(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182143
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089511
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関根 摩耶
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
(57)【要約】
【課題】適切な利用者に情報を共有すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、利用者が関係する案件の進捗状況を示す案件情報と、利用者に付与される権限であって、案件情報にアクセス可能か否かを示す権限に関する権限情報とを利用者毎に紐付ける紐付部と、利用者に紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付ける受付部と、変更情報に基づいて、利用者に紐付けられた権限情報を変更する変更部と、変更部によって変更された権限情報と、権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、案件情報を提供する提供部とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が関係する案件の進捗状況を示す案件情報と、当該利用者に付与される権限であって、当該案件情報にアクセス可能か否かを示す権限に関する権限情報とを利用者毎に紐付ける紐付部と、
前記利用者に紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付ける受付部と、
前記変更情報に基づいて、前記利用者に紐付けられた権限情報を変更する変更部と、
前記変更部によって変更された権限情報と、当該権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、当該案件情報を提供する提供部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、
前記案件情報に含まれる案件のうちいずれかに対してアクセス要求を前記利用者からさらに受付け、
前記提供部は、
前記受付部によってアクセス要求が受付けられた場合に、前記変更部によって変更された権限情報と、当該権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、当該案件情報を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、
前記変更情報として、前記案件の進捗状況を示す情報を受付け、
前記変更部は、
前記案件の進捗状況が所定の条件を満たす場合に、前記権限情報を変更する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、
前記変更情報として、前記案件の処理期限を示す情報を受付け、
前記変更部は、
前記案件の処理期限が所定の条件を満たす場合に、前記権限情報を変更する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記変更部は、
前記権限情報が示す権限を維持するように変更する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記変更部は、
前記権限情報が示す権限を解除するように変更する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記紐付部は、
利用者が所属するグループが関係する案件の進捗状況を示す案件情報と、当該グループに付与された前記権限情報とをグループ毎に紐付け、
前記受付部は、
前記グループに紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付け、
前記変更部は、
前記変更情報に基づいて、前記グループに紐付けられた権限情報を変更する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記紐付部は、
前記利用者が関係する営業活動の案件の進捗状況を示す案件情報と、前記権限情報とを利用者毎に紐付ける
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者が関係する案件の進捗状況を示す案件情報と、当該利用者に付与される権限であって、当該案件情報にアクセス可能か否かを示す権限に関する権限情報とを利用者毎に紐付ける紐付工程と、
前記利用者に紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付ける受付工程と、
前記変更情報に基づいて、前記利用者に紐付けられた権限情報を変更する変更工程と、
前記変更工程によって変更された権限情報と、当該権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、当該案件情報を提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
利用者が関係する案件の進捗状況を示す案件情報と、当該利用者に付与される権限であって、当該案件情報にアクセス可能か否かを示す権限に関する権限情報とを利用者毎に紐付ける紐付手順と、
前記利用者に紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付ける受付手順と、
