(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182365
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】印刷制御装置及び印刷制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 21/00 20060101AFI20221201BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20221201BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20221201BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
B41J21/00 Z
B41J3/36 T
B41J29/42 F
G06F3/12 324
G06F3/12 305
G06F3/12 353
G06F3/12 378
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089883
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100143960
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 早百合
(72)【発明者】
【氏名】佐野 奈子
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
2C187
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS06
2C061CQ24
2C061CQ44
2C187AC05
2C187AC08
2C187AD06
2C187AF03
2C187AG07
2C187CD12
2C187CD15
2C187CD18
(57)【要約】
【課題】二以上のキャラクタの書式の設定を従来よりも容易に確認可能な印刷制御装置及び印刷制御プログラムを提供すること。
【解決手段】テープ状の印刷媒体にキャラクタを印刷する印刷部に対して印刷を行わせる印刷制御装置は、入力部と、表示部と、制御部とを備える。入力部は、キャラクタを入力する。表示部は、画像を表示する。制御部は、入力部と、表示部とを制御する。制御部は、入力部を介して入力されたキャラクタを複数取得する。制御部は、指定された書式と、複数のキャラクタの一部、且つ、二以上のキャラクタを含む、指定された書式の対象キャラクタとの対応を、複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様とは異なる態様で表す対応表示画面を表示部に表示する(S32、S34)。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ状の印刷媒体にキャラクタを印刷する印刷部に対して印刷を行わせる印刷制御装置であって、
前記キャラクタを入力する入力部と、
画像を表示する表示部と、
前記入力部と、前記表示部とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記入力部を介して入力された前記キャラクタを複数取得する取得処理と、
指定された書式と、前記複数のキャラクタの一部、且つ、二以上のキャラクタを含む、前記指定された書式の対象キャラクタとの対応を、前記複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様とは異なる態様で表す対応表示画面を前記表示部に表示する対応表示処理と
を実行することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記対応表示処理において、前記指定された書式について、前記複数のキャラクタの前記印刷イメージを表す前記態様のうち、前記対象キャラクタの表示態様を、前記複数のキャラクタのうちの前記対象キャラクタ以外の非対象キャラクタの表示態様とは別の表示態様とした前記対応表示画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部に部分書式画面を表示し、前記入力部を介して入力された、前記対象キャラクタの前記指定された書式を設定する書式設定処理を更に実行し、
前記制御部は、前記書式設定処理において、前記入力部を介して表示指示が取得された場合に、前記対応表示処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記対応表示処理において、前記指定された書式が取得された場合に所定期間、前記対応表示画面を前記表示部に表示し、
前記制御部は、前記対応表示処理実行後、前記表示部に部分書式画面を表示し、前記入力部を介して入力された、前記対象キャラクタの前記指定された書式を設定する書式設定処理を更に実行することを特徴とする請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記対応表示処理において、前記対象キャラクタと、前記指定された書式の設定との対応を含む前記対応表示画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、複数の前記書式を表示する書式選択画面を前記表示部に表示し、前記複数の書式の中から前記入力部を介して入力された、前記指定された書式を取得する書式取得処理を更に実行し、
前記制御部は、前記対応表示処理において、前記対象キャラクタの、前記書式取得処理で取得された前記指定された書式の前記設定を含む前記対応表示画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項5に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記対応表示処理において、前記対応表示画面に表示された前記指定された書式を変更する変更指示が取得された場合、前記対象キャラクタを含む前記複数のキャラクタの各々についての、変更された前記指定された書式の設定を含む前記対応表示画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項5又は6に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記取得処理において、前記表示部に編集画面を表示して、前記入力部によって入力された前記複数のキャラクタを取得し、
前記制御部は、前記対応表示処理において、前記編集画面を前記対応表示画面として、前記対象キャラクタと前記指定された書式の設定の対応を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の印刷制御装置。
【請求項9】
前記書式と、前記書式を個別に設定可能な最小単位との対応を複数記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記取得処理において、前記表示部に編集画面を表示して、前記入力部によって入力された前記複数のキャラクタを取得し、
