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特開2022-182033画像処理装置および画像処理装置の動作状態通知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182033
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】画像処理装置および画像処理装置の動作状態通知方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20221201BHJP
   B41J 29/38 20060101ALN20221201BHJP
   B41J 29/00 20060101ALN20221201BHJP
【FI】
H04N1/00 912
H04N1/00 127B
B41J29/38 201
B41J29/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089325
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩章
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061HN05
2C061HN15
2C061HQ06
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA30
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC38
5C062AC58
(57)【要約】
【課題】処理対象の複数のジョブに対して要求された機能を効率的に実行することのできる画像処理装置等を提供する。
【解決手段】ジョブを取得するジョブ取得部と、取得されたジョブに対して要求された機能を実行する機能実行部と、機能を実行した後その機能の実行が正常に終了したことを示す処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングを選択する完了通知選択部とを備える。処理完了通知を送信するタイミングには、機能の実行が正常に終了した時点であるジョブ実行完了時と、機能の実行を開始する前の時点であるジョブ取得完了時とがある。現在実行中の機能があり、かつ、新たなジョブを取得することができない状態である場合には、完了通知選択部が処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとしてジョブ取得完了時を選択する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置から送信されたジョブを取得するジョブ取得部と、
取得された前記ジョブに対して要求された機能を実行する機能実行部と、
前記機能を実行した後その機能の実行が正常に終了したことを示す処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングを選択する完了通知選択部とを備え、
前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングには、前記機能の実行が正常に終了した時点であるジョブ実行完了時と、前記機能の実行を開始する前の時点であるジョブ取得完了時とがあり、
現在実行中の機能があり、かつ、新たなジョブを取得することができない状態である場合には、前記完了通知選択部が、処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、前記ジョブ取得完了時を選択することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、ジョブ取得完了時が選択されている状態では、
前記ジョブ取得部によって取得されたジョブに対する前記処理完了通知を情報処理装置に送信した後に、前記機能実行部が、前記取得されたジョブに対して要求された機能の実行を開始することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
情報処理装置から送信されたジョブを受け付けるポートを1つ以上備え、
前記新たなジョブを取得することができない状態とは、ジョブを受け付けることの可能なポートがない状態であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
現在実行中の機能がなく、かつ、新たなジョブを取得することができる状態である場合には、前記完了通知選択部が、処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、前記ジョブ実行完了時を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、前記ジョブ実行完了時が選択されている状態では、
前記機能実行部によって前記取得されたジョブに対して要求された機能が実行されその機能が正常に終了した後に、前記機能が正常に終了したジョブに対する前記処理完了通知を情報処理装置に送信することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
情報処理装置から送信されたジョブを受け付けるポートを1つ以上備え、
取得されたジョブに対して要求される機能を実行するために利用される記憶領域である格納リソースを1つ以上備え、
前記新たなジョブを取得することができる状態とは、ジョブを受け付けることの可能なポートが1つ以上存在し、利用可能な格納リソースが1つ以上存在している状態であることを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
取得された前記ジョブに対する前記処理完了通知を情報処理装置に送信した後に、前記ジョブ取得部によって少なくとも1つの新たなジョブを取得できる状態になることを特徴とする請求項2または5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングが、前記ジョブ実行完了時から前記ジョブ取得完了時に変更された場合、および、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングが、前記ジョブ取得完了時から前記ジョブ実行完了時に変更された場合に、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングが変更されたことを、接続可能な情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置の動作状態通知方法であって、
情報処理装置から送信されたジョブを取得するジョブ取得ステップと、
前記取得されたジョブに対して要求された機能を実行する機能実行ステップと、
前記機能を実行した後その機能の実行が正常に終了したことを示す処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングを選択する完了通知選択ステップと、
前記処理完了通知を情報処理装置に送信する動作状態通知ステップとを含み、
前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングには、前記機能の実行が正常に終了した時点であるジョブ実行完了時と、前記機能の実行を開始する前の時点であるジョブ取得完了時とがあり、
画像処理装置において、現在実行中の機能があり、かつ、新たなジョブを取得することができない状態である場合には、前記完了通知選択ステップにおいて、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、前記ジョブ取得完了時を選択し、
前記ジョブ取得ステップにおいて、ジョブを取得した後、
前記取得されたジョブに対して要求された機能の実行を開始する前の前記ジョブ取得完了時に、前記動作状態通知ステップを実行し、
取得したジョブに対する前記処理完了通知を情報処理装置に送信した後に、
前記機能実行ステップを実行することを特徴とする画像処理装置の動作状態通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置等に関し、特に、ネットワークを介して画像処理装置に接続された情報処理装置から複数のジョブを受信することができ、各ジョブに対して要求された印刷等の機能を実行する画像処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワークを介して、ユーザーの所有する携帯端末などの情報処理装置と画像処理装置とを接続し、情報処理装置から送信された画像データを画像処理装置に保存した後、その画像データを、所定の印刷用紙に印刷することが可能な印刷システムが利用されている。
【0003】
たとえば、インターネットプリンティングプロトコル(Internet Printing Protocol:IPP)という規格を利用して、インターネットに接続された情報処理装置と画像処理装置との間で、画像データを含むジョブの送受信が行われ、情報処理装置から画像処理装置にジョブの処理要求が送信された場合、画像処理装置において受信されたジョブに対して、印刷やFAX送信等の機能が実行される。
また、情報処理装置からジョブの印刷要求が画像処理装置に送信された場合、画像処理装置で実際にジョブの印刷が実行された後に、印刷が完了したことを示す印刷完了通知が画像処理装置から情報処理装置に送信され、情報処理装置を所有するユーザーに印刷が完了したことが通知される。
【0004】
また、特許文献1には、ジョブの処理方法として、ジョブを構成する全てのドキュメントが揃うまでドキュメントの処理を実行しない受付完了型順次処理と、ドキュメントの受付順に処理を実行する非受付完了型順次処理の2通りの方法を備え、クライアントから受付完了型順次処理あるいは非受付完了型順次処理のどちらかを指示したジョブ処理モードを含むジョブ要求を受付けた後、受け付けたジョブがどちらのジョブ処理モードかを判定し、受付完了型順次処理モードである場合には、ジョブに含まれる最後のドキュメントを受け付けた場合に、ジョブをまとめて処理を実行し、非受付完了型順次処理である場合には、ドキュメントごとに処理を逐次実行することで、ジョブの一括処理と逐次処理を切り替えるようにして処理効率を向上させるジョブ処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-143450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来の画像処理装置において、一度に1つのジョブしか受け付けられない場合には、受け付けた1つのジョブについて印刷等の処理が実行された後に、その処理が正常に完了したことを示す完了通知が画像処理装置から情報処理装置に送信され、情報処理装置では、完了通知を受信した後に、次のジョブの処理要求が画像処理装置に送信される。
この場合、画像処理装置でジョブの処理に長時間を要し完了通知が送信されるタイミングが遅くなった場合、情報処理装置から次のジョブの処理要求を送信することができず、情報処理装置のユーザーは待たされる。
【0007】
特に、画像処理装置に要求するジョブの処理がファクス送信である場合、画像データのファクス送信の完了までに時間がかかるので、次のジョブが待たされる時間が長い場合が多い。さらに、ファクス送信の場合、相手先に接続できず、再ダイヤル待ちが発生する場合もあるので、ファクス送信のジョブが完了するまでに長時間を要する場合があり、次のジョブが待たされる時間や回数が増加する。
【0008】
また、画像処理装置では、ジョブを受け付けるポートを複数個備え、複数のジョブを同時に受け付けて各ジョブの処理を同時に実行することが可能な装置もあるが、ポート数を越えるジョブを受け付けることはできず、処理中の1つのジョブの処理が正常に完了しそのジョブの完了通知が、情報処理装置に送信されるまで、次のジョブの処理要求は、受け付けられない。
【0009】
さらに、ジョブを受け付けるポートを複数個備えていても、画像処理装置のシステムリソースが不足することによって、複数のジョブを同時に処理できない場合があり、結局、1つのジョブが完了しそのジョブの完了通知が情報処理装置に送信されるまで、次のジョブの処理要求を受け付けることができない場合がある。
あるいは、たとえば、複数のジョブを同時に受け付けることができ、複数のジョブの画像データを内部メモリに保存することはできても、印刷のために行う画像形成処理自体が並行処理できない場合は、その他のジョブの処理に待ち状態が発生するため、
結局、処理中のジョブの処理が正常に完了しそのジョブの完了通知が情報処理装置に送信されるまで、次のジョブの処理要求を受け付けることができない場合がある。
【0010】
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、処理対象の複数のジョブに対して要求された機能を効率的に実行することのできる画像処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、情報処理装置から送信されたジョブを取得するジョブ取得部と、前記取得された前記ジョブに対して要求された機能を実行する機能実行部と、前記機能を実行した後その機能の実行が正常に終了したことを示す処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングを選択する完了通知選択部とを備え、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングには、前記機能の実行が正常に終了した時点であるジョブ実行完了時と、前記機能の実行を開始する前の時点であるジョブ取得完了時とがあり、現在実行中の機能があり、かつ、新たなジョブを取得することができない状態である場合には、前記完了通知選択部が、処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、前記ジョブ取得完了時を選択することを特徴とする画像処理装置を提供するものである。
【0012】
