(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182139
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20221201BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20221201BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 680D
G09G3/20 680H
G09G3/20 641Q
G02F1/133 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089503
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】518078142
【氏名又は名称】上海天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100183955
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 悟郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100180334
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 洋美
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100174067
【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 成美
(72)【発明者】
【氏名】本多 朋美
(72)【発明者】
【氏名】池野 英徳
(72)【発明者】
【氏名】杉本 光弘
【テーマコード(参考)】
2H193
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZA04
2H193ZA37
2H193ZD12
2H193ZF13
2H193ZF43
2H193ZG03
2H193ZG14
2H193ZH29
2H193ZH35
2H193ZH52
2H193ZQ06
2H193ZQ11
2H193ZQ16
5C006AA11
5C006AA22
5C006AF46
5C006BF15
5C006BF38
5C006BF39
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5C006FA29
5C006FA54
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080CC07
5C080DD08
5C080DD20
5C080EE29
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ05
5C080JJ06
(57)【要約】
【課題】表示品位の悪化を抑制できる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置10は、カラー画像を表示する第1液晶表示パネル100と、モノクロ画像を表示する第2液晶表示パネル200と、第1液晶表示パネル100の表示と第2液晶表示パネル200の表示とを制御する表示制御部400と、を備える。第2液晶表示パネル200の応答時間は、第1液晶表示パネル100の応答時間よりも長く、表示制御部400は、第2液晶表示パネル200の表示を、モノクロ画像を表示するモノクロ表示と全白表示とに切り替える。第2液晶表示パネル200の表示がモノクロ表示である状態において、予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第1応答時間以上である場合、表示制御部400は第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー画像を表示する第1液晶表示パネルと、
前記第1液晶表示パネルの観察者側の面と反対側に位置して前記第1液晶表示パネルに重なり、モノクロ画像を表示する第2液晶表示パネルと、
前記第1液晶表示パネルの表示と前記第2液晶表示パネルの表示とを制御し、前記第2液晶表示パネルの表示を、前記モノクロ画像を表示するモノクロ表示と全白表示とに切り替える表示制御部と、を備え、
前記第2液晶表示パネルの応答時間は、前記第1液晶表示パネルの応答時間よりも長く、
前記第2液晶表示パネルの表示が前記モノクロ表示である状態において、予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第1応答時間以上である場合、前記表示制御部は、前記第2液晶表示パネルの表示を前記モノクロ表示から前記全白表示に切り替える、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記第2液晶表示パネルの表示を前記第1応答時間で前記全白表示に切り替えた場合における、前記第2液晶表示パネルの表示が前記全白表示である状態の前記予め設定された階調間の応答時間を第2応答時間とし、前記第2液晶表示パネルの表示が前記全白表示である状態において、前記予め設定された階調間の応答時間が前記第2応答時間よりも短い場合、
前記表示制御部は、前記第2液晶表示パネルの表示を前記全白表示から前記モノクロ表示に切り替える、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第2液晶表示パネルの表示が前記全白表示である状態において、前記予め設定された階調間の応答時間が、前記第2応答時間よりも予め設定された時間分短い、第3応答時間よりも短い場合、
前記表示制御部は、前記第2液晶表示パネルの表示を前記全白表示から前記モノクロ表示に切り替える、
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第2液晶表示パネルの表示が前記全白表示である場合、前記表示制御部は、前記第1液晶表示パネルに入力されるカラー画像信号に対してガンマ補正を行う、
