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2022-182020ヘッドアクチュエータおよびディスク装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182020
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】ヘッドアクチュエータおよびディスク装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20221201BHJP
   G11B 5/60 20060101ALI20221201BHJP
   G11B 5/02 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G11B21/21 C
G11B5/60 P
G11B5/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089302
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根反 祥史
(72)【発明者】
【氏名】青木 健一郎
【テーマコード(参考)】
5D059
5D091
【Fターム(参考)】
5D059AA01
5D059BA01
5D059DA01
5D059DA36
5D059EA16
5D091AA10
5D091CC15
5D091HH06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】配線間のクロストークを低減し、信頼性の向上したヘッドアクチュエータ及びディスク装置を提供する。
【解決手段】ヘッドアクチュエータは、第1配線部材40UPを有する第1サスペンションアッセンブリと、第2配線部材40DNを有する第2サスペンションアッセンブリとを備えている。第1配線部材は、第1配線部材の幅方向に間隔を置いて並列された4本の第1リード配線R1+、R1ー、R2+、R2ーと4本の第1ライト配線W+、Wーを含んでいる。第2配線部材の複数本の第2配線は、第2配線部材の幅方向に間隔を置いて並列された4本の第2リード配線R1+、R1ー、R2+、R2ーと4本の第2ライト配線W+、Wーを含んでいる。2本の第1リード配線及び2本の第1ライト配線は、第1配線部材の表面と垂直な方向において、第2リード配線と第2ライト配線と対向しないように、各配線に対して幅方向にずれた位置に配列されている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1支持板と、前記第1支持板の上に設けられ複数本の第1配線を有する第1配線部材と、前記第1配線部材を介して前記第1支持板に支持され第1方向を向いた第1ヘッドと、を有する第1サスペンションアッセンブリと、
前記第1支持板に隙間を置いて対向して配置された第2支持板と、前記第2支持板の上に設けられ複数本の第2配線を有する第2配線部材と、前記第2配線部材を介して前記第2支持板に支持され前記第1方向と反対の第2方向を向いた第2ヘッドと、を有する第2サスペンションアッセンブリと、を備え、
前記第1配線部材は、前記第1支持板から外側に延出する第1基端側部分を有し、
前記第2配線部材は、前記第2支持板から外側に延出し前記第1基端側部分と対向する第2基端側部分を有し、
前記複数本の第1配線は、それぞれ前記第1配線部材の長手方向に延びているとともに前記第1配線部材の幅方向に間隔を置いて並列された少なくとも4本の第1リード配線、および少なくとも4本の第1ライト配線を含み、
前記複数本の第2配線は、それぞれ前記第2配線部材の長手方向に延びているとともに前記第2配線部材の幅方向に間隔を置いて並列された少なくとも4本の第2リード配線、および少なくとも4本の第2ライト配線を含み、
少なくとも2本の前記第1リード配線および少なくとも2本の前記第1ライト配線は、前記第1配線部材の表面と垂直な方向において、前記第2リード配線および前記第2ライト配線と対向しないように、前記第2リード配線および前記第2ライト配線に対して前記幅方向にずれた位置に配列されている、
ヘッドアクチュエータ。
【請求項2】
前記複数本の第1配線は、15本以上の第1配線を含み、前記複数本の第2配線は、15本以上の第2配線を含み、
少なくとも2本の前記第1リード配線および少なくとも2本の前記第1ライト配線は、前記第1配線部材の表面と垂直な方向において、前記第2リード配線および前記第2ライト配線に対して前記幅方向に配線幅の50%以上ずれた位置に配列されている、請求項1に記載のヘッドアクチュエータ。
【請求項3】
前記4本の前記第1リード配線および前記4本の前記第1ライト配線は、前記第2リード配線および前記第2ライト配線と前記垂直方向に対向しないように、前記第2リード配線および前記第2ライト配線に対して前記幅方向にずれた位置に配列されている請求項1に記載のヘッドアクチュエータ。
【請求項4】
前記複数本の第1配線は、15本以上の第1配線を含み、前記複数本の第2配線は、15本以上の第2配線を含み、
前記4本の前記第1リード配線および前記4本の前記第1ライト配線は、前記第1配線部材の表面と垂直な方向において、前記第2リード配線および前記第2ライト配線と対向しないように、前記第2リード配線および前記第2ライト配線に対して前記幅方向にずれた位置に配列されている、請求項3に記載のヘッドアクチュエータ。