さらに、この発明は、画像処理装置の動作状態通知方法であって、情報処理装置から送信されたジョブを取得するジョブ取得ステップと、前記取得されたジョブに対して要求された機能を実行する機能実行ステップと、前記機能を実行した後その機能の実行が正常に終了したことを示す処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングを選択する完了通知選択ステップと、前記処理完了通知を情報処理装置に送信する動作状態通知ステップとを含み、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングには、前記機能の実行が正常に終了した時点であるジョブ実行完了時と、前記機能の実行を開始する前の時点であるジョブ取得完了時とがあり、画像処理装置において、現在実行中の機能があり、かつ、新たなジョブを取得することができない状態である場合には、前記完了通知選択ステップにおいて、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、前記ジョブ取得完了時を選択し、前記ジョブ取得ステップにおいて、ジョブを取得した後、前記取得されたジョブに対して要求された機能の実行を開始する前の前記ジョブ取得完了時に、前記動作状態通知ステップを実行し、取得したジョブに対する前記処理完了通知を情報処理装置に送信した後に、前記機能実行ステップを実行することを特徴とする画像処理装置の動作状態通知方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、処理対象の複数のジョブに対して要求された機能を効率的に実行することのできる画像処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の画像処理装置の一実施例の構成ブロック図である。
図2】この発明の情報処理装置の一実施例の構成ブロック図である。
図3】この発明の画像処理装置の記憶部に記憶される情報(動作状態設定情報)の一実施例の説明図である。
図4】この発明の画像処理装置の記憶部に記憶される情報(完了通知切替条件)の一実施例の説明図である。
図5】この発明の画像処理装置の記憶部に記憶される情報(現在完了通知情報)の一実施例の説明図である。
図6】この発明の画像処理装置の記憶部に記憶される情報(ジョブ管理情報)の一実施例の説明図である。
図7】この発明の画像処理装置において、情報処理装置から送信されたジョブの取得処理に関する一実施例の説明図である。
図8】この発明の画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプBの場合に、取得されたジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図である。
図9】この発明の画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプAの場合に、取得されたジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図である。
図10】この発明の画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプBの場合に、複数のジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図である。
図11】この発明の画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプBの場合に、複数のジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図である。
図12】この発明の画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプBの場合に、複数のジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図である。
図13】この発明の画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプAの場合に、複数のジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図である。
図14】この発明の画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプAの場合に、複数のジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図である。
図15】この発明の画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプAの場合に、複数のジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図である。
図16】現在完了通知情報がタイプBの場合に、画像処理装置と情報処理装置との間で行われるジョブ受付実行処理の一実施例の通信シーケンスである。
図17】現在完了通知情報がタイプAの場合に、画像処理装置と情報処理装置との間で行われるジョブ受付実行処理の一実施例の通信シーケンスである。
図18】この発明の画像処理装置における完了通知時期切替処理の一実施例のフローチャートである。
図19】この発明の画像処理装置における完了通知時期切替処理において、完了通知時期をタイプBへ切り替える判定処理の一実施例のフローチャートである。
図20】この発明の画像処理装置における完了通知時期切替処理において、完了通知時期をタイプAへ切り替える判定処理の一実施例のフローチャートである。
図21】この発明の画像処理装置におけるジョブ受付実行処理の一実施例のフローチャートである。
図22】この発明の画像処理装置におけるジョブ受付実行処理の一実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
また、前記ジョブ取得完了時は、処理対象のジョブに対して要求された機能が実行可能な状態であり、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、ジョブ取得完了時が選択されている状態では、前記ジョブ取得部によって取得されたジョブに対する前記処理完了通知を情報処理装置に送信した後に、前記機能実行部が、前記取得されたジョブに対して要求された機能の実行を開始することを特徴とする。
【0016】
また、情報処理装置から送信されたジョブを受け付けるポートを1つ以上備え、前記新たなジョブを取得することができない状態とは、ジョブを受け付けることの可能なポートがない状態であることを特徴とする。
【0017】
また、現在実行中の機能がなく、かつ、新たなジョブを取得することができる状態である場合には、前記完了通知選択部が、処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、前記ジョブ実行完了時を選択することを特徴とする。
【0018】
また、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、前記ジョブ実行完了時が選択されている状態では、前記機能実行部によって前記取得されたジョブに対して要求された機能が実行されその機能が正常に終了した後に、前記処理完了通知を情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0019】
また、情報処理装置から送信されたジョブを受け付けるポートを1つ以上備え、取得されたジョブに対して要求される機能を実行するために利用される記憶領域である格納リソースを1つ以上備え、前記新たなジョブを取得することができる状態とは、ジョブを受け付けることの可能なポートが1つ以上存在し、利用可能な格納リソースが1つ以上存在している状態であることを特徴とする。
【0020】
また、取得された前記ジョブに対する前記処理完了通知を情報処理装置に送信した後に、前記ジョブ取得部によって少なくとも1つの新たなジョブを取得できる状態になることを特徴とする。
【0021】
また、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングが、前記ジョブ実行完了時から前記ジョブ取得完了時に変更された場合、および、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングが、前記ジョブ取得完了時から前記ジョブ実行完了時に変更された場合に、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングが変更されたことを、接続可能な情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0022】
また、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングを示した現在完了通知情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記完了通知選択部が、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、前記ジョブ実行完了時を選択した場合に、前記現在完了通知情報にタイプAが記憶され、前記完了通知選択部が、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、前記ジョブ取得完了時を選択した場合に、前記現在完了通知情報にタイプBが記憶され、前記現在完了通知情報が、タイプAからタイプBに変更された場合、および、タイプBからタイプAに変更された場合に、前記処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングが変更されたことを、接続可能な情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0023】
以下、図面を使用して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施例の記載によって、この発明が限定されるものではない。
この発明では、ネットワークを介して接続された画像処理装置と、画像処理装置によって処理される画像データが記憶される情報処理装置とによって、画像処理システムが構成される。
情報処理装置は、画像処理装置で印刷等の処理をしようとするユーザーが所有するパソコンや携帯端末に相当し、ネットワークを介して、1又は複数の情報処理装置が、画像処理装置に接続できるものとする。
以下、情報処理装置をユーザー端末(TE)とも呼ぶ。
【0024】
画像処理装置(以下、MFP:Multifunction Peripheral、複合機とも呼ぶ)は、画像データを処理する装置であり、たとえば、複写(コピー)機能、印刷機能、原稿読取(スキャン)機能、原稿編集機能、原稿保存機能、原稿送信(ファクス、FAX)機能、通信機能などを備えた電子機器である。
画像処理装置は、ユーザー端末から送信された画像データ(受信ジョブ、または、単にジョブとも呼ぶ)を一時保存する機能を有するものとし、原則として、受信したジョブを、受け付けた順に処理する。
【0025】
また、画像処理装置MFPは、ジョブを受け付けるポートを1つまたは複数個有し、ポート数に相当する数のジョブの処理要求を、同時に受け付けることができるものとする。
たとえば、3つのポートを有する場合は、3つのジョブの処理要求を、同時に受け付けることができ、各ジョブに含まれる画像データを一時保存できるものとする。
【0026】
また、この発明では、原則として、複数の使用可能なポート(空きポート)がある場合は、従来と同様に、1つのジョブの処理が完了した後に、そのジョブの処理が完了したことを示す処理完了通知(ジョブ正常終了通知とも呼ぶ)を、そのジョブの処理を要求してきた情報処理装置に送信する。
【0027】
一方、使用可能なポート(空きポート)がない場合で、現在処理を実行中のジョブがある場合は、実行中のジョブの処理が完了していなくても、実行中のジョブの処理が完了したことを示す処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を、そのジョブの処理を要求してきた情報処理装置に送信する。
特に、この発明では、後述するように、現在完了通知情報がタイプBに設定されている場合に、情報処理装置からジョブ処理要求を受信した場合、ジョブの受付に関係する処理をした後に、そのジョブの実際の処理が完了していなくても、実行中のジョブの処理が完了したことを示す処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を、そのジョブの処理を要求してきた情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0028】
<画像処理装置の構成>
図1に、この発明の画像処理装置の一実施例の構成ブロック図を示す。
画像処理装置(MFP)1は、上記したように、多機能を備えた複合機であるが、以下の実施例では、少なくとも、印刷機能と、ファクス送信機能と、通信機能を備えるものとする。
また、図1に示すように、LAN(有線および無線)などのネットワーク3を介して、画像処理装置(MFP)1は、複数の情報処理装置(TE)2に接続してデータ通信ができるものとする。
【0029】
情報処理装置(TE)2は、画像処理装置で処理する画像データ等を入力するユーザー端末に相当し、複数の情報処理装置2が、ネットワーク3に接続されているものとする。
情報処理装置では、書類データや画像データが生成または入力され、画像データ等を含む画像処理装置で処理するためのジョブが生成されて、ジョブの処理を要求するジョブ処理要求が、画像処理装置に送信される。
ジョブ処理要求には、たとえば、印刷やファクスなどのジョブの種類が含まれ、ジョブ処理要求は、ジョブに含まれる画像データの印刷処理やファクス送信処理等を要求する情報である。
【0030】
図1において、画像処理装置(MFP)1は、主として、制御部11、操作部12、表示部13、画像処理部14、通信部15、FAX通信部16、ジョブ取得部21、ジョブ種別判定部22、動作状態判定部23、完了通知選択部24、動作状態通知部25、機能実行部26、記憶部40を備える。
【0031】
制御部11は、操作部や画像処理部などの各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
CPUは、ROM等に予め格納された制御プログラムに基づいて、各種ハードウェアを有機的に動作させて、この発明の画像処理機能などを実行する。
【0032】
操作部12は、画像処理装置の利用者が情報を入力する部分であり、画像処理装置を動作させる所定の入力操作をするための入力装置である。たとえば、文字などの情報の入力や、機能の選択入力をする部分であり、キーボード、マウス、タッチパネルなどが用いられる。
ユーザーが操作するキーとしては、動作開始キー、機能選択キー、設定キーなどがある。
ユーザーは、たとえば、タッチパネルや読み取り動作の開始キーを入力する操作をすることによって、印刷項目設定機能、原稿読取機能、印刷機能、ファクス送信機能などを実行させる。
【0033】
表示部13は、情報を表示する部分であり、各機能の実行に必要な情報や、機能の実行の結果などを、利用者に知らせるために表示する。たとえば、LCD、有機ELディスプレイなどが用いられ、操作部12としてタッチパネルが用いられる場合は、表示部13とタッチパネルとが重ね合わせて配置される。
表示部13には、たとえば、画像処理装置の印刷等に利用する設定項目の設定や、印刷機能等を実行するのに必要な情報や、選択した機能の操作画面、印刷項目設定操作画面などが、文字、記号、図形、画像、アイコン、アニメーション、動画等を用いて、表示される。
