(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182217
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】発熱者検出方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089666
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 純一
(72)【発明者】
【氏名】澤村 伸一
(72)【発明者】
【氏名】本田 大典
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】発熱者を適切に検出し得る発熱者検出システムを提供する。
【解決手段】記憶部が、建物に入るユーザと、ユーザが建物に入った時刻である入場時刻とを対応付けて記憶し、通知部が、記憶部により記憶されている入場時刻から所定の時間が経過しているユーザに体温を測定するよう通知し、検出部が、所定の時間が経過しているユーザの体温の情報をもとにユーザの発熱を検出するようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に入るユーザの発熱を検出する発熱者検出方法であって、
記憶部が、前記建物に入るユーザと、前記ユーザが前記建物に入った時刻である入場時刻とを対応付けて記憶し、
通知部が、前記記憶部により記憶されている入場時刻から所定の時間が経過しているユーザに体温を測定するよう通知し、
検出部が、前記所定の時間が経過しているユーザの体温の情報をもとに前記ユーザの発熱を検出する
発熱者検出方法。
【請求項2】
前記建物には、サーマルカメラが設けられ、
前記サーマルカメラが、前記建物に入るユーザの体温を測定し、
判定部が、前記サーマルカメラで測定されたユーザの体温が気温の影響を受けた体温であるか否かを判定し、
前記記憶部は、前記サーマルカメラで測定されたユーザの体温が気温の影響を受けた体温であると前記判定部により判定された場合、前記ユーザと、前記ユーザが前記建物に入った時刻である入場時刻とを対応付けて記憶する
請求項1に記載の発熱者検出方法。
【請求項3】
前記建物には、前記建物内の所定の戸に電気錠が設けられ、
認証部が、ユーザの認証を行い、
電気錠制御部が、前記認証部による認証の結果に応じて前記電気錠を制御する
請求項1に記載の発熱者検出方法。
【請求項4】
登録部が、前記建物に入るユーザに係る連絡先を登録し、
前記通知部は、前記所定の時間が経過しているユーザに係る連絡先に体温を測定するよう通知する
請求項1に記載の発熱者検出方法。
【請求項5】
体温受付部が、前記所定の時間が経過しているユーザのユーザ端末により入力された前記ユーザの体温の情報を受け付け、
前記検出部は、前記体温受付部により受け付けられた前記所定の時間が経過しているユーザの体温の情報をもとに前記ユーザの発熱を検出する
請求項1に記載の発熱者検出方法。
【請求項6】
前記建物には、サーマルカメラが設けられ、
体温受付部が、前記サーマルカメラにより測定された前記所定の時間が経過しているユーザの体温の情報を受け付け、
前記検出部は、前記体温受付部により受け付けられた前記所定の時間が経過しているユーザの体温の情報をもとに前記ユーザの発熱を検出する
請求項1に記載の発熱者検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、発熱者を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の入室管理システムでは、人の入室の可否をエリアごとに制限し、カードリーダ等の認証装置にICカード等の認証媒体を読み取らせて認証することで入室が可能となり、人の入室の実績を履歴として管理することができる。
【0003】
また、建物の入り口にサーマルカメラを設置し、入場時に人の体表温度を検査し、検温結果が基準温度を超えている場合は、入室可能な認証媒体を保有していても入室を規制したり、季節や気温に応じて基準温度を補正して入室を規制したりする技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
冬期においては、気温の低下に伴い、建物への入場時は、人の体表温度も低下していることが多いが、体温には個人差があり、気温が一定以下になると、体表温度と体温の差、個人の体温差の幅が大きくなることが知られている。特許文献1に記載の技術では、外気温に基づいて体温を補正するが、実際の体温ではなく、外気温をもとに推定した体温であるため、発熱者を正確に検出することができない。
【0006】
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、発熱者を適切に検出し得る発熱者検出方法等を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては、建物に入るユーザの発熱を検出する発熱者検出方法であって、記憶部が、前記建物に入るユーザと、前記ユーザが前記建物に入った時刻である入場時刻とを対応付けて記憶し、通知部が、前記記憶部により記憶されている入場時刻から所定の時間が経過しているユーザに体温を測定するよう通知し、検出部が、前記所定の時間が経過しているユーザの体温の情報をもとに前記ユーザの発熱を検出するようにした。
【0008】
上記構成では、例えば、入場してから所定の時間が経過した後に検温が行われるので、外気が冷たくて体表温度が下がっている場合、建物まで長い距離歩いてきて体温が上がっている場合等であっても、ユーザの発熱を適切に検出することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発熱者を適切に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施の形態による発熱者検出システムに係る構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施の形態によるコントローラに係る構成の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態によるサーバ装置に係る構成の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施の形態による認証情報の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施の形態による検温情報の一例を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態による認証時処理の一例を示す図である。