【請求項5】
アクチュエータブロックとアクチュエータブロックから延出した複数本のアームとを更に備え、前記アームは、アームの延出端から前記アクチュエータブロックまで延びるスリットを有し、
前記第1サスペンションアッセンブリの第1支持板は、前記アームの延出端部に固定され、前記第1基端側部分は前記アームの前記スリットの内に配置され、
前記第2サスペンションアッセンブリの第2支持板は、前記アームの延出端部に固定され、前記第2基端側部分は前記アームの前記スリットの内に配置され前記第1基端側部分と対向している請求項1に記載のヘッドアクチュエータ。
【請求項6】
前記第1配線部材は、金属薄板と、前記金属薄板の上に設けられたベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の上に形成されて前記第1配線を形成する導電層と、前記導電層を覆って前記ベース絶縁層に積層されたカバー絶縁層と、を有し、
前記第2配線部材は、金属薄板と、前記金属薄板の上に設けられたベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の上に形成されて前記第1配線を形成する導電層と、前記導電層を覆って前記ベース絶縁層に積層されたカバー絶縁層と、を有し、
前記第1基端側部分および前記第2基端側部分は、前記金属薄板が互いに向かい合う向きで前記スリットの内に配置されている請求項5に記載のヘッドアクチュエータ。
【請求項7】
前記4本の第1ライト配線は、第1幅を有する2本の第1ライト配線と、前記第1幅よりも広い第2幅を有する2本の第1ライト配線とを含み、
前記4本の第2ライト配線は、第1幅を有する2本の第2ライト配線と、前記第1幅よりも広い第2幅を有する2本の第2ライト配線とを含み、
前記第2幅を有する一方の第1ライト配線は、前記幅方向の端部が前記第2リード配線に前記垂直方向に対向して位置し、
前記第2幅を有する一方の第2ライト配線は、前記幅方向の端部が前記第1リード配線に前記垂直方向に対向して位置している請求項1に記載のヘッドアクチュエータ。
【請求項8】
前記第1ライト配線を介して前記第1ヘッドによりライト動作を行う間、前記垂直方向に一部が対向している前記第2リード配線を介する前記第2ヘッドのリード動作を禁止し、前記第2ライト配線を介して前記第2ヘッドによりライト動作を行う間、前記垂直方向に一部が対向している前記第1リード配線を介する前記第1ヘッドのリード動作を禁止する制御部を更に備えている請求項7に記載のヘッドアクチュエータ。
【請求項9】
回転自在に設けられたディスク状の記録媒体と、
請求項1に記載のヘッドアクチュエータと、
を備えるディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、ヘッドアクチュエータおよびこれを備えるディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク装置として、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)は、筐体内に回転自在に配設された複数枚の磁気ディスクと、磁気ディスクに対して情報のリード、ライトを行う複数の磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気ディスクに対して移動可能に支持したヘッドアクチュエータと、を備えている。
ヘッドアクチュエータは、回動自在に支持されたアクチュエータブロックと、アクチュエータブロックからそれぞれ延出し、先端部に磁気ヘッドを支持している複数本のヘッドサスペンションアッセンブリ(ヘッドジンバルアッセンブリ、HGAと称する場合がある)と、を有している。ヘッドサスペンションアッセンブリは、一端がアームに固定された支持板と、支持板の上に設けられたフレクシャ(配線部材)と、を有している。フレクシャは、変位自在なジンバル部を有し、このジンバル部に磁気ヘッドが支持されている。フレクシャは、アームに沿ってアクチュエータブロックまで延出している。
【0003】
HDDの大容量化に伴い、磁気ディスクの設置枚数およびサスペンションアッセンブリの設置本数が増大している。これにより、フレクシャの平面方向の配線間のクロストークだけではなく、垂直方向に対向するHGAのフレクシャ間のクロストークが懸念となってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/080114号明細書
【特許文献2】米国特許第8598460号明細書
