(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182187
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089588
(22)【出願日】2021-05-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】517254916
【氏名又は名称】株式会社ケップル
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】神先 孝裕
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】対象物件に係る登記の状況を容易に知ることができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システム100において、情報処理装置300は、登記に関する情報を管理する管理サーバ200に接続し、対象物件を識別可能な識別情報を管理サーバ200に入力する。その後、情報処理装置300は、管理サーバ200からの応答を取得する。そして、特定の文字列が取得した応答に含まれるか否かを判断し、含まれていない場合は、管理サーバ200から登記簿の内容を取得し、対象物件を評価し、登記簿の内容の変更が必要であれば変更箇所を記録する。そして、すべての識別番号に対しての処理が完了すれば、対象物件に係る登記の状況に関する情報を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
接続ステップと、入力ステップと、取得ステップと、出力ステップとを実行するように構成され、
前記接続ステップでは、登記に関する情報を管理する管理サーバに接続し、
前記入力ステップでは、対象物件を識別可能な識別情報を前記管理サーバに入力し、
前記取得ステップでは、前記管理サーバの応答を取得し、
前記出力ステップでは、特定の文字列が前記応答に含まれるか否かに応じて、前記対象物件に係る登記の状況に関する情報を出力する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記入力ステップでは、前記応答を取得する毎に、未入力の識別情報を前記管理サーバに逐次入力する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記出力ステップでは、前記特定の文字列が前記応答に含まれる場合、前記対象物件が登記の手続き中である旨を出力する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記取得ステップでは、前記特定の文字列が前記応答に含まれない場合、前記対象物件に係る登記簿の内容を取得する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
評価ステップを実行するように構成され、
前記評価ステップでは、前記登記簿の内容に基づいて、前記対象物件を評価する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の情報処理装置において、
監視ステップを実行するように構成され、
前記監視ステップでは、前記登記簿の内容の変更を監視し、
前記出力ステップでは、前記登記簿の内容が変更された場合、変更箇所に関する情報を出力する、
情報処理装置。
【請求項7】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置における各ステップをコンピュータに実行させる、
情報処理方法。
【請求項8】
プログラムであって、
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置における各ステップをコンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが所望する登記情報を当該ユーザに提供する登記情報提供システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された登記情報提供システムでは、例えば、土地の登記情報を取得する際には、実際にその土地に行って所定の端末を操作しなければならないため、対象物件に係る登記の状況を容易に知ることができなかった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、対象物件に係る登記の状況を容易に知ることができる情報処理装置を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、接続ステップと、入力ステップと、取得ステップと、出力ステップとを実行するように構成される。接続ステップでは、登記に関する情報を管理する管理サーバに接続する。入力ステップでは、対象物件を識別可能な識別情報を管理サーバに入力する。取得ステップでは、管理サーバの応答を取得する。出力ステップでは、特定の文字列が応答に含まれるか否かに応じて、対象物件に係る登記の状況に関する情報を出力する。
【0007】
上記の開示によれば、対象物件に係る登記の状況を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム100を示す図である。
【
図2】管理サーバ200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置300のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置300(制御部310)によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】情報処理装置300によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図6】入力ステップを実行するための管理画面の一例を示す図である。
【
図7】登記の情報の検索結果の一例を示す図である。
【
図8】登記の情報の検索結果の一例を示す図である。
【
図9】記憶部320に記憶させた登記事項証明書の内容の一例を示す図である。
【
図10】登記簿の内容に変更があった場合の通知と評価の一例を示す図である。
【
図11】出力された登記の状況に関する情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
第1節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0014】
1.1 情報処理システム100
