(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018232
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】延焼防止システム及び制御装置
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20220120BHJP
A62C 2/00 20060101ALI20220120BHJP
E04B 1/76 20060101ALI20220120BHJP
E04B 1/94 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
G08B17/00 J
A62C2/00 A
E04B1/76 200Z
E04B1/94 B ESW
G08B17/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121189
(22)【出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 諭
(72)【発明者】
【氏名】鵜殿 敏孝
(72)【発明者】
【氏名】黒坂 悠平
【テーマコード(参考)】
2E001
5G405
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001FA24
2E001QA02
5G405AA01
5G405AA03
5G405AA06
5G405AA08
5G405AB07
5G405AD04
5G405AD06
5G405CA23
5G405CA27
5G405CA29
5G405CA31
5G405CA46
(57)【要約】 (修正有)
【課題】建造物の所定の範囲内に存在する外部建造物からの延焼を防止する延焼防止システムを提供する。
【解決手段】建造物の外部の所定の範囲内に存在する外部建造物からの延焼を防止する延焼防止システムにおいて、外部建造物からの延焼を防止する延焼防止装置と、延焼防止装置を制御する制御装置36と、を有する。制御装置36は、外部建造物のうち、火災を検知している建造物である火元建造物を特定する特定部302と、特定部302が特定した火元建造物に対応する延焼防止装置を作動させる作動制御部303と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の外部の所定の範囲内に存在する外部建造物からの延焼を防止する延焼防止システムにおいて、
前記外部建造物からの延焼を防止する延焼防止装置と、当該延焼防止装置を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、
前記外部建造物のうち、火災を検知している建造物である火元建造物を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記火元建造物に対応する延焼防止装置を作動させる作動制御部と、を有する、
延焼防止システム。
【請求項2】
前記火元建造物は、火災の発生を検知する警報器と、当該警報器からの情報に基づいて火災の発生を示す移報信号と火元建造物を示す火元情報とを外部へ送信する中継器とを有し、
前記制御装置は、前記火元建造物の中継器からの前記移報信号と前記火元情報とを取得する取得部をさらに備え、
前記特定部は、前記取得部が取得した前記火元情報に基づいて、当該火元建造物を特定する、
請求項1に記載の延焼防止システム。
【請求項3】
前記作動制御部は、前記建造物の所定の範囲内の外部建造物のそれぞれと、前記建造物の所定の一以上の壁面とを関連付けたテーブルを参照し、前記特定部が特定した前記火元建造物に前記テーブルにおいて関連付けられた壁面に対応する前記延焼防止装置を制御する、
請求項2に記載の延焼防止システム。
【請求項4】
前記火元建造物は、火災の発生を検知する警報器と、当該警報器からの情報に基づいて火災の発生を音で報知する警報装置とを有し、
前記制御装置は、音を検出する音検出部をさらに備え、
前記特定部は、前記音検出部が検出した音の到来方向を特定した結果に基づいて前記火元建造物を特定する、
請求項1に記載の延焼防止システム。
【請求項5】
前記延焼防止装置は、複数の外部建造物にそれぞれ対応する前記建造物の壁内に設けられた流水管を有し、
前記作動制御部は、前記火元建造物に対応する前記壁内の前記流水管に水を流すように前記延焼防止装置を制御する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の延焼防止システム。
【請求項6】
前記建造物の壁内に設けられた流水管は外部建造物の方向へ放水可能な放水口を有し、
前記作動制御部は、前記特定部が特定した前記火元建造物に対応する方向の前記建造物の壁内に設けられた流水管の前記放水口から、前記火元建造物へ放水させる、
請求項5に記載の延焼防止システム。
【請求項7】
前記作動制御部は、前記建造物の壁に設けられた前記流水管に温水を流すことによって前記建造物内を暖房し、
前記作動制御部は、前記特定部が特定した前記火元建造物に対応する壁内の前記流水管に前記温水より低い温度の水を流すように前記延焼防止装置を制御する、
請求項5又は6に記載の延焼防止システム。
【請求項8】
前記建造物には、室内の温度を調整するための第1の流水管が設けられ、前記建造物の壁には、前記延焼防止装置に含まれる第2の流水管とが設けられており、
前記作動制御部は、前記第1の流水管に水を流すことにより前記建造物内の温度を調整し、前記特定部が特定した前記火元建造物に対応する壁内の前記第1の流水管よりも外側に設けられた前記第2の流水管に水を流すように前記延焼防止装置を制御する、
請求項5から7のいずれか一項に記載の延焼防止システム。
【請求項9】
前記延焼防止装置は、
複数の前記建造物の壁に設けられた前記流水管に水をそれぞれ供給するための給水管と、
複数の前記建造物の壁に設けられた前記流水管からそれぞれ排出された水を貯水槽に送るための排水管と、
前記給水管及び前記排水管に水を流すための駆動力を発生する駆動部と、
をさらに備え、
前記作動制御部は、前記駆動部に前記駆動力を発生させることにより、前記複数の建造物の流水管に前記給水管を介して水を供給し、前記排水管を介して前記流水管から排出された水を前記貯水槽に送るように前記駆動部を制御する、
請求項5から8のいずれか一項に記載の延焼防止システム。
【請求項10】
建造物の外部の所定の範囲内に存在する外部建造物からの延焼を防止する装置である延焼防止装置を制御する制御装置であって、
前記外部建造物のうち、火災を検知している建造物である火元建造物を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記火元建造物に対応する延焼防止装置を作動させる作動制御部と、を有する、