【
図7】第1の実施の形態による検温通知処理の一例を示す図である。
【
図8】第1の実施の形態による発熱者検出処理の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施の形態による発熱者検出方法を説明するための図である。
【
図10】第2の実施の形態によるコントローラに係る構成の一例を示す図である。
【
図11】第2の実施の形態による入場履歴情報の一例を示す図である。
【
図12】第2の実施の形態による平均体温情報の一例を示す図である。
【
図13】第2の実施の形態による認証時処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(I)第1の実施の形態
以下、本発明の一実施の形態を詳述する。ただし、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
本実施の形態では、建物に入るユーザ(入場者)の発熱を検出する発熱者検出方法に関して説明する。本実施の形態では、電気錠等のセキュリティがある建物(オフィス、マンション等)への適用を例に挙げて説明するが、セキュリティがない建物に適用することもできる。
【0013】
本実施の形態の発熱者検出システムは、所定の時間が経過した後に行われる検温に基づいて発熱者を検出する。また、本発熱者検出システムは、所定の時間が経過した後に検温がされていない場合、当該ユーザ、当該ユーザの管理者(上長、人事部等)に対して、電子メール等の通知を行ってもよい。なお、本発熱者検出システムは、体温計等で検温した結果をユーザまたは管理者が本発熱者検出システムに入力するよう通知してもよいし、ユーザのスマートフォンに、当該スマートフォン対応のサーマルカメラを取り付けて検温を実施して検温結果を本発熱者検出システムに送信するよう通知してもよいし、ユーザが一度退室し、建物に設けられているサーマルカメラで検温するよう通知してもよい。
【0014】
上記構成によれば、発熱者を高精度に検出することができる。
【0015】
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数または順序を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は、文脈毎に用いられ、1つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
【0016】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は、単数でも複数でも構わない。
【0017】
なお、以下の説明では、図面において同一要素については、同じ番号を付し、説明を適宜省略する。また、同種の要素を区別しないで説明する場合には、枝番を含む参照符号のうちの共通部分(枝番を除く部分)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、枝番を含む参照符号を使用することがある。例えば、カードリーダを特に区別しないで説明する場合には、「カードリーダ110」と記載し、個々のカードリーダを区別して説明する場合には、「カードリーダ110-1」、「カードリーダ110-2」のように記載することがある。
【0018】
図1において、100は、全体として第1の実施の形態による発熱者検出システムを示す。
【0019】
図1は、発熱者検出システム100に係る構成の一例を示す図である。発熱者検出システム100は、カードリーダ110と、サーマルカメラ120と、コントローラ130と、サーバ装置140とを備える。カードリーダ110と、サーマルカメラ120と、コントローラ130と、サーバ装置140とは、ネットワーク101を介して通信可能に接続されている。
【0020】
カードリーダ110は、建物の入口、居室の入口等、建物内に設けられ、ユーザのICカードに記憶されている情報を読み取り、読み取った情報からICカード情報を生成してコントローラ130に送信する。ICカード情報には、カードリーダ110が設けられている場所(カードリーダ110により通行を制限する場所)を示す情報、ICカードのカード番号等が含まれる。なお、ICカードは、認証媒体の一例であり、磁気カード、スマートフォン、スマートウォッチ等であってもよい。
【0021】
サーマルカメラ120は、カードリーダ110と共に建物内に設けられ、ユーザの体温を測定(検温)する。ユーザの体温は、ユーザがサーマルカメラ120の前に立って測定される顔の表面温度、ユーザがサーマルカメラ120に向かって口を開いて測定される口腔内の温度等である。なお、サーマルカメラ120は、カードリーダ110と共に設けられていなくてもよく、建物内の適宜の場所に設けられていてよい。
【0022】
コントローラ130は、カードリーダ110から送信されたICカード情報に基づいて入場可能であるかの判定(認証)を行う。コントローラ130は、認証が成功した場合、認証が行われた場所(通行が許可された場所)の戸に設けられている電気錠を解錠し、ネットワーク101を介して認証時刻(入場時刻の一例)の情報をサーバ装置140に送信する。なお、建物に設けられている戸は、開き戸であってもよいし、引き戸であってもよい。
【0023】
サーバ装置140は、コントローラ130から送信された認証時刻の情報を受信すると、検温の実施に係る後述の検温情報326を生成する。サーバ装置140は、検温情報326に基づいて、ユーザ端末150、管理者端末160等に対して、検温に係る通知(検温通知)を行う。ユーザ端末150および管理者端末160は、サーバ装置140から検温通知を受信すると、検温を促す情報を出力する。