前記制御部は、前記対応表示処理において、前記複数のキャラクタのうちから、前記編集画面上のカーソルの位置と、前記記憶部に記憶された前記最小単位とに基づき前記対象キャラクタを特定して、前記対応表示画面を表示することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の印刷制御装置。
【請求項10】
テープ状の印刷媒体にキャラクタを印刷する印刷部に対して印刷を行わせる印刷制御装置によって実行される印刷制御プログラムであって、
前記印刷制御装置に備わる入力部によって入力された前記キャラクタを複数取得する取得処理と、
指定された書式と、前記複数のキャラクタの一部、且つ、二以上のキャラクタを含む、前記指定された書式の対象キャラクタとの対応を、前記複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様とは異なる態様で表す対応表示画面を前記印刷制御装置に備わる表示部に表示する対応表示処理と
を実行するための指示を含むことを特徴とする印刷制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置及び印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷装置は、プラテンローラ、サーマルヘッド、操作部、表示部、及び制御部を備える(例えば、特許文献1参照)。制御部は、編集画面を表示部に表示し、印刷テープにおける印刷対象となるキャラクタについて、操作部を介した編集操作を受け付ける。制御部は、編集画面における編集対象のキャラクタを表すカーソルを、キャラクタに設定された書式に応じた態様で表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記印刷装置では、ユーザは二以上のキャラクタの書式の設定を確認する場合、キャラクタ毎にカーソルを移動しないと設定を確認できない。
【0005】
本発明は、二以上のキャラクタの書式の設定を従来よりも容易に確認可能な印刷制御装置及び印刷制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様の印刷制御装置は、テープ状の印刷媒体にキャラクタを印刷する印刷部に対して印刷を行わせる印刷制御装置であって、前記キャラクタを入力する入力部と、画像を表示する表示部と、前記入力部と、前記表示部とを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記入力部を介して入力された前記キャラクタを複数取得する取得処理と、指定された書式と、前記複数のキャラクタの一部、且つ、二以上のキャラクタを含む、前記指定された書式の対象キャラクタとの対応を、前記複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様とは異なる態様で表す対応表示画面を前記表示部に表示する対応表示処理とを実行する。第一態様の印刷装置は、対応表示処理で指定された書式と、対象キャラクタとの態様を、複数のキャラクタとは異なる態様で表示部に表示するので、ユーザは対象キャラクタの書式の設定を従来よりも容易に確認できる。
【0007】
本発明の第二態様の印刷制御プログラムは、テープ状の印刷媒体にキャラクタを印刷する印刷部に対して印刷を行わせる印刷制御装置によって実行される印刷制御プログラムであって、前記印刷制御装置に備わる入力部によって入力された前記キャラクタを複数取得する取得処理と、指定された書式と、前記複数のキャラクタの一部、且つ、二以上のキャラクタを含む、前記指定された書式の対象キャラクタとの対応を、前記複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様とは異なる態様で表す対応表示画面を前記印刷制御装置に備わる表示部に表示する対応表示処理とを実行するための指示を含む。第二態様の印刷制御プログラムは、印刷制御装置により実行されることで、第一態様の印刷制御装置と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】カバー6が開かれた状態の印刷装置1及びテープカセット30の斜視図である。
【
図2】印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】第一変形例の部分書式処理のフローチャートである。
【
図9】第三変形例の部分書式処理のフローチャートである。
【
図11】第四変形例の部分書式処理のフローチャートである。
【
図13】第五変形例のメイン処理のフローチャートである。
【
図15】端末装置90と印刷装置101との電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。以下説明は図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1を参照し、印刷装置1の物理的構成を説明する。印刷装置1は、印刷データに基づき、テープ状の印刷媒体にキャラクタを印刷できるテーププリンタである。キャラクタは文字、記号、数字、図形、及び絵文字等である。印刷装置1は、一台でサーマルタイプ、レセプタタイプ、ラミネートタイプ等、各種のテープカセットを使用可能である。サーマルタイプのテープカセットは、感熱紙テープを備える。レセプタタイプのテープカセットは、テープとインクリボンとを備える。ラミネートタイプのテープカセットは、両面粘着テープとフィルムテープとインクリボンとを備える。以下では、一例として、サーマルタイプのテープカセット30を使用して、複数の色でカラー印刷する場合を説明する。
【0010】
図1に示すように、印刷装置1は、入力部2、表示部5、カバー6、装着部8、印刷部10、リボン巻取軸9、テープ駆動軸11、プラテンローラ(図示略)、及び切断部7を備える。入力部2は、印刷装置1の上面前部に設けられる。入力部2は、キャラクタを入力できる。入力部2は、キーボード、電源スイッチ、用途キー、及びカーソルキー等を含む。表示部5は、入力部2の後側に設けられる。表示部5は、画像を表示する。表示部5は、左右方向に長い矩形状のモノクロ液晶ディスプレイである。カバー6は、矩形板状であり、印刷装置1の上面後部に開閉可能に設けられる。装着部8は、カバー6が閉じられた状態の下方に設けられる。装着部8は、テープカセット30の形状に対応する凹部であり、テープカセット30を着脱可能に装着できる。テープカセット30は、カセットケース31及びテープ50を備える。カセットケース31は、直方体状の筐体である。テープ50は、カセットケース31の内部に収容される。テープ50は、感熱紙テープである。印刷装置1では、装着部8に装着されたテープカセット30を用いて印刷が実行される。
【0011】