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部建造物からの延焼を防止する延焼防止システム及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建造物の火災において他の建造物への延焼を抑制する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、外壁面材の温度を検知する外壁温センサを用いて、外壁温センサが設けられた建造物の周辺で火災が発生していることを検知することが記載されている。特許文献1には、外壁温センサが設けられた建造物の周辺で火災が発生していることを検知した場合には、外壁面材に設けられた複数の水通路に水を流すことにより、外壁面材周辺の防火性能を高めることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の方法では、外壁面材に設けられた外壁温センサを用いて建造物の周辺で火災が発生していることを検知するため、外壁温センサが検出した温度が上昇するまでは、火災が発生したことが検知されない。したがって、火災が発生してから水通路に水を流すまでにかかる時間が長くなり、他の建造物からの延焼を抑制できないという問題が生じやすかった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、建造物の火災を早く検知するシステムを活用することで、他の建造物からの延焼をより抑制しやすくすることができる延焼防止システムを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の延焼防止システムは、建造物の外部の所定の範囲内に存在する外部建造物からの延焼を防止する延焼防止システムにおいて、前記外部建造物からの延焼を防止する延焼防止装置と、当該延焼防止装置を制御する制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記外部建造物のうち、火災を検知している建造物である火元建造物を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記火元建造物に対応する延焼防止装置を作動させる作動制御部と、を有する。
【0007】
前記火元建造物は、火災の発生を検知する警報器と、当該警報器からの情報に基づいて火災の発生を示す移報信号と火元建造物を示す火元情報とを外部へ送信する中継器とを有し、前記制御装置は、前記火元建造物の中継器からの前記移報信号と前記火元情報とを取得する取得部をさらに備え、前記特定部は、前記取得部が取得した前記火元情報に基づいて、当該火元建造物を特定してもよい。
【0008】
前記作動制御部は、前記建造物の所定の範囲内の外部建造物のそれぞれと、前記建造物の所定の一以上の壁面とを関連付けたテーブルを参照し、前記特定部が特定した前記火元建造物に前記テーブルにおいて関連付けられた前記延焼防止装置を制御してもよい。
【0009】
前記火元建造物は、火災の発生を検知する警報器と、当該警報器からの情報に基づいて火災の発生を音で報知する警報装置とを有し、前記制御装置は、音を検出する音検出部をさらに備え、前記特定部は、前記音検出部が検出した音の到来方向を特定した結果に基づいて前記火元建造物を特定してもよい。
【0010】
前記延焼防止装置は、複数の外部建造物にそれぞれ対応する前記建造物の壁内に設けられた流水管を有し、前記作動制御部は、前記火元建造物に対応する前記壁内の前記流水管に水を流すように前記延焼防止装置を制御してもよい。
【0011】
前記建造物の壁内に設けられた流水管は外部建造物の方向へ放水可能な放水口を有し、前記作動制御部は、前記特定部が特定した前記火元建造物に対応する方向の前記建造物の壁内に設けられた流水管の前記放水口から、前記火元建造物へ放水させてもよい。
【0012】
前記作動制御部は、前記建造物の壁に設けられた前記流水管に温水を流すことによって前記建造物内を暖房し、前記作動制御部は、前記特定部が特定した前記火元建造物に対応する壁内の前記流水管に前記温水より低い温度の水を流すように前記延焼防止装置を制御してもよい。
【0013】
前記建造物には、室内の温度を調整するための第1の流水管が設けられ、前記建造物の壁には、前記延焼防止装置に含まれる第2の流水管とが設けられており、前記作動制御部は、前記第1の流水管に水を流すことにより前記建造物内の温度を調整し、前記特定部が特定した前記火元建造物に対応する壁内の前記第1の流水管よりも外側に設けられた前記第2の流水管に水を流すように前記延焼防止装置を制御してもよい。
【0014】
前記延焼防止装置は、複数の前記建造物の壁に設けられた前記流水管に水をそれぞれ供給するための給水管と、複数の前記建造物の壁に設けられた前記流水管からそれぞれ排出された水を貯水槽に送るための排水管と、前記給水管及び前記排水管に水を流すための駆動力を発生する駆動部と、をさらに備え、前記作動制御部は、前記駆動部に前記駆動力を発生させることにより、前記複数の建造物の流水管に前記給水管を介して水を供給し、前記排水管を介して前記流水管から排出された水を前記貯水槽に送るように前記駆動部を制御してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様の制御装置は、建造物の外部の所定の範囲内に存在する外部建造物からの延焼を防止する装置である延焼防止装置を制御する制御装置であって、前記外部建造物のうち、火災を検知している建造物である火元建造物を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記火元建造物に対応する延焼防止装置を作動させる作動制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、建造物の火災を早く検知するシステムを活用することで、他の建造物からの延焼をより抑制しやすくするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態に係る延焼防止システムの概要を示す図である。
【
図2】対象建造物の警報器が火災を検知したときの様子を示す図である。
【
図3】延焼防止システムの内部構成を示す図である。
【
図4】流水管内蔵壁の内部構造の一例を示す図である。
【
図5】作動制御部による延焼防止装置の制御の例を示す図である。
【
図6】作動制御部による延焼防止装置の制御の例を示す図である。
【
図7】作動制御部による延焼防止装置の制御の別の例を示す図である。
【
図8】延焼防止システムによる火災検知時の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図9】第2の実施形態の延焼防止システムを示す図である。
【
図11】第2の実施形態による戸別制御装置の作動制御部による延焼防止装置の制御の例を示す図である。
【
図13】第2の実施形態の延焼防止システムによる火災検知時の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図14】第3の実施形態の延焼防止システムの構成を示す図である。
【
図15】作動制御部による延焼防止装置の制御の例を示す図である。
【
図16】作動制御部による延焼防止装置の制御の例を示す図である。
【
図17】制御装置が対象建造物の屋内を冷暖房する場合の様子を示す図である。
【
図18】制御装置が対象建造物の屋内を冷暖房する場合の様子を示す図である。
【
図20】変形例の中継器が移報信号を受信する様子を示す図である。
【
図21】変形例において建造物に設けられる自動火災報知設備の例を示す図である。
【
図22】変形例において建造物に移報アダプタの例を示す図である。
【
図24】変形例のゲートウェイの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[延焼防止システム100の概要]
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る延焼防止システム100の概要を示す図である。延焼防止システム100は、建造物の外部の所定の範囲内に存在する外部建造物の火災からの延焼を防止する。所定の範囲は、外部建造物からの延焼が生じるリスクが想定される範囲である。