図1は、本実施形態に係る情報処理システム100を示す図である。情報処理システム100は、管理サーバ200と、情報処理装置300とを備え、これらがネットワーク400を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。ここで、情報処理システム100に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。
【0015】
1.2 管理サーバ200
図2は、管理サーバ200のハードウェア構成を示すブロック図である。管理サーバ200は、制御部210と、記憶部220と、通信部250とを備え、これらの構成要素が管理サーバ200の内部において通信バス230を介して電気的に接続されている。これらの各構成要素についてさらに説明する。
【0016】
制御部210は、管理サーバ200に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部210は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部210は、記憶部220に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、管理サーバ200に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部220に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部210によって具体的に実現されることで、制御部210に含まれる各機能部として実現されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部210は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部210を有するように実施してもよい。またそれらの組み合わせであってもよい。
【0017】
記憶部220は、管理サーバ200の動作に必要な様々な情報を記憶する。記憶部220は、例えば、制御部210によって実行される管理サーバ200に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0018】
通信部250は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、管理サーバ200は、通信部250を介して、情報処理装置300とネットワーク400を介して種々の情報を通信する。
【0019】
1.3 情報処理装置300
図3は、情報処理装置300のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置300は、制御部310と、記憶部320と、表示情報生成部330と、入力受付部340と、通信部350とを備え、これらの構成要素が情報処理装置300の内部において通信バス360を介して電気的に接続されている。制御部310、記憶部320及び通信部350の説明は、管理サーバ200における制御部210、記憶部220及び通信部250と略同様のため省略する。
【0020】
表示情報生成部330は、テキスト、画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスに表示する情報を生成する。
【0021】
入力受付部340は、情報処理装置300に種々の情報を入力するものであり、マウス、キーボード、ポインティングデバイス等から入力される信号を受け付ける。ユーザによってなされた操作入力は、命令信号として、通信バス360を介して制御部310に転送される。そして、制御部310は、必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0022】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部320に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部310によって具体的に実現されることで、制御部310に含まれる各機能部として実行されうる。
【0023】
図4は、情報処理装置300(制御部310)によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理装置300(制御部310)は、接続部311と、入力部312と、取得部313と、出力部314と、評価部315と、監視部316とを備える。
【0024】
接続部311は、外部装置と接続するように構成される。例えば、接続部311は、管理サーバ200と接続する。
【0025】
入力部312は、種々の情報を入力するように構成される。例えば、入力部312は、登記に関する情報を管理サーバ200に入力する。
【0026】
取得部313は、種々の情報を取得するように構成される。例えば、取得部313は、登記に関する情報を管理サーバ200に入力する。
【0027】
出力部314は、種々の情報を出力するように構成される。例えば、出力部314は、管理サーバ200から取得した登記に関する情報を出力する。
【0028】
評価部315は、種々の情報を評価するように構成される。例えば、評価部315は、対象物件に係る登記に関する情報に基づいて、対象物件を評価する。
【0029】
監視部316は、種々の情報を監視するように構成される。例えば、監視部316は、対象物件に係る登記に関する情報の変更を監視する。
【0030】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理装置300の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、情報処理装置300における各ステップをコンピュータに実行させる。
【0031】
図5は、情報処理装置300によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明するものとする。ここでは、対象物件は、法人と不動産とを含む概念であるが、特に、対象とする法人を示すものとして説明する。また、管理サーバ200は、法人や不動産の登記に関する情報を管理するサーバであるが、特に、法人の登記に関する情報を管理するサーバとして説明する。
【0032】