前記変更情報に基づいて、前記利用者に紐付けられた権限情報を変更する変更手順と、
前記変更手順によって変更された権限情報と、当該権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、当該案件情報を提供する提供手順と
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、取引先への営業活動に関する営業情報を取引先毎に共有する営業支援システム(Sales Force Automation:SFA)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、取引先の営業情報を共有するに過ぎないため、例えば、営業情報を共有する利用者のうち、適切な利用者への営業情報の共有が行えない場合がある。例えば、利用者が所属する事業会社の異なる部署に異動した場合であり、且つ、異なる部署において営業業務を継続する場合に、かかる利用者に営業情報が共有できない場合がある。また、利用者が所属する事業会社の異なる部署に異動した場合であり、且つ、営業業務が完了している場合に、かかる利用者に対して営業情報を共有する必要がないにも関わらず、かかる利用者に営業情報を共有してしまう場合がある。
【0005】
本願はこのような課題を解決するためのものであり、適切な利用者に情報を共有することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、利用者が関係する案件の進捗状況を示す案件情報と、利用者に付与される権限であって、案件情報にアクセス可能か否かを示す権限に関する権限情報とを利用者毎に紐付ける紐付部と、利用者に紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付ける受付部と、変更情報に基づいて、利用者に紐付けられた権限情報を変更する変更部と、変更部によって変更された権限情報と、権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、案件情報を提供する提供部とを備えることを特徴とする。
【0007】
上記情報処理装置においては、案件情報に含まれる案件のうちいずれかに対してアクセス要求を利用者からさらに受付け、受付部によってアクセス要求が受付けられた場合に、変更部によって変更された権限情報と、権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、案件情報を提供する。
【0008】
上記情報処理装置においては、変更情報として、案件の進捗状況を示す情報を受付け、案件の進捗状況が所定の条件を満たす場合に、権限情報を変更する。
【0009】
上記情報処理装置においては、変更情報として、案件の処理期限を示す情報を受付け、案件の処理期限が所定の条件を満たす場合に、権限情報を変更する。
【0010】
上記情報処理装置においては、権限情報が示す権限を維持するように変更する。
【0011】
上記情報処理装置においては、権限情報が示す権限を解除するように変更する。
【0012】
上記情報処理装置においては、利用者が所属するグループが関係する案件の進捗状況を示す案件情報と、グループに付与された権限情報とをグループ毎に紐付け、グループに紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付け、変更情報に基づいて、グループに紐付けられた権限情報を変更する。
【0013】
上記情報処理装置においては、利用者が関係する営業活動の案件の進捗状況を示す案件情報と、権限情報とを利用者毎に紐付ける。
【発明の効果】
【0014】
上述した情報処理装置によれば、利用者が関係する案件の進捗状況を示す案件情報と、利用者に付与される権限であって、案件情報にアクセス可能か否かを示す権限に関する権限情報とを利用者毎に紐付け、利用者に紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付け、変更情報に基づいて、利用者に紐付けられた権限情報を変更し、変更された権限情報と、権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、案件情報を提供するため、適切な利用者に情報を共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る管理情報記憶部の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るコンテンツの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置が実行する変更処理の概念図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置が実行する変更処理の概念図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置が実行する紐付処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置が実行する決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0017】
[原理]
従来技術等では、取引先の顧客に関する情報である案件情報を取り扱うため、事業会社の営業部門等の関連部門に所属する利用者に限定して営業支援システムへのアクセスを許可する場合が多い。このとき、利用者によるアクセスを制御するために、営業支援システムへのアクセス可能か否かを示す権限の認可設定が正確に運用されることが要求される。このため、例えば、営業支援システムのシステム管理者が、所定の期間(例えば、1ヶ月)毎に、人事異動等の情報を含む人事に関する情報に基づいて権限の設定又は更新を行う。
