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  • 特開-電池収納パッケージ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182082
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】電池収納パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/256 20210101AFI20221201BHJP
   H01M 50/227 20210101ALI20221201BHJP
【FI】
H01M50/256 201
H01M50/227
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089408
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝 公典
(72)【発明者】
【氏名】加藤 千春
(72)【発明者】
【氏名】仁藤 宗一
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA02
5H040AY05
5H040GG12
5H040LL06
(57)【要約】
【課題】収容する電池の個数を容易に調整する。
【解決手段】実施形態の電池収納パッケージは、梱包材と、特定の数の電池が収まる穴部を有する板材とを有する。電池収納パッケージは、板材を複数積み重ねることで板材の積み重ね方向において特定の数の電池を1または複数段積み重ねて収める収納空間を穴部が形成する。電池収納パッケージは、複数積み重ねた板材の上面および底面を梱包材で覆うことで収納空間に収めた電池を封止する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包材と、
特定の数の電池が収まる穴部を有する板材と、を有し、
前記板材を複数積み重ねることで前記板材の積み重ね方向において前記特定の数の電池を1または複数段積み重ねて収める収納空間を前記穴部が形成し、
複数積み重ねた前記板材の上面および底面を前記梱包材で覆うことで前記収納空間に収めた電池を封止する、
ことを特徴とする電池収納パッケージ。
【請求項2】
前記板材はダンボールで構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池収納パッケージ。
【請求項3】
前記梱包材は、帯状の紙製板材であり、当該紙製板材を折り曲げて前記板材に巻きつけることで当該板材の上面および底面を覆う、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電池収納パッケージ。
【請求項4】
前記穴部は、複数の電池を並べて梱包した梱包体が収まる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電池収納パッケージ。
【請求項5】
前記板材は、複数の前記穴部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電池収納パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電池収納パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池およびアルカリ電池などの電池は、工場で製造して出荷する際には、複数の電池を電池収納パッケージに収納して出荷される。このような電池の運搬に用いる電池収納パッケージについては、内部に並列収納された筒型の乾電池を安定的に保持することのできる紙製の電池ケースおよび紙製電池パッケージが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-86161号公報
【特許文献2】特開2018-181426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、電池収納パッケージに収納される電池の本数または電池を複数並べてシュリンク包装した包装体の個数が、パッケージ形状による規定の本数に限定されるという問題がある。このため、パッケージに収納される電池の数を変更する場合は、その本数に合わせたパッケージ用の紙形を用意するなどの多大なコストを生じることとなる。
【0005】
1つの側面では、収容する電池の個数を容易に調整できる電池収納パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの案では、電池収納パッケージは、梱包材と、特定の数の電池が収まる穴部を有する板材とを有する。電池収納パッケージは、板材を複数積み重ねることで板材の積み重ね方向において特定の数の電池を1または複数段積み重ねて収める収納空間を形成する。電池収納パッケージは、複数積み重ねた板材の上面および底面を梱包材で覆うことで収納空間に収めた電池を封止する。
