複数の時系列の前記行動情報の組み合わせを入力情報として用いて前記行動予測を行い、
前記第2予測モデル生成部は、前記予測処理部の行動予測結果と、該行動予測結果を得たときの複数の時系列の前記行動情報の組み合わせを含む行動条件とを対応づけることにより、前記第2予測モデルを生成する請求項1又は2に記載の行動予測支援装置。
【請求項4】
通信機能を有する操作対象デバイスと、
請求項1から3のいずれかに記載の行動予測支援装置と
を備え、
前記操作対象デバイスは、
センサから出力される最新のセンサ情報に基づいて作成されたリアルタイム行動情報を含む比較行動条件と、前記行動予測支援装置から受信した前記第2予測モデルに含まれる行動条件とを照合する照合部と、
前記照合部による一致度が基準値以上である前記第2予測モデルを特定するモデル特定部と、
特定された前記第2予測モデルに含まれる行動予測結果に基づいてデバイス制御を行う制御部と、
を具備する行動予測システム。
【請求項5】
前記基準値は、ユーザによって変更可能とされている請求項4に記載の行動予測システム。
【請求項6】
前記操作対象デバイスは、前記センサを搭載している請求項4又は5に記載の行動予測システム。
【請求項7】
前記操作対象デバイスは、前記行動予測支援装置から前記リアルタイム行動情報を取得する請求項4から6のいずれかに記載の行動予測システム。
【請求項8】
前記操作対象デバイスは、
前記センサからセンサ情報を受信する受信部と、
前記センサ情報に基づいて前記リアルタイム行動情報を作成する行動情報作成部と
を備える請求項4から6のいずれかに記載の行動予測システム。
【請求項9】
人または動物の行動予測を支援する行動予測支援方法であって、
センサからセンサ情報を受信する受信工程と、
前記センサ情報に基づいて行動情報を作成する行動情報作成工程と、
過去に作成された複数の前記行動情報を教師データとして用いて、機械学習により第1予測モデルを生成する第1予測モデル生成工程と、
前記第1予測モデルを用いて、過去の前記行動情報に対して行動予測を行う予測処理工程と、
前記予測処理工程の行動予測結果と、該行動予測結果を得たときの過去の前記行動情報に基づく行動条件とを対応付けた第2予測モデルを生成する第2予測モデル生成工程と、
前記第2予測モデルに含まれる前記行動予測結果に対応する操作対象デバイスを特定するデバイス特定工程と、
特定した前記操作対象デバイスを制御する制御装置に対して前記第2予測モデルを送信する送信工程と
をコンピュータが実行する行動予測支援方法。
【請求項10】
通信機能を有する操作対象デバイスと、
前記操作対象デバイスを制御する制御装置と、
請求項1から3のいずれかに記載の行動予測支援装置と
を備え、
前記制御装置は、
センサから出力される最新のセンサ情報に基づいて作成されたリアルタイム行動情報を含む比較行動条件と、前記行動予測支援装置から受信した前記第2予測モデルに含まれる行動条件とを照合する照合部と、
前記照合部による一致度が基準値以上である前記第2予測モデルを特定するモデル特定部と、
特定された前記第2予測モデルに含まれる行動予測結果に基づいて前記操作対象デバイスを制御するデバイス制御部と、
を具備する行動予測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行動予測支援装置及び行動予測支援方法並びに行動予測システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、IoT(Internet of Things)デバイスが普及しつつある。また、IoTデバイスの普及に伴い、これらのIoTデバイスから得られたセンサ情報を用いて機械学習を行い、人の行動予測を行う技術が提案されている。例えば、特許文献1には、IoTデバイスから収集したセンサ情報を用いてサービスを提供するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、IoTデバイス等のセンサから取得した情報を用いて機械学習を行うことにより、行動予測を行う従来の方法は、ある程度の大きなメモリ容量や高い処理能力を必要とする。