(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182343
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】調整用セット
(51)【国際特許分類】
E04G 21/18 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
E04G21/18 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089852
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】598022956
【氏名又は名称】株式会社大同機械
(74)【代理人】
【識別番号】100154357
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】市村 元
(72)【発明者】
【氏名】落合 康全
(72)【発明者】
【氏名】根本 弘一
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174AA01
2E174BA03
2E174DA12
2E174DA37
2E174DA62
(57)【要約】
【課題】
既設の鉄骨柱の上方の端部に新設の鉄骨柱を接合する際にそれらのエレクションピースを仮固定する調節治具の調整ボルトを駆動する駆動装置の取付性を改善する構成を提供する。
【解決手段】
本開示の一実施形態の調整用セットSは、既設の鉄骨柱のエレクションピース5bと、前記既設の鉄骨柱の上部に設けられる新設の鉄骨柱のエレクションピース5aとを仮固定する調節治具6の上部に着脱自在に設けられ、案内部58を備えた取付部10と、前記取付部に取り付けられる駆動装置12であって、前記調節治具の調整ボルト6aを回転駆動するように前記調整ボルトに嵌合可能であるシャフト部20と、前記案内部により案内可能である被案内部70とを備えた、駆動装置とを備える。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の鉄骨柱のエレクションピースと、前記既設の鉄骨柱の上部に設けられる新設の鉄骨柱のエレクションピースとを仮固定する調節治具の上部に着脱自在に設けられ、案内部を備えた取付部と、
前記取付部に取り付けられる駆動装置であって、前記調節治具の調整ボルトを回転駆動するように前記調整ボルトに嵌合可能であるシャフト部と、前記案内部により案内可能である被案内部とを備えた、駆動装置と
を備えた、調整用セット。
【請求項2】
前記取付部は第1方向及び該第1方向に交差する第2方向に開いた開放部を有し、
前記シャフト部が前記第1方向において延びるように前記駆動装置を前記取付部に取り付けるべく前記被案内部が前記案内部に沿って案内されているとき、前記開放部に前記シャフト部が前記第2方向において進入するように、前記案内部及び前記被案内部は構成されている、
請求項1に記載の調整用セット。
【請求項3】
前記開放部は、略U字状の溝部である、
請求項2に記載の調整用セット。
【請求項4】
前記駆動装置は、前記シャフト部を支持するシャフト支持部を備え、
前記シャフト支持部は、該シャフト支持部の軸線方向において、前記シャフト部を進退可能にする進退機構を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の調整用セット。
【請求項5】
前記進退機構は、
前記シャフト支持部において前記シャフト部を突出させるように付勢する付勢部材と、
前記シャフト支持部の軸線周りの前記シャフト部の回転を規制する回転規制部と
を備える、
請求項4に記載の調整用セット。
【請求項6】
前記進退機構は、前記シャフト支持部内において前記シャフト部が後退した後退位置にあるとき、前記シャフト部と係合する係合部を更に備える、
請求項4又は5に記載の調整用セット。
【請求項7】
前記シャフト支持部内において前記シャフト部が前記後退位置にあるとき、前記シャフト部は、前記シャフト支持部の軸線周りに回転可能であり、前記係合部と係合可能である、
請求項6に記載の調整用セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、既設の鉄骨柱の上方の端部に新設の鉄骨柱を接合する際にそれらのエレクションピースを仮固定する治具に対して用いられる調整用セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既設の鉄骨柱の上方の端部に新設の鉄骨柱を接合する際にそれらの位置合わせと仮止めのために、その既設の鉄骨柱の上端に周方向に離してエレクションピースを設けるとともに、新設の鉄骨柱の下端に周方向に離してエレクションピースを設けている。まず、既設の鉄骨柱のエレクションピースと新設の鉄骨柱のエレクションピースとを位置合わせして仮止めし、溶接でそれら既設の鉄骨柱と新設の鉄骨柱とを接合することが行われる。溶接後、それらのエレクションピースは一般に溶断される。
