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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182006
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】カート取付け用携帯端末ホルダ
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/12 20060101AFI20221201BHJP
   B62B 5/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
H04M1/12 B
B62B5/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089280
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真野 浩太
【テーマコード(参考)】
3D050
5K023
【Fターム(参考)】
3D050AA02
3D050BB03
3D050GG06
5K023AA07
5K023DD06
5K023KK08
5K023LL06
5K023MM03
5K023MM25
5K023PP02
5K023PP12
5K023PP13
5K023PP14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フラップ付きのケースに装着された携帯端末を適切に保持可能なカート取付け用携帯端末ホルダを提供する。
【解決手段】カート取付け用携帯端末ホルダは、表示部を備え、表示部に対して開閉するフラップを有するケースに装着された携帯端末を収容可能な、底壁53及び該底壁53の周囲から立ち上がった枠部と、枠部の近傍に設けられ枠部に収容される携帯端末のケースのフラップを表示部から離れた位置に保持する保持機構と、を有するホルダ本体40と、ホルダ本体40に連結されたアーム30と、アーム30に連結され、カートに取り付け可能なクリップ部20と、を具備する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備え、前記表示部に対して開閉するフラップを有するケースに装着された携帯端末を収容可能な、底壁及び該底壁の周囲から立ち上がった枠部と、前記枠部の近傍に設けられ前記枠部に収容される携帯端末のケースのフラップを前記表示部から離れた位置に保持する保持機構と、を有するホルダ本体と、
前記ホルダ本体に連結されたアームと、
前記アームに連結され、カートに取り付け可能なクリップ部と、
を具備するカート取付け用携帯端末ホルダ。
【請求項2】
前記枠部は、該枠部に収容される携帯端末の側部に当接可能な当接部を含み、
前記ホルダ本体は、前記枠部を延長するように突出した第1壁部と、前記第1壁部から前記底壁と対向するように延びた第2壁部とを備える携帯端末受け部を有し、
前記保持機構は、前記当接部と、前記第2壁部の端面であって前記枠部に収容される携帯端末の幅方向に関して前記当接部の位置又は前記当接部よりも外側に位置し、前記フラップを前記表示部から離れた位置に案内する端面と、により構成されている請求項1に記載のカート取付け用携帯端末ホルダ。
【請求項3】
前記底壁から前記端面までの寸法は、前記底壁から前記当接部が立ち上がるまでの寸法よりも大きい請求項2に記載のカート取付け用携帯端末ホルダ。
【請求項4】
前記当接部と前記端面とは、前記枠部に収容される携帯端末の高さ方向において間隔を空けて位置している請求項2又は3に記載のカート取付け用携帯端末ホルダ。
【請求項5】
前記底壁は、前記枠部に収容される携帯端末の高さ方向において、前記枠部に収容される携帯端末の背面の読取部の位置よりも低い端面を有する請求項1~4のいずれか1項に記載のカート取付け用携帯端末ホルダ。
【請求項6】
前記ホルダ本体は、
第1ホルダ本体と、
前記第1ホルダ本体に当接した第1位置と前記枠部に収容される携帯端末の幅方向に関して前記第1ホルダ本体から離間した第2位置との間で移動可能な第2ホルダ本体と、
前記第2ホルダ本体を前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する付勢部材と、
を有する請求項1~5のいずれか1項に記載のカート取付け用携帯端末ホルダ。
【請求項7】