請求項1から3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記ガンマ補正は、前記第2液晶表示パネルの表示が前記モノクロ表示である状態における第1ガンマ特性と、前記第2液晶表示パネルの表示が前記全白表示である状態における第2ガンマ特性とを一致させる、
請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第2液晶表示パネルの表示を前記モノクロ表示から前記全白表示に切り替える場合、前記表示制御部は、前記モノクロ表示と前記全白表示との間に、前記全白表示に切り替える直前に前記第2液晶表示パネルに表示された前記モノクロ画像の階調と前記全白表示との間の階調を有する画像を、前記第2液晶表示パネルに表示させる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1液晶表示パネルと前記第2液晶表示パネルは、横電界方式の液晶表示パネルであり、
前記第1液晶表示パネルはポジ型の第1液晶を備え、
前記第2液晶表示パネルはポジ型の第2液晶を備え、
前記第2液晶の分子短軸方向の誘電率は、前記第1液晶の分子短軸方向の誘電率よりも大きい、
請求項1から6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の液晶表示パネルを重ねることにより、コントラストを向上させた液晶表示装置が知られている。例えば、特許文献1は、観察者側に位置するカラー液晶パネルと、カラー液晶パネルの観察者側の面と反対側に位置する白黒液晶パネルと、を備える液晶表示装置を開示している。
【0003】
特許文献1の液晶表示装置では、透過率がそれぞれの液晶表示パネルの透過率の積となるため、透過率が低下する。一方、液晶表示パネルの透過率を向上させる方法として、横電界方式の液晶表示パネルにおいて、ネガ型液晶を使用することが知られている。特許文献2は、横電界方式の液晶表示パネルにおいてネガ型液晶を使用することにより、液晶分子の立ち上がりが抑えられ、最大透過率の低下が抑えられることを、開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/040139号
【特許文献2】特開2003-15146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2のネガ型液晶を使用した横電界方式の液晶表示パネルを、特許文献1の液晶表示装置に適用すると、液晶表示装置の透過率は向上する。一方、ネガ型液晶を使用した液晶表示パネルの応答時間は、一般的に、ポジ型液晶を使用した液晶表示パネルの応答時間よりも長いので、特に応答時間が長くなる低温下において、表示品位の悪化(表示ぼけ、画像の尾引き等)が液晶表示装置に生じやすい。
【0006】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、表示品位の悪化を抑制できる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の液晶表示装置は、
カラー画像を表示する第1液晶表示パネルと、
前記第1液晶表示パネルの観察者側の面と反対側に位置して前記第1液晶表示パネルに重なり、モノクロ画像を表示する第2液晶表示パネルと、
前記第1液晶表示パネルの表示と前記第2液晶表示パネルの表示とを制御し、前記第2液晶表示パネルの表示を、前記モノクロ画像を表示するモノクロ表示と全白表示とに切り替える表示制御部と、を備え、
前記第2液晶表示パネルの応答時間は、前記第1液晶表示パネルの応答時間よりも長く、
前記第2液晶表示パネルの表示が前記モノクロ表示である状態において、予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第1応答時間以上である場合、前記表示制御部は、前記第2液晶表示パネルの表示を前記モノクロ表示から前記全白表示に切り替える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第1応答時間以上である場合、表示制御部が第2液晶表示パネルの表示を全白表示に切り替えるので、表示品位の悪化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る液晶表示装置を示す模式図である。
【
図2】実施形態1に係る第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルとバックライトの断面を示す模式図である。
【
図3】第1液晶表示パネルの主画素と第2液晶表示パネルの主画素の対応関係の一例を示す模式図である。
【
図4】第1液晶表示パネルの主画素と第2液晶表示パネルの主画素の対応関係の一例を示す模式図である。
【
図5】実施形態1に係る液晶表示装置の最大応答時間の温度依存性の一例を示す図である。
【
図6】実施形態1に係る表示制御部の構成を示すブロック図である。
【
図7】実施形態2に係る液晶表示装置の最大応答時間の温度依存性の一例を示す図である。
【
図8】実施形態3に係る、液晶表示装置の主画素の輝度と、第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルの表示との関係の一例を示す図である。
【
図9】変形例に係る表示制御部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る液晶表示装置について、図面を参照して説明する。
【0011】
<実施形態1>
図1~
図6を参照して、本実施形態に係る液晶表示装置10を説明する。液晶表示装置10は、後述する、カラー画像を表示する第1液晶表示パネル100とモノクロ画像を表示する第2液晶表示パネル200とにより、カラー画像を表示する。
【0012】
液晶表示装置10は、
