(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182322
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】プリーツスクリーン
(51)【国際特許分類】
E06B 9/262 20060101AFI20221201BHJP
E06B 9/388 20060101ALI20221201BHJP
A47H 23/01 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
E06B9/262
E06B9/388
A47H23/01 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089826
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】大塚 英希
【テーマコード(参考)】
2E043
2E182
【Fターム(参考)】
2E043AA02
2E043AA04
2E043BC02
2E043DA02
2E043DA06
2E182AB01
2E182AC15
2E182EE03
2E182EF17
2E182EG01
2E182EG16
(57)【要約】
【課題】スクリーンの展開時及び畳み込み時におけるボトムレールの傾斜による意匠性の低下を抑制すること。
【解決手段】プリーツスクリーンは、所定面に設置可能なヘッドボックスと、複数のプリーツを有し、上端が上記ヘッドボックス又は前記ヘッドボックスの下方に配置された部材から吊り下げられるスクリーンと、上記スクリーンの下端に連結されるボトムレールと、上記ヘッドボックスから昇降可能に垂下し、一端が上記ボトムレールに連結される昇降コードとを備える。上記ボトムレールは、上記スクリーンの下端が連結され、当該スクリーンの展開時に上方を向く第1連結部と、上記昇降コードの下端が連結され、当該スクリーンの畳み込み時に上方を向く第2連結部と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定面に設置可能なヘッドボックスと、
複数のプリーツを有し、上端が前記ヘッドボックス又は前記ヘッドボックスの下方に配置された部材から吊り下げられるスクリーンと、
前記スクリーンの下端に連結されるボトムレールと、
前記ヘッドボックスから昇降可能に垂下し、一端が前記ボトムレールに連結される昇降コードと、
を備えたプリーツスクリーンであって、
前記ボトムレールは、前記スクリーンの下端が連結され、当該スクリーンの展開時に上方を向く第1連結部と、前記昇降コードの下端が連結され、当該スクリーンの畳み込み時に上方を向く第2連結部と、を有する
プリーツスクリーン。
【請求項2】
請求項1に記載のプリーツスクリーンであって、
スクリーンの一方側の面に、前記プリーツを一定間隔で保持するためのピッチ保持コードをさらに具備し、当該ピッチ保持コードの下端は前記第2連結部に連結される
プリーツスクリーン。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプリーツスクリーンであって、
前記ボトムレールは、前記第1連結部が設けられる第1の面と、前記第2連結部が設けられる第2の面と、当該第1の面及び第2の面とは異なり、前記スクリーンの展開時に前記プリーツの傾斜に倣った傾斜角度となる第3の面とを有する
プリーツスクリーン。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載のプリーツスクリーンであって、
前記ボトムレールは、前記スクリーンの前記展開時と前記畳み込み時において、正面視で同等の輪郭形状を有する
プリーツスクリーン。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載のプリーツスクリーンであって、
前記ボトムレールは、その表面に貼付された前記スクリーンと同一の生地を有する
プリーツスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリーツスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、蛇腹状に折り畳み可能なスクリーンを昇降することで採光量を調整可能なプリーツスクリーンが存在する。
【0003】
