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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182111
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】ブース装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/04 20060101AFI20221201BHJP
   A47B 97/00 20060101ALI20221201BHJP
   A47B 17/04 20060101ALI20221201BHJP
   A47B 5/02 20060101ALI20221201BHJP
   A47B 13/10 20060101ALI20221201BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
A47B96/04 B
A47B97/00 M
A47B17/04
A47B5/02
A47B13/10
E04B2/74 561H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089453
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】貴志 康治
(72)【発明者】
【氏名】國重 優太
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 有花子
(72)【発明者】
【氏名】高村 恵花
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 駿汰
(72)【発明者】
【氏名】松宮 一樹
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NA01
3B053NA04
(57)【要約】
【課題】ブース装置1において、ウェブ会議の相手側では、ユーザーの背後にオフィス等の内部が映し出されて丸見えになる問題を解消できるようにする。
【解決手段】本発明のブース装置1は、奥側と左右両側を囲う平面視コ字状に立設される3枚のパネル体2~4を備える。左パネル体3の前端部には、右パネル体4に向けて延びる端パネル体5を連結する。右パネル体4の前端部と端パネル体5との間は出入口Eである。奥パネル体2と端パネル体5とは、平面視で互いに平行状に配置されていて、全体としては平面視で矩形状に構成される。奥パネル体2と左パネル体3と端パネル体5とで囲われた領域に天板8を配置する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
奥側と左右両側を囲う平面視コ字状に立設される3枚のパネル体を備えており、前記左右一方のパネル体の前端部には、前記左右他方のパネル体に向けて延びる端パネル体が連結されており、前記左右他方のパネル体の前端部と前記端パネル体との間が出入口になっているブース装置において、
前記奥パネル体と前記端パネル体とは、平面視で互いに平行状に配置されていて、全体としては平面視で矩形状に構成されており、前記奥パネル体と前記左右一方のパネル体と前記端パネル体とで囲われた領域に、天板が配置されている、
ブース装置。
【請求項2】
前記天板は、前記出入口側から見た正面視で、前記端パネル体の横幅内にほぼ収まっている、
請求項1に記載したブース装置。
【請求項3】
前記天板のうち前記左右他方のパネル体に対峙する縁部は、平面視で中央側に近付くに連れて前記天板の横幅が長くなるように形成されている、
請求項1に記載したブース装置。
【請求項4】
前記左右一方のパネル体と前記天板との間に配線隙間が形成されている、
請求項1~3のうちいずれかに記載したブース装置。
【請求項5】
前記天板のうち前記左右一方のパネル体に対峙する縁部には、前記配線隙間に連通して前記配線隙間を広げる切り欠きが形成されている、
請求項4に記載したブース装置。
【請求項6】
前記端パネル体の横幅寸法は、前記出入口の横幅寸法よりも短く設定されている、
請求項1に記載したブース装置。
【請求項7】
前記左右両パネル体の前部上端側には、カーテンを吊るすカーテンレールが架け渡されている、
請求項1に記載したブース装置。
【請求項8】
前記カーテンレールの左右両端部は、それぞれ係止金具を介して、対応する前記左右のパネル体に連結されており、前記各係止金具の下向き開口状のフック部が前記左右のパネル体の上端側に設けられた凹溝に上方から嵌め込み係合されている、
