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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182206
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】部品供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20221201BHJP
   B65B 7/28 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
B65G47/14 102B
B65B7/28 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089646
(22)【出願日】2021-05-27
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】500315460
【氏名又は名称】池田機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
(72)【発明者】
【氏名】吉 川 秀 貴
【テーマコード(参考)】
3E049
3F080
【Fターム(参考)】
3E049AA01
3E049AB02
3E049BA02
3E049CA07
3E049DA01
3E049EA01
3E049EA08
3E049EB01
3E049EC03
3F080AA03
3F080AA22
3F080BA02
3F080BC01
3F080BF07
3F080CC01
3F080CC23
3F080CC28
3F080CF02
3F080DA03
3F080DA07
3F080DA16
3F080DB03
3F080DB09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】構造の簡素化、軽量化および省スペース化を達成し、静粛に動作し、対象部品を傷付けること無く、選別精度および選別作業の効率を向上させる部品供給技術を提供する。
【解決手段】外周に吸着点23が配され、傾斜された搬送面壁20を回転駆動する回転駆動源が設けられた搬送回転盤2を有し、送出口43を有するボウル4が設けられ、先端角50と中央端52と先端角50から送出口43に至る剥離エッジ51と中央端52の搬送面壁20の中心Cから送出口43に至る滑落端53とを有する剥離板5を具備する表裏選別ツールFSが配設され、剥離板5には先端角50寄りとなる上位に粗選別エッジ60を有する粗選別域6が配され、送出口43の下流端寄りとなる最下位に細選別エッジ80を有する細選別域8が配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に対し、対象部品の滑落する滑落角度に直交する傾斜姿勢に不動状に支持されてなるボウルの底部寄りの深さ位置に、この滑落角度に傾斜させた円板形の搬送面壁を有し、該搬送面壁の外周に沿った複数箇所に、当該対象部品を吸着する吸着点が配され、傾斜させた搬送面壁を回転駆動する回転駆動源が設けられた搬送回転盤を有し、周壁の遠心がわには該対象部品を送出可能な送出口が開口されたボウルが設けられ、先端角と、中央端と、該先端角から該送出口に至る剥離エッジと、該中央端の搬送面壁の中心から該送出口に至る滑落端とを有する剥離板を具備する表裏選別ツールが配設され、該剥離板には、先端角寄りとなる上位に粗選別エッジを有する粗選別域が配され、該送出口の下流端寄りとなる最下位に、細選別エッジを有する細選別域が配置されようにしてなる、円板状の裏面外周縁の断面の曲率半径が、天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定された対象部品を表姿勢に整列するものとしたことを特徴とする部品供給装置
【請求項2】
対象部品の複数個を収容可能な筒状のボウルが、水平に対して対象部品の滑落する滑落角度に直交する傾斜姿勢に不動状に支持され、該ボウルの底部寄りの深さ位置に、この滑落角度に傾斜させた円板形の搬送面壁を有し、該搬送面壁の外周に沿った複数箇所に対象部品を吸着する吸着点が配され、当該搬送面壁を回転駆動する回転駆動源が設けられた搬送回転盤が配され、このボウルの周壁には、該搬送面壁が時計回りに回転する場合には2時ないし4時方向、該搬送面壁が反時計回りに回転する場合には8時ないし10時方向の遠心がわに対象部品を送出可能な送出口が開口され、該送出口から搬送面壁の中心に至る範囲には剥離板を有する表裏選別ツールが不動状に配設され、該剥離板は、搬送面壁の中心の12時方向に一致された場合の吸着点の位置から対象部品の直径を超える寸法分6時方向となる位置ないし該搬送面壁の中心の間の何れかの位置に先端角を有し、該搬送面壁の中心ないし先端角に至る中央端と、先端角から送出口の上流端に至る剥離エッジと、中央端の搬送面壁の中心から送出口の下流端に至る滑落端とを有し、この剥離板には、先端角寄りの上位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも僅かに小さく設定された粗選別エッジを有する粗選別域が配され、送出口の下流端寄りの下位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または極僅かに大きく、しかも同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定された細選別エッジを有する細選別域が配置されてなるものとしたことを特徴とする部品供給装置。
【請求項3】
円板状の裏面外周縁の断面の曲率半径が、天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定された対象部品を表姿勢に整列する部品供給装置であって、筒状のボウルが、水平に対して対象部品の滑落する滑落角度に直交する傾斜姿勢に不動状に支持され、該ボウルの底部寄りの深さ位置に、この滑落角度に傾斜させた円板形の搬送面壁を有し、該搬送面壁の外周に沿った複数箇所に対象部品を吸着する吸着点が配され、当該搬送面壁を回転駆動する回転駆動源が設けられた搬送回転盤が配され、このボウルの周壁には、該搬送面壁が時計回りに回転する場合には2時ないし4時方向、該搬送面壁が反時計回りに回転する場合には8時ないし10時方向の遠心がわに対象部品を送出可能な送出口が開口され、該送出口から搬送面壁の中心に至る範囲には剥離板を有する表裏選別ツールが不動状に配設され、該剥離板は、搬送面壁の中心の12時方向に一致された場合の吸着点の位置から該対象部品の直径を超える寸法分6時方向となる位置ないし搬送面壁の中心の間の何れかの位置に先端角を有し、該搬送面壁の中心ないし先端角に至る中央端と、該先端角から該送出口の上流端に至る剥離エッジと、中央端の搬送面壁の中心から該送出口の下流端に至る滑落端とを有し、この剥離板には、先端角寄りの上位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも僅かに小さく設定された粗選別エッジを有する粗選別域が配され、送出口の下流端寄りの下位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または極僅かに大きく、しかも同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定された細選別エッジを有する細選別域が配置され、吸着点に吸着された対象部品が、搬送面壁の6時の位置から時計回りまたは反時計回りの何れか一方の回転動に従い12時の位置まで移送されて位置エネルギーが付与され、表裏選別ツールの剥離エッジに乗り上げ、吸着点から剥離された対象部品が、粗選別域の粗選別エッジ、ないし細選別域の細選別エッジに順次係合するよう転落する過程で、天面外周縁が粗選別エッジないし細選別エッジの何れかに接した対象部品は、ボウル内の6時方向に滑落され、裏面外周角が粗選別エッジないし細選別エッジに係合された対象部品は、該粗選別エッジないし該細選別エッジを駆け下りるよう転動し、送出口より送出するものとされてなることを特徴とする部品供給装置。
【請求項4】
円板状の裏面外周縁の断面の曲率半径が、天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定された対象部品を表姿勢に整列する部品供給装置であって、筒状のボウルが、水平に対して対象部品の滑落する滑落角度に直交する傾斜姿勢に不動状に支持され、該ボウルの底部寄りの深さ位置に該滑落角度に傾斜された円板形の搬送面壁を有し、該搬送面壁の外周に沿った複数箇所に対象部品を吸着する吸着点が配され、搬送面壁を回転駆動する回転駆動源が設けられた搬送回転盤が配され、このボウルの周壁には、該搬送面壁が時計回りに回転する場合には2時ないし4時方向、該搬送面壁が反時計回りに回転する場合には8時ないし10時方向の遠心がわに対象部品を送出可能な送出口が開口され、該送出口から搬送面壁の中心に至る範囲には剥離板を有する表裏選別ツールが不動状に配設され、該剥離板は、該搬送面壁の中心の12時方向に一致された場合の吸着点の位置から該対象部品の直径を超える寸法分6時方向となる位置ないし該搬送面壁の中心の間の何れかの位置に先端角を有し、該搬送面壁の中心ないし該先端角に至る中央端と、該先端角から送出口の上流端に至る剥離エッジと、中央端の搬送面壁の中心から送出口の下流端に至る滑落端とを有し、該剥離板には、最も該先端角寄りの最上位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも僅かに小さく設定された粗選別エッジを有する粗選別域が配され、最も該送出口の下流端寄りの最下位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または極僅かに大きく、しかも同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定された細選別エッジを有する細選別域が配置され、該粗選別域と該細選別域との間となる中位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定された並選別エッジを有する並選別域が配され、該吸着点に吸着された対象部品が、搬送面壁の6時の位置から時計回りまたは反時計回りの何れか一方の回転動に従い12時の位置まで移送されて位置エネルギーが付与され、表裏選別ツールの剥離エッジに乗り上げ、吸着点から剥離された対象部品が、該粗選別域の粗選別エッジ、並選別域の並選別エッジ、および細選別域の細選別エッジに順次係合するよう転落する過程で、天面外周縁が粗選別エッジ、並選別エッジまたは細選別エッジの何れかに接した対象部品は、このボウル内の6時方向に滑落され、裏面外周角が粗選別エッジ、並選別エッジおよび細選別エッジに係合された対象部品は、該粗選別エッジ、該並選別エッジおよび該細選別エッジを駆け下りるよう転動し、送出口より送出するものとされてなることを特徴とする部品供給装置。