【特許文献3】米国特許第7894164号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、配線部材間のクロストークを低減し、信頼性の向上したヘッドアクチュエータおよびディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、ヘッドアクチュエータは、第1支持板と、前記第1支持板上に設けられ複数本の第1配線を有する第1配線部材と、前記第1配線部材を介して前記第1支持板に支持され第1方向を向いた第1ヘッドと、を有する第1サスペンションアッセンブリと、前記第1支持板に隙間を置いて対向して配置された第2支持板と、前記第2支持板上に設けられ複数本の配線を有する第2配線部材と、前記第2配線部材を介して前記第2支持板に支持され前記第1方向と反対の第2方向を向いた第2ヘッドと、を有する第2サスペンションアッセンブリと、を備えている。前記第1配線部材は、前記第1支持板から外側に延出する第1基端側部分を有し、前記第2配線部材は、前記第2支持板から外側に延出し前記第1基端側部分と対向する第2基端側部分を有している。前記複数本の第1配線は、それぞれ前記第1配線部材の長手方向に延びているとともに前記第1配線部材の幅方向に間隔を置いて並列された少なくとも4本の第1リード配線、および少なくとも4本の第1ライト配線を含み、前記複数本の第2配線は、それぞれ前記第2配線部材の長手方向に延びているとともに前記第2配線部材の幅方向に間隔を置いて並列された少なくとも4本の第1リード配線、および少なくとも4本の第1ライト配線を含んでいる。少なくとも2本の前記第1リード配線および少なくとも2本の前記第1ライト配線は、前記第1配線部材の表面と垂直な方向において、前記第2リード配線および前記第2ライト配線と対向しないように、前記第2リード配線および前記第2ライト配線に対して前記幅方向にずれた位置に配列されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)のベースおよびトップカバーを示す分解斜視図。
図2図2は、前記HDDのヘッドアクチュエータアッセンブリおよびFPCユニットを示す斜視図。
図3図3は、前記ヘッドアクチュエータアッセンブリのアームおよびヘッドサスペンションアッセンブリを示す斜視図。
図4図4は、前記ヘッドアクチュエータアッセンブリのアームおよびヘッドサスペンションアッセンブリを分解して示す分解斜視図。
図5図5は、図3の線A-Aに沿ったアームおよびフレクシャの断面図。
図6図6は、前記フレクシャの断面を拡大して模式的に示す断面図。
図7図7は、前記ヘッドサスペンションアッセンブリの第1フレクシャの配線パターンおよび第2フレクシャの配線パターンを模式的に示す平面図。
図8図8は、前記第1フレクシャと第2フレクシャとを垂直方向に重ねて配置した状態を模式的に示す平面図。
図9図9は、第2実施形態に係るHDDにおけるヘッドサスペンションアッセンブリの第1フレクシャの配線パターンおよび第2フレクシャの配線パターンを模式的に示す平面図。
図10図10は、第2実施形態に係る前記第1フレクシャと第2フレクシャとを垂直方向に重ねて配置した状態を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図面を参照しながら、実施形態に係るディスク装置ついて説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の大きさ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(第1実施形態)
ディスク装置として、第1実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)について詳細に説明する。
図1は、カバーを外して示す実施形態に係るHDDの分解斜視図である。
図1に示すように、HDDは、矩形状の筐体10を備えている。筐体10は、上面の開口した矩形箱状のベース12と、カバー(トップカバー)14と、を有している。ベース12は、矩形状の底壁12aと、底壁の周縁に沿って立設された側壁12bとを有し、例えば、アルミニウムにより一体に成形されている。カバー14は、例えば、ステンレスにより矩形板状に形成されている。カバー14は、複数のねじ13によりベース12の側壁12b上にねじ止めさ、ベース12の上部開口を気密に閉塞する。
【0010】
筐体10内には、ディスク状の記録媒体として複数枚、例えば、10枚の磁気ディスク18、および磁気ディスク18を支持および回転させるスピンドルモータ19が設けられている。スピンドルモータ19は、底壁12aの上に配設されている。各磁気ディスク18は、例えば、直径95mm(3.5インチ)の円板状に形成され非磁性体、例えば、ガラスからなる基板と、基板の上面(第1面)および下面(第2面)に形成された磁気記録層とを有している。各磁気ディスク18は、スピンドルモータ19の図示しないハブに互いに同軸的に嵌合されて、更に、クランプばね20によりクランプされている。これにより、磁気ディスク18は、ベース12の底壁12aと平行に位置した状態に支持されている。複数枚の磁気ディスク18は、スピンドルモータ19により所定の回転数で矢印B方向に回転される。なお、磁気ディスク18の搭載枚数は、10枚に限らず、9枚以下、あるいは、11枚以上、12枚以下としてもよい。
【0011】
筐体10内には、磁気ディスク18に対して情報の記録、再生を行なう複数の磁気ヘッド17、および、これらの磁気ヘッド17を磁気ディスク18に対して移動自在に支持したアクチュエータアッセンブリ22が設けられている。また、筐体10内には、アクチュエータアッセンブリ22を回動および位置決めするボイスコイルモータ(VCM)24、磁気ヘッド17が磁気ディスク18の最外周に移動した際、磁気ヘッド17を磁気ディスク18から離間したアンロード位置に保持するランプロード機構25、変換コネクタ等の電子部品が実装された基板ユニット(FPCユニット)21、およびスポイラ70が設けられている。