請求項7に記載したブース装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブース装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等の通信環境の発達等に伴い、当該通信環境を利用したウェブ会議が広く行われている。ウェブ会議は、パーソナルコンピュータ等の情報処理機器といった設備があれば、遠方の相手と会議を行えるため、少人数で利用されることも多い。例えばオフィスにおいては、複数枚のパネル体を立設して個人の作業空間を形成したブース装置を配置し、当該ブース装置内でウェブ会議をすることが増えている(例えば特許文献1等参照)。この種のブース装置を利用すれば、ウェブ会議に際しても、周囲からの視線や音をある程度遮ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3009775号公報
【特許文献2】特開2003-74138号公報
【特許文献3】特開2018-84032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、天板上に情報処理機器を載置して天板に向いてウェブ会議をするユーザーの背後がブース装置の出入口になるため、オフィス内にいる他者から背中越しに情報処理機器を覗かれるおそれがあった。また、ウェブ会議の相手側には、ユーザーの背後にオフィス内が映し出されて丸見えになるため、セキュリティの観点からも問題であった。
【0005】
この点、特許文献2及び3のような正六角筒状のブース装置を採用すると、特許文献1のものよりも天板が出入口から隠れる形になり、上記の問題を抑制することが可能ではある。しかし、ブース装置の形状が正六角筒状であるため、パネル体の部品点数も多くなるし、オフィス内でデッドスペースが生じやすいという点で改良の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような現状を検討して改善を施したブース装置を提供することを技術的課題としている。
【0007】
本発明は、奥側と左右両側を囲う平面視コ字状に立設される3枚のパネル体を備えており、前記左右一方のパネル体の前端部には、前記左右他方のパネル体に向けて延びる端パネル体が連結されており、前記左右他方のパネル体の前端部と前記端パネル体との間が出入口になっているブース装置において、前記奥パネル体と前記端パネル体とは、平面視で互いに平行状に配置されていて、全体としては平面視で矩形状に構成されており、前記奥パネル体と前記左右一方のパネル体と前記端パネル体とで囲われた領域に、天板が配置されているというものである。
【0008】
本発明のブース装置において、前記天板は、前記出入口側から見た正面視で、前記端パネル体の横幅内にほぼ収まっていてもよい。
【0009】
本発明のブース装置において、前記天板のうち前記左右他方のパネル体に対峙する縁部は、平面視で中央側に近付くに連れて前記天板の横幅が長くなるように形成されていてもよい。
【0010】
本発明のブース装置において、前記左右一方のパネル体と前記天板との間に配線隙間が形成されていてもよい。
【0011】
本発明のブース装置において、前記天板のうち前記左右一方のパネル体に対峙する縁部には、前記配線隙間に連通して前記配線隙間を広げる切り欠きが形成されていてもよい。
【0012】
本発明のブース装置において、前記端パネル体の横幅寸法は、前記出入口の横幅寸法よりも短く設定されていてもよい。
【0013】
本発明のブース装置において、前記左右両パネル体の前部上端側には、カーテンを吊るすカーテンレールが架け渡されていてもよい。
【0014】
本発明のブース装置において、前記カーテンレールの左右両端部は、それぞれ係止金具を介して、対応する前記左右のパネル体に連結されており、前記各係止金具の下向き開口状のフック部が前記左右のパネル体の上端側に設けられた凹溝に上方から嵌め込み係合されているようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のブース装置によると、計4枚のパネル体からなる簡単な構造でありながら、ブース装置内でウェブ会議をした場合に、他者から背中越しに覗かれるのを防止できる。ウェブ会議の相手側に映し出されるユーザーの背後がパネル体になり、こちらの室内の様子が相手側に映り込むことがない。このため、セキュリティの確保が簡単である。奥パネル体と端パネル体とは平面視で互いに平行状に配置されていて、全体としては平面視で矩形状に構成されるから、部品点数を抑制した上で、ブース装置が設置されるオフィス等の空間内の有効利用を図れる。
【0016】
本発明のブース装置において、出入口側から見た正面視で、天板が端パネル体の横幅内にほぼ収まるようにすれば、天板上に載置されるもの(例えば情報処理機器等)に対して、出入口側からの他者の視線を遮蔽しやすく、この点でもセキュリティ上有効である。また、天板下の配線や天板を支持するブラケット等も端パネル体の存在によって目隠しでき、体裁がよい。
【0017】