【請求項5】
円板状の裏面外周縁の断面の曲率半径が、天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定され、重心が天面寄りにある磁性素材製の対象部品を表姿勢に整列する部品供給装置であって、筒状のボウルが、水平に対し30°ないし60°の滑落角度に直交する傾斜姿勢に不動状に支持され、該ボウルの底部寄りの対象部品の複数個を収容可能な深さ位置に該対象部品が滑落するよう、水平に対し30°ないし60°の滑落角度に傾斜された円板形の搬送面壁を有し、該搬送面壁の外周に沿った複数箇所に、対象部品を吸着する永久磁石が埋設された吸着点が配され、当該搬送面壁を回転駆動する回転駆動源が設けられた搬送回転盤が配され、このボウルの周壁には、該搬送面壁が時計回りに回転する場合には2時ないし4時方向、該搬送面壁が反時計回りに回転する場合には8時ないし10時方向の遠心方向に該対象部品を送出可能な送出口が開口され、該送出口から搬送面壁の中心に至る範囲には、該搬送面壁に対し、回転上流から回転下流に向けて水平に対し45°ないし15°の離脱角度をなした剥離板を有する表裏選別ツールが不動状に配設され、該表裏選別ツールは、その剥離板の先端角が、搬送面壁の中心の12時方向に一致された場合の吸着点の位置から対象部品の直径を超える寸法分6時方向となる位置ないし該搬送面壁の中心の間の何れかであって、しかも搬送面壁の中心を通る12時方向線と、3時ないし6時または6時ないし9時の何れか一方の当該送出口の中央から水平線に対し12時方向に5°ないし25°傾く直線とが交叉する条件を満たす位置に配され、該剥離板は、先端角から送出口の上流端より僅かに12時方向寄りに至る剥離エッジと、先端角から搬送面壁の中心に至る中央端と、該中央端の搬送面壁の中心から送出口の下流端に至る滑落端とを有し、表裏選別ツールには、中央端から送出口に至る9時または3時方向の何れかの範囲の中、先端角寄りの最上位の粗選別域と、送出口寄りであって6時方向寄りとなる最下位の細選別域と、粗選別域と細選別域との間となる中位の並選別域とが配置され、該粗選別域には、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径より僅かに小さく設定され、該送出口に向けられた粗選別エッジ、および、レール幅が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも僅かに小さく設定され、該剥離板の上面から該粗選別エッジを越え、該送出口に向け緩やかな下り勾配とされた緩衝粗レールが設けられ、該並選別域には、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定され、送出口に向けられた並選別エッジ、およびレール幅が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定され、該剥離板の上面から並選別エッジを越えて送出口に向けられ、該緩衝粗レールよりも充分に大きな下り勾配とされた緩衝並レールが設けられ、細選別域には、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または極僅かに大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定され、送出口に向けた細選別エッジ、およびレール幅が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または極僅かに大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定され、該剥離板の上面から細選別エッジを越えて送出口に向けられ、緩衝並レールよりもさらに大きな下り勾配とされた緩衝細レールが設けられてなるものとしたことを特徴とする部品供給装置。
【請求項6】
表裏選別ツールの細選別域は、その細選別エッジが、中央端がわから送出口に向けて順次階段状に下る複数段が設けられ、また、その緩衝細レールには、レール幅が対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径より極僅かに大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも遙かに小さく設定され、粗選別域の緩衝粗レールよりも緩やかな下り勾配とされた最終選別レールが、剥離板の上面に対し、該緩衝細レールの中途部から該送出口に向けて設けられた、請求項5記載の部品供給装置。
【請求項7】
搬送回転盤の搬送面壁の中心を通る9時3時方向線よりも12時方向であって、しかも同搬送面壁の中心を通る12時方向線よりも同搬送回転盤の回転方向の上流がわとなる扇形範囲を包囲するボウルの内周壁に対し、同搬送面壁の吸着点を僅かに該搬送面壁の中心がわに超える長さ、ないし、同搬送面壁の中心に至る長さの何れかの長さに設定された排除板を、同搬送面壁から対象部品の1個分の厚み寸法分の間隔を隔てた位置に有する多重回避ツールが設けられた、前記請求項1ないし請求項6何れか一記載の部品供給装置。
【請求項8】
表裏選別ツールの12時方向に対峙するボウルの内周壁に対し、同ボウルの内周壁から搬送面壁の吸着点を同搬送面壁の中心がわに僅かに超える長さ、ないし、対象部品の1個の直径分の長さの何れかの長さに設定された誘導板を、同搬送面壁から該対象部品の1個分の厚み寸法分よりも短い間隔を隔てた位置に有する剥離補助ツールが設けられた、前記請求項1ないし請求項7何れか一記載の部品供給装置。
【請求項9】
表裏選別ツールの剥離板の滑落端から、搬送回転盤の回転方向に延伸され、該剥離板に天面壁を接して滑落して来る対象部品を搬送面壁の中心から遠心方向に誘導すると共に、該対象部品の表裏を反転するよう誘導する如くボウルの上端開口部がわに湾曲された反転誘導樋、および、該反転誘導樋の6時方向に対峙するボウルの内周壁に設けられ、該反転誘導樋から落下して来る対象部品を緩衝しつつ、該対象部品の裏面壁が該搬送回転盤の搬送面壁に着地するよう干渉する姿勢制御板からなる姿勢変換ツールが設けられた、前記請求項1ないし請求項8何れか一記載の部品供給装置。
【請求項10】
表裏選別ツールは、送出口に臨む基端が、ボウルの内周壁に結合され、回転駆動源は、その出力軸の搬送回転盤の搬送面壁がわに突出した先端が、表裏選別ツールの中央端に一体化された軸受けボックスに内装された軸受けに回転自在に支持され、該表裏選別ツールが、ボウルの内周壁と回転駆動源の出力軸との間に架け渡し状に支持されてなるものとされた、前記請求項1ないし請求項9何れか一記載の部品供給装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、対象部品の姿勢を同じ方向に揃えて連続的に自動供給可能とする部品供給装置に関連するものであり、特に、スクリューキャップやラグキャップ、ツイストキャップなどのように外郭形状が平板円形状、または、それに類似した平板形状の部品類の表裏姿勢を同じに揃えて自動供給可能とする部品供給装置を製造、提供する分野をはじめ、その分野には属していないが、そこでの技術的思想の創作内容を取り入れたと同定されるような類いのものを製造、提供する分野についてまでをも含むのは勿論のこと、それらの分野に係って行う輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
食品工場におけるジャム瓶の充填、包装工程は、瓶を充填装置に供給してジャムを充填した上、巻き締め装置のハンドリング部に供給し、ツイストキャップを該瓶に装着して巻き締めるという工程を経るのが一般的なものとなっており、こうした工程は、ジャム瓶の外、その他の食品瓶にスクリューキャップを装着する場合などにも略同様の工程を経ることとなり、何れの場合にも、巻き締め装置のハンドリング部に対して表がわを上向きの姿勢に揃えたツイストキャップまたはクスリューキャップを連続供給する必要があることから、瓶詰め食品を大量生産する場合にはキャップ用の部品供給装置の設置が必要となるが、キャップ用の部品供給装置には、キャップの姿勢を揃えるための選別作業の効率を高めると共に、キャップの姿勢選別に要する消費電力や消費エネルギーの削減が望ましいものである。
【0003】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、本願出願人が既に開発済みとしている、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、パーツ溜まり容器の底部のパーツ送り部が、その外周側壁とパーツ溜まり容器の内壁との間に、パーツ受け空間部を確保する如くして配された上、該パーツ受け空間部に、パーツ溜まり容器内に投入された、表裏面の区別を要する多数のパーツを、連続的に配列、供給し得るようにした環状配置の導出用溝路を形成する一方、前記導出用溝路の末端がわには、パーツを一個ずつ排出可能とし、パーツ表裏検知部を併設してなる吐出口が形成されると共に、該吐出口のパーツ吐き出し方向で、全形を露出した直後の最適な位置に合せ、パーツを、表裏何れか定められた面側を常に上向きまたは下向きに横転制御可能とする流体噴出部を配し、キャップの姿勢を揃えて送出するパーツ供給装置や、同特許文献1(2)に見られるような、長尺形状で、長手方向中央から偏心した位置にスプリングを備えた長尺状物品を整列する物品整列装置であって、移動可能に設けられると共に多数の上記物品を載置し、これらの物品を自重で滑落させ得るように傾斜して設けられた円板と、この円板の傾斜方向下側に設置されて滑落する上記物品を制止させるガイド板と、円板の移動方向に所定間隔を隔てて複数個上記円板に設置された磁石とを有する物品整列装置などが知られている。
【0004】
