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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182193
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】ステータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/02 20060101AFI20221201BHJP
   H02K 15/12 20060101ALI20221201BHJP
   H02K 21/24 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
H02K15/02 D
H02K15/12 D
H02K21/24 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089596
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】▲ウー▼ 耿彰
(72)【発明者】
【氏名】顔 國智
(72)【発明者】
【氏名】游 欣璋
【テーマコード(参考)】
5H615
5H621
【Fターム(参考)】
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB07
5H615BB15
5H615PP06
5H615SS18
5H621GA04
5H621GA13
5H621JK01
5H621JK07
5H621JK14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回路基板に電子部品を実装するステータを容易に製造することができるステータの製造方法を提供する。
【解決手段】中心軸を中心として回転するロータに対向配置されるステータの製造方法は、回路パターンを有する絶縁性の基板に環状のステータカバーを実装し、基板のステータカバーの内側にステータコアを実装し、ステータコアの周囲にコイルを実装し、コイルを回路パターンに接続する第1工程と、ステータカバーの内側に液状の熱硬化性樹脂を注入する第2工程と、熱硬化性樹脂を加熱して硬化させることによりステータカバーとステータコアとコイルとを基板上に固定する第3工程と、基板に電子部品を実装して回路パターンに接続する第4工程と、基板のステータカバー、ステータコア、コイル及び電子部品を実装している実装領域を、基板の実装領域の周囲の非実装領域より切断する第5工程と、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を中心として回転するロータに対向配置されるステータの製造方法であって、
回路パターンを有する絶縁性の基板に環状のステータカバーを実装し、前記基板の前記ステータカバーの内側にステータコアを実装し、前記ステータコアの周囲にコイルを実装し、前記コイルを前記回路パターンに接続する第1工程と、
前記ステータカバーの内側に液状の熱硬化性樹脂を注入する第2工程と、
前記熱硬化性樹脂を加熱して硬化させることにより前記ステータカバーと前記ステータコアと前記コイルとを前記基板上に固定する第3工程と、
前記基板に電子部品を実装して前記回路パターンに接続する第4工程と、
前記基板の前記ステータカバー、前記ステータコア、前記コイル及び前記電子部品を実装している実装領域を、前記基板の前記実装領域の周囲の非実装領域より切断する第5工程と、
を有することを特徴とするステータの製造方法。
【請求項2】
前記第4工程は、
前記電子部品を前記基板に表面実装する、
ことを特徴とする請求項1記載のステータの製造方法。
【請求項3】
前記基板の前記実装領域と前記非実装領域との間に設けられる板厚方向に貫通するスリット部において前記実装領域と前記非実装領域とを連結する連結部を有する前記基板を用意する工程をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のステータの製造方法。
【請求項4】
前記第1工程は、
前記連結部と前記ステータカバーに設けた凹溝部とを係合させると共に、前記スリット部に前記ステータカバーを挿入することにより前記ステータカバーを前記基板に実装する、
ことを特徴とする請求項3記載のステータの製造方法。
【請求項5】
前記第5工程は、
前記連結部を切断することにより前記実装領域を前記非実装領域より切断する、
ことを特徴とする請求項3または請求項4記載のステータの製造方法。
【請求項6】
前記第4工程は、
前記電子部品として電源端子及び信号端子を備えたコネクタを前記基板に実装して、前記電源端子及び前記信号端子を前記回路パターンに接続する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のステータの製造方法。
【請求項7】
前記第4工程は、
前記電子部品として前記ロータの位置を検出するセンサを前記基板に実装して、前記センサの端子部を前記回路パターンに接続する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のステータの製造方法。
【請求項8】
前記第1工程は、
