(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182016
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】仕切り具
(51)【国際特許分類】
B65D 5/495 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B65D5/495
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089295
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000115821
【氏名又は名称】株式会社リヒトラブ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 莞二
(72)【発明者】
【氏名】有本 佳照
(72)【発明者】
【氏名】岩上 優樹
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060CC12
3E060CC17
3E060CC18
3E060CC34
3E060CC45
3E060CC46
3E060CC52
3E060DA25
3E060DA30
(57)【要約】
【課題】端のマス目に収納された物体が隣のマス目に移動することを抑制することができる仕切り具を提供する。
【解決手段】仕切り具は、箱の内側空間を仕切る仕切り具であって、ベース板と、前記ベース板に平行な第1方向に延び、前記ベース板上に配置された前記ベース板に直角な第1仕切り板と、前記ベース板上にて前記第1仕切り板に交差するように配置された前記ベース板に直角な第2仕切り板とを備え、前記第1仕切り板又は第2仕切り板の端部は前記ベース板の縁部に係合する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱の内側空間を仕切る仕切り具であって、
ベース板と、
前記ベース板に平行な第1方向に延び、前記ベース板上に配置された前記ベース板に直角な第1仕切り板と、
前記ベース板上にて前記第1仕切り板に交差するように配置された前記ベース板に直角な第2仕切り板と
を備え、
前記第1仕切り板又は第2仕切り板の端部は前記ベース板の縁部に係合する
仕切り具。
【請求項2】
前記ベース板の縁部は、前記ベース板に対して傾斜したフラップを構成し、
前記フラップに前記第1仕切り板又は第2仕切り板の端部が挿入されるスリットが形成される
請求項1に記載の仕切り具。
【請求項3】
前記フラップは前記箱の内側面に接触するように構成されている
請求項2に記載の仕切り具。
【請求項4】
前記第1仕切り板又は第2仕切り板に前記ベース板の反対側に突出した突出部が形成されている
請求項1から3のいずれか一つに記載の仕切り具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、箱の内側空間を仕切る仕切り具に関する。
【背景技術】
【0002】
箱の内側空間を仕切る仕切り具が提案されている。仕切り具は、例えば、左右に延びる第1仕切りプレートと、前後に延びる第2仕切りプレートとを備え、第1仕切りプレート及び第2仕切りプレートは略直角に交差する。第1仕切りプレート及び第2仕切りプレートによって形成された各マス目内に複数の物体をそれぞれ収納することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1仕切りプレート及び第2仕切りプレートの端は自由端である。例えば、ユーザが箱に仕切り具を入れて、マス目に物体を収納し、箱をかばんに入れ、移動した場合、仕切り具の端に位置するマス目に収納された物体は移動中に外力を受け、第1仕切りプレート又は第2仕切りプレートの端を押すことがある。第1仕切りプレート又は第2仕切りプレートの端は撓み、物体が隣のマス目に移動するおそれがある。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、端のマス目に収納された物体が隣のマス目に移動することを抑制することができる仕切り具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る仕切り具は、箱の内側空間を仕切る仕切り具であって、ベース板と、前記ベース板に平行な第1方向に延び、前記ベース板上に配置された前記ベース板に直角な第1仕切り板と、前記ベース板上にて前記第1仕切り板に交差するように配置された前記ベース板に直角な第2仕切り板とを備え、前記第1仕切り板又は第2仕切り板の端部は前記ベース板の縁部に係合する。
