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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182136
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】タイヤの接地形状の予測方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B60C19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089498
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】今村 明夫
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB01
3D131BB03
3D131BB19
3D131LA34
(57)【要約】
【課題】 トレッド部の溝を含めたタイヤの接地形状を予測することが可能な方法を提供する。
【解決手段】 トレッド部に、溝と陸部とを含むトレッドパターンが形成されたタイヤの接地形状を予測するための方法である。この方法は、コンピュータに、タイヤを有限個の要素で離散化したタイヤモデルを入力する第1工程S1であって、陸部を複数の第1要素で離散化し、かつ、溝が形成する溝空間を複数の第2要素で離散化することで、トレッドパターンの少なくとも一部をプレーンパターン部としてモデリングする工程を含む。この方法は、タイヤモデルの各要素に物性を定義する第2工程S2であって、第2要素に、第1要素よりもヤング率が小さい物性を定義する工程を含む。この方法は、コンピュータが、プレーンパターン部を予め定められた条件で路面モデルに接地させる第4工程S4と、プレーンパターン部の接地形状を計算する第5工程S5とを含む。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部に、溝と陸部とを含むトレッドパターンが形成されたタイヤの接地形状を予測するための方法であって、
コンピュータに、前記タイヤを有限個の要素で離散化したタイヤモデルを入力する第1工程であって、前記陸部を複数の第1要素で離散化し、かつ、前記溝が形成する溝空間を複数の第2要素で離散化することで、前記トレッドパターンの少なくとも一部をプレーンパターン部としてモデリングする工程を含む前記第1工程と、
前記タイヤモデルの各要素に物性を定義する第2工程であって、前記第2要素に、前記第1要素よりもヤング率が小さい物性を定義する工程を含む前記第2工程と、
前記コンピュータに、路面を有限個の要素で離散化した路面モデルを入力する第3工程と、
前記コンピュータが、前記タイヤモデルの前記プレーンパターン部を予め定められた条件で前記路面モデルに接地させる第4工程と、
前記コンピュータが、前記タイヤモデルの前記プレーンパターン部の接地形状を計算する第5工程とを含む、
タイヤの接地形状の予測方法。
【請求項2】
前記第5工程は、前記タイヤモデルの前記プレーンパターン部の各要素が受ける接触圧力を計算する工程と、
前記接触圧力が予め定められた閾値以上となる要素を、前記路面モデルに接地すると判断する工程とを含む、請求項1に記載のタイヤの接地形状の予測方法。
【請求項3】
前記第5工程は、前記路面モデルの各要素が受ける接触圧力を計算する工程と、
前記接触圧力が予め定められた閾値以上となる要素を、前記路面モデルに接地すると判断する工程とを含む、請求項1に記載のタイヤの接地形状の予測方法。
【請求項4】
前記第5工程は、前記タイヤモデルの前記プレーンパターン部のうち、前記路面モデルに接触している部分の輪郭を、前記タイヤの接地形状の輪郭として特定する工程を含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤの接地形状の予測方法。
【請求項5】
前記第5工程は、前記路面モデルの表面から、その法線方向に予め定められた距離を隔てた面で、前記タイヤモデルの前記プレーンパターン部をカットした輪郭を、前記タイヤの接地形状の輪郭として特定する工程を含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤの接地形状の予測方法。
【請求項6】
前記第2工程は、前記第2要素のヤング率を、前記第1要素のヤング率の1/100以下に定義する工程を含む、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタイヤの接地形状の予測方法。
【請求項7】