下記特許文献1には、ジグザグに折り曲げ可能としたプリーツ生地をヘッドボックスから吊下支持し、プリーツ生地下端にはウエイトバーを取着し、ヘッドボックスから垂下された昇降コードでウエイトバーを昇降することにより、プリーツ生地を展開又は畳み込むことで昇降可能とし、プリーツ生地の一つおきの折り目全域にわたって水平方向に突出する連結片を設けるとともに、連結片に設けた挿通孔に昇降コードを挿通することが開示されている。
【0004】
これによれば、連結片を貫通する昇降コードはプリーツ生地正面に露出されず、挿通孔から光が洩れることが防止される。また、一つおきの折れ目に連結片を設けたことによりプリーツ生地の腰を強くすることができるので、展開させた状態では各折り目間隔を均一に保ち、美観を向上させることができる効果を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、昇降コードはウエイトバーの前後方向における後方寄りに連結されため、ウエイトバーが上昇するとウエイトバーは手前側に傾斜しやすくなり、更にプリーツ生地が畳み込まれてウエイトバー上面に積層されていくと、ウエイトバーの傾斜が顕著に現れるため、意匠性が低下してしまうという課題があった。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、スクリーンの展開時及び畳み込み時におけるボトムレールの傾斜による意匠性の低下を抑制することが可能なプリーツスクリーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るプリーツスクリーンは、所定面に設置可能なヘッドボックスと、複数のプリーツを有し、上端が上記ヘッドボックス又は上記ヘッドボックスの下方に配置された部材から吊り下げられるスクリーンと、上記スクリーンの下端に連結されるボトムレールと、上記ヘッドボックスから昇降可能に垂下し、一端が上記ボトムレールに連結される昇降コードとを備える。上記ボトムレールは、上記スクリーンの下端が連結され、当該スクリーンの展開時に上方を向く第1連結部と、上記昇降コードの下端が連結され、当該スクリーンの畳み込み時に上方を向く第2連結部と、を有する。
【0009】
この構成によれば、スクリーンの展開時と畳み込み時とでボトムレールの向きを切り替えることで、ボトムレールが傾斜して吊り下げられることを抑制し、意匠性を高めることができる。ヘッドボックスの下方に配置された部材とは、例えばヘッドボックスから上記スクリーンとは別に昇降可能に吊下げられた他のスクリーンの下端に連結された中間バー等である。
【0010】
上記プリーツスクリーンは、スクリーンの一方側の面に、上記プリーツを一定間隔で保持するためのピッチ保持コードをさらに具備し、当該ピッチ保持コードの下端は上記第2連結部に連結されてもよい。
【0011】
この構成によれば、ピッチ保持コードの下端を昇降コードと同じ第2連結部に連結することで、ピッチ保持コードを昇降コードに沿って配置することができる。
【0012】
上記ボトムレールは、上記第1連結部が設けられる第1の面と、上記第2連結部が設けられる第2の面と、当該第1の面及び第2の面とは異なり、上記スクリーンの展開時に上記プリーツの傾斜に倣った傾斜角度となる第3の面とを有してもよい。
【0013】
この構成によれば、スクリーン展開時は、第3の面がプリーツの傾斜に倣った傾斜面を形成することで、展開されたプリーツとの連続性が確保され、意匠性を更に高めることができる。
【0014】
上記ボトムレールは、上記スクリーンの上記展開時と上記畳み込み時において、正面視で同等の輪郭形状を有してもよい。
【0015】
この構成によれば、スクリーンの展開時と畳み込み時で意匠の変化をなくすことができ、意匠性を向上させることができる。
【0016】
上記ボトムレールは、その表面に貼付された上記スクリーンと同一の生地を有してもよい。
【0017】
この構成によれば、ユーザの正面視においてボトムレールをスクリーンと一体化して極力目立たなくし意匠性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、スクリーンの展開時及び畳み込み時におけるボトムレールの傾斜による意匠性の低下を抑制することができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るプリーツスクリーンの展開(下降)時の正面図である。
【
図2】
図1のプリーツスクリーンの畳み込み(上昇)時の正面図である。
【
図4】上記プリーツスクリーンのボトムレール部分の右側面断面図である。
【
図5】上記プリーツスクリーンのボトムレール部分の右側面図及び正面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係るプリーツスクリーンのボトムレール部分の右側面図及び正面図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係るプリーツスクリーンのボトムレール部分の右側面断面図である。
