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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182150
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】減圧吸収ボトル
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B65D1/02 250
B65D1/02 232
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089525
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 哲郎
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA18
3E033CA05
3E033DA03
3E033DB01
3E033DC03
3E033DD03
3E033DD04
3E033EA04
3E033FA03
3E033GA02
(57)【要約】
【課題】減圧吸収ボトル内の減圧時に、底部を優先的に変形させ、胴部の変形を抑える。
【解決手段】合成樹脂材料で形成された有底筒状の減圧吸収ボトル1であって、底部14の底壁部19が、外周縁部に位置する接地部18と、接地部にボトル径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部21と、立ち上がり周壁部の上端部からボトル径方向の内側に向けて延びる環状の可動壁部22と、を備え、可動壁部は、立ち上がり周壁部との接続部分25を中心に上下方向に回動自在に配設され、可動壁部に、上方に向けて窪み、かつボトル径方向の内側から外側に向かうに従い、ボトル周方向の幅が広くなる複数のパネル部26が、ボトル周方向に間隔をあけて設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂材料で形成された有底筒状の減圧吸収ボトルであって、
底部の底壁部が、
外周縁部に位置する接地部と、
前記接地部にボトル径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部と、
前記立ち上がり周壁部の上端部からボトル径方向の内側に向けて延びる環状の可動壁部と、を備え、
前記可動壁部は、前記立ち上がり周壁部との接続部分を中心に上下方向に回動自在に配設され、
前記可動壁部に、上方に向けて窪み、かつボトル径方向の内側から外側に向かうに従い、ボトル周方向の幅が広くなる複数のパネル部が、ボトル周方向に間隔をあけて設けられている、減圧吸収ボトル。
【請求項2】
前記可動壁部において、ボトル周方向で互いに隣り合う前記パネル部同士の間に位置する部分に、上方に向けて窪み、かつボトル径方向に延びる放射凹部が設けられている、請求項1に記載の減圧吸収ボトル。
【請求項3】
前記可動壁部は、下方に向けて突の曲面状に形成され、
前記パネル部におけるボトル径方向およびボトル周方向の各中央部は、前記可動壁部のうち最も下方に位置する最下部に位置している、請求項1または2に記載の減圧吸収ボトル。
【請求項4】
前記パネル部の頂壁に、上方に向けて窪む窪み部が設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の減圧吸収ボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減圧吸収ボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、合成樹脂材料で有底筒状に形成された減圧吸収ボトルとして、例えば下記特許文献1に示されるように、底部の底壁部が、外周縁部に位置する接地部と、接地部にボトル径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部と、立ち上がり周壁部の上端部からボトル径方向の内側に向けて延びる環状の可動壁部と、を備え、可動壁部が、立ち上がり周壁部との接続部分を中心に上方に向けて回動することにより、ボトル内の減圧を吸収する構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-23278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、減圧吸収ボトル内の減圧時に、底部を優先的に変形させて、胴部の変形を抑えることに改善の余地があった。
【0005】
そこで、本発明は、減圧吸収ボトル内の減圧時に、底部を優先的に変形させて、胴部の変形を抑えることができる減圧吸収ボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る減圧吸収ボトルは、合成樹脂材料で形成された有底筒状の減圧吸収ボトルであって、底部の底壁部が、外周縁部に位置する接地部と、前記接地部にボトル径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部と、前記立ち上がり周壁部の上端部からボトル径方向の内側に向けて延びる環状の可動壁部と、を備え、前記可動壁部は、前記立ち上がり周壁部との接続部分を中心に上下方向に回動自在に配設され、前記可動壁部に、上方に向けて窪み、かつボトル径方向の内側から外側に向かうに従い、ボトル周方向の幅が広くなる複数のパネル部が、ボトル周方向に間隔をあけて設けられている。