前記基板に設けた板厚方向に貫通する嵌合孔に前記ステータコアを嵌合することにより、前記基板に前記ステータコアを実装する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のステータの製造方法。
【請求項9】
前記ステータは、
前記ロータと前記中心軸方向に対向配置される、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のステータの製造方法。
【請求項10】
前記第4工程は、
前記ステータの径方向において前記ステータコアより前記中心軸に近い位置または遠い位置に前記電子部品を実装する、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のステータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中心軸を中心として回転するロータに対向配置されるステータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中心軸を中心として回転するロータに対向配置されるステータを有するモータが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1は、ステータコアのティース部を残して覆ったインシュレータに巻線を巻回した9個のコアメンバーを環状に連結した状態で、モールド樹脂で一体的に形成されているステータを有するアキシャルギャップ型電動機を開示している。特許文献1のステータでは、シャフトが挿入されるシャフト挿入孔と、シャフト挿入孔に連続的に形成され、ベアリングがそれぞれ収容される一対のベアリング収容穴と、回路基板が配置される基板配置段部と、ブラケット蓋がそれぞれ嵌合される一対の蓋嵌合段部とがモールド樹脂で一体的に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-182862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、回路基板に実装される電子部品に関する記載がないと共に、ステータの製造方法についての具体的な記載もないため、回路基板に電子部品を実装するステータを容易に製造することについて改善の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、回路基板に電子部品を実装するステータを容易に製造することができるステータの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るステータの製造方法は、中心軸を中心として回転するロータに対向配置されるステータの製造方法であって、回路パターンを有する絶縁性の基板に環状のステータカバーを実装し、前記基板の前記ステータカバーの内側にステータコアを実装し、前記ステータコアの周囲にコイルを実装し、前記コイルを前記回路パターンに接続する第1工程と、前記ステータカバーの内側に液状の熱硬化性樹脂を注入する第2工程と、前記熱硬化性樹脂を加熱して硬化させることにより前記ステータカバーと前記ステータコアと前記コイルとを前記基板上に固定する第3工程と、前記基板に電子部品を実装して前記回路パターンに接続する第4工程と、前記基板の前記ステータカバー、前記ステータコア、前記コイル及び前記電子部品を実装している実装領域を、前記基板の前記実装領域の周囲の非実装領域より切断する第5工程と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回路基板に電子部品を実装するステータを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るステータを備えるアキシャルモータの斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るステータを備えるアキシャルモータの分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るステータのステータコイルアセンブリの斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るステータのステータカバーの斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係るステータの製造方法を示すフロー図である。
図6】本発明の実施形態に係るステータの製造方法の第1工程を示す分解斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係るステータの製造方法の第1工程を示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係るステータの製造方法の第2工程及び第3工程を示す斜視図である。
図9】本発明の実施形態に係るステータの製造方法の第4工程を示す斜視図である。
図10】本発明の実施形態に係るステータの製造方法の第5工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るステータを備えるアキシャルモータ及びステータについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