前記第2工程は、前記第2要素のポアソン比を0.0~0.1の範囲内で定義する工程を含む、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のタイヤの接地形状の予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの接地形状の予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、タイヤの性能を、コンピュータを用いて予測するための方法が記載されている。この方法には、タイヤを数値解析法により取り扱い可能な要素でモデル化したタイヤモデルを設定するステップと、予め定めた条件に基づいてタイヤモデルに遠心力荷重を負荷するステップと、遠心力荷重が作用したタイヤモデルの接地面形状を計算するステップとが含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-075296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、タイヤモデルの接地面形状を詳細に解析するために、トレッド部の陸部だけでなく、溝も含めた接地面形状を予測したいというニーズがある。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、トレッド部の溝を含めたタイヤの接地形状を予測することが可能な方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トレッド部に、溝と陸部とを含むトレッドパターンが形成されたタイヤの接地形状を予測するための方法であって、コンピュータに、前記タイヤを有限個の要素で離散化したタイヤモデルを入力する第1工程であって、前記陸部を複数の第1要素で離散化し、かつ、前記溝が形成する溝空間を複数の第2要素で離散化することで、前記トレッドパターンの少なくとも一部をプレーンパターン部としてモデリングする工程を含む前記第1工程と、前記タイヤモデルの各要素に物性を定義する第2工程であって、前記第2要素に、前記第1要素よりもヤング率が小さい物性を定義する工程を含む前記第2工程と、前記コンピュータに、路面を有限個の要素で離散化した路面モデルを入力する第3工程と、前記コンピュータが、前記タイヤモデルの前記プレーンパターン部を予め定められた条件で前記路面モデルに接地させる第4工程と、前記コンピュータが、前記タイヤモデルの前記プレーンパターン部の接地形状を計算する第5工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る前記タイヤの接地形状の予測方法において、前記第5工程は、前記タイヤモデルの前記プレーンパターン部の各要素が受ける接触圧力を計算する工程と、前記接触圧力が予め定められた閾値以上となる要素を、前記路面モデルに接地すると判断する工程とを含んでもよい。
【0008】
本発明に係る前記タイヤの接地形状の予測方法において、前記第5工程は、前記路面モデルの各要素が受ける接触圧力を計算する工程と、前記接触圧力が予め定められた閾値以上となる要素を、前記路面モデルに接地すると判断する工程とを含んでもよい。
【0009】
本発明に係る前記タイヤの接地形状の予測方法において、前記第5工程は、前記タイヤモデルの前記プレーンパターン部のうち、前記路面モデルに接触している部分の輪郭を、前記タイヤの接地形状の輪郭として特定する工程を含んでもよい。
【0010】
本発明に係る前記タイヤの接地形状の予測方法において、前記第5工程は、前記路面モデルの表面から、その法線方向に予め定められた距離を隔てた面で、前記タイヤモデルの前記プレーンパターン部をカットした輪郭を、前記タイヤの接地形状の輪郭として特定する工程を含んでもよい。
【0011】
本発明に係る前記タイヤの接地形状の予測方法において、前記第2工程は、前記第2要素のヤング率を、前記第1要素のヤング率の1/100以下に定義する工程を含んでもよい。
【0012】
本発明に係る前記タイヤの接地形状の予測方法において、前記第2工程は、前記第2要素のポアソン比を0.0~0.1の範囲内で定義する工程を含んでもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のタイヤの接地形状の予測方法は、上記の工程を採用することにより、トレッド部の溝を含めたタイヤの接地形状を予測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態のタイヤの接地形状の予測方法を実行するためのコンピュータ1を示す斜視図である。
図2】本実施形態の評価対象のタイヤの断面図である。
図3図2のトレッド展開図である。
図4】本実施形態のタイヤの接地形状の予測方法の処理手順を示すフローチャートである。
図5】タイヤモデル及び路面モデルを概念的に示す斜視図である。
図6】タイヤモデルの断面図である。
図7】プレーンパターン部の展開図である。
図8】第5工程の処理手順を示すフローチャートである。