前記底壁及び前記枠部の少なくとも一方は、携帯端末に当接する位置に滑り防止部材を有する請求項1~6のいずれか1項に記載のカート取付け用携帯端末ホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショッピングカートや作業用カートなどのカートに取り付けて使用する、カート取付け用携帯端末ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングカートや作業用カートなどのカートに取り付けて使用する、カート取付け用携帯端末ホルダが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザーが所有している様々な形状の異なる携帯端末を保持可能な携帯端末保持部と、携帯端末保持部と連結され、ショッピングカートに対して着脱可能なカート取付部とを有する携帯端末ホルダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-109687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スマートフォンなどの携帯端末には、手帳型のケースが装着されていることがある。手帳型のケースは、携帯端末の前面の表示部に対して開閉可能なフラップを有している。特許文献1のような携帯端末ホルダで手帳型のケースに装着された携帯端末を保持する場合には、フラップが携帯端末の表示部を覆わないようにして保持することが望ましい。
【0006】
また、例えばスーパーマーケットやドラッグストアでは、顧客自身の携帯端末のカメラを使用して商品を読み取り決済を行うシステムが知られている。このようなシステムにおいて、特許文献1のような携帯端末ホルダで手帳型のケースに装着された携帯端末を保持する場合には、フラップが携帯端末の背面のカメラなどの読取部を覆わないようにして保持する必要がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、フラップ付きのケースに装着された携帯端末を適切に保持可能なカート取付け用携帯端末ホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)は、
表示部を備え、前記表示部に対して開閉するフラップを有するケースに装着された携帯端末を収容可能な、底壁及び該底壁の周囲から立ち上がった枠部と、前記枠部の近傍に設けられ前記枠部に収容される携帯端末のケースのフラップを前記表示部から離れた位置に保持する保持機構と、を有するホルダ本体と、
前記ホルダ本体に連結されたアームと、
前記アームに連結され、カートに取り付け可能なクリップ部と、
を具備するカート取付け用携帯端末ホルダである。
【0009】
本発明(2)は、前記枠部は、該枠部に収容される携帯端末の側部に当接可能な当接部を含み、前記ホルダ本体は、前記枠部を延長するように突出した第1壁部と、前記第1壁部から前記底壁と対向するように延びた第2壁部とを備える携帯端末受け部を有し、前記保持機構は、前記当接部と、前記第2壁部の端面であって前記枠部に収容される携帯端末の幅方向に関して前記当接部の位置又は前記当接部よりも外側に位置し、前記フラップを前記表示部から離れた位置に案内する端面と、により構成されている(1)に記載のカート取付け用携帯端末ホルダである。
【0010】
本発明(3)は、前記底壁から前記端面までの寸法は、前記底壁から前記当接部が立ち上がるまでの寸法よりも大きい(2)に記載のカート取付け用携帯端末ホルダである。
【0011】
本発明(4)は、前記当接部と前記端面とは、前記枠部に収容される携帯端末の高さ方向において間隔を空けて位置している(2)又は(3)に記載のカート取付け用携帯端末ホルダである。
【0012】
本発明(5)は、前記底壁は、前記枠部に収容される携帯端末の高さ方向において、前記枠部に収容される携帯端末の背面の読取部の位置よりも低い端面を有する(1)~(4)のいずれか1に記載のカート取付け用携帯端末ホルダ。
【0013】
本発明(6)は、前記ホルダ本体は、第1ホルダ本体と、前記第1ホルダ本体に当接した第1位置と前記枠部に収容される携帯端末の幅方向に関して前記第1ホルダ本体から離間した第2位置との間で移動可能な第2ホルダ本体と、前記第2ホルダ本体を前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する付勢部材と、を有する(1)~(5)のいずれか1に記載のカート取付け用携帯端末ホルダである。
【0014】