【
図8】本発明の第3実施形態に係るプリーツスクリーンのボトムレール部分の右側面図及び正面図である。
【
図9】本発明の第4実施形態に係るプリーツスクリーンのボトムレール部分の右側面図及び正面図である。
【
図10】本発明の第5実施形態に係るプリーツスクリーンのボトムレール部分の右側面図及び正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0021】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
【0022】
[プリーツスクリーンの構成]
図1は、本実施形態に係るプリーツスクリーンの展開(下降)時の正面図であり、
図2は
図1のプリーツスクリーンの畳み込み(上昇)時の正面図である。また
図3は、上記プリーツスクリーンの右側面図であり、
図4は、上記プリーツスクリーンのボトムレール部分の右側面断面図である。
【0023】
これらの図に示すように、本実施形態に係るプリーツスクリーン100は、ヘッドボックス1と、当該ヘッドボックス1によって昇降可能に支持されるスクリーン2と、当該スクリーン2の下端に連結されるボトムレール3とを有する。
【0024】
スクリーン2は、同
図Y方向に蛇腹状に折り加工された複数のプリーツが畳み込み及び展開可能に形成されたプリーツスクリーンである。当該スクリーン2の生地は、例えば光を透過しない遮光性が高い素材又は光を透過可能なシースルー素材等で形成されている。当該スクリーン2の畳み込まれたときの前後幅(Z方向の長さ)は例えば30~35mmである。
【0025】
図3及び
図4に示すように、スクリーン2の背面側の各プリーツには、突出部21が形成されている。当該突出部21は、例えば、各プリーツの頂点部2aから所定長(例えば5~10mm)分の山部を重ねて溶着等により接合することで形成される。
【0026】
当該突出部21には挿通孔25が形成されている。昇降コード4は、上記ヘッドボックス1から垂下され、当該挿通孔25を挿通している。昇降コード4の下端は、ボトムレール3に連結されている。
【0027】
このように、スクリーン2を挿通する昇降コード4及び挿通孔25をスクリーン表面側に露出させないことで、意匠性を向上させ挿通孔からの光漏れを防止することが可能となる。
【0028】
また
図3及び
図4に示すように、スクリーン2(突出部21)の背面側には、上記スクリーン2のプリーツを一定間隔で保持するためのピッチ保持コード5が設けられている。ピッチ保持コード5の上端はヘッドボックス1に連結され、その下端はボトムレール3に連結されている。
【0029】
上記スクリーン2は、上記昇降コード4の昇降によりボトムレール3が昇降することで展開及び畳み込み可能とされている。
【0030】
図1に示すように、ヘッドボックス1は、横長直方体形状を有し、ブラケット8を介して建物内部の窓枠の天井面や壁面等の所定面にネジ等により固定される。
図1及び
図2に示すように、ヘッドボックス1には、巻取ドラム9が設けられている。
【0031】
巻取ドラム9は、ヘッドボックス1の内部に配置され、駆動軸10が貫通することによって回転可能に支持される。巻取ドラム9には、上記昇降コード4の一端が巻取り及び巻解き可能に連結されている。
【0032】
ストッパ12は、駆動軸10の巻解き方向の回転を許容する状態と規制する状態とに切替可能である。
【0033】
ブレーキ11は、昇降コード4の巻解速度(巻取ドラム9の回転速度)を減速することで、スクリーン2の下降時におけるボトムレール3による衝撃力を緩和する。
【0034】
操作ユニット13は、無端状の操作コード14(例えばボールチェーン)、当該操作コード14が巻き掛けられるプーリ(図示せず)、プーリと一体回転するように連結される操作軸等で構成されており、ユーザの操作コード14に対する昇降操作に応じて上記スクリーン2を昇降させる。
【0035】
[ボトムレールの詳細]
次に、本実施形態における上記ボトムレール3の詳細について説明する。
【0036】
図4Aは、スクリーン2の展開(下降)時におけるボトムレール3部分の右側面断面図であり、
図4Bは、スクリーン3の畳み込み(上昇)時におけるボトムレール3部分の右側面断面図である。
【0037】
同図に示すように、ボトムレール3は、断面略台形状(台形柱状)を有している。当該台形のうち