【0034】
画像処理部14は、画像処理装置の主要な機能である画像形成機能を実行する部分であり、主に、画像入力部、画像形成部、および、画像出力部からなる。
主として、画像入力部は、所定の画像データを入力する部分であり、画像形成部は、入力された画像データを印刷等することのできる情報に変換する部分であり、画像出力部は、形成された印刷情報等を印刷用紙等に出力する部分である。
【0035】
画像入力部は、画像や文字図形等が記載された原稿の画像データを入力する部分であり、たとえば、原稿台等に載置された原稿を読み取る部分である。
画像入力部としては、情報が記載された原稿を読み取るスキャナ(読取装置)を用いる。
画像処理装置は、原稿を読み取るために、原稿が載置される原稿載置台(原稿台)と、原稿を抑える原稿カバーとを備える。
また、画像処理装置は、複数枚の原稿を載置して、複数の原稿を1枚ずつ自動的に搬送して読み取る自動原稿送り装置(ADF:Automatic Document Feeder)を備えてもよい。
この場合、画像等が記載された原稿をスキャナで読み取り、原稿の画像データを、記憶部40に記憶する。
【0036】
また、画像情報を入力する方法には種々の方法がある。
たとえば、ネットワーク3を介して、ユーザの所有するパソコンや携帯端末、サーバなどの情報処理装置TEから送信されてくる画像情報を入力してもよい。
また、USBメモリなどの外部の記憶媒体を接続するインタフェースが、画像入力部に該当する。
入力したい画像情報などの電子データファイルを、USBメモリなどの外部の記憶媒体に保存しておき、USBメモリ等をUSB端子などの入力インタフェースに接続し、操作部12で所定の入力操作を行うことによって、USBメモリ等に保存された所望の電子データファイルを読み出して、記憶部40に、入力画像データとして記憶してもよい。
【0037】
画像形成部は、たとえば、入力画像データを記録媒体に印刷する場合、一般的に、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電、及び定着の各工程を連続的に実施して、入力画像データを記録媒体に形成する。
現像工程では、トナーカートリッジからトナーを現像装置に補給し、帯電した感光体ドラムの表面に形成された静電潜像が現像され、静電潜像に対応したトナー像が形成される。感光体ドラムの表面に形成されたトナー像は転写装置によって記録媒体上に転写され、その後、定着装置によって加熱されることにより記録媒体上に定着させられる。
また、画像形成部は、入力画像データをファクス送信や表示できる形態の情報に変換する。
【0038】
画像出力部は、形成された入力画像データを出力する部分であり、たとえば、入力画像データ等の情報を印刷するプリンタに相当し、読み取られた原稿の入力画像データを、所定の印刷用紙(紙媒体)に印刷する。
ただし、入力画像データの出力は、印刷に限るものではなく、スキャンされた原稿の入力画像データの記憶、情報処理装置から送信されたジョブに含まれる入力画像データのファクス送信なども含まれる。
たとえば、読み取られた原稿の入力画像データをUSBメモリなどの外部の記憶媒体へ記憶すること、インターネットなどのネットワークを介して、ファクス受信機に入力画像データをファクス送信すること、他の情報処理装置やサーバへ入力画像データを送信することも、画像出力に相当する。
【0039】
通信部15は、ネットワーク3を介して、情報を通信する部分であり、ユーザーの所有する携帯端末(ユーザー端末)や、他の情報処理装置とデータ通信をする部分である。
たとえば、ユーザー端末、サーバなどの情報処理装置TEから転送されてきた電子データファイルを受信する。
また、画像処理装置MFPに入力された入力画像データを、画像処理装置MFPに接続された外部記憶装置(USBメモリなど)に転送したり、ネットワーク3を介して、ユーザー端末やサーバなどの情報処理装置TEに送信したりする。
ネットワーク3としては、インターネットなどの広域通信網や、IP網、LAN、NGNなど、あらゆる通信網を用いることができ、通信形態は、有線通信および無線通信のどちらを用いてもよい。
FAX通信部16は、公衆電話網PSTN、ISDN、光回線等を用いたIP網などのネットワーク3を介して、ファクシミリによって情報を通信する部分である。
【0040】
ジョブ取得部21は、情報処理装置TEから送信されたジョブを取得する部分である。
たとえば、情報処理装置TEにおいて、印刷する画像データが入力され、印刷要求操作がされた場合、その画像データを印刷することを要求するジョブ処理要求が、画像処理装置MFPに送信されるので、このジョブ処理要求を取得する。
ジョブ処理要求には、主に、画像データを入力したユーザーのユーザー名、情報処理装置TEの識別情報(IPアドレス)、ジョブの処理の種類を示す情報(ジョブ種別)、ジョブの名称(ジョブID、またはジョブ名)などが含まれる。
ジョブ処理要求を取得した場合、現在、ジョブ処理要求に示されたジョブの受付が可能か否かが判断される。
【0041】
また、ジョブ処理要求に示されたジョブの受付が可能な場合は、受付許可通知を情報処理装置TEに送信した後に、情報処理装置TEから送信されるジョブ情報を取得する。このジョブ情報には、処理すべき画像データそのものが含まれる。
ジョブ情報を取得した場合、処理すべき画像データに対して要求された機能が実行される。
【0042】
画像処理装置MFPは、情報処理装置TEから送信されたジョブを受け付けるポートを1つ以上備え、ポートの個数に相当する数のジョブを同時に取得することができるものとする。
ポートとは、ネットワークでデータを通信するための入出力用の扉を意味する。
たとえば、3つのポートを有する場合において、2つのジョブをすでに取得しており、現在それらのジョブを処理している状態では、2つのポートが占有されているが、空きポートが1つ存在するので、さらにもう1つのジョブを取得することができる。
ただし、3つのジョブをすでに取得しており、現在それらのジョブを処理している状態では、空きポートが存在しないので、さらに新たなジョブを取得することはできない
【0043】
ジョブ種別判定部22は、取得したジョブの種類を判定する部分である。
すなわち、ジョブ処理要求に含まれるジョブ種別を利用して、取得したジョブに対して実行すべき処理の種類を判定する。
たとえば、ジョブ種別が「印刷」の場合、ジョブ処理要求に含まれるジョブに対して、印刷処理を実行する。あるいは、ジョブ種別が「ファクス送信」の場合、ジョブ処理要求に含まれるジョブに対して、ファクス送信処理を実行する。
【0044】
動作状態判定部23は、取得したジョブについての現在の動作状態を判定する部分である。
たとえば、取得したジョブの処理進行状態に基づいて、現在、処理要求を受け付けた状態であるか、要求された処理を実行している状態か、処理を正常に終了した状態か、処理を正常に終了できなかった状態か、あるいは、正常に送信できなかったため再度送信するための待機状態かなどを判定する。
現在の動作状態の判定は、たとえば、後述する図3に示すような動作状態設定情報を利用して行われ、ジョブの現在の動作状態がどのステータスに属するかが判定される。
【0045】
完了通知選択部24は、ジョブの完了通知を送信するタイミング(時期)を選択する部分であり、主に、取得されたジョブに対して要求された機能を実行した後その機能の実行が正常に終了したことを示す処理完了通知を情報処理装置TEに送信するタイミング(時期)を選択する。
処理完了通知を情報処理装置TEに送信するタイミング(時期)には、機能の実行が正常に終了した時点であるジョブ実行完了時と、機能の実行を開始する前の時点であるジョブ取得完了時とがあるものとする。
【0046】
たとえば、現在実行中の機能があり、かつ、新たなジョブを取得することができない状態である場合には、完了通知選択部24は、処理完了通知を情報処理装置TEに送信するタイミングとして、ジョブ取得完了時を選択する。
一方、現在実行中の機能がなく、かつ、新たなジョブを取得することができる状態である場合には、完了通知選択部24は、処理完了通知を情報処理装置TEに送信するタイミングとして、ジョブ実行完了時を選択する。
【0047】
この処理完了通知を送信するタイミング(時期)の選択では、後述するように、完了通知切替条件に基づいて、ジョブの完了通知の送信タイミングを示す現在完了通知情報44を設定記憶するものとする。
たとえば、完了通知選択部24が、処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、ジョブ実行完了時を選択した場合に、現在完了通知情報44にタイプAを記憶する。
また、完了通知選択部24が、処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、ジョブ取得完了時を選択した場合に、現在完了通知情報44にタイプBを記憶する。
【0048】
後述する図4に示すように、ジョブの完了通知のタイミングを示す完了通知種類には、タイプAとタイプBとがあるものとし、完了通知切替条件には、完了通知種類を切り替える条件が予め設定されている。
図4の完了通知切替条件に示す条件項目の現在満たしている状態に基づいて、処理完了通知を送信するタイミングとして、タイプAまたはタイプBのどちらかが選択される。
完了通知種類の切替の具体例については、後述する。
【0049】
動作状態通知部25は、取得したジョブごとに、画像処理装置MFPにおける現在の動作状態(ステータス)を、情報処理装置TEに送信する部分である。
たとえば、取得したジョブJOB01が、処理受付中の状態の場合、後述するように、処理受付中であることを示す現在の動作状態(ステータス:ST1)を、情報処理装置TEに送信する。
あるいは、取得したジョブJOB01が、そのジョブに対して実行すべき処理を正常に終了した状態である場合、後述するように、正常終了したことを示す現在の動作状態(ステータス:ST3)を、情報処理装置TEに送信する。
【0050】
ただし、現在の完了通知種類の設定内容(現在完了通知情報)が「タイプB」の場合、そのジョブに対して実行すべき処理が正常に終了していなくても、ジョブの取得が正常に完了した後であれば、正常終了したことを示す現在の動作状態(ステータス:ST3)を、情報処理装置TEに送信する。
【0051】
また、完了通知切替条件に基づいて、処理完了通知を送信するタイミングを示す現在完了通知情報44が、タイプAまたはタイプBに変更されるが、現在完了通知情報44が、タイプAからタイプBに変更された場合、および、タイプBからタイプAに変更された場合に、処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングが変更されたことを、接続可能な情報処理装置TEに送信してもよい。
【0052】
たとえば、後述するように、現在完了通知情報44がタイプAからタイプBに変更された場合、画像処理装置MFPは、現在、ジョブ取得完了時に処理完了通知を情報処理装置TEに送信する設定となっていることを、情報処理装置TEに送信してもよい。
また、現在完了通知情報44がタイプBからタイプAに変更された場合、画像処理装置MFPは、現在、ジョブ実行完了時に処理完了通知を情報処理装置TEに送信する設定となっていることを、情報処理装置TEに送信してもよい。
【0053】
機能実行部26は、画像処理装置MFPが有する所定の機能を実行する部分である。
たとえば、取得されたジョブに対して要求された機能を実行する。
印刷目的のジョブが情報処理装置から送信されてきた場合は、取得したジョブに対して印刷機能を実行する。
また、画像処理装置を利用しに来たユーザーが、印刷機能を実行させる所定の操作をした場合に、印刷機能を実行する。
【0054】
また、この発明では、ジョブの完了通知機能を有し、現在の完了通知種類の設定内容(現在完了通知情報)に基づいて、所定のタイミングで、ジョブの処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を情報処理装置TEに送信する。
【0055】
たとえば、後述するように、現在の完了通知種類の設定内容(現在完了通知情報)が「タイプA」の場合、すなわち、処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、ジョブ実行完了時が選択されている状態では、機能実行部26によって取得されたジョブに対して要求された機能が実行されその機能が正常に終了した後に、機能が正常に終了したジョブに対する処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を情報処理装置TEに送信する。
【0056】
一方、現在の完了通知種類の設定内容(現在完了通知情報)が「タイプB」の場合、
すなわち、処理完了通知を情報処理装置に送信するタイミングとして、ジョブ取得完了時が選択されている状態では、ジョブの取得が正常に完了し、ジョブ取得部21によって取得されたジョブに対する処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を情報処理装置TEに送信した後に、機能実行部26が、取得されたジョブに対して要求された機能の実行を開始する。
【0057】
また、取得されたジョブに対する処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を情報処理装置に送信した後は、取得されたジョブに対して要求された機能の実行が完了していることを意味するので、その取得されたジョブを受け付けたポートが解放され、ジョブ取得部21によって少なくとも1つの新たなジョブを取得できる状態になる。
【0058】
記憶部40は、この発明の画像処理装置MFPの各機能を実行するために必要な情報やプログラムを記憶する部分であり、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子、HDD、SSDなどの記憶装置、その他の記憶媒体が用いられる。
記憶部40には、たとえば、受信画像データ41、動作状態設定情報42、完了通知切替条件43、現在完了通知情報44、ジョブ管理情報45、空きポート数46、空きリソース数47などが記憶される。
【0059】
受信画像データ41は、情報処理装置TEから送信されたジョブ情報に含まれる画像データであり、印刷やファクス送信などの処理の対象となるデータである。
【0060】
動作状態設定情報42は、画像処理装置MFPの動作状態の種類を予め設定記憶した情報である。
動作状態設定情報42には、主に、ジョブの処理の進行状態に関係する動作状態の種類が設定される。
図3に、画像処理装置MFPの記憶部に記憶される情報(動作状態設定情報)の一実施例の説明図を示す。
図3では、ジョブの処理の進行状態に関係する5つの動作状態(ステータスとも呼ぶ)を示している。
【0061】