【0024】
ユーザ端末150および管理者端末160の各々は、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等である。
【0025】
図2は、コントローラ130に係る構成の一例を示す図である。コントローラ130は、制御装置210と、記憶装置220と、通信装置230とを備える。
【0026】
制御装置210は、演算処理を行う装置である。制御装置210は、例えば、プロセッサであり、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、AI(Artificial Intelligence)チップ等である。
【0027】
記憶装置220は、プログラム、データ等を記憶する装置である。記憶装置220は、典型的には、主記憶装置であるが、補助記憶装置等であってもよい。主記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等である。ROMは、SRAM(Static Random Access Memory)、NVRAM(Non Volatile RAM)、マスクROM(Mask Read Only Memory)、PROM(Programmable ROM)等である。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。補助記憶装置は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、SSD(Solid State Drive)、光学式記憶装置等である。光学式記憶装置は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等である。補助記憶装置に格納されているプログラム、データ等は、主記憶装置に随時読み込まれる。
【0028】
通信装置230は、通信媒体を介して他の装置と通信する通信インタフェースである。通信装置230は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、シリアル通信モジュール等である。通信装置230は、通信可能に接続する他の装置から情報を受信する入力装置として機能することもできる。また、通信装置230は、通信可能に接続する他の装置に情報を送信する出力装置として機能することもできる。
【0029】
なお、コントローラ130は、入力装置と出力装置との少なくとも1つを備えていてもよい。入力装置は、ユーザから情報を受付けるユーザインタフェースである。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、カードリーダ、タッチパネル等である。出力装置は、各種の情報を出力(表示出力、音声出力、印字出力等)するユーザインタフェースである。出力装置は、例えば、各種情報を可視化する表示装置、音声出力装置(スピーカ)、印字装置等である。表示装置は、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等である。
【0030】
コントローラ130の機能(認証部221、電気錠制御部222、体温受付部223等)は、例えば、制御装置210が記憶装置220に格納されたプログラムを読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。なお、コントローラ130の1つの機能は、複数の機能に分けられていてもよいし、複数の機能は、1つの機能にまとめられていてもよい。また、コントローラ130の機能の一部は、別の機能として設けられてもよいし、他の機能に含められていてもよい。また、コントローラ130の機能の一部は、コントローラ130と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。例えば、コントローラ130の機能は、クラウド(例えば、サーバ装置140)で実現されてもよい。この場合、ハードウェアを新たに設置する必要がない。
【0031】
認証部221は、ユーザの認証を行う。電気錠制御部222は、認証部221による認証の結果に応じて電気錠を制御する。体温受付部223は、サーマルカメラ120で測定されたユーザの体温を示す情報(体温情報)をサーマルカメラ120から受け付ける。
【0032】
記憶装置220は、認証部221によるユーザの認証(認証時処理)において用いられる認証情報224を記憶する。認証情報224については、
図4を用いて後述する。
【0033】
図3は、サーバ装置140に係る構成の一例を示す図である。サーバ装置140は、制御装置310と、記憶装置320と、通信装置330とを備える。
【0034】
制御装置310は、演算処理を行う装置である。制御装置310は、例えば、プロセッサであり、CPU、MPU、GPU、AIチップ等である。
【0035】
記憶装置320は、プログラム、データ等を記憶する装置である。記憶装置320は、典型的には、主記憶装置であるが、補助記憶装置等であってもよい。
【0036】
通信装置330は、通信媒体を介して他の装置と通信する通信インタフェースである。通信装置330は、例えば、NIC、無線通信モジュール、USBモジュール、シリアル通信モジュール等である。通信装置330は、通信可能に接続する他の装置から情報を受信する入力装置として機能することもできる。また、通信装置330は、通信可能に接続する他の装置に情報を送信する出力装置として機能することもできる。
【0037】
なお、サーバ装置140は、入力装置と出力装置との少なくとも1つを備えていてもよい。
【0038】
サーバ装置140の機能(記憶部321、通知部322、登録部323、体温受付部324、検出部325等)は、例えば、制御装置310が記憶装置320に格納されたプログラムを読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。なお、サーバ装置140の1つの機能は、複数の機能に分けられていてもよいし、複数の機能は、1つの機能にまとめられていてもよい。また、サーバ装置140の機能の一部は、別の機能として設けられてもよいし、他の機能に含められていてもよい。また、サーバ装置140の機能の一部は、サーバ装置140と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。