【0007】
本開示の一実施形態においては、第1仕切り板又は第2仕切り板の端部はベース板の縁部に係合するので、第1仕切り板又は第2仕切り板の端部は撓みにくい。
【0008】
本開示の一実施形態に係る仕切り具は、前記ベース板の縁部は、前記ベース板に対して傾斜したフラップを構成し、前記フラップに前記第1仕切り板又は第2仕切り板の端部が挿入されるスリットが形成される。
【0009】
本開示の一実施形態においては、フラップのスリットに第1仕切り板又は第2仕切り板の端部を挿入し、第1仕切り板又は第2仕切り板の端部とベース板の縁部との係合を実現する。
【0010】
本開示の一実施形態に係る仕切り具は、前記フラップは前記箱の内側面に接触するように構成されている。
【0011】
本開示の一実施形態においては、フラップは箱の内側面に接触し、傾斜を保つ。
【0012】
本開示の一実施形態に係る仕切り具は、前記第1仕切り板又は第2仕切り板に前記ベース板の反対側に突出した突出部が形成されている。
【0013】
本開示の一実施形態においては、例えば蓋を備える箱に仕切り具が設置された場合、突出部は蓋に近接する。そのため、箱に外力が作用した場合、突出部が蓋に当接し、仕切り具全体の移動が抑制される。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一実施形態に係る仕切り具にあっては、第1仕切り板又は第2仕切り板の端部はベース板の縁部に係合するので、第1仕切り板又は第2仕切り板の端部は撓みにくい。そのため、端のマス目に収納された物体が隣のマス目に移動することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】突出部を有する第2仕切り板の略示右側面図である。
【
図6】箱に設置された仕切り具の略示斜視図である。
【
図7】蓋を閉じた状態の箱の内部を略示する左側面透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明を実施の形態に係る仕切り具を示す図面に基づいて説明する。以下の説明において、図に示す上下前後左右を使用する。
図1は、仕切り具の略示斜視図、
図2は、仕切り具の略示左側面図である。
【0017】
仕切り具はベース板1を備える。ベース板1は平面視矩形をなし、左右に延びる。ベース板1の前縁部全体は第1フラップ2を構成する。第1フラップ2は、前側部分が後側部分よりも上に位置するように傾斜する。第1フラップ2には、上下に延びるスリット2aが複数形成されている。複数のスリット2aは左右方向に並ぶ。スリット2aの上端は開口している。第1フラップ2において、隣り合う二つのスリット2aの間、最も右側のスリット2aよりも右側の部分、及び、最も左側のスリット2aよりも左側の部分は、それぞれフラップ片2bを構成する。なお隣り合う二つのスリット2aの間の距離、換言すればフラップ片2bの左右寸法は適宜設定される。
【0018】
ベース板1の後縁部全体は第2フラップ3を構成する。第2フラップ3は、後側部分が前側部分よりも上に位置するように傾斜する。第2フラップ3には、上下に延びるスリット3aが複数形成されている。複数のスリット3aは左右方向に並ぶ。スリット3aの上端は開口している。第2フラップ3において、隣り合う二つのスリット3aの間、最も右側のスリット3aよりも右側の部分、及び、最も左側のスリット3aよりも左側の部分は、それぞれフラップ片3bを構成する。
【0019】
ベース板1は、左右に延びる平面視帯状の第1ベース部4と、該第1ベース部4の後側に配置され、左右に延びる平面視帯状の第2ベース部5と、該第2ベース部5の後側に配置され、左右に延びる平面視帯状の第3ベース部6と、二つの第1仕切り板7とを備える。
【0020】
第1仕切り板7はベース板1に対して略直角な正面視帯状をなす。第1仕切り板7は、左右に延びる帯状の前面部7bと、該前面部7bの後側に配置された左右に延びる帯状の後面部7cとを備える。前面部7b及び後面部7cの上縁は連結されている。
【0021】