【0019】
延焼防止システム100では、警報器11及び中継器12が外部建造物に設けられ、警報器11がこの外部建造物において火災を検知したものとする。以下、この外部建造物を火元建造物ともいう。
【0020】
延焼防止システム100では、警報器21、中継器22及び流水管内蔵壁23が、延焼を防止したい建造物(以下、対象建造物ともいう)の内部に設けられている。また、切替器31、切替器32、駆動部33、ラジエータ34、貯水槽35及び制御装置36が対象建造物の外部に設けられている。
【0021】
警報器11及び警報器21は、火災の発生を検知する。例えば、警報器11及び警報器21は、熱や煙を検知することにより、火災の発生を検知する。警報器11は、中継器12と無線又は有線により通信する。警報器11は、火災の発生を検知した場合に、火災の発生を示す移報信号を中継器12へ送信する。警報器11は、火災を感知し続けている状態では、移報信号を所定時間ごとに中継器12へ送信する。所定時間は、例えば、数秒から数分間である。
【0022】
中継器12は、小電力セキュリティシステムの無線通信やWi-Fi(登録商標)等の無線通信や有線通信を介して、警報器11及び制御装置36と通信する。中継器12は、警報器11から移報信号を受信した場合に、警報器11からの移報信号が示す情報に基づいて、火災の発生を示す移報信号と、火元建造物を示す火元情報とを生成する。中継器12は、生成した移報信号及び火元情報を外部へ送信する。
図1の例では、中継器12は、移報信号及び火元情報を制御装置36へ送信する。また、中継器12は、別の建造物に設置された中継器22等を経由して、移報信号及び火元情報を制御装置36へ送信してもよい。中継器22は、中継器12と同様であるので、説明を省略する。尚、中継器12は屋外警報装置を用いるようにしてもよい。
【0023】
対象建造物及び対象建造物の周辺には、延焼防止装置が設けられている。延焼防止装置は、外部建造物からの延焼を防止する装置である。延焼防止装置は、例えば、対象建造物の壁内に水を流したり、防火シャッターを閉めたりするための装置である。
図1に示す例における延焼防止装置は、対象建造物の流水管内蔵壁23の壁内に設けられた流水管を有する。本明細書の例では、対象建造物には、複数の外部建造物にそれぞれ対応する流水管内蔵壁23が設けられている。流水管は、流水管内蔵壁23の壁内にそれぞれ設けられている。流水管内蔵壁23は、流水管に水を循環させることにより、火元建造物の火災により受ける熱を外部に逃がし、延焼を抑制する。
【0024】
切替器31及び切替器32は、流水管内蔵壁23に内蔵された流水管に水を循環させるか否かを切り替えるためのバルブである。
図1の例では、切替器31は、対象建造物において火元建造物に面した流水管内蔵壁23に対応しており、切替器32は、対象建造物において火元建造物と反対側に設けられた流水管内蔵壁23に対応しているものとする。駆動部33は、流水管に水をそれぞれ供給するための給水管に設けられている。駆動部33は、例えば、給水管及び排水管に水を流すための駆動力を発生するポンプである。
【0025】
ラジエータ34は、流水管から排出された水を貯水槽35に送るための排水管に設けられている。ラジエータ34は、排水管を介して貯水槽35に戻る水を冷却する。例えば、ラジエータ34は、ファンで送風することにより、貯水槽35に戻る水を冷却する。貯水槽35は、流水管内蔵壁23に設けられた流水管に供給するための水を貯える。
【0026】
制御装置36は、延焼防止装置を制御する。
図1の例では、制御装置36は、対象建造物の敷地内において対象建造物の外側に設けられている。制御装置36は、対象建造物から離れた位置に設けられてもよく、対象建造物の内部に設けられてもよい。複数の制御装置36が流水管内蔵壁23ごとに設けられてもよい。制御装置36は、Wi-Fi等の無線通信や有線通信により中継器12、中継器22、切替器31、切替器32、駆動部33及びラジエータ34と通信する。制御装置36は、中継器12から移報信号を通信すると、後述する方法により火災を検知している火元建造物の場所を特定する。
【0027】
制御装置36は、特定した火元建造物の場所に対応する延焼防止装置を作動させる。
図1の例では、制御装置36は、駆動部33及びラジエータ34へ制御信号を送信することにより駆動部33及びラジエータ34を延焼防止装置の一部として作動させる。制御装置36は、駆動部33により駆動力を発生させて、給水管及び排水管に水を流す。制御装置36は、排水管を介して貯水槽35に戻る水をラジエータ34により冷却する。
【0028】
また、制御装置36は、切替器31及び切替器32へ制御信号を送信することにより切替器31及び切替器32を延焼防止装置の一部として作動させる。制御装置36は、切替器31及び切替器32を制御することにより、火元建造物に面している流水管内蔵壁23の流水管に水を流す。一方、制御装置36は、火元建造物とは反対側に面している流水管内蔵壁23に水を流さない。
【0029】
このようにして、延焼防止システム100は、火元建造物の火災を検知する警報器11及び中継器12と制御装置36とが連動することにより、流水管内蔵壁23により早いタイミングで水を流すことができる。このため、延焼防止システム100は、火元建造物から対象建造物が延焼することをより抑制しやすくすることができる。
【0030】
[対象建造物の火災時の制御装置36の動作]
図2は、対象建造物の警報器21が火災を検知したときの様子を示す図である。警報器21は、火災の発生を検知した場合に、火災の発生を示す移報信号を中継器22へ送信する。中継器22は、移報信号を受信した場合に、火災の発生を示す移報信号を制御装置36へ送信する。
【0031】
制御装置36は、対象建造物において火災の発生を検知した場合に、切替器31及び切替器32を制御して、対象建造物に設けられた全ての流水管内蔵壁23の流水管に水を流す。このようにして、制御装置36は、対象建造物の火災による熱が流水管内蔵壁23の外部に拡散することを抑制するので、対象建造物の火災による被害を軽減したり、火災が燃え広がるのを遅らせたりすることができる。
【0032】
[制御装置の構成]
図3は、制御装置36の構成を示す図である。制御装置36は、通信部361、記憶部362及び制御部363を備える。制御部363は、取得部301、特定部302及び作動制御部303を備える。
【0033】
通信部361は、無線通信により中継器12等と通信するための通信インターフェースである。通信部361は、インターネット等のネットワークを介して、中継器12等と通信してもよい。通信部361は、移報信号と、火元建造物を示す火元情報とを中継器12から受信する。通信部361は、受信した移報信号及び火元情報を取得部301に入力する。尚、無線通信の代わりに有線通信を用いてもよい。
【0034】
記憶部362は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部362は、制御部363が実行するプログラムを記憶している。制御部363は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部363は、記憶部362に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部301、特定部302及び作動制御部303として機能する。
【0035】
取得部301は、通信部361を介して、中継器12と通信する。取得部301は、移報信号と、火元建造物を示す火元情報とを火元建造物の中継器12から取得する。取得部301は、移報信号及び火元情報を特定部302へ出力する。