図4Bにおいて左側辺に対応する第1連結面3aには、スクリーン2の下端が連結された第1連結部31が設けられ、上記台形の上辺に対応する第2連結面3bには、上記昇降コード4の下端が連結された第2連結部32が設けられている。第1連結面3a及び第2連結面3b以外の面は非連結面3cとされる。
【0038】
ボトムレール3は、例えば合成樹脂またはアルミニウム等の金属で形成される。ボトムレール3は、スクリーン2の色と同等の色で形成または塗装されていてもよい。
【0039】
図4Aに示すように、上記第1連結部31は、上部が開口した断面扁平台形状の第1空間を有し、当該空間の内部に、上記スクリーン2の下端が巻回され連結されたスクリーン止めプレート33を収容している。第1連結部31は、スクリーン止めプレート33を上記第1空間内に収容するために前後一対のツバ部3a1、3a2を備え、後側ツバ部3a2は前側ツバ部3a1よりも低い位置に形成される。
【0040】
図4Bに示すように、上記第2連結部32は、上部が開口した断面台形状の第2空間を有し、当該空間の内部に、上記昇降コード4及びピッチ保持コード5の下端が連結されたコード止めプレート34を収容している。ピッチ保持コード5の下端を昇降コード4と同じ第2連結部32(コード止めプレート34)に連結することで、ピッチ保持コード5を昇降コード4に沿って配置することができる。
【0041】
図4Aに示すように、ボトムレール3は、上記第2空間の下方に断面台形状の第3空間を有し、当該空間の内部後方寄りに、ボトムレールの重量を補うための棒状のウエイト36を収容している。ウエイト36は、ボトムレールの重量が確保されれば省略できる。
【0042】
図4Aに示すように、上記第1連結部31は、スクリーン2の展開(下降)時に上方(Y方向)を向くように設計される。また
図4Bに示すように、上記第2連結部32は、スクリーン2の畳み込み時に上方(Y方向)を向くように設計される。
【0043】
[プリーツスクリーンの動作]
次に、以上のように構成されたプリーツスクリーン100の動作について説明する。
【0044】
図5は、上記プリーツスクリーンのボトムレール部分の右側面図及び正面図である。同
図A1が展開(下降)時の右側面図、同
図A2が展開(下降)時の正面図、同
図B1が畳み込み(上昇)時の右側面図、同
図B2が畳み込み(上昇)時の正面図をそれぞれ示す。
【0045】
まず、
図2、
図4B、
図5Bのようにスクリーン2が畳み込まれた状態から展開(下降)させる場合、操作コード14を操作してストッパ12を解除する。これによりボトムレール3及びスクリーン2が自重により下降し、スクリーン2が展開する(
図1、
図3、
図4A、
図5A)。
【0046】
この展開時においては、
図4Aに示すように、ボトムレール3は、第2連結面3b側(同図右側)が第2連結部32に連結された昇降コード4によって支持される一方で(同図白矢印)、第1連結面3a側(同図左側)がスクリーン2のバネ力によって支持されることで、第1連結面3a(第1連結部31)が上方(Y方向)を向くとともに、非連結面3cのうち正面側が引き上げられる(同図黒矢印)。
【0047】
これにより、
図5A1及びA2に示すように、ユーザの正面視においては非連結面3cが露出することになる。この際、非連結面3cは、スクリーン2のプリーツの傾斜に倣った傾斜角度となるため、展開されたプリーツとの視覚的な連続性が確保され、意匠性を高めることができる。
【0048】
次に、
図1、
図3、
図4A、
図5Aのようにスクリーン2が展開した状態から畳み込む(上昇させる)場合、ヘッドボックス1から導出されている操作コード14を操作して昇降コード4の巻取方向に回転させると、駆動軸10と巻取ドラム9が一体に回転して巻取ドラム9が昇降コード4を巻取り、ボトムレール3が上昇してスクリーン2が最下端のプリーツから上端のプリーツに向かって順次畳み込まれる。この後、操作コード14の操作を終了すると、駆動軸10の回転がストッパ12によって拘束され、スクリーン2の畳み込まれた状態が維持される(
図2、
図4B、
図5B)。
【0049】
この畳み込み時においては、
図4Bに示すように、ボトムレール3は、第2連結面3bのほぼ中央部が第2連結部32に連結された昇降コード4によって吊下げられることで(同図黒矢印)、
図4Aの展開時の状態からボトムレール3が同
図X軸回りに約60度回転し、第2連結面3b(第2連結部32)が上方(Y方向)を向いた状態となる。このとき、スクリーン2がボトムレール3上で積層されることで、ボトムレール3は前方寄りに重量がかかることになるが、第3空間の後方寄りにウエイト36が収容されることで、ボトムレールの前傾が阻止される。
【0050】
これにより、