図1に示すように、パネル部50と、バックライト300と、表示制御部400とを備える。パネル部50は、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200とを有する。第1液晶表示パネル100は、カラー画像を表示する。第2液晶表示パネル200は、モノクロ画像を表示する。バックライト300は、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200に光を照射する光源である。表示制御部400は、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200の表示を制御する。さらに、表示制御部400は、第2液晶表示パネルの表示をモノクロ表示と全白表示とに切り替える。ここで、モノクロ表示はモノクロ画像の表示を意味し、全白表示はすべての主画素の透過率を最大にした表示を意味する。
【0013】
(パネル部)
パネル部50は、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200とを有する。第1液晶表示パネル100は、観察者側に位置し、カラー画像を表示する。第2液晶表示パネル200は、第1液晶表示パネル100の観察者側の面と反対側(第1液晶表示パネル100の背面側)に位置し、第1液晶表示パネル100に重なる。また、第2液晶表示パネル200は、モノクロ画像を表示する。
【0014】
(第1液晶表示パネル)
第1液晶表示パネル100は、ポジ型液晶を使用した透過型横電界方式の液晶表示パネルである。第1液晶表示パネル100は、TFT(Thin Film Transistor)によりアクティブマトリクス駆動される。
【0015】
第1液晶表示パネル100は、マトリクス状に配列した主画素を有する。主画素は、赤色光を出射する赤色画素と、緑色光を出射する緑色画素と、青色光を出射する青色画素とから形成されている(いずれも図示せず)。なお、以下では、赤色画素と緑色画素と青色画素とを総称して、サブ画素と記載する場合がある。
【0016】
第1液晶表示パネル100は、
図2に示すように、第1TFT基板110と、第1対向基板120と、第1液晶130と、第1偏光板132と、第2偏光板134と、第1ドライバ回路136とを備える。第1TFT基板110と第1対向基板120は、第1液晶130を挟持する。第1偏光板132は第1TFT基板110に設けられ、第2偏光板134は第1対向基板120に設けられる。
【0017】
第1TFT基板110は、例えば、ガラス基板である。第1TFT基板110の第1液晶130側の主面110aには、サブ画素を選択するためのTFT、第1液晶130に電圧を印加する一対の電極、第1液晶130を配向する配向膜等が設けられる(いずれも図示せず)。
【0018】
さらに、第1TFT基板110の主面110aには、複数の共通配線と複数の信号配線と複数の走査配線が形成されている(いずれも図示せず)。共通配線は、第1液晶130に電圧を印加する一方の電極に共通電位を供給する。信号配線は、TFTを介して、第1液晶130に電圧を印加する他方の電極に電圧を供給する。走査配線は、TFTを動作させる電圧を供給する。サブ画素は信号配線と走査配線とに囲まれ、TFTが走査配線と信号配線との交差部に設けられている。
第1TFT基板110の主面110aと反対側の主面110bには、第1偏光板132が設けられている。
【0019】
第1対向基板120は、第1TFT基板110に対向し、シール材138により第1TFT基板110に貼り合わされている。第1対向基板120は、例えば、ガラス基板である。第1対向基板120の第1液晶130側の主面110aには、カラーフィルタ層122、第1液晶130を配向する配向膜等が設けられている。カラーフィルタ層122は、例えば、ストライプ状のカラーフィルタである。カラーフィルタ層122の赤色カラーフィルタと緑色カラーフィルタと青色カラーフィルタのそれぞれは、光を遮るブラックマトリクスに囲まれ、赤色画素と緑色画素と青色画素のそれぞれに対応している。
第1対向基板120の主面120aと反対側の主面120bには、第2偏光板134が設けられている。
【0020】
第1液晶130は、第1TFT基板110と第1対向基板120とに挟持される。第1液晶130はポジ型のネマチック液晶である。第1液晶130は、配向膜により、第1TFT基板110の主面110aに平行な方向に配向している。また、第1液晶130は、電極から印加される電圧により、第1TFT基板110の主面110aに平行な面内で回転する。
【0021】
第1偏光板132は第1TFT基板110の主面110bに設けられ、第2偏光板134は第1対向基板120の主面120bに設けられる。第1偏光板132の透過軸と第2偏光板134の透過軸は、第1液晶130の配向方向に平行に配置されている。第1偏光板132は、接着層150により、後述する第2液晶表示パネル200の第4偏光板234と貼り合わされている。
【0022】
第1ドライバ回路136は、第1TFT基板110の主面110aに設けられる。第1ドライバ回路136は、表示制御部400から供給されるカラー画像信号に基づいて、走査配線と信号配線と共通配線に電圧を供給する。
【0023】
(第2液晶表示パネル)
第2液晶表示パネル200は、
図2に示すように、第1液晶表示パネル100の背面側に位置し、接着層150により第1液晶表示パネル100に貼り合わされている。第2液晶表示パネル200は、モノクロ画像を表示する。第2液晶表示パネル200の応答時間は、第1液晶表示パネル100の応答時間よりも長い。ここで、応答時間が長いとは、同じ階調間の応答時間を比較した場合に、いずれの階調間の応答時間においても、応答時間が長いことを指す。
【0024】
本実施形態では、第2液晶表示パネル200は、ネガ型液晶を使用した透過型横電界方式の液晶表示パネルである。第2液晶表示パネル200は、TFTによりアクティブマトリクス駆動される。第2液晶表示パネル200は、マトリクス状に配列した主画素を有する。第2液晶表示パネル200の主画素は、第1液晶表示パネル100の主画素に対応し、液晶表示装置10の主画素は、第1液晶表示パネル100の主画素と第2液晶表示パネル200の主画素とから形成されている。
より具体的には、
図3と
図4に示すように、第2液晶表示パネル200の1つの主画素は、第1液晶表示パネル100の少なくとも1つの主画素に対応している。なお、
図3は、第2液晶表示パネル200の主画素と第1液晶表示パネル100の主画素が、1対1に対応する構成を示している。
