(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182358
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】入場管理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221201BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221201BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089873
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】都倉 健司
(72)【発明者】
【氏名】小山 貴之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特定人物のみならず適用対象者を一般に拡大しつつ、かつ当該者に特化された広告を表示させることができる入場管理システムを提供する。
【解決手段】入場管理システム100において、管理サーバ3は、建物1のゲートを制御する制御装置13を備える。制御装置13は、利用者の顔画像と、利用者の属性を記憶しているデータベースDB2に記憶されている顔画像から利用者の属性を求め、顔画像により入場の可否を判定し、入場可と判定された場合に利用許可情報を発行する。制御装置13はさらに、属性に対応した付加情報を求め、建物1の利用者10a~10nが保持する携帯情報端末11a~11nに対し、求めた付加情報と発行した利用許可情報を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の建物への入場を管理する入場管理システムであって、
建物のゲートを制御するゲート制御部と、
利用者の顔画像と、利用者の属性を記憶しているデータベースと、
前記顔画像から利用者の属性を求める属性判定処理部と、
前記顔画像により入場の可否を判定し、入場可と判定された場合に利用許可情報を発行する利用許可発行部と、
前記属性に対応した付加情報を求める情報統合部と、
利用者が保持する携帯情報端末に情報統合部が求めた付加情報と利用許可発行部が発行する利用許可情報を出力する出力部を備える入場管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の入場管理システムであって、
前記利用者についての、前記属性は利用者の年齢、性別、所属、利用するゲートの1つ以上を含み、これらの属性を用いて複数の情報の中から、前記付加情報を抽出することを特徴とする入場管理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の入場管理システムであって、
前記利用者は、建物への訪問者であり、前記属性判定処理部は訪問者が建物の入場に先立ち顔画像、氏名、所属を顔画像格納エリアに登録し、年齢、性別等の属性情報を属性情報格納エリアに登録し、属性判定処理部が登録された前記属性情報を用いて出力する付加情報を選択する入場管理システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の入場管理システムであって、
前記利用許可情報は、QRコードであり利用者は建物に入場するときに携帯情報端末に表示された前記QRコードを読み取り機にかざすことで、ゲートを開放する入場管理システム。
【請求項5】
利用者の建物への入場を管理する入場管理方法であって、
属性判定処理部が顔画像から利用者の属性を記憶しているデータベースを参照し利用者の属性を求め、
利用許可発行部が前記顔画像により入場の可否を判定し、入場可と判定された場合に利用許可情報を発行し、
情報統合部が前記属性に対応した付加情報を求め、
出力部が利用者が保持する携帯情報端末に情報統合部が求めた付加情報と利用許可発行部が発行する利用許可情報を出力する入場管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物などへの入退室を管理する入場管理システムを利用して携帯情報端末に情報提供を行う入場管理システム及び方法に係り、特に人物の認証結果を利用して当該人物に関連度の高い付加情報を携帯情報端末に提示可能な入場管理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティの技術の進歩に伴い、建物や室内居室への入退室を管理する入退出管理システムにおいては、顔認証を用いた通行許可及び非許可を管理する入退が広く知られている。この場合に一般的には、顔を識別するためのカメラなどを扉(ゲート)毎に設置し、通行許可及び非許可の管理を行う。