また、同特許文献1(3)のように、中心線と直交する平面に一方の天面の周縁部が接するようにできると共に、この周縁部の縦端面形状は角となっており、他方の裏面は、この条件を満足しないスナップ・ボタンを構成する材料を供給する装置であって、天面が上方へ向かうように傾斜して配置し所定方向に回転され、且つ、少なくとも表面の周縁部から内方に向かって所定の範囲に上昇するがわが尖るように僅かに鋸刃状断面になるように形成した係合面部を有する回転盤と、この回転盤の周囲を囲み内部へ材料を収容するようにした本体と、この本体に対して固定してあって係合面部に係合して上昇した材料を所定方向に導く案内部材と、この案内部材に導かれてきた材料が開口部を通って1列になって本体より下方へ導かれるようにした通路を有する通路部材とを設けるようにしたものにおいて、前記開口部は正逆何れかの向きの材料も通過させ得るに十分な広さを有する開口部であり、且つ、前記通路部材には本体内において、通路の一方がわが下方へ傾斜した通路の下方がわを僅かの高さだけ残して切り欠いて開放させた逃がし部が形成してあり、同特許文献1(3)の第3図に示されているように、当該回転盤の周囲に近い環状部分の鋸刃状の断面形状とされた係合面部の高い部分と低い部分の差が、例えば0.9~1.0mm程度とされ、本体内に収容された材料は、係合面部に引っ掛かることになる凹所のがわが係合面部に接触すると係合して上昇するが、反対の向きのものは上昇する段階で落下してしまうこととなり、同じ向きに揃った材料を送出することができるものとされたスナップ・ボタンの材料供給装置などが散見される。
【0005】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているようなパーツ供給装置は、パーツの表裏を識別するためにセンサー類が必要となる上、パーツの向きを変える流体噴出部には、不活性ガスや圧縮エア、水、油、その他の流体の供給が不可欠となり、コンプレッサーやポンプ、流体などを準備する必要があり、設備に要する経費および電力その他のランニングコストが嵩むという欠点を残すものであり、特許文献1(2)の物品整列装置は、遠心がわに磁石が設けられ傾斜された円板が回転し、該磁石に吸着された長尺部品が、該円板の回転に伴い上昇されるから、連続的に各長尺部品に位置エネルギーを付与し、それを利用して各長尺部品の姿勢を統一することが可能なものとなっているが、このように傾斜された円板の磁石に部品を吸着する構造を利用しただけでは、ツイストキャップの表裏を統一することができないものであり、また、特許文献1(3)に代表するスナップ・ボタンの材料供給装置のようなものは、回転盤の全周囲に鋸刃状の複雑な断面形状とされた係合面部を設けなければならず、同様の構造をツイストキャップの表裏の選別に利用しようとすると、材料供給装置それ自体が大型化して重量が嵩む上、高価な装置になってしまうという欠点を生じてしまう虞があった。
【特許文献1】(1)特開2002-19950号公報 (2)特開平7-285650号公報 (3)実開昭58-18634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種の部品供給装置などは、何れもその機能を充分に発揮するために構造の複雑化や大型化、重量の増大などを伴い、製造コストが高騰してしまう上、広い設置スペースを要するものであり、また、前記特許文献には揚げていないが、従来の振動型のパーツフィーダーなどのように、対象部品に振動を加えながら対象部品の姿勢を揃えるよう誘導するものなどは、対象部品への加振によって騒音が発生したり、振動によって対象部品に細かな傷が付いてしまう虞もあり、さらにまた、移動する突起に対象部品を係合して該対象部品の姿勢を揃えるように動作するものなどは、係合金具が該対象部品を傷付けてしまう虞があるという欠点を残すものであったから、本願出願人は、こうした現状に鑑み、よりシンプル且つ軽量化され、静粛に動作可能であり、しかも対象部品を傷つけることなく、選別精度および選別作業の効率を高水準のものとし、しかも製造コストを大幅に抑制した上、より狭いスペースにも設置可能となる新規な部品供給装置の開発の必要性を痛感するに至った。
【0007】
(発明の目的)
そこで、この発明は、構造の簡素化、軽量化、省エネルギー化および省スペース化を達成し、さらに、より静粛に動作し、対象部品に傷付けること無く、選別精度および選別作業の効率のさらなる高水準化を達成する新たな部品供給技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に亘、試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の部品供給装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の部品供給装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、水平に対し、対象部品の滑落する滑落角度に直交する傾斜姿勢に不動状に支持されてなるボウルの底部寄りの深さ位置に、この滑落角度に傾斜させた円板形の搬送面壁を有し、該搬送面壁の外周に沿った複数箇所に、当該対象部品を吸着する吸着点が配され、傾斜させた搬送面壁を回転駆動する回転駆動源が設けられた搬送回転盤を有し、周壁の遠心がわには該対象部品を送出可能な送出口が開口されたボウルが設けられ、先端角と、中央端と、該先端角から該送出口に至る剥離エッジと、該中央端の搬送面壁の中心から該送出口に至る滑落端とを有する剥離板を具備する表裏選別ツールが配設され、該剥離板には、先端角寄りとなる上位に粗選別エッジを有する粗選別域が配され、該送出口の下流端寄りとなる最下位に、細選別エッジを有する細選別域が配置されようにしてなる、円板状の裏面外周縁の断面の曲率半径が、天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定された対象部品を表姿勢に整列するものとした構成を要旨とする部品供給装置である。
【0009】
この基本的な構成からなる部品供給装置を、より具体的に示せば、対象部品の複数個を収容可能な筒状のボウルが、水平に対して対象部品の滑落する滑落角度に直交する傾斜姿勢に不動状に支持され、該ボウルの底部寄りの深さ位置に、この滑落角度に傾斜させた円板形の搬送面壁を有し、該搬送面壁の外周に沿った複数箇所に対象部品を吸着する吸着点が配され、当該搬送面壁を回転駆動する回転駆動源が設けられた搬送回転盤が配され、このボウルの周壁には、該搬送面壁が時計回りに回転する場合には2時ないし4時方向、該搬送面壁が反時計回りに回転する場合には8時ないし10時方向の遠心がわに対象部品を送出可能な送出口が開口され、該送出口から搬送面壁の中心に至る範囲には剥離板を有する表裏選別ツールが不動状に配設され、該剥離板は、搬送面壁の中心の12時方向に一致された場合の吸着点の位置から対象部品の直径を超える寸法分6時方向となる位置ないし該搬送面壁の中心の間の何れかの位置に先端角を有し、該搬送面壁の中心ないし先端角に至る中央端と、先端角から送出口の上流端に至る剥離エッジと、中央端の搬送面壁の中心から送出口の下流端に至る滑落端とを有し、この剥離板には、先端角寄りの上位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも僅かに小さく設定された粗選別エッジを有する粗選別域が配され、送出口の下流端寄りの下位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または極僅かに大きく、しかも同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定された細選別エッジを有する細選別域が配置されてなるものとした構成の部品供給装置であるとすることができる。
【0010】
さらに、その表現を変えて示すならば、円板状の裏面外周縁の断面の曲率半径が、天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定された対象部品を表姿勢に整列する部品供給装置であって、筒状のボウルが、水平に対して対象部品の滑落する滑落角度に直交する傾斜姿勢に不動状に支持され、該ボウルの底部寄りの深さ位置に、この滑落角度に傾斜させた円板形の搬送面壁を有し、該搬送面壁の外周に沿った複数箇所に対象部品を吸着する吸着点が配され、当該搬送面壁を回転駆動する回転駆動源が設けられた搬送回転盤が配され、このボウルの周壁には、該搬送面壁が時計回りに回転する場合には2時ないし4時方向、該搬送面壁が反時計回りに回転する場合には8時ないし10時方向の遠心がわに対象部品を送出可能な送出口が開口され、該送出口から搬送面壁の中心に至る範囲には剥離板を有する表裏選別ツールが不動状に配設され、該剥離板は、搬送面壁の中心の12時方向に一致された場合の吸着点の位置から該対象部品の直径を超える寸法分6時方向となる位置ないし搬送面壁の中心の間の何れかの位置に先端角を有し、該搬送面壁の中心ないし先端角に至る中央端と、該先端角から該送出口の上流端に至る剥離エッジと、中央端の搬送面壁の中心から該送出口の下流端に至る滑落端とを有し、この剥離板には、先端角寄りの上位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも僅かに小さく設定された粗選別エッジを有する粗選別域が配され、送出口の下流端寄りの下位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または極僅かに大きく、しかも同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定された細選別エッジを有する細選別域が配置され、吸着点に吸着された対象部品が、搬送面壁の6時の位置から時計回りまたは反時計回りの何れか一方の回転動に従い12時の位置まで移送されて位置エネルギーが付与され、表裏選別ツールの剥離エッジに乗り上げ、吸着点から剥離された対象部品が、粗選別域の粗選別エッジ、ないし細選別域の細選別エッジに順次係合するよう転落する過程で、天面外周縁が粗選別エッジないし細選別エッジの何れかに接した対象部品は、ボウル内の6時方向に滑落され、裏面外周角が粗選別エッジないし細選別エッジに係合された対象部品は、該粗選別エッジないし該細選別エッジを駆け下りるよう転動し、送出口より送出するものとされた構成からなる部品供給装置と言える。
【0011】