ランプロード機構25は、ランプ80を備えている。ランプ80は、ベース12の底壁12aに固定され、磁気ディスク18の周縁部近傍に位置している。HDDの非作動時、磁気ヘッド17が磁気ディスク18の外周から外れて所定の停止位置に移動すると、サスペンションアッセンブリ30の後述するタブがランプ80に乗り上げる。これにより、磁気ヘッド17は、磁気ディスク18から離間した位置に保持される。
ベース12の底壁12aの外面には、プリント回路基板27がねじ止めされている。プリント回路基板27は、スピンドルモータ19の動作を制御するとともに、基板ユニット21を介してVCM24および磁気ヘッド17の動作を制御する制御部を構成している。
アクチュエータアッセンブリ22、VCM24、基板ユニット21、および制御部(プリント回路基板27)は、本願におけるヘッドアクチュエータを構成しているものとする。
【0012】
図2は、アクチュエータアッセンブリを示す斜視図である。図示のように、アクチュエータアッセンブリ22は、透孔26を有するアクチュエータブロック29と、透孔26内に設けられた軸受ユニット(ユニット軸受)28と、アクチュエータブロック29から延出する複数、例えば、11本のアーム32と、各アーム32に取付けられたサスペンションアッセンブリ(ヘッドジンバルアッセンブリ:HGAと称する場合もある)30と、サスペンションアッセンブリ30に支持された磁気ヘッド17と、を備えている。ベース12の底壁12a上に支持シャフト(枢軸)35が立設されている。アクチュエータブロック29は、軸受ユニット28により、支持シャフト35の周りで、回動自在に支持されている。
【0013】
本実施形態において、アクチュエータブロック29および11本のアーム32はアルミニウム等により一体に成形され、いわゆるEブロックを構成している。アーム32は、例えば、細長い平板状に形成され、支持シャフト35と直交する方向に、アクチュエータブロック29から延出している。11本のアーム32は、互いに隙間を置いて、平行に設けられている。
アクチュエータアッセンブリ22は、アクチュエータブロック29からアーム32と反対の方向へ延出する支持フレーム33を有し、この支持フレーム33により、VCM24の一部を構成するボイスコイル39が支持されている。図1に示すように、ボイスコイル39は、ベース12上にその1つが固定された一対のヨーク37間に位置し、これらのヨーク37、および何れかのヨークに固定された磁石とともにVCM24を構成している。
【0014】
図2に示すように、アクチュエータアッセンブリ22は、それぞれ磁気ヘッド17を支持した20個のサスペンションアッセンブリ30を備えている。サスペンションアッセンブリ30は各アーム32の延出端32Eにそれぞれ取付けられている。複数のサスペンションアッセンブリ30は、磁気ヘッド17を上向きに支持するアップヘッドサスペンションアッセンブリと、磁気ヘッド17を下向きに支持するダウンヘッドサスペンションアッセンブリと、を含んでいる。これらのアップヘッドサスペンションアッセンブリおよびダウンヘッドサスペンションアッセンブリは、ほぼ同一構造のサスペンションアッセンブリ30を上下向きを変えて配置することにより構成される。
本実施形態では、図2において、最上部のアーム32にダウンヘッドサスペンションアッセンブリ30が取付けられ、最下部のアーム32にアップヘッドサスペンションアッセンブリ30が取り付けられている。中間の9本のアーム32の各々には、アップヘッドサスペンションアッセンブリ30およびダウンヘッドサスペンションアッセンブリ30が取り付けられている。
【0015】
サスペンションアッセンブリ30は、ほぼ矩形状のベースプレート38と、細長い板ばねからなるロードビーム42と、細長い帯状のフレクシャ(配線部材)40と、を有している。フレクシャ40は、後述するジンバル部を有し、このジンバル部に磁気ヘッド17が載置されている。ベースプレート38の基端部がアーム32の延出端に固定され、例えば、かしめ止めされている。ロードビーム42は、その基端部がベースプレート38の端部に重ねて固定されている。ロードビーム42は、ベースプレート38から延出し、延出端に向かって先細に形成されている。支持板として機能する、ベースプレート38およびロードビーム42は、例えば、ステンレスにより形成されている。
ロードビーム42は、磁気ヘッド17を磁気ディスク18の表面に向けて付勢するばね力(反力)を生じている。また、ロードビーム42の先端からタブ46が突出している。タブ46は、前述したランプ80に係合可能であり、ランプ80と共にランプロード機構25を構成する。
【0016】
各サスペンションアッセンブリ30のフレクシャ40は、磁気ヘッド17に電気的に接続された一端部と、アーム32の側縁に形成された溝を通ってアクチュエータブロック29まで延出した他端部と、他端部に設けられた接続端部(テール接続端子部)48cと、を有している。接続端部48cは、細長い矩形状に形成されている。接続端部48cには複数、例えば、13個の接続端子(接続パッド)51が設けられている。これらの接続端子51は、フレクシャ40の配線にそれぞれ接続されている。フレクシャ40の複数の配線は、フレクシャ40のほぼ全長に亘って延び、一端は磁気ヘッド17に電気的に接続され、他端は、接続端子(接続パッド)51に接続されている。