本発明(7)は、前記底壁及び前記枠部の少なくとも一方は、携帯端末に当接する位置に滑り防止部材を有する(1)~(6)のいずれか1に記載のカート取付け用携帯端末ホルダである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フラップ付きのケースに装着された携帯端末を適切に保持可能なカート取付け用携帯端末ホルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明に係るカート取付け用携帯端末ホルダをショッピングカートに取り付けた状態を示す図である。
図2図2は、携帯端末ホルダを前方から見た斜視図である。
図3図3は、携帯端末ホルダを後方から見た斜視図である。
図4図4は、携帯端末ホルダの構成部品を示す分解図である。
図5図5は、ホルダ本体及びアームを示す正面図である。
図6図6は、ホルダ本体及びアームを示す背面図である。
図7図7は、ホルダ本体及びアームを示す左側面図である。
図8図8は、ホルダ本体及びアームを示す右側面図である。
図9図9は、ホルダ本体及びアームを示す平面図である。
図10図10は、ホルダ本体及びアームを示す底面図である。
図11図11は、ホルダ本体の幅を最も狭くした状態を示す正面図である。
図12図12は、ホルダ本体の幅を最も狭くした状態のねじりコイルばねの状態を表す図である。
図13図13は、ホルダ本体の幅を最も拡げた状態を示す正面図である。
図14図14は、ホルダ本体の幅を最も拡げた状態のねじりコイルばねの状態を表す図である。
図15図15は、携帯端末ホルダが手帳型のケースに装着された携帯端末をケースのフラップを開いた状態で保持している様子を示す正面図である。
図16図16は、携帯端末ホルダが手帳型のケースに装着された携帯端末をケースのフラップを開いた状態で保持している様子を示す平面図である。
図17図17は、ホルダ本体の保持機構を説明するためのホルダ本体の正面図である。
図18図18は、ホルダ本体の保持機構を説明するためのホルダ本体の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るカート取付け用携帯端末ホルダについて説明する。
【0018】
図1は、本発明に係るカート取付け用携帯端末ホルダ10(以下、携帯端末ホルダ10と称する)をショッピングカート100に取り付けた状態を示す図である。携帯端末ホルダ10は、ショッピングカートや作業用カートなどのカートに取り付けて使用される。ショッピングカート100は、スーパーマーケットやドラッグストアなどで使用されるような、バスケット載せ部101にバスケット110を載せて使用する一般的なカートであってよい。
【0019】
図2及び図3は、携帯端末ホルダ10を示す斜視図である。図4は、携帯端末ホルダ10の構成部品を示す分解図である。携帯端末ホルダ10は、クリップ部20と、アーム30と、ホルダ本体40とを有している。
【0020】
クリップ部20は、第1クリップ部21と、第2クリップ部22とを有している。携帯端末ホルダ10は、図1に示すように、クリップ部20を介してショッピングカート100に取り付けられる。例えば、第1クリップ部21と第2クリップ部22とでショッピングカート100のハンドグリップ102の下方のフレーム103を挟むことにより、携帯端末ホルダ10がショッピングカート100に取り付けられる。
【0021】
クリップ部20は、アーム30の一端に取り付けられている。第1クリップ部21は、アーム30の一端が挿入される孔23と、アーム30をクリップ部20に固定するためのねじ24が嵌め込まれるねじ穴25とを有している。孔23にアーム30の一端を挿入してねじ穴25にねじ24を嵌め込むことにより、アーム30がクリップ部20に固定されている。
【0022】
アーム30は、L字型のロッドであり、クリップ側端部31と、中央部32と、ホルダ側端部33とからなる。クリップ側端部31には穴34が設けられている。クリップ側端部31がクリップ部20の孔23に挿入されて、穴34がねじ穴25と位置合わせされてねじ24が嵌め込まれている。また、ホルダ側端部33には穴35が設けられている。ホルダ側端部33は、穴35に取り付けられるボルト36及びナット37でホルダ本体40に固定されている。
【0023】
ホルダ本体40は、図4に示すように、第1ホルダ本体41と、第2ホルダ本体42と、背面部材43と、第1側面部材44と、第2側面部材45と、ねじりコイルばね46とを有している。ホルダ本体40は、第1ホルダ本体41と第2ホルダ本体42とを組み合わせることで、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末を収容可能な凹部47を形成する。背面部材43、第1側面部材44及び第2側面部材45は、凹部47に収容される携帯端末と当接する部材であり、例えば携帯端末が滑るのを防止するために設けられてよい。