【0039】
記憶部321は、建物に入るユーザと、当該ユーザの認証時刻とを対応付けた情報(例えば、後述の検温情報326)を記憶する。通知部322は、記憶部321により記憶されている認証時刻から所定の時間が経過しているユーザに体温を測定するよう通知する。登録部323は、建物に入るユーザに係る連絡先を登録する。体温受付部324は、ユーザの体温情報を受け付ける。例えば、体温受付部324は、体温計により測定された体温情報をユーザ端末150から受け付けたり、サーマルカメラ120で測定された体温情報を体温受付部223から受け付けたりする。検出部325は、ユーザ端末150により受け付けられた体温情報またはサーマルカメラ120により測定された体温情報をもとに発熱を検出する。
【0040】
記憶装置320は、通知部322による検温通知の際(検温通知処理)において用いられる検温情報326を記憶する。検温情報326については、
図5を用いて後述する。
【0041】
なお、サーバ装置140は、発熱者検出システム100を提供する事業者のデータセンタに配置されてもよいし、クラウドを用いて実現されてもよいし、仮想マシンであってもよい。
【0042】
図4は、認証情報224の一例(認証テーブル400)を示す図である。
【0043】
認証テーブル400は、認証情報224を示す複数の項目の値を含むレコードを記憶する。より具体的には、認証テーブル400は、レコード番号401と、カード番号402と、通行可能カードリーダ403と、有効期限404と、連絡先405との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0044】
レコード番号401の項目には、認証テーブル400に格納されているレコードを識別するための情報が記憶される。カード番号402の項目には、ICカードを識別するための情報(例えば、カード番号)が記憶される。通行可能カードリーダ403の項目には、当該ICカードにより通行可能な場所を示す情報が記憶される。有効期限404の項目には、当該ICカードの有効期限を示す情報が記憶される。連絡先405の項目には、当該ICカードを保有するユーザに係る連絡先を示す情報が記憶される。ユーザに係る連絡先は、当該ユーザの電子メールアドレス、当該ユーザの上長の電子メールアドレス等であり、登録部323により登録される。
【0045】
なお、認証テーブル400は、上述の内容に限らない。例えば、認証テーブル400には、ユーザの氏名を示す情報等、他の情報が含まれていてもよい。
【0046】
図5は、検温情報326の一例(検温テーブル500)を示す図である。
【0047】
検温テーブル500は、検温情報326を示す複数の項目の値を含むレコードを記憶する。より具体的には、検温テーブル500は、レコード番号501と、カード番号502と、検温時間503と、検温実施504と、連絡先505との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0048】
レコード番号501の項目には、検温テーブル500に格納されているレコードを識別するための情報が記憶される。カード番号502の項目には、ICカードを識別するための情報が記憶される。検温時間503の項目には、当該ICカードを保有するユーザが検温を実施する時間を示す情報が記憶される。検温時間は、記憶部321により認証時刻をもとに計算されて記憶される。検温実施504の項目には、当該ICカードを保有するユーザが検温を実施したか否かを示す情報が記憶される。連絡先505の項目には、当該ICカードを保有するユーザに係る連絡先を示す情報が記憶される。
【0049】
なお、検温テーブル500は、上述の内容に限らない。例えば、検温テーブル500には、ユーザの氏名を示す情報等、他の情報が含まれていてもよい。
【0050】
図6は、コントローラ130が実行する認証時処理の一例を示す図である。認証時処理は、コントローラ130がカードリーダ110からICカード情報を受信した場合に実行される。
【0051】
ステップS601では、コントローラ130は、認証情報224と、受信したICカード情報とを用いて、認証を行う。コントローラ130は、認証に成功した場合(認証OKの場合)、ステップS602に処理を移し、認証に失敗した場合、認証時処理を終了する。
【0052】
例えば、コントローラ130は、ICカードを読み取ったカードリーダ110が設けられている場所「入口A」と、当該ICカードのカード番号「CARD001」と、が含まれているICカード情報を受信した場合、認証テーブル400を参照し、カード番号「CARD001」よりレコード番号401が「1」であるレコードを特定し、当該レコードの通行可能カードリーダ403に「入口A」が含まれるか否かを判定する。本例の場合、当該レコードの通行可能カードリーダ403に「入口A」が含まれているので、コントローラ130は、認証OKと判定する。
【0053】
ステップS602では、コントローラ130は、検温に係る情報をサーバ装置140に送信する。
【0054】
例えば、検温に係る情報として、コントローラ130は、ステップS601での認証において特定したレコードのカード番号402および連絡先405と、認証時刻とをサーバ装置140に送信する。サーバ装置140は、検温に係る情報を受信すると、検温情報326を更新する。例えば、サーバ装置140は、カード番号「CARD001」、連絡先「xxx1@yyy.zzz」、認証時刻「2021年3月29日 9:45」を受信した場合、検温テーブル500に、レコード番号501が次のレコード番号「2」、カード番号502が「CARD001」、検温時間503が認証時刻から所定の時間(例えば、15分)が経過した後の時間「2021/03/29 10:00 - 11:00」、検温実施504が「未」、連絡先505が「xxx1@yyy.zzz」であるレコードを追加する。
【0055】