【0003】
係る入退室管理に関して、特許文献1では、二次元バーコードまたはバーコードを端末装置にかざすことで、入退室管理を実現し、予め設置されているビーコン電波を受信し、ビーコン電波に含まれている位置情報から予め登録されている近隣に関する広告情報を表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、ビーコン電波に含まれている位置情報からの情報だけで広告を表示させるため、入室者の嗜好に応じた広告を表示することができなかった。
【0006】
そこで、入室者の嗜好に応じた広告やその他の情報を表示させることができる入場管理システム及び方法であることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のことから本発明では、「利用者の建物への入場を管理する入場管理システムであって、建物のゲートを制御するゲート制御部と、利用者の顔画像と、利用者の属性を記憶しているデータベースと、前記顔画像から利用者の属性を求める属性判定処理部と、顔画像により入場の可否を判定し、入場可と判定された場合に利用許可情報を発行する利用許可発行部と、属性に対応した付加情報を求める情報統合部と、利用者が保持する携帯情報端末に情報統合部が求めた付加情報と利用許可発行部が発行する利用許可情報を出力する出力部を備える入場管理システム」としたものである。
【0008】
また本発明では、「利用者の建物への入場を管理する入場管理方法であって、属性判定処理部が顔画像から利用者の属性を記憶しているデータベースを参照し利用者の属性を求め、利用許可発行部が顔画像により入場の可否を判定し、入場可と判定された場合に利用許可情報を発行し、情報統合部が属性に対応した付加情報を求め、出力部が利用者が保持する携帯情報端末に情報統合部が求めた付加情報と利用許可発行部が発行する利用許可情報を出力する入場管理方法」としたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入場管理システムを使用する入出者が必要とする情報を提供できる可能性を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例1に係る入場管理システムの全体構成例を示す図。
【
図2】管理装置をコンピュータ装置で構成する場合の構成例を示す図。
【
図3】建物に入退室を行う人物のユーザー情報登録するためのシステム構成の例を示した図。
【
図4】建物に入退室を行う利用者のユーザー情報登録からQRコード発行までを示したフローチャートの例。
【
図5】データベースDB1内の通行可能格納エリア8aに格納されたデータD1の一例を示す図。
【
図6】データベースDB2内の顔画像格納エリア18aに格納された顔データD2aの一例を示す図。
【
図7】データベースDB2内の属性格納エリア18bに格納されたデータD2bの一例を示す図。
【
図8】データベースDB2内の広告格納エリア18cに格納されたデータD2cの一例を示す図。
【
図10】建物に入退室を行う訪問者のユーザー情報登録からQRコード発行までを示したフローチャートの例。
【
図11】訪問者用の属性格納エリア18bに格納されたデータD2bの一例を示す図。
【
図12】訪問者用の広告格納エリア18cに格納されたデータの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0012】
本実施例は、例えば顔認証により受付され発行される入退室管理用の利用許可情報(例えばQRコード(登録商標))を、利用者が保持する携帯情報端末に提示し、表示する際に、事前に登録された登録者情報や、撮影された顔画像から登録者の属性(例えば、年齢、所属など)情報や、入退室許可エリア情報を取得し、当該利用者にとって関連度の高い広告または各個人の予定などの付加情報を表示するシステムである。
【0013】