図9】プレーンパターン部の接触圧力の分布図である。
図10】本発明の他の実施形態の第5工程の処理手順を示すフローチャートである。
図11】本発明のさらに他の実施形態のタイヤの接地形状の輪郭の特定を説明する概念図である。
図12】比較例の接触圧力の分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態が図面に基づき説明される。図面は、発明の内容の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれることが理解されなければならない。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本発明の内容理解のためのものであって、本発明は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
【0016】
本実施形態のタイヤの接地形状の予測方法(以下、単に「予測方法」ということがある。)では、トレッド部に、溝と陸部とを含むトレッドパターンが形成されたタイヤの接地形状が予測される。本実施形態の予測方法には、コンピュータが用いられる。
【0017】
[コンピュータ]
図1は、本実施形態のタイヤの接地形状の予測方法を実行するためのコンピュータ1を示す斜視図である。コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んで構成される。この本体1aには、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの記憶装置及びディスクドライブ装置1a1、1a2などが設けられる。なお、記憶装置には、本実施形態の予測方法を実行するための処理手順(プログラム)が予め記憶される。
【0018】
[タイヤ]
図2は、本実施形態の評価対象のタイヤ2の断面図である。図3は、図2のトレッド展開図である。タイヤ2としては、乗用車用の空気入りタイヤ(本例では、四輪駆動車に適したオールシーズン用タイヤ)が例示されるが、トラック・バスなどの重荷重用タイヤ、及び、エアレスタイヤ等、他のカテゴリーのタイヤであってもよい。また、タイヤ2は、実在するか否かについては問われない。
【0019】
タイヤ2には、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2aの内部に配されるベルト層7とが設けられている。
【0020】
カーカス6は、少なくとも1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aで構成される。一方、ベルト層7は、ベルトコード(図示省略)を、タイヤ周方向に対して例えば10~35度の角度で傾けて配列した内、外2枚のベルトプライ7A、7Bを含んで構成されている。これらのベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードが互いに交差する向きに重ね合わされている。
【0021】
トレッド部2aには、溝8と陸部9とを含むトレッドパターン10が形成されている。本実施形態の溝8は、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本(本例では、複数本)の周方向溝8Aが含まれる。これにより、トレッド部2aには、周方向溝8A、及び、トレッド接地端2tで区分された複数の陸部9が設けられている。図3に示されるように、各陸部9は、周方向溝8A、8A間を連通する横溝8Bによって、複数のブロック11に区分されている。ブロック11には、サイプ(図示省略)が設けられてもよい。本明細書において、サイプとは、幅が2.0mm以下の切れ込みであり、溝8は、サイプよりも大きな幅を有するものである。
【0022】
「正規リム」とは、タイヤ2が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" とする。
【0023】
「正規内圧」とは、タイヤ2が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧である。したがって、正規内圧は、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。なお、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
【0024】
「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ2毎に定めている荷重である。正規荷重は、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"である。
【0025】