【0036】
特定部302は、外部建造物のうち、火災を検知している建造物である火元建造物を特定する。例えば、特定部302は、取得部301が取得した火元情報に基づいて、火元建造物を特定する。特定部302は、特定した火元建造物を作動制御部303に通知する。
【0037】
作動制御部303は、特定部302が特定した火元建造物に対応する延焼防止装置を作動させる。延焼防止装置は、例えば、流水管内蔵壁23に含まれる流水管、切替器31、切替器32、駆動部33、ラジエータ34等を含む。本明細書の例では、作動制御部303は、特定部302が特定した火元建造物に対応する流水管内蔵壁23の壁内の流水管に水を流すように延焼防止装置を制御する。具体的には、作動制御部303は、この流水管内蔵壁23の流水管に対応する切替器31を開放することにより、この流水管に水を流す。
【0038】
図4は、流水管内蔵壁23の内部構造の一例を示す図である。
図4(a)は、流水管内蔵壁23の外側からの透視図である。
図4(b)は、流水管内蔵壁23A-A線断面図である。
図4(a)の破線は、流水管内蔵壁23に設けられている流水管231を示す。
図4(a)の例では、矢印で示すように、流水管内蔵壁23の右上から左下に向けて水が流れる。
図4(b)に示すように、流水管内蔵壁23は三層構造を有する。この三層構造において外側及び内側の壁面にハッチングを付して示す。流水管231は、この二層の壁面に挟まれている。
【0039】
図1の説明に戻る。記憶部362には、対象建造物の所定の範囲内の外部建造物のそれぞれと、対象建造物の所定の一以上の壁面とを関連付けたテーブルが記憶されている。作動制御部303は、記憶部362が記憶しているテーブルを読み出す。作動制御部303は、読み出したテーブルを参照して、特定部302が火元建造物として特定した外部建造物にこのテーブルにおいて関連付けられた壁面を特定する。作動制御部303は、特定した壁面に対応する延焼防止装置を制御する。例えば、作動制御部303は、特定した流水管内蔵壁23の内部に設けられた流水管231に対応する切替器31又は切替器32を開放することにより、この流水管に水を流す。
【0040】
[作動制御部による延焼防止装置の制御の例]
図5(a)、
図5(b)及び
図6は、作動制御部303による延焼防止装置の制御の例を示す図である。
図5(a)に示すように、特定部302は、対象建造物である建造物Eの北側の建造物Bが火元建造物であることを特定したものとする。作動制御部303は、建造物Eに設けられた複数の流水管内蔵壁23のうち、建造物Bに対応する北側の流水管内蔵壁23に水を流す。水を流す対象の流水管内蔵壁23にハッチングを付して示す。
【0041】
図5(b)に示すように、特定部302は、建造物Eの北西側の建造物Aが火元建造物であることを特定したものとする。作動制御部303は、建造物Eに設けられた複数の流水管内蔵壁23のうち、建造物Aに対応する北側及び西側の流水管内蔵壁23に水を流す。
【0042】
図6に示すように、特定部302は、建造物Eの北側の建造物Bと、建造物Eの東側の建造物Fとが火元建造物であることを特定したものとする。作動制御部303は、建造物Eに設けられた複数の流水管内蔵壁23のうち、建造物Bに対応する北側の流水管内蔵壁23と、建造物Fに対応する東側の流水管内蔵壁23とに水を流す。
【0043】
[水を流す対象の増加1]
また、作動制御部303は、取得部301が取得した移報信号の数に基づいて、作動する延焼防止装置を増やしてもよい。
図7は、作動制御部303による延焼防止装置の制御の別の例を示す図である。
図7(a)に示すように、特定部302は、対象建造物である建造物Fの西側の建造物Eが火元建造物であることを特定したものとする。作動制御部303は、建造物Fに設けられた複数の流水管内蔵壁23のうち、建造物Eに対応する西側の流水管内蔵壁23に水を流す。
【0044】
図7(b)に示すように、建造物A、建造物B、建造物D及び建造物Eが火元建造物であるものとする。このとき、作動制御部303は、取得部301が取得した移報信号の数が閾値以上である場合に、作動する延焼防止装置を増やす。
図7(b)の例では、取得部301が取得する移報信号の数は、建造物A、建造物B、建造物D及び建造物Eの4であり、閾値である2より多い。このため、作動制御部303は、建造物Eに対応する西側の流水管内蔵壁23と、建造物Bに対応する北側の流水管内蔵壁23とに加えて、西側の流水管内蔵壁に隣接する南側の流水管内蔵壁23にも水を流す。
【0045】
このようにして、作動制御部303は、取得部301が移報信号を取得する数が閾値より多い場合に、火災による延焼が生じていると推定し、作動させる延焼防止装置を増やす。このため、作動制御部303は、火災による延焼が生じている場合に、延焼をより効果的に抑制することができる。
【0046】
作動制御部303は、取得部301が移報信号を取得してから所定時間が経過した後に延焼防止装置を停止させる。所定時間は、警報器11が火災を検知してから消火活動が終了するまでに通常要する時間として定められた時間である。作動制御部303は、取得部301が複数の移報信号を取得した場合には、最後の移報信号を取得してから所定時間が経過した後に延焼防止装置を停止させる。
【0047】
作動制御部303は、取得部301が移報信号を取得した場合に、駆動部33に駆動力を発生させることにより、対象建造物に給水管41を介して水を供給する。作動制御部303は、排水管42を介して、流水管から排出された水を貯水槽35に送るように駆動部33を制御する。作動制御部303は、排水管を流れる水をラジエータ34により冷却させる。
【0048】
作動制御部303は、延焼防止装置を作動させることにより、火元建造物に対応する流水管内蔵壁23に水を流す構成に限定されない。例えば、作動制御部303は、延焼防止装置を作動させることにより、火元建造物に対応するシャッターを閉鎖してもよい。
【0049】
また、作動制御部303は、延焼防止装置を作動させることにより、対象建造物を含む敷地内への延焼を抑制してもよい。例えば、作動制御部303は、延焼防止装置を作動させることにより、対象建造物の敷地内に設けられた塀に水を流してもよい。このとき、作動制御部303は、対象建造物の敷地内に設けられた複数の塀のうち、火元建造物に対応する塀に水を流すものとする。このようにして、作動制御部303は、火元建造物からの敷地内への延焼を抑制することができる。
【0050】
[延焼防止システムの処理手順]
図8は、延焼防止システム100による火災検知時の処理手順を示すシーケンス図である。この処理手順は、例えば、警報器11が火災の発生を感知するために動作しているときに開始される。まず、中継器12は、火災の発生を検知した警報器11から移報信号を受信する(S101)。中継器12は、警報器11から移報信号を受信した場合に、火災の発生を示す移報信号と火元建造物を示す火元情報とを制御装置36へ送信する。
【0051】
制御装置36の取得部301は、通信部361を介して、移報信号及び火元情報を取得する。制御装置36の特定部302は、取得部301が取得した火元情報に基づいて、火元建造物を特定する(S102)。作動制御部303は、切替器31及び駆動部33へ制御信号を送信する。切替器31は、作動制御部303からの制御信号に基づいて、火元建造物に対応する流水管内蔵壁23に設けられた流水管に水を流す状態に遷移する(S103)。駆動部33は、作動制御部303からの制御信号に基づいて、給水管及び排水管に水を流すための駆動力の発生を開始する(S104)。