本発明のブース装置において、天板のうち左右他方のパネル体に対峙する縁部を、平面視で中央側に近付くに連れて天板の横幅が長くなるように形成すれば、天板全体では横幅を広げないようにしてコンパクト化しながら、天板上の作業面積を十分に広く確保でき、使い勝手がよくなる。天板の意匠性も確保できる。
【0018】
本発明のブース装置において、左右一方のパネル体と天板との間に配線隙間を形成すれば、天板上の情報処理機器から延びる配線コードを配線隙間から下に落として乱雑さを見えなくでき、天板上をすっきりできる。天板上での作業性の向上に貢献する。
【0019】
本発明のブース装置において、天板のうち左右一方のパネル体に対峙する縁部に、配線隙間に連通して配線隙間を広げる切り欠きを形成すれば、配線コードの端子等を配線隙間にスムーズに挿通させることができ、配線作業を手軽に行える。
【0020】
本発明のブース装置において、端パネル体の横幅寸法を、出入口の横幅寸法よりも短く設定すれば、ブース装置内へのアクセス性が向上する。
【0021】
本発明のブース装置において、左右両パネル体の前部上端側に、カーテンを吊るすカーテンレールを架け渡すようにすれば、カーテンで出入口を閉じることによって、他者から干渉されにくい適度な閉鎖性(クローズ性)をブース装置に持たせることを簡単に設定できる。
【0022】
本発明のブース装置において、カーテンレールの左右両端部は、それぞれ係止金具を介して、対応する左右のパネル体に連結されており、各係止金具の下向き開口状のフック部が左右のパネル体の上端側に設けられた凹溝に上方から嵌め込み係合されるようにすれば、ブース装置に対してカーテンレールを安定的に取り付けできる。着脱(後付け等)も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態におけるブース装置の外観斜視図である。
図2】ブース装置の外観正面図である。
図3】ブース装置の外観平面図である。
図4】コーナー支柱に対するブラケットの連結構造を示す拡大斜視図である。
図5】コーナー支柱に対するブラケットの連結構造を示す拡大正面図である。
図6】ブラケットの斜視図である。
図7】第2実施形態におけるブース装置の外観平面図である。
図8】第3実施形態におけるブース装置の外観斜視図である。
図9】カーテンレールの分離正面図である。
図10】カーテンレール左側の分離斜視図である。
図11】カーテンレール左側の断面図である。
図12】カーテンレール右側の分離斜視図である。
図13】カーテンレール右側の断面図である。
図14】カーテンレールと左パネル体との連結構造を示す拡大平面図である。
図15】カーテンレールと右パネル体との連結構造を示す拡大平面図である。
図16】第4実施形態におけるカーテンレール右側の分離斜視図である。
図17】左右の係止金具を並べた状態の正面図である。
図18】カーテンレールと右パネル体との連結構造を示す拡大平面図である。
図19】第5実施形態におけるブース装置の外観斜視図である。
図20】ブース装置の外観平面図である。
図21】第6実施形態におけるブース装置を連増しした状態の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、方向等を特定するために「前後」「左右」の文言を使用している。この場合、ブース装置の出入口側を前(または手前)とし、これを基準にして後ろ(または奥)及び左右を定義している。
【0025】
図1図3に示すように、第1実施形態のブース装置1は、奥側と左右両側を囲う平面視コ字状に立設される3枚のパネル体2,3,4を備えている。左右一方のパネル体3の前端部には、左右他方のパネル体4に向けて延びる端パネル体5が連結されている。左右他方のパネル体4の前端部と端パネル体5との間が出入口Eになっている。
【0026】
第1実施形態では、左パネル体3の前端部に端パネル体5が連結されている。右パネル体4の前端部と端パネル体5との間がブース装置1の出入口Eになっている。右パネル体4の前端部に端パネル体5が連結され、左パネル体3の前端部と端パネル体5との間が出入口Eになってもよいことは言うまでもない。奥パネル体2及び左右両パネル体3,4は同サイズのものである。
【0027】
隣り合うパネル体2,3(2,4または3,5)同士は、縦長のコーナー支柱6を介して平面視L字状に並ぶように連結されている。奥パネル体2と端パネル体5とは、平面視で互いに平行状に配置されている。ブース装置1全体としては平面視で矩形状に構成されている。このため、パネル体2~5の使用枚数を制限して部品点数を抑制した上で、ブース装置1が設置されるオフィス等の空間内の有効利用を図れる。
【0028】
図2及び図3に示すように、端パネル体5の横幅寸法W5は、出入口Eの横幅寸法WEよりも短く設定されている。このため、ブース装置1内へのアクセス性がよい。なお、出入口Eの横幅寸法WEを十分に確保できれば、端パネル体5の横幅寸法W5が出入口Eの横幅寸法WEと同じかまたはそれより長くなっても差し支えない。