まず、接続部311が接続ステップを実行する(アクティビティA110)。接続ステップでは、接続部311は、登記に関する情報を管理する管理サーバ200に接続する。すなわち、情報処理装置300と管理サーバ200とが、それぞれの通信部350及び通信部250を介して種々の情報を通信可能となるように接続する。ここで接続するとは、換言すると、情報処理装置300が管理サーバ200にアクセスすることを示す。例えば、情報処理装置300は、Webブラウザを介して、管理サーバ200に接続してもよいし、APIを介して、管理サーバ200に接続してもよい。
【0033】
続いて、入力部312が入力ステップを実行する(アクティビティA120)。入力ステップでは、入力部312は、対象物件を識別可能な識別情報を管理サーバ200に入力する。すなわち、制御部310が、記憶部320に記憶された識別情報を読み出し、入力処理を実行することで、管理サーバ200の入力受付欄(例えば、
図6の入力欄261)に当該識別情報を入力し、当該識別情報によって識別される対象物件の登記に関する情報を検索する。
【0034】
図6は、入力ステップを実行するための管理画面の一例を示す図である。管理画面260は、入力欄261及び検索ボタン262を含む。入力部312は、記憶部320に記憶された識別情報を読み出し、入力欄261に当該識別情報を入力する。次に、入力部312は、検索ボタン262を押下する。そして、管理画面260は、
図7に示す管理画面270又は
図8に示す管理画面280に遷移する。
図7及び
図8の説明は後述する。
【0035】
続いて、取得部313が取得ステップを実行する(アクティビティA130)。取得ステップでは、取得部313は、管理サーバ200の応答を取得する。すなわち、情報処理装置300における通信部350が管理サーバ200の応答を受信し、情報処理装置300における制御部310が、受信した当該応答を記憶部320に記憶させる。ここで応答は、入力ステップが実行された場合の、登記に関する情報の検索結果を示す(例えば、
図7及び
図8)。換言すると、応答は、対象の法人について、登記の手続中ではないため最新の登記簿の内容を取得することができること、又は、登記の手続中であるため最新の登記簿の内容を取得することができないことを示す情報のことである。
【0036】
図7及び
図8は、登記の情報の検索結果の一例を示す図である。
図7では、対象の法人「株式会社ABC」について、登記の手続中ではない場合を示す。この場合、管理画面270には、一例として、会社法人等番号、商号、本店所在地が表示される。
図8では、対象の法人「株式会社ABC」について、登記の手続中である場合を示す。この場合、管理画面270には、一例として、「登記手続中」の文字が表示される。
図8では、対象の法人(例えば株式会社ABC)が登記の手続中であるため、当該法人についての最新の登記簿の内容を取得することができない。
【0037】
続いて、アクティビティA140の処理に移行する。アクティビティA140では、アクティビティA120でまだ入力していない識別情報があるか否かを判断する。本実施形態では、対象物件を識別可能な識別情報は、情報処理装置300のユーザによって指定される。ここで、まだ入力していない識別情報がある場合は(アクティビティA140のYes)、アクティビティA120の処理に戻る。すなわち、アクティビティA120の入力ステップでは、入力部312は、管理サーバ200の応答を取得する毎に、未入力の識別情報を管理サーバ200に逐次入力する。入力部312は、例えば
図7の管理画面270又は
図8の管理画面280において、追加入力ボタン272を押下するように機能する。そして、
図7の管理画面270又は
図8の管理画面280から
図6の管理画面260に戻って、入力部312は、入力欄261に未入力の識別情報を入力する。つまり、ユーザによって指定された全ての識別情報が入力部312によって入力されるまで、アクティビティA120からアクティビティA140の処理はループする。
【0038】
なお、本実施形態では、
図6に示すように、管理画面260の入力欄261が一つの場合を例示したが、これに限られず、複数の入力欄261が設けられてもよい。例えば、管理画面260に入力欄261が三つ設けられる場合において、情報処理装置300のユーザによって三つの法人についての登記の変更状況を確認することを指定されたときは、三つの識別情報がそれぞれ三つの入力欄261に入力されるため、上述のループ処理は実行されない。
【0039】
そして、全ての識別情報が入力された場合は(アクティビティA140のNo)、アクティビティA150の処理に移行する。入力部312は、例えば
図7の管理画面270又は
図8の管理画面280において、確認ボタン271を押下するように機能する。そして、
図7の管理画面270又は
図8の管理画面280から
図10の通知画面291又は
図11の出力画面292に遷移する。アクティビティA120からアクティビティA140までの処理によれば、複数の法人についての登記の変更状況を一度に確認することができる。
【0040】
続いて、アクティビティA150の処理に移行する。アクティビティA150では、管理サーバ200の応答に特定の文字列が含まれるか否かを判断する。ここで特定の文字列は、例えば
図8に示すように、「登記手続中」の文字列のことを示すが、管理サーバ200の仕様に合わせて適宜設定可能である。なお、特定の文字列が含まれるか否かは、例えば、管理画面280の表示内容をOCR等で抽出し、記憶部320に予め記憶されたルックアップテーブルと照合することで判断すればよい。管理サーバ200の応答に特定の文字列が含まれる場合は(アクティビティA150のYes)、アクティビティA200の処理に移行する。これに対し、管理サーバ200の応答に特定の文字列が含まれない場合は(アクティビティA150のNo)、アクティビティA160の処理に移行する。
【0041】
続いて、取得部313が取得ステップを実行する(アクティビティA160)。取得ステップでは、取得部313は、特定の文字列が応答に含まれない場合、対象物件に係る登記簿の内容を取得する。ここで、登記簿の内容は、例えば、登記事項証明書の内容をOCR等で抽出して記憶部320に記憶させたものを示す。
図9は、記憶部320に記憶させた登記事項証明書の内容の一例を示す図である。対象物件に係る登記簿の内容を取得することにより、ユーザは、情報処理装置300の記憶部320から登記簿の内容を読み出せば、対象の法人についての登記簿の内容をいつでも確認することができる。
【0042】
続いて、評価部315が評価ステップを実行する(アクティビティA170)。評価ステップでは、評価部315は、対象物件に係る登記簿の内容に基づいて、当該対象物件を評価する。すなわち、制御部310が、記憶部320に記憶された登記簿の内容を読み出し、評価処理を実行することで、対象の法人を評価する。
図10は、登記簿の内容に変更があった場合の通知と評価の一例を示す図である。