【0007】
可動壁部にパネル部が設けられているので、減圧吸収ボトル内の減圧時(以下、減圧時という)に、可動壁部が、立ち上がり周壁部との接続部分を中心に上方に向けて回動するだけでなく、パネル部が起点となることで、可動壁部を上方に向けて変形させやすくすることが可能になり、減圧時に、底部を優先的に変形させて、胴部の変形を抑えることができる。
パネル部が、ボトル周方向に間隔をあけて設けられるとともに、ボトル径方向の内側から外側に向かうに従い、ボトル周方向の幅が広くなるように形成されているので、減圧時に、可動壁部を全域にわたって偏り少なく上方に向けて変形させやすくすることができる。
【0008】
前記可動壁部において、ボトル周方向で互いに隣り合う前記パネル部同士の間に位置する部分に、上方に向けて窪み、かつボトル径方向に延びる放射凹部が設けられてもよい。
【0009】
可動壁部において、ボトル周方向で互いに隣り合うパネル部同士の間に位置する部分に、放射凹部が設けられているので、減圧時に、可動壁部のうち、ボトル周方向で互いに隣り合う放射凹部で区画された区画面部分が、個別に、パネル部を起点として、上方に向けて変形することとなり、減圧時に、可動壁部を全域にわたって上方に向けて円滑に変形させやすくすることができる。
【0010】
前記可動壁部は、下方に向けて突の曲面状に形成され、前記パネル部におけるボトル径方向およびボトル周方向の各中央部は、前記可動壁部のうち最も下方に位置する最下部に位置してもよい。
【0011】
可動壁部が、下方に向けて突の曲面状に形成されているので、可動壁部の受圧面積を確保することが可能になるとともに、減圧時における可動壁部の上方に向けた変形代を大きく確保することができる。
可動壁部のうち、最も下方に位置し、減圧時に上方に向けて変形しにくい最下部に、減圧時に変形の起点となる、パネル部におけるボトル径方向およびボトル周方向の各中央部が位置しているので、減圧時に、可動壁部を上方に向けて円滑に変形させやすくなり、胴部の変形を確実に抑えることができる。
【0012】
前記パネル部の頂壁に、上方に向けて窪む窪み部が設けられてもよい。
【0013】
パネル部の頂壁に窪み部が設けられているので、減圧時に、窪み部を起点にパネル部が上方に向けて変形することとなり、減圧時に、パネル部を起点に、可動壁部を上方に向けて変形させることを確実に実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、減圧吸収ボトル内の減圧時に、底部を優先的に変形させて、胴部の変形を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態として示した減圧吸収ボトルの側面図である。
図2図1に示す減圧吸収ボトルの底面図である。
図3図2のIII-III線矢視断面図である。
図4図2のIV-IV線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る減圧吸収ボトルを説明する。
本実施形態に係る減圧吸収ボトル1は、図1に示されるように、口部11、肩部12、胴部13および底部14を備え、これら11~14が、それぞれの中心軸線を共通軸上に位置させた状態で、この順に連設された概略構成となっている。
【0017】
以下、前記共通軸をボトル軸Oといい、ボトル軸Oに沿って口部11側を上側、底部14側を下側といい、ボトル軸Oに沿う方向を上下方向といい、また、上下方向から見てボトル軸Oに交差する方向をボトル径方向といい、ボトル軸O回りに周回する方向をボトル周方向という。
【0018】
なお、減圧吸収ボトル1は、射出成形により有底筒状に形成されたプリフォームが、ブロー成形されて形成され、合成樹脂材料で一体に形成されている。口部11には、図示しないキャップが装着される。
以下の説明において、特に断りのない限り、減圧吸収ボトル1の内圧は大気圧となっているものとする。
【0019】
口部11、肩部12、胴部13および底部14はそれぞれ、ボトル軸Oに直交する横断面視形状が円形状となっている。
胴部13には、全周にわたって連続して延びる周溝15が上下方向に間隔をあけて複数形成されている。
底部14は、上端開口部が胴部13の下端開口部に接続された筒状のヒール部17と、ヒール部17の下端開口部を閉塞し、かつ外周縁部が接地部18とされた底壁部19と、を備えるカップ状に形成されている。
【0020】
底壁部19は、図2図4に示すように、接地部18にボトル径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部21と、立ち上がり周壁部21の上端部からボトル径方向の内側に向けて延びる環状の可動壁部22と、可動壁部22のボトル径方向の内端部に連なる中央壁部23と、を備えている。
【0021】
立ち上がり周壁部21は、上下方向に沿ってほぼ真っ直ぐ延びている。立ち上がり周壁部21は、ボトル軸Oと平行に延びてもよいし、金型に対する離型性を考慮して、下方から上方に向かうに従い、ボトル径方向の内側に向けて延びるように、上下方向に対して5°以下、好ましくは3°以下傾斜させてもよい。図示の例では、立ち上がり周壁部21のこの傾斜角度は、例えば約2.5°となっている。