【0003】
既設の鉄骨柱のエレクションピースと、それに対応するその上方に位置する新設の鉄骨柱のエレクションピースとを仮止めするときに用いるシステムの一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1が開示するシステムのセットは、調節治具である建て方治具と、この建て方治具の上部に取り付けられる駆動装置とを備える。建て方治具は、既設の鉄骨柱のエレクションピースが差し込まれるスリットと、新設の鉄骨柱のエレクションピースが差し込まれるスリットと、上下方向(Z軸方向)の調整ボルトと、転倒防止ボルトと、目違い調整用ボルトと、微調カムと、調整クサビとを備える。駆動装置は、この建て方治具の上部に取り付けられた駆動装置用荷台に載置される。駆動装置は前述の調整ボルトを回転させるようにモーター、減速機、回転軸部、及び、ユニバーシャルシャフトを備える。建て方治具の上部に取り付けられた駆動装置用荷台の四角形状の孔からユニバーシャルシャフトが下方に延びるように、駆動装置はその荷台に載置される。これにより、その荷台の四角形状の孔から下方に延びるユニバーシャルシャフトを、建て方治具の調整ボルトの頭部に嵌合させることができる。この駆動装置には、パーソナルコンピュータ等の制御装置が電気的に接続される。制御装置には、計測データを入力し、その計測データと基準値との相違を少なくする方向にモーターを必要数回転させて、Z軸方向の調整ボルトを回転させる制御信号を出力させるプログラムが組み込まれている。このようにして構成されるシステムでは、既設の鉄骨柱のエレクションピースと新設の鉄骨柱のエレクションピースに装着した上記建て方治具のZ軸方向の調整ボルトをユニバーシャルシャフトを介して必要数回転させて、新設の鉄骨柱を基準値内に建て入れ調整することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のシステムの駆動装置は、前述のように、モーター、減速機等を備え、概して重い。したがって、上記建て方治具つまり調節治具の上部に取り付けられた駆動装置用荷台の四角形状の孔からユニバーシャルシャフトを延出させてそれを調整ボルトの頭部に嵌合させるように、駆動装置をその荷台に載置することは容易でない。本開示の目的は、既設の鉄骨柱の上方の端部に新設の鉄骨柱を接合する際にそれらのエレクションピースを仮固定する調節治具の調整ボルトを駆動する駆動装置の取付性を改善する構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、
既設の鉄骨柱のエレクションピースと、前記既設の鉄骨柱の上部に設けられる新設の鉄骨柱のエレクションピースとを仮固定する調節治具の上部に着脱自在に設けられ、案内部を備えた取付部と、
前記取付部に取り付けられる駆動装置であって、前記調節治具の調整ボルトを回転駆動するように前記調整ボルトに嵌合可能であるシャフト部と、前記案内部により案内可能である被案内部とを備えた、駆動装置と
を備えた、調整用セット
を提供する。
【0007】
好ましくは、前記取付部は第1方向及び該第1方向に交差する第2方向に開いた開放部を有し、前記シャフト部が前記第1方向において延びるように前記駆動装置を前記取付部に取り付けるべく前記被案内部が前記案内部に沿って案内されているとき、前記開放部に前記シャフト部が前記第2方向において進入するように、前記案内部及び前記被案内部は構成されている。
【0008】
好ましくは、前記開放部は、略U字状の溝部である。
【0009】
好ましくは、前記駆動装置は、前記シャフト部を支持するシャフト支持部を備え、前記シャフト支持部は、該シャフト支持部の軸線方向において、前記シャフト部を進退可能にする進退機構を備える。
【0010】
好ましくは、前記進退機構は、前記シャフト支持部において前記シャフト部を突出させるように付勢する付勢部材と、前記シャフト支持部の軸線周りの前記シャフト部の回転を規制する回転規制部とを備える。
【0011】
好ましくは、前記進退機構は、前記シャフト支持部内において前記シャフト部が後退した後退位置にあるとき、前記シャフト部と係合する係合部を更に備える。
【0012】
好ましくは、前記シャフト支持部内において前記シャフト部が前記後退位置にあるとき、前記シャフト部は、前記シャフト支持部の軸線周りに回転可能であり、前記係合部と係合可能である。
【発明の効果】
【0013】
本開示の上記態様によれば、上記構成を備えるので、駆動装置の被案内部を取付部の案内部に沿って案内させることで、駆動装置を調節治具に対して容易に取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】鉄骨工事の自動化施工方法の一例を説明するための図である。
【
図2】
図1におけるトータルステーションの設置方法を説明するための図である。
【
図3】鉄骨柱への建て起こしセットの取り付けを説明するための図であり、(a)はエレクションピースの取付状態を示し、(b)は調節治具である建て起こし治具の取付状態を示す。