本明細書において、タイヤ各部の寸法等は、特に断りがない場合、正規状態で測定された値として特定される。正規状態とは、タイヤ2が正規リム(図2に示したリム12)にリム組みされ、かつ、正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。
【0026】
[タイヤの接地形状の予測方法(第1実施形態)]
次に、タイヤの接地形状の予測方法が説明される。図4は、本実施形態のタイヤの接地形状の予測方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0027】
[タイヤモデルを入力(第1工程)]
本実施形態の予測方法では、先ず、コンピュータ1(図1に示す)に、タイヤ2(図2及び図3に示す)を有限個の要素で離散化したタイヤモデルが入力される(第1工程S1)。図5は、タイヤモデル15及び路面モデル16を概念的に示す斜視図である。図6は、タイヤモデル15の断面図である。図7は、プレーンパターン部24を示す部分展開図である。図5では、タイヤモデル15の要素が省略されている。
【0028】
本実施形態の第1工程S1では、図2及び図3に示したタイヤ2の設計情報(例えば、金型に関する情報)に基づいて、タイヤ2が数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素F(i)(i=1、2、…)で離散化されている。これにより、第1工程S1では、タイヤモデル15が設定(モデリング)される。
【0029】
数値解析法には、例えば、有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法が適宜採用されうる。本実施形態では、有限要素法が採用されている。要素F(i)には、例えば、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、又は、6面体ソリッド要素などが用いられうる。各要素F(i)は、複数個の節点18が設けられている。これらの各要素F(i)には、要素番号、節点18の番号、節点18の座標値などの数値データが定義される。
【0030】
本実施形態の第1工程S1では、陸部9(図2及び図3に示す)が、複数の第1要素21で離散化されている。さらに、第1工程S1では、溝8が形成する溝空間8s(図2に示す)が、複数の第2要素22で離散化される。これにより、第1工程S1では、トレッドパターン10の少なくとも一部(本例では、トレッドパターンの全て)が、プレーンパターン部24としてモデリングされる。本実施形態のプレーンパターン部24は、陸部9をモデリングした陸部モデル41と、溝空間8sをモデリングした溝空間モデル42とが含まれる。
【0031】
プレーンパターン部24は、溝8(図3に示す)が形成されてないスリック状のトレッドパターンを有するトレッド部(図示省略)をモデリングしたものである。なお、図3に示したトレッドパターン10にサイプ(図示省略)が設けられている場合には、サイプが形成するサイプ空間(図示省略)が、複数の第2要素22で離散化されてもよい。
【0032】
本実施形態の第1工程S1では、プレーンパターン部24以外のボディ部25が、複数の第3要素23で離散化されている。ボディ部25には、従来のタイヤモデルと同様に、カーカスプライ6A(図2に示す)をモデリングしたカーカスプライモデル26や、ベルトプライ7A、7B(図2に示す)をモデリングしたベルトプライモデル27A、27B等が含まれる。
【0033】
第1要素21、第2要素22及び第3要素23は、上述の要素F(i)を区別したものである。プレーンパターン部24を有するタイヤモデル15は、コンピュータ1に記憶される。
【0034】
[物性を定義(第2工程)]
次に、本実施形態の予測方法では、タイヤモデル15の各要素F(i)に物性が定義される(第2工程S2)。第2工程S2では、先ず、図6に示した第1要素21及び第3要素23に、離散化した対象(例えば、陸部9(トレッドゴム)や、カーカスプライ6A等)の物性がそれぞれ定義される。物性には、例えば、ヤング率、密度及び/又は減衰係数等が含まれる。
【0035】
次に、第2工程S2では、第2要素22に、第1要素21よりもヤング率が小さい物性が定義される。これにより、第2要素22は、後述の第4工程S4において、第1要素21よりも変形しやすくなる。第2要素22の物性は、適宜設定される。本実施形態の物性は、第1要素21の変形に影響がないほど柔らかく、かつ、計算が安定的に解ける範囲に設定されるのが望ましい。第2要素22の物性は、例えば、第1要素21の物性と比較して、ヤング率が十分に小さい値(例えば、第1要素21の1/1000)に設定される。タイヤモデル15の各要素F(i)の物性は、コンピュータ1に記憶される。
【0036】
[路面モデルを入力(第3工程)]