【0011】
<アキシャルモータの構成>
本発明の実施形態に係るステータ2を備えるアキシャルモータ100の構成について、図1及び図2を参照しながら、詳細に説明する。
【0012】
アキシャルモータ100は、回転駆動するロータ1と、ロータ1を回転させるためのステータ2と、ベアリング15と、を有している。
【0013】
ロータ1は、シャフト11と、ヨーク12と、磁石13と、ヨーク14と、エンコーダディスク16と、を備えている。
【0014】
シャフト11は、ヨーク12、エンコーダディスク16、ステータコイルアセンブリ21及びフロントカバー23を挿通しており、ステータ2に対してロータ1を相対的に回転させる回転軸(中心軸)である。
【0015】
ヨーク12は、回転軸方向においてステータコイルアセンブリ21の一方の面(図2において上面)と対向配置されており、シャフト11に取り付けられている。
【0016】
磁石13は、ヨーク12のステータコイルアセンブリ21との対向面において周方向に沿って配列されていると共に、ヨーク14のステータコイルアセンブリ21との対向面において周方向に沿って配列されている。
【0017】
ヨーク14は、回転軸方向においてステータコイルアセンブリ21の他方の面(図2において下面)と対向配置されており、シャフト11に取り付けられている。
【0018】
エンコーダディスク16は、ステータコイルアセンブリ21のヨーク14との対向面に設けられている。
【0019】
ステータ2は、ロータ1と回転軸方向に対向配置され、ステータコイルアセンブリ21と、フロントカバー23と、リアカバー24と、を備えている。
【0020】
ステータコイルアセンブリ21は、ヨーク12とヨーク14との間に設けられている。ステータコイルアセンブリ21は、ロータ1と中心軸方向において対向配置されている。なお、ステータコイルアセンブリ21の構成の詳細については後述する。
【0021】
フロントカバー23は、ヨーク12を収容すると共にフロントボルト25によってステータコイルアセンブリ21を締め付けて固定している。
【0022】
リアカバー24は、ヨーク14を収容すると共にリアボルト26によってステータコイルアセンブリ21を締め付けて固定している。
【0023】
ベアリング15は、ステータコイルアセンブリ21のヨーク12との対向面側及びヨーク14との対向面側に設けられており、シャフト11を回転可能に支持している。
【0024】
<ステータコイルアセンブリの構成>
本発明の実施形態に係るステータ2のステータコイルアセンブリ21の構成について、図2から図4を参照しながら、詳細に説明する。
【0025】
ステータコイルアセンブリ21は、ステータカバー211と、基板212と、ステータコア213と、コイル214と、磁気センサ215と、エンコーダセンサIC216と、電源信号端子セット217と、ベアリングホルダ219と、を有している。
【0026】
ステータカバー211は、環状である。ステータカバー211には、周方向に90度間隔で凹溝部211Aが設けられている。ステータカバー211は、フロントカバー23を締め付けるためのフロントボルト25及びリアカバー24を締め付けるためのリアボルト26が圧入される締結孔211Bが凹溝部211Aの間に設けられている。
【0027】
基板212は、絶縁性を有する材料によって形成されており、連結部212Aと、メイン基板212Cと、を備えている。メイン基板212Cには、図示しない導電性の回路パターンが印刷によって形成されており、この回路パターンに接続されるステータコア213、コイル214、磁気センサ215、エンコーダセンサIC216、電源信号端子セット217及びベアリングホルダ219が実装されている。
【0028】
ステータコア213は、メイン基板212Cのステータカバー211の内側にシャフト11を中心にして放射状に実装されている。ステータコア213は、周方向に沿って間隔を有してメイン基板212Cに複数実装されている。
【0029】
コイル214は、ステータコア213の周囲に実装されており、メイン基板212Cの回路パターンに接続している。なお、ステータコア213及びコイル214は、図3に示す数に限らず、1つ以上設けられていれば任意の数にすることができる。
【0030】
磁気センサ215は、メイン基板212Cのステータ2及びステータコイルアセンブリ21の径方向において、ステータコア213よりもシャフト11(中心軸)から遠い位置に実装されている。磁気センサ215は、SMT(Surface Mount Technology)によってメイン基板212Cに表面実装されている。磁気センサ215は、コイル214の磁界を検出し、検出結果に応じた電気信号をメイン基板212Cの回路パターンを介してコネクタ217Aに出力する。
【0031】
エンコーダセンサIC216は、メイン基板212Cのステータ2及びステータコイルアセンブリ21の径方向において、ステータコア213よりもシャフト11(中心軸)に近い位置に実装されている。エンコーダセンサIC216は、SMTによってメイン基板212Cに表面実装されている。エンコーダセンサIC216は、エンコーダディスク16を読み取ることによりロータ1の位置を検出し、検出結果に応じた電気信号をメイン基板212Cの回路パターンを介してコネクタ217Aに出力する。
【0032】