本発明に係るシステム及び方法の実施形態としては、当該建物に居住し、或は勤務する者(以下これらをまとめて就業者ということにする)における利用と、外部からの訪問者による利用とがあり、特に前者の就業者の場合に好適なシステム構成と利用法について実施例1で説明し、後者の場合の訪問者に好適なシステム構成と利用法について実施例2で説明するものとする。なお就業者と訪問者を区別しない場合には、単に利用者ということがある。
【実施例0014】
図1は、本発明の実施例1に係る入場管理システムの全体構成例を示す図である。
図1の入場管理システム100は、入退室を管理する建物1内の入退室制御部30と、複数の建物を一括管理する管理サーバ3と、管理者用端末4が、ネットワーク回線2により通信可能に接続され、建物1に入退室する利用者10(10a~10n)が保有する携帯情報端末11(11a~11n)に、建物の利用許可情報(QRコード)と付加情報を含む利用情報として情報提供を行うものである。
【0015】
実施例1の場合、利用者10は建物の内部の人間(ここでは就業者と定義)を想定しており、このときにこの入場管理システム100では、管理者用端末4(例えば、パソコンや携帯情報端末)を用いて、予め就業者10についての管理用情報の登録が管理サーバ3に対して行われている。これらの管理用情報は、携帯情報端末11に表示する広告の管理についての情報であり、入退室を行う人物(就業者)に関する情報である。
【0016】
また管理サーバ3は、管理者用端末4からの管理用情報(広告や就業者の情報)を登録し、建物1に入退室を行う就業者10a~10nの属性の判定処理を行い、就業者が保有する携帯情報端末11に対して建物の入室許可と利用者に関連度の高い付加情報の提示を行う。なお以下の実施例においては、この入場管理はQRコードの発行をもって行うことについて例示する。
【0017】
このように、本発明の実施例1に係る入場管理システム100は、建物1の入退室を管理する入退室管理システム100を利用して就業者10の携帯情報端末11に情報提示するものということができる。以下、本システムの主要な構成要素である建物1内の入退室制御部30を含む設備、管理サーバ3、管理者用端末4について、順次詳細に説明する。
【0018】
まず建物1内の入退室制御部30を含む設備について説明する。この建物1は、建物1の入り口や各居室に設置された例えば、フラッパーゲートや電気錠などの扉9(9a~9n)と、扉9に開閉の指令を伝達する制御装置6と、各就業者10に定められた扉9の通行可能な利用パターンを格納するデータベースDB1と、ネットワーク回線2との接続を行う通信装置5と、を有している。なお、制御装置6とデータベースDB1と通信装置5により入退室制御部30を構成している。
【0019】
ここで、予め登録された利用者はQRコードの情報を自己が保有する情報携帯端末に保有しており、入場の際に携帯情報端末に表示されたQRコードを読み取り機にかざす。この動作に対応して、入退室制御部30内の制御装置6は、データベースDB1内の後述する通行可能格納エリア8aに保存されたデータD1を検索し、建物1への入退室を行う利用者10a~10nが使用する、QRコードに格納された情報を参照し、通行可能な権限を持つかを識別し、扉9a~9nのゲート開指令出力手段7に対して開閉制御を行う。
【0020】
図5はデータベースDB1内の通行可能格納エリア8aに格納されたデータD1の一例を示す図である。
図5を参照すると、通行可能格納エリア8aには、通行可能な扉9をグループごとに管理する通行許可エリアパターンNo(D11)と、通行可能な扉を登録する通行許可対象扉No(D12)と、を定義している。因みに例えば、通行可能格納エリア8a1のエリアパターン1の場合には扉No1~6の通行が可能であり、通行可能格納エリア8a2のエリアパターン2の場合には扉No2と6のみ通行可能であり、通行可能格納エリア8a3のエリアパターン3の場合には扉No1、3、4のみ通行が可能であることを示している。
【0021】
図5の情報の参照により、建物1への入退室を行う就業者10が使用する、QRコードに格納された情報を参照し、通行可能な権限を持つかを識別することで、この就業者がこの建物内のどこの扉内に入室可能な権限を持つのかが管理される。就業者10ごとにこれらの扉利用パターンのいずれかが割り当てられることになる。
【0022】
一方、管理サーバ3は、ネットワーク回線2との接続を行う通信装置12と、各装置に指令を伝達する制御装置13と、データベースDB2と、で構成されている。