より具体的には、円板状の裏面外周縁の断面の曲率半径が、天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定された対象部品を表姿勢に整列する部品供給装置であって、筒状のボウルが、水平に対して対象部品の滑落する滑落角度に直交する傾斜姿勢に不動状に支持され、該ボウルの底部寄りの深さ位置に該滑落角度に傾斜された円板形の搬送面壁を有し、該搬送面壁の外周に沿った複数箇所に対象部品を吸着する吸着点が配され、搬送面壁を回転駆動する回転駆動源が設けられた搬送回転盤が配され、このボウルの周壁には、該搬送面壁が時計回りに回転する場合には2時ないし4時方向、該搬送面壁が反時計回りに回転する場合には8時ないし10時方向の遠心がわに対象部品を送出可能な送出口が開口され、該送出口から搬送面壁の中心に至る範囲には剥離板を有する表裏選別ツールが不動状に配設され、該剥離板は、該搬送面壁の中心の12時方向に一致された場合の吸着点の位置から該対象部品の直径を超える寸法分6時方向となる位置ないし該搬送面壁の中心の間の何れかの位置に先端角を有し、該搬送面壁の中心ないし該先端角に至る中央端と、該先端角から送出口の上流端に至る剥離エッジと、中央端の搬送面壁の中心から送出口の下流端に至る滑落端とを有し、該剥離板には、最も該先端角寄りの最上位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも僅かに小さく設定された粗選別エッジを有する粗選別域が配され、最も該送出口の下流端寄りの最下位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または極僅かに大きく、しかも同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定された細選別エッジを有する細選別域が配置され、該粗選別域と該細選別域との間となる中位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定された並選別エッジを有する並選別域が配され、該吸着点に吸着された対象部品が、搬送面壁の6時の位置から時計回りまたは反時計回りの何れか一方の回転動に従い12時の位置まで移送されて位置エネルギーが付与され、表裏選別ツールの剥離エッジに乗り上げ、吸着点から剥離された対象部品が、該粗選別域の粗選別エッジ、並選別域の並選別エッジ、および細選別域の細選別エッジに順次係合するよう転落する過程で、天面外周縁が粗選別エッジ、並選別エッジまたは細選別エッジの何れかに接した対象部品は、このボウル内の6時方向に滑落され、裏面外周角が粗選別エッジ、並選別エッジおよび細選別エッジに係合された対象部品は、該粗選別エッジ、該並選別エッジおよび該細選別エッジを駆け下りるよう転動し、送出口より送出するものとされた構成からなる部品供給装置である。
【0012】
さらに、具体的なものとして示すならば、円板状の裏面外周縁の断面の曲率半径が、天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定され、重心が天面寄りにある磁性素材製の対象部品を表姿勢に整列する部品供給装置であって、筒状のボウルが、水平に対し30°ないし60°の滑落角度に直交する傾斜姿勢に不動状に支持され、該ボウルの底部寄りの対象部品の複数個を収容可能な深さ位置に該対象部品が滑落するよう、水平に対し30°ないし60°の滑落角度に傾斜された円板形の搬送面壁を有し、該搬送面壁の外周に沿った複数箇所に、対象部品を吸着する永久磁石が埋設された吸着点が配され、当該搬送面壁を回転駆動する回転駆動源が設けられた搬送回転盤が配され、このボウルの周壁には、該搬送面壁が時計回りに回転する場合には2時ないし4時方向、該搬送面壁が反時計回りに回転する場合には8時ないし10時方向の遠心方向に該対象部品を送出可能な送出口が開口され、該送出口から搬送面壁の中心に至る範囲には、該搬送面壁に対し、回転上流から回転下流に向けて水平に対し45°ないし15°の離脱角度をなした剥離板を有する表裏選別ツールが不動状に配設され、該表裏選別ツールは、その剥離板の先端角が、搬送面壁の中心の12時方向に一致された場合の吸着点の位置から対象部品の直径を超える寸法分6時方向となる位置ないし該搬送面壁の中心の間の何れかであって、しかも搬送面壁の中心を通る12時方向線と、3時ないし6時または6時ないし9時の何れか一方の当該送出口の中央から水平線に対し12時方向に5°ないし25°傾く直線とが交叉する条件を満たす位置に配され、該剥離板は、先端角から送出口の上流端より僅かに12時方向寄りに至る剥離エッジと、先端角から搬送面壁の中心に至る中央端と、該中央端の搬送面壁の中心から送出口の下流端に至る滑落端とを有し、表裏選別ツールには、中央端から送出口に至る9時または3時方向の何れかの範囲の中、先端角寄りの最上位の粗選別域と、送出口寄りであって6時方向寄りとなる最下位の細選別域と、粗選別域と細選別域との間となる中位の並選別域とが配置され、該粗選別域には、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径より僅かに小さく設定され、該送出口に向けられた粗選別エッジ、および、レール幅が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも僅かに小さく設定され、該剥離板の上面から該粗選別エッジを越え、該送出口に向け緩やかな下り勾配とされた緩衝粗レールが設けられ、該並選別域には、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定され、送出口に向けられた並選別エッジ、およびレール幅が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定され、該剥離板の上面から並選別エッジを越えて送出口に向けられ、該緩衝粗レールよりも充分に大きな下り勾配とされた緩衝並レールが設けられ、細選別域には、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または極僅かに大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定され、送出口に向けた細選別エッジ、およびレール幅が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または極僅かに大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定され、該剥離板の上面から細選別エッジを越えて送出口に向けられ、緩衝並レールよりもさらに大きな下り勾配とされた緩衝細レールが設けられてなるものとした構成の部品供給装置とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のとおり、この発明の部品供給装置によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、対象部品の姿勢を判別するセンサーや、対象部品の選別を行うエアーノズルなどが不要となり、構造を大幅に簡素化し、小型化、軽量化、省エネルギー化および省スペース化を達成し、さらに、加振装置や、対象部品を引っ掛けて選別する係合部品などが不要となり、静粛に動作するものとなり、対象部品に傷付けること無く、選別精度および選別作業の効率を、より高水準化することができるという秀でた特徴が得られるものである。
【0014】
加えて、この発明の部品供給装置の表裏選別ツールが、その剥離板に、最も該先端角寄りの最上位に粗選別エッジを有する粗選別域が配され、最も該送出口の下流端寄りの最下位に細選別エッジを有する細選別域が配され、さらに、該粗選別域と該細選別域との間となる中位に並選別エッジを有する並選別域が配されたものとなっているから、対象部品が粗選別域、並選別域および細選別域の順に通過される過程で、粗選別、並選別、および細選別の工程を順次経ることとなり、天面を上向きとされた対象部品の選別精度をより高めたものとすることができる。
【0015】
また、粗選別域に緩衝粗レールを有し、並選別域に緩衝並レールを有し、細選別域に緩衝細レールが設けられたものは、剥離板を滑落し、粗選別域に進入してくる対象部品が、粗選別エッジに弾み、選別される前に不用意に脱落してしまうのを防止し、該緩衝粗レール上を滑らかに転動しながら粗選別エッジに着地するよう誘導され、また、並選別域に進入した対象部品が、並選別エッジに弾み、選別される前に不用意に脱落してしまうのを防止し、該緩衝並レール上を滑らかに転動しながら並選別エッジに着地するよう誘導され、さらにまた、細選別域に進入した対象部品が、細選別エッジに弾み、選別される前に不用意に脱落してしまうのを防止し、該緩衝細レール上を滑らかに転動しながら細選別エッジに着地するよう誘導されるものとなっているから、該粗選別域、並選別域および細選別域の夫々から不用意に脱落してしまう対象部品を減少させ、よりロスが無く、より効率性に優れた選別工程を実現化することができる。
【0016】
さらに、表裏選別ツールの細選別域の細選別エッジが、中央端がわから送出口に向けて順次階段状に下る複数段が設けられ、また、その緩衝細レールには、レール幅が対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径より極僅かに大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも遙かに小さく設定され、粗選別域の緩衝粗レールよりも緩やかな下り勾配とされた最終選別レールが、剥離板の上面に対し、該緩衝細レールの中途部から該送出口に向けて設けられたものは、該細選別域における天面が上向きとされた対象部品の選別工程を、より一段と高精度化し、実験の結果、該送出口から送出される対象部品の99.95%以上の確率で、天面を上向きとされることが確認された。
【0017】
多重回避ツールが設けられた、この発明の部品供給装置によれば、表裏選別ツールに差し掛かる前の段階で、対象部品を単一化して供給されるものとなるから、2枚以上の対象部品が重なり合ったまま表裏選別ツールに供給された場合に比較して、選別を受ける対象部品に他の対象部品からの悪影響を受けることが無くなるから、より正確且つより効率のよい選別工程が実現化されるものとなる。
【0018】
表裏選別ツールの12時方向に対峙するボウルの内周壁に剥離補助ツールが設けられた、この発明の部品供給装置によれば、搬送回転盤の吸着点に吸着された対象部品が、該搬送回転盤の6時の位置から12時の位置まで搬送され、該対象部品に最大の位置エネルギーが付与されたタイミングで該対象部品を該吸着点から強制的に離脱させ、該表裏選別ツールに向けて滑落するよう制御するものとなり、より効率の良い選別工程を実現化できるものとなる。
【0019】