電源信号端子セット217は、コネクタ217Aと、電源コネクタ217Bと、から構成されている。電源信号端子セット217は、SMTによってメイン基板212Cに表面実装されている。
【0033】
コネクタ217Aは、メイン基板212Cに実装されている。コネクタ217Aは、図示しない信号端子がメイン基板212Cの回路パターンに接続されており、メイン基板212Cの回路パターンを介して磁気センサ215及びエンコーダセンサIC216と接続している。コネクタ217Aには、図示しない相手側コネクタと嵌合して磁気センサ215又はエンコーダセンサIC216から出力される電気信号を外部に出力する。
【0034】
電源コネクタ217Bは、メイン基板212Cに実装されている。電源コネクタ217Bは、図示しない電源端子がメイン基板212Cの回路パターンに接続されており、メイン基板212Cの回路パターンを介してコイル214と接続している。電源コネクタ217Bは、図示しない相手側コネクタと嵌合してコイル214に電力を供給する。
【0035】
ベアリングホルダ219は、メイン基板212Cに取り付けられている。ベアリングホルダ219は、シャフト11が挿通されると共に、ベアリング15を保持している。
【0036】
<ステータの製造方法>
本発明の実施形態に係るステータ2の製造方法について、図2及び図5から図10を参照しながら、詳細に説明する。なお、図7では、ツーリングフレーム基板212Bの記載を省略している。
【0037】
まず、スリット部212Dにおいてメイン基板212Cとツーリングフレーム基板212Bとを連結する連結部212Aを有する図6に示す基板212を用意する。
【0038】
ここで、基板212は、連結部212Aと、ツーリングフレーム基板212Bと、メイン基板212Cと、から構成されている。
【0039】
メイン基板212Cは、基板212の板厚方向に貫通すると共にステータコア213を嵌合するための嵌合孔212Fを備えている。嵌合孔212Fは、シャフト11が挿通される中心軸を中心にして放射状に設けられている。ツーリングフレーム基板212Bとメイン基板212Cとの間には、基板212の板厚方向に貫通しているスリット部212Dが設けられている。
【0040】
次に、図6に示すように、回路パターンを有する絶縁性のメイン基板212Cに環状のステータカバー211を実装し、メイン基板212Cのステータカバー211の内側にステータコア213を実装し、ステータコア213の周囲にコイル214を実装し、コイル214をメイン基板212Cの回路パターンに接続する(第1工程)(S1)。これにより、図7に示す状態になる。
【0041】
また、第1工程において、連結部212Aとステータカバー211に設けた凹溝部211Aとを係合させると共に、スリット部212Dにステータカバー211を挿入することによりステータカバー211をメイン基板212Cに実装する。これにより、基板212上にステータカバー211を容易に位置決めすることができる。
【0042】
更に、第1工程において、嵌合孔212Fにステータコア213を嵌合することにより、メイン基板212Cにステータコア213を実装する。これにより、メイン基板212Cに対してステータコア213を容易に位置決めすることができる。
【0043】
次に、図8に示すように、ステータカバー211の内側のステータカバー211とコイル214との隙間に液状の熱硬化性樹脂を注入する(第2工程)(S2)。
【0044】
次に、熱硬化性樹脂を加熱して硬化させることにより樹脂部218を形成して、ステータカバー211とステータコア213とコイル214とをメイン基板212C上に固定する(第3工程)(S3)。磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217をメイン基板212Cに実装する前に、熱硬化性樹脂を加熱して樹脂部218を形成することにより、磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217の加熱による破損を防ぐことができる。
【0045】
次に、図9に示すように、図8に示す状態に対して上下を反対にして、メイン基板212Cに電子部品である磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217を表面実装してメイン基板212Cの回路パターンに接続する(第4工程)(S4)。この際に、磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217は、チップマウンター等の自動機によってメイン基板212Cに表面実装される。また、メイン基板212Cの周囲に配置されているツーリングフレーム基板212Bは、自動機内を搬送される際に自動機によって支持される。ツーリングフレーム基板212Bを設けることによって、自動機内のベルトコンベアにおいて基板212の位置決めを容易に行うことができる。
【0046】
次に、図10に示すように、連結部212Aを切断することにより、ステータカバー211、ステータコア213、コイル214、磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217を実装している実装領域であるメイン基板212Cを、メイン基板212Cの周囲の非実装領域であるツーリングフレーム基板212Bより切断する(第5工程)(S5)。このように、連結部212Aを切断することによりメイン基板212Cとツーリングフレーム基板212Bとを切断することができるため、メイン基板212Cとツーリングフレーム基板212Bとを容易に切断することができる。