【発明の効果】
【0007】
収容する電池の個数を容易に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージの外観を示す外観斜視図である。
図2A図2Aは、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージの上面外観を示す俯瞰図である。
図2B図2Bは、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージの側面外観を示す俯瞰図である。
図2C図2Cは、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージの側面外観を示す俯瞰図である。
図2D図2Dは、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージの側面外観を示す俯瞰図である。
図3図3は、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージの梱包材を展開した状態を示す俯瞰図である。
図4図4は、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージを分解した状態を示す外観斜視図である。
図5図5は、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージの組み立て状態を示す外観斜視図である。
図6図6は、枠板の変形例を示す外観斜視図である。
図7図7は、第2の実施形態にかかる電池収納パッケージを分解した状態を示す外観斜視図である。
図8図8は、第2の実施形態にかかる電池収納パッケージの外観を示す外観斜視図である。
図9図9は、第2の実施形態にかかる電池収納パッケージの梱包材を展開した状態を示す俯瞰図である。
図10図10は、第2の実施形態にかかる電池収納パッケージの梱包材を展開した状態を示す俯瞰図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態にかかる電池収納パッケージを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する電池収納パッケージは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージの外観を示す外観斜視図である。図2Aは、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージの上面外観を示す俯瞰図である。図2B~2Dは、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージの側面外観を示す俯瞰図である。
【0011】
具体的には、図2Aは、図1におけるZ方向の上側から電池収納パッケージ1を俯瞰した図である。図2Bは、図1におけるY方向の奥側から電池収納パッケージ1の側面を俯瞰した図である。また、図2Cは、図1におけるY方向の手前側から電池収納パッケージ1の側面を俯瞰した図である。また、図2Dは、図1におけるX方向から電池収納パッケージ1の側面を俯瞰した図である。
【0012】
図1に示すように、電池収納パッケージ1は、複数積み重ねた板材10の周囲を、梱包材20で覆う構成である。板材10は、4、5mm程度の厚さを有する例えば紙製の板材であり、ダンボールなどを適用できる。なお、板材10は、本実施形態ではダンボールを適用する場合を例示するが、発泡スチロールなどの紙以外の部材を適用してもよい。
【0013】
図2A図2Dに示すように、梱包材20は、例えば帯状の厚紙などであり、板材10の上面および底面(Z方向)と、手前側および奥側の側面(Y方向)とに巻きつけて、板材10の周囲を覆う。具体的には、梱包材20は、板材10の底面(Z方向下側)からY方向の手前側の側面を経て上面(Z方向上側)に至る帯の一端と、板材10の底面からY方向の奥側の側面を経て上面に至る帯の一端とが上面にて重畳する。
【0014】
複数積み重ねた板材10に巻きつけた梱包材20については、重畳した面同士を接着してもよいし、梱包用のPP(ポリプロピレン)テープで梱包材20の周囲を覆って固定してもよい。このように、梱包材20を固定することで、梱包材20は、複数積み重ねた板材10を積み重ねた状態で崩れないように係止する。
【0015】
なお、梱包材20は、本実施形態では厚紙を適用する場合を例示するが、複数積み重ねた板材10を支持することができる程度の強度を有するものであれば、厚紙以外の部材を適用してもよい。例えば、梱包材20は、板材10を複数積み重ねた上から直に巻きつけた梱包用のPPテープであってもよい。