図3において、ステータスST1は、「処理受付中」を意味し、情報処理装置TEから要求されたジョブの処理を受け付けた状態であり、画像処理装置MFPが受付に関係する処理をしている動作状態であることを意味する。
たとえば、情報処理装置TEからのジョブ処理要求を受信した後、そのジョブの受付が可能であるか否かを判定し、そのジョブの受付が可能である場合に、画像処理装置MFPの動作状態を、ステータスST1(処理受付中)に設定する。
【0062】
また、ステータスST1(処理受付中)とした後、受付許可通知を情報処理装置TEに返信する。
さらに、情報処理装置TEから画像データを含むジョブ情報を受信した場合、ジョブ情報に含まれる画像データに対して所定の機能を実行するために、その画像データについて画像形成処理を実行するが、この画像形成処理の実行が完了するまでが、ステータスST1(処理受付中)の動作状態であるものとする。
画像形成処理の実行が完了した場合、処理対象のジョブに対して要求された機能が実行できる状態になる。
【0063】
以下の実施例では、ジョブの受付可否判定処理によってそのジョブの受付が可能となった後から、受付許可通知の送信、ジョブ情報の受信、画像形成処理の実行が完了するまでの動作状態を、ステータスST1(処理受付中)とする。
また、画像形成処理の実行が完了した時点を、ジョブ取得完了時と呼ぶ。
ジョブ取得完了時は、処理対象のジョブに対して要求された機能が実行可能な状態であり、その機能の実行を開始する前の状態である。
【0064】
ステータスST2は、「FAX送信実行中」を意味し、情報処理装置TEから要求されたジョブの種別が「FAX送信」であり、そのジョブについて、現在、FAX送信の機能を実行している状態であり、FAX送信がまだ完了していない動作状態であることを意味する。また、「FAX送信実行中」には、正常に送信できなかったため再び送信するための待機状態も含む。
【0065】
ステータスST3は、「正常終了」を意味し、情報処理装置TEから要求されたジョブに対する機能が実行された後、その機能が正常に終了した動作状態であることを意味する。
たとえば、FAX送信機能が正常に完了した場合に、ステータスST3の動作状態となる。
また、画像形成処理の実行が正常に終了した時点を、ジョブ実行完了時と呼ぶ。
ジョブ実行完了時は、処理対象のジョブに対して要求された機能が、実際に実行された後であって、その機能の実行が正常に終了した状態である。
【0066】
ステータスST4は、「エラー終了」を意味し、情報処理装置TEから要求されたジョブに対する機能が実行された後、その機能が正常に終了できなかった状態であることを意味する。
たとえば、FAX送信機能を実行したが、所定回数の再送信を繰り返しても、FAX送信機能が正常に終了しなかった場合に、ステータスST4の動作状態となる。
【0067】
ステータスST5は、「印刷実行中」を意味し、情報処理装置TEから要求されたジョブの種別が「印刷」であり、そのジョブについて、現在、印刷機能を実行している状態であり、印刷機能がまだ完了していない動作状態であることを意味する。
【0068】
ただし、動作状態(ステータス)は、図3の5つに限るものではなく、他の動作状態を追加してもよく、あるいは、動作状態を削除してもよい。
また、動作状態設定情報42は、固定的に設定記憶してもよいが、ユーザーによって、変更できるようにしてもよい。
【0069】
完了通知切替条件43は、情報処理装置TEにジョブの処理完了通知を送信するタイミングを決めるための現在完了通知情報44を切り替える条件を予め設定記憶した情報である。
図4に、画像処理装置の記憶部に記憶される情報(完了通知切替条件)の一実施例の説明図を示す。
【0070】
現在完了通知情報44には、図4に示すようなタイプAとタイプBの2つの完了通知種類があるものとする。
タイプAは、要求された機能の実行が完了(正常終了)した場合に、情報処理装置TEに処理完了通知を送信する設定とする。
タイプBは、実際には要求された機能の実行は完了していないが、ジョブ取得完了時に、情報処理装置TEに処理完了通知を送信する設定とする。
【0071】
図4の完了通知切替条件43では、条件として、3つの条件項目を示している。
3つの条件項目とは、ポートの有無(空き有り、空き無し)、格納リソースの有無(空き有り、空き無し)、実行中機能の有無(機能有り、機能無し)である。
【0072】
ポートは、上記したように、ネットワークでデータを通信するための入出力用の扉を意味し、たとえば、ジョブを受け付ける仮想的な端子に相当するが、画像処理装置MFPに備えられるポートの数は、1つでもよく、または複数でもよい。
複数のポートを有する場合、複数のポートのうち、たとえば、ジョブを受け付けることが可能な空きポートが1つ以上ある場合、「空き有り」と判断する。
ただし、ポートの受付の余裕度を考慮し、空きポートが2つ以上ある場合に、「空き有り」と判断してもよい。
【0073】
一方、ジョブを受け付けることが可能な空きポートが全くない場合、「空き無し」と判断する。
ジョブを受け付けることの可能なポートがない状態は、新たなジョブを取得することができない状態を意味する。
【0074】
格納リソース(以下、画像処理・格納リソース、または単にリソースとも呼ぶ)は、取得されたジョブに対して要求される機能を実行するために利用される記憶領域、あるいは、画像を生成するレンダリング(rendering)の処理を行う画像生成処理や、FAX送信する時に生成した画像の解像度を変換する画像変換処理などを行う部分が、格納リソースに相当する。画像生成処理および画像変換処理は、画像処理部14で行われる。
また、画像処理装置MFPで、1つ以上の格納リソースが備えられる。
複数のリソースを有する場合、複数のリソースのうち、たとえば、利用可能な1つ以上のリソースがある場合、「空き有り」と判断する。
ここで、ジョブを受け付けることの可能なポートが1つ以上存在し、利用可能な格納リソースが1つ以上存在している状態は、新たなジョブを取得することができる状態を意味する。
【0075】
ただし、リソースの利用の余裕度を考慮し、空きリソースが2つ以上ある場合に、「空き有り」と判断してもよい。
一方、利用可能な空きリソースが全くない場合、「空き無し」と判断する。
【0076】
実行中機能の有無については、画像処理装置MFPにおいて、現在実行している機能が1つでもある場合に、実行中機能の「機能有り」と判断し、現在実行している機能が1つもない場合に、実行中機能の「機能無し」と判断する。
【0077】
図4の完了通知切替条件43では、現在完了通知情報を、タイプAからタイプBに切り替える条件と、タイプBからタイプAに切り替える条件を示している。
たとえば、ポートが「空き有り」で、格納リソースが「空き有り」で、実行中機能が「機能無し」の場合、現在完了通知情報を、タイプBからタイプAに切り替えることを意味する。
この場合、現在実行中の機能がなく、かつ、新たなジョブを取得することができる状態に相当し、ジョブ実行完了時に対応するタイプAに切り替えられる。
【0078】
この場合は、ジョブを受け付けることが可能であり、実行中の機能もなく、格納リソースも空いているので、新たなジョブを受け付けた場合、すぐにそのジョブの処理を実行することが可能な状態である。
したがって、情報処理装置TEにジョブの処理完了通知を送信するタイミングを示す現在完了通知情報をタイプAに変更して、要求された機能の実行が正常に終了した場合に、情報処理装置TEに処理完了通知を送信するようにする。
ポートや格納リソースに余裕がある場合は、さらに次のジョブを受け付けることが可能な状態であり、タイプAであっても、以後のジョブの受付が待たされる可能性が少ない。
【0079】
一方、ポートが「空き無し」で、実行中機能が「機能有り」の場合、リソースの空きは関係なく、現在完了通知情報を、タイプAからタイプBに切り替えことを意味する。
この場合、現在実行中の機能があり、かつ、新たなジョブを取得することができない状態に相当し、ジョブ取得完了時に対応するタイプBに切り替えられる。
【0080】
この場合は、ジョブを受け付けるポートがないので、実際には、さらに次のジョブを受け付けることが可能な状態でない。
しかし、現在実行中の機能の処理が進行して、ポートが空く可能性がある。
そこで、現在完了通知情報をタイプBに変更して、実際には要求された機能の実行は完了していない場合でも、ジョブ取得完了時に情報処理装置TEに処理完了通知を送信するようにする。
【0081】
情報処理装置TEに処理完了通知を送信することによって、情報処理装置TEでは、画像処理装置MFPにおいて実行されていた現在のジョブの処理が終了したと判断され、画像処理装置MFPは次のジョブの処理要求が送信できる状態になったと判断される。
画像処理装置MFPにおいて、ジョブ取得完了時に情報処理装置TEに処理完了通知を送信した後、ポートが空いた状態になっていれば、情報処理装置TEからの次のジョブの処理要求が受け付けられる状態となり、より早く、次のジョブについての受付に関係する処理を開始することができる場合がある。
【0082】
すなわち、ジョブ取得完了時に情報処理装置TEに処理完了通知を送信することによって、次のジョブの受付の待ち時間を減らすことができ、あるいは、次のジョブの受付が待たされる事態を解消でき、情報処理装置TEから要求される複数のジョブの処理効率を向上させることができる。
【0083】
現在完了通知情報44は、上記したように、ジョブに要求された機能の処理完了通知を情報処理装置TEに送信するタイミングを示した情報であり、処理完了通知の送信タイミングを決めるために利用される。
上記した完了通知切替条件43の条件項目の現在の状態によって、タイプAとタイプBのどちらかに設定される。
【0084】
図5に、画像処理装置の記憶部に記憶される情報(現在完了通知情報)の一実施例の説明図を示す。
現在完了通知情報44が「タイプA」に設定された場合、情報処理装置TEにジョブの処理完了通知を送信するタイミングが、「ジョブ実行完了時」であることを意味する。
また、現在完了通知情報44が「タイプB」に設定された場合、情報処理装置TEにジョブの処理完了通知を送信するタイミングが、「ジョブ取得完了時」であることを意味する。
【0085】
ジョブ管理情報45は、画像処理装置MFPで受け付けたジョブに関する情報である。
図6に、画像処理装置の記憶部に記憶される情報(ジョブ管理情報)の一実施例の説明図を示す。
図6のジョブ管理情報45では、ジョブごとに、ジョブID、ジョブ種別、ジョブファイル名、現在動作状態(ステータス)、受付時刻からなるものを示している。
【0086】
ジョブID、ジョブ種別、ジョブファイル名は、情報処理装置から送信されるジョブ処理要求から取得する。
受付時刻は、ジョブの受付が可能となった後、ジョブ情報を受信した時刻を設定すればよい。
現在動作状態(ステータス)は、ジョブの処理の進行状態に対応して設定される。
ただし、ジョブ管理情報45は、これらの情報に限るものではなく、たとえば、
ジョブの付属情報として、宛先のFAX番号やFAX送信の場合の再送回数や再送間隔、FAX送信の場合の結果印刷の要否などの情報も記憶してもよい。
【0087】
図6のジョブ管理情報45には、3つのジョブを受け付けた場合の情報を示している。
たとえば、ジョブIDがJOB01のジョブについては、ジョブ種別が「FAX」であって要求される機能がファクス送信であり、ジョブファイル名が「FL01」であって処理対象の画像データのファイルが「FL01」であり、受付時刻が「10時00分」であることが記憶されている。
【0088】
また、ジョブIDJOB01のジョブの現在動作状態(ステータス)が、現在「ST3」であるので、正常終了であることを意味し、このジョブの処理が正常に終了した動作状態であることを示している。
ただし、現在完了通知情報44が「タイプA」の場合は、実際に、このジョブの処理が実行されて、正常に終了した動作状態であることを意味するが、現在完了通知情報44が「タイプB」の場合は、このジョブの処理はまだ実行されておらず、ジョブ取得完了時の動作状態であることを意味する。
【0089】
また、ジョブIDがJOB02のジョブについては、ジョブ種別が「FAX」であって要求される機能がファクス送信であり、ジョブファイル名が「FL02」であって処理対象の画像データのファイルが「FL02」であり、受付時刻が「10時05分」であることが記憶されている。
ジョブIDJOB02のジョブの現在動作状態(ステータス)は、現在「ST2」であるので、FAX送信実行中であることを意味し、このジョブの処理が現在進行中の動作状態であることを示している。
【0090】
また、ジョブIDがJOB03のジョブについては、ジョブ種別が「印刷」であって要求される機能が印刷処理であり、ジョブファイル名が「FL03」であって処理対象の画像データのファイルが「FL03」であり、受付時刻が「10時10分」であることが記憶されている。
ジョブIDJOB03のジョブの現在動作状態(ステータス)は、現在「ST5」であるので、印刷処理の実行中であることを意味し、このジョブの処理が現在進行中の動作状態であることを示している。
【0091】
図1の記憶部40に記憶される空きポート数46は、現在使用可能なポートの数を意味する。
たとえば、画像処理装置MFPが有するポートの総数が3つで、現在使用されているポートが1つの場合、空きポート数46は2に設定される。
空きリソース数47は、現在使用可能なリソースの数を意味する。
たとえば、画像処理装置MFPが有するリソースの総数が3つで、現在使用されているリソースが2つの場合、空きリソース数47は1に設定される。
【0092】
図7に、画像処理装置において、情報処理装置から送信されたジョブの取得処理に関する一実施例の説明図を示す。
ここでは、上記の図6に示した3つのジョブが取得されている場合を示す。
また、画像処理装置MFPが有するポートの数を3とし、ポート(PT1、PT2、PT3)があるものとする。
ジョブを受け付けるポートが3つあるので、各ポートで、3つのジョブがそれぞれ受信される。
【0093】
まず、画像処理装置MFPにおいて、3つのポートが空いている状態で、情報処理装置TEから、ジョブJOB01が受信されたとすると、ジョブJOB01は、ポートPT1で取得され、そのジョブ情報(ジョブIDJOB01、ジョブ種別「FAX」)が記憶部40に記憶される。
画像処理装置MFPのリソースも空いていて、FAX送信が可能な状態であれば、機能実行部26によって、ジョブIDJOB01のジョブについて、FAX送信が実行される。
この状態では、ポートPT1は、使用状態であり、ポートPT2とポートPT3が空き状態であるとする。
【0094】
次に、画像処理装置MFPにおいて、2つのポート(PT2、PT3)が空いている状態で、情報処理装置TEから、ジョブJOB02が受信されたとすると、ジョブJOB02は、ポートPT2で取得され、そのジョブ情報(ジョブIDJOB02、ジョブ種別「FAX」)が記憶部40に記憶される。