第1ベース部4の後縁と、第2ベース部5の前縁とは第1仕切り板7によって連結されている。詳細には、前面部7bの下縁と第1ベース部4の後縁とが連結され、後面部7cの下縁と第2ベース部5の前縁とが連結されている。第2ベース部5の後縁と、第3ベース部6の前縁とは第1仕切り板7によって連結されている。詳細には、前面部7bの下縁と第2ベース部5の後縁とが連結され、後面部7cの下縁と第3ベース部6の前縁とが連結されている。
【0022】
第1ベース部4の前縁部は第1フラップ2に連結し、第3ベース部6の後縁部は第2フラップ3に連結する。
【0023】
第1仕切り板7には、上下に延びるスリット7aが複数形成されている。複数のスリット7aは左右方向に並ぶ。スリット7aは前面部7b及び後面部7cを前後方向に貫通し、スリット7aの上端は開口している。仕切り具は複数(本実施例においては四つ)の第2仕切り板8と、突出部9bを有する二つの第2仕切り板9とを備える。
【0024】
図3は、第2仕切り板8の略示左側面図である。
図3に示すように、第2仕切り板8は前後に延びた側面視帯状をなす。第2仕切り板8の上縁は緩やかな波形状を有する。第2仕切り板8には上下に延びる二つのスリット8aが形成されている。二つのスリット8aは前後方向に所定距離離れている。スリット8aの下端は開口している。後側のスリット8aの上端部は後側に突出するように湾曲し、前側のスリット8aの上端部は前側に突出するように湾曲している。
【0025】
図4は、突出部9bを有する第2仕切り板9の略示右側面図である。第2仕切り板9は突出部9bを有することを除けば、
図3に示す第2仕切り板8と同様な構成である。第2仕切り板9は二つのスリット9aを備える。第2仕切り板9の前端及び後端に、上側に突出した突出部9bが形成されている。突出部9bは、第2仕切り板9における突出部9bを除いた他の部分に平行である。突出部9bは、前述の波形状に連なるように形成されており、後側の突出部9bの前縁と、前側の突出部9bの後縁は円弧状に湾曲する。
【0026】
図5は、ベース板1の略示平面展開図である。ベース板1は、一枚の板にスリット及びヒンジ等を形成し、これを折り畳むことによって形成される。展開した状態において、ベース板1は、第1ベース部4の前縁は、左右に延びる第1ヒンジ11を介して第1フラップ2に連結される。第1ベース部4の後縁は、左右に延びる第2ヒンジ12を介して、前側に配置された第1仕切り板7の前面部7bの前縁に連結される。前側に配置された第1仕切り板7の前面部7b及び後面部7cは、左右に延びる第3ヒンジ13を介して連結される。
【0027】
第2ベース部5の前縁は、左右に延びる第4ヒンジ14を介して、前側に配置された第1仕切り板7の後面部7cの後縁に連結される。第2ベース部5の後縁は、左右に延びる第5ヒンジ15を介して、後側に配置された第1仕切り板7の前面部7bの前縁に連結される。後側に配置された第1仕切り板7の前面部7b及び後面部7cは、左右に延びる第6ヒンジ16を介して連結される。
【0028】
第3ベース部6の前縁は、左右に延びる第7ヒンジ17を介して、後側に配置された第1仕切り板7の後面部7cの後縁に連結される。第3ベース部6の後縁は、左右に延びる第8ヒンジ18を介して第2フラップ3に連結される。第1仕切り板7には、前面部7b及び後面部7cに亘って前後に延びる複数のスリット7aが形成される。複数のスリット7aは左右に並ぶ。スリット7aの前端部は右側に突出するように湾曲し、スリット7aの後端部は左側に突出するように湾曲する。
【0029】
第1ヒンジ11、第2ヒンジ12、第4ヒンジ14、第5ヒンジ15、第7ヒンジ17及び第8ヒンジ18を谷折りにし、第3ヒンジ13及び第6ヒンジ16を山折りにして、ベース板1が組み立てられる。展開した状態において左右に延びる第1仕切り板7のスリット7aは(
図5参照)、組み立て後は上下に延びる(
図1参照)。第1仕切り板7とベース板1とは一体に形成されているので、仕切り具の部品点数を削減することができる。
【0030】
図1に示すように、最も右側に位置する第1仕切り板7のスリット7aに、突出部9bを有する第2仕切り板9が上から挿入される。前記第2仕切り板9の下端が開口した二つのスリット9aは、二つの第1仕切り板7における最も右側に位置する上端が開口したスリット7aにそれぞれ係合する。また、前記第2仕切り板9の前端部及び後端部は、それぞれ、第1フラップ2の最も右側に位置するスリット2a、及び第2フラップ3の最も右側に位置するスリット3aに挿入される。換言すれば、前記第2仕切り板9の前端部及び後端部は、ベース板1の前縁部及び後縁部に係合する。