【0023】
ここで、制御装置13は、データベースDB2内の後述する顔画像格納エリア18aに格納された顔写真のデータD2aから顔部分を識別する顔画像識別部14と、顔画像識別部14で認識された顔情報から属性(例えば、性別や年齢)を判定する属性判定処理部15と、後述するデータベースDB2内の属性格納エリア18bに格納された属性情報D2bと広告格納エリア18cに格納された広告情報D2cとの合致度を判定し、携帯情報端末11a~11nに表示するQRコードに結び付けるQRコード広告結合部17と、作成されたQRコードを、建物1への入退室を行う人物10a~10nが所持するQRコードを表示する携帯情報端末11a~11nへとQRコード表示用のURLが記載されたメールを送付するQRコード発行部16に結合されて作動する。なおQRコードの送付方法は、QRコードを表示する携帯情報端末11a~11nで表示できる方法であればメールに限るものではない。
【0024】
図2は、管理装置20をコンピュータ装置で構成する場合の構成例である。コンピュータ装置は、CPU(Central Processing Unit)と、主記憶装置21と、通信インターフェース22を備える。主記憶装置21は、顔画像識別部14と、属性判定処理部15と、QRコード発行部16と、QRコード広告結合部17の機能をデジタル的に実現するためのソフトウェアモジュールを格納している。CPUは、これらのプログラムを適宜実行することにより、
図1の制御装置13としての機能を果たすことになる。
【0025】
図6は、データベースDB2内の顔画像格納エリア18aに格納された顔データD2aの一例を示す。顔画像格納エリア18aは、登録した顔画像を管理する為の顔画像ID(D2a1)と、登録した顔画像を表示する登録済顔画像(D2a2)とを格納する。これらの顔データD2aは、この建物の就業者10a~10nの個々人に対して顔画像格納エリア18a内に保持されている。
図6の情報の参照により、建物1への入退室を行う就業者10a~10nの顔画像が管理され、登録した人物が管理される。
【0026】
また、
図7はデータベースDB2内の属性格納エリア18bに格納されたデータD2bの一例を示す図である。属性格納エリア18bには、
図6の顔画像格納エリア18aにて採番された顔画像ID(D2a1)と、属性判定処理部15にて顔画像から識別された年齢D2b1と、性別D2b2とを格納し、事前にユーザーまたは管理者が登録する氏名D2b3と、所属D2b4と、
図5の通行可能格納エリア8aで作成した、通行許可を与える通行許可エリアパターンNo(D11)とを格納する。これにより、複数格納エリアの情報が相互に紐づけされて利用可能となっている。
図7の情報の参照により、建物1への入退室を許可された就業者10a~10nの属性が管理され、これにより登録した就業者の属性情報が格納される。
【0027】
さらにデータベースDB2内には、付加情報も格納している。ここで付加情報とは、以下の例では広告を代表例として例示するが、このほかには、以下のようなものに適用可能である。これらは例えば、その建物内及び近傍あるいは部署、個人における各種イベント、およびそのスケジュールの情報であり、さらには例えば建物近傍の商店、工場や事務所である場合に、その企業宣伝、研究開発方針、部品や素材など基盤技術のアピールなどの場面にも活用が可能である。
【0028】
また、データベースDB3には就業者のスケジュールが格納されており、管理装置20で認識された入場者が当該ビルの就業者であった場合は、入場当日の会議のスケジュール、出張のスケジュール等を表示できるようにしてもよい。この例ではスケジュールを格納したデータベースDB3が管理装置20に直接接続されているが、ネットワーク回線2を経由して入場者のスケジュールを得るようにしても良い。
【0029】
本発明では広告、スケジュール等を総称して付加情報としている。要は、利用者の特定の個人における各種嗜好や、関心の高い事物、などを関連付けて提供できるものであればよい。
【0030】
なお、特に利用者が訪問者である場合に、建物内には複数のゲートがあることから、通過するゲートごとに当該ゲートの階、部屋などに特化した形での付加情報が逐次提供されるものとすることができる。
【0031】