【0022】
中央壁部23は、可動壁部22におけるボトル径方向の内端部から上方に向けて延びている。中央壁部23は、ボトル軸Oと同軸に配設されるとともに、上方から下方に向かうに従い拡径した筒状に形成されている。中央壁部23の上端部には、ボトル軸Oと同軸に配設された円板状の頂壁24が接続されており、中央壁部23および頂壁24の全体で有頂筒状をなしている。中央壁部23は、横断面視で円形状を呈する。なお、中央壁部23は、横断面視で例えば角形状等を呈してもよい。
【0023】
可動壁部22は、環状に形成されるとともにボトル軸Oと同軸に配設されている。可動壁部22のうち、ボトル径方向の外端部が、立ち上がり周壁部21の上端部に接続され、ボトル径方向の内端部が、中央壁部23のボトル径方向の外端部に接続されている。可動壁部22のボトル径方向の外端部と、立ち上がり周壁部21の上端部と、は、上方に向けて窪む曲面部25を介して互いに接続されている。可動壁部22は、中央壁部23を上下方向に移動させるように、曲面部(立ち上がり周壁部21との接続部分)25を中心に回動自在となっている。
【0024】
可動壁部22は、下方に向けて突の曲面状に形成されている。可動壁部22のうち最も下方に位置する最下部22aは、可動壁部22においてボトル径方向の中央位置22bよりボトル径方向の外側に位置する部分に配置されている。可動壁部22は、最下部22aからボトル径方向に離れるに従い上方に向けて延びている。
なお、最下部22aは、可動壁部22におけるボトル径方向の中央位置22bに配置されてもよいし、可動壁部22においてボトル径方向の中央位置22bよりボトル径方向の内側に位置する部分に配置されてもよい。
【0025】
最下部22aは、曲面部25より下方に位置している。上下方向に沿う縦断面視において、可動壁部22のうち、最下部22aが位置する部分における曲率半径は、曲面部25の曲率半径より大きくなっている。前記縦断面視において、可動壁部22のうち、最下部22aよりボトル径方向の内側に位置する部分の曲率半径が、最下部22aよりボトル径方向の外側に位置する部分の曲率半径より大きくなっている。
【0026】
以上のように構成された減圧吸収ボトル1には、高温(例えば約40℃~95℃)の内容物が充填され、この際、可動壁部22が下方に向けて変位および変形する。この状態で密封することで、その後の冷却に伴う減圧吸収ボトル1内の減圧時に、可動壁部22が、上方に向けて変形しつつ、曲面部25回りに上方に向けて回動し、この減圧が吸収される。
【0027】
そして、本実施形態では、可動壁部22に、上方に向けて窪み、かつボトル径方向の内側から外側に向かうに従い、ボトル周方向の幅が広くなる複数(例えば3~8個)のパネル部26が、ボトル周方向に間隔をあけて設けられている。
【0028】
図示の例では、複数のパネル部26が、可動壁部22にボトル周方向に等間隔をあけて設けられている。パネル部26は、上下方向から見て、ボトル径方向に延びる直線に対して対称形状を呈する。パネル部26は、ボトル径方向の内側部分26aと、内側部分26aより幅が広いボトル径方向の外側部分26bと、を備えている。ボトル径方向の位置に対する幅の変化率が、外側部分26bにおいて内側部分26aより大きくなっている。パネル部26の外側部分26bは、可動壁部22の最下部22aをボトル径方向に跨いでいる。パネル部26の頂壁は、曲面部25より下方に位置している。
【0029】
パネル部26の頂壁に、上方に向けて窪む窪み部27が設けられている。窪み部27におけるボトル径方向およびボトル周方向の各中央部は、パネル部26の頂壁におけるボトル径方向およびボトル周方向の各中央部に位置している。窪み部27は、ボトル径方向に延びている。窪み部27の深さは、パネル部26の深さと同等になっている。窪み部27の頂壁は、曲面部25より下方に位置している。
【0030】
パネル部26におけるボトル径方向およびボトル周方向の各中央部は、可動壁部22の最下部22aに位置している。窪み部27におけるボトル径方向およびボトル周方向の各中央部も、可動壁部22の最下部22aに位置している。
なお、パネル部26および窪み部27それぞれにおけるボトル径方向およびボトル周方向の各中央部を、可動壁部22において最下部22aから離れた位置に設けてもよい。
パネル部26は、可動壁部22におけるボトル径方向の中央位置22bをボトル径方向に跨いで設けられている。窪み部27は、可動壁部22におけるボトル径方向の中央位置22bよりボトル径方向の外側に位置している。
【0031】
可動壁部22において、ボトル周方向で互いに隣り合うパネル部26同士の間に位置する部分に、上方に向けて窪み、かつボトル径方向に延びる放射凹部29が設けられている。
複数の放射凹部29は、ボトル周方向に同等の間隔をあけて設けられている。可動壁部22は、ボトル周方向で互いに隣り合う放射凹部29で区画された区画面部分16が、放射凹部29を介してボトル周方向に連ねられて構成されている。
【0032】