フレクシャ40の接続端部48cに設けられた接続端子51は、接合部21cの接続パッドに接合され、接続パッドを介して接合部21cの配線に電気的に接続されている。これにより、アクチュエータアッセンブリ22の20個の磁気ヘッド17は、それぞれフレクシャ40の配線、接続端部48c、FPCユニット21の接合部21c、中継部21bを通して、ベース部21aに電気的に接続される。
【0017】
図2に示すように、FPCユニット21は、L字形状に折り曲げられたほぼ矩形状のベース部21a、ベース部21aの一側縁から延出した細長い帯状の中継部21bと、中継部21bの先端に連続して設けられた接合部21cと、を一体に有している。ベース部21a、中継部21b、および接合部21cは、フレキシブルプリント配線基板(FPC)により形成されている。フレキシブルプリント配線基板は、ポリイミド等の絶縁層と、この絶縁層上に形成され、複数の配線、接続パッド等を形成した導電層と、導電層を覆う保護層とを有している。
【0018】
ベース部21aの上に、図示しない変換コネクタ、複数のコンデンサ等の電子部品が実装され、図示しない配線に電気的に接続されている。補強板として機能する金属板がベース部21aに貼付されている。ベース部21aは、ベース12の底壁12aの上に設置されている。中継部21bは、ベース部21aの側縁からアクチュエータアッセンブリ22のアクチュエータブロック29に向かって延びている。中継部21bの延出端に設けられた接合部21cは、アクチュエータブロック29の側面(設置面)とほぼ等しい高さおよび幅の矩形状に形成されている。接合部21cは、アルミニウム等で形成された裏打ち板を介して、アクチュエータブロック29の設置面に貼付され、更に、固定ねじ72により設置面にねじ止め固定されている。接合部21cに多数の接続パッドが設けられている。接合部21cには例えば1つのヘッドIC(ヘッドアンプ)67が実装され、このヘッドIC67は配線を介して接続パッドおよびベース部21aに接続されている。更に、接合部21cには、ボイスコイル39が接続された接続端子68が設けられている。
【0019】
上記のように構成されたアクチュエータアッセンブリ22をベース12上に組み込んだ状態において、支持シャフト35は、スピンドルモータ19のスピンドルとほぼ平行に立設される。各磁気ディスク18は2本のサスペンションアッセンブリ30間に位置する。HDDの動作時、2本のサスペンションアッセンブリ30に支持された磁気ヘッド17は、磁気ディスク18の上面および下面にそれぞれ対向する。
【0020】
次に、アクチュエータアッセンブリ22およびサスペンションアッセンブリ30について詳細に説明する。
図3は、アームおよびサスペンションアッセンブリ30を示す斜視図、図4は、アームおよび一部のサスペンションアッセンブリを分解して示す分解斜視図である。
図示のように、アクチュエータブロック29から延出している各アーム32は、例えば、細長い平板状に形成されている。アーム32は、上面(第1主面)32aおよび上面と平行に対向する下面(第2主面)32bと、磁気ディスク18の側に位置し上面32aおよび下面32bと交差する側面32cと、側面32cに形成されたスリット(溝)31と、を有している。スリット31は、アクチュエータブロック29からアーム32の延出端まで第1主面32aおよび第2主面32bとほぼ平行に延在している。スリット31には、フレクシャ(配線部材)40の一部分が収納、配置される。
【0021】
前述したように、最上部のアーム32にダウンヘッドサスペンションアッセンブリ30が取付けられ、最下部のアーム32にアップヘッドサスペンションアッセンブリ30が取り付けられている。中間の9本のアーム32の各々には、2本のサスペンションアッセンブリ、すなわち、アップヘッドサスペンションアッセンブリ30およびダウンヘッドサスペンションアッセンブリ30が取り付けられ、背中合わせで隣接、対向している。
各サスペンションアッセンブリ30のベースプレート38の基端部は、アーム32の先端部に固定されされている。フレクシャ40は、細長い帯状の積層板で形成され、先端側部分40aと基端側部分40bとを有している。先端側部分40aはロードビーム42およびベースプレート38上に取り付けられている。フレクシャ40の先端部は、弾性支持部として機能するジンバル部36を構成している。磁気ヘッド17は、ジンバル部36上に載置および固定され、このジンバル部36を介してロードビーム42に支持されている。
【0022】
フレクシャ40の基端側部分40bは、ベースプレート38の側縁から外側へ出た後、アーム32の側面32cに形成されたスリット31内を通って、アーム32の基端およびアクチュエータブロック29まで延びている。基端側部分40bの後端にフレクシャ54の接続端部(テール接続端子部)48cが形成されている。接続端部48cは、基端側部分54bに対してほぼ直角に折り曲げられ、アーム32に対してほぼ垂直に位置している。接続端部48cは、複数の接続端子51を有し、FPCユニット21の接合部21cに接続される。
【0023】
図5は、図3の線A-Aに沿ったアームおよびフレクシャの断面図、図6は、フレクシャの断面を拡大して模式的に示す断面図である。