印刷部10、リボン巻取軸9、テープ駆動軸11、プラテンローラ、及び切断部7は各々、装着部8に設けられる。印刷部10は、発熱体(図示略)を有するサーマルヘッドである。印刷部10は、サーマルタイプのテープカセット30を使用して印刷を行う場合、テープ50をキャラクタの色に応じた温度に加熱することで、テープ50にカラー印刷する。印刷部10は、サーマルタイプ以外のテープカセットを使用して印刷を行う場合、未使用のインクリボンを用いて印刷を行う。テープ駆動軸11及びプラテンローラは、テープ50を搬送する。リボン巻取軸9は、サーマルタイプ以外のテープカセットを使用して印刷を行う場合に、使用済みのインクリボンを巻き取る。プラテンローラは、印刷部10に対向する位置に設けられる。プラテンローラは、カバー6の開閉に連動して、印刷部10を押圧する印刷位置と、印刷部10から離隔した離隔位置とに亙って移動する。即ち、プラテンローラは、カバー6が閉じた状態では印刷位置にあり、カバー6が開いた状態では離隔位置にある。切断部7は、テープ駆動軸11の左方に設けられ、印刷済みのテープ50を所定の位置で切断する。
【0012】
図2を参照し、印刷装置1の電気的構成を説明する。印刷装置1は、制御回路部70を備える。制御回路部70は、制御基板(図示略)上に形成される。制御回路部70は、CPU71、ROM72、CGROM73、RAM74、記憶部75、及び入出力インタフェース76を備え、これらがデータバス69を介して接続される。
【0013】
CPU71は、印刷装置1を統括制御する。ROM72は、CPU71が各種プログラムを実行する時に必要な各種パラメータを記憶する。CGROM73は、文字列を印刷するための印刷用ドットパターンデータを記憶する。RAM74は、テキストメモリ、印刷バッファ等を備え、各種データを一時的に記憶する。記憶部75は、CPU71が印刷装置1を制御するために実行する各種プログラム及び設定値を記憶する。記憶部75は、対応テーブル77を記憶する。対応テーブル77は、キャラクタの書式と、書式を個別に設定可能な最小単位との対応を複数記憶する。最小単位は、印刷装置1の種類、キャラクタの種類、並びにテープ50の幅方向W及び長手方向Lの長さ等に応じて適宜定められればよく、一例として、ブロック単位及び行単位の二種類である。ブロックは、テープ50の幅方向Wに延びる印刷単位を示す。行は、同じブロックのうちの、テープ50の長手方向Lに延びる印刷単位を示す。印刷装置1は、印刷部10の発熱体の温度により、幅方向Wに並ぶライン単位でキャラクタの色を制御するため、複数の書式のうち、色のみブロック単位で設定可能とし、他の書式は行単位で設定可能としている。
【0014】
入出力インタフェース76には、入力部2、及び駆動回路81から84が接続される。駆動回路81は、表示部5を駆動するための電子回路である。駆動回路82は、印刷部10を駆動するための電子回路である。駆動回路83は、搬送部24を駆動するための電子回路である。駆動回路84は、切断部7を駆動するための電子回路である。
【0015】
上記印刷装置1において、カバー6が閉じた状態の時、プラテンローラは印刷位置にあり、印刷部10との間にテープ50を挟む。CPU71は、搬送部24の駆動によりテープ駆動軸11及びプラテンローラを回転することで、テープ50を搬送する。CPU71は、印刷データに応じて印刷部10の発熱体を選択的に発熱することにより、テープ50の感熱層に発熱体の温度に応じた色でキャラクタを印刷する。CPU71は、切断部7を駆動することにより、印刷装置1の内部で印刷されたテープ50を所定位置で切断し、印刷装置1の外部に排出する。
【0016】
図3から
図5を参照して、本実施形態の印刷装置1で実行されるメイン処理について説明する。CPU71は、印刷装置1の起動に応じて、ROM72に記憶されたプログラムをRAM74に読み出してメイン処理を実行する。以下、ステップ番号を単にSと略記する。メイン処理で説明する各種入力キーは、入力部2が備えるキーボード、用途キー、及びカーソルキーの何れかに割り当てられている。各種入力キーが押下されたかは、入力部2を介して入力される信号に基づき判断される。
【0017】
図3に示すように、CPU71は、
図5の編集画面G1を表示部5に表示する(S1)。
図5に示すように、編集画面G1は、欄61、62、及びカーソル63を表示する。欄61は、入力部2を介して入力されたキャラクタを表示する。編集画面G1の左右方向及び上下方向は各々、テープ50の長手方向L及び幅方向Wに対応する。本実施形態の印刷装置1は、欄61において、丸数字の1で示す上段の行と、丸数字の2で示す下段の行との二行に分けてキャラクタを入力できる。欄62は、欄61に入力されたキャラクタを印刷した場合に生成されるラベルの大きさを表示する。カーソル63は、編集中のブロックと、行との位置を示す。ユーザは、入力部2を操作して、印刷対象のキャラクタを入力する。
【0018】
CPU71は、キャラクタの入力を検出したかを判断する(S2)。キャラクタの入力が検出された場合(S2:YES)、CPU71は、入力されたキャラクタを取得し、表示部5を更新する(S3)。S3の処理により、CPU71は入力部2を介して入力されたキャラクタを複数取得する。キャラクタの入力が検出されない場合(S2:NO)、CPU71は、改ブロックキーの押下が検出されたかを判断する(S4)。改ブロックキーは、ブロックを区切る場合に押下される。改ブロックキーの押下が検出された場合(S4:YES)、CPU71は、現在カーソル63がある位置で、ブロックを区切り、表示部5を更新する(S5)。改ブロックキーの押下が検出されない場合(S4:NO)、CPU71は、改行キーの押下が検出されたかを判断する(S6)。改行キーは、ブロック内で改行する場合に押下される。改行キーの押下が検出された場合(S6:YES)、CPU71は、現在カーソル63がある位置で改行し、表示部5を更新する(S7)。キャラクタ「AA」、改ブロック、キャラクタ「bb」、改行、キャラクタ「ccc」が順に検出された場合、CPU71は、
図5の編集画面G2を表示する。編集画面G2では、欄61に入力されたキャラクタ「AA」、「bb」、及び「ccc」が、改ブロック、改行に応じた位置に表示される。編集画面G2では、改ブロックに応じたブロックの区切り線64が表示される。欄62には、欄61に入力されたキャラクタを印刷した場合に生成されるラベルの大きさが表示される。
【0019】
S3、S5、又はS7の次に、CPU71は、S8の処理を行う。改行キーの押下が検出されない場合(S6:NO)、CPU71は、部分書式キーの押下が検出されたかを判断する(S8)。部分書式キーは、入力された複数のキャラクタの一部の書式を設定する場合に押下される。部分書式キーの押下が検出された場合(S8:YES)、CPU71は、部分書式処理を実行する(S9)。
図4に示すように、部分書式処理では、CPU71は、
図5の部分書式画面G3を表示する(S21)。部分書式画面G3は、欄65及びカーソル66を含む。欄65は、書式と、書式の現在の設定値との対応を表示する。書式は、一例として、フォント、色、幅、及びスタイルの四種類である。カーソル66は、欄65に表示された書式のうちの、選択中の書式の現在の設定値を白黒反転表示する。部分書式画面G3では、複数の書式のうち、部分書式画面G3の最も上に表示された書式であるフォントが選択中である。