図4は、第2液晶表示パネル200の1つの主画素が、第1液晶表示パネル100の複数の主画素に対応する構成を示している。
【0025】
第2液晶表示パネル200は、第2TFT基板210と、第2対向基板220と、第2液晶230と、第3偏光板232と、第4偏光板234と、第2ドライバ回路236とを備える。第2TFT基板210と第2対向基板220は、第2液晶230を挟持する。第3偏光板232は第2TFT基板210に設けられ、第4偏光板234は第2対向基板220に設けられる。なお、第2液晶表示パネル200はカラーフィルタを備えていない。
【0026】
第2TFT基板210は、例えば、ガラス基板である。第2TFT基板210の第2液晶230側の主面210aには、第1TFT基板110の主面110aと同様に、主画素を選択するためのTFT、第2液晶230に電圧を印加する一対の電極、第2液晶230を配向する配向膜、共通配線、信号配線、走査配線等が設けられる。TFT、一対の電極、共通配線等の構成は、第1TFT基板110のTFT、一対の電極、共通配線等と同様である。
第2TFT基板210の主面210aと反対側の主面210bには、第3偏光板232が設けられている。
【0027】
第2対向基板220は、第2TFT基板210に対向し、シール材238により第2TFT基板210に貼り合わされている。第2対向基板220は、例えば、ガラス基板である。第2対向基板220の第2液晶230側の主面210aには、光を遮るブラックマトリクス層222、第2液晶230を配向する配向膜等が設けられている。ブラックマトリクス層は、格子状に設けられ、第2液晶表示パネル200の主画素を画定している。
第2対向基板220の主面220aと反対側の主面220bには、第4偏光板234が設けられている。
【0028】
第2液晶230は、第2TFT基板210と第2対向基板220とに挟持される。第2液晶230はネガ型のネマチック液晶である。第2液晶230は、配向膜により、第2TFT基板210の主面210aに平行な方向に配向している。また、第2液晶230は、電極から印加される電圧により、第2TFT基板210の主面210aに平行な面内で回転する。
【0029】
第3偏光板232は第2TFT基板210の主面210bに設けられ、第4偏光板234は第2対向基板220の主面220bに設けられる。第3偏光板232の透過軸と第4偏光板234の透過軸は、第2液晶230の配向方向に平行に配置されている。
【0030】
第4偏光板234は、接着層150により、第1液晶表示パネル100の第1偏光板132と貼り合わされている。第4偏光板234の透過軸と第1偏光板132の透過軸は、平行に配置されている。
【0031】
第2ドライバ回路236は、第2TFT基板210の主面210aに設けられる。第2ドライバ回路236は、表示制御部400から供給される信号に基づいて、走査配線と信号配線と共通配線に電圧を供給する。
【0032】
(バックライト)
バックライト300は、
図2に示すように、第2液晶表示パネル200の背面側に配置される。バックライト300は、例えば、直下型バックライトである。バックライト300は、白色LED(Light emitting diode)素子、反射シート、拡散シート等を備えている(いずれも図示せず)。
【0033】
(表示制御部)
表示制御部400は、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200の表示を制御する。第1液晶表示パネル100がカラー画像を表示し第2液晶表示パネル200の表示がモノクロ表示である状態において、液晶表示装置10の予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第1応答時間T1以上である場合に、表示制御部400は、第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替える。また、第1液晶表示パネル100がカラー画像を表示し第2液晶表示パネル200の表示が全白表示である状態において、液晶表示装置10の予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第2応答時間T2よりも短い場合に、表示制御部400は、第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替える。
【0034】
ここで、液晶表示装置10の予め設定された階調間の応答時間と第1応答時間T1は、表示装置に関する車載規格、液晶表示装置10が搭載される電子機器の仕様等に基づいて設定される。例えば、表示装置に関する車載規格が、-20℃における最も長い中間調間の応答時間を180mS以下と規定している場合、予め設定された階調間の応答時間は、最も長い中間調間の応答時間に設定される。また、第1応答時間T1は180mSに設定される。以下では、最も長い中間調間の応答時間を、最大応答時間と記載する場合がある。
さらに、液晶表示装置10の第2応答時間T2は、第1応答時間T1で第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替えた場合における、第1液晶表示パネル100がカラー画像を表示し第2液晶表示パネル200の表示が全白表示である状態の応答時間を指す。
【0035】
図5は、液晶表示装置10の最大応答時間の温度依存性の一例を示す。表示制御部400は、例えば、パネル部50の温度が周囲温度の低下により25℃から低下し、液晶表示装置10の最大応答時間が第1応答時間T1(180mS)以上となった場合に、第2液晶表示パネル200をモノクロ表示から全白表示に切り替える。これにより、液晶表示装置10の最大応答時間は、第2液晶表示パネル200がモノクロ表示を維持する場合の最大応答時間に比べて短くなり、表示品位の悪化を抑制できる。すなわち、液晶表示装置10の予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第1応答時間T1以上である場合に、表示制御部400が、応答時間が長い第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替えるので、低温においても、液晶表示装置10の応答時間が長くなることを抑えることができ、表示品位の悪化を抑制できる。