なお、検温時間は、予め設定した所定の時間後に限るものではない。入場した時刻から平熱になる時刻になるまでの時間を統計的に算出し、ユーザごとに平熱が確認できる時間としてもよい。
【0056】
ステップS603では、コントローラ130は、ICカードを読み取ったカードリーダ110が設けられている場所(通行が許可された場所)の戸の電気錠を解錠する。
【0057】
図7は、サーバ装置140が実行する検温通知処理の一例を示す図である。検温通知処理は、所定のタイミングで行われる。所定のタイミングは、予め定められた時刻であってもよいし、定期的(例えば、10分おき)であってもよいし、その他のタイミングであってもよい。
【0058】
ステップS701では、サーバ装置140は、検温情報326を取得する。サーバ装置140は、検温情報326のデータ1件ごとに、ステップS702~ステップS707の処理を行う。
【0059】
ステップS702では、サーバ装置140は、処理対象のデータの検温が実行されているか否か(検温済であるか否か)を判定する。サーバ装置140は、検温済であると判定した場合、ステップS703に処理を移し、検温済でないと判定した場合、ステップS704に処理を移す。
【0060】
例えば、処理対象のデータがレコード番号501「2」のレコードである場合、当該レコードの検温実施504の値を参照し、「済」であるか否かを判定する。なお、本例では、当該レコードの検温実施504の値が「未」であるので、サーバ装置140は、検温済でないと判定し、ステップS704に処理を移す。
【0061】
ステップS703では、サーバ装置140は、処理対象のデータ(例えば、レコード)を削除し、処理対象を次のデータにセットする。なお、サーバ装置140は、処理対象のデータに対して削除したことを示すフラグを付し、履歴として残しておいてもよい。
【0062】
ステップS704では、サーバ装置140は、検温時間内であるか否かを判定する。サーバ装置140は、検温時間内であると判定した場合、ステップS705に処理を移し、検温時間内でないと判定した場合、ステップS706に処理を移す。
【0063】
例えば、サーバ装置140は、処理対象のデータがレコード番号501「2」のレコードであり、現在の時刻が「2021/03/29 10:00」である場合、当該レコードの検温時間503の値に現在の時刻が属するので、検温時間内であると判定する。
【0064】
ステップS705では、サーバ装置140は、検温を促すよう検温通知を行う。例えば、処理対象のデータがレコード番号501「2」のレコードである場合、サーバ装置140は、当該レコードの連絡先505「xxx1@yyy.zzz」に、検温を実施する旨の電子メールを送信する。
【0065】
なお、検温通知の方法は、電子メールの送信に限らない。ユーザ端末150、サーバ装置140等にポップアップ表示してもよいし、カードリーダ110のLEDを点灯してもよいし、その他の方法であってもよい。例えば、ポップアップ表示については、検温を管理するためのアプリケーションソフトウェアがユーザ端末150および/または管理者端末160にインストールされていて、当該アプリケーションソフトウェアにより、検温を実施する旨の通知が行われてもよい。この場合、連絡先405および連絡先505に代えて、アプリケーションのユーザID等が記憶されてもよい。
【0066】
例えば、ユーザは、ユーザ端末150を介して、検温を実施する必要があることを把握すると、体温計を用いて検温を実施する。ユーザは、体温計により検温を実施した際、ユーザ端末150より体温情報を入力する。ユーザ端末150は、入力された体温情報をサーバ装置140に送信する。なお、検温は、サーマルカメラ120を用いて実施されてもよい。この場合、サーマルカメラ120は、測定した体温情報をサーバ装置140に送信する。サーマルカメラ120によれば、ユーザは、検温を容易に実施することができる。
【0067】
ステップS706では、サーバ装置140は、検温時間を経過したか否かを判定する。サーバ装置140は、検温時間を経過したと判定した場合、ステップS707に処理を移し、検温時間を経過していないと判定した場合、処理対象を次のデータにセットする。
【0068】
ステップS707では、サーバ装置140は、検温を催促するよう催促通知を行う。例えば、処理対象のデータがレコード番号501「2」のレコードである場合、サーバ装置140は、当該レコードの連絡先505「xxx1@yyy.zzz」に、検温を直ちに実施する旨の電子メールを送信する。
【0069】
なお、ステップS707の処理に加えてまたは代えて、検温通知から一定時間が経っても検温が確認できない場合は、検温が確認できるまで、すべての入室を不許可にしてもよい。また、検温通知は、検温時間内に行われる構成に限らない。例えば、認証時に、検温時間に検温を行うように通知されてもよい。
【0070】
図8は、サーバ装置140が実行する発熱者検出処理の一例を示す図である。発熱者検出処理は、コントローラ130(サーマルカメラ120)またはユーザ端末150から送信された体温情報をサーバ装置140が受信した場合に実行される。なお、サーバ装置140は、体温計、サーマルカメラ120等により測定されたユーザの体温情報と共に、当該ユーザを識別する情報(例えば、カード番号)を受信する。
【0071】
ステップS801では、サーバ装置140は、受信した体温情報の体温が所定の値(例えば、37.5度)より高いか否か(発熱があるか否か)を判定する。サーバ装置140は、発熱があると判定した場合、ステップS802に処理を移し、発熱がないと判定した場合、ステップS803に処理を移す。
【0072】
ステップS802では、サーバ装置140は、発熱が検出されたことを知らせる発熱通知を行う。例えば、サーバ装置140は、発熱が検出されたユーザを示す情報を管理者端末160に送信する。例えば、管理者端末160は、発熱が検出されたユーザの氏名を表示し、当該ユーザを把握した管理者は、当該ユーザに帰宅等を命じる。
【0073】
ステップS803では、サーバ装置140は、検温情報326を更新する。例えば、サーバ装置140は、検温テーブル500を参照し、体温情報と共に送信されたカード番号がカード番号502の値と一致するレコードの検温実施504の値を「済」に更新し、発熱者検出処理を終了する。