このため、処理能力が比較的低く、また、メモリ容量も比較的少ないIoTデバイス(IoT機器)に、機械学習の機能を搭載して行動予測を行わせることは現実的ではなかった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、行動予測の演算処理を簡素化することのできる行動予測支援装置及び行動予測支援方法並びに行動予測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、人または動物の行動予測を支援する行動予測支援装置であって、センサからセンサ情報を受信する受信部と、前記センサ情報に基づいて行動情報を作成する行動情報作成部と、過去に作成された複数の前記行動情報を教師データとして用いて、機械学習により第1予測モデルを生成する第1予測モデル生成部と、前記第1予測モデルを用いて、過去の前記行動情報に対して行動予測を行う予測処理部と、前記予測処理部の行動予測結果と、該行動予測結果を得たときの過去の前記行動情報に基づく行動条件とを対応付けた第2予測モデルを生成する第2予測モデル生成部と、前記第2予測モデルに含まれる前記行動予測結果に対応する操作対象デバイスを特定するデバイス特定部と、特定した前記操作対象デバイスを制御する制御装置に対して前記第2予測モデルを送信する送信部とを具備する行動予測支援装置である。
【0007】
本発明の第2態様は、通信機能を有する操作対象デバイスと、上記の行動予測支援装置とを備え、前記操作対象デバイスは、センサから出力される最新のセンサ情報に基づいて作成されたリアルタイム行動情報を含む比較行動条件と、前記行動予測支援装置から受信した前記第2予測モデルに含まれる行動条件とを照合する照合部と、前記照合部による一致度が基準値以上である前記第2予測モデルを特定するモデル特定部と、特定された前記第2予測モデルに含まれる行動予測結果に基づいてデバイス制御を行う制御部と、を具備する行動予測システムである。
【0008】
本発明の第3態様は、人または動物の行動予測を支援する行動予測支援方法であって、センサからセンサ情報を受信する受信工程と、前記センサ情報に基づいて行動情報を作成する行動情報作成工程と、過去に作成された複数の前記行動情報を教師データとして用いて、機械学習により第1予測モデルを生成する第1予測モデル生成工程と、前記第1予測モデルを用いて、過去の前記行動情報に対して行動予測を行う予測処理工程と、前記予測処理工程の行動予測結果と、該行動予測結果を得たときの過去の前記行動情報に基づく行動条件とを対応付けた第2予測モデルを生成する第2予測モデル生成工程と、前記第2予測モデルに含まれる前記行動予測結果に対応する操作対象デバイスを特定するデバイス特定工程と、特定した前記操作対象デバイスを制御する制御装置に対して前記第2予測モデルを送信する送信工程とをコンピュータが実行する行動予測支援方法である。
【0009】
本発明の第4態様は、通信機能を有する操作対象デバイスと、前記操作対象デバイスを制御する制御装置と、上記の行動予測支援装置とを備え、前記制御装置は、センサから出力される最新のセンサ情報に基づいて作成されたリアルタイム行動情報を含む比較行動条件と、前記行動予測支援装置から受信した前記第2予測モデルに含まれる行動条件とを照合する照合部と、前記照合部による一致度が基準値以上である前記第2予測モデルを特定するモデル特定部と、特定された前記第2予測モデルに含まれる行動予測結果に基づいて前記操作対象デバイスを制御するデバイス制御部と、を具備する行動予測システムである。
【発明の効果】
【0010】
行動予測の演算処理を簡素化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る行動予測システムの全体構成を概略的に示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る行動予測支援装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る行動予測支援装置が有する行動予測支援機能の一例を示した機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る行動情報の一例を示した図である。
【
図5】隠れマルコフモデルにおける状態間の遷移確率の行列の一例を示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る行動条件の一例を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る操作対象デバイスが備える制御装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る操作対象デバイスが有する機能の一例を示した機能ブロック図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る行動予測支援装置によって実行される行動情報作成処理の手順の一例を示したフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係る行動予測支援装置によって実行される第2予測モデル生成処理の手順の一例を示したフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態に係る行動予測支援装置及び操作対象デバイスによって実行される第2予測モデル配信処理の手順の一例を示したフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施形態に係る操作対象デバイスによって実行される行動予測処理の手順の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る行動予測支援装置及び行動予測支援方法並びに行動予測システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る行動予測システム1の全体構成を概略的に示した図である。