画像処理装置MFPのリソースも空いていて、FAX送信が可能な状態であれば、機能実行部26によって、ジョブIDJOB02のジョブについて、FAX送信が実行される。
ただし、ジョブIDJOB01のジョブのFAX送信が実行中であり、ジョブIDJOB02のジョブのFAX送信ができない場合は、ジョブJOB02の処理は待ち状態となる。
この状態では、ポートPT1とPT2は、使用状態であり、ポートPT3が空き状態であるとする。
【0095】
次に、画像処理装置MFPにおいて、1つのポート(PT3)が空いている状態で、情報処理装置TEから、ジョブJOB03が受信されたとすると、ジョブJOB03は、ポートPT3で取得され、そのジョブ情報(ジョブIDJOB03、ジョブ種別「印刷」)が記憶部40に記憶される。
画像処理装置MFPのリソースも空いていて、印刷が可能な状態であれば、機能実行部26によって、ジョブIDJOB03のジョブについて、印刷処理が実行される。
この状態では、3つポートは、すべて使用状態となり、空きポートがない状態となる。
空きポートがない状態である場合、新たなジョブJOB04の処理要求が情報処理装置TEから送信されても、その新たなジョブJOB04は受け付けられない。
新たなジョブJOB04については、受付自体が待たされることになる。
【0096】
<情報処理装置の構成>
図2に、この発明の情報処理装置の一実施例の構成ブロック図を示す。
情報処理装置は、主として、画像処理装置で処理をする対象である画像データを含むジョブを生成する装置であり、上記したように、たとえば、ユーザーが所有するパソコンや携帯端末に相当する。
【0097】
図2において、情報処理装置(TE)2は、主として、制御部51、操作部52、表示部53、通信部54、ジョブ生成部55、ジョブ送信部56、MFP状態取得部57、MFP状態判定部58、機能実行要求部59、記憶部70を備える。
【0098】
制御部51は、操作部やジョブ生成部などの各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
CPUは、ROM等に予め格納された制御プログラムに基づいて、各種ハードウェアを有機的に動作させて、この発明のジョブ生成機能などを実行する。
【0099】
操作部52は、情報処理装置の利用者が情報を入力する部分であり、情報処理装置を動作させる所定の入力操作をするための入力装置である。たとえば、文字などの情報の入力や、機能の選択入力をする部分であり、キーボード、マウス、タッチパネルなどが用いられる。
ユーザーが操作するキーとしては、動作開始キー、機能選択キー、設定キーなどがある。
ユーザーは、たとえば、タッチパネルや動作開始キーなどを入力する操作をすることによって、ジョブ生成機能、ジョブ送信機能などを実行させる。
【0100】
表示部53は、情報を表示する部分であり、各機能の実行に必要な情報や、機能の実行の結果などを、利用者に知らせるために表示する。たとえば、LCD、有機ELディスプレイなどが用いられ、操作部52としてタッチパネルが用いられる場合は、表示部53とタッチパネルとが重ね合わせて配置される。
表示部53には、たとえば、ジョブ生成等に利用する設定項目の設定や、印刷機能等の実行を画像処理装置に要求するのに必要な情報や、選択した機能の操作画面や、ジョブの処理の進行状態や、ジョブが正常に終了したことを示す情報などが、文字、記号、図形、画像、アイコン、アニメーション、動画等を用いて、表示される。
【0101】
通信部54は、ネットワークを介して、情報を通信する部分であり、画像処理装置や、他の情報処理装置とデータ通信をする部分である。
たとえば、ネットワーク3を介して、画像処理装置MFPに、入力画像データを含むジョブを送信する。
また、後述するように、画像処理装置MFPから、ジョブの受付を許可したことを示す受付許可通知や、ジョブが正常に処理されたことを示すジョブ正常終了通知などを受信する。
【0102】
ジョブ生成部55は、画像処理装置MFPに送信するジョブを生成する部分である。
たとえば、画像処理装置MFPで処理したい画像データを作成したり、画像データを入力したりして、入力画像データ71として記憶部70に記憶する。
また、入力画像データに、画像データを入力したユーザーのユーザー名、情報処理装置TEの識別情報(IPアドレス)、ジョブの処理の種類を示す情報(ジョブ種別)、ジョブの名称(ジョブID)などを付加して、ジョブ情報を生成する。
【0103】
ジョブ送信部56は、生成したジョブ情報を画像処理装置MFPに送信する部分である。
後述する実施例では、ジョブの処理を要求するためのジョブ処理要求を画像処理装置MFPに送信し、ジョブ処理要求で要求したジョブの受付が許可された場合に、処理したい入力画像データそのものを含むジョブ情報を、画像処理装置MFPに送信する。
【0104】
MFP状態取得部57は、画像処理装置MFPから送信されるMFPの現在の動作状態(ステータス)を取得する部分である。取得した現在の動作状態(ステータス)は、MFP動作状態情報72として記憶される。
たとえば、画像処理装置MFPから、受付許可通知を受信した場合、受付許可通知に含まれる動作状態(ステータス)を取得し、MFP動作状態情報72として記憶する。
動作状態(ステータス)としては、図3に示した動作状態設定情報42に示すいずれかのステータスが取得される。
取得されたステータスは、たとえば、表示部53に表示され、情報処理装置TEにおける以後の処理を決めるのに利用される。
【0105】
MFP状態判定部58は、取得したステータスに基づいて、画像処理装置MFPの現在の動作状態を判定する部分である。
判定された画像処理装置MFPの現在の動作状態に基づいて、情報処理装置TEで次に行う処理が決められる。
たとえば、取得したステータスが「ST2」であれば、画像処理装置MFPにおいて、要求したファクス送信が現在実行中であると判定され、ファクス送信が現在実行中であることを表示部53に表示してもよい。
あるいは、取得したステータスが「ST3」であれば、画像処理装置MFPにおいて、要求した機能が実行され正常に終了したと判定され、要求した機能が正常に終了したことを表示部53に表示してもよい。
【0106】
機能実行要求部59は、画像処理装置MFPに対して、所定の機能の実行を要求するためのジョブ処理要求を送信する部分である。
ジョブ処理要求には、たとえば、処理を要求するユーザーのユーザー名、情報処理装置TEの識別情報(IPアドレス)、ジョブの処理の種類を示す情報(ジョブ種別)、ジョブの名称(ジョブID)などが含まれる。
【0107】
ジョブ処理要求を画像処理装置MFPに送信する場合、そのジョブ処理要求が許可されるか否かは不明であり、画像処理装置MFPの動作状態によれば、ジョブ処理要求が許可されない場合もある。
したがって、ジョブ処理要求には、処理を要求する画像データそのものは含めないほうがよい。
ジョブ処理要求は、先に要求するジョブの情報をMFPに送信することで、MFPが受付可能か確認し、MFPが受付可能な状態であれば、MFPから許可通知が送信され、画像(データのサイズに関わらず)が情報処理装置から送られる。
【0108】
記憶部70は、この発明の情報処理装置TEの各機能を実行するために必要な情報やプログラムを記憶する部分であり、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子、HDD、SSDなどの記憶装置、その他の記憶媒体が用いられる。
記憶部70には、たとえば、入力画像データ71、MFP動作状態情報72などが記憶される。
【0109】
入力画像データ71は、上記したように、情報処理装置TEで入力された画像データであり、画像処理装置MFPで印刷等の処理をさせる画像データである。
入力画像データ71は、ジョブ情報に含めて、画像処理装置MFPに送信される。
MFP動作状態情報72は、上記したように、画像処理装置MFPから送信されるMFPの現在の動作状態(ステータス)である。
【0110】
<取得されたジョブの処理進行状態の概略説明>
以下に、この発明の画像処理装置MFPで実行されるジョブの処理の進行状態について説明する。
上記したように、現在完了通知情報がタイプAであるかタイプBであるかによって、処理完了通知を情報処理装置TEに送信するタイミングが異なる。
現在完了通知情報がタイプBである場合は、正常終了を意味する処理完了通知を情報処理装置TEに送信した後に、要求されたジョブの処理の実行が開始される。
一方、現在完了通知情報がタイプAである場合は、要求されたジョブの処理の実行が正常終了した後に、正常終了を意味する処理完了通知が情報処理装置TEに送信される。
【0111】
また、現在完了通知情報がタイプAであるかタイプBであるかにかかわらず、正常終了を意味する処理完了通知が情報処理装置TEに送信された場合に、ジョブを受け付けていたポートが解放される。解放されたポートは、使用可能状態(空きポート)となり、その後に要求されるジョブを受け付けることができる。
【0112】
<現在完了通知情報がタイプBの場合に取得されたジョブの処理進行状態の説明>
図8に、画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプBの場合に、取得されたジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図を示す。
図8では、現在完了通知情報がタイプBであり、1つのジョブ(ジョブID:J01)を受け付ける場合についてのジョブの処理進行状態を示す。
また、画像処理装置MFPには、ジョブを受け付ける3つのポート(PT1、PT2、PT3)があり、初期状態では、いずれも使用可能な状態(空きポート)であるものとする。
【0113】
ジョブの処理進行状態として、「ジョブ受付」、「ジョブ受信」、「画像形成」、「完了通知」、「機能実行」の5つの状態(M1からM5)があるものとする。
「ジョブ受付」は、情報処理装置TEからジョブ処理要求を受け付けている状態を意味する。
「ジョブ受信」は、報処理装置TEからジョブ情報を受信している状態を意味する。
「画像形成」は、受信したジョブに含まれる画像データについて画像形成処理をしている状態を意味する。
「完了通知」は、正常終了を意味する処理完了通知を情報処理装置TEに送信している状態を意味する。
「機能実行」は、画像形成処理をした画像データに対して、ジョブ処理要求で要求された機能を実行している状態を意味する。
【0114】
図8において、まず、情報処理装置TEからジョブ処理要求を受信すると、「ジョブ受付」状態となる。
このとき、3つのポートは、すべて空きポートなので、たとえば、ポートPT1を使用して、ジョブ処理要求を受け付ける。
図8では、ジョブ状態が「受付」の場合、使用ポートがPT1であり、処理進行状態が、「ジョブ受付」M1であることを示している。
ポートPT1は、占有状態(使用状態)となり、空きポートではなくなる。
【0115】
ジョブ処理要求を受信した場合、要求されたジョブの受付が可能か否かが判定され、受付可能な場合、情報処理装置TEから送信される処理すべき画像データを含むジョブ情報を受信する。
ジョブ情報はポートPT1によって受信され、ジョブ状態は「受信」となり、処理進行状態が「ジョブ受信」M2となる。
ポートPT1は、占有状態(使用状態)のままである。
【0116】
ジョブ情報を受信した場合、要求された処理を実行するために、ジョブ情報に含まれる画像データについて必要な画像形成処理を実行する。
たとえば、要求された処理が印刷の場合、所定の格納リソースを使用して、画像データを印刷可能なデータに変換する。
この場合、ジョブ状態は「形成」となり、処理進行状態が「画像形成」M3となる。
ポートPT1は、占有状態(使用状態)のままである。
【0117】
画像形成処理を実行した後、要求された処理を実行できる状態になるので、ジョブの受付に関係する処理が終了したものとみなし、ジョブ取得完了時になったとする。
すなわち、処理進行状態がM1からM3に変化した場合、ジョブ取得完了時になったと判断され、ジョブ状態は「取得済」に変化する。
上記したように、現在完了通知情報がタイプBであったとすると、ジョブ取得完了時に、処理完了通知(ジョブ正常終了通知)が情報処理装置TEに送信される。
この場合、ジョブ状態は「取得済」となり、処理進行状態が「完了通知」M4となる。
【0118】
処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を情報処理装置TEに送信した後、使用していたポートPT1を解放する。
すなわち、ポートPT1を使用可能な状態(空きポート)に戻し、ポートPT1で、次のジョブ処理要求を受け付けることができる状態にする。
この状態では、まだ、実際には要求された処理を実行していないが、ジョブの受付に関係する処理が終了しているので、次のジョブ処理要求を受け付けることができる。
その後、画像形成処理がされて要求された処理が実行できる状態になった画像データに対して所定の機能が実行され、処理進行状態が「機能実行」M5となる。
【0119】
上記のように一連の処理が進行する場合、情報処理装置TEでは、処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を受信した時点で、要求したジョブの処理が完了したことを認識するので、次のジョブの処理要求を、画像処理装置MFPに送信することが可能となる。
従って、図8の場合、ポートPT1が解放されているので、画像処理装置MFPで実際に機能を実行している場合でも、次のジョブの処理要求を受け付けることができる。
【0120】
なお、図8の場合、処理進行状態は、M1からM4の順序で進行するが、これに限るものではなく、「ジョブ受信」M2の後に、処理完了通知をTEに送信し、「完了通知」M4となるようにしてもよい。すなわち、処理進行状態が、「ジョブ受付」M1、「ジョブ受信」M2、「完了通知」M4、「画像形成」M3、「機能実行」M5の順序で進行するようにしてもよい。
【0121】
<現在完了通知情報がタイプAの場合に取得されたジョブの処理進行状態の説明>
図9に、画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプAの場合に、取得されたジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図を示す。
図9では、現在完了通知情報がタイプAであり、1つのジョブ(ジョブID:J01)を受け付ける場合についてのジョブの処理進行状態を示す。
また、画像処理装置MFPには、ジョブを受け付ける3つのポート(PT1、PT2、PT3)があり、初期状態では、いずれも使用可能な状態(空きポート)であるものとする。
【0122】
図9においても、情報処理装置TEからジョブ処理要求を受信すると、「ジョブ受付」状態となり、図8と同様に、ポートPT1を使用して、ジョブ処理要求を受け付ける。
その後、図8と同様に、要求されたジョブの受付が可能か否かが判定され、受付可能な場合、情報処理装置TEから送信される処理すべき画像データを含むジョブ情報を受信し、ジョブ状態は「受信」となり、処理進行状態が「ジョブ受信」M2となる。