反転誘導樋および姿勢制御板からなる姿勢変換ツールが設けられた、この発明の部品供給装置によれば、裏面が上向きの姿勢で選別され、表裏選別ツールを滑落し、そのままの姿勢でボウル内の6時の位置に落下されてしまい、再び、裏面が上向きの姿勢のまま搬送回転盤の吸着点に吸着され、12時がわに搬送されてしまうという非効率的な動作を解消し、裏選別ツールから落下する過程で、該反転誘導樋および該姿勢制御板が共同し、対象部品の天面と裏面とを自動的に反転し、該ボウル内の6時の位置に落下されるものとし、該搬送回転盤の吸着点に吸着される場合に、天面が上向きの姿勢で該対象部品が吸着される確率を格段に高め、より一段と効率的な選別を実現化可能とすることができるものとなる。
【0020】
そして、表裏選別ツールは、送出口に臨む基端が、ボウルの内周壁に結合され、回転駆動源は、その出力軸の搬送回転盤の搬送面壁がわに突出した先端が、表裏選別ツールの中央端に一体化された軸受けボックスに内装された軸受けに回転自在に支持され、該表裏選別ツールが、ボウルの内周壁と回転駆動源の出力軸との間に架け渡し状に支持されてなるものとされた、この発明の部品供給装置によれば、ボウルの内周壁に基端が支持された表裏選別ツールの先端がわを、軸受けボックスが支持するものとなり、該搬送回転盤の回転動作を妨げることなく、該表裏選別ツールの支持強度を格段に高められたものとすることができる上、回転駆動源の出力軸を回転自在に支持する軸受けおよび軸受けボックスを、該表裏選別ツールが充分な強度をもって支持するものとなるから、表裏選別ツールおよび軸受けボックスの各々を個別に支持する強度部品を不要とし、部品点数を削減し、格段の軽量化および低コスト化を達成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
ボウルは、搬送回転盤の外がわ周囲を囲み、複数個の対象部品を無作為の姿勢のまま収容可能な筒状に包囲すると共に、表裏選別ツールを通過して選別された対象部品のみを送出する送出口を配するという機能を分担し、該ボウルは、該対象部品の複数個を収容可能な筒状のものとされ、水平に対し該対象部品の滑落する滑落角度に直交する傾斜姿勢に不動状に支持され、その周壁には、該搬送面壁が時計回りに回転する場合には2時ないし4時方向、該搬送面壁が反時計回りに回転する場合には8時ないし10時方向の遠心がわに該対象部品を送出可能な送出口が開口されたものとしなければならず、より具体的には、該ボウルは、水平に対し30°ないし60°の滑落角度に直交する傾斜姿勢、即ち、水平に対し120°ないし150°の傾斜姿勢に不動状に支持されたものとすべきであり、該傾斜角度が120°未満の場合には、該ボウルが垂直姿勢に近づき、搬送回転盤の6時位置から12時位置までの高低差が小さくなり過ぎて、選別に必要な位置エネルギーを充分に得ることができなくなる虞があり、また、該傾斜角度が150°を超えると、該ボウルが水平姿勢に近づき、対象部品が搬送回転盤の6時位置に集まり難くなる上、ボウルの上端開口部から溢れ出し易くなるから、収容容積を充分に確保できず、作業効率を悪化させてしまうという欠点を生じる虞がある。
また、後述する実施例にも示すように、ボウルは、その上端開口部が対象部品の供給口とされ、開閉蓋が装着されたものとするのが望ましく、該開閉蓋は、対象部品の収容量や収容状態の確認、選別動作の確認などを容易にするよう透明合成樹脂製などの透明素材製のものとするのが良い。
【0022】
搬送回転盤は、その回転駆動のエネルギーの一部を対象部品の位置エネルギーに変換し、該対象部品を上方から下方の表裏選別ツールに向けて供給する機能を担い、該対象部品が滑落する角度に傾斜された円板形の搬送面壁の周方向に沿った複数箇所に、該対象部品を吸着する吸着点が配され、該搬送面壁を回転駆動する回転駆動源が設けられたものとしなければならず、該搬送面壁は、その中心がボウルの円筒形の中心に一致されたものとされ、水平に対して30°ないし60°、望ましくは45°の滑落角度に傾斜されたものとすべきであり、該搬送面壁の傾斜角度が水平に対して30°未満の場合には、該対象部品の円滑且つ速やかな滑落が得られ難く、また、同搬送面壁の傾斜角度が水平に対して60°を超えたものの場合には、該対象部品の滑落速度が高くなり過ぎてしまい、何れの場合にも選別精度を悪化させてしまう虞がある。
【0023】
そして、搬送回転盤は、該対象部品の円滑な滑落を妨げない程度に平滑な面とされ、同搬送面壁の円板形の直径の遠心がわに、円板状の対象部品の直径に間隔を加えた寸法の整数倍の円周長に設定され、同搬送面壁の遠心がわの周回りに沿って、該対象部品の直径に間隔を加えた寸法分の間隔置き毎に吸着点としての永久磁石が、同搬送面壁に面一となるよう埋設されたものとするのが良く、各吸着点は、永久磁石に置き換えられ、同搬送面壁の厚み方向に吸引パイプが縦貫され、同搬送面壁の表面に各吸引パイプの吸引口が面一状に露出され、各吸引パイプの基端がわにエアコンプレッサーの吸引がわの配管路が接続されたものとすることができる。
【0024】
表裏選別ツールは、各吸着点に吸着され、搬送面壁の回転動に伴い円弧状に誘導され、同搬送回転盤の中心より12時方向となる位置まで上昇されてくる対象部品を、搬送されてくる順に該吸着点から剥がされ、吸着力を失って滑落する対象部品の中、裏面が接地し、天面が上向きとなっているもののみを選別し、送出口より送出すると共に、天面が接地し、裏面が上向きとなっているものは、ボウル内に落下するよう誘導する機能を担うものであり、該送出口から該搬送面壁の中心に至る範囲に剥離板を有して不動状に配設されたものとしなければならず、該剥離板が、該搬送面壁の中心の12時方向に一致された場合の吸着点の位置から該対象部品の直径を超える寸法分6時方向となる位置ないし該搬送面壁の中心の間の何れかの位置に先端角を有し、該搬送面壁の中心ないし該先端角に至る中央端と、該先端角から該送出口の上流端に至る剥離エッジと、該中央端の搬送面壁の中心から該送出口の下流端に至る滑落端とを有し、該剥離板には、該先端角寄りの上位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも僅かに小さく設定された粗選別エッジを有する粗選別域が配され、該送出口の下流端寄りの下位に、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または、極僅かに大きく、しかも同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定された細選別エッジを有する細選別域が配置されたものとすべきである。
【0025】
表裏選別ツールをより具体的なものとして示すならば、後述する実施例にも示すように、送出口から該搬送面壁の中心に至る範囲に、該搬送面壁に対し、回転上流から回転下流に向けて水平に対し45°ないし15°の離脱角度をなした剥離板を有して不動状に配設され、該剥離板の先端角が、該搬送面壁の中心の12時方向に一致された場合の吸着点の位置から該対象部品の直径を超える寸法分6時方向となる位置ないし該搬送面壁の中心の間の何れかであって、しかも該搬送面壁の中心を通る12時方向線と、3時ないし6時または6時ないし9時の何れか一方の当該送出口の中央から水平線に対し12時方向に5°ないし25°傾く直線とが交叉する条件を満たす位置に配され、該剥離板は、該先端角から該送出口の上流端より僅かに12時方向寄りに至る剥離エッジと、該先端角から該搬送面壁の中心に至る中央端と、該中央端の搬送面壁の中心から該送出口の下流端に至る滑落端とを有し、該表裏選別ツールには、該中央端から該送出口に至る9時または3時方向の何れかの範囲の中、該先端角寄りの最上位の粗選別域と、該送出口寄りであって6時方向寄りとなる最下位の細選別域と、該粗選別域と細選別域との間となる中位の並選別域とが配置され、該粗選別域には、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径より僅かに小さく設定され、該送出口に向けられた粗選別エッジ、および、レール幅が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも充分に大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも僅かに小さく設定され、該剥離板の上面から該粗選別エッジを越え、該送出口に向け緩やかな下り勾配とされた緩衝粗レールが設けられ、該並選別域には、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定され、該送出口に向けられた並選別エッジ、および、レール幅が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径よりも大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定され、該剥離板の上面から該並選別エッジを越え、該送出口に向けられ、該緩衝粗レールよりも充分に大きな下り勾配とされた緩衝並レールが設けられ、該細選別域には、エッジ厚が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または、極僅かに大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定され、該送出口に向けた細選別エッジ、および、レール幅が当該対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径と同じか、または、極僅かに大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも充分に小さく設定され、該剥離板の上面から該細選別エッジを越え、該送出口に向けられ、該緩衝並レールよりもさらに大きな下り勾配とされた緩衝細レールが設けられたものとするのが良い。
【0026】
表裏選別ツールの剥離板の角度姿勢は、水平に対し45°を超えると、対象部品の滑落速度が高くなり過ぎて高精度な選別が困難になる虞があり、また、同角度姿勢が水平に対し15°未満の場合には、該対象部品の円滑且つ迅速な滑落が得られ難くなり、何れの場合にも迅速且つ高精度の選別が困難なものとなってしまう虞がある。
また、剥離板の先端角が、搬送面壁の中心の12時方向に一致された場合の吸着点の位置から対象部品の直径を超える寸法分6時方向となる位置ないし該搬送面壁の中心の間の何れかであって、しかも該搬送面壁の中心を通る12時方向線と、3時ないし6時または6時ないし9時の何れか一方の送出口の中央から水平線に対し12時方向に5°ないし25°傾く直線とが交叉する条件を満たす位置に配されたものとするのが良い理由は、該先端角が、搬送面壁の中心を通る12時方向線と、水平線に対し12時方向に5°未満に傾く直線とが交叉する位置に配されたものの場合に、剥離エッジの送出口がわへの傾きが小さくなり過ぎ、対象部品が、該剥離エッジに接しても送出口へと円滑に転がり出さず、送出口とは反対方向(搬送面壁の回転の上流方向)に転落してしまう虞があり、また、先端角が、搬送面壁の中心を通る12時方向線と、水平線に対し12時方向に25°を超えて傾く直線とが交叉する位置に配されたものの場合に、剥離エッジの送出口がわへの傾きが大きくなり過ぎて、該剥離エッジに接した対象部品が、粗選別域ないし細選別域の各選別域を正確に辿れず、急速に送出口に向かって落下してしまう虞があるから、何れの場合にも高精度の選別を効率的に行うことが困難になってしまうという欠点を生じることとなる。