【0047】
連結部212Aを切断することにより、ツーリングフレーム基板212Bにはバリ212Eが残ると共にステータコイルアセンブリ21の連結部212Aの断面212Gにもバリが残り、更に断面212Gは破断面となる。
【0048】
上記の製造方法によって製造されたステータコイルアセンブリ21を用いて、図2に示す配置となるようにステータ2を製造する。
【0049】
このように、本実施形態によれば、熱硬化性樹脂を加熱して硬化させることによりステータカバー211とステータコア213とコイル214とをメイン基板212C上に固定する第3工程の後に、メイン基板212Cに磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217を実装して回路パターンに接続する第4工程を行うことにより、熱硬化性樹脂を硬化させる際の加熱によって磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217が高温で加熱されることを防ぐことができ、メイン基板212Cに磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217を実装するステータコイルアセンブリ21を容易に製造することができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、第4工程において、メイン基板212Cに磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217をメイン基板212Cに表面実装することにより、メイン基板212Cに磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217とメイン基板212Cの回路パターンとを接続する作業を、自動化SMT生産ラインによって自動化することができ、工数を大幅に短縮することがきると共に、製造コストを削減することができる。
【0051】
上述した実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0052】
具体的には、上記実施形態において、ステータコイルアセンブリ21をアキシャルフラックスモータ100に設けたが、これに限らず、ステータコイルアセンブリ21をアキシャルフラックスモータ以外のモータに設けてもよい。
【0053】
また、上記実施形態において、ステータコア213を設けたが、これに限らず、ステータコア213を設けなくてもよい。
【0054】
また、上記実施形態において、磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217の電子部品をメイン基板212Cに表面実装したが、これに限らず、電子部品をメイン基板にスルーホール実装等の表面実装以外の実装方法によって実装してもよい。
【0055】
また、上記実施形態において、磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217を自動機によってメイン基板212Cに表面実装したが、これに限らず、磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217を手作業によってメイン基板212Cに実装してもよい。
【0056】
また、上記実施形態において、電子部品として磁気センサ215、エンコーダセンサIC216及び電源信号端子セット217をメイン基板212Cに実装したが、これに限らず、必要に応じて任意の電子部品をメイン基板に実装することができる。
【0057】
また、上記実施形態において、ステータ2及びステータコイルアセンブリ21の径方向において、ステータコア213よりもシャフト11(中心軸)から遠い位置に磁気センサ215を実装すると共に、ステータコア213よりもシャフト11(中心軸)に近い位置にエンコーダセンサIC216を実装したが、これに限らず、メイン基板の任意の位置に磁気センサ及びエンコーダを実装することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 ロータ
2 ステータ
11 シャフト
12 ヨーク
13 磁石
14 ヨーク
15 ベアリング
16 エンコーダディスク
21 ステータコイルアセンブリ
23 フロントカバー
24 リアカバー
25 フロントボルト
26 リアボルト
100 アキシャルモータ
211 ステータカバー
211A 凹溝部
211B 締結孔
212 基板
212A 連結部
212B ツーリングフレーム基板
212C メイン基板
212D スリット部
212E バリ
212F 嵌合孔
212G 断面
213 ステータコア
214 コイル
215 磁気センサ
216 エンコーダ
217 電源信号端子セット
217A コネクタ
217B 電源コネクタ
218 樹脂部
219 ベアリングホルダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10