【
図4】鉄骨柱に取り付けられた建て起こしセットを示す図である。
【
図6】一実施形態に係る調整用セットの斜視図である。
【
図7】
図3の建て起こしセットに
図6の調整用セットを取り付ける流れを示す図であり、(a)は取付部の取り付けを、(b)は取付部への駆動装置の取り付けを、(c)は駆動装置のシャフト部の建て起こし治具への嵌合を示す。
【
図8】鉄骨柱に取り付けられた調整用セットを示す図である。
【
図9】カバー部材を外した駆動装置と取付部とを示す図である。
【
図10】シャフト支持部を示す図であり、(a)はシャフト支持部の断面図であり、(b)はその端面の図であり、(c)は(a)のXC-XC線に沿った断面図である。
【
図11】シャフト部の図であり、(a)はシャフト部材の正面図であり、(b)はその右側面図である。
【
図13】駆動装置においてシャフト部が突出状態にあるところを示す図であり、(a)は部分断面図であり、(b)は(a)のXIIIB-XIIIB線に沿った拡大断面図である。
【
図14】駆動装置においてシャフト部が後退位置にあるところを示す図であり、(a)は部分断面図であり、(b)は(a)のXIVB-XIVB線に沿った拡大断面図である。
【
図15】取付部への駆動装置の取り付け又は取り外し途中を示す斜視図である。
【
図16】駆動装置の被案内部と取付部の案内部との案内関係を示す図であり、(a)は案内開始のときの図であり、(b)は案内完了のときの図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示に係る実施形態を添付図に基づいて説明する。同一の部品(又は構成)には同一の符号を付してあり、それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0016】
まず、本開示の一実施形態に係る調整用セットSを用いた鉄骨工事の自動化施工方法の一例を簡単に説明する。
図1に示すように、鉄骨柱1の上部にトータルステーション(Total Station:TS)2を取り付ける。そして、このトータルステーション2により2点以上の既知点Pa、Pbを視準して当該トータルステーション2の位置を計算により求めて、鉄骨柱1の位置を測定する。そして、そのデータに基づいて、制御装置で、例えば
図1に示すモバイルコンピュータCで、調整用セットSの後述する駆動装置12を駆動させることにより、基準値内に鉄骨柱1を自動で建て入れする。なお、吊持対象物であるトータルステーション2とは、測量器機の一つであって、距離を測る光波測距儀と角度を測るセオドライトを組み合わせ、角度と距離を同時に観測できるものである。また、トータルステーション2は、マイコン機能と液晶画面を内蔵し、測量結果を自動的に記憶でき、制御装置と通信してデータ送受信も可能である。
【0017】
この鉄骨工事の自動化施工方法における、調整用セットSの適用例について以下で更に詳しく説明する。まず、調整用セットSのセッティングの前段階について説明する。
【0018】
図2(a)に示すように、建て入れ対象物である新設の鉄骨柱1の一端部である上部1aに、荷台3aで常に吊持対象物を鉛直状態に保持するトータルステーション固定治具(以下、TS固定治具)3を着脱自在に取り付ける。TS固定治具3は、
図2に示すように、新設の鉄骨柱1の上部1a側の梁端部材1bに、3次元クランプ等(図示せず)のジョイント手段により、支柱3bで着脱自在に取り付けられる。このTS固定治具3は、例えば階層ごとの建て入れ工事が終了すれば、上階の基準となる鉄骨柱に転用される。TS固定治具3は、特許文献1において説明されているように、金属パイプ製の荷台3aと、この荷台3aを吊持する吊持部材(不図示)と、この吊持部材を支持して前後・左右方向に対して回動するように支持される基台(不図示)と、この基台を前後・左右に回動するように支持する継手部材(不図示)と、この継手部材を支持する逆J字型の支柱3bとを備えて構成されている。また、TS固定治具3には、鉄骨柱1を鉛直方向に起立させた場合に、当該鉄骨柱1側に固定したTS固定治具3の支柱3bに対して、該支柱3bに吊持されトータルステーション2を載置する荷台3aが動かないように位置固定する磁性吸着手段である永久磁石3cが設けられている。この永久磁石3cは、パイプジョイント等を介して支柱3bに固定されている。
【0019】
次に、TS固定治具3の荷台3aにトータルステーション2を載置して、トータルステーション2を鉄骨柱1に吊持させる。そして、鉄骨柱1をタワークレーン等の揚重装置(不図示)で吊り上げて、
図1に示すように、構築中の建物の所定の位置に、ここでは既設の鉄骨柱1cの上部に搬入する。この過程で、トータルステーション2は、TS固定治具3により、
図2(a)~(c)に順に示すように支持され、新設の鉄骨柱1の柱頭よりも高い位置に設置される(
図1及び
図2(c)参照)。これにより、トータルステーション2により2点以上の既知点を視準してトータルステーション2の位置を計算により求める際に、十分な視界を確保することができる。