【0018】
権限の設定又は更新について以下に示すような課題があった。例えば、利用者が所属する事業会社の異なる部署に異動した場合であり、且つ、異なる部署において営業業務を継続する場合に、かかる利用者に営業情報が共有できない場合があった。また、利用者が所属する事業会社の異なる部署に異動した場合であり、且つ、営業業務が完了している場合に、かかる利用者に対して営業情報を共有する必要がないにも関わらず、かかる利用者に営業情報を共有してしまう場合があった。
【0019】
また、案件の進捗状況によって当初の案件を処理するための期限である処理期限よりも長期化した場合に、かかる案件を担当する利用者の権限が案件の進捗状況が終了していないのにも関わらず、解除されてしまう場合があった。また、案件の進捗状況によって当初の案件の処理期限よりも短期間化した場合に、かかる案件を担当する利用者に対して不要に権限を付与し続ける期間が発生してしまい、営業支援システムのセキュリティ上のリスクが生じる場合があった。また、利用者からの権限の付与や解除に関する申請に応じて利用者の権限の付与を管理することが営業支援システムのシステム管理者にとって手間のかかることであった。
【0020】
上記課題に対し、利用者毎に権限を付与する場合に、利用者が担当する案件と、利用者に付与される権限とを紐付け、権限の認可設定の更新においても権限の継続又は解除の判断を案件の進捗状況に応じて行う解決手段を想到した。
【0021】
[実施形態]
〔1.実施形態の概要〕
まず、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の概要を説明する。以下では、情報処理装置が営業支援システムに関するアプリケーションサービスを提供するものとして説明する。
【0022】
例えば、情報処理装置は、利用者が関係する営業活動の案件の進捗状況を示す案件情報と、利用者に付与される権限であって、案件情報にアクセス可能か否かを示す権限に関する権限情報とを利用者毎に紐付ける。ここで、情報処理装置によって実行された紐付処理の際に、利用者に対して案件情報へのアクセス権限を付与するものとする。
【0023】
そして、情報処理装置は、利用者に紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付ける。例えば、変更情報とは、案件の進捗状況を示す案件フェーズに関する情報が変更されたことを示す情報や、案件の処理期限が変更されたことを示す情報等である。
【0024】
さらに、情報処理装置は、変更情報に基づいて、利用者に紐付けられた権限情報を変更する。例えば、情報処理装置は、変更情報に基づいて、利用者に付与された権限の維持又は解除と設定する。そして、情報処理装置は、変更した権限情報と、権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、案件情報を提供する。
【0025】
このように、情報処理装置は、例えば、案件フェーズに関する情報が変更されたことを示す情報に基づいて、利用者に対して権限の維持又は解除を適切なタイミングで設定することができる。これにより、情報処理装置は、適切な利用者に情報を共有することができる。
【0026】
なお、情報処理装置が実行する情報処理は、かかる情報処理を提供する提供元の事業会社内で実行されてもよいし、かかる情報処理を提供する提供先の事業会社で実行されてもよい。以下では、情報処理装置が実行する情報処理が情報処理を提供する提供先の事業会社で実行される例について説明する。
【0027】
〔2.情報処理システムの構成〕
図1を用いて、情報処理システム1の構成の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図1の例では、情報処理システム1は、端末装置10と、情報処理装置100とを含む。端末装置10及び情報処理装置100は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図1に示す情報処理システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0028】
実施形態に係る端末装置10は、ブラウザに表示されるウェブページやアプリケーション用のコンテンツ等のコンテンツにアクセスする利用者によって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。
【0029】
実施形態に係る情報処理装置100は、ネットワークNを介して、各種の装置と通信可能な情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、情報処理装置100は、ネットワークNを介して、他の各種装置と通信可能に接続される。
【0030】
〔3.情報処理装置の構成〕
以下、上記した情報処理装置100が有する機能構成の一例について説明する。
図1に示すように、実施形態に係る情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0031】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。
【0032】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部120は、管理情報記憶部121を有する。