【0020】
CPU71はプレビューキーの押下が検出されたかを判断する(S22)。プレビューキーは、指定された書式の対象キャラクタを確認する場合に押下される。対象キャラクタは、S3で取得された複数のキャラクタの一部、且つ、二以上のキャラクタを含む。プレビューキーの押下が検出された場合(S22:YES)、CPU71は、表示指示を取得し、複数の書式のうちの、カーソル66の位置で示される、指定された書式を取得する(S23)。CPU71は、記憶部75の対応テーブル77を参照し、S23で取得された指定書式の最小単位がブロック単位かを判断する(S30)。指定書式がフォントである場合、最小単位は行単位であるので(S30:NO)、CPU71は、複数のキャラクタのうちから、編集画面G2上のカーソル66の位置と、記憶部75の対応テーブル77に記憶された最小単位とに基づき対象キャラクタを特定する(S33)。CPU71は、カーソル66で示されるブロックに含まれる複数のキャラクタのうち、上段の行に配置されたキャラクタ「bb」を対象キャラクタとして行単位で特定する。
【0021】
CPU71は、指定された書式と、対象キャラクタとの対応を、複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様とは異なる態様で表す対応表示画面G4を表示部5に表示する(S34)。指定された書式と、対象キャラクタとの対応の表示態様は、適宜設定されればよい。対応表示画面G4は、指定書式について、複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様のうち、対象キャラクタの表示態様を、複数のキャラクタのうちの対象キャラクタ以外の非対象キャラクタの表示態様とは別の表示態様とする。
図5の対応表示画面G4に示すように、本実施形態の印刷装置1は、印刷イメージのうちの対象キャラクタ「bb」が含まれるブロックの行を白黒反転表示する。つまり、対応表示画面G4は、印刷イメージのうちの対象キャラクタ「bb」が含まれる行67の背景を黒で示し、対象キャラクタ「bb」を白で示す。対応表示画面G4は、印刷イメージのうちの非対象キャラクタ「AA」のブロックの背景、及び「ccc」が含まれるブロックの行の背景を白で示し、非対象キャラクタ「AA」、「ccc」を黒で示す。ユーザは対応表示画面G4を参照して、指定書式と、対象キャラクタとの対応を確認する。
【0022】
CPU71は、戻るキーの押下が検出されたかを判断する(S35)。戻るキーは、表示部5に表示されている対応表示画面G4の表示を終了し、部分書式画面G3の表示に戻る場合に押下される。戻るキーの押下が検出された場合(S35:YES)、CPU71は、処理をS21に戻し、部分書式画面G3を表示部5に表示する(S21)。戻るキーの押下が検出されない場合(S35:NO)、CPU71は、範囲変更キーの押下が検出されたかを判断する(S36)。範囲変更キーは、キャラクタ「bb」ではなくキャラクタ「ccc」を選択したい場合等、表示部5に表示されている対応表示画面G4中の対象キャラクタを変更する場合に押下される。範囲選択キーの押下が検出された場合(S36:YES)、CPU71は検出された範囲変更キーに応じて、対象キャラクタを変更し、表示部5を更新する(S37)。範囲変更キーの押下が検出されない場合(S36:NO)、又はS37の次に、CPU71は処理をS35に戻す。
【0023】
S22において、プレビューキーの押下が検出されない場合(S22:NO)、CPU71は、書式選択キーの押下が検出されたかを判断する(S24)。書式選択キーは、複数の書式の中から書式を選択する場合に押下される。書式として色を選択する書式選択キーの押下が検出された場合(S24:YES)、CPU71は選択された書式である色を指定書式として取得し、取得された指定書式である色に応じた部分書式画面G5を表示部5に表示する(S25)。
図5に示す部分書式画面G5のカーソル66は、複数の書式のうち、色が選択されていることを示す。
【0024】
部分書式画面G5が表示された状態で、プレビューキーの押下が検出された場合(S22:YES)、CPU71は、複数の書式のうちの、カーソル66の位置で示される、指定書式である色を取得する(S23)。CPU71は、記憶部75の対応テーブル77を参照し、S23で取得された指定書式である色の最小単位がブロック単位であると判断する(S30:YES)。CPU71は、カーソル66で示されるブロックに含まれる複数のキャラクタ「bb」、「ccc」を対象キャラクタとしてブロック単位で特定する(S31)。
【0025】
CPU71は、指定された書式と、対象キャラクタとの対応を、複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様とは異なる態様で表す対応表示画面G6を表示部5に表示する(S32)。本実施形態の印刷装置1は、対応表示画面G6に示すように、印刷イメージのうちの対象キャラクタ「bb」、「ccc」が含まれるブロックを白黒反転表示する。つまり、対応表示画面G6は、印刷イメージのうちの対象キャラクタ「bb」、「ccc」が含まれるブロック68の背景を黒で示し、対象キャラクタ「bb」、「ccc」を白で示す。対応表示画面G6は、印刷イメージのうちの非対象キャラクタ「AA」が含まれるブロックの背景を白で示し、非対象キャラクタ「AA」を黒で示す。ユーザは対応表示画面G6を参照して、指定された書式と、対象キャラクタとの対応を確認する。S32の次に、CPU71は、S35の処理を行う。
【0026】
書式選択キーの押下が検出されない場合(S24:NO)、CPU71は、書式設定キーの押下が検出されたかを判断する(S26)。書式設定キーは、部分書式画面に表示されている書式を設定する場合に押下される。書式設定キーの押下が検出された場合(S26:YES)、CPU71は、入力部2を介して入力された、対象キャラクタの指定された書式を設定する(S27)。部分書式画面G3を表示中に、フォントに「BRU(Brussels)」を設定する書式設定キーの押下が検出された場合(S26:YES)、CPU71は、書式の設定として「BRU」を取得し、取得された設定に応じて、対象キャラクタ「bbb」のフォントに「BRU」を設定する(S27)。部分書式画面G5を表示中に、色に青を設定する書式設定キーの押下が検出された場合(S26:YES)、CPU71は、書式の設定として青を取得し、取得された設定に応じて、対象キャラクタ「bbb」、「cc」の色に青を設定する(S27)。S25又はS27の次に、CPU71はS28の処理を行う。書式選択キーの押下が検出されない場合(S26:NO)、CPU71は戻るキーの押下が検出されたかを判断する(S28)。戻るキーは、部分書式処理を終了する場合に押下される。戻るキーの押下が検出されない場合(S28:NO)、CPU71は処理をS22に戻す。戻るキーの押下が検出された場合(S28:YES)。CPU71は、以上で部分書式処理を終了し、処理を