【0020】
次に、設置した鉄骨柱1に関して
図3(a)、(b)に示す建て起こしセット4を装着する。この建て起こしセット4は、エレクションピース5a、5bと、これらに取り付けられる調節治具である建て方治具6とを備える。エレクションピース5a、5bは、
図3(a)に示すように、新設の鉄骨柱1と前節のつまり既設の鉄骨柱1cとの上下接合箇所に固着されている。なお、鉄骨柱1、1cの4面の各面に関してエレクションピース5a、5bが設けられる。ここでは、各面に関して1組のエレクションピース5a、5bが設けられるが、各面に関して複数組のエレクションピース5a、5bが設けられてもよい。
【0021】
図3(b)に示すように、1組のエレクションピース5a、5bに、調節治具である建て方治具6(一例として、市販の治具である建て方エース(登録商標))を装着させる。建て方治具6は、治具本体6zの対応するネジ孔にそれぞれ螺合される、上下方向(Z軸方向)の調整ボルト6aと、転倒防止ボルト6bと、目違い調整用ボルト6cと、微調カム6dと、調整クサビ6eとを備える。さらに、建て方治具6は、治具本体6zにそれぞれ設けられる、新設の鉄骨柱1のエレクションピース5aが差し込まれる第1のスリット6fと、既設の鉄骨柱1のエレクションピース5bが差し込まれる第2のスリット6gとを備える。一般に、第1のスリット6fに鉄骨柱1のエレクションピース5aを差し込んだ後、第2のスリット6gに鉄骨柱1cのエレクションピース5bを差し込むことが行われる。この過程で、左右方向に延びる目違い調整用ボルト6cで、エレクションピース5a、5bが挟まれ、鉄骨柱1cに対する鉄骨柱1の目違い、例えば左右方向のずれを調整することができる。また、建て方治具6の下部において上方に向けて延びる転倒防止ボルト6bでエレクションピース5a、5bの一体的な締め付けを行うことができる。こうして、エレクションピース5a、5bと建て方治具6とを備える建て起こしセット4が鉄骨柱1、1cの各面に取り付けられたところを
図4及び
図5に示す。なお、調整ボルト6aは、
図4に示すように、調整クサビ6e上の微調カム6dに作用し、例えば鉄骨柱1cに対する鉄骨柱1の倒れ調整(
図4の矢印A1、A2参照)を行うことを可能にする。
【0022】
図6に、上記建て起こしセット4の上部に取り付けられる調整用セットSの斜視図を示す。調整用セットSは、取付部10と、駆動装置12とを備える。
【0023】
調整用セットSの詳細な説明は後述するので、ここでは調整用セットSについて簡単に説明する。
図7(a)に示すように、建て起こしセット4の建て方治具6の上部に調整用セットSの取付部10が着脱自在に取り付けられる。取付部10は、台部14と、台部14の下面側の支持枠16とを備える。支持枠16は、建て方治具6の上部及びエレクションピース5aの一部をその内部に収容するように建て方治具6の構成及びエレクションピース5aの形状に応じた形状を有する。支持枠16は建て方治具6の上部をその内部に収容するようにその上に載置され、これにより、取付部10は建て方治具6の上部に設けられる。なお、支持枠16の側部などにボルト(不図示)等の締結部材を設けて、このボルトで支持枠16は建て方治具6に固定されてもよい。そして、
図7(b)に示すように、この取付部10に駆動装置12が取り付けられる。
【0024】
駆動装置12は、建て方治具6の調整ボルト6aを回転駆動させる装置である。駆動装置12は調整ボルト6aの頭部に嵌合可能であるシャフト部であるユニバーシャルシャフト20を備える。ユニバーシャルシャフト20は
図6及び
図7(b)、(c)に示すように、駆動装置12の本体部12Bから下方に延出して突出している。そこで、駆動装置12を取付部10に取り付けるとき、そのユニバーシャルシャフト20の先端部が建て方治具6に衝突しないように、
図7(b)に示すように、ユニバーシャルシャフト20は駆動装置20内に少なくとも部分的に後退させられる。駆動装置12を取付部10に取り付けた後、そのユニバーシャルシャフト20を
図7(b)の矢印に従い、後退位置から突出状態になるように延出させる。これにより、
図7(c)に示すように、ユニバーシャルシャフト20は駆動装置12から十分に突出し、その先端部20bは建て方治具6の調整ボルト6aの頭部のボルト穴に嵌合することができる。この調整用セットSは、鉄骨柱1、1cの4面のエレクションピース5a、5b及び建て方治具6のそれぞれに対して設けられる(
図8参照)。なお、
図4と同様に、
図8では、鉄骨柱1、1cの裏側(紙面裏側)の建て起こしセット4及び調整用セットSは鉄骨柱1、1cにより隠れている。
【0025】
図9に、カバー部材12aを外した駆動装置12及び取付部10を示す。駆動装置12は、ユニバーシャルシャフト20の駆動用にモーター22を備える。駆動装置12には、モーター22の駆動用のドライバ24も搭載されている。このドライバ24は通信機能を有し、制御装置が電気的に接続される。この制御装置は、種々のコンピュータであり得、通信機能を有し、駆動装置12のドライバ24に作動信号を送信することができる。ここでは制御装置は、