【0033】
(管理情報記憶部121について)
管理情報記憶部121は、各種データを利用者毎に記憶する。ここで、
図2に、実施形態に係る管理情報記憶部121の一例を示す。
図2に示した例では、管理情報記憶部121は、「データセットID(Identifier)」、「利用者情報」、「案件情報」、「権限情報」といった項目を有する。
【0034】
例えば、「利用者情報」は、「利用者ID」と、「所属」とを含む。「案件情報」は、「案件ID」と、「案件フェーズ」と、「期間」を含む。「権限情報」は、「権限内容」を含む。
【0035】
「データセットID」は、一群のデータであるデータセットを識別する識別子である。「利用者ID」は、「データセットID」に対応付けられた利用者を識別する識別子である。「所属」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者が属する所属に関する情報である。
【0036】
「案件ID」は、「データセットID」に対応付けられた案件を識別する識別子である。「案件フェーズ」は、「案件ID」に対応付けられた案件の進捗情報に関する情報である。例えば、案件フェーズには、未着手、現状把握、提案内容検討、提案・見積、受注済、売上済、失注、中止等といった進捗状況を示すキーワードに関する情報が格納される。
【0037】
「期間」は、「案件ID」に対応付けられた案件の処理期限に関する情報である。「権限内容」は、「利用者ID」及び「案件ID」に対応付けられた権限に関する情報である。
【0038】
例えば、
図2では、データセットIDによって識別された「D1」は、利用者IDが「U1」であり、所属が「BE1」であり、案件IDが「I1」であり、案件フェーズが「失注」であり、期間が「DU1」であり、権限内容が「RC1」である。
【0039】
なお、
図2に示した例では、所属等を、「BE1」等の抽象的な符号で表現したが、所属等は、具体的な数値や、具体的な文字列や、所属等を示す各種情報を含むファイルのファイル形式等であってもよい。
【0040】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0041】
図1に示すように、制御部130は、受付部131と、紐付部132と、判定部133と、変更部134と、提供部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図1に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図1に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0042】
(受付部131について)
受付部131は、各種情報を受付ける。例えば、受付部131は、利用者によって利用される端末装置10から利用者情報又は案件情報等を受付ける。また、受付部131は、利用者に紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付ける。例えば、受付部131は、変更情報として、案件の進捗状況を示す案件フェーズに関する情報が変更されたことを示す情報や、案件の処理期限が変更されたことを示す情報を受付ける。
【0043】
ここで、
図3を用いて受付処理について説明する。
図3は、実施形態に係るコンテンツの一例を示す図である。
図3の例では、コンテンツC10は、営業支援システムに関するアプリケーションサービスによって提供されるコンテンツ画面である。
【0044】
図3の例では、端末装置10は、コンテンツC10を表示するものとする。この場合、コンテンツC10は、基本情報として、案件名を入力するための入力欄R11や、市場に関する情報を入力するための入力欄R12や、案件フェーズを入力するための入力欄R13を含む。
【0045】
図3の例では、入力欄R11には、「20200524 案件X」と入力されている。また、入力欄R12には、プルダウンメニュー等により「中央監視」と選択されている。また、入力欄R13には、プルダウンメニュー等により「未着手」と選択されている。
【0046】
ここで、入力欄R13に対応するプルダウンメニューの選択肢SE1には、案件フェーズが示す進捗状況として、「未着手」、「現状把握」、「提案内容検討」、「提案・見積」、「受注済」、「売上済」、「失注」、「中止」といった項目がある。また、案件フェーズを示すコードである進捗コードが、案件フェーズと対応付けられている。例えば、案件フェーズが「未着手」である場合、進捗コードが「waiting」である。また、案件フェーズが「現状把握」、「提案内容検討」及び「提案・見積」である場合、進捗コードが「working_for_orders」である。また、案件フェーズが「受注済」である場合、進捗コードが「working_for_sales」である。また、案件フェーズが「売上済」、「失注」及び「中止」である場合、進捗コードが「exit」である。
【0047】
また、受付部131は、各種要求を受付ける。具体的には、受付部131は、案件情報に含まれる案件のうちいずれかに対してアクセス要求を端末装置10から受付ける。例えば、受付部131は、利用者が属する所属先から異なる部署へ異動した場合に、利用者からの申請等によって、案件情報に含まれる案件のうちいずれかに対するアクセス権限の維持又は解除に関する要求を受付ける。
【0048】
(紐付部132について)
紐付部132は、利用者が関係する案件の進捗状況を示す案件情報と、利用者に付与される権限であって、案件情報にアクセス可能か否かを示す権限に関する権限情報とを利用者毎に紐付ける。