一方、表示制御部400は、パネル部50の温度が周囲温度の上昇により低温側(例えば-25℃)から上昇し、液晶表示装置10の最大応答時間が第2応答時間T2(
図3では85mS)よりも短くなった場合に、第2液晶表示パネル200を全白表示からモノクロ表示に切り替える。これにより、液晶表示装置10は、より高コントラストのカラー画像を表示できる。
【0036】
次に、表示制御部400の具体的構成を説明する。表示制御部400は、
図6に示すように、画像データ分配部410と、応答時間測定部420と、制御信号発生部430と、第1画像信号生成部440と、第2画像輝度信号生成部450と、第2画像信号生成部460とを備える。画像データ分配部410は、入力画像データを、第1画像信号生成部440と第2画像輝度信号生成部450とに分配する。応答時間測定部420は、液晶表示装置10の予め設定された階調間の応答時間を求める。制御信号発生部430は、第2液晶表示パネル200の表示を選択し、選択した表示を表す制御信号を第1画像信号生成部440と第2画像信号生成部460とに送信する。
【0037】
第1画像信号生成部440は、第1階調変換部441を含み、第1液晶表示パネル100に表示するカラー画像を生成する。また、第1画像信号生成部440は、生成されたカラー画像を表すカラー画像信号を第1液晶表示パネル100へ送信する。第2画像輝度信号生成部450は、入力画像データから、第2液晶表示パネル200に表示するモノクロ画像を生成するための輝度信号を生成する。第2画像信号生成部460は、第2画像輝度信号生成部450から送信された輝度信号に基づいて第2液晶表示パネル200に表示するモノクロ画像を生成し、生成されたモノクロ画像を表すモノクロ画像信号を第2液晶表示パネル200へ送信する。また、第2画像信号生成部460は、第2液晶表示パネル200を全白表示にする信号を生成し、生成された信号を第2液晶表示パネル200へ送信する。第2画像信号生成部460は、演算部461と第2階調変換部462とを含む。
以下では、第1液晶表示パネル100に表示するカラー画像を表すカラー画像信号を、カラー画像信号と記載する場合がある。また、第2液晶表示パネル200に表示するモノクロ画像を表すモノクロ画像信号をモノクロ画像信号と、第2液晶表示パネル200を全白表示にする信号を全白表示信号と記載する場合がある。
【0038】
画像データ分配部410は、外部から入力された入力画像データを、第1画像信号生成部440と第2画像輝度信号生成部450とに分配する。
【0039】
応答時間測定部420は、フォトセンサ422により測定された液晶表示装置10の光量の変化とクロック数とから、液晶表示装置10の予め設定された階調間の応答時間を求める。フォトセンサ422は、
図2に示すように、第1液晶表示パネル100の第2偏光板134の上に設けられている。応答時間測定部420は、予め設定された階調間の応答時間を表す信号を、制御信号発生部430に送信する。
【0040】
制御信号発生部430は、応答時間測定部420により求められた、予め設定された階調間の応答時間に基づいて、第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示と全白表示のうちから選択する。
【0041】
具体的には、第1液晶表示パネル100がカラー画像を表示し第2液晶表示パネル200の表示がモノクロ表示である状態において、予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第1応答時間T1以上である場合、制御信号発生部430は、第2液晶表示パネル200の表示として、全白表示を選択する。これにより、第2液晶表示パネル200の表示がモノクロ表示から全白表示に切り替えられる。
一方、第1液晶表示パネル100がカラー画像を表示し第2液晶表示パネル200の表示がモノクロ表示である状態において、予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第1応答時間T1よりも短い場合、制御信号発生部430は、第2液晶表示パネル200の表示として、モノクロ表示を選択する。これにより、第2液晶表示パネル200の表示は、モノクロ表示に維持される。
【0042】
また、第1液晶表示パネル100がカラー画像を表示し第2液晶表示パネル200の表示が全白表示である状態において、予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第2応答時間T2よりも短い場合、制御信号発生部430は、第2液晶表示パネル200の表示として、モノクロ表示を選択する。これにより、第2液晶表示パネル200の表示が全白表示からモノクロ表示に切り替えられる。
一方、第1液晶表示パネル100がカラー画像を表示し第2液晶表示パネル200の表示が全白表示である状態において、予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第2応答時間T2よりも長い場合、制御信号発生部430は、第2液晶表示パネル200の表示として、全白表示を選択する。これにより、第2液晶表示パネル200の表示は、全白表示に維持される。
【0043】
制御信号発生部430は、選択した表示を表す制御信号を、第1画像信号生成部440と第2画像信号生成部460とに送信する。
【0044】
第1画像信号生成部440は、画像データ分配部410から分配された入力画像データから、第1液晶表示パネル100に表示するカラー画像を生成する。具体的には、第1画像信号生成部440の第1階調変換部441が、分配された入力画像データを、第1液晶表示パネル100に適した輝度-階調特性を有するカラー画像データに変換する階調変換を行う。データの変換には、例えば、入出力の関係を予め設定したルックアップテーブルが用いられる。
第1画像信号生成部440は、生成されたカラー画像を表すカラー画像信号を第1液晶表示パネル100の第1ドライバ回路136へ送信する。
【0045】