【0029】
奥パネル体2と左右一方のパネル体3と端パネル体5とで囲われた領域には、天板8が配置されている。第1実施形態では、奥パネル体2と左パネル体3と端パネル体5とで囲われた領域に天板8がある。右パネル体4の前端部に端パネル体5を連結した場合は、奥パネル体2と右パネル体4と端パネル体5とで囲われた領域に天板8を配置すればよい。
【0030】
上記の構成によると、計4枚のパネル体2~5からなる簡単な構造でありながら、ブース装置1内でウェブ会議をした場合に、周囲にいる他者から背中越しに覗かれるのを防止できる。ウェブ会議の相手側に映し出されるユーザーの背後が右パネル体4(または左パネル体3)になり、こちらの室内の様子が相手側に映り込むことがない。このため、セキュリティの確保が簡単である。
【0031】
なお、各パネル体2~5の詳細やコーナー支柱との連結構造は本発明と直接的に関係しないので詳述しないが、必要であれば特開2020-41338号公報並びに特開2020-101223号公報等を参照されたい。
【0032】
第1実施形態の天板8は、前後一対のブラケット9,9を介して、左側2本のコーナー支柱6,6に連結支持されている(図3図6参照)。各ブラケット9のコーナー支柱6に対する連結構造は前後で共通である。図4及び図5では、左奥側(奥パネル体2と左パネル体3との間)のコーナー支柱6に対するブラケット9の連結構造を例にとって図示している。
【0033】
この場合、天板8は、前後一対のブラケット9,9を介して、左側2本のコーナー支柱6,6に上下高さ調節可能に取り付けられている。天板8の上下高さは、段階的に調節可能である。各コーナー支柱6の内向きコーナー部には、上下適宜ピッチで係合穴7の群が多数形成されている(図4及び図5参照)。各ブラケット9の基端側には、上下一対の鉤状係止爪10,10が形成されている。
【0034】
各鉤状係止爪10をこれに対応するコーナー支柱6の係合穴7に引っ掛けて係合させてから、前後両ブラケット9,9の先端平板部11,11上に天板8を載せ、これら両先端平板部11,11に天板8を下からねじ止めする。その結果、奥パネル体2と左パネル体3と端パネル体5とで囲われた領域に、天板8が取り付けられる。
【0035】
なお、天板8の下面奥側には、商用電源等のコンセント12が取り付けられている。コンセント12の取付位置は、天板8の下面側であれば特に限定されない。
【0036】
図2及び図3に示すように、天板8は、出入口E側から見た正面視で、端パネル体5の横幅W5内にほぼ収まっている。第1実施形態の天板8は、中央側が正面視で端パネル体5から若干はみ出しているが、この程度は、本明細書において「正面視で端パネル体5の横幅W5内にほぼ収まっている」範囲内に含ませている。図7に示す第2実施形態のように、天板8のうち右パネル体4に対峙する右縁部14を直線状に形成して、正面視で端パネル体5の横幅W5内にきっちりと収めるようにしてもよい。
【0037】
上記の構成によると、天板8上に載置されるもの(例えば情報処理機器等)に対して、出入口E側からの他者の視線を遮蔽しやすく、セキュリティ上有効に機能する。また、天板8下の配線や天板8を支持するブラケット9等も、端パネル体5の存在によって目隠しでき、体裁がよい。
【0038】
図3に示すように、天板8のうち右パネル体4に対峙する右縁部14は、平面視で中央側に近付くに連れて天板8の横幅W8が長くなるように湾曲形成されている。換言すると、天板8の中央側よりも前後端側が左パネル体3寄りに位置して短くなっていて、天板8の右縁部14がゆるくアールがかかった形状に形成されている。天板8が右パネル体4側に位置する場合、縁部が左パネル体3に対峙することになるのは言うまでもない。要は、本明細書においてブース装置1の左右は逆転してもよい。
【0039】
上記のように構成すると、天板8全体では横幅W8を広げないようにしてコンパクト化しながら、天板8上の作業面積を十分に広く確保でき、使い勝手がよくなる。天板8の意匠性も確保できる。なお、天板8のうち左右他方のパネル体4(または3)に対峙する縁部14(または13)は、平面視で中央側に近付くに連れて天板8の横幅W8が長くなるように形成されていればよく、天板8の縁部14(または13)がゆるくアールがかかった形状である必要はない。つまり、天板8上の作業面積を十分に広く確保できる形状であればよく、例えば平面視台形状であったり、多角形弧形状であったりしてもよい。
【0040】
図3及び図7に示すように、左右一方のパネル体3と天板8との間に、配線隙間15が形成されている。第1及び第2実施形態の配線隙間15は、左パネル体3と天板8との間に位置している。左パネル体3に対して適宜間隔を空けて天板8を配置することによって、左パネル体3と天板8との間にできた隙間を配線隙間15として利用している。