【0074】
次に、発熱者検出システム100における一連の発熱者検出方法について
図9を用いて説明する。
【0075】
図9は、発熱者検出システム100における発熱者検出方法を説明するための図である。
【0076】
図9に示すように、建物900の入口901には、カードリーダ110-1およびサーマルカメラ120-1が設けられ、居室の入口902には、カードリーダ110-2およびサーマルカメラ120-2が設けられ、居室の入口903には、カードリーダ110-3およびサーマルカメラ120-3が設けられている。
【0077】
ユーザ910は、所持しているICカード911を用いて、建物900の入口901に設けられているカードリーダ110-1により認証を行う。コントローラ130において認証が成功すると、認証時刻がサーバ装置140に送信される。認証時刻から所定の時間が経過した場合、ユーザ910のユーザ端末150は、サーバ装置140から検温を実施する旨の電子メールを受信する。
【0078】
ユーザ910は、指定された検温時間内に体温計により検温を実施し、測定した体温情報をユーザ端末150に入力する。入力された体温情報は、サーバ装置140に送信される。なお、ユーザ910は、指定された検温時間内に、カードリーダ110-2にカード911を読み取らせ、サーマルカメラ120-2により検温を実施してもよい。
【0079】
サーバ装置140は、体温情報をもとに、ユーザ910に発熱があるか否かを判定し、発熱があると判定した場合、管理者端末160に、発熱が検出されたユーザ910を示す情報(ユーザ910の氏名、カード911のカード番号等)を送信する。
【0080】
管理者端末160の管理者920は、ユーザ910の発熱を把握すると、ユーザ910に帰宅等を命ずる。
【0081】
本実施の形態によれば、ユーザが入場してから、所定の時間が経過した後に、検温が実施されるので、ユーザの発熱を正確に検出できる。なお、所定の時間は、一定の時間であってもよいし、ユーザごとに定められる時間であってもよい。
【0082】
(II)第2の実施の形態
本実施の形態は、入場の際に検温を行い、気温の影響がある場合に、所定の時間が経過した後に再び検温を行う点が第1の実施の形態と主に異なる。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同じ構成については、同じ符号を用いて、その説明を省略する。
【0083】
本実施の形態に係る発熱者検出システムは、正確な検温結果が得られなかった可能性のあるユーザを特定し、所定の時間が経過した後に、当該ユーザの居室への再入室の際に自動で再検温を行い、発熱を検出する。
【0084】
より具体的には、本発熱者検出システムは、サーマルカメラがユーザの体温を測定し、測定された体温が気温の影響がある体温である場合は、当該ユーザを認証時刻(測定時刻であってもよい。)と対応付けてテーブルに登録する。そして、本発熱者検出システムは、当該テーブルを参照し、再測定を実施していないユーザが登録されており、登録されているユーザの認証時刻から予め定められた所定の時間が経過しているとき、再測定が必要なユーザであると判定し、再測定が必要なユーザのユーザ端末へ再測定を行うよう通知する。
【0085】
次に、本実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0086】
図10は、本実施の形態のコントローラ130に係る構成の一例を示す図である。
【0087】
コントローラ130は、判定部1001と入場履歴情報1002と平均体温情報1003とを記憶する。判定部1001は、サーマルカメラ120で測定されたユーザの体温が気温の影響を受けた体温であるか否かを判定する。記憶部321は、サーマルカメラ120で測定されたユーザの体温が気温の影響を受けた体温であると判定部1001により判定された場合、当該ユーザと、当該ユーザの認証時刻とを対応付けて記憶する。入場履歴情報1002は、入場の履歴に係る情報であり、
図11を用いて後述する。平均体温情報1003は、ユーザの平均体温に係る情報であり、
図12を用いて後述する。
【0088】
図11は、入場履歴情報1002の一例(入場履歴テーブル1100)を示す図である。
【0089】
入場履歴テーブル1100は、入場履歴情報1002を示す複数の項目の値を含むレコードを記憶する。より具体的には、入場履歴テーブル1100は、レコード番号1101と、日時1102と、カード番号1103と、認証カードリーダ1104と、認証結果1105と、検温結果1106との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0090】
レコード番号1101の項目には、入場履歴テーブル1100に格納されているレコードを識別するための情報が記憶される。日時1102の項目には、認証時刻を示す情報が記憶される。カード番号1103の項目には、認証に用いられたICカードのカード番号を示す情報が記憶される。認証カードリーダ1104の項目には、当該ICカードの情報を読み取ったカードリーダ110を示す情報が記憶される。認証結果1105の項目には、認証の結果を示す情報が記憶される。検温結果1106の項目には、当該ICカードを用いた認証の際に、サーマルカメラ120で測定されたユーザの体温情報が記憶される。
【0091】
図12は、平均体温情報1003の一例(平均体温テーブル1200)を示す図である。
【0092】
平均体温テーブル1200は、平均体温情報1003を示す複数の項目の値を含むレコードを記憶する。より具体的には、平均体温テーブル1200は、レコード番号1201と、カード番号1202と、氏名1203と、検温回数1204と、平均体温1205との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0093】
レコード番号1201の項目には、平均体温テーブル1200に格納されているレコードを識別するための情報が記憶される。カード番号1202の項目には、ICカードを識別するための情報が記憶される。氏名1203の項目には、当該ICカードを保有するユーザの氏名を示す情報が記憶される。検温回数1204の項目には、当該ユーザについて検温された回数を示す情報が記憶される。平均体温1205の項目には、当該ユーザの平均体温を示す情報が記憶される。