【0052】
[第1の実施形態の延焼防止システムによる効果]
第1の実施形態によれば、作動制御部303は、火元建造物の火災を検知する警報器11及び中継器12を活用することにより、より早いタイミングで流水管内蔵壁23に水を流すことができる。このため、作動制御部303は、火元建造物から対象建造物が延焼することをより抑制しやすくすることができる。
【0053】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、複数の対象建造物に延焼防止装置が設けられる場合の例について説明する。
図9は、第2の実施形態の延焼防止システム400を示す図である。第2の実施形態の延焼防止システム400は、制御装置として、複数の戸別制御装置401及び全体制御装置402を備える。延焼防止システム400は、複数の建造物の壁に設けられた流水管に水をそれぞれ供給するための給水管41と、複数の建造物の壁に設けられた流水管からそれぞれ排出された水を貯水槽35に送るための排水管42とを備える。
図9の切替器31、切替器32、駆動部33及び貯水槽35は、
図1と同様であるため、
図1と同じ符号を付して説明を省略する。
図9の例では、複数の対象建造物の流水管内蔵壁23ごとに切替器31及び切替器32が設けられている。
【0054】
戸別制御装置401は、
図1の警報器11と同様にして、火災を検知する。戸別制御装置401は、火災を検知した場合に、移報信号及び火元情報を他の戸別制御装置401へ送信する。戸別制御装置401は、火災を検知した場合に、移報信号を全体制御装置402へ送信する。
【0055】
他の戸別制御装置401は、移報信号及び火元情報を受信すると、火元情報に基づいて、火元建造物を特定する。他の戸別制御装置401は、その戸別制御装置401が設けられた対象建造物が火元建造物から所定の範囲内であるか否かを判定する。他の戸別制御装置401は、その戸別制御装置401が設けられた対象建造物が火元建造物から所定の範囲内であると判定した場合に、切替器31及び切替器32へ制御信号を送信する。戸別制御装置401は、火元建造物に対応する流水管内蔵壁に水を流す。
図9においては、水を流す対象の流水管内蔵壁にハッチングを付して示している。
【0056】
全体制御装置402は、移報信号を受信した場合に、駆動部33に駆動力を発生させることにより、火元建造物から少なくとも所定の範囲内の建造物の流水管に給水管41を介して水を供給する。所定の範囲は、火元建造物からの延焼のリスクが想定される範囲である。全体制御装置402は、排水管42を介して、流水管から排出された水を貯水槽35に送るように駆動部33を制御する。
【0057】
全体制御装置402は、複数の対象建造物の流水管内蔵壁23に水を供給するために、共通の給水管41を利用する。このため、ある対象建造物の流水管を流れて加熱された水が排水管42を介して別の対象建造物の流水管に流入するということがない。このため、作動制御部303は、複数の対象建造物の流水管内蔵壁23を効率よく冷却することができる。
【0058】
[戸別制御装置の構成]
図10は、戸別制御装置401の構成を示す図である。戸別制御装置401は、
図3の制御装置36の各機能ブロックに加えて、検知センサ441及び検知部442を備える。尚、戸別制御装置は、第1の実施形態の警報器と中継器と制御装置のように、別体の構成としてもよい。
【0059】
検知センサ441は、熱や煙を検知することにより、火災の発生を検知する。検知センサ441は、検知結果を検知部442に入力する。通信部361は、Wi-Fi等の無線通信により他の戸別制御装置401と通信する。通信部361は、インターネット等のネットワークを介して、全体制御装置402と通信する。以下、戸別制御装置401が火災の発生を検知した場合と、戸別制御装置401が他の火元建造物からの延焼を抑制する場合とに分けて説明する。
【0060】
[火災の発生を検知した場合の動作]
検知部442は、検知センサの検知結果に基づいて、火災の発生を検知する。検知部442は、火災の発生を検知した場合に、火災の発生を示す移報信号と火元建造物を示す火元情報とを生成する。検知部442は、生成した移報信号及び火元情報を他の戸別制御装置401へ送信する。検知部442は、生成した移報信号を全体制御装置402へ送信する。尚、検知部442は、生成した移報信号及び火元情報を、全体制御装置402を介して他の戸別制御装置401へ送信してもよい。
【0061】
[対象建造物に設けられた戸別制御装置としての動作]
取得部301は、通信部361を介して、移報信号及び火元情報を取得する。特定部302は、火元情報に基づいて、火元建造物を特定する。作動制御部43は、その戸別制御装置401が設けられた対象建造物が火元建造物から所定の範囲内であるか否かを判定する。作動制御部43は、その戸別制御装置401が設けられた対象建造物が火元建造物から所定の範囲内であると判定した場合に、火元建造物に対応する延焼防止装置を制御する。作動制御部43は、切替器31及び切替器32に制御信号を送信する。作動制御部43は、火元建造物に対応する流水管内蔵壁23へ水を流す状態に切替器31及び切替器32を遷移させる。
【0062】
図11(a)及び
図11(b)は、作動制御部43による延焼防止装置の制御の例を示す図である。
図11(a)及び
図11(b)の例では、建造物C、建造物D、建造物G及び建造物Hが対象建造物であるものとする。
図11(a)に示すように建造物Fが火元建造物である場合、建造物C及び建造物Gの作動制御部43は、その戸別制御装置401が設けられた建造物が火元建造物から所定範囲内であると判定する。
【0063】
建造物Cの作動制御部43は、建造物Cに設けられた複数の流水管内蔵壁のうち、建造物Fに対応する西側及び南側の流水管内蔵壁23に水を流す。建造物Gの作動制御部43は、建造物Gに設けられた複数の流水管内蔵壁のうち、建造物Fに対応する西側の流水管内蔵壁23に水を流す。作動制御部43が水を流す対象の流水管内蔵壁23にハッチングを付して示す。一方、建造物D及び建造物Hの作動制御部43は、その戸別制御装置401が設けられた建造物が火元建造物(建造物F)から所定範囲内ではないと判定し、建造物D及び建造物Hに設けられた流水管内蔵壁に水を流さない。
【0064】
[水を流す対象の増加2]
各対象建造物の作動制御部43は、取得部301が取得した移報信号の数に基づいて、作動する延焼防止装置を増やす。
図11(b)に示すように、建造物A、建造物B、建造物E及び建造物Fが火元建造物であるものとする。このとき、建造物C、建造物D,建造物G及び建造物Hの作動制御部43は、取得部301が取得した移報信号の数が閾値以上である場合に、延焼防止装置を作動させる範囲を所定範囲より大きな拡張範囲とする。
図11(b)の例では、取得部301が取得する移報信号の数は、建造物A、建造物B、建造物E及び建造物Fの4であり、閾値である2より多い。このため、建造物C、建造物D,建造物G及び建造物Hの作動制御部43は、延焼防止装置を作動させる範囲を拡張範囲とし、その戸別制御装置401が設けられた建造物が火元建造物から拡張範囲内であるか否かを判定する。
【0065】
建造物C及び建造物Gの作動制御部43に加えて、建造物D及び建造物Hの作動制御部43も、その戸別制御装置401が設けられた建造物が火元建造物から拡張範囲内であると判定したものとする。建造物Cの作動制御部43は、建造物Cに設けられた複数の流水管内蔵壁23のうち、建造物B及び建造物Fに対応する西側及び南側の流水管内蔵壁23に水を流す。建造物Gの作動制御部43は、建造物Gに設けられた複数の流水管内蔵壁23のうち、建造物B及び建造物Fに対応する北側及び西側の流水管内蔵壁23に水を流す。