【0041】
上記のように構成すると、天板8上の情報処理機器から延びる配線コードを配線隙間15から下に落として乱雑さを見えなくでき、天板8上をすっきりできる。天板8上での作業性の向上に貢献する。
【0042】
図3及び図7に示すように、天板8のうち左パネル体3に対峙する左縁部13には、配線隙間15に連通して配線隙間15を広げる切り欠き16が形成されている。第1実施形態の切り欠きは、天板8の左縁部13の手前側に位置しているが、これに限定されるものではなく、左縁部13のどの位置に形成されてもよい。
【0043】
上記のように構成すると、配線コードの端子等を配線隙間15にスムーズに挿通させることができ、配線作業を手軽に行える。
【0044】
図8図15には、左右両パネル体3,4の前部上端側に、カーテン(図示省略)を吊るすカーテンレール20を架け渡したブース装置1の第3実施形態を示している。第3実施形態のカーテンレール20は出入口Eの上端部に位置していて、左パネル体3の前部上端側から右パネル体4の前部上端側にまで延びている。このため、カーテンレール20の一部は、端パネル体5の上端部に重なって延びている。
【0045】
図9図10及び図12に示すように、第3実施形態のカーテンレール20は、左パネル体3から右パネル体4にまで延びる下向き開口樋状の取付ブラケット21と、取付ブラケット内21に装着されるランナー走行用のレール本体22と、取付ブラケット21内のうちレール本体22の存在しない端パネル体5と重なる箇所に装着される閉塞体23と、取付ブラケット21の左右両端部をそれぞれ対応するパネル体3,4に連結する左右一対の係止金具24,24とを備えている。なお、図示は省略するが、取付ブラケットの外面側には、質感統一及び美観向上のための張地が貼着されている。いずれの実施形態においても、各パネル体2~5やコーナー支柱6の外面側に張地が貼着されていることは言うまでもない。
【0046】
レール本体22は、内部をランナーが走行可能なように、下向き開口断面C字状に形成されている。レール本体22は、取付ブラケット21内部の複数箇所でねじ止めされている。レール本体22の長さは、出入口Eの横幅WEとほぼ同じかまたは若干長い程度の長さに設定されている。このため、取付ブラケット21内のうち端パネル体5と重なる箇所には、レール本体22が存在しないことになる。そこで、当該箇所には、取付ブラケット21の凹部を埋める閉塞体23が装着されている。
【0047】
閉塞体23は、弾性変形可能な合成樹脂製で上向き開口断面C字状のものである。閉塞体23は、取付ブラケット21内のうちレール本体22の存在しない端パネル体5と重なる箇所に強制嵌合によって嵌め込まれている。
【0048】
左右の係止金具24,24は、金属製で断面逆U字状に形成されている。各係止金具24には、下向き開口のフック部25から左右外向きに、ブラケット用フランジ26とパネル用フランジ27とが張り出して形成されている。各係止金具24のブラケット用フランジ26は、取付ブラケット21の長手方向端部内に差し込まれてねじ止めされている。図12に示すように、右係止金具24のブラケット用フランジ26は、レール本体22の右端部と一緒に、取付ブラケット21に共締めされている。
【0049】
各係止金具24のパネル用フランジ27は、対応するパネル体3,4の前部上端側に上方からねじ止めされている。この場合、図14及び図15に示すように、左右のパネル体3,4の上端部には凹溝31,41が形成されていて、当該凹溝31,41に笠木カバー32,42が嵌め込まれている。端パネル体5の上端部にも同様に、凹溝51が形成されていて、当該凹溝51に笠木カバー52が嵌め込まれている。
【0050】
左右のパネル体3,4の凹溝31,41のうち内部寄りの上端縁部33,43に、各係止金具24のフック部25を上方から嵌め込み係合し、左右のパネル体3,4とコーナー支柱6等とを連結する連結プレート29と一緒に、各係止金具24のパネル用フランジ27を上方からねじ止めすることによって、左右両パネル体3,4の前部上端側にカーテンレール20が取り付けられる。
【0051】
図15に示すように、右係止金具24のパネル用フランジ27と、左係止金具24のパネル用フランジ27とは、互いに位相をずらした状態で形成されている。これは、図21の第6実施形態に示すように、ブース装置1を複数個連増しして設けた場合において、各ブース装置1にカーテンレール20を取り付けた際に、隣り合う係止金具24,24同士が互いに干渉せずに装着可能にするためである。
【0052】