図1に示すように、行動予測システム1は、行動予測支援装置10、複数のセンサ40a~40d及び複数の操作対象デバイス50a、50bを備えている。以下、センサ40a、40b等をそれぞれ区別する必要がある場合には、センサ40a、40b等と称し、区別する必要がない場合には、単にセンサ40と称する。また、他の構成についても同様の取り扱いとする。
【0013】
図1において、センサ40及び操作対象デバイス50は、それぞれ2つずつ図示されているが、これらの設置数は図示した態様に限定されるものではなく、適宜状況に応じて設置数を増減させることが可能である。行動予測支援装置10、複数のセンサ40、複数の操作対象デバイス50は、ネットワーク15を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク15の一例として、例えば、インターネットが挙げられる。
【0014】
センサ40及び操作対象デバイス50は、通信機能を有するいわゆるIoT(Internet of Things)デバイスである。センサ40は、例えば、人や動物の行動、動作、又は発話を認識できるセンサであり、その一例として、人感センサ、温度センサ、カメラ、マイク等が挙げられる。
【0015】
操作対象デバイス50は、例えば、家庭内における日常生活を想定した場合には、照明、空気調和機、音響装置、テレビ、時計等の家電製品であり、ネットワーク15を介して受信する情報に基づいて演算処理を行い、その処理結果に応じて作動する。また、操作対象デバイス50は、センサ40を備えていてもよい。
図1において、操作対象デバイス50aは、センサ40cを備え、操作対象デバイス50bは、センサ40dを備えている。なお、操作対象デバイス50の詳細については後述する。
【0016】
図2は、行動予測支援装置10のハードウェア構成の一例を示した図である。
図2に示すように、行動予測支援装置10は、いわゆるコンピュータであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)11、メインメモリ12、記憶部13、通信部14を備えている。また、行動予測支援装置10は、入力部や表示部等を備えていてもよい。これら各部は直接的にまたはバスを介して間接的に相互に接続されており互いに連携して各種処理を実行する。
【0017】
CPU11は、例えば、バスを介して接続された記憶部13に格納されたOS(Operating System)により行動予測支援装置10全体の制御を行うとともに、記憶部13に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。
【0018】
メインメモリ12は、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU11の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0019】
記憶部13は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等であり、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の行動予測支援装置10全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア及び各種データやファイル等を格納する。また、記憶部13には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。
【0020】
通信部14は、ネットワークに接続するための通信インターフェースを備え、例えば、無線回線を介してネットワーク15に接続し、他のデバイスとの通信を確立させ、情報の相互通信を実現させる。無線回線の一例として、LTE、3G、4G、5G等のセルラー回線、WiFi、無線LAN、Bluetooth(登録商標)等が挙げられる。
【0021】
図3は、本実施形態に係る行動予測支援装置10が有する行動予測支援機能の一例を示した機能ブロック図である。
【0022】