【0066】
建造物Dの作動制御部43は、建造物Dに設けられた複数の流水管内蔵壁23のうち、建造物Dに最も近い火元建造物である建造物Bに対応する西側の流水管内蔵壁23に水を流す。建造物Hの作動制御部43は、建造物Hに設けられた複数の流水管内蔵壁23のうち、建造物Hに最も近い火元建造物である建造物Fに対応する西側の流水管内蔵壁23に水を流す。
【0067】
このようにして、作動制御部43は、取得部301が移報信号を取得する数が閾値より多い場合に、火災による延焼が生じていると推定し、延焼防止装置を作動させる範囲を拡大させる。このため、作動制御部43は、火災による延焼が生じている場合に、延焼をより効果的に抑制することができる。
【0068】
[全体制御装置の構成]
図12は、全体制御装置402の構成を示す図である。全体制御装置402は、特定部302を備えていない点において
図3の制御装置36と異なる。
図3と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。通信部361は、インターネット等のネットワークを介して、戸別制御装置401、駆動部33及びラジエータ34と通信する。尚、火災を検知した戸別制御装置401から、全体制御装置402を介して他の戸別制御装置401と通信を行うような構成においては、全体制御装置402が特定部302を備えていてもよい。
【0069】
取得部301は、火災を検知した戸別制御装置401から移報信号を取得する。作動制御部601は、取得部301が移報信号を取得した場合に、制御情報を駆動部33及びラジエータ34へ送信する。作動制御部601は、駆動部33に駆動力を発生させることにより、火元建造物から少なくとも所定範囲内の建造物に給水管41を介して水を供給する。所定範囲は、火元建造物からの延焼のリスクが想定される範囲である。作動制御部43は、排水管42を介して、流水管から排出された水を貯水槽35に送るように駆動部33を制御する。作動制御部601は、排水管を流れる水をラジエータ34により冷却させる。
【0070】
図13は、第2の実施形態の延焼防止システム400による火災検知時の処理手順を示すシーケンス図である。この処理手順は、例えば、検知センサ441が火災の発生を感知するために動作しているときに開始される。まず、検知部442は、検知センサ441の検知結果に基づいて、火災を検知する(S201)。検知部442は、通信部361を介して、移報信号及び火元情報を他の戸別制御装置401へ送信する。検知部442は、通信部361を介して、移報信号を全体制御装置402へ送信する。
【0071】
他の戸別制御装置401の取得部301は、通信部361を介して、移報信号及び火元情報を取得する。特定部302は、取得部301が取得した火元情報に基づいて、火元建造物を特定する(S202)。全体制御装置402の取得部301は、移報信号を取得する。全体制御装置402の作動制御部601は、制御信号を駆動部33へ送信する。作動制御部601は、給水管及び排水管に水を流すための駆動力を発生させるように駆動部33を制御する(S203)。他の戸別制御装置401の作動制御部43は、切替器31及び切替器32に制御信号を送信する。切替器31及び切替器32は、他の戸別制御装置401の作動制御部43からの制御信号に基づいて、火元建造物に対応する流水管内蔵壁23に水を流す状態に遷移する(S204)
【0072】
[第2の実施形態の延焼防止システムによる効果]
第2の実施形態によれば、複数の対象建造物に設けられた戸別制御装置401の作動制御部43が、火災の状況に応じて、火元建造物に対応する延焼防止装置をそれぞれ制御するので、複数の対象建造物が巻きこまれるような大規模な火災が発生することをより効果的に抑制することができる。全体制御装置402の作動制御部601は、複数の対象建造物の流水管内蔵壁23に水を供給するために、共通の給水管41を利用する。このため、作動制御部601は、複数の対象建造物の流水管内蔵壁23を効率よく冷却することができる。
【0073】
<第3の実施形態>
第3の実施形態の延焼防止システムは、火元建造物に対して放水する機能を有するという点で上記の実施形態と異なる。第3の実施形態の延焼防止システムでは、対象建造物の流水管内蔵壁23の壁内に設けられた流水管が、外部建造物の方向へ放水可能な放水口を有する。
【0074】
図14は、第3の実施形態の延焼防止システムの構成を示す図である。
図14に示す延焼防止システムのそれぞれの機能ブロックは、放水口24を除き、
図1の延焼防止システム100の機能ブロックと同様である。
図1と同じ機能ブロックについては、
図1と同じ符号を付して説明を省略する。
【0075】
制御装置36の作動制御部303は、特定部302が特定した火元建造物に対応する方向の建造物の流水管内蔵壁23の壁内に設けられた流水管の放水口24から、火元建造物へ放水させる。
図15(a)、
図15(b)及び
図16は、作動制御部303による延焼防止装置の制御の例を示す図である。
図15(a)、
図15(b)及び
図16の例は、流水管に水を流すことと、放水口24から放水することの違いを除けば、
図5(a)、
図5(b)及び
図6の例と同様である。
図15(a)に示すように、対象建造物である建造物Eの北側の建造物Bが、火元建造物であるとする。作動制御部303は、建造物Eに設けられた複数の流水管内蔵壁23のうち、建造物Bに対応する北側の流水管内蔵壁23の流水管に設けられた放水口24から火元建造物へ放水する。
【0076】
図15(b)に示すように、建造物Eの北東側の建造物Aが、火元建造物であるとする。作動制御部303は、建造物Eに設けられた複数の流水管内蔵壁23のうち、建造物Aに対応する北側及び西側の流水管内蔵壁23の流水管に設けられた放水口24から火元建造物へ放水する。この時、建造物Eと隣接し、火元建造物とも隣接する建造物Bや建造物Dに対して放水を行い、火元建造物の周囲の冷却を図ってもよい。
【0077】
図16に示すように、建造物Eの北側の建造物Bと、建造物Eの東側の建造物Fが、火元建造物であるとする。作動制御部303は、建造物Eに設けられた複数の流水管内蔵壁23のうち、建造物Bに対応する北側の流水管内蔵壁23の放水管に設けられた放水口24と、建造物Fに対応する東側の流水管内蔵壁23の放水管に設けられた放水口24から放水する。
【0078】
作動制御部303は、放水口24から一定時間放水を行った後、放水を停止し、火元建造物に対応する流水管内蔵壁23に設けられた流水管に水を流してもよい。一定時間は、放水口24から放水により消火が可能な範囲内を消火するのに要すると想定される時間である。このようにして、作動制御部303は、火元建造物への放水により消火効果が得られない場合に、火元建造物からの延焼を抑制する処理に移行することができる。
【0079】
また、対象建造物の壁面等に温度センサを設けられていてもよく、作動制御部303は、放水中に温度センサが所定値以上の温度を検出した場合に、放水を停止し、火元建造物に対応する流水管内蔵壁の流水管に水を流してもよい。所定値は、例えば、延焼のリスクがあることが想定される値である。このようにして、作動制御部303は、対象建造物の壁面等が所定値以上の温度である場合に、火災が近づいていると推測して流水管に水を流すので、火元建造物への放水を行いつつ、火元建造物からの延焼を効果的に抑制することができる。
【0080】