【0031】
最も左側に位置する第1仕切り板7のスリット7aに、突出部9bを有する第2仕切り板9が上から挿入される。前記第2仕切り板9の下端が開口した二つのスリット9aは、二つの第1仕切り板7における最も左側に位置する上端が開口したスリット7aにそれぞれ係合する。また、前記第2仕切り板9の前端部及び後端部は、それぞれ、第1フラップ2の最も左側に位置するスリット2a、及び第2フラップ3の最も左側に位置するスリット3aに挿入される。換言すれば、前記第2仕切り板9の前端部及び後端部は、ベース板1の前縁部及び後縁部に係合する。
【0032】
左右方向における突出部9bを有する二つの第2仕切り板9の間において、第1仕切り板7の各スリット7aに第2仕切り板8が上から挿入される。第2仕切り板8の下端が開口した二つのスリット8aは、二つの第1仕切り板7の上端が開口したスリット7aにそれぞれ係合する。また、前記第2仕切り板8の前端部及び後端部は、それぞれ、第1フラップ2及び第2フラップ3のスリット2a、3aにそれぞれ挿入される。換言すれば、前記第2仕切り板8の前端部及び後端部は、ベース板1の前縁部及び後縁部に係合する。
【0033】
平面視にて、第1仕切り板7に対し、第2仕切り板8、9は略直角に配される。第1仕切り板7及び第2仕切り板8、9は、第1ベース部4、第2ベース部5及び第3ベース部6の上面から、略直角に突出する。
【0034】
図6は、箱に設置された仕切り具の略示斜視図、
図7は、蓋を閉じた状態の箱の内部を略示する左側面透視図である。箱は左右に延びた平面視矩形をなし、上面が開口している。箱の後面部20bの上縁にヒンジ部を介して蓋が連結されている。蓋は、左右方向を回転軸方向として回転することができる。
図6に示すように、第1フラップ2のフラップ片2bは、斜めの状態で箱の前面部20aの内側面に接触する。また第2フラップ3のフラップ片3bは、斜めの状態で後面部20bの内側面に接触する。換言すれば、仕切り具が箱に設置された場合に、フラップ片2b、3bが斜めの状態で箱の内側面に接触するように、ベース板1は設計されている。
【0035】
突出部9bの突出端の上下位置は、箱の上縁と略同じ位置である。そのため、
図7に示すように、蓋を閉じた場合、蓋と突出部9bの突出端との間には、僅かな隙間しか形成されない。突出部9bは第2仕切り板9の前後方向中途部に設けてもよい。また突出部の位置は第2仕切り板9に限定されず、第2仕切り板8、第1仕切り板7、又は第1ベース部4~第3ベース部6に突出部を設けてもよい。また突出部の数も限定されない。
【0036】
実施の形態に係る仕切り具にあっては、第2仕切り板8、9の前後端部はベース板1の前後縁部に係合するので、第2仕切り板8、9の前後端部は撓みにくい。そのため、仕切り具の端のマス目に収納された物体が隣のマス目に移動することを抑制することができる。
【0037】
また第1フラップ2及び第2フラップ3のスリット2a、3aに第2仕切り板8、9の前後端部を挿入することによって、第2仕切り板8、9の前後端部とベース板1の前後縁部との係合を実現することができる。
【0038】
またフラップ片2b、3bは、傾斜した状態で箱の内側面に接触する。そのため、フラップ片2b、3bが第1ベース部4及び第3ベース部6と平行になることが防止され、隣り合う二つのフラップ片2b、3bは第2仕切り板8、9の前後端部の上下方向中途部を確実に保持することができる。
【0039】
また蓋を備える箱に仕切り具が設置された場合、突出部9bは蓋に近接する。そのため、箱に外力が作用した場合、突出部9bが蓋に当接し、仕切り具全体の移動が抑制される。その結果、仕切り具のマス目に収納された物体がマス目から飛び出ることが抑制される。
【0040】
なお第1仕切り板7は、第1ベース部4、第2ベース部5及び第3ベース部6とは別体でもよい。この場合、ベース板1の左縁部及び右縁部がベース板1に対して傾斜したフラップを構成し、このフラップに第1仕切り板7の左右端部が挿入されるスリットを形成してもよい。また第2仕切り板8に代えて第2仕切り板9を使用し、全ての第2仕切り板が突出部を備える構成にしてもよい。
【0041】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0042】
1 ベース板
2 第1フラップ
3 第2フラップ
2a、3a スリット
2b、3b フラップ片
7 第1仕切り板
8、9 第2仕切り板
9b 突出部
20 箱
21 蓋