【0024】
第1ホルダ本体41は、第1ホルダ上側部48と、第1ホルダ下側部49とを有している。第2ホルダ本体42は、第2ホルダ上側部51と、第2ホルダ下側部52とを有している。第1ホルダ本体41と第2ホルダ本体42とは、第1ホルダ上側部48の背面側に第2ホルダ上側部51が係合し、第1ホルダ下側部49の背面側に第2ホルダ下側部52が係合するようにして組み付けられる。第1ホルダ本体41と第2ホルダ本体42とを組み付けることにより、凹部47の底面が形成されている。底面の上には、背面部材43が取り付けられて、底壁53となっている。底壁53は、凹部47に収容される携帯端末の背面と当接する部分である。
【0025】
第1ホルダ本体41及び第2ホルダ本体42には、付勢部材としてねじりコイルばね46が取り付けられている。ねじりコイルばね46の一端54は第1ホルダ上側部48に取り付けられ、ねじりコイルばね46の他端55は第2ホルダ上側部51に取り付けられている。
【0026】
第1ホルダ本体41は、図3に示すように、背面側にアーム受け部56を有している。アーム受け部56には、孔57、58が形成されている。孔57、58には、アーム30のホルダ側端部33が挿入され、アーム30の穴35を介してボルト36、ナット37を取り付けることでアーム30がホルダ本体40に固定されている。
【0027】
図5乃至図10は、ホルダ本体40を拡大して示す図である。第1ホルダ本体41は、第1ホルダ側壁部59を有している。第1ホルダ側壁部59は、凹部47に収容される携帯端末の一方の側面に対向する部分である。第1ホルダ側壁部59は、上側壁部61と、下側壁部62とからなる。図7に示すように、上側壁部61は、凹部47に収容される携帯端末の厚さ方向に関して下側壁部62よりも高くなっている。第2ホルダ本体42は、第2ホルダ側壁部63を有している。第2ホルダ側壁部63は、凹部47に収容される携帯端末の他方の側面に対向する部分である。第2ホルダ側壁部63は、上側壁部64と、下側壁部65とからなる。図9に示すように、上側壁部64は、凹部47に収容される携帯端末の厚さ方向に関して下側壁部65よりも高くなっている。
【0028】
このように、ホルダ本体40には、第1ホルダ本体41と第2ホルダ本体42とを組み合わせることにより、底壁53と、底壁53の周囲から立ち上がった枠部である第1ホルダ側壁部59及び第2ホルダ側壁部63とで囲まれた凹部47が形成されている。
【0029】
上側壁部61、64は、図9に示すように、それぞれ、凹部47に向かって内側に傾斜した内面66、67を有している。内面66、67には、それぞれ、滑り防止用の第1側面部材44及び第2側面部材45が取り付けられている。
【0030】
第1ホルダ本体41は、凹部47に収容される携帯端末を受ける携帯端末受け部68を有している。第2ホルダ本体42は、凹部47に収容される携帯端末を受ける携帯端末受け部69を有している。携帯端末受け部68、69は、図7及び図8に示すように、L字形の部材である。携帯端末受け部68は、底壁53から略直角に立ち上がった第1壁部71と、第1壁部71から底壁53と対向するように延びた第2壁部72とを有している。携帯端末受け部69は、底壁53から略直角に立ち上がった第1壁部73と、第1壁部73から底壁53と対向するように延びた第2壁部74とを有している。第1壁部71、73は、凹部47を形成する枠部を延長するように底壁53から突出している。携帯端末受け部68、69では、第1壁部71、73がホルダ本体40の凹部47に収容される携帯端末の底面に当接して保持する部分であり、第2壁部72、74が携帯端末の前面に対向する部分である。
【0031】
第1ホルダ本体41の上面は、ホルダ本体40の長手方向に関して第1ホルダ側壁部59と同じ高さの第1端面75と、第1端面75からなだらかに傾斜した傾斜面76と、ホルダ本体40の長手方向に関して第2ホルダ側壁部63の上面78と同じ高さの第2端面77とを有している。ホルダ本体40の凹部47に収容される携帯端末、例えばスマートフォンは、通常、背面の左上にカメラを有している。第2端面77が第1端面75よりも低くなっていることで、凹部47に携帯端末を収容したときに背面の左上のカメラが第2端面77よりも上方に位置することとなり、カメラがホルダ本体40に隠されない。
【0032】
ホルダ本体40は、第1ホルダ本体41に対して第2ホルダ本体42を幅方向にスライド可能に構成されている。これにより、ホルダ本体40は、携帯端末を収容する凹部47の幅を変更可能である。以下、ホルダ本体40の凹部47の幅変更の動作について説明する。
【0033】