後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム(例えば、行動予測支援プログラム)の形式で記憶部13に記憶されており、このプログラムをCPU11がメインメモリ12に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、記憶部13に予めインストールされている形態や、他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0023】
行動予測支援装置10は、人または動物の行動予測を支援する装置である。
図3に示すように、行動予測支援装置10は、例えば、受信部21、行動情報作成部22、行動情報蓄積部23、第1予測モデル生成部24、第1予測モデル格納部25、予測処理部26、第2予測モデル生成部27、第2予測モデル蓄積部28、デバイス特定部29、及び送信部30を備えている。
【0024】
以下、説明の便宜上、一例として、本実施形態に係る行動予測システム1が居住空間において人の行動を予測する場合を想定して説明する。
【0025】
受信部21は、複数のセンサ40a~40dからネットワーク15を介してセンサ情報を受信する。例えば、センサ40a~40dは、定期的に、又は、所定のタイミングで、若しくは、状態が変化したときに、センサ情報を出力する。
【0026】
行動情報作成部22は、センサ40から受信したセンサ情報に基づいて行動情報を作成する。例えば、行動情報作成部22は、センサ40からセンサ情報を受信した時間情報及びセンサ情報を取得したセンサ40の位置情報に基づいて、行動情報を作成する。
なお、行動情報作成部22は、所定期間内に複数のセンサ40からセンサ情報を受信した場合には、それら複数のセンサ情報から1つの行動情報を作成してもよい。
【0027】
図4は、行動情報の一例を示した図である。
図4に示すように、例えば、行動情報は、日時情報、位置情報、ユーザ情報、及び動作情報が関連付けられた情報である。例えば、
図4には、行動情報の一例として、「2018年5月21日午前6時27分、寝室、Aさん、動いた」、「2018年5月21日午前6時30分、寝室、Aさん、出た」、「2018年5月21日午前6時31分、居間、Aさん、電気をつけた」等が示されている。
【0028】
行動情報作成部22によって作成された行動情報は、行動情報蓄積部23に蓄積されるとともに、送信部30を介して操作対象デバイス50に送信される。
行動情報蓄積部23には、行動情報作成部22よって作成された多数の行動情報が蓄積される。
以下、行動情報作成部22から出力される行動情報を「リアルタイム行動情報」といい、行動情報蓄積部23に蓄積される行動情報を「過去の行動情報」という。
【0029】
第1予測モデル生成部24は、過去に作成された複数の行動情報、換言すると、行動情報蓄積部23に蓄積されている複数の行動情報を教師データとして用いて、機械学習により第1予測モデルを生成する。
【0030】
例えば、第1予測モデル生成部24は、所定のタイミングで、行動情報蓄積部23から新規の行動情報を含む複数の行動情報を取得し、取得した複数の行動情報を教師データとして用いて機械学習を行うことにより、第1予測モデルを作成する。
【0031】
ここで、所定のタイミングの一例として、一日のうちの決められた時刻(例えば、正午、深夜12時など)、所定の時間間隔(例えば、1時間間隔など)、新規の行動情報が所定数蓄積されたタイミング、ユーザから更新指示が入力されたとき、所定の条件を満足したとき等が挙げられる。
【0032】
また、第1予測モデル生成部24は、行動情報蓄積部23に格納されている全ての行動情報を取得してもよいし、新規の行動情報(すなわち、前回の第1予測モデルを作成した際には用いられなかった行動情報)を含む一部の行動情報を取得してもよい。
そして、第1予測モデル生成部24は、取得した複数の行動情報を教師データとして用いて機械学習を行い、第1予測モデルを作成する。
【0033】
機械学習は、例えば、隠れマルコフモデルのように、ユーザの行動によって変化する状態間の遷移確率の行列を生成して予測モデルとするなど、予測処理で利用する中間的な予測モデルを生成するような機械学習方式を適用することが可能である。
図5は、隠れマルコフモデルにおける状態間の遷移確率の行列の一例を示した図である。なお、行動予測についての機械学習については、隠れマルコフモデルに限らず、公知のモデルを適宜採用することが可能である。
【0034】
第1予測モデル生成部24によって生成された第1予測モデルは、第1予測モデル格納部25に格納される。このように、第1予測モデル生成部24が所定のタイミングで第1予測モデルを生成することにより、第1予測モデル格納部25に格納される第1予測モデルは、随時更新されることとなる。
【0035】