図5に示すように、2本のサスペンションアッセンブリ30が取り付けられているアーム32において、アーム32のスリット31の中には、アップヘッドサスペンションアッセンブリ30のフレクシャ40の基端側部分40bと、ダウンヘッドサスペンションアッセンブリ30のフレクシャ40の基端側部分40bと、の2本のフレクシャが配置されている。スリット31内において、基端側部分40bは、互いにほぼ平行に対向した状態で配置されている。フレクシャ40の表面に垂直な方向を垂直方向とした場合、2本の基端側部分40bは、垂直方向に互いに対向して配置されている。
【0024】
図6に示すように、各フレクシャ40は、ベースとなるステンレス等の金属薄板(金属板)50aと、金属薄板50a上に貼付あるいは固定されたベース絶縁層50bと、ベース絶縁層50b上に形成されて、複数の配線(信号配線、駆動配線)60を構成する導電層(配線パターン)50cと、導電層50cを覆ってベース絶縁層50b上に積層されたカバー絶縁層50dと、を有している。フレクシャ40の先端側部分40aでは、金属薄板50a側がロードビーム42およびベースプレート38の表面上に貼付され、あるいは、複数の溶接点にてスポット溶接されている。
スリット31内において、2本の基端側部分40bは、金属薄板50a同士が対向する向きに配置されている。アップヘッドサスペンションアッセンブリ30のフレクシャ40を40UPと表記し、ダウンヘッドサスペンションアッセンブリ30のフレクシャ40を40DWと表記する。
【0025】
図7は、フレクシャ40UPおよびフレクシャ40DNの配線パターンを模式的に示す平面図、図8は、フレクシャ40UP、40DNを重ねて配置した状態を概略的に示す平面図である。図7および図8は、図6のB方向(上から)からフレクシャ40を見た状態の配線パターンを示している。
本実施形態のHDDにおいて、各磁気ヘッド17は、例えば、2次元磁気記録(TDMR)型の磁気ヘッドを用いている。また、HDDは、UPヘッドとDNヘッドとを独立動作可能なデュアル駆動方式を用いている。
図7(a)に示すように、フレクシャ40の長手方向をX、幅方向をYとした場合、フレクシャ40UPは、それぞれ長手方向Xに延びる多数本、例えば、15本の配線を有している。15本の配線は、幅方向Yに間隔に間隔を置いて並んでいる。配線の各々は、一端側が磁気ヘッド17のライト素子、リード素子、アシスト素子、HDIセンサなど、あるいは図示しない圧電素子に接続され、他端側が接続端部48cの接続端子51に接続されている。
【0026】
これらの配線は、磁気ヘッド17の2つのリーダー(リードヘッド)からリード信号が送られるリード配線(R1-)、リード配線(R1+)、リード配線(R2-)、リード配線(R2+)を含んでいる。これらのリード配線は、フレクシャ40UPの幅方向Yの一端、例えば、上端から下端に向かって順に幅方向Yに並んでいる。次いで、5本の配線LA、LB、LC、LD、LEが幅方向Yに順に並んでいる。
次いで、磁気ヘッド17のライタ(記録ヘッド)に記録信号を供給するライト(インターリーブ)配線(W-)、ライト(インターリーブ)配線(W+)、ライト配線(W-)、ライト配線(W+)が幅方向Yに並んでいる。本実施形態において、ライト(インターリーブ)配線(W+)、ライト配線(W-)の幅方向Yの幅(第2幅)は、それぞれライト(インターリーブ)配線(W-)、ライト(インターリーブ)配線(W+)の幅(第1幅)の約2倍程度に形成されている。
更に、2本の配線LF、LGが幅方向Yに並んでいる。
一例では、フレクシャ40の幅方向Yの幅を1mmとした場合、ライト配線の第1幅は40μm、第2幅は80μm程度に形成している。
なお、インターリーブ配線とは、ヘッド素子から引き出された配線(主にライト配線、リード配線)を、基端側部分40bの手前で二股に分けて延在させている配線のうちの一方の配線を示している。二股に分けることにより、1本あたりの配線の幅が狭くなり、低インピーダンスとすることができる。
【0027】
図7(b)に示すように、フレクシャ40DNは、それぞれ長手方向Xに延びる多数本、例えば、15本の配線を有している。15本の配線は、幅方向Yに間隔を置いて並んでいる。15本の配線の各々は、一端側が磁気ヘッド17のライト素子、リード素子、アシスト素子、HDIセンサなど、あるいは圧電素子に接続され、他端側が接続端部48cの接続端子51に接続されている。15本の配線は、幅方向Yにおいて、アップヘッド側のフレクシャ40UPの配線と逆向きに並んでいる。
【0028】
詳細には、幅方向Yの他端、例えば、下端から上端に向かって順に、リード配線(R1-)、リード配線(R1+)、リード配線(R2-)、リード配線(R2+)が幅方向Yに並んでいる。次いで、5本の配線LA、LB、LC、LD、LEが幅方向Yに順に並んでいる。
続いて、磁気ヘッド17のライタ(記録ヘッド)に記録信号を供給するライト(インターリーブ)配線(W-)、ライト(インターリーブ)配線(W+)、ライト配線(W-)、ライト配線(W+)が幅方向Yに順に並んでいる。本実施形態において、ライト(インターリーブ)配線(W+)、ライト配線(W-)のY方向の幅(第2幅)は、それぞれライト(インターリーブ)配線(W-)、ライト(インターリーブ)配線(W+)の幅(第1幅)の約2倍程度に形成されている。
更に、2本の配線LF、LGが幅方向Yに並んでいる。