【0094】
なお、検温回数1204および平均体温1205の値は、所定のタイミングで初期化されてもよい。所定のタイミングは、予め定められた日時であってもよいし、定期的(例えば、1日おき、1週間おき、1か月おき)であってもよいし、その他のタイミング(例えば、気温が所定の温度より低くなったとき)であってもよい。
【0095】
図13は、コントローラ130が実行する認証時処理の一例を示す図である。認証時処理は、コントローラ130がカードリーダ110からICカード情報を受信した場合に実行される。
【0096】
ステップS1301では、コントローラ130は、認証が行われたカードリーダ110と共に設けられているサーマルカメラ120で測定された体温情報を取得する。
【0097】
ステップS1302では、コントローラ130は、ステップS1301で取得した体温情報と平均体温情報1003とを用いて、気温の影響があるか否かを判定する。コントローラ130は、気温の影響があると判定した場合、ステップS602に処理を移し、気温の影響がないと判定した場合、ステップS1303に処理を移す。
【0098】
例えば、コントローラ130は、認証が成功したユーザ(認証ユーザ)の現在の体温が当該認証ユーザの平均体温より所定の値低い場合、気温の影響があると判定する。また、例えば、コントローラ130は、認証ユーザの入場時の体温と平均体温との差(または変化量)が、同じ日の他の認証ユーザの入場時の体温と平均体温との差(または変化量)よりも所定の値以上離れている場合、気温の影響があると判定してもよい。
【0099】
ステップS1303では、コントローラ130は、ステップS1301で取得した体温情報の体温が所定の値(例えば、37.5度)より高いか否か(発熱があるか否か)を判定する。コントローラ130は、発熱があると判定した場合、認証時処理を終了し、発熱がないと判定した場合、ステップS1304に処理を移す。
【0100】
ステップS1304では、コントローラ130は、ステップS1301において取得した体温情報を用いて、平均体温情報1003を更新する。
【0101】
ステップS1305では、コントローラ130は、入場履歴情報1002を更新する。例えば、コントローラ130は、入場履歴テーブル1100にレコードを追加する。
【0102】
本実施の形態によれば、気温の影響がある場合は、その影響がなくなってから、再び検温が行われるので、発熱者を正確に検出できるようになる。
【0103】
(III)付記
上述の実施の形態には、例えば、以下のような内容が含まれる。
【0104】
上述の実施の形態においては、本発明を発熱者検出システムに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のシステム、装置、方法、プログラムに広く適用することができる。
【0105】
また、上述の実施の形態においては、サーバ装置140は、検温時間内に検温通知を行う場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、サーバ装置140は、認証が成功してから、所定の時間が経過するまでの任意のタイミング(事前)に、検温時間に検温を実施する旨の電子メールを送信するようにしてもよい。
【0106】
また、上述の実施の形態においては、サーバ装置140は、所定の時間として、検温時間(10:00 - 11:00)を算出する場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、サーバ装置140は、検温時刻(10:00)を算出し、算出した検温時刻に検温通知を行うようにしてもよい。
【0107】
また、上述の実施の形態においては、サーバ装置140は、受信した体温情報を用いて発熱を検出する場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、サーバ装置140は、受信した体温情報が所定の時間が経過した後に測定された体温情報であるか否かを判定し、所定の時間が経過した後に測定された体温情報であると判定した場合に発熱を検出するようにしてもよい。
【0108】
また、上述の実施の形態においては、入場時刻として認証時刻または測定時刻を用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、建物の入口に、カメラが設けられ、カメラでユーザが撮影された時刻を入場時刻として用いるようにしてもよい。
【0109】
また、上述の実施の形態において、プログラムの一部またはすべては、プログラムソースから、サーバ装置、コントローラ等を実現するコンピュータのような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、ネットワークで接続されたプログラム配布サーバまたはコンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。また、上述の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0110】
また、上述の実施の形態において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部または一部が1つのテーブルであってもよい。
【0111】
また、上述の実施の形態において、説明の便宜上、発熱者検出システムで用いる情報を、テーブルを用いて説明したが、データ構造はテーブルに限定されるものではない。発熱者検出システムで用いる情報は、XML(Extensible Markup Language)、ハッシュテーブル、木構造等、テーブル以外のデータ構造によって表現されてもよい。
【0112】
また、上述の実施の形態において、統計値として平均値を用いる場合について説明したが、統計値は、平均値に限るものではなく、最大値、最小値、最大値と最小値との差、最頻値、中央値、標準偏差等の他の統計値であってもよい。
【0113】