図1に示すモバイルコンピュータCである。モバイルコンピュータCは、トータルステーション2から取得した計測データと基準値との相違を少なくする方向にモーター22を必要数回転させる制御信号を出力させるプログラムが組み込まれている。したがって、モバイルコンピュータCは、鉄骨柱1、1cに設けた4つの建て起こしセット4のうちの1つ又は複数の建て方治具6の、上下方向を微調整するネジ手段である調整ボルト6aをユニバーシャルシャフト20を介して必要数回転させて、鉄骨柱1を基準値内に建て入れ調整することができる。
【0026】
なお、トータルステーション2付きの鉄骨柱1を最初の基準位置の柱として、その後に設置される他の鉄骨柱(不図示)の位置をトータルステーション2で測定して当該他の鉄骨柱の建て入れ調整を順次繰り返して行うこともできる。当該他の鉄骨柱に係る建て入れ調整の具体的工法では、トータルステーション2付きの鉄骨柱1が建て入れされた後に、設置される他の鉄骨柱には、設置される前に予め若しくは設置後に、当該他の鉄骨柱の頭部の上に、トータルステーション2に向き合うように方向を設定した、反射プリズム(不図示)が着脱自在に取り付けられる。これにより、トータルステーション2付きの鉄骨柱1におけるトータルステーション2の位置を基準点として、建て入れ調整する対象の他の鉄骨柱における反射プリズムの位置をトータルステーションで計測することができる。そして、基準値との誤差が所定の範囲内に収まるように、他の鉄骨柱に設けた建て起こしセット4及び調整用セットSで、それぞれ他の鉄骨柱を建て入れ調整する。この建て入れ調整は前述の鉄骨柱1で行った上記調整方法と同じであるので、その重複説明を省略する。
【0027】
そして、それらの後、例えばある階層の鉄骨柱の全部の建て入れ調整が終了した後に、調整用セットSを外した状態の鉄骨柱1cと鉄骨柱1との溶接工事などを行う。その後、建て方治具6を撤去して他に転用し、各鉄骨柱のエレクションピース5a、5bを切断して撤去する。
【0028】
なお、モバイルコンピュータCには、駆動装置12を取り付けてそのユニバーシャルシャフト20の先端部20bを調整ボルト6aの頭部に嵌合させたとき、肌合わせ処理用にモーター22を駆動させる制御信号を出力させるプログラムも組み込まれている。肌合わせ処理は、駆動装置12の各種歯車間の遊び及び先端部20bと調整ボルト6aとの間の遊びなどを除去するための処理である。また、モバイルコンピュータCには、駆動装置12を取り外すとき、調整ボルト6aの頭部と先端部20bとの嵌合状態を緩める処理用にモーター22を駆動させる制御信号を出力させるプログラムも組み込まれている。駆動装置12の作動等によりユニバーシャルシャフト20が調整ボルト6aの頭部に噛み込むように嵌合した場合にも、取り外し時に駆動装置12を容易に取り外せるように、駆動装置12を取り外すとき、調整ボルト6aを動かさない範囲で締め付ける方向とは反対側に例えば所定量動かすように、側駆動装置12のモーターは動かされるとよい。
【0029】
このように、本実施形態に係る調整用セットSが鉄骨柱1、1cの建て入れ作業に用いられる。調整用セットSの構成及びそれの建て起こしセット4への取り付けについて、以下詳述する。
【0030】
まず、調整用セットSの駆動装置12について説明する。
図9に示すように、駆動装置12は、前述のユニバーシャルシャフト20、モーター22及びドライバ24の他、減速機構26、ウォームギヤ28を備える。モバイルコンピュータCからの作動信号によりドライバ24が作動することで、モーター22が作動する。モーター22は、ここではステッピングモータであるが、他の種類のモーターであってもよい。モーター22からの回転駆動力は、ここでは複数の歯車を備える減速機構26で減速されて、ウォームギヤ28のウォーム(ねじ歯車)30に伝達される。ウォーム30にはウォームギヤ28のウォームホイール32が噛み合っている。ウォームホイール32の回転軸線は、
図7及び
図8の使用状態において、上下方向つまり略鉛直方向に延びる。ウォームホイール32にはシャフト支持部34が同軸に設けられている。
【0031】
シャフト支持部34はここでは略筒形状の部材により構成されていて、その長手方向に延びる軸線34aを定めることができる。
図10(a)はシャフト支持部34の断面図であり、その軸線34aに沿った断面図である。
図10(b)は、
図10(a)のシャフト支持部34の右端の部分のみの側面図である。また、
図10(c)は、
図10(a)のシャフト支持部34のXC-XC線に沿った位置での、シャフト支持部34の断面図である。