【0049】
例えば、紐付部132は、受付部131によって端末装置10から受付けられた利用者情報又は案件情報を、案件情報と、案件情報が示す案件へのアクセス権限とを利用者毎に紐付ける。ここで、紐付部132によって実行された紐付処理の際に、利用者に対して案件情報へのアクセス権限を付与するものとする。そして、紐付部132は、利用者毎に紐付けられた案件情報と、案件情報が示す案件へのアクセス権限とを管理情報記憶部121に記憶する。
【0050】
(判定部133について)
判定部133は、各種条件を判定する。具体的には、判定部133は、受付部131によって変更情報が受付けられた場合に、変更情報が案件の進捗状況に関する設定であるか否かを判定する。
【0051】
例えば、判定部133は、利用者によって案件フェーズによる管理が選択されたと受付部131によって受付けられた場合に、変更情報が案件の進捗状況に関する設定であると判定する。一方、判定部133は、利用者によって期間による管理が選択されたと受付部131によって受付けられた場合に、変更情報が案件の進捗状況に関する設定ではないと判定する。この場合、利用者によって処理期限による管理が選択されるものとする。
【0052】
また、判定部133は、案件の進捗状況が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部133は、管理情報記憶部121を参照して、案件フェーズが「売上済」、「失注」又は「中止」のいずれかである場合に、案件の進捗状況が所定の条件を満たすと判定する。一方、判定部133は、管理情報記憶部121を参照して、案件フェーズが「売上済」、「失注」又は「中止」のいずれでもない場合に、案件の進捗状況が所定の条件を満たさないと判定する。
【0053】
また、判定部133は、期間が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部133は、案件の処理期限内である場合に、期間が所定の条件を満たすと判定する。一方、判定部133は、案件の処理期限を経過している場合に、期間が所定の条件を満たさないと判定する。
【0054】
(変更部134について)
変更部134は、変更情報に基づいて、利用者に紐付けられた権限情報を変更する。例えば、変更部134は、判定部133によって案件の進捗状況が所定の条件を満たすと判定された場合に、利用者に対応する権限情報を権限の解除と変更する。そして、変更部134は、管理情報記憶部121に記憶される権限情報を更新する。
【0055】
一方、変更部134は、判定部133によって案件の進捗状況が所定の条件を満たさないと判定された場合に、利用者に対応する権限情報を維持する。すなわち、変更部134は、利用者に対応する権限情報を変更しない。このとき、変更部134は、管理情報記憶部121に記憶される権限情報を更新しない。
【0056】
また、変更部134は、判定部133によって期間が所定の条件を満たさないと判定された場合に、利用者に対応する権限情報を権限の解除と変更する。そして、変更部134は、管理情報記憶部121に記憶される権限情報を更新する。
【0057】
一方、変更部134は、判定部133によって期間が所定の条件を満たすと判定された場合に、利用者に対応する権限情報を維持する。すなわち、変更部134は、利用者に対応する権限情報を変更しない。このとき、変更部134は、管理情報記憶部121に記憶される権限情報を更新しない。
【0058】
(提供部135について)
提供部135は、各種情報を提供する。具体的には、提供部135は、変更部134によって変更された権限情報と、権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、案件情報を提供する。例えば、提供部135は、受付部131によってアクセス要求が受付けられた場合に、管理情報記憶部121に記憶された権限情報と、権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、案件情報を提供する。この場合、提供部135は、利用者にアクセス権限が付与されている場合に、閲覧可能な態様で案件情報を提供する。
【0059】
また、提供部135は、利用者に付与されたアクセス権限の種別に応じた態様で、案件情報を提供する。この場合、提供部135は、利用者に付与されたアクセス権限の種別が閲覧可能及び編集可能な権限である場合に、閲覧可能であり、編集可能な態様で案件情報を提供する。また、提供部135は、利用者に付与されたアクセス権限の種別が閲覧可能な権限である場合に、閲覧可能な態様で案件情報を提供する。
【0060】
〔4.動作例〕
以下では、
図4~
図5を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の動作例について説明する。
【0061】
まず、
図4を用いて、利用者に紐付けられた案件情報及び権限情報を示す変更前情報BE1が変更後情報AF1に変更される例について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置が実行する変更処理の概念図である。
図4の例では、利用者「山田 太郎」が所属する部署が「営業本部営業1部」から「経営企画部」に異動となった場合の例である。
【0062】
図4に示すように、利用者情報は、「2020/10/15時点」で、名称が「山田太郎(ID:00001)」であり、所属部署が「営業本部営業1部」である。また、権限情報は、付与される権限が「編集権限」である。