また、上述の実施の形態において、情報の出力は、ディスプレイへの表示に限るものではない。情報の出力は、スピーカによる音声出力であってもよいし、ファイルへの出力であってもよいし、印刷装置による紙媒体等への印刷であってもよいし、プロジェクタによるスクリーン等への投影であってもよいし、その他の態様であってもよい。
【0114】
また、上記の説明において、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0115】
また、上述した実施の形態は、例えば、以下の特徴的な構成を有する。
【0116】
(1)
建物に入るユーザの発熱を検出する発熱者検出方法は、記憶部(例えば、記憶部321、サーバ装置140、サーバ装置140と通信可能なコンピュータ、回路)が、上記建物に入るユーザと、上記ユーザが上記建物に入った時刻である入場時刻とを対応付けて記憶し(例えば、ステップS602)、通知部(例えば、通知部322、サーバ装置140、サーバ装置140と通信可能なコンピュータ、回路)が、上記記憶部により記憶されている入場時刻から所定の時間が経過しているユーザに体温を測定するよう通知し(例えば、ステップS705)、検出部(例えば、検出部325、サーバ装置140、サーバ装置140と通信可能なコンピュータ、回路)が、上記所定の時間が経過しているユーザの体温の情報をもとに上記ユーザの発熱を検出する(例えば、ステップS801)。
【0117】
上記構成では、例えば、入場してから所定の時間が経過した後に検温が行われるので、外気が冷たくて体表温度が下がっている場合、建物まで長い距離歩いてきて体温が上がっている場合等であっても、ユーザの発熱を適切に検出することができる。
【0118】
(2)
上記建物には、サーマルカメラ(例えば、サーマルカメラ120)が設けられ、上記サーマルカメラが、上記建物に入るユーザの体温を測定し(例えば、ステップS1301)、判定部(例えば、判定部1001、コントローラ130、コントローラ130と通信可能なコンピュータ、回路)が、上記サーマルカメラで測定されたユーザの体温が気温の影響を受けた体温であるか否かを判定し(例えば、ステップS1302)、上記記憶部は、上記サーマルカメラで測定されたユーザの体温が気温の影響を受けた体温であると上記判定部により判定された場合、上記ユーザと、上記ユーザが上記建物に入った時刻である入場時刻とを対応付けて記憶する(例えば、
図13に示すステップS602)。
【0119】
上記構成では、例えば、入場時に正しく検温ができる場合は、入場時にユーザの発熱が検出でき、入場時に正しく検温ができない場合は、所定の時間が経過した後にユーザの発熱が検出できる。このように、上記構成によれば、適切なタイミングでユーザの発熱を検出することができる。
【0120】
(3)
上記建物には、上記建物内の所定の戸に電気錠が設けられ、認証部(例えば、認証部221、コントローラ130、コントローラ130と通信可能なコンピュータ、回路)が、ユーザの認証を行い(例えば、ステップS601)、電気錠制御部(例えば、電気錠制御部222、コントローラ130、コントローラ130と通信可能なコンピュータ、回路)が、上記認証部による認証の結果に応じて上記電気錠を制御する(例えば、ステップS603)。
【0121】
上記構成では、例えば、建物に入るときに認証が行われるので、所定の時間が経過した後の検温により発熱が検出されたユーザを容易に特定することができる。
【0122】
(4)
上記発熱者検出方法は、登録部(例えば、登録部323、サーバ装置140、サーバ装置140と通信可能なコンピュータ、回路)が、上記建物に入るユーザに係る連絡先を登録し(例えば、
図4参照)、上記通知部は、上記所定の時間が経過しているユーザに係る連絡先に体温を測定するよう通知する。
【0123】
上記構成によれば、登録された連絡先に通知が行われるので、例えば、ユーザの管理者の連絡先が登録されている場合、ユーザの管理者は、ユーザの検温を促すことができ、ユーザの発熱をより確実に検出することができる。
【0124】
(5)
体温受付部(例えば、体温受付部324、サーバ装置140、サーバ装置140と通信可能なコンピュータ、回路)が、上記所定の時間が経過しているユーザのユーザ端末(例えば、ユーザ端末150)により入力された上記ユーザの体温の情報を受け付け、上記検出部は、上記体温受付部により受け付けられた上記所定の時間が経過しているユーザの体温の情報をもとに上記ユーザの発熱を検出する。
【0125】
上記構成によれば、例えば、所定の時間が経過しているユーザにより正確な体温が入力されるので、ユーザの発熱を高精度に検出することができる。
【0126】
(6)
上記建物には、サーマルカメラ(例えば、サーマルカメラ120)が設けられ、体温受付部(例えば、体温受付部223、コントローラ130、コントローラ130と通信可能なコンピュータ、回路)が、上記サーマルカメラにより測定された上記所定の時間が経過しているユーザの体温の情報を受け付け、上記検出部は、上記体温受付部により受け付けられた上記所定の時間が経過しているユーザの体温の情報をもとに上記ユーザの発熱を検出する。
【0127】
上記構成によれば、例えば、サーマルカメラで体温が測定されると、測定された体温が自動で入力されるので、ユーザによる体温の入力の負担を低減することができる。
【0128】
また上述した構成については、本発明の要旨を超えない範囲において、適宜に、変更したり、組み替えたり、組み合わせたり、省略したりしてもよい。
【0129】
「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という形式におけるリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができると理解されたい。同様に、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」の形式においてリストされた項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができる。
【符号の説明】
【0130】
100……発熱者検出システム、110……カードリーダ、120……サーマルカメラ、130……コントローラ、140……サーバ装置。