図3のメイン処理に戻す。
【0027】
図3のS8の処理において、部分書式キーの押下が検出されない場合(S8:NO)、CPU71は、全体書式キーの押下が検出されたかを判断する(S10)。全体書式キーは、表示部5に表示されている複数のキャラクタの書式を一括で設定する場合に押下される。全体書式キーの押下が検出された場合(S10:YES)、CPU71は、公知の方法で複数のキャラクタの書式を一括で設定する(S11)。S9又はS11の次に、CPU71は、部分書式処理又は全体書式処理を実行前に表示されていた編集画面G2を表示部5に表示する(S12)。
【0028】
全体書式キーの押下が検出されない場合(S10:NO)、又はS12の次に、CPU71は、印刷キーの押下が検出されたかを判断する(S13)。印刷キーは、編集画面G2に表示された複数のキャラクタを指定された書式で印刷する場合に押下される。印刷キーの押下が検出されない場合(S13:NO)、CPU71は、処理をS2に戻す。印刷キーの押下が検出された場合(S13:YES)、CPU71は、印刷データに従って印刷を行う(S14)。CPU71は、搬送部24の駆動によりテープ駆動軸11及びプラテンローラを回転することで、テープ50を搬送する。CPU71は、印刷データに応じて印刷部10の発熱体を選択的に発熱することにより、テープ50の感熱層にキャラクタをライン単位で印刷する。CPU71は、切断部7を駆動することにより、印刷装置1の内部で印刷されたテープ50を所定位置で切断し、印刷装置1の外部に排出する。CPU71は、以上でメイン処理を終了する。
【0029】
上記実施形態では、CPU71は、プレビューキーの押下が検出された場合に、対応表示画面を表示させていたが、部分書式画面を表示する前に、対応表示画面を表示させてもよい。
図6及び
図7を参照して、第一変形例の部分書式処理を説明する。
図6において、
図4に示す実施形態の部分書式処理と同様の処理には同じ符号を付与している。
図6に示すように、第一変形例の部分書式処理では、S21の処理の前にS41、S42の処理を行い、S25とS28の間にS43、S44の処理を行う点で、
図4に示す実施形態の部分書式処理と互いに異なる。以下、
図4の実施形態と同様な処理については説明を省略し、
図4の実施形態と互いに異なる処理について説明する。
【0030】
図6に示すように、CPU71は複数の書式のうちの、選択中の書式を指定された書式として取得する(S41)。CPU71は、例えば、部分書式画面G3で一番上に表示される書式であるフォントを指定された書式として取得する。CPU71は、指定された書式と、対象キャラクタとの対応を、複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様とは異なる態様で表す対応表示画面G4を所定時間、表示部5に表示する(S42)。CPU71は、
図4のS23、S30からS34の処理と同様な処理により、指定された書式の対象キャラクタ「bb」を特定し、S41で取得された書式についての対応表示画面G4を所定時間、表示部5に表示する。所定時間は、予め定められればよく、例えば、数秒である。CPU71は、S42の処理後、表示部5に部分書式画面G3を表示し(S21)、入力部2を介して入力された、対象キャラクタの指定された書式を設定する(S26:YES、S27)。
【0031】
S25で書式が色に変更された場合のS43では、CPU71は、指定された書式と、対象キャラクタとの対応を、複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様とは異なる態様で表す対応表示画面G6を所定時間、表示部5に表示する(S43)。CPU71は、S23、S30からS34の処理と同様な処理により、指定された書式の対象キャラクタを特定し、S25で変更された書式についての対応表示画面G6を表示部5に表示させる(S43)。CPU71はS25で設定された書式である色の最小単位と、編集画面G2のカーソル63の位置とに応じた対象キャラクタとして、キャラクタ「bb」及びキャラクタ「ccc」を特定する。CPU71は、S25で取得された指定書式についての対応表示画面G6を所定時間、表示部5に表示する。CPU71は、S43の処理後、表示部5に部分書式画面G3を表示し(S44)、入力部2を介して入力された、対象キャラクタの指定された書式を設定する(S28:NO、S26:YES、S27)。S44又はS27の次に、CPU71はS28の処理を行い、戻るキーの押下が検出されない場合(S28:NO)、CPU71は処理をS24に戻す。
図7に示すように、第一変形例の部分書式処理において表示される画面G3からG6は各々、
図5に示す上記実施形態の部分書式処理において表示される画面G3からG6と互いに同じであるが、各画面の表示順序が互いに異なる。
【0032】
上記実施形態では、CPU71はプレビューキーの押下が検出された場合に、対応表示画面を表示させていたが、表示部5が比較的大きい場合には、部分書式画面中に対応表示画面を表示させてもよい。
図6及び
図8を参照して、第二変形例の部分書式処理を説明する。
【0033】
図6に示すように、CPU71は、複数の書式のうちの、選択中の書式を指定書式として取得する(S41)。CPU71は、S23、S30からS34の処理と同様な処理により、指定書式の対象キャラクタ「bb」を特定する。
図8に示すように、CPU71は、S41で取得された指定書式についての対応表示画面G4を含む部分書式画面G8を表示部5に表示する(S42、S21)。S25で設定された書式が色である場合、CPU71はS25で設定された書式の最小単位と、編集画面G2のカーソル63の位置とに応じた対象キャラクタとして、キャラクタ「bb」及びキャラクタ「ccc」を特定する。
図8に示すように、CPU71は、S25で取得された指定書式についての対応表示画面G6を含む部分書式画面G9を表示部5に表示する(S43、S44)。S44又はS27の次に、CPU71は、S28の処理を行い、戻るキーの押下が検出されない場合(S28:NO)、CPU71は、処理をS24に戻す。
【0034】
上記実施形態では、印刷装置1は、部分書式画面を表示部5に表示して指定書式を取得していたが、部分書式画面に替えて書式選択画面を表示させて指定書式を取得してもよい。
図9及び
図10を参照して、第三変形例の部分書式処理を説明する。
【0035】
図9に示す第三変形例の部分書式処理では、CPU71は、書式選択画面J1を表示部5に表示する(S51)。
図10に示すように、書式選択画面J1は、欄41及びカーソル42を表示する。欄41は、印刷装置1で設定可能な複数の書式の一覧を表示する。欄41には、フォント、色、幅、スタイル、下線、及び整列の六種類の書式が表示されている。カーソル42は、複数の書式のうちの選択中の書式である色を白黒反転表示する。
【0036】