次に、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1(図1に示す)に、路面を有限個の要素G(i)で離散化した路面モデル16(図5に示す)が入力される(第3工程S3)。第3工程S3では、タイヤ2(図2に示す)が接地する路面に関する情報に基づいて、路面が、数値解析法(本実施形態では、有限要素法)により取り扱い可能な有限個の要素G(i)(i=1、2、…)を用いて離散化される。これにより、路面モデル16が設定される。
【0037】
要素G(i)は、変形不能に定義された剛平面要素として定義される。要素G(i)には、複数の節点28が設けられている。さらに、要素G(i)は、要素番号や、節点28の座標値等の数値データが定義される。
【0038】
本実施形態では、平滑な表面を有する路面モデル16が定義されているが、このような態様に限定されない。例えば、アスファルト路面のような微小凹凸、不規則な段差、窪み、うねり、又は、轍等の実走行路面に近似した凹凸などが設けられた路面モデル16(図示省略)が定義されてもよい。路面モデル16は、コンピュータ1に記憶される。
【0039】
[プレーンパターン部を路面モデルに接地(第4工程)]
次に、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1が、タイヤモデル15のプレーンパターン部24を、予め定められた条件で路面モデル16に接地させる(第4工程S4)。
【0040】
本実施形態の第4工程S4では、先ず、図6に示されるように、タイヤ2のリム12(図2に示す)がモデリングされたリムモデル29によって、タイヤモデル15のビード部15c、15cが拘束される。さらに、タイヤモデル15は、正規内圧に相当する等分布荷重wに基づいて変形計算される。これにより、内圧充填後のタイヤモデル15が計算される。
【0041】
次に、本実施形態の第4工程S4では、図5に示されるように、内圧充填後のタイヤモデル15と路面モデル16との接触が計算される。そして、予め定められた条件に基づいて、タイヤモデル15の変形が計算される。接地させるための条件には、例えば、正規荷重に相当する負荷荷重条件L、キャンバー角(図示省略)及び摩擦係数が含まれる。これにより、第4工程S4では、タイヤモデル15のプレーンパターン部24を、路面モデル16に接地させることができる。
【0042】
タイヤモデル15の変形計算は、図6及び図7に示した各要素F(i)(本例では、第1要素21~第3要素23を含む)の形状及び材料特性などをもとに、各要素F(i)の質量マトリックス、剛性マトリックス、及び、減衰マトリックスがそれぞれ作成される。さらに、これらの各マトリックスが組み合わされて、全体の系のマトリックスが作成される。そして、前記各種の条件を当てはめて運動方程式が作成され、これらが微小時間(単位時間T(x)(x=0、1、…))毎に計算される。これにより、タイヤモデル15の変形計算が行われる。
【0043】
このような変形計算は、例えば、Dassault Systems社製のAbaqus、LSTC社製のLS-DYNA、又は、MSC社製のNASTRANなどの市販の有限要素解析アプリケーションソフトを用いて計算できる。単位時間T(x)は、求められる計算精度に応じて、適宜設定されうる。
【0044】
本実施形態の第2要素22は、第1要素21よりもヤング率が小さい物性が定義されている。このため、第2要素22は、路面モデル16への接地による変形計算によって歪が生じても、応力が小さく計算されるため、第1要素21の変形を妨げない。これにより、第1要素21は、路面モデル16への接地による変形計算により、トレッドパターン10が形成されている場合(すなわち、第2要素22が存在しない場合)と同様の変形をなしうる。
【0045】
[プレーンパターン部の接地形状を計算(第5工程)]
次に、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1が、タイヤモデル15のプレーンパターン部24の接地形状を計算する(第5工程S5)。図8は、本実施形態の第5工程S5の処理手順を示すフローチャートである。
【0046】
[接触圧力の計算(第5工程)]
本実施形態の第5工程S5では、先ず、コンピュータ1が、タイヤモデル15のプレーンパターン部24の各要素F(i)が受ける接触圧力を計算する(工程S51)。図9は、プレーンパターン部24の接触圧力の分布図である。図9のトレッドパターンは、図3及び図7で簡略化されたトレッドパターンとは異なっている。また、図9では、色が濃くなるほど、接地圧が大きいことを示している。
【0047】
本実施形態の工程S51では、図6及び図7に示したプレーンパターン部24を構成する第1要素21及び第2要素22を構成する各節点18において、接触圧力がそれぞれ計算される。なお、工程S51では、例えば、任意の要素(第1要素21又は第2要素22)の接触圧力が、その要素を構成する複数の節点18で計算された接触圧力の平均値として特定されてもよい。接触圧力は、コンピュータ1に記憶される。