さらに、ジョブ情報を受信した後、ジョブ情報に含まれる画像データについて必要な画像形成処理を実行すると、ジョブ状態は「形成」となり、処理進行状態が「画像形成」M3となる。ポートPT1は、占有状態(使用状態)のままである。
ここまでは、図8の処理進行状態と同様である。
【0123】
ただし、図9において、現在完了通知情報がタイプAであったとすると、ジョブ実行完了時に、処理完了通知(ジョブ正常終了通知)が情報処理装置TEに送信される。
上記したように、処理進行状態が「画像形成」M3の状態は、ジョブ取得完了時であって、ジョブ実行完了時ではないので、まだ、処理完了通知(ジョブ正常終了通知)は情報処理装置TEに送信されない。
【0124】
次に、図9において、画像形成処理を実行した後は、要求された処理を実行できる状態になっているので、画像形成処理がされた画像データに対して所定の機能が実行され、ジョブ状態は「取得済」となり、処理進行状態は「機能実行」M4となる。
この機能実行中においても、処理完了通知(ジョブ正常終了通知)は情報処理装置TEに送信されないので、ポートPT1は、占有状態(使用状態)のままである。
したがって、ポートPT1を使用しては、次のジョブ処理要求を受け付けることができる状態ではない。
また、情報処理装置TEでは、処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を受信していないので、要求したジョブの処理が完了したことを認識できず、次のジョブの処理要求を、画像処理装置MFPに送信することができない状態である。
【0125】
画像データに対して実行した機能が終了した場合、ジョブ実行完了時となる。
図9においては、現在完了通知情報がタイプAであるので、機能が終了した時点で、処理完了通知(ジョブ正常終了通知)が情報処理装置TEに送信される。
処理完了通知(ジョブ正常終了通知)が情報処理装置TEに送信されると、ジョブ状態は「取得済」となり、処理進行状態は「完了通知」M5となる。
処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を情報処理装置TEに送信した後、使用していたポートPT1を解放する。
すなわち、ポートPT1を使用可能な状態(空きポート)に戻し、ポートPT1で、次のジョブ処理要求を受け付けることができる状態にする。
【0126】
図9の処理進行の場合、使用していたポートPT1が解放され、ポートPT1で、次のジョブ処理要求を受け付けることができる状態になるのは、画像データに対する機能の実行が実際に終了した後であるので、画像データに対する機能の実行を開始する前にポートPT1が解放される図8の処理進行の場合に比べて、次のジョブ処理要求を受け付けることができる状態になるタイミングが遅くなる。
したがって、言いかえれば、情報処理装置TEでは、処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を受信するタイミングが遅いので、次のジョブの処理要求を画像処理装置MFPに送信することができない状態が長くなる場合がある。
【0127】
このように、現在完了通知情報がタイプAの場合は、次のジョブの処理要求が送信できない場合があるが、現在完了通知情報がタイプBの場合は、ジョブ取得完了時に情報処理装置TEに処理完了通知を送信することによって、次のジョブの受付の待ち時間を減らすことができ、あるいは、次のジョブの受付が待たされる事態を解消でき、情報処理装置TEから要求される複数のジョブの処理効率を向上させることができる。
【0128】
<現在完了通知情報がタイプBの場合に取得された複数のジョブの処理進行状態の説明>
図10図11図12に、画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプBの場合に、複数のジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図を示す。
図10では、現在完了通知情報がタイプBであり、3つのジョブ(ジョブID:J01、J02、J03)を、連続的に受け付ける場合についてのジョブの処理進行状態を示す。
また、画像処理装置MFPには、ジョブを受け付ける3つのポート(PT1、PT2、PT3)があるものとし、3つのポートが占有されている状態では、3つのジョブ(ジョブID:J01、J02、J03)の処理は進行するが、4つ目のジョブ(ジョブID:J04)は受け付けられない。
【0129】
図10において、ジョブJ01は、ポートPT1で受け付けられ、処理進行状態のM1(ジョブ受付)とM2(ジョブ受信)が終了し、現在、画像形成処理をしているM3(画像形成)の処理進行状態であるとする。この場合、ポートPT1は、ジョブJ01によって占有された状態である。
また、ジョブJ02は、ポートPT2で受け付けられ、処理進行状態のM1(ジョブ受付)が終了し、現在、ジョブ情報を受信しているM2(ジョブ受信)の処理進行状態であるとする。この場合、ポートPT2は、ジョブJ02によって占有された状態である。
さらに、ジョブJ03は、ポートPT3で受け付けられ、現在、処理進行状態のM1(ジョブ受付)であり、そのジョブの受付を許可した状態であるとする。
この場合、ポートPT3は、ジョブJ03によって占有された状態である。
【0130】
上記のような状況では、すべてのポートが占有されているので、使用可能なポートがなく、新たなジョブの処理要求は受け付けられない状態である。
したがって、ジョブJ04のジョブ処理要求が受信されても、空きポートがないために、受付可否判定処理で、そのジョブ処理要求は拒否され、たとえば、ジョブJ04の受付不可通知が、情報処理装置TEに送信される。
【0131】
図11には、図10の処理進行状態から一段階進んだ処理進行状態を示している。
図11において、ジョブJ01は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)とM2(ジョブ受信)とM3(画像形成)が終了し、M4(完了通知)の処理進行状態であるとする。
ここでは、現在完了通知情報がタイプBなので、上記したように、M3(画像形成)が終了したジョブ取得完了時に、ジョブJ01の処理完了通知が情報処理装置TEに送信される。
この場合、処理完了通知が情報処理装置TEに送信されるので、ポートPT1は解放されて空きポートとなり、次の新たなジョブによって使用可能な状態となる。
【0132】
また、ポートPT2で受け付けられたジョブJ02は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)とM2(ジョブ受信)が終了し、現在、画像形成処理をしているM3(画像形成)の処理進行状態であるとする。この場合、ポートPT2は、まだ、ジョブJ02によって占有された状態である。
また、ポートPT3で受け付けられたジョブJ03は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)が終了し、現在、ジョブ情報を受信しているM2(ジョブ受信)の処理進行状態であるとする。この場合、ポートPT3は、まだ、ジョブJ03によって占有された状態である。
【0133】
さらに、新たなジョブJ04の処理要求が情報処理装置TEから送信されたとすると、ポートPT1は空きポートとなっているので、使用可能なポートPT1で、ジョブJ04のジョブ処理要求が受信される。
ジョブJ04のジョブ処理要求が受信され、受付可否判定処理で、そのジョブ処理要求が許可されると、受付許可通知が、情報処理装置TEに送信され、処理進行状態が、M1(ジョブ受付)となる。
この場合、ポートPT1は、ジョブJ04によって占有された状態になる。
【0134】
ポートPT1がジョブJ04によって占有された状態になった後は、すべてのポートが占有状態であるので、新たなジョブJ05の処理要求が情報処理装置TEから送信されても、空きポートがないために、受付可否判定処理で、そのジョブ処理要求は拒否され、ジョブJ05の受付不可通知が情報処理装置TEに送信される。
【0135】
図12には、図11の処理進行状態から一段階進んだ処理進行状態を示している。
図12において、ジョブJ01は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)とM2(ジョブ受信)とM3(画像形成)とM4(完了通知)とが終了し、M5(機能実行)の処理進行状態であるとする。
この場合、すでに、ポートPT1は、ジョブJ01による占有が終わり、別のジョブJ04によって占有されている状態である。
【0136】
ジョブJ02は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)とM2(ジョブ受信)とM3(画像形成)が終了し、M4(完了通知)の処理進行状態であるとする。
ここでは、現在完了通知情報がタイプBなので、上記したように、M3(画像形成)が終了したジョブ取得完了時に、ジョブJ02の処理完了通知が情報処理装置TEに送信される。
この場合、処理完了通知が情報処理装置TEに送信されるので、ポートPT2は解放されて空きポートとなり、次の新たなジョブによって使用可能な状態となる。
【0137】
また、ポートPT3で受け付けられたジョブJ03は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)とM2(ジョブ受信)が終了し、現在、画像形成処理をしているM3(画像形成)の処理進行状態であるとする。この場合、ポートPT3は、まだ、ジョブJ03によって占有された状態である。
また、ポートPT1で受け付けられたジョブJ04は、M1(ジョブ受付)の処理進行状態であったとすると、ポートPT1は、まだ、ジョブJ04によって占有された状態である。
【0138】
さらに、新たなジョブJ05の処理要求が情報処理装置TEから送信されたとすると、ポートPT2は空きポートとなっているので、使用可能なポートPT2で、ジョブJ05のジョブ処理要求が受信される。
ジョブJ05のジョブ処理要求が受信され、受付可否判定処理で、そのジョブ処理要求は許可されると、受付許可通知が、情報処理装置TEに送信され、処理進行状態が、M1(ジョブ受付)となる。
この場合、ポートPT2は、ジョブJ05によって占有された状態になる。
【0139】
ポートPT2がジョブJ05によって占有された状態になった後は、すべてのポートが占有状態であるので、新たなジョブの処理要求が情報処理装置TEから送信されても、空きポートがないために、そのジョブ処理要求は拒否される。
【0140】
<現在完了通知情報がタイプAの場合に取得された複数のジョブの処理進行状態の説明>
図13図14図15に、画像処理装置において、現在完了通知情報がタイプAの場合に、複数のジョブの処理進行状態を示した一実施例の説明図を示す。
図13では、現在完了通知情報がタイプAであり、3つのジョブ(ジョブID:J01、J02、J03)を、連続的に受け付ける場合についてのジョブの処理進行状態を示す。
また、画像処理装置MFPには、ジョブを受け付ける3つのポート(PT1、PT2、PT3)があるものとし、3つのポートが占有されている状態では、3つのジョブ(ジョブID:J01、J02、J03)の処理は進行するが、4つ目のジョブ(ジョブID:J04)は受け付けられない。
【0141】
図13に示したジョブの処理進行状態では、現在完了通知情報がタイプAであり、
現在完了通知情報がタイプBである図10とは、現在完了通知情報が異なるだけで、ジョブの処理進行状態そのものは、図10と同じである。
ただし、現在完了通知情報がタイプAであるので、M3(画像形成)の処理進行状態の後、処理進行状態は、機能が実行されるM4(機能実行)となり、その後に、処理完了通知を送信するM5(完了通知)となる。
現在完了通知情報がタイプAの場合、上記したように、ジョブ実行完了時にジョブJ01の処理完了通知が送信されるので、M3(画像形成)が終了したジョブ取得完了時には、ジョブJ01の処理完了通知が情報処理装置TEに送信されることはなく、ジョブJ01に対して要求された機能が実行される。
【0142】
図14には、図13の処理進行状態から一段階進んだ処理進行状態を示している。
図14において、ジョブJ01は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)とM2(ジョブ受信)とM3(画像形成)が終了し、M4(機能実行)の処理進行状態であるとする。
ここでは、現在完了通知情報がタイプAなので、ジョブJ01に対して要求された機能が実行され、ポートPT1は、まだ、ジョブJ01によって占有された状態である。
【0143】
また、ポートPT2で受け付けられたジョブJ02は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)とM2(ジョブ受信)が終了し、現在、画像形成処理をしているM3(画像形成)の処理進行状態であるとする。この場合、ポートPT2は、まだ、ジョブJ02によって占有された状態である。
また、ポートPT3で受け付けられたジョブJ03は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)が終了し、現在、ジョブ情報を受信しているM2(ジョブ受信)の処理進行状態であるとする。この場合、ポートPT3は、まだ、ジョブJ03によって占有された状態である。
【0144】
したがって、図14の処理進行状態では、まだすべてのポートが占有状態であるので、新たなジョブJ04の処理要求が情報処理装置TEから送信されても、空きポートがないために、受付可否判定処理で、そのジョブ処理要求は拒否され、ジョブJ04の受付不可通知が情報処理装置TEに送信される。
【0145】
図15には、図14の処理進行状態から一段階進んだ処理進行状態を示している。
図15において、ジョブJ01は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)とM2(ジョブ受信)とM3(画像形成)とM4(機能実行)とが終了し、M5(完了通知)の処理進行状態であるとする。
ここで、M4(機能実行)が終了した状態は、ジョブJ01に対して要求された機能が実行され、その機能が正常に終了した状態とする。すなわち、図15では、ジョブJ01については、ジョブ実行完了時になっているものとする。
【0146】
現在完了通知情報がタイプAの場合、上記したように、ジョブ実行完了時にジョブJ01の処理完了通知が送信されるので、ジョブJ01の処理完了通知が情報処理装置TEに送信される。
また、処理完了通知が情報処理装置TEに送信されるので、ポートPT1は解放されて空きポートとなり、次の新たなジョブによって使用可能な状態となる。
【0147】
ジョブJ02は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)とM2(ジョブ受信)とM3(画像形成)が終了し、M4(機能実行)の処理進行状態であるとする。