予測処理部26は、第1予測モデル格納部25に格納されている第1予測モデルを用いて、過去の行動情報に対して行動予測を行う。例えば、予測処理部26は、行動情報蓄積部23に格納されている1又は複数の行動情報を時系列で読み出し、読み出した過去の行動情報を入力情報として第1予測モデルを用いて行動予測を行う。これにより、過去の行動情報に対する将来の行動予測結果が出力される。なお、予測処理部26によって実行される行動予測は、第1予測モデル生成部24と同様の公知の行動予測の手法を適宜用いることが可能である。
【0036】
第2予測モデル生成部27は、予測処理部26の行動予測結果と、行動予測結果を得たときに入力情報として用いた1又は複数の過去の行動情報とを対応付けた第2予測モデルを生成する。例えば、第2予測モデル生成部27は、予測処理部26が読み出した複数の時系列の行動情報の組み合わせと、その行動情報の組み合わせを用いて行動予測を行った際に得られた行動予測結果とを対応付けることにより、第2予測モデルを生成する。
【0037】
例えば、「6時27分、寝室、Aさん、動いた」、「6時30分、寝室、Aさん、出た」という2つの時系列の行動情報の組み合わせを入力情報とした場合に、「居間、Aさん、電気をつける」という行動予測結果が得られた場合、これら2つの時系列の行動情報の組み合わせと、行動予測結果とを対応付けることにより、第2予測モデルを生成する。
このように、第2予測モデルは、1又は複数の時系列の行動情報の組み合わせを含む「行動条件」と、その行動条件に基づいて第1予測モデルを用いて行動予測処理を実行したときに得られた「行動予測結果」とを対応付けたモデルとなる。
【0038】
また、第2予測モデル生成部27は、時刻が異なる同一の行動条件に対して、同一の予測結果が得られた場合には、1つのモデルにまとめることとしてもよい。例えば、
図4に示した行動情報によれば、2018年5月21日及び2018年5月22日において、午前6時台と午前9台に、同一の行動条件が存在する。このような場合には、時間的な幅を持たせることにより、第2予測モデルを生成してもよい。
【0039】
例えば、この場合、
図6に示すように、行動条件は、例えば、「6時台、寝室、Aさん、動いた」と「6時台、寝室、Aさん、出た」という時系列の複数の行動情報の組み合わせで表される。そして、この行動条件に対して、例えば、「居間、Aさん、電気つけた」との行動予測結果が関連付けられる。なお、上述したように、行動条件は、必ずしも複数の行動情報の組み合わせで構成される必要はなく、1つの行動情報によって構成されていてもよい。また、行動条件には、行動情報以外に、他の情報が付加されていてもよい。
【0040】
第2予測モデル生成部27によって生成された第2予測モデルは、第2予測モデル蓄積部28に蓄積される。このように、第2予測モデル生成部27が予測処理部26の予測結果に基づいて第2予測モデルを生成することにより、第2予測モデル蓄積部28には、第2予測モデルが随時蓄積されることとなる。
【0041】
デバイス特定部29は、所定のタイミングで、第2予測モデル蓄積部28から第2予測モデルを読み出し、読み出した第2予測モデルに含まれる行動予測結果に基づいて操作対象デバイス50を特定する。
ここで、所定のタイミングの一例として、一日のうちの決められた時刻(例えば、午前6時、午後6時など)、所定の時間間隔(例えば、1時間間隔など)、ユーザから更新指示が入力されたとき、所定の条件を満足したとき等が挙げられる。
【0042】
デバイス特定部29は、例えば、ネットワーク15を介して接続されている各操作対象デバイス50のデバイス情報を有している。このデバイス情報には、例えば、デバイスの名称(例えば、照明、空気調和機、音響装置、テレビ、時計など)、そのデバイスが設置されている場所情報(寝室、居間、玄関など)、通信に必要な情報(アドレス)などが含まれている。そして、デバイス特定部29は、このデバイス情報を用いて、第2予測モデルの行動予測結果に対応する操作対象デバイス50を特定する。
【0043】
例えば、
図6に示した第2予測モデルを参照すると、行動予測結果として、「居間、Aさん、電気をつけた」とあり、居間の照明が関連していることがわかる。従って、デバイス特定部29は、この第2予測モデルに対応する操作対象デバイス50として、居間に設置されている照明を特定する。
【0044】
送信部30は、デバイス特定部29によって特定された操作対象デバイス50に対して、そのデバイスに対応する第2予測モデルを送信する。これにより、第2予測モデル蓄積部28に格納されている各第2予測モデルが、そのモデルに対応する操作対象デバイス50に送信されることとなる。
【0045】
また、送信部30は、行動情報作成部22によって作成されたリアルタイム行動情報をネットワーク15を介して接続される各操作対象デバイス50に送信する。