図10(a)のシャフト支持部34の右端の部分は、段差34sを有して形成されていて、ウォームホイール32の回転軸線32a上にそれに沿って延びる回転軸部32bの内部に差し込まれる部分である。シャフト支持部34は、溶接によりウォームホイール32の回転軸部32bに接合される。これにより、シャフト支持部34のウォームホイール32側の一端部は閉じられる。シャフト支持部34はウォームホイール32に同軸に設けられているので、ウォームホイール32の回転軸線32aはシャフト支持部34の軸線34aに一致する。このシャフト支持部34は、断面六角形の内壁面34bを有する
図10(a)の左側の部分(以下、回転規制部)34cと、係合構造を有する
図10(a)の右側の部分(以下、回転許容部)34dとを備える。回転許容部34dは回転規制部34cの内壁面34bを径方向外側に部分的に拡張した形状を有し、後述する断面六角形のユニバーシャルシャフト20の端部がシャフト支持部34の軸線34a周りに回転することを許容する。回転許容部34dでは、ユニバーシャルシャフト20はシャフト支持部34の軸線周りに角度θ回転することができる。角度θはここでは30°であるが、この角度に限定されない。回転規制部34cと回転許容部34dとの間の段部34eが、係合部に相当する。
【0032】
図11に、シャフト部であるユニバーシャルシャフト20を示す。
図11(a)及び(b)は、ユニバーシャルシャフト20の正面図及び右側面図である。ユニバーシャルシャフト20は、長手方向に延びる略棒状の部材であり、長手方向に延びる軸線20aを有する。ユニバーシャルシャフト20は左右対称に形成されていて、両端部20b、20cは同じ形状を有する。ユニバーシャルシャフト20の端部20b、20cは略球状であるとともに、
図11(b)に示すように軸線20a方向から見て正六角形の形状を有し、シャフト支持部34の内壁面34bをちょうど通過することができる大きさ及び形状に寸法付けされている。したがって、ユニバーシャルシャフト20の端部20b、20cのいずれかがシャフト支持部34の回転規制部34cにあるとき、シャフト支持部34の軸線34a周りにユニバーシャルシャフト20は実質的に回転することはできない。なお、シャフト支持部34の回転規制部34cには、
図10(a)、(c)に示すようにネジ孔34p、34qが設けられている。ネジ孔34p、34qは、軸線34aに直交する1つの仮想面上に形成され、軸線34aの対角線上に設けられている。特に、ネジ孔34p、34qは、内壁面34bの断面六角形の角部に設けられている。ネジ孔34p、34qには、シャフト支持部34の内壁面34bから軸線34a側に突き出るようにネジ部材40、42が螺合される(
図13(a)及び
図14(a)参照)。これらネジ部材40、42を設けることで、ユニバーシャルシャフト20の両端部20b、20cはそれぞれシャフト支持部34の回転規制部34cを通過不能になる。つまり、ユニバーシャルシャフト20の両端部20b、20c間の中間部20dは、ネジ部材40、42に移動が制限されることなくシャフト支持部34をその軸線34a方向に動くことができるように、両端部20b、20cよりも小さな断面積を有して形成され、ここでは断面円形の部分として構成されている。
【0033】
図12に基づいて、ウォームホイール32に接合されたシャフト支持部34へのユニバーシャルシャフト20の取付について説明する。まず、シャフト支持部34内には、弾性部材としてのばね部材44が挿入される。ばね部材44は付勢部材である。その状態で、ユニバーシャルシャフト20が挿入される。ユニバーシャルシャフト20の長手方向のつまり軸線20a方向の長さは、シャフト支持部34の軸線34a方向の長さよりも長い。そこで、ユニバーシャルシャフト20の突き出ている端部20bが突き出たまま、シャフト支持部34のネジ孔34p、34qにネジ部材40、42をねじ込む。これにより、ユニバーシャルシャフト20はシャフト支持部34において保持され、その先端部20bが突き出る方向にばね部材44により付勢されている状態になる。
【0034】
図13に、ユニバーシャルシャフト20が突き出た突出状態にあるところを示す。なお、突出状態とは、
図14に示す後退位置よりもユニバーシャルシャフト20が突出している状態であり、シャフト支持部34の回転規制部34c内にユニバーシャルシャフト20の一方の端部20cが位置している状態である。
図13(a)はシャフト支持部34の軸線34aに沿ったその周囲の駆動装置12の一部の断面図であり、突出状態にあるユニバーシャルシャフト20を示す。また、
図13(b)は
図13(a)のXIIIB-XIIIB線に沿った断面図であり、ユニバーシャルシャフト20が回転規制部34cの断面六角形形状の内壁面34bに即した位置にあるところを示す。ユニバーシャルシャフト20が突出状態にあるとき、シャフト支持部34内のユニバーシャルシャフト20の端部20cは回転規制部34cに位置する。したがって、ユニバーシャルシャフト20はシャフト支持部34の軸線34a周りにおいて回転できない。よって、ユニバーシャルシャフト20のもう一方の端部20bが建て方治具6の調整ボルト6aの頭部のボルト穴に嵌合するとき、調整ボルト6aにモーター22からの回転駆動力を適切に伝達することができる。なお、ユニバーシャルシャフト20が突出状態にあるとき、ユニバーシャルシャフト20の端部20cは回転規制部34cにおいてばね部材44の付勢力を受けている。したがって、ユニバーシャルシャフト20が突出状態にあって、かつ、その端部20bが調整ボルト6aに嵌合しているとき、調整ボルト6aと駆動装置12との相対的な位置関係により定まる回転規制部34cにおける位置(以下、嵌合位置)に、ユニバーシャルシャフト20の端部20cは位置付けられる。このように、ユニバーシャルシャフト20の端部20cの嵌合位置は、シャフト支持部34の回転規制部34cの軸線34a方向において変動し得る。