一例では、フレクシャ40の幅方向Yの幅を1mmとした場合、ライト配線の第1幅は40μm、第2幅は80μm程度に形成している。
【0029】
図8に示すように、スリット31内において、フレクシャ40UPおよびフレクシャ40DNは垂直方向に重ねて配置される。上記のように、フレクシャ40UPとフレクシャ40DNとで、配線の配列を逆向きとすることにより、ライト配線およびリード配線同士が対向しない配線配置となる。
すなわち、フレクシャ40UPのリード配線(R1-)、リード配線(R1+)、リード配線(R2-)、リード配線(R2+)は、フレクシャ40DNのリード配線(R1-)、リード配線(R1+)、リード配線(R2-)、リード配線(R2+)と垂直方向に対向せず、幅方向Yに大きく離間している。
また、フレクシャ40UPの少なくとも2本のリード配線(R1-)、リード配線(R1+)は、フレクシャ40DNのライト配線(W+)、ライト配線(W-)と垂直方向に対向せず、幅方向Yにずれて位置している。フレクシャ40UPのリード配線(R2-)、リード配線(R2+)は、幅方向Yの端部(例えば、リード配線の配線幅の50%以下の領域)がフレクシャ40DNのライト配線(W-)と垂直方向に対向して(重なって)位置している。すなわち、フレクシャ40UPのリード配線(R2-)、リード配線(R2+)は、フレクシャ40DNのライト配線(W-)に対して、配線幅の50%以上、幅方向Yにずれて位置している。
【0030】
上記のようにスリット31内で対向するフレクシャ40UP、40DNのリード配線およびライト配線が互いにオーバーラップしないように各々の配線を配置することにより、これらの配線間のクロストークを低減することが可能となる。
本実施形態のように、2つあるリードヘッドの一方のヘッドに繋がる一対のリード配線(R2-、R2+)がライト配線(W-)に部分的に重なって配置されている場合、アップヘッドおよびダウンヘッドを別駆動する際は、オーバーラップする配線間が影響を受けないようにヘッドの動作を制御する。すなわち、ヘッドアクチュエータの制御部(プリント回路基板27)は、ライト配線W+、W-を介してダウンヘッドによりライト動作する間、アップヘッドについては、オーバーラップしていないリード配線(R1-、R1+)に繋がるリードヘッドによりリード動作をするように制御する。言い換えると、制御部は、ライト配線W+、W-を介してダウンヘッドによりライト動作する間、オーバーラップしているリード配線R2-、R2+に繋がるアップ側のリードヘッドでのリード動作を禁止し、オーバーラップしていないリード配線(R1-、R1+)に繋がるリードヘッドによるリード動作のみを許容する。
【0031】
同様に、制御部は、ライト配線W+、W-を介してアップヘッドによりライト動作する間、アップPヘッドがライト動作するときはDNヘッドはオーバーラップしていないリード配線(R1-、R1+)に繋がるリードヘッドでリード動作をするように制御を行う。
ダウンヘッドについては、オーバーラップしていないリード配線(R1-、R1+)に繋がるリードヘッドによりリード動作をするように制御する。言い換えると、制御部は、ライト配線W+、W-を介してダウンヘッドによりライト動作する間、オーバーラップしているリード配線R2-、R2+に繋がるダウン側のリードヘッドでのリード動作を禁止し、オーバーラップしていないリード配線(R1-、R1+)に繋がるリードヘッドによるリード動作のみを許容する。
【0032】
以上のように構成されたHDDによれば、アームのスリットの内にアップヘッド側のフレクシャ40UPとダウンヘッド側のフレクシャ40DNが垂直方向に隣接、対向して配置されているにも係わらず、これらフレクシャ40UP、40DNの配線について、リード配線とライト配線とはオーバーラップしない配線配列とすることにより、配線間のクロストークを低減することが可能となる。更に、ライト配線がリード配線とが部分的にオーバーラップしている場合は、オーバーラップしている配線を同時に駆動しない制御とすることにより、クロストークの影響を無くすことができる。
以上のことから、本実施形態によれば、配線間のクロストークを低減し、信頼性の向上を図ることが可能なサスペンションアッセンブリおよびHDDを提供することができる。
【0033】
次に、この発明の他の実施形態に係るHDDについて説明する。以下に述べる他の実施形態において、前述した第1実施形態と同一の部分には第1実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を簡略化あるいは省略する場合がある。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態における、フレクシャ40UPおよびフレクシャ40DNの配線パターンを模式的に示す平面図、図10は、フレクシャ40UP、40DNを重ねて配置した状態を概略的に示す平面図である。図9および図10は、図6のB方向(上から)からフレクシャ40を見た状態の配線パターンを示している。
【0034】
図9(a)に示すように、フレクシャ40の長手方向をX、幅方向をYとした場合、フレクシャ40UPは、前述した第1実施形態におけるフレクシャ40UPと同様の配線を有し、同様に配列されている。すなわち、フレクシャ40UPは、幅方向Yの一端、例えば、上端から下端に向かって順に幅方向Yに並んだ、リード配線(R1-)、リード配線(R1+)、リード配線(R2-)、リード配線(R2+)、5本の配線LA、LB、LC、LD、LE、ライト(インターリーブ)配線(W-)、ライト(インターリーブ)配線(W+)、ライト配線(W-)、ライト配線(W+)、更に、2本の配線LF、LGを有している。