【0048】
[接地形状の輪郭を特定(第5工程)]
次に、本実施形態の第5工程S5では、コンピュータ1が、タイヤ2の接地形状の輪郭が特定される(工程S52)。本実施形態の工程S52では、先ず、図5に示されるように、タイヤモデル15のプレーンパターン部24のうち、路面モデル16に接触している部分31が特定される。接触している部分31は、プレーンパターン部24を構成する第1要素21及び第2要素22(図6及び図7に示す)のうち、路面モデル16から受ける接触圧力がゼロよりも大きい第1要素21及び第2要素22で特定される。
【0049】
次に、本実施形態の工程S52では、図5及び図9に示されるように、特定された路面モデル16に接触している部分31の輪郭32が、タイヤ2(図2に示す)の接地形状の輪郭(外側の輪郭)として特定される。輪郭32は、例えば、路面モデル16に接触している第1要素21及び第2要素22を構成する節点18(図7に示す)の座標値に基づいて特定されうる。輪郭32は、コンピュータ1に記憶される。
【0050】
本実施形態の予測方法では、陸部9(図2に示す)を離散化した第1要素21(陸部モデル41)と、溝空間8s(図2に示す)を離散化した第2要素22(溝空間モデル42)との双方を、路面モデル16に接触させることができる。これにより、トレッド部2aの溝8を含めたタイヤ2の接地形状を、容易に予測することが可能となる。一方、第2要素22を含まないタイヤモデルを用いた従来の方法では、第1要素21のみで特定される接地形状の輪郭(外側の輪郭)に基づいて、オペレータが、接地面内に存在する溝8の輪郭(外側の輪郭)38(図9に示す)を補完する必要があった。このため、路面モデル16に接触する第1要素21の位置(タイヤモデルの回転によって変化する接地形状の輪郭)や、オペレータの裁量によって、予測されたタイヤ2の接地形状にバラツキが生じていた。本実施形態の予測方法では、上述のような補完が不要となるため、溝8を含めたタイヤ2の接地形状を、容易かつ高い精度で予測することが可能となる。
【0051】
[接地判断(第5工程)]
次に、本実施形態の第5工程S5では、コンピュータ1が、接触圧力が予め定められた閾値以上となる要素F(i)を、路面モデル16に接地すると判断する(工程S53)。本実施形態の工程S53では、タイヤモデル15のプレーンパターン部24のうち、路面モデル16に接触している部分31において、図7に示した第1要素21と第2要素22とがそれぞれ識別される。
【0052】
閾値は、要素F(i)が路面モデル16に接地すると判断可能なものであれば、適宜設定されうる。上述したように、路面に接地する陸部9(図2に示す)を離散化した第1要素21には、陸部9(トレッドゴム)の物性が定義されている。このため、実際の陸部9と同様の接触圧力が計算されうる。一方、路面に接地しない溝空間8s(図2に示す)を離散化した第2要素22は、第1要素21よりもヤング率が小さい物性が定義されているため、第1要素21に比べて変形しやすい。このため、図9に示されるように、第2要素22では、第1要素21に比べて、路面モデル16との接触圧力が低く計算される。したがって、閾値には、路面モデル16に接触しているプレーンパターン部24の要素(第1要素21及び第2要素22)のうち、第2要素22の接触圧力の最大値よりも小さい値が設定されるのが望ましい。本実施形態の閾値は、例えば、50kPaに設定される。
【0053】
本実施形態の工程S53では、接触圧力が予め定められた閾値以上となる要素F(i)が特定されることにより、路面モデル16に接触しているプレーンパターン部24の要素F(i)から、第1要素21及び第2要素22を区別することができる。これにより、本実施形態の予測方法は、接触圧力の違いに着目することで、図9に示したプレーンパターン部24の接地形状33から、図2及び図3に示したトレッド部2aの溝8と陸部9(陸部モデル41及び溝空間モデル42)とを、容易に識別できる。路面モデル16に接地すると判断された要素F(i)(本例では、第1要素21)は、コンピュータ1に記憶される。
【0054】
第1要素21及び第2要素22を確実に区別するために、物性を定義する第2工程S2では、第2要素22のヤング率が、第1要素21のヤング率の1/100以下に定義されるのが望ましい。これにより、第1要素21の接触圧力に比べて、第2要素22の接触圧力を確実に低くすることができるため、第1要素21及び第2要素22を確実に区別することができる。一方、第2要素22のヤング率が小さすぎても、第2要素22の接触圧力が低くなりすぎて、第2要素22と路面モデル16との接触が判断できないおそれがある。したがって、第2要素22のヤング率は、第1要素21のヤング率の1/1000以上に定義されるのが望ましい。
【0055】