また、作動制御部303は、火元建造物に対応する流水管内蔵壁23に設けられた流水管に流した水を、そのまま放水口24から一定時間放水を行うようにしてもよい。このようにして、作動制御部303は、火元建造物からの延焼のリスクを低減させた後に、火元建造物の火災を消火することができる。また、作動制御部303は、対象建造物の敷地内へ放水してもよい。このようにして、作動制御部303は、火元建造物から対象建造物の敷地内への延焼を抑制することができる。
【0081】
<第4の実施形態>
第4の実施形態の延焼防止システムでは、流水管内蔵壁23に設けられた流水管231に水又は温水を流すことにより、冷房又は暖房効果をさらに得られるようになるという点で上記の実施形態と異なる。作動制御部303は、流水管内蔵壁23に水や温水を流すことにより対象建造物内を冷暖房する。
図17及び
図18は、制御装置36が対象建造物の屋内を冷暖房する場合の様子を示す図である。
図17は、制御装置36が対象建造物の屋内を冷房する場合の様子を示し、
図18は、制御装置36が対象建造物の屋内を暖房する場合の様子を示す。
【0082】
本変形例の延焼防止システムは、
図1の延焼防止システム100と比較すると、空調装置25、ヒータ37、切替器38及び切替器39をさらに備える。空調装置25は、対象建造物の屋内を冷暖房する。ヒータ37は、給水管及び排水管を流れる水を加熱する。切替器38及び切替器39は、給水管及び排水管を流れる水がラジエータ34及び貯水槽35を通る状態と、ヒータ37を通る状態とを切り替えるバルブである。
【0083】
[制御装置による冷房動作]
空調装置25は、対象建造物の屋内を冷房する機能を有する。空調装置25は、制御装置36とWi-Fi等の無線通信により通信する。空調装置25は、冷房モードでの動作を開始する際に、冷房をサポートすることを指示する冷房指示情報を制御装置36へ送信する。
図17に示すように、制御装置36の作動制御部303は、空調装置25から冷房指示情報を受信した場合に、切替器31、切替器32、駆動部33、ラジエータ34、ヒータ37、切替器38、切替器39へ制御信号を送信する。作動制御部303は、駆動部33により駆動力を発生させ、給水管及び排水管に水を循環させる。作動制御部303は、水がラジエータ34を通る状態へ切替器38及び切替器39を遷移させる。作動制御部303は、給水管及び排水管を流れる水をラジエータ34により冷却する。尚、制御装置36は、空調装置25からの信号の他に、リモコン等の操作装置からの信号を受信するようにしてもよい。
【0084】
作動制御部303は、対象建造物の複数の流水管内蔵壁23に水を流す状態に切替器31及び32を遷移させる。このとき、作動制御部303は、空調装置25が屋内を冷房することにより加熱された冷媒を流水管231と熱交換させ、空調装置25の冷媒を冷却する。また、作動制御部303は、複数の流水管内蔵壁23の内部の流水管231に水を流して壁面を低い温度に保つことにより、屋内の温度を低下させる。このとき、作動制御部303は、ヒータ37を停止させておく。
【0085】
[制御装置による暖房動作]
空調装置25は、屋内を暖房する機能も有する。空調装置25は、暖房モードでの動作を開始する際に、暖房をサポートすることを指示する暖房指示情報を制御装置36へ送信する。
図18に示すように、制御装置36の作動制御部303は、暖房指示情報を空調装置25から受信した場合に、切替器31、切替器32、駆動部33、ラジエータ34、ヒータ37、切替器38、切替器39へ制御信号を送信する。作動制御部303は、駆動部33により駆動力を発生させ、給水管及び排水管に水を循環させる。作動制御部303は、水がヒータ37を通る状態へ切替器38及び切替器39を遷移させる。作動制御部303は、給水管及び排水管を流れる水をヒータ37により加熱して温水にする。
【0086】
作動制御部303は、対象建造物の複数の流水管内蔵壁23に温水を流すように切替器31及び32を遷移させる。このとき、作動制御部303は、空調装置25が屋内を暖房することにより冷却された冷媒を流水管と熱交換させ、空調装置25の冷媒を加熱する。制御装置36の作動制御部303は、対象建造物の流水管内蔵壁23に設けられた流水管に温水を流すことによって対象建造物内を暖房する。このとき、制御装置36は、ラジエータ34を停止させておく。
【0087】
作動制御部303が対象建造物を暖房している間に、警報器11が火災の発生を検知することも考えられる。この場合、作動制御部303が火元建造物に対応する流水管内蔵壁23に設けられたの流水管231に温水を流したとすると、火元建造物からの延焼を防止する効果が低下するリスクが想定される。このため、作動制御部303は、特定部302が特定した火元建造物に対応する壁内の流水管231に、暖房のための温水より低い温度の水を流すように延焼防止装置を制御する。
【0088】
例えば、作動制御部303は、取得部301が中継器12から移報信号等を受信する前には、ヒータ37により加熱された70度の温水を流水管内蔵壁23に流していたものとする。作動制御部303は、取得部301が移報信号等を受信した場合、給水管及び排水管を流れる水がラジエータ34を通る状態に切替器38及び切替器39を遷移させ、ラジエータ34により冷却された15度の水を流水管内蔵壁23に流す。このようにして、作動制御部303は、流水管内蔵壁23の流水管に流す水の温度を低下させることにより延焼抑制効果を向上させることができる。
【0089】
[複数の流水管を切り替える変形例]
また、対象建造物には、室内の温度を調整するための第1の流水管が設けられ、対象建造物の壁には、延焼防止装置に含まれる第2の流水管が設けられていてもよい。
図19(a)及び
図19(b)は、本変形例の流水管内蔵壁を示す図である。
図19(a)は、作動制御部303が第1の流水管に水を流す様子を示し、
図19(b)は、作動制御部303が第2の流水管に水を流す際の様子を示す。
【0090】
図19(a)に示す流水管内蔵壁23の内側には、室内の温度を調整するための第1の流水管が設けられている。流水管内蔵壁23の外側には、火元建造物からの延焼を抑制するための第2の流水管が設けられている。第1の流水管及び第2の流水管は、水を流す先の流水管を切り替える切替器701に接続されている。
【0091】
作動制御部303は、冷暖房時には、第1の流水管に水を流すことにより対象建造物内の温度を調整する。
図19(a)の例では、作動制御部303は、切替器701に制御信号を送信し、第1の流水管に水を流す状態に切替器31を遷移させる。例えば、作動制御部303は、暖房時には、第1の流水管にヒータ37で加熱された温水を流すことにより、対象建造物内の温度を上昇させる。このようにして、作動制御部303は、流水管内蔵壁23の内側に水を流すことにより対象建造物内の温度を調整するので、外気の影響を受けにくく、また壁面に遮られなくすることができ、屋内の温度調整の効率を向上させることができる。
【0092】
作動制御部303は、特定部302が特定した火元建造物に対応する流水管内蔵壁23の壁内の第1の流水管よりも外側に設けられた第2の流水管に水を流すように切替器701を延焼防止装置として制御する。作動制御部303は、取得部301が中継器12から移報信号を受信した場合に、火元建造物からの火や熱等の影響を受けやすい外側に設けられた第2の流水管に水を流すことにより、火元建造物からの延焼をより効果的に抑制することができる。また、作動制御部303は、作動制御部303は、取得部301が中継器12から移報信号を受信した場合に、第1の流水管と第2の流水管との両方に水を流すように切替器701を制御してもよい。
【0093】
<変形例>