CPU71は、エンターキーの押下が検出されたかを判断する(S52)。エンターキーは、カーソル42で示される書式の選択を確定する場合に押下される。エンターキーの押下が検出されない場合(S52:NO)、CPU71は、書式選択キーの押下が検出されたかを判断する(S56)。書式選択キーは、書式選択画面J1に表示された複数の書式のうちの選択中の書式を変更する場合に押下される。書式選択キーの押下が検出された場合(S56:YES)、CPU71は、検出された書式選択キーに応じて選択中の書式を変更する(S57)。書式選択キーの押下が検出されない場合(S56:NO)、又はS57の次に、CPU71は処理をS52に戻す。
【0037】
エンターキーの押下が検出された場合(S52:YES)、CPU71は、選択中の書式である色を指定書式として取得し(S53)、取得された指定書式について、対象キャラクタと、書式の設定との対応を取得する(S54)。CPU71は、対象キャラクタに加え、非対象キャラクタと、書式の設定との対応を取得する。CPU71は、S53で取得された、対象キャラクタと、指定された書式の設定との対応を含む対応表示画面J2を表示部5に表示する(S55)。
図10に示すように、対応表示画面J2は、欄43、44、及びカーソル45を含む。欄43は、S53で取得された指定書式名を表示する。欄44は、複数のキャラクタと、書式の設定との対応を表示する。CPU71は、行単位で、キャラクタと書式の設定との対応を表示する。カーソル45は、複数のキャラクタのうちの、対象キャラクタの書式の設定を白黒反転表示する。
【0038】
CPU71は、戻るキーの押下が検出されたかを判断する(S58)。戻るキーの押下が検出されない場合(S58:NO)、CPU71は、範囲変更キーの押下を検出したかを判断する(S59)。範囲変更キーの押下が検出された場合(S59:YES)、CPU71は、検出された範囲変更キーに応じて対象キャラクタを変更し、表示部5に表示された対応表示画面J2のカーソル45の位置を変更する(S60)。範囲変更キーの押下が検出されない場合(S59:NO)、CPU71は、書式設定キーの押下が検出されたかを判断する(S61)。書式設定キーは、選択中の対象キャラクタの書式を設定する場合に押下される。書式設定キーの押下が検出された場合(S61:YES)、CPU71は、検出された書式設定キーに応じて、対象キャラクタの書式を設定し、表示部5を更新する(S62)。S60又はS62の次に、CPU71は、処理をS58に戻す。書式設定キーの押下が検出されない場合(S61:NO)、CPU71は、処理をS58に戻す。戻るキーの押下が検出された場合(S58:YES)、CPU71は、以上で部分書式処理を終了する。
【0039】
上記第三変形例では、CPU71は、書式設定画面において、書式の指定を受け付けていたが、対応表示画面において書式の指定を受け付けてもよい。
図11及び
図12を参照して、第四変形例の部分書式処理を説明する。
【0040】
図11に示すように、CPU71は、対応表示画面J3を表示部5に表示する(S70)。
図12に示すように、対応表示画面J3は、第三変形例と同様の欄43、44、並びにカーソル46、及びキー47、48を含む。カーソル46は、欄43の書式名、又は複数のキャラクタのうちの対象キャラクタの書式の設定を白黒反転表示する。対応表示画面J3では、欄43の書式名にカーソル46が位置している。キー47、48は、欄43の書式名にカーソル46が位置している場合に表示され、欄43に表示されている書式を変更する場合に押下される。
【0041】
CPU71は、戻るキーの押下を検出したかを判断する(S71)。戻るキーは、部分書式処理を終了し、メイン処理に戻る場合に押下される。戻るキーの押下が検出されない場合(S71:NO)、CPU71は、範囲変更キーの選択を検出したかを判断する(S72)。範囲変更キーは、カーソル46で選択中の対象を変更する場合に押下される。範囲変更キーの押下が検出されない場合(S72:NO)、CPU71は、書式設定キーの押下が検出されたかを判断する(S74)。書式設定キーの押下が検出されない場合(S74:NO)、CPU71は、書式選択キーの押下を検出したかを判断する(S76)。キー47又はキー48の押下が検出された場合(S76:YES)、CPU71は、検出されたキー47又はキー48に応じた指示を、対応表示画面に表示された指定書式を変更する変更指示として取得し、選択中の書式を変更する(S77)。CPU71は、対象キャラクタを含む複数のキャラクタの各々についての、変更された指定書式の設定を含む対応表示画面を表示部5に表示する(S70)。変更後の書式が色である場合、CPU71は、処理をS70に戻し、対応表示画面J4を表示部5に表示する(S70)。
図12に示すように、対応表示画面J4は、欄43に指定書式名として色を表示し、欄44に複数のキャラクタの各々について、キャラクタと、キャラクタの色の設定との対応を行単位で表示する。
【0042】
範囲変更キーの押下が検出された場合(S72:YES)、CPU71は、範囲変更キーに応じてカーソル46で選択中の対象を変更し、表示部5を更新する(S73)。カーソル46で、キャラクタ「AA」の書式として色の設定を選択する場合、CPU71は対応表示画面J5を表示部5に表示する。
図12に示すように、対応表示画面J5では、キャラクタ「AA」を対象キャラクタとし、対象キャラクタ「AA」の色の設定がカーソル46により白黒反転表示されている。対応表示画面J4で表示されていたキー47又はキー48は、対応表示画面J5では表示されない。CPU71は、指定書式に応じた最小単位で範囲の変更を受け付けてもよい。書式設定キーの押下が検出された場合(S74:YES)、CPU71は、書式設定キーに応じてカーソル46で選択中の対象キャラクタの書式を設定する(S75)。CPU71は、ブロック単位で設定される書式の設定に際しては、同一のブロックに含まれる複数の行の一部の設定が変更される場合、同一のブロックに含まれる複数の残りの行の設定も変更してよい。S73又はS75の次にCPU71は処理をS71に戻す。戻るキーの押下が検出された場合(S71:YES)、CPU71は、以上で部分書式処理を終了し、処理を
図3のメイン処理に戻す。
【0043】
上記実施形態及び変形例では、編集画面を用いて編集中の複数のキャラクタのうちの対象キャラクタについての部分書式処理で、対応表示画面を表示していたが、編集画面に、対象キャラクタと、指定された書式の設定との対応を表示してもよい。
図13及び
図14を参照して、第五変形例のメイン処理を説明する。
図13において、
図3に示す実施形態のメイン処理と同様の処理には同じ符号を付与している。
図13に示すように、第五変形例のメイン処理では、S1に替えてS81を行い、S6とS2との間にS82、S83の処理を行う点で、
図3に示す実施形態のメイン処理と互いに異なる。以下、
図3の実施形態と同様な処理については説明を省略し、
図3の実施形態と互いに異なる処理について説明する。
【0044】