ここでは、現在完了通知情報がタイプAなので、ジョブJ02に対して要求された機能が実行され、ポートPT2は、まだ、ジョブJ02によって占有された状態である。
【0148】
また、ポートPT3で受け付けられたジョブJ03は、処理進行状態のM1(ジョブ受付)とM2(ジョブ受信)が終了し、現在、画像形成処理をしているM3(画像形成)の処理進行状態であるとする。この場合、ポートPT3は、まだ、ジョブJ03によって占有された状態である。
【0149】
さらに、新たなジョブJ04の処理要求が情報処理装置TEから送信されたとすると、ポートPT1は空きポートとなっているので、使用可能なポートPT1で、ジョブJ04のジョブ処理要求が受信される。
ジョブJ04のジョブ処理要求が受信され、受付可否判定処理で、そのジョブ処理要求は許可されると、受付許可通知が、情報処理装置TEに送信され、処理進行状態が、M1(ジョブ受付)となる。
この場合、ポートPT1は、ジョブJ04によって占有された状態になる。
【0150】
ポートPT1がジョブJ04によって占有された状態になった後は、すべてのポートが占有状態であるので、空きポートがないために、新たなジョブの処理要求は拒否される。
【0151】
図15に示したように、現在完了通知情報がタイプAの場合、ポートPT1は解放されて空きポートとなるのは、ジョブ取得完了時ではなく、ジョブJ01に対して要求された機能を実行し正常終了した時点であるジョブ実行完了時なので、現在完了通知情報がタイプBの場合と比較して、ポートPT1が解放されるタイミングが遅い。
【0152】
<現在完了通知情報がタイプBの場合のジョブ受付実行処理の通信シーケンス>
図16に、現在完了通知情報がタイプBの場合に、画像処理装置と情報処理装置との間で行われるジョブ受付実行処理の一実施例の通信シーケンスを示す。
ここでは、現在完了通知情報がタイプBなので、ジョブ取得完了時、すなわち、ジョブに対する機能の実行を開始する前に、ジョブの処理完了通知(ジョブ正常終了通知)が情報処理装置TEに送信される。
【0153】
図16のステップT01において、ユーザーUS001が、情報処理装置TEで所定の入力操作をして、ジョブIDJ01のジョブを入力し、ジョブに含まれる画像データを記憶させたとする。
このとき、ユーザーUS001は、ジョブIDJ01のジョブに対して実行させる機能も入力する。
たとえば、印刷機能、ファクス送信機能などを入力し、それぞれの機能を実行させるのに必要な情報も入力する。印刷機能であれば、印刷枚数や印刷用紙の指定をし、ファクス送信機能であれば、送信宛先を入力する。
【0154】
ステップT02において、ユーザーが、機能を実行させる画像処理装置MFPを指定し、機能を実行させる入力操作をした場合、ジョブ処理要求を画像処理装置MFPに送信する。
ジョブ処理要求には、たとえば、ユーザー名、ジョブ種別、ジョブIDJ01、
画像解像度(主走査/副走査)、FAX送信の場合の再送回数や再送間隔、FAX送信の場合の結果印刷の要否、ユーザー認証する場合のログイン名やログインパスワード、宛先のFAX番号などが含まれる。
【0155】
ステップM01において、画像処理装置MFPが、ジョブ処理要求を受信する。
ステップM02において、ジョブの受付可否判定処理が行われる。
ここでは、画像処理装置MFPのポートの空きや、格納リソースの空きがあるか否かがチェックされる。
たとえば、画像処理装置MFPが有するポートのうち、1つ以上のポートが空いている場合で、かつ、要求されたジョブに含まれる画像データを受信しジョブの受付に関係する処理を実行するための格納リソースに空きがある場合に、ジョブの受付が可能であると判定する。
なお、1つのポートに、1つのジョブを受け付けることを原則とするが、1つのポートに複数のジョブを受け付けることも可能であるので、ポートごとに、受付可能なジョブ数を予め設定できるようにしてもよく、受付可能なジョブ数も利用して、ジョブの受付の可否を判定してもよい。
【0156】
ステップM03において、ジョブの受付が可能である場合、現在動作状態(ステータス)に、ST1(処理受付中)を設定記憶する。
ここでは、ジョブIDJ01のジョブの受付が可能となったので、ジョブ管理情報45に、ジョブIDJ01のジョブの情報(ジョブID、ジョブ種別、受付時刻など)を追加し、ジョブIDJ01のジョブの現在動作状態(ステータス)を、ST1(処理受付中)に設定する。
また、ジョブIDJ01のジョブを受け付けたポートが、ジョブIDJ01のジョブによって占有され、使用状態となる。
【0157】
ステップM04において、画像処理装置MFPが、ジョブ処理要求を送信してきた情報処理装置TEに、受付許可通知を送信する。
このとき、受付許可通知には、ジョブIDJ01や、ジョブIDJ01のジョブの現在動作状態(ステータス)がST1であることなどが含まれる。
【0158】
ステップT03において、情報処理装置TEが、受付許可通知を受信する。
ステップT04において、ジョブIDJ01のジョブ情報を、画像処理装置MFPに送信する。
ジョブ情報には、たとえば、ユーザー名、ジョブIDJ01、処理対象である画像データ、
画像解像度(主走査/副走査)、FAX送信の場合の再送回数や再送間隔、FAX送信の場合の結果印刷の要否、ユーザー認証する場合のログイン名やログインパスワード、宛先のFAX番号などが含まれる。
【0159】
ステップM05において、画像処理装置MFPが、ジョブ情報を受信する。
ステップM06において、画像処理装置MFPが、要求された機能を実行するために、処理対象である画像データに対して画像形成処理を実行する。
これにより、処理対象である画像データに対して要求された機能が実行できる状態となり、この時点は、ジョブ取得完了時に相当する。
【0160】
ステップM07において、現在完了通知情報をチェックし、現在完了通知情報がタイプBであることを確認したとする。
現在完了通知情報がタイプBなので、ジョブ取得完了時に、ジョブの処理完了通知(ジョブ正常終了通知)が送信される。
ステップM08において、現在動作状態(ステータス)に、ST3(正常終了)を設定記憶する。
【0161】
ステップM09において、ジョブの処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を、ジョブ処理要求を送信してきた情報処理装置TEに送信する。
ジョブ正常終了通知には、たとえば、ユーザー名、ジョブIDJ01、ステータスST3(正常終了)、AX送信の場合の再送回数や再送間隔、FAX送信の場合の結果印刷の要否、宛先のFAX番号などが含まれる。
ステップM10において、ジョブIDJ01のジョブを受け付けたポートが解放される。
ステップM11において、ジョブIDJ01のジョブの処理が開始される。
【0162】
ステップT05において、情報処理装置TEが、ジョブ正常終了通知を受信する。
ステップT06において、ジョブ正常終了を、情報処理装置TEの表示部53に表示する。
ここでは、ジョブIDJ01のジョブの処理が、画像処理装置MFPにおいて実行され正常に終了したこと(たとえば、ジョブJ01:印刷完了)が表示される。
【0163】
ユーザーUS001は、この表示を確認することによって、自己が要求したジョブIDJ01のジョブの処理が完了したと判断する。
この場合は、画像処理装置MFPで、実際に、ジョブIDJ01のジョブの処理が完了していなくても、ユーザーUS001は、ジョブの処理が完了したと判断することになる。
以上の処理によって、要求されたジョブIDJ01のジョブの処理が完了する。
【0164】
ユーザーUS001が要求したジョブIDJ01のジョブの処理が完了したので、ユーザーUS001が、次のジョブを入力するものとする。
ステップT07において、ステップT01と同様に、ユーザーUS001が、情報処理装置TEで所定の入力操作をして、ジョブIDJ02のジョブを入力し、ジョブに含まれる画像データを記憶させる。
【0165】
ステップT08において、ステップT02と同様に、ユーザーが、機能を実行させる画像処理装置MFPを指定し、機能を実行させる入力操作をした場合、ジョブ処理要求を画像処理装置MFPに送信する。
ジョブ処理要求には、たとえば、ユーザー名、ジョブ種別、ジョブIDJ02などが含まれる。
ステップM12において、画像処理装置MFPが、ジョブ処理要求を受信する。
以後、上記した処理と同様の処理が繰り返される。
【0166】
<現在完了通知情報がタイプAの場合のジョブ受付実行処理の通信シーケンス>
図17に、現在完了通知情報がタイプAの場合に、画像処理装置と情報処理装置との間で行われるジョブ受付実行処理の一実施例の通信シーケンスを示す。
図16の通信シーケンスと同じ処理をするステップには同じ番号を付与している。
ここでは、現在完了通知情報がタイプAなので、ジョブ実行完了時、すなわち、ジョブに対する機能の実行が正常に終了した後に、ジョブの処理完了通知(ジョブ正常終了通知)が情報処理装置TEに送信される。
【0167】
図17の通信シーケンスでは、図16の通信シーケンスのうち、情報処理装置TEのステップT01からステップT04と、画像処理装置MFPのステップM01からステップM06までと同様の処理を行う。
すなわち、ジョブ処理要求と、受付許可通知と、ジョブ情報の送信と、画像形成処理までの処理は、図16と同一なので、説明を省略する。
【0168】
図17では、画像処理装置MFPにおいて、ステップM06の後、ステップM21において、現在完了通知情報をチェックする。
ステップM21において、現在完了通知情報がタイプAであることを確認したとする。
現在完了通知情報がタイプAの場合は、ジョブ実行完了時に、ジョブの処理完了通知(ジョブ正常終了通知)が送信されるので、ジョブJ01に対して要求された機能を実行する。
【0169】
ジョブJ01に対して要求された機能が、ファクス送信であった場合、まず、ステップM22において、現在動作状態(ステータス)に、ST2(FAX送信実行中)を設定記憶する。
このとき、図示するように、ジョブが実行中であることを示すジョブ実行通知を、情報処理装置TEに送信してもよい。ジョブ実行通知には、ステータスST2(FAX送信実行中)が含まれる。
あるいは、ジョブJ01に対して要求された機能が、印刷であった場合は、ステップM22において、現在動作状態(ステータス)に、ST5(印刷実行中)を設定記憶し、ステータスST5(印刷実行中)を含むジョブ実行通知を、情報処理装置TEに送信してもよい。
その後、ステップM23において、ステップM11と同様に、ジョブIDJ01のジョブの処理が開始される。
【0170】
ステップT11において、情報処理装置TEは、ジョブ実行通知を受信する。
ステップT12において、ジョブ実行通知を受信した情報処理装置TEは、ジョブIDJ01のジョブが、現在実行中であることを表示してもよい。
【0171】
画像処理装置MFPにおいて、ジョブIDJ01のジョブの処理が正常に終了したとすると、正常に終了したことを示す処理完了通知(ジョブ正常終了通知)が、情報処理装置TEに送信される。
まず、ステップM24において、ステップM08と同様に、現在動作状態(ステータス)に、ST3(正常終了)を設定記憶する。
ステップM25において、ステップM09と同様に、ジョブの処理完了通知(ジョブ正常終了通知)を、ジョブ処理要求を送信してきた情報処理装置TEに送信する。
ステップM26において、ステップM10と同様に、ジョブIDJ01のジョブを受け付けたポートが解放される。
【0172】
その後、ステップT05において、情報処理装置TEが、ジョブ正常終了通知を受信した場合、図16と同様に、ステップT06において、ジョブ正常終了を、情報処理装置TEの表示部53に表示する。
これにより、ジョブIDJ01のジョブの処理が、画像処理装置MFPにおいて実行され正常に終了したこと(たとえば、ジョブJ01:印刷完了)が表示される。
ユーザーUS001は、この表示を確認することによって、実際にジョブIDJ01のジョブの処理が完了した時点で、自己が要求したジョブの処理が完了したと判断する。
以上の処理によって、要求されたジョブIDJ01のジョブの処理が完了する。
【0173】
その後、ユーザーUS001が要求したジョブIDJ01のジョブの処理が完了したので、ユーザーUS001が次のジョブを入力した場合、図16と同様に、情報処理装置TEのステップT07およびステップT08が実行され、画像処理装置MFPのステップM12が実行されて、次のジョブのジョブ処理要求が受信される。
以後、上記した処理と同様の処理が繰り返されることになる。
【0174】
<完了通知時期切替処理のフローチャート>
図18に、画像処理装置における完了通知時期切替処理の一実施例のフローチャートを示す。
ここでは、上記した現在完了通知情報44を、タイプAまたはタイプBのどちらに切り替えるかを判定する処理について説明する。
上記したように、現在完了通知情報44は、完了通知切替条件43に従って、タイプAまたはタイプBのどちらかに切り替えられる。
【0175】
図18のステップS1において、使用可能ポートの有無をチェックする。
たとえば、画像処理装置MFPが3つのポートを有している場合、3つのポートのうち1つ以上のポートが空きポートであるか、3つとも空きポートでないかがチェックされる。
ステップS2において、使用可能ポートが1つ以上あれば、ステップS4に進み、使用可能ポートが1つもない場合は、ステップS3に進む。
【0176】
ステップS3において、タイプBへの切替判定処理を行う。
タイプBへの切替判定処理で、タイプBへの切り替えるための完了通知切替条件43が満たされている場合に、現在完了通知情報44を、タイプAからタイプBに変更する処理などを行う。
タイプBへの切替判定処理の詳細フローについては、後述する図19に示す。
【0177】
ステップS4において、タイプAへの切替判定処理を行う。
タイプAへの切替判定処理で、タイプAへの切り替えるための完了通知切替条件43が満たされている場合に、現在完了通知情報44を、タイプBからタイプAに変更する処理を行う。
タイプAへの切替判定処理の詳細フローについては、後述する図20に示す。
ステップS3またはステップS4の後、ステップS1に戻り、処理を繰り返す。
【0178】
(完了通知時期をタイプBへ切り替える判定処理)
図19に、画像処理装置における完了通知時期切替処理において、完了通知時期をタイプBへ切り替える判定処理の一実施例のフローチャートを示す。
図19のフローチャートは、上記したステップS3の処理内容の一実施例を示したものである。
【0179】
図19のステップS11において、要求された機能を実行しているジョブの有無をチェックする。
たとえば、現在、印刷処理やファクス送信処理を実行しているジョブが存在するか否かをチェックする。
ステップS12において、現在実行状態のジョブがある場合は、ステップS13に進み、そうでない場合は、処理を終了する。
【0180】
ステップS13において、現在完了通知情報44の現在の設定状態をチェックする。