【0046】
次に、本実施形態に係る操作対象デバイス50について図面を参照して説明する。
図7は、本実施形態に係る操作対象デバイス50が備える制御装置60のハードウェア構成の一例を示した図である。操作対象デバイス50は、例えば、照明、空気調和機、音響装置、テレビ、時計などであり、これらを制御するための制御装置60を備えている。
【0047】
図7に示すように、制御装置60は、例えば、CPU61、メインメモリ62、記憶部63、通信部64、及びセンサ40を備えている。これら各部は直接的にまたはバスを介して間接的に相互に接続されており互いに連携して各種処理を実行する。なお、各部の詳細については、一般的なコンピュータと同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。また、センサ40は、当該操作対象デバイス50の制御状態に応じたセンサ情報を生成する。例えば、当該操作対象デバイス50が照明である場合には、センサ40は、点灯状態か消灯状態かを検知し、検知結果に応じたセンサ情報を生成する。センサ40によって生成されたセンサ情報は、通信部64を介して行動予測支援装置10に送信される。
【0048】
図8は、本実施形態に係る操作対象デバイス50が有する機能の一例を示した機能ブロック図である。後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶部63に記憶されており、このプログラムをCPU61がメインメモリ62に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、記憶部63に予めインストールされている形態や、他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0049】
図8に示すように、操作対象デバイス50は、例えば、受信部71、第2予測モデル格納部72、照合部73、モデル特定部74、デバイス制御部75、センサ40、及び送信部76を備えている。
【0050】
受信部71は、例えば、ネットワーク15を介して、行動予測支援装置10から送信された第2予測モデルを受信する。受信部71は、第2予測モデルを受信すると、第2予測モデル格納部72に格納する。これにより、第2予測モデル格納部72には、行動予測支援装置10によって生成され、提供された第2予測モデルが格納されることとなる。
【0051】
また、受信部71は、例えば、ネットワーク15を介して、行動予測支援装置10から送信されたリアルタイム行動情報を受信する。受信部71は、第2予測モデルを受信すると、照合部73に出力する。
【0052】
照合部73は、受信部71を介して入力されたリアルタイム行動情報を含む比較行動条件と、第2予測モデルに含まれる行動条件とを照合する。ここで、第2予測モデルと照合される比較行動条件は、1つのリアルタイム行動情報によって構成されていてもよいし、リアルタイム行動情報よりも先に受信した1又は複数の行動情報との組み合わせによって構成されていてもよい。
【0053】
例えば、照合部73は、リアルタイム行動情報とその直近に受信した1又は複数の行動情報に基づいて複数の時系列の行動情報の組み合わせからなる比較行動条件を作成する。そして、作成した比較行動条件と第2予測モデル格納部72に格納されている第2予測モデルに含まれる行動条件とを照合する。照合結果として得られた両者の一致度は、モデル特定部74に出力される。
【0054】
モデル特定部74は、照合部73による一致度が基準値以上である第2予測モデルを特定する。ここで、基準値は予め登録されている値である。また、この基準値は、ユーザによって変更可能に設定されていてもよい。このように、一致度の基準値を変更可能に構成することで、行動予測の精度を容易に調整することが可能となる。
【0055】
デバイス制御部75は、モデル特定部74によって特定された第2予測モデルに含まれる行動予測結果に基づいてデバイス制御を行う。例えば、当該操作対象デバイス50が照明である場合には、第2予測モデルに含まれる行動予測結果に基づいて、照明を点灯したり、消灯したりする。
【0056】
センサ40は、デバイス制御部75の制御に基づいてセンサ情報を生成する。例えば、操作対象デバイス50が照明である場合、デバイス制御部75によって点灯された場合には、点灯の旨のセンサ情報を生成する。また、デバイス制御部75によって消灯された場合には、消灯の旨のセンサ情報を生成する。
【0057】
送信部76は、センサ40によって生成されたセンサ情報をネットワーク15を介して行動予測支援装置10に送信する。また、センサ情報は、ネットワーク15を介して接続されている全ての機器に送信(ブロードキャスト)されることとしてもよい。