第1実施形態において、ライト(インターリーブ)配線(W+)、ライト配線(W-)の幅方向Yの幅は、それぞれライト(インターリーブ)配線(W-)、ライト(インターリーブ)配線(W+)の幅の約2倍程度に形成されている。これに対して、第2実施形態では、ライト(インターリーブ)配線(W-)のみがライト(インターリーブ)配線(W+)の幅の約2倍程度の幅に形成され、ライト配線(W-)の幅は、ライト(インターリーブ)配線(W-)の幅の約1.5倍程度に形成されている。すなわち、ライト配線(W-)は、ライト(インターリーブ)配線(W+)よりも細い幅に形成されている。
一例では、ライト(インターリーブ)配線(W-)の幅方向Yの幅を40μmとした場合、ライト配線(W-)の幅方向Yの幅は60μm程度に形成している。
【0035】
図9(b)に示すように、フレクシャ40DNは、前述した第1実施形態におけるフレクシャ40UPと同様の配線を有し、同様に配列されている。フレクシャDNの配線は、幅方向Yにおいて、アップヘッド側のフレクシャ40UPの配線と逆向きに並んでいる。
すなわち、フレクシャ40DNは、幅方向Yの一端、例えば、下端から上端に向かって順に幅方向Yに並んだ、リード配線(R1-)、リード配線(R1+)、リード配線(R2-)、リード配線(R2+)、5本の配線LA、LB、LC、LD、LE、ライト(インターリーブ)配線(W-)、ライト(インターリーブ)配線(W+)、ライト配線(W-)、ライト配線(W+)、更に、2本の配線LF、LGを有している。
第2実施形態では、ライト(インターリーブ)配線(W-)のみがライト(インターリーブ)配線(W+)の幅の約2倍程度の幅に形成され、ライト配線(W-)の幅は、ライト(インターリーブ)配線(W-)の幅の約1.5倍程度に形成されている。すなわち、ライト配線(W-)は、ライト(インターリーブ)配線(W+)よりも細い幅に形成されている。
【0036】
図10に示すように、アーム32のスリット31内において、フレクシャ40UPおよびフレクシャ40DNは垂直方向に重ねて配置される。上記のように、フレクシャ40UPとフレクシャ40DNとで、配線の配列を逆向きとすることにより、ライト配線およびリード配線同士が垂直方向に対向しない配線配置となる。
すなわち、フレクシャ40UPのリード配線(R1-)、リード配線(R1+)、リード配線(R2-)、リード配線(R2+)は、フレクシャ40DNのリード配線(R1-)、リード配線(R1+)、リード配線(R2-)、リード配線(R2+)と対向せず、幅方向Yに大きく離間している。
また、フレクシャ40UPのリード配線(R1-)、リード配線(R1+)は、フレクシャ40DNのライト配線(W+)、ライト配線(W-)と対向せず、幅方向Yにずれて位置している。
第2実施形態によれば、ライト配線(W-)をライト(インターリーブ)配線(W+)よりも細く形成することにより、ライト配線(W-)はリード配線(R2-)、リード配線(R2+)に垂直方向に対向することなく、すなわち、垂直方向にオーバーラップすることなく、幅方向Yにずれて位置している。このように、フレクシャ40UP、40DNの全てのリード配線および全てのライト配線が互いにオーバーラップしないように配置することにより、これらの配線間のクロストークを低減することが可能となる。
なお、第2実施形態において、サスペンションアッセンブリおよびHDDの他の構成は、前述した第1実施形態のっすペンションアッセンブリおよびHDDと同様である
【0037】
以上のように構成された第2実施形態によれば、アームのスリットの内にアップヘッド側のフレクシャ40UPとダウンヘッド側のフレクシャ40DNが垂直方向に隣接、対向して配置されているにも係わらず、これらフレクシャ40UP、40DNの配線について、リード配線とライト配線とはオーバーラップしない配線配列とすることができる。これにより、配線間のクロストークを低減し、信頼性の向上を図ることが可能なサスペンションアッセンブリおよびHDDを提供することができる。
【0038】
本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述した実施形態において、フレクシャの配線は、15本に限らず、必要に応じて増減可能である。フレクシャ40UPの配線の配列とフレクシャ40DNの配線の配列とを逆に設定してもよい。また、磁気ディスクの設置枚数は、10枚に限らず、11枚あるいは12枚まで増加可能である。
【符号の説明】
【0039】
12…筺体、12…ベース、17…磁気ヘッド、
18…磁気ディスク、19…スピンドルモータ、22…アクチュエータアッセンブリ、
25…ランプロード機構、31…スリット(溝)、30…サスペンションアッセンブリ、
32…アーム、38…ベースプレート、40…フレクシャ(配線部材)、
40UP…アップヘッド側フレクシャ、40DN…ダウンヘッド側フレクシャ、
40b…基端側部分、42…ロードビーム、60…配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10