図13に示すように、CPU71はS81では、編集画面J7を対応表示画面として、対象キャラクタと指定された書式の設定の対応を表示部5に表示する(S81)。編集画面J7は、欄51、52、及びカーソル53を表示する。欄51は、入力部2を介して入力されたキャラクタを表示する。第五変形例の印刷装置1は、丸数字の1で示す上段の行と、丸数字の2で示す下段の行との二行に分けてキャラクタを入力できる。欄51はマークM1、M2を含む。マークM1は、改ブロック位置を示し、マークM2は、改行位置を示す。欄52は、欄51に入力されたキャラクタの書式の設定を示す。カーソル53は、設定中の対象を示す。
【0045】
CPU71は、改行キーの押下が検出されない場合(S6:NO)、CPU71は、書式設定キーの押下が検出されたかを判断する(S82)。ユーザは、書式を設定する場合、カーソル53を欄52のうちの、対象キャラクタの書式の設定に移動させた状態で、書式設定キーを押下する。書式設定キーの押下が検出された場合(S82:YES)、CPU71は、検出された書式設定キーに応じて対象キャラクタの書式を設定し、表示部5を更新した後(S83)、S8の処理を行う。書式設定キーの押下が検出されない場合(S82:NO)、CPU71は、処理をS2に戻す。
【0046】
上記実施形態及び変形例の印刷装置1において、印刷装置1、入力部2、表示部5、記憶部75、及びCPU71は各々、本発明の印刷制御装置、入力部、表示部、記憶部、及び制御部の一例である。S3の処理は、本発明の取得処理の一例である。
図4のS32、S34、
図6のS42、S43、
図9のS55、
図11のS70、
図13のS81は各々、本発明の対応表示処理の一例である。
図4のS27、
図6のS27、
図9のS62、
図11のS75、
図13のS83の処理は各々、本発明の書式設定処理の一例である。
図9のS51からS53の処理は、本発明の書式取得処理の一例である。
【0047】
上記実施形態及び第一から第五変形例の印刷装置1は、テープ状の印刷媒体にキャラクタを印刷する印刷部10に対して印刷を行わせる印刷制御装置としての機能を備える。印刷装置1は、入力部2と、表示部5と、CPU71とを備える。入力部2は、キャラクタを入力する。表示部5は、画像を表示する。CPU71は、入力部2と、表示部5とを制御する。CPU71は、入力部2を介して入力されたキャラクタを複数取得する(S3)。CPU71は、指定された書式と、複数のキャラクタの一部、且つ、二以上のキャラクタを含む、指定された書式の対象キャラクタとの対応を、複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様とは異なる態様で表す対応表示画面を表示部5に表示する(
図4のS32、S34、
図6のS42、S43、
図9のS55、
図11のS70、
図13のS81)。印刷装置1は、対応表示画面で指定された書式と、対象キャラクタとの態様を、複数のキャラクタとは異なる態様で表示部5に表示するので、ユーザは対象キャラクタの書式の設定を従来よりも容易に確認できる。印刷装置1は、指定された書式と、対象キャラクタとの対応を比較的コンパクトに表示できるので、対応表示画面が表示部5の大きさに収まる。
【0048】
実施形態及び第一変形例のCPU71は、指定された書式について、複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様のうち、対象キャラクタの表示態様を、複数のキャラクタのうちの対象キャラクタ以外の非対象キャラクタの表示態様とは別の表示態様とした対応表示画面を表示部5に表示する(
図4のS32、S34、
図6S42、S43)。印刷装置1は、対象キャラクタの表示態様を、非対象キャラクタの表示態様とは別の表示態様とするので、ユーザは、対象キャラクタと、指定された書式との対応を容易に把握できる。印刷装置1は、複数のキャラクタのうちの、対象キャラクタの書式の設定を白黒反転表示するので、モノクロ液晶ディスプレイである表示部5において、対象キャラクタを他のキャラクタと区別しやすい。
【0049】
実施形態のCPU71は、表示部5に部分書式画面G3を表示し、入力部2を介して入力された、対象キャラクタの指定された書式を設定する(S27)。CPU71は、S27で、入力部2を介して表示指示が取得された場合に(S22:YES)、対応表示画面を表示する処理を実行する(S32、S34)。印刷装置1は、表示指示が取得された場合に対応表示画面G4を表示するので、ユーザは、対象キャラクタと、指定された書式との対応を確認したい時のみ、対応表示画面G4を表示部5に表示させることができる。
【0050】
第一変形例のCPU71は、指定された書式が取得された場合に所定期間、対応表示画面を表示部5に表示する(S42、S43)。CPU71は、S42の処理の後、及びS43の処理の後、表示部5に部分書式画面を表示し(S21、S44)、入力部2を介して入力された、対象キャラクタの指定された書式を設定する(S27)。印刷装置1では、ユーザは、対象キャラクタを対応表示画面で確認してから、対象キャラクタの指定書式を設定できる。故に印刷装置1は、対象キャラクタの書式設定時のユーザの利便性を従来よりも向上できる。
【0051】
第三及び第四変形例のCPU71は、対象キャラクタと、指定された書式の設定との対応を含む対応表示画面を表示部5に表示する(
図9のS55、
図11のS70)。印刷装置1では、ユーザは対象キャラクタの指定された書式の設定を容易に確認できる。印刷装置1は、対象キャラクタの指定書式の設定に加え、非対象キャラクタの指定書式の設定を一覧で表示するので、ユーザは、対応表示画面で複数のキャラクタの指定書式の設定を確認しやすい。
【0052】
第三変形例のCPU71は、対象キャラクタの、S53で取得された指定書式の設定を含む対応表示画面J2を表示部5に表示する(S55)。印刷装置1では、ユーザは、対象キャラクタの、所望の書式の設定を容易に確認できる。故に印刷装置1は、対応表示画面J2で表示される指定書式を入力できない場合に比べ、対象キャラクタの書式確認時のユーザの利便性を向上できる。
【0053】
第四変形例のCPU71は、対応表示画面J3に表示された指定書式を変更する変更指示が取得された場合(S76:YES、S77)、対象キャラクタを含む複数のキャラクタの各々についての、変更された指定書式の設定を含む対応表示画面J4を表示部5に表示する(S77の後のS70)。印刷装置1は、変更指示に応じて対応表示画面J3に表示される指定書式が変更されない場合に比べ、対象キャラクタの、書式の設定を確認する際のユーザの利便性を向上できる。
【0054】
第五変形例のCPU71は、表示部5に編集画面J7を表示して(S81)、入力部2によって入力された複数のキャラクタを取得する(S3)。CPU71は、編集画面J7を対応表示画面として、対象キャラクタと指定された書式の設定の対応を表示部5に表示する(S81)。印刷装置1では、ユーザは、編集画面J7において、対象キャラクタと、指定された書式との対応を確認できる。印刷装置1では、ユーザは、編集画面J7において、対象キャラクタの指定された書式を設定できる。
【0055】