上記のように、左右両パネル体3,4の前部上端側にカーテンレール20を架け渡す構成を採用すれば、カーテンで出入口Eを閉じることによって、他者から干渉されにくい適度な閉鎖性(クローズ性)をブース装置1に持たせることを簡単に設定できる。また、各係止金具24の下向き開口状のフック部25を左右のパネル体3,4の上端側に設けられた凹溝31,41に上方から嵌め込み係合されるようにすれば、ブース装置1に対してカーテンレール20を安定的に取り付けできる。着脱(後付け等)も容易なのである。
【0053】
図16図18は、カーテンレール20の別例を示したブース装置1の第4実施形態である。第4実施形態のカーテンレール20では、レール本体22の長手方向両端側(左右両端側)に、ランナーのレール本体からの脱落を防止するキャップ体28が着脱可能に嵌め込まれている。図16には、カーテンレール20右側に位置するキャップ体28を図示しており、カーテンレール20左側のキャップ体28の図示は省略している。
【0054】
第4実施形態のカーテンレール20においては、第3実施形態の場合と異なり、左右の係止金具24,24が互いに対称形状に形成されている。このため、図18に詳細に示すように、ブース装置1を複数個連増しして設ける場合において、各ブース装置1にカーテンレール20を取り付ける際に、隣り合う係止金具24,24のパネル用フランジ27,27同士が上下に重なり合い、この状態で上方から右パネル体4の凹溝41内にねじ止めされる。
【0055】
隣り合う係止金具24,24のパネル用フランジ27,27同士がスムーズに上下に重なり合うように、左右両係止金具24のフック部25の高さ位置を一致させた状態で、左右一方の係止金具24のうちパネル用フランジ27に連なる垂下片部25aの長さは、左右他方の係止金具24のうちパネル用フランジ27に連なる垂下片部25aの長さよりもパネル用フランジ27の厚み分だけ長くなっている(図17参照)。
【0056】
なお、単独のブース装置1にカーテンレールを装着する(連増ししない)場合は、左右他方の係止金具24(図18の第4実施形態では右パネル体4に取り付く右係止金具24)の下面側に、ワッシャー(図示省略)を介在させることになる。
【0057】
このように構成すると、ブース装置1を複数個連増しして設ける場合において、各ブース装置1にカーテンレール20を取り付ける際に、隣り合う係止金具24,24同士を、対応する左右のパネル体3,4にまとめて一遍にねじ止めでき、取付作業の手間を少なくできる。また同様に、取外し作業の手間も減らせる。
【0058】
ちなみに、第3及び第4実施形態のいずれの場合も、各係止金具24のパネル用フランジ27と左右のパネル体3,4の凹溝31,41内底面との間には、例えば筒状のスペーサー(カラー)を介在させて、各パネル用フランジ27を凹溝31,41内底面にねじ止めすれば、ねじの緩み止め作用が発揮されて好ましい。
【0059】
また、ブース装置1の左右を逆転させた(右パネル体4の前端部に端パネル体5を連結した)場合、第3及び第4実施形態のカーテンレール20も、左右をひっくり返して装着したり、取付ブラケット21内のレール本体22と閉塞体23とを左右入れ替えたりすれば足りる。
【0060】
第3及び第4実施形態において、カーテンレール20に吊るされるカーテンは左右どちら側からも開け閉めすることが可能になっている。もちろん、カーテンにおける左右いずれか一方の最も端の部位(例えば最も端のランナー)を取付ブラケット21やレール本体22に固定して、片開き式のカーテンにしてもよい。
【0061】
さらに、詳細な図示は省略するが、第3及び第4実施形態のカーテンレール20において、レール本体22内の適宜箇所には、磁石式のカーテンストッパーが取り付けられている。カーテンストッパーの存在によって、カーテンが生地等の反発で所望の位置から外れて閉じたり開いたりするのを防止している。
【0062】
なお、本発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。例えば、図19及び図20の第5実施形態に示すように、奥パネル体2の横幅を左右両パネル体3,4の横幅より長く設定してもよい。逆に、左右両パネル体3,4の横幅を奥パネル体2の横幅より長く設定することも可能である。また、図21の第6実施形態に示すように、ブース装置1を複数個連増しして設けても差し支えない。
【符号の説明】
【0063】
1 ブース装置
2 奥パネル体
3 左パネル体
4 右パネル体
5 端パネル体
6 コーナー支柱
7 係合穴
8 天板
9 ブラケット
10 鉤状係止爪
11 先端平板部
12 コンセント
13 左縁部
14 右縁部
15 配線隙間
16 切り欠き
20 カーテンレール
21 取付ブラケット
22 レール本体
23 閉塞体
24 係止金具
25 フック部
26 ブラケット用フランジ
27 パネル用フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
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図19
図20
図21