【0027】
後述する実施例にも示しているが、粗選別エッジ、並選別エッジおよび細選別エッジは、何れも剥離板の天面に重ね合わせ結合された板状部材の12時方向に向けられた板厚部分(各エッジ厚部分)とすることができる外、剥離板の天面に重ね合わせ結合された矩形断面の棒状素材の12時方向に向けられた厚み部分(各エッジ厚部分)とすることができ、緩衝粗レール、緩衝並レールおよび緩衝細レールは、何れも夫々のレール幅に設定された棒状またはパイプ状のものとすることができる外、夫々のレール幅に設定された板状部品の12時方向の上端縁が、円筒面形状や多角筒形状などとされたものとすることが可能である。
そして、後述する実施例にも示すように、表裏選別ツールの細選別域は、その細選別エッジが、中央端がわから送出口に向けて順次階段状に下る複数段が設けられ、また、その緩衝細レールには、レール幅が対象部品の裏面外周縁の断面の曲率半径より極僅かに大きく、同天面外周角の断面の曲率半径よりも遙かに小さく設定され、粗選別域の緩衝粗レールよりも緩やかな下り勾配とされた最終選別レールが、剥離板の上面に対し、緩衝並レールの中途部から該送出口に向けて設けられたものとすることが可能である。
【0028】
この発明の部品供給装置は、後述する実施例にも示しているように、搬送回転盤の搬送面壁の中心を通る9時3時方向線よりも12時方向であって、しかも同搬送面壁の中心を通る12時方向線よりも同搬送回転盤の回転方向の上流がわとなる扇形範囲を包囲するボウルの内周壁に対し、同搬送面壁の吸着点を中心がわに僅かに超える長さ、ないし、同搬送面壁の中心に至る長さの何れかの長さに設定された排除板を、同搬送面壁から対象部品の1個分の厚み寸法を僅かに超えた間隔を隔てた位置に有する多重回避ツールが設けられたものとするのが良い。
また、この発明の部品供給装置は、後述する実施例にも示しているが、表裏選別ツールの12時方向に対峙するボウルの内周壁に対し、同ボウルの内周壁から搬送面壁の吸着点を僅かに超える長さ、ないし、対象部品の1直径分の長さの何れかの長さに設定された誘導板を、同搬送面壁から該対象部品の1個分の厚み寸法分よりも短い間隔を隔てた位置に有する剥離補助ツールが設けられたものとすることができ、さらにまた、表裏選別ツールの剥離板の滑落端から、搬送回転盤の回転方向に延伸され、該剥離板に天面壁を接して滑落して来る対象部品を搬送面壁の中心から遠心方向に誘導すると共に、該対象部品の表裏を反転するよう誘導する如く湾曲された反転誘導樋、および、該反転誘導樋の遠心方向に対峙するボウルの内周壁に設けられ、該反転誘導樋から落下して来る対象部品を緩衝しつつ、該対象部品の裏面壁が該搬送回転盤の搬送面壁に着地するよう干渉する姿勢制御板からなる姿勢変換ツールが設けられたものとすることができる。
【0029】
そして、後述する実施例にも示すように、表裏選別ツールは、送出口に臨む基端が、ボウルの内周壁に結合され、回転駆動源は、ボウルの底部に設けられ、その出力軸の搬送回転盤の搬送面壁がわに突出した先端が、表裏選別ツールの中央端に一体化された軸受けボックスに内装された軸受けに回転自在に支持され、該表裏選別ツールが、ボウルの送出口に臨む内周壁と回転駆動源の出力軸との間に架け渡し状に支持されてなるものとすることが可能である。さらに具体的には、回転駆動源は、減速機を一体に設けられたギアモーターや、サーボモーター(Servomotor)などとすることができる。
【0030】
この発明の対象部品は、この発明の部品供給装置に投入され、表姿勢に整列されて次工程に向け送出されるものであり、より具体的には、円板状の裏面外周縁の断面の曲率半径が、天面外周角の断面の曲率半径よりも小さく設定された物品としなければならず、さらに具体的には、ツイストキャップ、ラグキャップまたはスクリューキャップとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図面は、この発明の部品供給装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
図1】搬送回転盤を示す正面図である。
図2】部品供給装置を断面化して示す右側面図である。
図3】部品供給装置を示す正面図である。
図4】部品供給装置を示す背面図である。
図5】部品供給装置を一部断面化して示す左側面図である。
図6図1中のA-A断面を示す断面図である。
図7図1中のB-B断面を示す断面図である。
図8図1中のC-C断面を示す断面図である。
図9】対象部品を搬送する搬送回転盤を示す正面図である。
図10】裏面が上向きの対象部品を排除する表裏選別ツールを示す正面図である。
図11】裏面が上向きの対象部品を排除する表裏選別ツールを示す断面図である。
図12】天面が上向きの対象部品を送出する表裏選別ツールを示す正面図である。
図13】天面が上向きの対象部品を送出する表裏選別ツールを示す断面図である。
図14】多重回避ツールを示す正面図である。
図15】剥離補助ツールを示す正面図である。
図16】この発明の部品供給装置の時計回りに回転する搬送回転盤を示す正面図である。
図17】対象部品の天面を示す平面図である。
図18】対象部品の側面を一部断面化して示す側面図である。
図19】対象部品の裏面を示す底面図である。
【実施例0032】
この発明の部品供給装置1は、ジャムなどのゲル状の食品類をガラス製などの対象ボトルに充填する自動充填装置、および、該自動充填装置からコンベアを介して搬送された充填済みボトルに施蓋する自動施蓋装置を備えた、何れも図示しない自動充填・巻締ラインに組み込まれ、該自動施蓋装置のハンドリング部に、天面SFを上向きに整列された複数個のツイストキャップTCを連続的に自動供給する装置1である。
【0033】
図1ないし図15に示す事例は、ボウル4が水平HZに対し該対象部品TCの滑落する滑落角度SAに直交(90°)RAする傾斜姿勢TAに不動状に支持され、該ボウル4の底部40寄りに、該滑落角度SAに傾斜された搬送面壁20を有し、該搬送面壁20の外周に沿って吸着点23,23,……が配され、回転駆動源3が設けられた搬送回転盤2が配され、該ボウル4の周壁42には、該対象部品TCを送出可能な送出口43が開口され、該送出口43から該搬送面壁2の中心Cに至る範囲には剥離板5を有する表裏選別ツールFSが不動状に配設され、該剥離板5は、該送出口43から該搬送面壁2の中心Cに至る範囲に、該搬送面壁20の中心Cにあって12時方向端が先端角50とされた中央端52と、該先端角50から該送出口43に至る剥離エッジ51と、該中央端52の搬送面壁20の中心Cから該送出口43に至る滑落端53とを有し、該剥離板5には、該先端角50寄りとなる上位に、粗選別エッジ60を有する粗選別域6が配され、該送出口43の下流端寄りとなる下位に、細選別エッジ80を有する細選別域8が配置されたものとしてなる、この発明の部品供給装置における代表的な一実施例を示すものである。
【0034】
図17ないし図19に示すように、この発明の部品供給装置1が整列する対象部品TCは、磁性素材製(例えばティンフリースチール:Tin Free Steel、ブリキ、磁性を有するステンレススチールなど)であって、直径TDが43mmないし83mmの円板状の天面SF壁の外周囲の天面外周角SEから、裏面BSがわに短筒状の周面壁PWが垂下され、該周面壁PWの裏面BS端に、対象ボトルの開口部の外周壁に設けられた多条ネジに螺着される複数個のラグRG,RG,……が求心方向に突出され、その裏面外周縁BEの断面の曲率半径RRが、天面外周角SEの断面の曲率半径RFよりも小さく設定され、必要に応じて該天面SF壁の中央にクリッカーセーフティーボタン(Clicker safety button)CBが設けられたものとされ、該天面SF壁の内壁面である裏面BSの対象ボトルの開口縁が当接する範囲に環状の弾性シール膜EFが被着され、重心が該天面SFの中心寄りにあるツイストキャップ(Twist Off Cap、以降省略する。)TCである。
【0035】
図1ないし図15の各図からも明確に把握できるとおり、この発明の部品供給装置1は、該ツイストキャップTCの供給対象となる図示しない自動施蓋装置の背後であって同自動施蓋装置のハンドリング部よりも高い位置に、直径500mm、周壁の深さが300mmの有底円筒形であって、水平HZに対し、該自動施蓋装置のハンドリング部がわへ向けて水平に対し30°ないし60°の滑落角度SAに直交(90°)RAする傾斜姿勢TAとされ、より具体的には、水平HZに対し135°(SA:45°にRA:90°を加えた、図2中の角度TA)に傾斜されたボウル4が、その底部40より垂下された支持脚SLによって不動状に支持され、該ボウル4の上端開口部41から内周壁42の280mmの深さ位置に、円板形の搬送面壁20が、その外周端21を、該ボウル4の内周壁42に極僅かな隙間を隔てて非接触となるよう、同ボウル4の円筒形の周壁42に同心C上に配され、同ボウル4内に、ツイストキャップTCの直径TDが大径(Φ83mm)のもので200個、ないし、小径(Φ43mm)のもので400個のツイストキャップTCが収容可能な容積が確保されている。
【0036】
ボウル4の底部40の外壁40の中央に回転駆動源3としての減速機一体型のギアモーター3が結合され、その出力軸30は、該ボウル4の底面壁40に回転自在な状態に貫通され、搬送回転盤2の搬送面壁20および同搬送面壁20の下面壁中央に結合されたフランジ22の中心に貫通状に結合、一体化され、さらに、該搬送回転盤2を貫通し、該ボウル4内に突出状とされた同出力軸30の先端には、後述する軸受けボックスBBに内装された軸受け機構BLとしてのボールベアリングBLに回転自在に支持されたものとなっており、該ギアモーター3は、図示しない制御パネルからの入力操作を受け、当該搬送回転盤(搬送面壁20)2を中心C回りの反時計回りに、ツイストキャップTCの天・裏面の選別に適する速度まで減速された一定の回転数で回転駆動し、停止操作されると回転停止するものとなっている。
【0037】