上記の作用を効果的に発揮させるために、第2工程S2では、第2要素の密度が、100kg/m3程度に設定されるのが望ましい。これにより、第2要素22の接触圧力を相対的に小さくすることができる。また、第2要素22の接触圧力が必要以上に低くなるのを防ぐために、第2要素の密度は、1.0kg/m3以上に設定されるのが望ましい。
【0056】
さらに、第2要素22が第1要素21の変形を妨げるのを防ぐために、第2工程S2では、第2要素22のポアソン比が、0.0~0.1の範囲内で定義されるのが望ましい。これにより、第2要素22は、第1要素21の変形に対する抵抗を小さくでき、第1要素21の変形に追従して変形することができる。
【0057】
[評価工程]
次に、本実施形態の予測方法では、タイヤ2(図2に示す)の予測された接地形状が、良好か否かが評価される(工程S6)。評価は、タイヤ2のカテゴリーや、タイヤ2に求められる性能(例えば、ウエット性能や、スノー性能など)等に基づいて、適宜実施されうる。
【0058】
工程S6において、接地形状が良好であると判断された場合(工程S6で「Yes」)、タイヤモデル15の設計因子に基づいて、タイヤ2(図2に示す)が製造される(工程S7)。一方、接地形状が良好でないと判断された場合(工程S6で「No」)、タイヤの設計因子が変更され(工程S8)、第1工程S1~工程S6が再度実施される。
【0059】
本実施形態の予測方法では、トレッド部2aの溝8(図2に示す)を含めたタイヤの接地形状を予測できるため、例えば、その接地形状において、ウエット性能やスノー性能等への影響が大きい溝8が配される割合(シー比など)を、容易かつ正確に予測できる。このため、タイヤの性能を適切に評価することができ、所望の性能を有するタイヤ2を、効率よくかつ確実に設計及び製造することが可能となる。なお、シー比は、トレッド部2aの全ての溝を埋めた状態でのトレッド接地面積の合計に対する、溝面積の合計の比である。
【0060】
[第5工程(第2実施形態)]
これまでの実施形態では、タイヤモデル15のプレーンパターン部24の各要素(本例では、第1要素21及び第2要素22)が受ける接触圧力が閾値以上となる要素F(i)が、路面モデル16に接地すると判断されたが、このような態様に限定されない。図10は、本発明の他の実施形態の第5工程S5の処理手順を示すフローチャートである。この実施形態において、これまでの実施形態と同一の構成については、同一の符号が付され、説明が省略されることがある。
【0061】
[接触圧力の計算(第5工程)]
この実施形態の第5工程S5では、図5に示した路面モデル16の各要素G(i)が受ける接触圧力が計算される(工程S54)。本実施形態の工程S54では、路面モデル16を構成する各要素G(i)の節点28において、接触圧力がそれぞれ計算される。なお、工程S54では、例えば、任意の要素の接触圧力が、その要素G(i)を構成する複数の節点28で計算された接触圧力の平均値として特定されてもよい。接触圧力は、コンピュータ1に記憶される。
【0062】
[接地形状の輪郭を特定(第5工程)]
次に、本実施形態の第5工程S5では、コンピュータ1が、タイヤ2の接地形状の輪郭が特定される(工程S55)。本実施形態の工程S55では、先ず、路面モデル16のうち、タイヤモデル15のプレーンパターン部24に接触している部分31が特定される。接触している部分31は、路面モデル16の各要素G(i)のうち、プレーンパターン部24から受ける接触圧力がゼロ以上の要素G(i)が特定される。
【0063】
次に、この実施形態の工程S55では、特定されたプレーンパターン部24に接触している部分34の輪郭35が、タイヤ2の接地形状の輪郭(外側の輪郭)として特定される。輪郭35は、例えば、プレーンパターン部24に接触している要素G(i)の座標値に基づいて特定されうる。輪郭35は、コンピュータ1に記憶される。
【0064】
この実施形態の予測方法では、これまでの実施形態と同様に、溝8を含めたタイヤ2(図2に示す)の接地形状を、容易かつ高い精度で予測することが可能となる。
【0065】
[接地判断(第5工程)]
次に、この実施形態の第5工程S5では、接触圧力が予め定められた閾値以上となる要素G(i)を、路面モデル16に接地すると判断する(工程S56)。本実施形態の工程S56では、路面モデル16のうち、タイヤモデル15のプレーンパターン部24に接触している部分34において、第1要素21(図6に示す)に接触する要素G(i)と、第2要素22(図6に示す)に接触する要素G(i)とが識別される。閾値は、これまでの実施形態と同様に設定されうる。
【0066】