第1画像信号生成部440は、制御信号発生部430が第2液晶表示パネル200の表示として全白表示を選択した場合、カラー画像信号にガンマ補正を行うことが好ましい。例えば、第1液晶表示パネル100がカラー画像を表示し第2液晶表示パネル200の表示がモノクロ表示である状態において、液晶表示装置10のガンマ値が2.2(第1液晶表示パネル100のガンマ値を1.1、第2液晶表示パネル200のガンマ値を1.1)に設定されている場合、第2液晶表示パネル200の表示を全白表示とすると、液晶表示装置10のガンマ値は1.1となり、観察者は液晶表示装置10の表示に違和感を覚えやすい。したがって、第1画像信号生成部440は、第2液晶表示パネル200の表示がモノクロ表示である状態における液晶表示装置10のガンマ特性(第1ガンマ特性)と第2液晶表示パネル200の表示が全白表示である状態における液晶表示装置10のガンマ特性(第2ガンマ特性)とを一致させる、ガンマ補正を行うことが特に好ましい。
【0046】
第2画像輝度信号生成部450は、入力画像データからモノクロ画像を生成するための輝度信号を生成する。
図3と
図4に示したように、モノクロ画像を表示する第2液晶表示パネル200の主画素は、カラー画像を表示する第1液晶表示パネル100の1つ以上の主画素に対応している。言い換えれば、第2液晶表示パネル200の主画素の総数は、第1液晶表示パネル100の主画素の総数以下である。したがって、第2液晶表示パネル200の1つの主画素の輝度レベルを、その主画素に対応する第1液晶表示パネル100の1つ又は複数の主画素のカラー画像データに基づいて求める必要がある。
【0047】
図3に示すように、モノクロ画像を表示する第2液晶表示パネル200の1つの主画素に、カラー画像を表示する第1液晶表示パネル100の1つの主画素が対応する場合、第1液晶表示パネル100の1つの主画素のカラー画像データに基づいて、対応する第2液晶表示パネル200の1つの主画素の輝度レベルを求める。また、別の方法として、入力画像データの各主画素における赤色の階調値と緑色の階調値と青色の階調値のうちの、最大の階調値を、第2液晶表示パネル200の各主画素の輝度レベルとして、モノクロ画像の輝度レベルを求めてもよい。
【0048】
図4に示すように、モノクロ画像を表示する第2液晶表示パネル200の1つ主画素が、カラー画像を表示する第1液晶表示パネル100の複数の主画素に対応する場合、第1液晶表示パネル100の主画素のそれぞれにおける、赤色の階調値と緑色の階調値と青色の階調値の平均値、頻出値、最小値、最大値等から、第2液晶表示パネル200の主画素の輝度レベルを求める。求められた輝度レベルは、例えば、階調値であってもよい。
【0049】
第2画像輝度信号生成部450は、求められた輝度レベルを表す輝度信号を第2画像信号生成部460に送信する。
【0050】
第2画像信号生成部460は、制御信号発生部430が第2液晶表示パネル200の表示としてモノクロ表示を選択した場合、第2画像輝度信号生成部450から送信された輝度信号に基づいて、第2液晶表示パネル200に表示するモノクロ画像を生成する。また、第2画像信号生成部460は、制御信号発生部430が第2液晶表示パネル200の表示として全白表示を選択した場合、第2液晶表示パネル200の表示を全白表示にする信号(全白表示信号)を生成する。第2画像信号生成部460は、モノクロ画像を表す信号(モノクロ画像信号)又は全白表示信号を、第2液晶表示パネル200の第2ドライバ回路236へ送信する。
【0051】
第2画像信号生成部460は、平均化処理と階調変換とを施したモノクロ画像を生成する。第2画像信号生成部460の演算部461は、注目する主画素の所定の距離内に位置する主画素の輝度レベルを、例えば、注目する主画素からの距離に基づく加重平均により、平均化する。これにより、第2画像信号生成部460は、エッジをほかしたモノクロ画像を生成できる。さらに、第2画像信号生成部460の第2階調変換部462は、第2液晶表示パネル200に適した輝度-階調特性を有するモノクロ画像データを生成する。第2階調変換部462の構成は、第1画像信号生成部440の第1階調変換部441と同様である。
【0052】
第2液晶表示パネル200に送信されるモノクロ画像信号は、第2画像輝度信号生成部450により実施される輝度レベルの算出、平均化処理等により、第1液晶表示パネル100に送信されるカラー画像信号に対して遅延する。そこで、表示制御部400は、モノクロ画像信号とカラー画像信号の出力を同期させるために、図示しない同期回路を備えている。同期回路によって、第1液晶表示パネル100のカラー画像に応じたモノクロ画像が、第2液晶表示パネル200に表示されるので、液晶表示装置10に適切なカラー画像が表示される。
【0053】
表示制御部400は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等から構成される。表示制御部400の機能は、例えば、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによって実現される。
【0054】
以上のように、液晶表示装置10の予め設定された階調間の応答時間が予め設定された第1応答時間T1以上である場合に、表示制御部400が、応答時間が長い第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替えるので、液晶表示装置10は、表示品位の悪化を抑制できる。また、表示制御部400は、液晶表示装置10の予め設定された階調間の応答時間が第2応答時間T2よりも短くなった場合に、第2液晶表示パネル200を全白表示からモノクロ表示に切り替えるので、液晶表示装置10は、高コントラストで表示品位が高いカラー画像を表示できる。
【0055】
<実施形態2>
実施形態1では、表示制御部400は、液晶表示装置10の予め設定された階調間の応答時間が第2応答時間T2よりも短くなった場合に、第2液晶表示パネル200を全白表示からモノクロ表示に切り替えている。第2液晶表示パネル200を全白表示からモノクロ表示に切り替える応答時間は、第3応答時間T3よりも短い応答時間であってもよい。第3応答時間T3は、第2応答時間T2よりも予め設定された時間Td分短い応答時間である。本実施形態の液晶表示装置10のその他の構成は実施形態1と同様であるので、ここでは、第3応答時間T3と時間Tdについて説明する。