以下、以上の実施形態のそれぞれに適用することができる各種の変形例を説明する。これらの複数の変形例のいずれかが上記の実施形態に単独で適用されてもよく、複数の変形例を組み合わせて上記の実施形態に適用されてもよい。
【0094】
[警報器を中継して移報信号を中継器12に送信する変形例]
上記の実施形態では、中継器12は、火災を検知した警報器11から移報信号を直接受信する例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。中継器12は、火災を検知した警報器11から別の警報器51を経由して移報信号を受信してもよい。
図20は、本変形例の中継器12が移報信号を受信する様子を示す図である。
図20の例では、火災を感知した警報器11は、連動信号を警報器51へ送信する。連動信号は、火災を感知した警報器として警報器51を動作させるための信号である。警報器51は、連動信号を受信した場合に、火災が発生したことを示す移報信号を中継器12へ送信する。また、警報器11は、2台以上の警報器を経由して、中継器12へ移報信号を送信してもよい。
【0095】
[複数の感知器が設けられる変形例]
第1の実施形態では、警報器11が火災の発生を感知する例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、複数の感知器により火災の発生を感知してもよい。
図21は、本変形例において建造物に設けられる自動火災報知設備500の例を示す図である。この自動火災報知設備500は、複数の感知器52a~感知器52i及び受信機53を備える。
【0096】
受信機53は、複数の感知器52a~感知器52iのうち、いずれか一つ以上の感知器から火災信号を受信した場合に、火災の発生を示す移報信号を中継器12へ送信する。
図21の例では、複数の感知器52a~感知器52iのうち、建造物の2階に設けられた感知器52dが火災の発生を感知したものとする。このとき、感知器52dは、火災の発生を示す火災信号を受信機53へ送信する。受信機53は、感知器52dから火災信号を受信したことに基づいて、移報信号を中継器12へ送信する。
【0097】
[移報アダプタが設けられる変形例]
上記の実施形態では、制御装置36が中継器12から移報信号を受信する場合の例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、移報アダプタが制御装置36へ移報信号を送信してもよい。
図22は、本変形例の移報アダプタ61の例を示す図である。移報アダプタ61は、警報器11から移報信号を受信すると、別の建造物に設置された移報アダプタ62へ移報信号を送信して警報を行わせたり、予め定められた連絡先への通報を行う緊急通報装置を作動させたり、フラッシュライトを発光させたりする。このとき、移報アダプタ61は、制御装置36にも移報信号を送信する。
【0098】
[火災の発生を音で報知する変形例]
上記の実施形態では、特定部302は、取得部301が取得した移報信号に基づいて、火元建造物を特定する場合の例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、中継器12は、火災の発生を音で報知し、特定部302は、音の到来方向を特定した結果に基づいて、火元建造物を特定してもよい。
【0099】
図23は、本変形例の警報装置63の例を示す図である。建造物の外側には、警報装置63が設けられている。警報装置63は、警報器11から移報信号を受信した場合に、警報器11からの情報に基づいて火災の発生を音で報知する。また、警報装置63は、中継器としての機能を兼ね備えていてもよく、音に加えて、制御装置36へ移報信号を送信してもよい。
【0100】
音検出部64は、音を検出する。例えば、音検出部64は、互いに異なる指向性を有する複数のマイクロホンにより、警報装置63が発した音を検出する。音検出部64は、音の検出結果を制御装置36へ入力する。
【0101】
制御装置36の特定部302は、音検出部64が検出した音の到来方向を特定する。例えば、特定部302は、音検出部64が有する複数のマイクロホンによる音の検出結果を比較することにより、音の到来方向を特定する。例えば、音検出部64が東西南北の4つの方向を向いたマイクロホンを有するものとする。特定部302は、音検出部64が有する4つのマイクロホンのうちの北向きのマイクロホンが最も大きい音を検出した場合、音の到来方向が北であると特定する。
【0102】
特定部302は、音の到来方向を特定した結果に基づいて、火元建造物の場所を特定する。例えば、特定部302は、音の到来方向が北であると特定した場合、火元建造物が対象建造物の北側に隣接した建造物であると特定する。
【0103】
[IoTゲートウェイが設けられる変形例]
第1の実施形態では、制御装置36が中継器12から移報信号を受信する場合の例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、IoT(Internet of Things)ゲートウェイは、インターネット等のネットワークを介して、移報信号を制御装置36へ送信してもよい。
【0104】
図24は、本変形例のIoTゲートウェイの一例を示す図である。建造物には、警報器11及びIoTゲートウェイ65が設けられる。IoTゲートウェイ65は、インターネット等のネットワークを介して、制御装置36と通信する。IoTゲートウェイ65は、警報器11から移報信号を受信した場合に、移報信号及び火元情報を制御装置36へ送信する。
【0105】
[複数の制御装置を備える変形例]
第1の実施形態では、取得部301及び作動制御部303が同じ制御装置により実現される例について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されない。例えば、取得部301は、対象建造物の周辺に設けられた第1の制御装置により実現され、作動制御部303は、対象建造物の内部や屋上等に配置された第2の制御装置により実現されてもよい。また、第2の制御装置は、対象建造物から離れた位置に設置されていてもよく、第1の制御装置と、第2の制御装置とは、インターネット等のネットワークを介して互いに通信してもよい。
【0106】
特定部302は、第1の制御装置により実現されてもよく、第2の制御装置により実現されてもよい。取得部301は、特定部302が第2の制御装置により実現されている場合、中継器12から取得した移報信号及び火元情報を含む火災情報を第2の制御装置へ送信する。
【0107】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0108】
11 警報器
12 中継器
21 警報器
22 中継器
23 流水管内蔵壁
24 放水口
25 空調装置
31 切替器
32 切替器
33 駆動部
34 ラジエータ
35 貯水槽
36 制御装置
37 ヒータ
38 切替器
39 切替器
41 給水管
42 排水管
43 作動制御部
51 警報器
52a 感知器
52b 感知器
52c 感知器
52d 感知器
52e 感知器
53f 感知器
52i 感知器
53 受信機
61 移報アダプタ
62 移報アダプタ
63 警報装置
64 音検出部
65 ゲートウェイ
100 延焼防止システム
231 流水管
301 取得部
302 特定部
303 作動制御部
361 通信部
362 記憶部
363 制御部
400 延焼防止システム
401 戸別制御装置
402 全体制御装置
441 検知センサ
442 検知部
500 自動火災報知設備
601 作動制御部
701 切替器