【0063】
図4の例では、変更前情報BE1に含まれる案件情報は、案件IDが「BSD-10000001」であり、案件フェーズが「提案・見積」であり、担当者が「営業本部営業1部山田太郎(ID:00001)」である。また、案件情報は、計上部署が「営業本部営業1部」であり、受注予定年月が「2021年1月」であり、売上予定年月が「2021年2月」であり、メモが「入札期間2020年8月~2021年1月」である。
【0064】
また、他の案件を示す案件情報は、案件IDが「BSD-10000002」であり、案件フェーズが「受注済み」であり、担当者が「営業本部営業1部山田太郎(ID:00001)」を含む。また、案件情報は、計上部署が「営業本部営業1部」であり、受注予定年月が「2020年12月」であり、売上予定年月が「2021年3月」である。
【0065】
そして、利用者が所属する部署が「営業本部営業1部」から「経営企画部」に異動したものとする。利用者情報は、名称が「山田太郎(ID:00001)」であり、所属部署が「経営企画部」である。また、権限情報は、付与される権限がなしである。
【0066】
ここで、利用者が、案件IDが「BSD-10000001」及び案件IDが「BSD-10000002」についてアクセス権限を申請するものとする。この場合、
図4に示すように、情報処理装置100は、利用者から、設定方法が「案件フェーズによる設定」であり、申請者(個別権限付与先)が「山田太郎(ID:00001)」であり、担当案件IDが「BSD-10000001」及び「BSD-10000002」であるといった申請内容を受付ける。また、情報処理装置100は、申請権限が「編集権限」であり、期間(開始日)が「2021年1月1日」であり、期間(終了日)が「すべての担当案件が終了するまで」であるといったといった申請内容を受付ける。これにより、情報処理装置100は、受付けられた申請内容に基づいて、利用者に紐付けられた権限情報を変更する。
【0067】
次に、
図5を用いて、複数の案件がある場合の権限情報の変更例について説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理装置が実行する変更処理の概念図である。
図5の例では、案件情報の一例である例EX1及び例EX2を示す。例えば、案件フェーズに対応する進捗コードが「exit」である場合に、案件が処理されたものとして、権限の解除が実行されるものとする。この場合、情報処理装置100は、すべての案件フェーズに対応する進捗コードが「exit」である場合に、権限情報を権限の解除と変更する。
【0068】
例EX1では、案件ID「BSD-10000001」によって識別される案件の案件フェーズが「失注」であり、進捗コードが「exit」である。また、案件ID「BSD-10000002」によって識別される案件の案件フェーズが「受注済」であり、進捗コードが「working_for_sales」である。この場合、情報処理装置100は、権限情報を権限の維持と設定する。
【0069】
例EX2では、案件ID「BSD-10000001」によって識別される案件の案件フェーズが「失注」であり、進捗コードが「exit」である。また、案件ID「BSD-10000002」によって識別される案件の案件フェーズが「売上済」であり、進捗コードが「exit」である。この場合、情報処理装置100は、権限情報を権限の解除と変更する。
【0070】
〔5.処理手順(1)〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する紐付処理の手順について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する紐付処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0071】
図6に示すように、受付部131は、利用者情報と、案件情報と、権限情報とを受付ける(ステップS101)。具体的には、受付部131は、利用者情報と、案件情報と、権限情報とを受付けていない場合(ステップS101;No)、利用者情報と、案件情報と、権限情報とを受付けるまで待機する。
【0072】
一方、紐付部132は、受付部131が利用者情報と、案件情報と、権限情報とを受付けた場合(ステップS101;Yes)、案件情報と、権限情報とを利用者毎に紐付ける(ステップS102)。
【0073】
〔6.処理手順(2)〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0074】
図7に示すように、受付部131は、変更情報を受付ける(ステップS201)。具体的には、受付部131は、変更情報を受付けていない場合(ステップS201;No)、変更情報を受付けるまで待機する。
【0075】
一方、判定部133は、受付部131が変更情報を受付けた場合(ステップS201;Yes)、変更情報が案件の進捗状況に関する設定であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0076】
具体的には、判定部133は、変更情報が案件の進捗状況に関する設定であると判定した場合(ステップS202;Yes)、案件の進捗状況が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS203)。
【0077】