図8はデータベースDB2内の広告格納エリア18cに格納されたデータD2cの一例を示す図である。ここでは広告の情報を格納する例を示すが、上記した付加情報に広く適用が可能である。
図8を参照すると、広告格納エリア18cは3つのテーブル(D2c1、D2c2、D2c3)から構成される。D2c1は年齢層別に表示する広告を登録することができ、広告年齢部D2c11と、表示したい広告内容の登録広告部D2c12で構成される。D2c2は性別毎に表示する広告を登録することができ、広告性別部D2c21と、表示したい広告内容の登録広告部D2c22で構成される。D2c3は所属毎に表示する広告を登録することができ、広告所属部D2c31と、表示したい広告内容の登録広告部D2c32で構成される。
【0032】
このように、広告は年齢、性別、所属に応じて分類されて登録することにより、入退室する就業者の個々人に適した広告の分野を特定することを可能とする。
【0033】
一方、
図9はこの建物の利用者(就業者や訪問者)10が保有する携帯情報端末11が入場管理システムからのQRコードを受信したときに、表示される表示画面例を示す図である。携帯情報端末11a~11nに表示される画面は、QRコード表示部11a1と、QRコード広告統合部17により選択された広告を表示する領域11a2から構成される。
【0034】
以上の説明においては、利用者として就業者を想定し、従って顔写真を含む個人情報は、利用開始にあたり予め管理者用端末4から入力しておくこととしていた。
【0035】
図3は、この登録処理の具体例を示す図である。
図3は建物1に入退室を行う利用者10a~10nのユーザー情報登録するためのシステム構成例を示した図である。
【0036】
建物1に入退室を行う利用者10a~10nは、予め設置されたカメラ19(ここでは防犯カメラを例に説明するが、顔を撮影することができる装置であれば、これに限らない)で自身の顔を撮影し、管理サーバ3と接続可能な情報登録用のパソコン(管理者用端末)4を用いてシステムへの登録を行う。あるいは訪問者は訪問に先立ち、これらの情報を携帯情報端末で入力する。また、必要に応じて氏名、所属をシステムへ手動で入力する。性別および年齢は、属性判定処理部15で識別されてもよい。
【0037】
これにより、図示しないシステムに登録されたデータに対して、管理サーバ3内の制御装置13は、データベースDB2内の顔画像格納エリア18aと属性格納エリア18bにデータD2a、D2bとして格納する。
【0038】
このシステム構成から、建物1に入退室を行う利用者10a~10nは、
図3の情報登録用の管理者用端末4で情報を登録することで、建物1に入退室可能なQRコードと、QRコード広告結合部17により選択された広告情報やスケジュールなどを訪問者QRコード表示用端末11a~11nで表示することが可能である。ここでスケジュールは
図1のスケジュールデータベースDB3を参照することで入手でき、訪問者は訪問先担当者の在宅、不在を知ることができる。
【0039】
図4は建物1に入退室を行う利用者10a~10nのユーザー情報登録からQRコード発行までを示したフローチャートの例である。なおこのフローにおいて左側の処理は、利用者における携帯情報端末の処理内容であり、右側の処理が入退室管理システムを利用して携帯情報端末に情報提供を行う入場管理システム側の処理である。
図4と後述する
図10の一連のフローは、利用者(就業者、訪問者)に共通に行われる処理の流れを示しているので、例えば就業者には適用されない、逆に訪問者には適用されない処理がある場合がある。
【0040】
最初の処理ステップSA1において、入退室を行う利用者10a~10nは、撮影した顔画像と氏名と所属を、管理者用端末4を使用し登録する。また利用者が訪問者である場合に、処理ステップSA2において来訪予定日と顔画像などを事前に合わせて送信しておく。これらの登録した情報は、ネットワーク回線2を介して
図4右側の管理サーバ3へ送信される。
【0041】
入場管理システム側では処理ステップSA3において、管理サーバ3内の通信装置12を経由して、送信されてきた情報及び画像データを、制御装置13が受信処理し、このうち顔画像を顔画像格納エリア18aに、氏名と所属を属性格納エリア18bにそれぞれ保管する。
【0042】