この実施形態の工程S56では、接触圧力が閾値以上となる要素G(i)が特定されることにより、プレーンパターン部24に接触する路面モデル16において、第1要素21に接触する要素G(i)と、第2要素22に接触する要素G(i)とを区別できる。これにより、この実施形態の予測方法は、接触圧力の違いに着目することで、プレーンパターン部24の接地形状33(図9に示す)から、トレッド部2aの溝8と陸部9(陸部モデル41及び溝空間モデル42)とを、容易に識別できる。路面モデル16に接地すると判断された要素G(i)(本例では、第1要素21に接触する要素G(i))は、コンピュータ1に記憶される。
【0067】
[第5工程(第3実施形態)]
これまでの実施形態の第5工程S5では、タイヤモデル15のプレーンパターン部24のうち、路面モデル16に接触している部分の輪郭32が、タイヤの接地形状33の輪郭として特定されたが、このような態様に限定されない。図11は、本発明のさらに他の実施形態のタイヤの接地形状33の輪郭の特定を説明する概念図である。この実施形態において、これまでの実施形態と同一の構成については、同一の符号が付され、説明が省略されることがある。
【0068】
この実施形態の第5工程S5では、路面モデル16の表面16sから、その法線方向に予め定められた距離D1を隔てた面37で、タイヤモデル15のプレーンパターン部24をカットした輪郭(図示省略)が、タイヤ2の接地形状の輪郭として特定される。この実施形態の距離D1は、図2に示した陸部9(プレーンパターン部24の外面)の9oと、溝底8dとの間の最短距離(溝深さ)D2よりも小さい値に設定される。
【0069】
この実施形態では、路面上の水膜や雪路等の軟弱路面に、トレッド部2a(図2に示す)が食い込んだときの接地形状の輪郭が予測されうる。また、距離D1が任意の値に設定されることにより、タイヤ半径方向の任意の位置でのシー比を求めることができるため、例えば、ウエット性能やスノー性能等を、より詳細に評価することが可能となる。
【0070】
これまでの実施形態のタイヤモデル15は、タイヤ2のトレッドパターン10(図2及び図3に示す)の全てが、プレーンパターン部24としてモデリングされたが、このような態様に限定されない。タイヤモデル15は、例えば、タイヤ周方向において、路面モデル16に接触する領域のみが、プレーンパターン部24としてモデリングされてもよい。これにより、タイヤモデル15は、路面モデル16に接触しない部分に、第2要素22が設けられないため、例えば、負荷荷重条件Lに基づく変形等の計算精度を向上させることができる。
【0071】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【実施例0072】
図4に示した処理手順に基づいて、タイヤの接地形状が予測された(実施例)。実施例では、先ず、コンピュータに、タイヤを有限個の要素で離散化したタイヤモデルが入力された。実施例では、陸部を複数の第1要素で離散化し、かつ、溝が形成する溝空間を複数の第2要素で離散化することで、トレッドパターンの少なくとも一部をプレーンパターン部としてモデリングされた。
【0073】
第2要素には、第1要素よりもヤング率が小さい物性が定義された。そして、実施例では、プレーンパターン部を路面モデルに接地させて、プレーンパターン部の接地形状が計算された。
【0074】
比較のために、従来の方法と同様に、第2要素を有さないタイヤモデルが作成された(比較例)。そして、比較例のタイヤモデルのトレッドパターン部を路面モデルに接地させて、トレッドパターン部の接地形状が計算された。共通仕様は、次のとおりである。
タイヤサイズ:265/70R17
内圧:550kPa
荷重(負荷荷重条件L):5.69kN
第2要素:
ヤング率:第1要素のヤング率の1/1000
ポアソン比:0.001
密度:第1要素の密度の1/10
【0075】
図9は、実施例のプレーンパターン部の接触圧力の分布図である。図12は、比較例のトレッドパターンの接触圧力の分布図である。テストの結果、実施例では、陸部を離散化した第1要素と、溝空間を離散化した第2要素との双方を、路面モデルに接触させることができた。一方、比較例では、溝空間に第2要素を有しないため、第1要素のみが路面モデルに接触した。したがって、実施例は、トレッド部の溝を含めたタイヤの接地形状を予測することができた。
【0076】
実施例では、第2要素に、第1要素よりもヤング率が小さい物性が定義されているので、接地する第1要素の変形が妨げられなかった。これにより、実施例の第1要素では、比較例の第1要素と同様の変形が計算された。
【0077】
実施例の第2要素は、ヤング率が小さく変形しやすいことから、第1要素に比べて、路面モデルとの接触圧力が低く計算された。このため、各要素の接触圧力の違いに着目することで、プレーンパターン部の接地形状から、トレッド部の溝と陸部とを容易に識別することができた。
【符号の説明】
【0078】
S1 第1工程
S2 第2工程
S4 第4工程
S5 第5工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12