【0035】
図14に、ユニバーシャルシャフト20がシャフト支持部34内において後退した後退位置に係合されているところを示す。
図14(a)はシャフト支持部34の軸線34aに沿ったその周囲の駆動装置12の一部の断面図であり、後退位置にあるユニバーシャルシャフト20を示す。また、
図14(b)は
図14(a)のXIVB-XIVB線に沿った断面図であり、ユニバーシャルシャフト20の端部20cが回転許容部34dに位置するとともに、係合部である段部34eに係合状態にあるところを示す。ユニバーシャルシャフト20が後退位置に係合されているとき、シャフト支持部34内のユニバーシャルシャフト20の端部20cは回転許容部34dに位置する。そして、端部20cが回転規制部34cを進退可能な状態から、ユニバーシャルシャフト20はシャフト支持部34の軸線34a周りに所定の方向に所定角度回転される(
図14(b)参照)。ここでは、端部20cが六角形形状を有するので、上述のように所定角度は30°である。よって、駆動装置12の取り付け時、建て方治具6の調整ボルト6aの頭部からユニバーシャルシャフト20の端部20bが所定距離以上離れるほど、ユニバーシャルシャフト20はシャフト支持部34内に引っ込んだ状態に保持される。
【0036】
次に、調整用セットSの取付部10について説明する。取付部10は、前述のように、既設の鉄骨柱1cのエレクションピース5bと、既設の鉄骨柱1cの上部に設けられる新設の鉄骨柱1のエレクションピース5aとを仮固定する建て方治具6の上部に着脱自在に設けられるものである。取付部10は、台部14と、台部14の下面側の支持枠16とを備える。支持枠16は、略直方体の枠形状であり、上端が台部14に面し、ここでは閉じられ、下端は開いている。
図15に示すように、建て方治具6の上部及びエレクションピース5aの一部をその内部に収容するように、支持枠16は、U字状の溝部16a、16b及び細長い溝部16c、16dを備えている。これら溝部16a、16b、16c、16dは、種々の形状を有して設計され得、建て方治具6の上部及びエレクションピース5aの形状及び大きさに応じて設計されるとよい。支持枠16は建て方治具6の上部をその内部に収容するようにその上に載置され、これにより、取付部10は建て方治具6の上部に設けられる。このとき、支持枠16はある程度以上の安定性を有するように設計されていて、例えば、上述のようにボルト(不図示)などを用いて建て方治具6に固定されてもよい。
【0037】
台部14は平板状の部分である。ここでは、台部14は2つの部材つまり台本体部50と、幅調整部52とを有して構成されている。台本体部50に支持枠16は溶接等により固定されている。台本体部50は平板状である。幅調整部52は細長い部材である。幅調整部52は、台本体部50が延びる平面状で、台本体部50との間隔を調整可能に設けられている。幅調整部52は支点部材54により支点が決められ、その支点周りに台本体部50に対して回動可能に設けられている。幅調整部52に設けられた孔部を貫通するように設けられたねじ部材55を台本体部50のねじ孔に螺合させる量を調整することで、幅調整部52の台本体部50に対する位置を調整することができる。
【0038】
台本体部50は、第1方向D1及び該第1方向D1に交差する第2方向D2に開いた開放部56を有する。
図8に示すような使用状態の時、第1方向D1は上下方向であり、第2方向D2は左右方向又は奥行き方向であり、好ましくは略水平方向である。なお、第1方向D1及び第2方向D2に直交する第3方向D3は、
図8に示すような使用状態の時、略水平方向であり、ここでは幅方向と称する。開放部56はここでは略U字状の溝部であるが、他の形状を有してもよい。開放部56は、駆動装置12の前述の回転軸部32b、シャフト支持部34及びユニバーシャルシャフト20が進入可能に構成されている。
【0039】