次に、制御装置13は、処理ステップSA4の処理として顔画像識別部14で顔画像格納エリア18aに格納された顔画像を検索し、顔部分の認識を行う。処理ステップSA5の処理として属性判定処理部15は、処理ステップSA4で識別された顔画像から属性(例えば、年齢や性別)を判定する。さらに処理ステップSA6の処理として、処理ステップSA5で判定された属性を属性格納エリア18bに保管する。
【0043】
これらのデータ確保を受けて、次にQRコード広告統合部17は、処理ステップSA7の処理として、属性格納エリア18bに保管されている年齢と、広告格納エリア18cに格納されている広告の年齢属性との合致度を判定する。この結果、属性格納エリア18bに保管されている年齢と、広告格納エリア18cに格納されている広告の年齢属性に一致する広告内容があれば、処理ステップSA8において該当年齢の広告内容を選択し、該当する年齢がない場合は処理ステップSA9において未定義の広告内容を選択する。
【0044】
さらに、QRコード広告統合部17は、処理ステップSA10の処理として、属性格納エリア18bに保管されている性別と、広告格納エリア18cに格納されている広告の性別属性との合致度を判定する。この結果属性格納エリア18bに保管されている性別と、広告格納エリア18cに格納されている広告の性別属性に一致する広告内容があれば処理ステップSA11において該当性別の広告内容を選択し、該当する性別がない場合は処理ステップSA12において未定義の広告内容を選択する。
【0045】
さらに、QRコード広告統合部17は、処理ステップSA13の処理として、属性格納エリア18bに保管されている所属と、広告格納エリア18cに格納されている広告の所属属性との合致度を判定する。この結果、属性格納エリア18bに保管されている所属と、広告格納エリア18cに格納されている広告の所属属性に一致する広告内容があれば処理ステップSA14において該当所属の広告内容を選択し、該当する性別がない場合は処理ステップSA15において未定義の広告内容を選択する。
【0046】
次いで処理ステップSA16では、処理ステップSA7から処理ステップSA15までで選択された広告内容からランダムで表示する広告内容を選択する。そのうえで、QRコード発行部16では、処理ステップSA17の処理として、特に訪問者である場合に処理ステップSA2で送信された来訪予定日からQRコードを作成する。またQRコード広告統合部17では、処理ステップSA18の処理として、処理ステップSA15で選択された広告と、ステップ16で生成されたQRコードを統合する。さらに処理ステップSA17では、処理ステップSA18で統合された情報を、ネットワーク回線2を介して送信する。処理ステップSA19で送信された情報は、ネットワーク回線2を介して、QRコード表示用の携帯情報端末11a~11nへ送信される。
【0047】
これにより、建物1の利用者10a~10nは、入退管理を行うQRコードの取得とともに、登録した顔画像と属性から選択された広告を取得することができる。
【0048】
なお
図4及び後述する
図10のフローは、サーバにおける一連の処理を示しているために、このフローの利用場面としては、携帯情報端末からの顔画像や来訪予定などの入力をトリガとして一連処理が実行される場合と、ゲートへの接近や訪問により、この一部が起動されて処理する場合とがある。後者の場合には、カメラが検知したゲートへの接近に応じて処理ステップSA7以降の処理を行うことで、適切な広告提示が可能となる。
【0049】
実施例1では恒常的に建物1への入退室を行う人物(就業者)に対してのシステムであり、一時的に通行を行う人物(訪問者)の場合は後述する実施例2にて対応を可能とするのがよい。
実施例2では、建物1への訪問者に対応したシステムについて説明する。訪問者の場合には、属性格納エリア18bと広告格納エリア18cに格納されたデータの内容が一部相違し、かつ処理フローも一部相違する。
顔画像格納エリア18aにて採番された顔画像ID(D2a1)と、属性判定処理部15にて顔画像から識別された年齢D2b1と、性別D2b2とを受け取り、事前にユーザーまたは管理者が登録する氏名D2b3と、新たに設定された訪問日時D2b5と、通行可能格納エリア8aで作成した、通行許可を与える通行許可エリアパターンNo(D11)と、を定義する。
以降の処理も基本的に同じであるが特に来訪者である場合には、QRコード発行部16では、処理ステップSB17の処理として、処理ステップSB2で送信された来訪予定日からQRコードを作成することの処理を行う。