ステップS14において、現在完了通知情報44がタイプAに設定されている場合は、ステップS15に進み、そうでない場合、すなわちタイプBに設定されている場合は、処理を終了する。
【0181】
ステップS15において、現在完了通知情報44を、タイプBに設定変更する。
ここで、現在完了通知情報44がタイプBに変更されたこと、すなわち、画像処理装置MFPは、現在、ジョブ取得完了時に、処理完了通知を情報処理装置TEに送信する設定となっていることを、情報処理装置TEに送信してもよい。
【0182】
ステップS16において、ジョブ管理情報において、実行状態のジョブの現在状態(ステータス)を、正常終了(ST4)に設定変更する。
ステップS17において、実行状態のジョブの現在状態(ステータス)を、そのジョブを送信してきた情報処理装置TEに、送信する。
ここでは、正常終了(ST4)が、情報処理装置TEに送信される。
【0183】
ステップS18において、実行状態のジョブが使用していたポートを解放する。
すなわち、実行状態のジョブが使用していたポートを、未使用状態に設定する。
これにより、実行状態のジョブが使用していたポートが、次に受信するジョブによって使用可能な状態となる。
以上により、現在完了通知情報44がタイプBに変更されると、以後、処理完了通知を送信するタイミングが、ジョブ取得完了時となる。
【0184】
(完了通知時期をタイプAへ切り替える判定処理)
図20に、画像処理装置における完了通知時期切替処理において、完了通知時期をタイプAへ切り替える判定処理の一実施例のフローチャートを示す。
図20のフローチャートは、上記したステップS4の処理内容の一実施例を示したものである。
【0185】
ここでは、使用可能ポート(空きポート)が、2つ以上ない場合は、すなわち、空きポートがゼロまたは1つの場合は、タイプAへ切り替えないものとする。
また、使用可能リソース(空きリソース)が、2つ以上ない場合は、すなわち、空きリソースがゼロまたは1つの場合は、タイプAへ切り替えないものとする。
ただし、タイプAへ切り替えない条件はこれに限るものではなく、たとえば、空きリソースが1つもない場合に、タイプAへ切り替えないものとしてもよい。
【0186】
図20のステップS31において、使用可能ポート(空きポート)の個数をチェックする。
ステップS32において、2つ以上のポートが空きポートの場合、ステップS33に進み、そうでない場合は、処理を終了する。
ステップS33において、格納リソースの空きをチェックする。
ステップS34において、2つ以上のリソースが空きリソースの場合、ステップS35に進み、そうでない場合は、処理を終了する。
【0187】
ステップS35において、現在実行状態のジョブがない場合は、ステップS36に進み、そうでない場合は、処理を終了する。
ステップS36において、現在完了通知情報44を、タイプAに設定変更し、処理を終了する。
また、ステップS36において、現在完了通知情報44がタイプAに変更されたこと、すなわち、画像処理装置MFPは、現在、ジョブ実行完了時に、処理完了通知を情報処理装置TEに送信する設定となっていることを、情報処理装置TEに送信してもよい。
以上により、現在完了通知情報44がタイプAに変更されると、以後、処理完了通知を送信するタイミングが、ジョブ実行完了時となる。
【0188】
<ジョブ受付実行処理のフローチャート>
図21図22に、この発明の画像処理装置におけるジョブ受付実行処理の一実施例のフローチャートを示す。
ここでは、要求されたジョブの機能がファクス送信機能の場合について説明する。
ただし、ファクス送信機能以外の場合も、ほぼ同様の処理が行われる。
【0189】
図21のステップS51において、使用可能ポートと、使用可能リソースの有無をチェックする。
ステップS52において、使用可能ポートと使用可能リソースがある場合、ステップS53に進み、そうでない場合は、ステップS51に戻る。
ステップS53において、情報処理装置TEからのジョブ処理要求が受信されるか否かをチェックする。
ステップS54において、ジョブ処理要求が受信された場合、ステップS55に進み、そうでない場合は、ステップS51に戻る。
【0190】
ステップS55において、空きポートを利用して、ジョブ受付処理を開始する。
ここでは、たとえば、受付許可通知を、ジョブ処理要求を送信してきた情報処理装置TEに送信し、処理対象の画像データを含むジョブ情報の受信を開始する。
ステップS56において、ジョブ管理情報において、受け付けたジョブの現在状態(ステータス)に、「処理受付中(ST1)」を設定記憶する。
ステップS57において、ジョブ処理要求を送信してきた情報処理装置TEに、受け付けたジョブの現在状態「ステータス:処理受付中(ST1)」を送信する。
【0191】
ステップS58において、処理対象の画像データの受信を終了したか否かをチェックし、画像データの受信を終了した場合は、ステップS59に進み、そうでない場合は、ステップS58を繰り返す。
ステップS59において、受信した画像データに対して、画像形成処理を実行する。
ここで、たとえば、要求されたジョブの機能がファクス送信機能の場合は、受信した画像データを、ファクス送信できる形式のデータに変換する。
【0192】
ステップS60において、現在完了通知情報44をチェックする。
ステップS61において、現在完了通知情報44がタイプBの場合は、ステップS62に進み、タイプAの場合は、図22のステップS81に進む。
【0193】
ステップS62において、受け付けたジョブの現在状態(ステータス)に、「正常終了(ST3)」を設定記憶する。
現在完了通知情報44がタイプBであるので、ジョブ取得完了時に、処理完了通知を送信するためである。
ステップS63において、ジョブ処理要求を送信してきた情報処理装置TEに、ジョブ正常終了通知を送信する。
ジョブ正常終了通知には、受け付けたジョブの現在状態「ステータス:正常終了(ST3)」が含まれる。
【0194】
ステップS64において、使用していたポートを解放する。
ジョブ正常終了通知を送信したので、使用していたポートを未使用状態に設定し、次のジョブを受け付けられる状態にする。
【0195】
ステップS65において、要求されたジョブの機能を実行する。
ここでは、処理対象の画像データについて、ファクス送信を実行する。
ファクス送信機能では、相手先装置を呼び出す処理をし、相手先装置が応答した場合に、画像データを送信する。相手先装置が応答しない場合は、所定の時間経過後に、再送信(リダイヤル)を行う。
【0196】
ステップS66において、ファクス送信が正常終了しなかった場合は、ステップS67に進み、ファクス送信が正常終了した場合は、処理を終了する。
ステップS67において、リダイヤルのための再送信回数が予め設定された上限回数に達していない場合(再送信回数に残りがある場合)、ステップS65に戻り、再度ファクス送信を実行する。
再送信回数が予め設定された上限回数に達した場合(再送信回数に残りがない場合)、ステップS68に進む。
【0197】
ステップS68において、受け付けたジョブの現在状態(ステータス)に、「エラー終了(ST4)」を設定記憶する。
ステップS69において、ジョブ処理要求を送信してきた情報処理装置TEにジョブの現在状態を送信することはできないので、エラー終了したことを示す情報(エラー終了情報)を記憶し、エラー終了情報を所定の印刷用紙に印字レポートとして出力(印刷)する。
出力される印字レポートには、たとえば、エラー終了したジョブに関する情報、日時を含む実行結果の情報、ジョブの画像(一部)などを含めればよい。
現在完了通知情報44がタイプBの場合は、ジョブが正常終了した場合も、エラー終了した場合も、すでに、ステップS64において、使用していたポートを解放しているので、使用していたポートが未使用状態に設定されており、次のジョブを受け付けられる状態になっている。
【0198】
特に、現在完了通知情報44がタイプBの場合は、ジョブ取得完了時に、ジョブが正常終了したことを情報処理装置TEに通知し、要求されたジョブの実行が開始される前に、使用していたポートが未使用状態に設定されるので、次のジョブの受付が長期間待ち状態となることを防止でき、次のジョブを迅速に処理できるようになる。
【0199】
一方、タイプAの場合は、図22のステップS81において、受け付けたジョブの現在状態(ステータス)に、「FAX送信中(ST2)」を設定記憶する。
ステップS82において、ジョブ処理要求を送信してきた情報処理装置TEに、受け付けたジョブの現在状態「ステータス:FAX送信中(ST2)」を送信する。
【0200】
ステップS83において、要求されたジョブの機能(ファクス送信)を実行する。
ステップS84において、ファクス送信が正常終了しなかった場合は、ステップS86に進み、ファクス送信が正常終了した場合は、ステップS85に進む。
ステップS85において、受け付けたジョブの現在状態(ステータス)に、「正常終了(ST3)」を設定記憶し、ステップS88に進む。
【0201】
ステップS86において、リダイヤルのための再送信回数が予め設定された上限回数に達していない場合(再送信回数に残りがある場合)、ステップS83に戻り、再度ファクス送信を実行する。
再送信回数が予め設定された上限回数に達した場合(再送信回数に残りがない場合)、ステップS87に進む。
ステップS87において、受け付けたジョブの現在状態(ステータス)に、「エラー終了(ST4)」を設定記憶し、ステップS88に進む。
【0202】
ステップS88において、ジョブ処理要求を送信してきた情報処理装置TEに、受け付けたジョブの現在状態(ステータス)を送信する。
現在状態(ステータス)に「正常終了(ST3)」が設定されている場合は、現在状態「ステータス:正常終了(ST3)」を含む正常終了通知を送信する。
一方、現在状態(ステータス)に「エラー終了(ST4)」が設定されている場合は、現在状態「ステータス:エラー終了(ST4)」を送信する。
【0203】
ステップS89において、ステップS64と同様に、使用していたポートを解放する。
すなわち、ジョブが正常終了した場合も、エラー終了した場合も、この時点で、使用していたポートを未使用状態に設定し、次のジョブを受け付けられる状態にする。
【0204】
<その他の実施例>
(実施例1:現在完了通知情報の切替条件)
上記した実施例では、予め設定記憶された完了通知切替条件に基づいて、自動的に、現在完了通知情報を、タイプAまたはタイプBのどちらかに設定するものとした。
ただし、完了通知切替条件は、図4に例示したものに限るものではない。
たとえば、各リソース空きの判断は有り無しではなく、空きの数が予め定めた数を下回るという判断にしてもよい。
また、リソースの使用状態を判断して切替えるのではなく、ジョブの種別、例えば、FAX送信のジョブだけ、タイプAからタイプBに切り替えてもよい。
さらにFAX送信の予め決められた宛先だけ、タイプAからタイプBに切り替えてもよい。
【0205】
(実施例2:現在完了通知情報の手動設定)
上記した実施例では、現在完了通知情報の設定について、画像処理装置MFPにおいて、現在完了通知情報44を自動的に切り替えるものとしてが、これに限るものではない。
情報処理装置TEにおいて、ユーザーが所定の入力操作をすることにより、情報処理装置TEから画像処理装置MFPに、現在完了通知情報の切替要求を送信し、画像処理装置MFPの現在完了通知情報を、タイプAまたはタイプBのどちらかに切り替えることができるようにしてもよい。
すなわち、情報処理装置TEごとに、画像処理装置MFPの現在完了通知情報を設定記憶できるようにしてもよい。
【0206】
たとえば、情報処理装置TE1から、現在完了通知情報をタイプBに切り替える切替要求を受信した後は、常に、ジョブ取得完了時に、その情報処理装置TE1に処理完了通知を送信するようにすればよい。
また、別の情報処理装置TE2から、現在完了通知情報をタイプAに切り替える切替要求を受信した後は、常に、ジョブ実行完了時に、その情報処理装置TE2に処理完了通知を送信するようにすればよい。
【0207】
(実施例3:現在完了通知情報の設定変更)
上記した実施例では、情報処理装置TEから要求されるジョブの種別に関係無く、完了通知切替条件に基づいて、現在完了通知情報を、タイプAまたはタイプBのどちらかに切り替えていたが、これに限るものではない。
ジョブに対して実行する機能ごとに、現在完了通知情報を、タイプAまたはタイプBに切り替えるようにしてもよい。
【0208】
たとえば、ジョブに対して実行する機能が「ファクス送信」の場合、再送信が行われる可能性を考慮すると、ファクス送信の処理が実際に完了するのに長期間を要する場合があるので、受信したジョブ処理要求に含まれるジョブ種別が「ファクス送信」の場合に、現在完了通知情報をタイプBに切り替え、ジョブ取得完了時に、情報処理装置TEに処理完了通知を送信するようにしてもよい。
【0209】
また、ジョブに対して実行する機能が「印刷機能」の場合、短時間で印刷が終了する場合もあるので、受信したジョブ処理要求に含まれるジョブ種別が「印刷」の場合に、現在完了通知情報をタイプAに切り替え、ジョブ実行完了時に、情報処理装置TEに処理完了通知を送信するようにしてもよい。
あるいは、ジョブに対して実行する機能が「印刷機能」の場合、印刷枚数を考慮して、現在完了通知情報をタイプAまたはタイプBのどちらかに切り替えてもよい。
たとえば、要求された印刷ジョブの印刷枚数が1枚の場合は、現在完了通知情報をタイプAに設定し、要求された印刷ジョブの印刷枚数が100枚の場合は、現在完了通知情報をタイプBに設定してもよい。
【符号の説明】
【0210】
1 画像処理装置(MFP)、
2 情報処理装置(TE)、
3 ネットワーク、
11 制御部、
12 操作部、
13 表示部、
14 画像処理部、
15 通信部、
16 FAX通信部、
21 ジョブ取得部、
22 ジョブ種別判定部、
23 動作状態判定部、
24 完了通知選択部、
25 動作状態通知部、
26 機能実行部、
40 記憶部、
41 受信画像データ、
42 動作状態設定情報、
43 完了通知切替条件、
44 現在完了通知情報、
45 ジョブ管理情報、
46 空きポート数、
47 空きリソース数、
51 制御部、
52 操作部、
53 表示部、
54 通信部、
55 ジョブ生成部、
56 ジョブ送信部、
57 MFP状態取得部、
58 MFP状態判定部、
59 機能実行要求部、
70 記憶部、
71 入力画像データ、
72 MFP動作状態情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
図11
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図17
図18
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図20
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