図16に示すように、取付部10の台部14における台本体部50及び幅調整部52には、案内部58が設けられる。案内部58はここでは3つのローラー部材60、62、64を備える。これらのローラー部材60、62、64はそれぞれ軸線60a、62a、64a周りに回転可能なローラー60b、62b、64bを備える。第1ローラー部材60は、台本体部50に設けられている。第2ローラー部材62及び第3ローラー部材64は、幅調整部52に設けられ、第2方向において離れて位置付けられている。また、これらローラー部材は互い違いに設けられていて、ここでは、第2方向D2において、手前側から、第3ローラー部材64、第1ローラー部材60、第2ローラー部材62の順にずれるように配置されている。このように設けた状態で、第1ローラー部材60の軸線60a、第2ローラー部材62の軸線62a及び第3ローラー部材64の軸線64aは、それぞれ、第1方向D1に延びる。また、台本体部50の第2方向D2の一端部つまり開放部56とは反対側にはストッパー部材66が設けられている。これらローラー部材60、62、64及びストッパー部材66は、取付部10の台部14における支持枠16とは反対側の面に設けられている。
【0040】
この取付部10の案内部58に対応する被案内部70は、駆動装置12に設けられている。被案内部70は案内部58による案内を可能にする部分であり、ここでは2本のレール部材72、74を備える。
図15に示すように2本のレール部材72、74は第2方向D2に延びるように離して、ここでは特に平行に、駆動装置12に設けられている。なお、レール部材72、74には、ローラー部材60、62、64のローラー60b、62b、64bが走行可能な溝部72a、74aがそれらの外側に形成されている。ただし、レール部材72、74に、ローラー部材60、62、64のローラー60b、62b、64bが走行可能な溝部72a、74aがそれらの内側に形成されてもよい。
【0041】
取付部10の案内部58による駆動装置12の被案内部70の案内について、
図16に基づいて説明する。なお、
図16では、駆動装置12は、被案内部70のレール部材72、74のみを示す。
図16(a)では、まず、ねじ部材55を緩め、台部14における台本体部50と幅調整部52との間隔をある程度広くしている。この状態で、ユーザーは駆動装置12の本体部12Bの両脇の取っ手部12c、12dをつかみ、第2方向において、駆動装置12を取付部10に進め、被案内部70のレール部材72、74を台部14の一端に載置するとともに案内部58に沿って第2方向D2に進める。これにより、案内部58に沿って、被案内部70が案内され、開放部56に駆動装置12のユニバーシャルシャフト20が第2方向D2において進入するようになる。案内部58による被案内部70の案内は、駆動装置12がストッパー部材66に突き当たるまで行われるとよい。そして、駆動装置12が取付部10において載置されたとき、
図16(b)に示すように、ねじ部材55を締めることで、台部14における台本体部50と幅調整部52との間隔は狭まり、駆動装置12は取付部10に固定される。
【0042】
この取付部10への駆動装置12の取り付けのとき、
図14に基づいて説明したように、ユニバーシャルシャフト20は後退位置に位置付けられるとよい。そして、取付部10への駆動装置12の取付が完了したとき、ユニバーシャルシャフト20は係合部との係合状態を解除するようにその軸線周りに回転され、
図13に基づいて説明したように突出状態になるとよい。これにより、ユニバーシャルシャフト20の突出している先端部20bを、建て方治具6の調整ボルト6aに嵌合させることができる(
図7(b)及び(c)参照)。なお、ユニバーシャルシャフト20は中間部20dがその両端部20b、20cよりも細くされていて、シャフト支持部34の軸線34aからの振れ幅を有する。したがって、建て方治具6の調整ボルト6aに、より簡単に、ユニバーシャルシャフト20の先端部20bを嵌合させることができる。
【0043】
以上説明したように、上記実施形態の調整用セットSでは、上記取付部10に上記案内部58が設けられ、駆動装置12には上記被案内部70が設けられている。したがって、第1方向D1から駆動装置を取付部に載置する場合に比べて、駆動装置12をより容易に取付部10上に載置することができる。
【0044】
以上、本開示に係る実施形態及びその変形例について説明したが、本開示はそれらに限定されない。本願の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神及び範囲から逸脱しない限り、種々の置換、変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1、1c 鉄骨柱
2 トータルステーション
3 トータルステーション固定治具(TS固定治具)
4 建て起こしセット
5a、5b エレクションピース
6 建て方治具(調節治具)
6a 調整ボルト
6b 転倒防止ボルト
6c 目違い調整用ボルト
6d 微調カム
6e 調整クサビ
10 取付部
12 駆動装置
14 台部
16 支持枠
20 ユニバーシャルシャフト
22 モーター
28 ウォームギヤ
30 ウォーム
32 ウォームホイール
34 シャフト支持部
34c 回転規制部
34d 回転許容部
34d 段部
34p、34q ねじ孔
40、42 ねじ部材
50 台本体部
52 幅調整部
54 支点部材
56 開放部
58 案内部
60、62、64 ローラー部材
66 ストッパー部材
70 被案内部
72、74 レール部材
S 調整用セット