図5B1及びB2に示すように、ユーザの正面視においては、ボトムレール3のうち第1連結面3a(第1連結部31)が露出することになるが、当該第1連結面3aの大部分は、第1連結部31のスクリーン止めプレート33に連結されたスクリーン2の生地で覆われているため、ボトムレール3が目立つことはなく、意匠性を高めることができる。また、後側ツバ部3a2は前側ツバ部3a1よりも低く形成されるため、
図4Bに示すように、第1連結面3aと第2連結面3bとの境界におけるスクリーン2の折曲がり角度が鈍角になり、スクリーン2が第1連結面3aから離れて膨らむようなことが防止され、意匠性をさらに高めることができる。
【0051】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、ボトムレール2に、スクリーン2が連結する第1連結部31と、昇降コード4が連結する第2連結部32とを別個に設け、スクリーン2の展開時と畳み込み時とでボトムレール3の向きを切り替えることで、ボトムレール2(の上面)が傾斜して吊り下げられることを抑制し、意匠性を高めることができる。
【0052】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態及びこれ以降の実施形態において、上記第1実施形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付す。
【0053】
図6は、本実施形態に係るプリーツスクリーン100のボトムレール3部分の右側面図及び正面図である。同
図A1が展開(下降)時の右側面図、同
図A2が展開(下降)時の正面図、同
図B1が畳み込み(上昇)時の右側面図、同
図B2が畳み込み(上昇)時の正面図をそれぞれ示す。
【0054】
同図に示すように、本実施形態においては、ボトムレール3の第1連結面3a及び第2連結面3b以外の非連結面3cには、上記スクリーン2と同一の生地35が貼付されている。またスクリーン2とは別に生地35を貼付するのに代えて、スクリーン2の下端部分を、スクリーン止めプレート33に連結後にボトムレール3に貼付するか、スクリーン止めプレート33を用いずにボトムレール3に貼付しても構わない。また、生地35はスクリーン2と異なる色調であってもよい。
【0055】
これにより、ユーザの正面視においては、スクリーン2の展開時においても畳み込み時においても、ボトムレール3の露出面が生地35またはスクリーン2に覆われた状態となるため、ボトムレール3をスクリーン2と一体化して極力目立たなくし意匠性を向上させることができる。
【0056】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0057】
図7は、本実施形態に係るプリーツスクリーン100のボトムレール3部分の右側面断面図である。また
図8は、本実施形態に係るプリーツスクリーン100のボトムレール3部分の右側面図及び正面図である。同
図A1が展開(下降)時の右側面図、同
図A2が展開(下降)時の正面図、同
図B1が畳み込み(上昇)時の右側面図、同
図B2が畳み込み(上昇)時の正面図をそれぞれ示す。
【0058】
両図に示すように、本実施形態においては、ボトムレール3は、断面略正六角形状(六角形柱状)を有しており、そのうち一側面が上記第1連結面3aとされ、それに隣接する他側面が第2連結面3bとされる。第1連結面3aに設けられる第1連結部31及び第2連結面3bに設けられる第2連結部32の構成は上述の第1実施形態と同様である。
【0059】
本実施形態においても、スクリーン2の展開時においては、
図7Aに示すように、ボトムレール3は、第2連結面3b側(同図右側)が第2連結部32に連結された昇降コード4によって支持される一方で(同図白矢印)、第1連結面3a側(同図左側)がスクリーン2のバネ力によって支持されることで、第1連結面3a(第1連結部31)が上方(Y方向)を向くように引き上げられる(同図黒矢印)。
【0060】
これにより、
図8A1及びA2に示すように、ユーザの正面視においては非連結面3cが露出することになるが、非連結面3cは、スクリーン2のプリーツの傾斜に倣った傾斜角度となるため、展開されたプリーツとの視覚的な連続性が確保され、意匠性を高めることができる。
【0061】
またスクリーン2の畳み込み時においては、
図7Bに示すように、ボトムレール3は、第2連結面3bのほぼ中央部が第2連結部32に連結された昇降コード4によって吊下げられることで(同図黒矢印)、
図7Aの展開時の状態からからボトムレール3が同
図X軸回りに約60度回転し、第2連結面3b(第2連結部32)が上方(Y方向)を向いた状態となる。