図11及び図12は、ホルダ本体40の凹部47の幅を最も狭くした状態を示す正面図である。ホルダ本体40の凹部47の幅を最も狭くした状態では、第2ホルダ本体42は、第1ホルダ本体41の当接面79と第2ホルダ本体42の当接面81とが当接している第1位置にある。
【0034】
図13及び図14は、ホルダ本体40の凹部47の幅を最も拡げた状態を示す図である。図11及び図12に示す状態から、第1ホルダ本体41に対して第2ホルダ本体42を凹部47の幅方向に引き出すことにより、凹部47の幅が拡げられる。ホルダ本体40の凹部47の幅を拡げた状態では、第2ホルダ本体42は、第2ホルダ本体42の当接面81が第1ホルダ本体41の当接面79から離間した第2位置にある。
【0035】
図12及び図14に示すように、第1ホルダ本体41及び第2ホルダ本体42には、ねじりコイルばね46が取り付けられている。第2ホルダ本体42が第2位置から第1位置に戻る際、ねじりコイルばね46は、第2ホルダ本体42が第2位置から第1位置となるように第2ホルダ本体42を付勢する。
【0036】
このように、ホルダ本体40が凹部47の幅を変更可能なことにより、携帯端末ホルダ10は、幅の異なる種々の携帯端末を収容可能である。
【0037】
ユーザーは、例えばスマートフォンである携帯端末に手帳型のケースを装着していることがある。手帳型のケースは、携帯端末の前面の表示部に対して開閉可能なフラップを有している。携帯端末ホルダ10で手帳型のケースに装着された携帯端末を保持する場合には、フラップが携帯端末の表示部を覆わないようにして保持することが望ましい。
【0038】
また、例えばスーパーマーケットやドラッグストアの店内で顧客であるユーザー自身の携帯端末のカメラを使用して商品を読み取り決済を行うシステムにおいて携帯端末ホルダ10を用いる場合、手帳型のケースのフラップが携帯端末の背面のカメラなどの読取部を覆わないようにして保持する必要がある。
【0039】
そこで、本発明の携帯端末ホルダ10は、ホルダ本体40の凹部47に収容された携帯端末のケースのフラップを携帯端末の表示部から離れた位置に保持する保持機構を有している。以下、この保持機構について、図15乃至図18を参照して説明する。
【0040】
図15及び図16は、携帯端末ホルダ10が手帳型のケース120に装着された携帯端末130を保持している様子を示す図である。手帳型のケース120は、携帯端末130の前面の表示部131に対して開閉可能なフラップ121を有している。フラップ121は、閉じたときに携帯端末130の表示部131を覆って保護するカバーである。
【0041】
図17及び図18は、ホルダ本体40の保持機構を説明する図である。第1ホルダ側壁部59において、上側壁部61は、図9に示すように、ホルダ本体40の凹部47に向かって内側に傾斜した内面66を有している。凹部47の内側に傾斜した内面66があることにより、図17に示すように、ホルダ本体40を正面側から見たとき、ホルダ本体40の幅方向に関して、第1ホルダ本体41の携帯端末受け部68の端面82が、上側壁部61のうちフラップ121に当接する当接部83よりも外側に位置している。つまり、凹部47に収容される携帯端末の幅方向において、端面82と当接部83との間にギャップG1が生じている。
【0042】
また、ホルダ本体40の長手方向に関して、携帯端末受け部68の端面82と上側壁部61の当接部83とは、下側壁部62が介在していることにより、間隔を空けて位置している。つまり、凹部47に収容される携帯端末の高さ方向において、端面82と当接部83との間にギャップG2が生じている。
【0043】
さらに、図18に示すように、ホルダ本体40を左側面側から見たとき、ホルダ本体40の高さ方向に関して、携帯端末受け部68の端面82が、上側壁部61の当接部83よりも高くなっている。つまり、底壁53から端面82までの寸法が底壁53から当接部83が立ち上がるまでの寸法よりも大きいことにより、凹部47に収容される携帯端末の厚さ方向において、端面82と当接部83との間にギャップG3が生じている。
【0044】
ホルダ本体40には、携帯端末受け部68の端面82と上側壁部61の当接部83とのこのような位置関係により、ギャップG1、ギャップG2及びギャップG3で規定される間隙が形成されている。ホルダ本体40に携帯端末130を収容する際には、ケース120のフラップ121を上側壁部61の当接部83に当接させて、この間隙にフラップ121を配置する。このとき、携帯端末受け部68の端面82は、フラップ121を表示部131から離れた位置に案内する役割を果たし、フラップ121は、端面82と当接部83とに当接した状態で保持される。つまり、端面82と当接部83との間に形成された間隙にフラップ121をねじれた状態で挟み込むことにより、図16に示すように、フラップ121を携帯端末130の表示部131に対して開いた状態で、表示部131から離れた位置に保持する。