【0056】
まず、実施形態1における第2液晶表示パネル200の表示の切り替えについて、説明する。第2応答時間T2は、第1応答時間T1で第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替えた場合における、第1液晶表示パネル100がカラー画像を表示し第2液晶表示パネル200の表示が全白表示である状態の応答時間である。したがって、
図5に示すように、液晶表示装置10の応答時間が第1応答時間T1となるパネル部50の温度と、液晶表示装置10の応答時間が第2応答時間T2となるパネル部50の温度は、ほぼ等しい。この場合、パネル部50の温度が液晶表示装置10の応答時間が第1応答時間T1又第2応答時間T2となる温度付近で上下すると、第2液晶表示パネル200の表示の切り替えが頻発する虞がある。第2液晶表示パネル200の表示の切り替えが頻発すると、観察者は表示を見づらくなる。
【0057】
そこで、本実施形態では、第2液晶表示パネル200を全白表示からモノクロ表示に切り替える応答時間を、第2応答時間T2よりも予め設定された時間Td分短い第3応答時間T3に設定する。第3応答時間T3は、第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示とした状態における液晶表示装置10の応答時間の温度依存性、第2液晶表示パネル200の表示を全白表示とした状態における液晶表示装置10の応答時間の温度依存性、表示装置に関する車載規格、液晶表示装置10が搭載される電子機器の仕様等に、基づいて設定される。
【0058】
本実施形態では、
図7に示すように、第3応答時間T3を、第3応答時間T3で第2液晶表示パネル200の表示を全白表示からモノクロ表示に切り替えた場合における、液晶表示装置10の応答時間が100mSとなる応答時間(
図7では54mS)に設定している。この場合、時間Tdは31mS(T2-T3=31)に設定される。すなわち、本実施形態では、表示制御部400は、例えば、パネル部50の温度が周囲温度の上昇により低温側(たとえば-25℃)から上昇し、液晶表示装置10の最大応答時間が第3応答時間T3(54mS)よりも短くなった場合に、第2液晶表示パネル200を全白表示からモノクロ表示に切り替える。また、表示制御部400は、実施形態1と同様に、パネル部50の温度が周囲温度の低下により25℃から低下し、液晶表示装置10の最大応答時間が第1応答時間T1(180mS)以上となった場合に、第2液晶表示パネル200をモノクロ表示から全白表示に切り替える。
【0059】
本実施形態では、
図7に示すように、液晶表示装置10の最大応答時間が第3応答時間T3となるパネル部50の温度が-5℃であり、液晶表示装置10の最大応答時間が第1応答時間T1となる温度が-13℃であるので、パネル部50の温度が液晶表示装置10の応答時間が第1応答時間T1又第3応答時間T3となる温度付近で上下しても、第2液晶表示パネル200の表示の切り替えが頻発する虞は少ない。したがって、本実施形態の液晶表示装置10は安定した表示を実現できる。
【0060】
以上のように、本実施形態では、第2液晶表示パネル200を全白表示からモノクロ表示に切り替える応答時間を、第2応答時間T2よりも予め設定された時間Td分短い第3応答時間T3に設定するので、第2液晶表示パネル200の表示の切り替え回数を抑えて、液晶表示装置10の安定した表示を実現できる。また、本実施形態の液晶表示装置10は、実施形態1の液晶表示装置10と同様に、表示品位の悪化を抑制できる。
【0061】
<実施形態3>
実施形態1と実施形態2では、液晶表示装置10は、第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示と全白表示とに、直接切り替える。液晶表示装置10は、第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替える場合に、モノクロ表示と全白表示との間に、全白表示に切り替える直前に第2液晶表示パネル200に表示されたモノクロ画像の階調と全白表示との間の階調を有する画像を、第2液晶表示パネル200に表示してもよい。
【0062】
本実施形態では、第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替える場合、表示制御部400は、全白表示に切り替える直前に第2液晶表示パネル200に表示されたモノクロ画像の階調と全白表示との間の階調を有する画像(以下、中間調画像と記載)を生成する。また、本実施形態の表示制御部400は、第2液晶表示パネル200のモノクロ表示と全白表示との間に、生成した中間調画像を第2液晶表示パネル200に表示させる。本実施形態の液晶表示装置10のその他の構成は実施形態1又は実施形態2と同様であるので、ここでは、中間調画像について説明する。
【0063】
中間調画像は、表示制御部400の第2画像信号生成部460により、少なくとも1つ生成される。本実施形態の第2画像信号生成部460は、第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替える場合に、液晶表示装置10の主画素のそれぞれにおける、全白表示に切り替える直前の輝度(階調)と全白表示に切り替えた直後の輝度(階調)とに基づいて、中間調画像を生成する。
【0064】
図8は、液晶表示装置10に主画素の輝度と、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200の表示との関係の一例を示す図である。
図8に示すように、第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示とした状態と第2液晶表示パネル200の表示を全白表示とした状態とを比較すると、第2液晶表示パネル200の表示を全白表示とした状態の主画素の輝度が高い(モノクロ表示における主画素が白である場合を除く)。