【0058】
次に、本実施形態に係る行動予測支援装置10によって実行される行動情報作成処理について、
図9を参照して説明する。
図9は、本実施形態に係る行動予測支援装置10によって実行される行動情報作成処理の手順の一例を示したフローチャートである。行動情報作成処理は、例えば、行動予測支援装置10がネットワーク15を介してセンサ情報を受信する度に実行される。
【0059】
まず、行動予測支援装置10は、センサ40からネットワーク15を介してセンサ情報を受信すると(SA1)、受信したセンサ情報に基づいてリアルタイム行動情報を作成し(SA2)、行動情報蓄積部23に格納する(SA3)。これにより、行動情報蓄積部23には、例えば、複数の行動情報が蓄積されることとなる。また、行動予測支援装置10は、ネットワーク15に接続されている操作対象デバイス50に対して、リアルタイム行動情報を送信する(SA4)。これにより、操作対象デバイス50において、後述するように、行動予測処理が実行される。
【0060】
図10は、本実施形態に係る行動予測支援装置10によって実行される第2予測モデル生成処理の手順の一例を示したフローチャートである。第2予測モデル生成処理は、例えば、所定のタイミングにおいて繰り返し行われる処理である。
【0061】
まず、行動情報蓄積部23に格納されている全ての行動情報を読み出す(SB1)。なお、全ての行動情報を読み出すのに代えて、新規の行動情報を含む一部の行動情報(例えば、過去所定期間において作成された行動情報、過去所定数の行動情報)を読み出すこととしてもよい。
続いて、読み出した行動情報を教師データとして用いて、機械学習により第1予測モデルを生成する(SB2)。
【0062】
続いて、第1予測モデルを第1予測モデル格納部25に格納する(SB3)。次に、行動情報蓄積部23に格納されている1又は複数の行動情報を時系列で読み出し、読み出した過去の1又は複数の行動情報の組み合わせを入力情報として第1予測モデルを用いることにより、行動予測を行う(SB4)。
【0063】
続いて、行動予測結果を得たときの過去の行動情報から行動条件を作成し、この行動条件と行動予測結果とを対応付けることにより、第2予測モデルを生成する(SB5)。続いて、第2予測モデルを第2予測モデル蓄積部28に格納する(SB6)。これにより、第2予測モデル蓄積部28には、第2予測モデルが随時蓄積されることとなる。
【0064】
図11は、本実施形態に係る行動予測支援装置10及び操作対象デバイス50によって実行される第2予測モデル配信処理の手順の一例を示したフローチャートである。第2予測モデル配信処理は、例えば、所定のタイミングにおいて繰り返し行われる処理である。
【0065】
まず、行動予測支援装置10は、第2予測モデル蓄積部28に格納されている第2予測モデルを読み出す(SC1)。ここで、読み出す第2予測モデルは、新規に作成された又は更新された第2予測モデルに限定してもよい。
【0066】
続いて、行動予測支援装置10は、第2予測モデルに含まれる行動予測結果に基づいて操作対象デバイスを特定し(SC2)、特定した操作対象デバイス50に対して、そのデバイスに対応する第2予測モデルを送信する(SC3)。
各操作対象デバイス50は、行動予測支援装置10から送信された第2予測モデルを受信し(SC4)、受信した第2予測モデルを第2予測モデル格納部72に格納する(SC5)。
【0067】
図12は、本実施形態に係る操作対象デバイス50によって実行される行動予測処理の手順の一例を示したフローチャートである。行動予測処理は、例えば、操作対象デバイス50が行動予測支援装置10からリアルタイム行動情報を受信する度に実行される。
【0068】
まず、ネットワーク15を介して、行動予測支援装置10からリアルタイム行動情報を受信すると(SD1)、受信したリアルタイム行動情報を含む比較行動条件を作成する(SD2)。続いて、作成した比較行動条件と第2予測モデル格納部72に格納されている第2予測モデルに含まれる行動条件とを照合する(SD3)。続いて、一致度が基準値以上である第2予測モデルがあるか否かを判定する(SD4)。この結果、一致度が基準値以上の第2予測モデルがなければ(SD4:NO)、本処理を終了する。一方、一致度が基準値以上の第2予測モデルがある場合には(SD4:YES)、その第2予測モデルを特定し(SD5)、特定した第2予測モデルに含まれる行動予測結果に基づいてデバイスの制御を行う(SD6)。続いて、デバイスの制御に基づいてセンサ情報を生成し(SD7)、生成したセンサ情報をネットワーク15を介して行動予測支援装置10に送信する(SD8)。
【0069】