【0016】
図3は、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージ1の梱包材20を展開した状態を示す俯瞰図である。具体的には、図3は、梱包材20の上面で重畳する上部覆い板部21、23を開けた状態を示している。
【0017】
図3に示すように、板材10は、梱包材20をガイドするための突部11A~11Dおよび突部12を有する。例えば、突部11A~11Dは、板材10の四隅に設けられ、梱包材20を巻きつける際に横から挟み込むように支持する。突部12は、突部11A、11Bの間の辺に設けられ、梱包材20の側部覆い板部22に設けられたガイド穴22Aに嵌め込むことで梱包材20を支持する。
【0018】
また、板材10は、特定数の電池2を並べて収める穴部13A~13Cを有する。穴部13A~13Cのそれぞれは、特定数(図示例では4個)の電池2が横並びで収まる矩形状の穴である。なお、穴部13A~13Cについては、特に区別しない場合は穴部13と表記する。
【0019】
穴部13に収める電池2の種類については、図示例では円筒形電池(例えば単3形(R6))を例示しているが、F22などの平型の電池であってもよい。また、穴部13に収める電池2の個数については、図示例のように4個に限定するものではなく、1個、2個であってもよい。なお、本実施形態では、穴部13は、4個の電池2を並べてシュリンク包装した包装体も収まる矩形状の穴としている。
【0020】
電池収納パッケージ1では、板材10を複数積み重ねることで、積み重ね方向(Z方向)において、穴部13が特定数の電池2を1または複数段積み重ねて収める収納空間を形成する。
【0021】
図4は、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージ1を分解した状態を示す外観斜視図である。図5は、第1の実施形態にかかる電池収納パッケージ1の組み立て状態を示す外観斜視図である。
【0022】
図4に示すように、梱包材20の底部覆い板部24には、両端部分に折り返して用いるガイド板部24A、24Bが設けられている。板材10を底部覆い板部24に複数(図示例では4枚)積み重ねる場合は、ガイド板部24A、24Bを底部覆い板部24より立ち上げるように折り返す。
【0023】
図5に示すように、板材10は、底部覆い板部24より折り返して立ち上げたガイド板部24A、24Bに対し、穴部13A、13Cの壁面をあわせて積み重ねる。これにより、電池収納パッケージ1では、位置ずれなく板材10を積み重ねて電池2の収納空間を形成できる。
【0024】
例えば、板材10が厚さ8mmのダンボールであり、穴部13に収める電池2が直径14.5mmの単3形(R6)である場合は、板材10を2枚積み重ねることで1段分の収納空間を形成する。さらに、板材10を4枚積み重ねる場合には、2段分の収納空間を形成することができる。このように、電池収納パッケージ1では、板材10を積み重ねる枚数を2枚、4枚、6枚…と変更することで、積み重ね方向(Z方向)において収納空間内で電池2を積み重ねる段数を1段、2段、3段…と変更することができる。
【0025】
図示例では、穴部13A~13Dそれぞれに4個の電池2(4個の電池2を並べてシュリンク包装した包装体は1個)が収納できる。したがって、電池収納パッケージ1では、1段の場合は12個(包装体3個)、2段の場合は24個(包装体6個)、3段の場合は36個(包装体9個)…のように電池収納パッケージ1に収納する電池2の個数を調整できる。なお、梱包材20については、側部覆い板部22から上部覆い板部21、23とする折り返し位置を調整し、側部覆い板部22の積み重ね方向(Z方向)の長さを適宜調整することで対応する。
【0026】
なお、1段分の収納空間を形成するための板材10の枚数などは、電池2の種類や板材10の厚みに応じて適宜変更してよい。例えば、板材10が厚さ4mmのダンボールであり、電池2が直径10.5mmの単4形(R03)である場合は、板材10を3枚積み重ねることで、1段分の収納空間を形成できる。
【0027】
また、板材10における穴部13の数は、図示例のような3箇所に限定するものではない。図6は、枠板の変形例を示す外観斜視図である。図6に示すように、板材10Aは、2箇所の穴部13A、13Bを有する構成である。これにより、板材10Aでは穴部13A、13Bそれぞれに例えば4個の電池2(4個の電池2を並べてシュリンク包装した包装体は1個)が収納でき、1段分の収納個数は8個(包装体2個)となる。
【0028】