本実施形態の第2画像信号生成部460は、例えば、各主画素の全白表示に切り替える直前の輝度と全白表示に切り替えた直後の輝度との差のうち、最も大きな差に基づいて中間調画像の数(
図8では中間調画像A~Dの4つ)を設定する。また、本実施形態の第2画像信号生成部460は、各主画素の輝度が順次高くなる複数の中間調画像(中間調画像A~D)を順次生成する。表示制御部400は、生成された中間調画像(中間調画像A~D)を表す信号を、モノクロ表示と全白表示との間に、第2液晶表示パネル200に順次出力する。これにより、第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替える場合に、液晶表示装置10の主画素の輝度が順次に高くなるので、観察者は第2液晶表示パネル200の表示の切り替えにより生じる違和感を覚え難くなる。なお、主画素の全白表示に切り替える直前の輝度と全白表示に切り替えた直後の輝度との差が小さい主画素については、輝度を順次に高くしなくともよい。
【0065】
以上のように、本実施形態の液晶表示装置10は、第2液晶表示パネル200の表示をモノクロ表示から全白表示に切り替える場合に、全白表示に切り替える直前に第2液晶表示パネル200に表示されたモノクロ画像の階調と全白表示との間の階調を有する画像を表示するので、第2液晶表示パネル200の表示の切り替えにより生じる観察者の違和感を抑えられる。また、本実施形態の液晶表示装置10は、実施形態1の液晶表示装置10と同様に、表示品位の悪化を抑制できる。
【0066】
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、本開示は、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0067】
例えば、実施形態1では、第1液晶表示パネル100はポジ型液晶を用いた横電界方式の液晶表示パネルであり、第2液晶表示パネル200はネガ型液晶を用いた横電界方式の液晶表示パネルであるが、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200の方式、液晶等は、これらに限定されない。第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200の方式は、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード等であってもよい。
【0068】
また、第1液晶表示パネル100と第2液晶表示パネル200が、ポジ型液晶を用いた横電界方式の液晶表示パネルであってもよい。第2液晶表示パネル200の1つの主画素は、第1液晶表示パネル100の少なくとも1つの主画素に対応しているので、第2液晶表示パネル200の主画素の大きさは、第1液晶表示パネル100の主画素の大きさと同じ、又は第1液晶表示パネル100の主画素の大きさの複数倍となる。第2液晶表示パネル200の主画素の大きさが第1液晶表示パネル100の主画素の大きさの複数倍である場合、第2液晶表示パネル200の主画素の開口率が大きくなると共に、画素設計の自由度も高くなるため、第2液晶表示パネル200の透過率をより高くできる。さらに、第2液晶表示パネル200に用いられる第2液晶230の分子短軸方向の誘電率が、第1液晶表示パネル100に用いられる第1液晶130の分子短軸方向の誘電率よりも、大きいことが好ましく、10%以上大きいことが更に好ましい。これにより、第2液晶表示パネル200における液晶分子の立ち上がりを抑えて、第2液晶表示パネル200の透過率を向上させることができる。第2液晶表示パネル200は、サブ画素を有しておらず、更にカラーフィルタも備えていないので、主画素の透過率を高めやすく、第2液晶230の分子短軸方向の誘電率を大きくして第2液晶表示パネル200の透過率を向上させることにより、より効果的に第1液晶表示パネル100の透過率を向上させることができる。
【0069】
実施形態1では、応答時間測定部420は、フォトセンサ422により測定された液晶表示装置10の光量の変化から、予め設定された階調間の応答時間を求める。表示制御部400は、
図9に示すように、応答時間測定部420に代えて温度-応答時間変換部520を備え、温度-応答時間変換部520は、パネル部50に設けられた温度センサ522により測定された温度から、予め設定された階調間の応答時間を求めてもよい。この場合、温度-応答時間変換部520は、温度センサ522により測定された温度と、パネル部50の温度と予め設定された階調間の応答時間との関係から、予め設定された階調間の応答時間を求める。パネル部50の温度と予め設定された階調間の応答時間との関係は、予め測定されている。
【0070】
実施形態1~実施形態3の液晶表示装置10は、パネル部50に、加熱ヒータを有してもよい。これにより、周囲温度が低下しても、液晶表示装置10の応答時間が長くなることが抑えられ、液晶表示装置10の表示品位の悪化をより抑制できる。
【0071】
以上、好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
【符号の説明】
【0072】
10 液晶表示装置、50 パネル部、100 第1液晶表示パネル、110 第1TFT基板、110a,110b 主面、120 第1対向基板、120a,120b 主面、122 カラーフィルタ層、130 第1液晶、132 第1偏光板、134 第2偏光板、136 第1ドライバ回路、138 シール材、150 接着層、200 第2液晶表示パネル、210 第2TFT基板、210a,210b 主面、220 第2対向基板、220a,220b 主面、222 ブラックマトリクス層、230 第2液晶、232 第3偏光板、234 第4偏光板、236 第2ドライバ回路、238 シール材、300 バックライト、400 表示制御部、410 画像データ分配部、420 応答時間測定部、422 フォトセンサ、430 制御信号発生部、440 第1画像信号生成部、441 第1階調変換部、450 第2画像輝度信号生成部、460 第2画像信号生成部、461 演算部、 462 第2階調変換部、520 温度-応答時間変換部、522 温度センサ、T1 第1応答時間、T2 第2応答時間、T3 第3応答時間、Td 時間