以上説明してきたように、本実施形態に係る行動予測支援装置10及び行動予測支援方法によれば、過去の複数の行動情報を教師データとして用いて機械学習により第1予測モデルを生成し、この第1予測モデルに過去の1又は複数の行動情報を入力情報として用いて行動予測を行うことにより、行動予測を行う。そして、行動予測結果と、この行動予測結果を得たときの入力情報(1又は複数の行動情報の組み合せ)とを対応付けた第2予測モデルを生成する。続いて、第2予測モデルに含まれる行動予測結果に対応する操作対象デバイス50を特定し、特定した操作対象デバイス50に対して、対応する第2予測モデルを送信する。
【0070】
このように、本実施形態に係る行動予測支援装置10及び行動予測支援方法によれば、機械学習で用いられる第1予測モデルよりも簡素化された第2予測モデルを操作対象デバイス50に配信することが可能となる。更に、第2予測モデルの配信先は、その第2予測モデルに含まれる行動予測結果に関係のある操作対象デバイス50に限られるので、操作対象デバイス50のストレージ容量を有益に使用することができる。
【0071】
また、本実施形態に係る操作対象デバイス50によれば、リアルタイム行動情報を含む比較行動条件と、行動予測支援装置10から配信された第2予測モデルに含まれる行動条件とを照合し、照合結果として得られた一致率が基準値以上である第2予測モデルを特定し、特定した第2予測モデルに含まれる行動予測結果に基づいてデバイス制御を行う。
【0072】
これにより、いわゆるマッチング処理という比較的簡素な処理により、行動予測を行うことが可能となる。これの結果、メモリ容量が比較的小さく、演算能力も比較的低いIoTデバイスにも行動予測を実行させることが可能となる。
また、本実施形態に係る操作対象デバイス50によれば、行動予測結果とデバイスの制御を連携させることが可能となるので、例えば、日々のユーザの行動に応じた快適な環境を提供することが可能となる。
【0073】
更に、操作対象デバイス50が用いる基準値を変更可能とすることで、行動予測の精度を容易に調整することができる。機械学習で用いる第1予測モデルで行動予測の精度を調整する場合、大掛かりなパラメータ調整が必要となる上、所望する精度に調整することが非常に難しい。これに対し、本実施形態では、第2予測モデルを用いて行動予測を行うこととしたので、行動予測の精度調整を容易に行うことが可能となる。
【0074】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、上記実施形態で説明した処理手順も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0075】
例えば、上述した実施形態では、各操作対象デバイス50が行動予測支援装置10からリアルタイム行動情報を受信することとしたが、この例に限定されない。例えば、各操作対象デバイス50は、ネットワーク15を介して接続されるセンサ40からセンサ情報を受信し、受信したセンサ情報に基づいてリアルタイム行動情報を作成することとしてもよい。換言すると、操作対象デバイス50は、行動予測支援装置10が備える行動情報作成部22と同様の機能を備えていてもよい。
【0076】
また、上述した実施形態では、操作対象デバイス50が制御装置60を備える場合について説明したが、この例に限定されない。例えば、制御装置60は、操作対象デバイス50とは別体とされ、制御装置60と操作対象デバイス50とが情報の授受を行うことにより、上述した機能を実現することとしてもよい。
例えば、制御装置60は、操作対象デバイス50が接続されるネットワーク上(例えば、ネットワーク15)に接続され、操作対象デバイス50が制御装置60からネットワークを介して制御される構成とされていてもよい。また、この場合、制御装置60が備えるセンサ機能は、操作対象デバイス50に搭載したままとしてもよい。
更に、制御装置60は、複数の操作対象デバイス50に共通化されており、制御装置60から複数の操作対象デバイス50を統合的に制御するような構成とされていてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 :行動予測システム
10 :行動予測支援装置
11 :CPU
12 :メインメモリ
13 :記憶部
14 :通信部
15 :ネットワーク
21 :受信部
22 :行動情報作成部
23 :行動情報蓄積部
24 :第1予測モデル生成部
25 :第1予測モデル格納部
26 :予測処理部
27 :第2予測モデル生成部
28 :第2予測モデル蓄積部
29 :デバイス特定部
30 :送信部
40(40a~40d):センサ
50(50a~50b):操作対象デバイス
60 :制御装置
61 :CPU
62 :メインメモリ
63 :記憶部
64 :通信部
71 :受信部
72 :第2予測モデル格納部
73 :照合部
74 :モデル特定部
75 :デバイス制御部
76 :送信部