当該搬送回転盤2は、その搬送面壁20の外周端21より僅かに中心C寄りとなる外周に沿った周回り方向に、該ツイストキャップTCの外径と同じか、または、該ツイストキャップTCの外径の1.1倍ないし2倍程度の間隔VL置き毎に、該ツイストキャップTCを吸着する永久磁石23,23,……を、それらの天面が面一に露出するよう埋設されてなる吸着点23,23,……の複数個が配され、当該ボウル4の、該搬送回転盤2の搬送面壁20の9時方向の遠心方向に相当する周壁42には、該ツイストキャップTCを1枚ずつ送出可能な寸法、形状に設定された送出口473が開口され、該ボウル4の周壁42の該送出口43から該搬送面壁20の中心Cの軸受けボックスBBに至る範囲には、該搬送面壁20に対し、図1中に二点鎖線矢印で示す回転駆動方向RDの回転上流から回転下流に向けて水平HZに対し45°ないし15°、より具体的には22.5°の離脱角度WAをなした剥離板5を有する表裏選別ツールFSが不動状に配設されている。
【0038】
表裏選別ツールFSの剥離板5は、当該搬送面壁20の中心Cの12時方向に一致された場合の吸着点23の位置から該ツイストキャップTCの直径TDを僅かに超える寸法分6時方向となる位置ないし該搬送面壁20の中心Cの間の何れかであって、しかも当該搬送面壁20の中心Cを通る12時方向線と、9時方向の当該送出口43の上流端から水平に対し12時方向に5°ないし25°望ましくは15°の角度に傾斜された直線とが交叉する位置に配された先端角50を有し、該先端角50から該送出口43の上流端44より僅かに(例えばツイストキャップTCの直径TDの1/2即ち半径程度)12時方向(上流)寄りに至る剥離エッジ51と、該先端角50から該搬送面壁20の中心Cに至る中央端52と、該中央端52の搬送面壁20の中心Cから該送出口43の下流端45に至る滑落端53とを有し、該剥離板5は、その上面54がツイストキャップTCとの不要な摩擦を回避するよう平滑面状に研磨(鏡面)仕上げされ、剥離エッジ51の裏面縁が、該搬送面壁20に干渉しないよう刃物状の断面形に切除され、鋭角なエッジとされている、
【0039】
該剥離板5の9時方向の基端が、送出口43の下縁をなすボウル4の内周壁42に結合、支持され、同剥離板5の該搬送面壁20の中心Cに臨む中央端52が、当該軸受けボックスBBに一体に結合され、該剥離板5が、当該ギアモーター3の出力軸30、および、それを軸支するボールベアリングBLを、該軸受けボックスBBを介して支持するものとされており、該中央端52は、その下端がわが先端角50から該軸受けボックスBBの3時方向の角付近にかけて僅かに傾けられ、該搬送面壁20と該剥離板5の上面54との間隙を非接触状態に閉鎖状とする閉塞壁部55が設けられたものとされている。
【0040】
当該先端角50の配置について前述したのとは異なる表現によって示すならば、該先端角50は、当該搬送面壁20の中心Cを通る12時方向線ないし同搬送面壁20の回転方向RDの上流がわであり、さらに同搬送面壁20の中心Cを通る9時3時方向線よりも12時方向となる扇形範囲内であって、該ボウル4の内周壁42から当該ツイストキャップTCの直径TDを超えた距離求心(がわ中心C寄り)となる位置、ないし、同ツイストキャップTCの直径TDの2倍以内の距離分求心(がわ中心C寄り)となる位置、の何れかに配されていると言うことができる。
【0041】
当該表裏選別ツールFSの支持構造について前述とは表現を変えて示すならば、表裏選別ツールFSは、送出口43に臨む基端が、ボウル4の内周壁42に結合され、ギアモーター3は、その出力軸30の搬送回転盤2の搬送面壁20がわに突出した先端が、表裏選別ツールFSの中央端52に一体化された軸受けボックスBBに内装されたボールベアリングBLに回転自在に支持され、該表裏選別ツールFSが、ボウル4の内周壁42とギアモーター3の出力軸30との間に架け渡し状に両端支持されてなるものであるということができる。
【0042】
表裏選別ツールFSの剥離板5には、その中央端52から該送出口43に至る3時方向の範囲の中、該先端角52寄りの最上位の粗選別域6と、該送出口4寄りであって6時方向寄りとなる最下位の細選別域8と、該粗選別域6と細選別域8との間となる中位の並選別域7とが配置され、該粗選別域6には、エッジ厚が当該ツイストキャップTCの裏面外周縁BEの断面の曲率半径RR(約0.9mm)よりも充分に大きく、同天面外周角SEの断面の曲率半径RF(約4.6mm)より僅かに小さくなる3mmないし1.5mm、望ましくは2mmに設定され、該送出口43に向けられた粗選別エッジ60、および、レール幅が該ツイストキャップTCの裏面外周縁BEの断面の曲率半径RR(約0.9mm)よりも充分に大きく、同天面外周角SEの断面の曲率半径RF(約4.6mm)よりも僅かに小さくなるΦ4mmないしΦ1.5mm、望ましくはΦ3mmに設定され、該剥離板5の上面54から該粗選別エッジ60を越え、該送出口43に向け緩やかな下り勾配(例えば水平に対し5°ないし20°望ましくは12°)とされた丸棒状の緩衝粗レール61が設けられている。
【0043】
並選別域7には、エッジ厚が当該ツイストキャップTCの裏面外周縁BEの断面の曲率半径RR(約0.9mm)よりも大きく、同天面外周角SFの断面の曲率半径RF(約4.6mm)よりも小さくなる3mmないし1.5mm、望ましくは2mmに設定され、該送出口43に向けられた並選別エッジ70、および、レール幅が該ツイストキャップTCの裏面外周縁BEの断面の曲率半径RR(約0.9mm)よりも大きく、同天面外周角SEの断面の曲率半径RF(約4.6mm)よりも小さくなるΦ4mmないしΦ1.5mm、望ましくはΦ3mmに設定され、該剥離板5の上面54から該並選別エッジ70を越え、該送出口43に向けられ、該緩衝粗レール61よりも充分に大きな下り勾配(例えば水平に対し8°ないし25°望ましくは17°)とされた緩衝並レール71が設けられており、該粗選別エッジ60および該並選別エッジ70は、同粗選別エッジ60から並選別エッジ70へと該送出口43に向けて階段状の平面形状をなした2mm厚の1枚のプレートP1からなり、剥離板5の上面54に重ね合わせられ、一体に結合され、充分な結合面積を確保されたものとなっている。
【0044】
細選別域8には、エッジ厚が当該ツイストキャップTCの裏面外周縁BEの断面の曲率半径RR(約0.9mm)と同じか、または、極僅かに大きく、同天面外周角SFの断面の曲率半径RF(約4.6mm)よりも充分に小さくなる2mmないし0.9mm、望ましくは1mmに設定され、該送出口43に向けた細選別エッジ80、および、レール幅が該ツイストキャップTCの裏面外周縁SEの断面の曲率半径RR(約0.9mm)と同じか、または、極僅かに大きく、同天面外周角RFの断面の曲率半径RF(約4.6mm)よりも充分に小さくなるΦ4mmないしΦ1.5mm、望ましくはΦ3mmに設定され、該剥離板5の上面54から該細選別エッジ80を越え、該送出口43に向けられ、該緩衝並レール71よりもさらに大きな下り勾配(例えば水平に対し9°ないし26°望ましくは20°)とされた緩衝細レール81が設けられたものされており、該細選別エッジ80は、中央端52がわから送出口43に向けて順次階段状に下る複数段が設けられており、該細選別エッジ80は、当該プレートP1よりも6時方向に配され、該送出口43に向けて階段状の平面形状をなした1mm厚の1枚のプレートP2からなり、剥離板5の上面54に重ね合わせられ、一体に結合され、充分な結合面積を確保されたものとなっている。
【0045】
緩衝細レール81には、レール幅が該ツイストキャップTCの裏面外周縁BEの断面の曲率半径RR(約0.9mm)より極僅かに大きく、同天面外周角SFの断面の曲率半径RF(約4.6mm)よりも遙かに小さくなるΦ3mmないしΦ1mm、望ましくはΦ2mmに設定され、当該粗選別域6の緩衝粗レール61よりも緩やかな下り勾配(例えば水平に対し2°ないし15°望ましくは8°)とされた最終選別レール82が、剥離板5の上面54に対し、該緩衝細レール81の中途部から該送出口43に向けて追加して設けられたものとなっている。
【0046】
図1図3および図14に示すように、搬送回転盤2の搬送面壁20の中心Cを通る3時方向線よりも12時方向寄りであって、しかも同搬送面壁20の中心Cを通る12時方向線よりも同搬送回転盤2の回転方向RDの上流がわとなる扇形範囲を包囲するボウル4の内周壁42の例えば凡そ1時30分の位置に対し、同搬送面壁20の吸着点23,23,……を中心Cがわに僅かに超える長さ、ないし、同搬送面壁20の中心Cに至る長さの何れかの長さに設定され、中心Cがわの先端が、回転駆動方向RDの下流がわに傾斜された排除板EXを、同搬送面壁20から該ボウル4の上端開口部41がわにツイストキャップTCの1個分の厚み寸法TT分(例えば10mm)を僅かに超える(例えば12mm)の間隔DCを隔てた位置に有した多重回避ツールMAが設けられたものとなっている。
【0047】
図1図3および図15に示すように、表裏選別ツールFSの12時方向に対峙するボウル4の内周壁42に対し、同ボウル4の内周壁42から搬送面壁20の吸着点23、23を同搬送面壁20の中心Cがわに僅かに超える長さ、ないし、ツイストキャップTCの1個の直径TD分の長さの何れかの長さに設定され、先端がわが、回転駆動方向RDの下流がわに傾斜された誘導板GPを、同搬送面壁20から該ボウル4の上端開口部41がわにツイストキャップTCの1個分の厚み寸法TT分(例えば10mm)よりも短い間隔GA(例えば3mm)を隔てた位置に有する剥離補助ツールPAが設けられたものとされている。
【0048】
図1図6図7図10および図11に示すように、表裏選別ツールFSの剥離板5の滑落端53から、搬送回転盤2の回転方向RDに延伸され、該剥離板5に天面壁SFを接して滑落して来るツイストキャップTCを搬送面壁20の中心Cから遠心方向に誘導すると共に、該ツイストキャップTCの天・裏を反転するよう誘導する如くボウル4の上端開口部41がわに湾曲された反転誘導樋VG、および、該反転誘導樋VGの6時方向に対峙する該ボウル4の内周壁42に設けられ、該反転誘導樋VGから落下して来るツイストキャップTCを緩衝しつつ、該ツイストキャップTCの裏面壁BSが該搬送回転盤2の搬送面壁20に着地するよう干渉する姿勢制御板ABからなる姿勢変換ツールPCが設けられている。
【0049】