例えば、変更部134は、判定部133が案件の進捗状況が所定の条件を満たすと判定した場合(ステップS203;Yes)、利用者に対応する権限情報を権限の解除と変更する(ステップS204)。一方、変更部134は、判定部133が案件の進捗状況が所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップS203;No)、利用者に対応する権限情報を維持する。
【0078】
一方、判定部133は、変更情報が案件の進捗状況に関する設定でないと判定した場合(ステップS202;No)、期間が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS205)。
【0079】
例えば、変更部134は、判定部133が、期間が所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップS205;Yes)、利用者に対応する権限情報を権限の解除と変更する(ステップS204)。一方、変更部134は、判定部133が、期間が所定の条件を満たすと判定した場合(ステップS205;No)、利用者に対応する権限情報を維持する。
【0080】
〔7.効果〕
上述したように、実施形態に係る情報処理装置100は、利用者が関係する案件の進捗状況を示す案件情報と、利用者に付与される権限に関する権限情報とを利用者毎に紐付ける。
【0081】
そして、情報処理装置100は、利用者に紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付ける。また、情報処理装置100は、変更情報に基づいて、利用者に付与された権限の維持又は解除と設定する。そして、情報処理装置は、変更した権限情報と、権限情報に紐付けられた案件情報とに応じた態様で、案件情報を提供する。
【0082】
このように、情報処理装置100は、適切な利用者に情報を共有することができる。さらに、情報処理装置100は、必要な権限が途中で途切れることなく、利用者に付与することができるため、利便性を向上させることができる。
【0083】
また、情報処理装置100は、不要な権限を利用者に対して付与することがないため、セキュリティ上のリスクを低減することができる。さらに、情報処理装置100は、利用者に対する権限の認可設定を管理するシステム管理者の作業負荷を低減することができる。
【0084】
〔8.変形例〕
上述した情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0085】
〔8-1.営業活動〕
上記実施形態では、営業活動を対象とする例を挙げて説明したが、これに限定されなくともよい。例えば、営業活動以外にも、各種案件の進捗状況を管理するために情報処理装置100が実行する情報処理が適用可能である。
【0086】
〔8-2.権限の付与のタイミング〕
上記実施形態では、実施形態に係る情報処理装置100によって実行された紐付処理の際に、利用者に対して案件情報へのアクセス権を権限として付与する例を挙げて説明したが、これに限定されなくともよい。例えば、情報処理装置100によって実行された紐付処理の際に、利用者に対して案件情報へのアクセス権を権限として付与せず、利用者からの権限の付与に関する要求を受付けてから、利用者に対して権限を付与してもよい。
【0087】
〔8-3.部署毎に権限情報の変更〕
上記実施形態では、実施形態に係る情報処理装置100の変更部134が変更情報に基づいて、利用者に紐付けられた権限情報を変更する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、変更部134は、利用者が所属するグループに紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報に基づいて、グループに紐付けられた権限情報を変更してもよい。
【0088】
より具体的な例を挙げると、利用者が営業部署に所属しているものとする。この場合、紐付部132は、営業部署が関係する案件の進捗状況を示す案件情報と、営業部署に付与された権限情報とを部署毎に紐付ける。そして、受付部131は、営業部署に紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報を受付ける。さらに、変更部134は、変更情報に基づいて、営業部署に紐付けられた権限情報を変更してもよい。
【0089】
このように、実施形態に係る情報処理装置100の変更部134は、利用者が所属する部署に紐付けられた案件情報が示す案件の進捗状況が変更されたことを示す変更情報に基づいて、部署に紐付けられた権限情報を変更するため、適切な部署毎に情報を共有することができる。
【0090】
〔9.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0091】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0092】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0093】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、変更部は、変更手段や変更回路に読み替えることができる。
【0094】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0095】
N ネットワーク
1 情報処理システム
10 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 管理情報記憶部
130 制御部
131 受付部
132 紐付部
133 判定部
134 変更部
135 提供部