図10では、株式会社ABCの評価が示されている。ここで評価は、例えば、本店所在地から特定されたオフィスの賃料に応じたものであってもよいし、役員が減った場合にマイナス評価をしてもよいし、新たに取締役会が設置された場合にプラス評価をしてもよい。これらの評価は適宜設定されればよい。このように対象物件を評価することにより、対象物件に対して与信管理を行うことができる。
【0043】
続いて、監視部316が監視ステップを実行する(アクティビティA180)。監視ステップでは、監視部316は、対象物件に係る登記簿の内容の変更を監視する。すなわち、制御部310が、記憶部320に記憶された登記簿の内容と、取得ステップで取得した登記簿の内容とを比較することで、対象物件に係る登記簿の内容の変更を監視する。登記簿の内容に変更がない場合は(アクティビティA180のNo)、アクティビティA200の処理に移行する。これに対し、登記簿の内容に変更がある場合は(アクティビティA180のYes)、登記簿の変更箇所を記憶部320に記録する(アクティビティA190)。記憶部320に記録された登記簿の変更箇所は、ユーザによって読み出し可能にされてもよいし、後述の出力部314によって出力されてもよい。登記簿の内容を逐次アップデートすることにより、ユーザは、登記簿謄本を別途取得することなく、対象物件の登記簿の内容を把握することができる。監視部316によれば、ユーザは、登記簿の変更箇所を容易に知ることができる。
【0044】
続いて、アクティビティA200の処理に移行する。アクティビティA200では、入力された全ての識別情報について、アクティビティA150からアクティビティA190までの処理が完了したか否かを判断する。すなわち、アクティビティA150からアクティビティA190までの処理は、識別情報1つ1つに対して行われる。全ての識別情報について処理が完了していなければ(アクティビティA200のNo)、アクティビティA150の処理に戻る。これに対し、全ての識別情報について処理が完了していれば(アクティビティA200のYes)、アクティビティA210の処理に移行する。
【0045】
続いて、出力部314が出力ステップを実行する(アクティビティA210)。出力ステップでは、出力部314は、特定の文字列が管理サーバ200の応答に含まれるか否かに応じて、対象物件に係る登記の状況に関する情報を出力する。すなわち、制御部310が、記憶部320に記憶された管理サーバ200の応答を読み出し、出力処理を実行することで、対象の法人に係る登記の状況に関する情報を出力する。
【0046】
図11は、出力された登記の状況に関する情報の一例を示す図である。
図11に示すように、登記の状況に関する情報は、スプレッドシート形式等で出力されればよい。
図11の例では、法人番号、商号、登記簿取得日、登記手続の有無、日付が記載されている。
【0047】
法人番号は、本実施形態の識別情報に対応している。商号は、法人番号に対応して記載されている。登記簿取得日は、取得部313によって登記簿の内容を取得した日付が記載されている。例えば、株式会社ABCについて、2020年9月3日に登記簿の内容を取得したことを示す。登記手続の有無は、登記の状況に関する情報を出力した時点で、登記の手続中であれば「有」、登記の手続中でなければ「無」が記載されている。日付は、対象物件に係る登記の状況に関する情報を出力した日付を示し、対象物件が登記の手続中であった時点が分かるように、「登記手続中」及び「-」がそれぞれ記載されている。すなわち、出力部314は、特定の文字列が管理サーバ200の応答に含まれる場合、対象物件が登記の手続き中である旨を出力する。
【0048】
このように、出力部314によれば、対象の法人の登記変更状況をタイムリーにキャッチすることができる。
【0049】
また、
図10に示すように、出力部314は、対象物件に係る登記簿の内容が変更された場合、変更箇所に関する情報を出力する。
図10では、株式会社ABCについて、新たに取締役会が設置されたことが分かる。これによれば、対象物件について、登記簿の変更箇所を容易に知ることができる。
【0050】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、情報処理装置300における各ステップをコンピュータに実行させる。
【0051】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記入力ステップでは、前記応答を取得する毎に、未入力の識別情報を前記管理サーバに逐次入力する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記出力ステップでは、前記特定の文字列が前記応答に含まれる場合、前記対象物件が登記の手続き中である旨を出力する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記取得ステップでは、前記特定の文字列が前記応答に含まれない場合、前記対象物件に係る登記簿の内容を取得する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、評価ステップを実行するように構成され、前記評価ステップでは、前記登記簿の内容に基づいて、前記対象物件を評価する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、監視ステップを実行するように構成され、前記監視ステップでは、前記登記簿の内容の変更を監視し、前記出力ステップでは、前記登記簿の内容が変更された場合、変更箇所に関する情報を出力する、情報処理装置。
情報処理方法であって、前記情報処理装置における各ステップをコンピュータに実行させる、情報処理方法。
プログラムであって、前記情報処理装置における各ステップをコンピュータに実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0052】
100 :情報処理システム
200 :管理サーバ
210 :制御部
220 :記憶部
230 :通信バス
250 :通信部
260 :管理画面
261 :入力欄
262 :検索ボタン
270 :管理画面
271 :確認ボタン
272 :追加入力ボタン
280 :管理画面
291 :通知画面
292 :出力画面
300 :情報処理装置
310 :制御部
311 :接続部
312 :入力部
313 :取得部
314 :出力部
315 :評価部
316 :監視部
320 :記憶部
330 :表示情報生成部
340 :入力受付部
350 :通信部
360 :通信バス
400 :ネットワーク