放射凹部29の幅は、パネル部26の幅より狭くなっている。放射凹部29およびパネル部26それぞれにおけるボトル径方向の外端部は、可動壁部22におけるボトル径方向の外端部に位置している。放射凹部29におけるボトル径方向の内端部は、パネル部26におけるボトル径方向の内端部よりボトル径方向の内側に位置している。放射凹部29におけるボトル径方向の内端部は、中央壁部23のボトル径方向の外端部よりボトル径方向の外側に位置している。
なお、放射凹部29におけるボトル径方向の外端部は、パネル部26におけるボトル径方向の外端部からボトル径方向に離れてもよく、放射凹部29におけるボトル径方向の内端部は、中央壁部23のボトル径方向の外端部に接続されてもよい。
【0033】
放射凹部29は、上方に向けて窪む曲面状に形成された複数のディンプル31がボトル径方向に連ねられて構成されている。
図示の例では、各ディンプル31は、接続凹部31aと、接続凹部31aの底面に形成された本体凹部31bと、により構成されている。例えば図2に示されるように、本体凹部31bの内径は、接続凹部31aの内径より小さくなっている。ボトル径方向で互いに隣り合う本体凹部31bは間隔をあけて設けられ、ボトル径方向で互いに隣り合う接続凹部31aは連ねられて設けられている。
【0034】
なお、各ディンプル31は、本体凹部31b、および接続凹部31aのうちのいずれか一方のみを備えてもよく、ボトル径方向で互いに隣り合うディンプル31は、間隔をあけて設けられてもよい。放射凹部29は、複数のディンプル31に代えて、線状に連続して延びる溝、若しくは線状に間欠的に延びる溝により形成されてもよい。
【0035】
以上説明したように、本実施形態による減圧吸収ボトル1によれば、可動壁部22にパネル部26が設けられているので、減圧吸収ボトル1内の減圧時(以下、減圧時という)に、可動壁部22が、曲面部25を中心に上方に向けて回動するだけでなく、パネル部26が起点となることで、可動壁部22を上方に向けて変形させやすくすることが可能になり、減圧時に、底部14を優先的に変形させて、胴部13の変形を抑えることができる。
パネル部26が、ボトル周方向に間隔をあけて設けられるとともに、ボトル径方向の内側から外側に向かうに従い、ボトル周方向の幅が広くなるように形成されているので、減圧時に、可動壁部22を全域にわたって偏り少なく上方に向けて変形させやすくすることができる。
【0036】
可動壁部22において、ボトル周方向で互いに隣り合うパネル部26同士の間に位置する部分に、放射凹部29が設けられているので、減圧時に、可動壁部22のうち、ボトル周方向で互いに隣り合う放射凹部29で区画された区画面部分16が、個別に、パネル部26を起点として、上方に向けて変形することとなり、減圧時に、可動壁部22を全域にわたって上方に向けて円滑に変形させやすくすることができる。
【0037】
可動壁部22が、下方に向けて突の曲面状に形成されているので、可動壁部22の受圧面積を確保することが可能になるとともに、減圧時における可動壁部22の上方に向けた変形代を大きく確保することができる。
可動壁部22のうち、最も下方に位置し、減圧時に上方に向けて変形しにくい最下部22aに、減圧時に変形の起点となる、パネル部26におけるボトル径方向およびボトル周方向の各中央部が位置しているので、減圧時に、可動壁部22を上方に向けて円滑に変形させやすくなり、胴部13の変形を確実に抑えることができる。
【0038】
パネル部26の頂壁に窪み部27が設けられているので、減圧時に、窪み部27を起点にパネル部26が上方に向けて変形することとなり、減圧時に、パネル部26を起点に、可動壁部22を上方に向けて変形させることを確実に実現することができる。
【0039】
なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0040】
例えば、中央壁部23は、前記実施形態に限らず、上下方向に沿って真っ直ぐ延在させたり、あるいは平板状に形成したりする等、適宜変更してもよい。
底壁部19として、頂壁24を有さず、例えば錐状に形成された中央壁部23を有する構成等を採用してもよい。
放射凹部29を有しない構成を採用してもよい。
【0041】
減圧吸収ボトル1を形成する合成樹脂材料は、例えばポリエチレンテレフタレートや、ポリエチレンナフタレート、非晶性ポリエステル等、またはこれらのブレンド材料等、適宜変更してもよい。
減圧吸収ボトル1は、単層構造体に限らず中間層を有する積層構造体としてもよい。この中間層としては、例えばガスバリア性を有する樹脂材料からなる層、再生材からなる層、若しくは酸素吸収性を有する樹脂材料からなる層等が挙げられる。
前記実施形態では、口部11、肩部12、胴部13および底部14のそれぞれのボトル軸Oに直交する横断面視形状を円形状としたが、これに限らず例えば、角形状にする等適宜変更してもよい。
【0042】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および前記変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 減圧吸収ボトル
14 底部
18 接地部
19 底壁部
21 立ち上がり周壁部
22 可動壁部
22a 最下部
25 曲面部(接続部分)
26 パネル部
27 窪み部
29 放射凹部
O ボトル軸
図1
図2
図3
図4