【0062】
これにより、
図8B1及びB2に示すように、ユーザの正面視においては、ボトムレール3のうち第1連結面3a(第1連結部31)及び非連結面3cが露出することになるが、当該第1連結面3aの大部分(露出面の半分近く)は、第1連結部31のスクリーン止めプレート33に連結されたスクリーン2の生地で覆われているため、ボトムレール3が目立つことはなく、意匠性の低下を防ぐことができる。
【0063】
また本実施形態では、ボトムレール3は、スクリーン2の上記展開時と上記畳み込み時において、正面視で同等の輪郭形状を有している。したがって、展開時と畳み込み時で意匠の変化をなくすことができ、意匠性を向上させることができる。
【0064】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0065】
図9は、本実施形態に係るプリーツスクリーン100のボトムレール部分の右側面図及び正面図である。同
図A1が展開(下降)時の右側面図、同
図A2が展開(下降)時の正面図、同
図B1が畳み込み(上昇)時の右側面図、同
図B2が畳み込み(上昇)時の正面図をそれぞれ示す。
【0066】
両図に示すように、本実施形態においては、ボトムレール3は、その非連結面3cが曲面で形成されている。すなわち、ボトムレール3は、円柱形状から、上述の各実施形態と同様の上記第1連結面3a及び第2連結面3bを切り欠いたような形状を有する。
【0067】
第1連結面3aに設けられる第1連結部31及び第2連結面3bに設けられる第2連結部3bの構成及び動作は上述の第1実施形態と同様である。
【0068】
本実施形態においては、非連結面3cが曲面であることから、上記第3実施形態と同様に、ボトムレール3は、スクリーン2の上記展開時と上記畳み込み時において、正面視で同等の輪郭形状となり、展開時と畳み込み時で意匠の変化をなくすことができ、意匠性を向上させることができる。
【0069】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0070】
図10は、本実施形態に係るプリーツスクリーン100のボトムレール3部分の右側面図及び正面図である。同
図A1が展開(下降)時の右側面図、同
図A2が展開(下降)時の正面図、同
図B1が畳み込み(上昇)時の右側面図、同
図B2が畳み込み(上昇)時の正面図をそれぞれ示す。
【0071】
両図に示すように、本実施形態においては、ボトムレール3は円柱状(断面円形状)に形成されており、第1連結部31及び第2連結部32は当該円柱における曲面に隣接して形成されている。
【0072】
第1連結面3aに設けられる第1連結部31及び第2連結面3bに設けられる第2連結部3bの構成及び動作は、スクリーン止めプレート33及びコード止めプレート34を含む面全体が、平面状ではなく曲面状(断面円弧状)に形成される以外は、上述の第1実施形態と同様である。
【0073】
本実施形態においては、ボトムレール3が円柱状に形成されることで、上記第3及び第4実施形態と同様に、クリーン2の上記展開時と上記畳み込み時において、正面視で同等の輪郭形状となり、展開時と畳み込み時で意匠の変化をなくすことができ、意匠性を向上させることができる。
【0074】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0075】
ボトムレール3の形状は上述の各実施形態で示したものに限られず、スクリーン2の展開時において第1連結部31が上方を向き、スクリーン2の畳み込み時において第2連結部32が上方を向く構成であれば、いかなる形状とされてもよい。
【0076】
上述の第2実施形態においては、スクリーン2と同一の生地35が、上記第1実施形態におけるボトムレール3に貼付されていたが、当該生地35が、上記第3乃至第5実施形態におけるボトムレール3に同様に貼付されてもよい。
【0077】
上述の各実施形態では、スクリーン2の上端がヘッドボックス1から吊り下げられるものとして説明したが、ヘッドボックス1からスクリーン2とは別のスクリーンを昇降可能に吊り下げ、当該別のスクリーンの下端に連結された中間バーからスクリーン2を吊り下げてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1………ヘッドボックス
2………スクリーン
3………ボトムレール
3a……第1連結面
3b……第2連結面
3c……非連結面
4………昇降コード
5………ピッチ保持コード
9………巻取ドラム
21……突出部
25……挿通孔
31……第1連結部
32……第2連結部
100…プリーツスクリーン