図1ないし図5図9図10および図12に示すように、ボウル4の外周壁42の送出口43の外がわには、同ボウル4の傾斜方向であって、図示しない自動施蓋装置のハンドリング部に向けて、該表裏選別ツールFSの剥離板5の離脱角度WA(水平に対し22.5°)と同じ傾斜角度の直線状の滑走ガイドレールGLが、方向転換路LDを介して接続され、選別を終え天面SF上向きのツイストキャップTC,TC,……が、その自重によって方向転換路LDを通過しながら方向転換され、該滑走ガイドレールGLに沿って該図示しないハンドリング部まで降下、移動するものとなっている。
【0050】
図2および図5に示すように、ボウル4の上端開口部41には、開閉蓋46が装着されており、該開閉蓋46は、ボウル4の上端開口部41の中心Cより下方となる水平線から搬送回転盤2の搬送面壁20の12時の位置に相当するボウル4(周壁42)の上端開口部41には、同範囲を施蓋する、透明樹脂製であって該上端開口部41の中心Cに対応する天面に上部ハンドルTHを有し、周囲縁に嵌着スリーブSVが設けられたメイン円弧面蓋部47が嵌合状に装着され、該上端開口部41の該メイン円弧面蓋部47の余となる6時がわの円弧面範囲には、同範囲に相当する形状であって、その天面壁は開閉ハンドルHDが設けられ、周囲縁に嵌着スリーブSVが設けられた弧状扉部48が配され、該メイン円弧面蓋部47の下端に対し、該弧状扉部48の上端がヒンジ49,49を介して、同図1および図5に二点鎖線で示すように、開閉自在に連結されたものとなっている。
【0051】
図16に示すように、搬送回転盤2が時計回り方向RDに回転駆動される、この発明の部品供給装置1の場合には、図1に示される搬送回転盤2、表裏選別ツールFS、多重回避ツールMA、剥離補助ツールPA、姿勢変換ツールPC、方向転換路LDおよび滑走ガイドレールGLなどの、構造および配置が左右反転されたものとするのが良い。
【0052】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の部品供給装置1は、図2および図9に示すように、開閉蓋46の弧状扉部48を開き、例えば300個前後のツイストキャップTC,TC,……をボウル4内に投入した後、該弧状扉部48を閉鎖し、図示しないコントロールパネルを介して起動操作すると、ギアモーター3が、搬送回転盤2を反時計回りRDにゆっくりと回転駆動し、該搬送回転盤2の搬送面壁20の6時がわの該ボウル4内に様々な姿勢のまま蓄積された該ツイストキャップTC,TC,……が、該搬送面壁20の各吸着点23,23,……に吸着され、該搬送面壁20の外周縁に沿うように3時、2時の位置まで上昇され、図9および図14に示すように、多重回避ツールMAの排除板EXを通過する際、該ツイストキャップTCに重なった上がわのツイストキャップTCが、該排除板EXに接触して6時方向に落下され、該搬送面壁20に直接、接地、吸着している1枚のツイストキャップTCのみが、該排除板EXの下がわを通過し、12時方向に移動され、位置エネルギーが付与されることとなる。
【0053】
図10および図15に示すように、該搬送面壁20の12時の位置を超えて剥離補助ツールPAの誘導板GPに接したツイストキャップTCは、堰き止められた状態となって同搬送面壁20の吸着点23から外れ、位置エネルギーが開放され、滑落しながら表裏選別ツールFSの剥離板5の剥離エッジ51に乗り上げ、図10および図11に示すように、該ツイストキャップTCが、天面SFを該剥離板5に接地している場合には、該ツイストキャップTCの天面外周角SEが、先ず、粗選別域6の緩衝粗レール61に係合され、掛止されなければ、滑落端53に向けて滑落し、掛止された場合には、該緩衝粗レール61に係合しながら転がり、粗選別エッジ60に係合され、掛止されなければ、滑落端53に向けて滑落し、掛止された場合には、該粗選別エッジ60に係合しながら並選別域7がわへ転がり、該並選別域7の緩衝並レール71に係合され、掛止されなければ、滑落端53に向けて滑落し、掛止された場合には、並選別エッジ70に係合され、掛止されなければ、滑落端53に向けて滑落し、掛止された場合には、該並選別エッジ70に係合しながら細選別域8がわへ転がり、該細選別域8の緩衝細レール81に係合され、掛止されなければ、滑落端53に向けて滑落し、掛止された場合には、該緩衝細レール81に係合しながら転がり、最終選別レール82に係合され、掛止されなければ、滑落端53に向けて滑落し、掛止された場合には、該最終選別レール82に係合しながら細選別エッジ80がわへ転がり、該細選別エッジ80は、略確実に該ツイストキャップTCの天面外周角SEに係合することはなく、滑落端53に向けて滑落することとなり、滑落端53に滑落された該ツイストキャップTCは、図10中の二点鎖線矢印および図11に示すように、姿勢変換ツールPCの反転誘導樋VGの樋状湾曲形状に沿って表裏を反転されるよう放り出され、落下先に待ち構える姿勢制御板ABに接触しながら該搬送面壁20の6時の位置付近に、その裏面BSを接地する姿勢に着地されるものとなり、このように該搬送面壁20に裏面BSが接地された該ツイストキャップTCは、再び吸着点23に吸着され、反時計回りに12時方向へ向けて搬送されることとなる。
このように、天面SFを該剥離板5に接地されたツイストキャップTCは、粗選別域6、並選別域7および細選別域8の順に滑らかな坂と階段を交互に転げ落ちるように、転動しながら滑落され、位置エネルギーが次第に開放されるから、落下の際の衝撃力が大幅に削減され、変形や傷付きをより確実に防止できると共に、静粛性を格段に高められたものとなる。
【0054】
また、図12および図13に示すように、該搬送面壁20の12時方向に移動され、位置エネルギーが付与されたツイストキャップTCが、該搬送面壁20の12時の位置を超えて剥離補助ツールPAの誘導板GPに接して堰き止められた状態となり、同搬送面壁20の吸着点23から外れ、位置エネルギーが開放され、滑落すると、表裏選別ツールFSの剥離板5の剥離エッジ51に乗り上げ、該ツイストキャップTCが、裏面BSを該剥離板5に接地している場合には、該ツイストキャップTCの裏面外周角BEが、先ず、粗選別域6の緩衝粗レール61に掛止され、該緩衝粗レール61に係合しながら転がり、粗選別エッジ60に係合され、並選別域7がわへ転がり、該並選別域7の緩衝並レール71に係合しながら転がり、並選別エッジ70に係合し、細選別域8がわへ転がり、該細選別域8の該緩衝細レール81に係合しながら転がり、最終選別レール82に係合しながら細選別エッジ80がわへ転がり、該細選別エッジ80に沿って転がり、送出口43を通過し、天面SFが上向きの該ツイストキャップTCが、方向転換路LDを通じて滑走ガイドレールGLの上端に送出され、さらに同ツイストキャップTCは、その自重によって該滑走ガイドレールGLに案内されながら、下方の図示しない自動施蓋装置のハンドリング部に自動的に供給されることとなる。
【0055】
また、図12に示すように、滑走ガイドレールGLが、ツイストキャップTC,TC,……によって満たされた場合には、該滑走ガイドレールGLの上端に配された図示しないセンサーが、それを検知し、自動的に当該ギアモーター3の回転駆動を停止し、該センサーが、該滑走ガイドレールGLのツイストキャップTCの減少を検知した場合には、自動的に当該ギアモーター3の回転駆動を再開するよう制御されるものとすることができる。
【0056】
(結 び)
叙述の如く、この発明の部品供給装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの部品供給技術に比較して大幅に簡素化、小型化、軽量化且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、振動や騒音を発生せず、対象部品を傷付けることなく、より正確且つ迅速に選別することができるから、食品などの衛生的な環境を重視する製品の包装工程にも有効なものとなり、食品製造業界および食品加工業界はもとより、食品以外の様々な包装業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【符号の説明】
【0057】
TC ツイストキャップ(対象部品)
(ラグキャップまたはスクリューキャップ)
BS 同 ツイストキャップ(対象部品)の裏面
BE 同 ツイストキャップ(対象部品)の裏面外周縁
RR 同 ツイストキャップ(対象部品)の裏面外周縁の断面の曲率半径
SF 同 ツイストキャップ(対象部品)の天面
SE 同 ツイストキャップ(対象部品)の天面外周角
RF 同 ツイストキャップ(対象部品)の天面外周角の断面の曲率半径
PW 同 ツイストキャップ(対象部品)の周面壁
RG 同 ツイストキャップ(対象部品)のラグ
CB 同 クリッカーセーフティーボタン
(Clicker safety button
TD 同 ツイストキャップTCの直径
TT 同 ツイストキャップTCの厚さ
EF 同 弾性シール膜
1 部品供給装置
2 搬送回転盤
20 同 搬送面壁
21 同 外周端
C 同 中心
22 同 フランジ
UP 同 回転上流
DS 同 回転下流
23 同 吸着点
VL 同 吸着点23,23同士の間隔
SA 同 滑落角度(水平HZに対し30°ないし60°)
HZ 同 水平
3 ギアモーター(回転駆動源)
30 同 出力軸
BL 同 ボールベアリング(軸受け機構)
RD 同 回転駆動方向
4 ボウル
40 同 底部(底面壁)
41 同 上端開口部
42 同 周壁(内周壁)
43 同 送出口
44 同 送出口43の上流端
45 同 送出口43の下流端
46 同 開閉蓋
47 同 メイン円弧面蓋部
TH 同 上部ハンドル
SV 同 嵌着スリーブ
48 同 弧状扉部
HD 同 開閉ハンドル
49 同 ヒンジ
SL 同 支持脚
TA 同 傾斜姿勢の角度
LD 同 方向転換路
GL 同 滑走ガイドレール
FS 同 表裏選別ツール
5 同 剥離板
WA 同 離脱角度WA:水平に対し45°ないし15°
(より望ましくは22.5°)
50 同 先端角
51 同 剥離エッジ
52 同 中央端
53 同 滑落端
BB 同 軸受けボックス
54 同 剥離板5の上面
55 同 閉塞壁部
6 粗選別域
60 同 粗選別エッジ
61 同 緩衝粗レール
7 並選別域
70 同 並選別エッジ
71 同 緩衝並レール
8 細選別域
80 同 細選別エッジ
81 同 緩衝細レール
82 同 最終選別レール
MA 多重回避ツール
DC 同 搬送面壁20からの距離
EX 同 排除板
PA 剥離補助ツール
GP 同 誘導板
GA 同 搬送面壁20からの距離
PC 姿勢変換ツール
VG 同 反転誘導樋
AB 同 姿勢制御板

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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