【0045】
このように、上側壁部61及び携帯端末受け部68が間隙を形成する位置関係にあることにより、上側壁部61の当接部83と携帯端末受け部68の端面82とが、フラップ121を携帯端末130から離れた位置に保持可能な保持機構として機能する。
【0046】
本実施形態では、フラップ121を携帯端末130の表示部131から離れた位置に保持可能な保持機構がホルダ本体40の枠部の近傍に設けられていることにより、フラップ付きのケースに取り付けられた携帯端末を、フラップが開いた状態で適切に保持可能な携帯端末ホルダ10を提供することができる。
【0047】
また、携帯端末受け部68の端面82が、凹部47に収容される携帯端末の幅方向において、上側壁部62の当接部83の位置又は当接部83よりも外側に位置していることで、端面82がフラップ121を表示部131から離れた位置に案内する役割を果たす。これにより、フラップ121が携帯端末の前面の表示部や背面の読取部を覆うことなくフラップを開いた状態で携帯端末を載置可能な携帯端末ホルダ10を提供することができる。
【0048】
さらに、凹部47に収容される携帯端末の厚さ方向において、底壁53から端面82までの寸法が、底壁53から当接部83が立ち上がるまでの寸法よりも大きいことで、フラップ121が挟み込まれる間隙が形成され、フラップを開いた状態で携帯端末を載置可能な携帯端末ホルダ10を提供することができる。端面82と当接部83とが、凹部47に収容される携帯端末の高さ方向において間隔を空けて位置していることによっても、フラップ121が挟み込まれる間隙が形成され、フラップを開いた状態で携帯端末を載置可能な携帯端末ホルダ10を提供することができる。
【0049】
本実施形態では、凹部47を構成する底壁53は、凹部47に収容される携帯端末の高さ方向において、収容される携帯端末の背面の読取部を覆わないように、携帯端末の背面の読取部の位置よりも低い端面77を有している。これにより、携帯端末ホルダ10に携帯端末を置いたままで背面の読取部を使用することができる。
【0050】
本実施形態では、携帯端末ホルダ10は、ホルダ本体40は、第1ホルダ本体41に対して第2ホルダ本体42を幅方向にスライドさせることで携帯端末が収容される凹部47の幅を変更可能である。これにより、サイズの異なる種々の携帯端末を保持することが可能である。また、第1ホルダ本体41及び第2ホルダ本体42に取り付けられたねじりコイルばね46の付勢力により、第2ホルダ本体42は凹部47の幅を拡げた状態から幅の狭くした状態に容易に戻ることができる。
【0051】
また、底壁53及び上側壁部61、64に滑り防止部材43、44、45の少なくとも1つが設けられていることで、凹部47に収容される携帯端末が滑るのを防ぐことができる。
【0052】
上記した実施形態は、種々の置き換えや変形を加えて実施できる。例えば、本実施形態では上側壁部61の当接部83と携帯端末受け部68の端面82とが保持機構として機能しているが、枠部の近傍に設けられ枠部に収容される携帯端末のケースのフラップを表示部から離れた位置に保持する保持機構には、第1ホルダ側壁部59にホルダ本体40の長手方向(携帯端末の高さ方向)に形成され、枠部に収容される携帯端末の幅方向に関して当接部82の位置にある端面で規定されるスリットを備えるものも含む。あるいは、第1ホルダ上側部48及び第1ホルダ下側部49の長手方向に形成されたスリットを備えてもよい。このようなスリットに携帯端末の手帳型のケースのフラップを差し込むことによっても、携帯端末の表示部から離れた位置に携帯端末の前面の表示部及び背面の読取部を覆うことなくフラップを保持することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 カート取付け用携帯端末ホルダ
20 クリップ部
30 アーム
40 ホルダ本体
41 第1ホルダ本体
42 第2ホルダ本体
46 ねじりコイルばね
47 凹部
53 底壁
59 第1ホルダ側壁部
61 上側壁部
62 下側壁部
63 第2ホルダ側壁部
68 携帯端末受け部
69 携帯端末受け部
82 端面
83 当接面
100 ショッピングカート
120 手帳型のケース
121 フラップ
130 携帯端末
131 表示部
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