なお、板材10、10Aは、互いの穴部13の位置および形状を共通化してもよい。具体的には、板材10の穴部13A、13Cと、板材10Aの穴部13A、13Bの位置および形状を共通化する。これにより、電池収納パッケージ1では、板材10を所定の段数分積み重ね、さらのその上に板材10Aを所定の段数分積み重ねるような使用形態で収容空間を共通化することができ、収容する電池2の個数をさらに柔軟に変更することができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態にかかる電池収納パッケージを分解した状態を示す外観斜視図である。図8は、第2の実施形態にかかる電池収納パッケージの外観を示す外観斜視図である。
【0030】
図7に示すように、板材10Cは、田字状に6箇所の穴部13A~13Fを有する構成である。梱包材20Aは、突部11A、11B(突部11C、11D)の間に隙間なく入る程度の幅の帯状の厚紙などである。
【0031】
図8に示すように、梱包材20Aは、底部覆い板部24に重ねて載置された複数の板材10Cを第1の実施形態と同様に巻きつけて、板材10Cの周囲を覆う。また、梱包材20Aの上部覆い板部21、23の端部には、板材10Cに巻きつけて上部で重ね合った際に、互いに嵌合し合う切れ込みが設けられていてもよい。
【0032】
図9図10は、第2の実施形態にかかる電池収納パッケージの梱包材を展開した状態を示す俯瞰図である。具体的には、梱包材20Aの上面で重畳する上部覆い板部21、23を開けた状態において、図9は電池2の収納なし、図10は電池2の収納ありを示している。
【0033】
図9に示すように、第2の実施形態では、突部11A、11B(突部11C、11D)の間に梱包材20Aの側部覆い板部22が収まるように、板材10Cを底部覆い板部24に載置していく。これにより、第2の実施形態では、位置ずれなく板材10Cを積み重ねて電池2の収納空間を6箇所形成できる。
【0034】
このため、第2の実施形態では、図10に示すように、穴部13A~13Fによる6箇所の収納空間それぞれに、1段につき4個の電池2(4個の電池2を並べてシュリンク包装した包装体は1個)を収納することができる。
【0035】
以上のように、電池収納パッケージ1は、特定の数の電池2が収まる穴部13を有する板材10と、梱包材20とを有する。電池収納パッケージ1は、板材10を複数積み重ねることで板材10の積み重ね方向において特定の数の電池2を1または複数段積み重ねて収める収納空間を穴部13が形成する。電池収納パッケージ1は、複数積み重ねた板材10の上面および底面を梱包材20で覆うことで収納空間に収めた電池2を封止する。
【0036】
これにより、電池収納パッケージ1では、板材10を積み重ねる枚数を調整することで、収納空間において特定の数の電池2を積み重ねる段数を調整できる。このように、電池収納パッケージ1では、板材10の積み重ね枚数によって、電池2の収容個数を容易に調整できる。また、複数積み重ねて用いる板材10については、共通化して用いることで、パッケージに収納される電池の数を変更するような場合でも部品の種類が多くなることを抑止できる。また、板材10を共通化することで、管理、生産、保管等の手間を減らすことができる。
【0037】
電池収納パッケージ1の板材10は、ダンボールで構成される。これにより、電池収納パッケージ1では、ダンボールにより形成した収納空間に収められた電池2に対する外部からの衝撃を和らげることができる。また、板材10を安価に製造可能なダンボールとすることで、複数積み重ねて用いるために大量の板材10を準備する場合であっても、製造コストの増加を抑えることができる。
【0038】
梱包材20は、帯状の紙製板材であり、この紙製板材を折り曲げて板材10に巻きつけることで板材10の上面および底面を覆う。これにより、電池収納パッケージ1では、梱包材20を巻きつけることで、板材10の上面および底面の両面を覆い、電池2を封止できる。また、板材10の上面および底面をそれぞれ覆うために個別の梱包材20を準備する必要がなく、梱包材20の管理、生産、保管等の手間を減らすことができる。
【0039】
穴部13は、複数の電池2を並べて梱包した梱包体が収まる。これにより、電池収納パッケージ1は、複数の電池2を並べて梱包した梱包体を、1または複数段積み重ねて収納できる。
【0040】
板材10は、複数の穴部13A~13Fを有する。これにより、電池収納パッケージ1は、板材10を複数積み重ねることで、複数の穴部13A~13Fが形成した収納空間それぞれに電池2を収納することができる。また、電池収納パッケージ1は、電池2を複数並べてシュリンク包装した梱包体単位の収納個数を増やすことができる。
【符号の説明】
【0041】
1…電池収納パッケージ
2…電池
10、10A、10C…板材
11A~11D、12…突部
13、13A~13F…穴部
20、20A…梱包材
21、23…上部覆い板部
22…側部覆い板部
22A…ガイド穴
24…底部覆い板部
24A、24B…ガイド板部
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10