実施形態及び第一から第五変形例の印刷装置1は、書式と、書式を個別に設定可能な最小単位との対応を複数記憶する記憶部75を備える。CPU71は、表示部5に編集画面を表示して、入力部2によって入力された複数のキャラクタを取得する(S3)。CPU71は、複数のキャラクタのうちから、編集画面上のカーソルの位置と、記憶部75に記憶された最小単位とに基づき対象キャラクタを特定して、対応表示画面を表示する(
図4のS23、S30からS34、
図6のS42、S43、
図9のS55、
図11のS70、
図13のS81)。印刷装置1は、編集画面上のカーソルの位置と、書式とに応じて対象キャラクタを適切に特定できる。本実施形態の印刷装置1では、書式に応じた最小単位が設定されている。印刷装置1は、ユーザが書式に応じた最小単位を把握していない場合であっても、書式に応じた対象キャラクタを適切に特定できるので、ユーザは対応表示画面を参照することで指定書式に、意図しない内容が設定されることを回避できる。
【0056】
本発明の印刷制御装置及び印刷制御プログラムは、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の変形が適宜加えられてもよい。本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、第二態様の印刷制御プログラムを記録した非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体及び第一態様の印刷制御装置の機能を実現するための方法等の形態で実現できる。
【0057】
印刷装置1の構成は、適宜変更されてよい。印刷装置1は、切断部7を備えなくてもよい。印刷装置1に装着可能なテープカセットの種類は、適宜変更されてよく、印刷装置1は、感熱紙テープにカラー印刷不能であてもよい。印刷装置1の印刷部10は、インクジェットヘッドであってもよい。印刷制御装置は、印刷装置1は別体に設けられた、専用機、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、及びスマートフォン等でもよい。記憶部は、情報を記憶可能であればよく、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SSD等でもよい。入力部は、マウス、及びジョイスティック等でもよい。表示部は、画像を表示可能であればよく、例えば、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、プラズマチューブアレイディスプレイ、電気泳動等を利用した電子ペーパーディスプレイ等でもよい。印刷制御装置が印刷装置1とは別体に設けられた場合、印刷制御装置が制御する印刷装置は、表示部及び入力部を備えなくてもよい。
【0058】
図15を参照して、印刷制御装置が、端末装置90である第六変形例について説明する。端末装置90は、公知のスマートフォンであり、有線又は無線で接続された、印刷装置1と、表示部及び入力部を有さない印刷装置101との各々を制御できる。端末装置90は、CPU91、ROM92、RAM93、記憶部94、タッチパネル95、マイク96、スピーカ97、表示部98、カメラ99、及び通信I/F100を備える。CPU91は、端末装置90の制御を司り、図示しないインタフェース回路を介して他の構成要素と電気的に接続する。ROM92は、ブートプログラム等を記憶する。RAM93は、タイマ、カウンタ、フラグデータ、及び一時的なデータ等を記憶する。記憶部94は、不揮発性の記憶媒体で構成する。記憶部94は、CPU91が実行するメイン処理のプログラムを記憶する。記憶部94は、OS、及びOS上で実行されるアプリケーション等の各種プログラムを記憶する。タッチパネル95は、タッチ操作がされた位置を検出する。マイク96は、周囲の音を音データに変換して出力する。スピーカ97は、入力された音データに基づいて音を出力する。表示部98は、画像を表示する。カメラ99は、撮影範囲を撮影した撮影画像を生成して出力する。通信I/F100は、アクセスポイント4を介してLAN3に接続するための通信モジュールを含む。端末装置90は、タッチパネル95、マイク96、及びカメラ99を入力部として、キャラクタを入力してもよい。
【0059】
印刷装置101は、入力部及び表示部を有さず、印刷装置1と同様のCPU71、ROM72、CGROM73、RAM74、記憶部75、及び入出力インタフェース76に加え、通信I/F78を備え、これらがデータバス69を介して接続される。通信I/F78は、アクセスポイント4を介してLAN3に接続するための通信モジュールである。端末装置90でメイン処理を行う場合、CPU91は、メイン処理開始の指示を検出した場合に、ROM92に記憶されたプログラムをRAM93に読み出してS13、S14を除くメイン処理を実行すればよい。端末装置90は通信I/F100を介して印刷装置101に、編集済みの印刷データを送信し、印刷装置101に印刷データに従った印刷処理を実行させてもよい。端末装置90は、印刷装置101とは別体に設けられているので、印刷装置101に表示部及び入力部を設けない分、印刷装置101の大きさをコンパクトにできる。
【0060】
図3、
図13のメイン処理を実行させるための指令を含むプログラムは、CPU71、91がプログラムを実行するまでに、印刷装置1、端末装置90の記憶装置に記憶されればよい。したがって、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更されてもよい。CPU71、91が実行するプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、フラッシュメモリ等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
【0061】
メイン処理の各ステップは、CPU71、91によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。メイン処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。メイン処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。印刷装置1、端末装置90上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が、CPU71、91からの指令に基づきメイン処理の一部又は全部を行う態様も、本発明の範囲に含まれる。例えば、メイン処理に以下の変更が適宜加えられてもよい。
【0062】
キャラクタの取得方法は、入力部2の構成に応じて適宜変更されてよい。例えば、端末装置90において、マイク96を利用して、キャラクタを音声入力する場合には、CPU91は、キャラクタの入力を受け付ける時に編集画面を表示部98に表示しなくてもよい。印刷装置1、端末装置90で編集可能な書式の種類、数は適宜変更されてよい。対応表示画面、部分書式画面、編集画面は各々、表示部の大きさ、形状、及び表示可能な色、入力部の構成等に応じて適宜変更されてよい。対応表示処理における、対象キャラクタの表示態様は、適宜変更されてよい。CPU71、91は、例えば、非対象キャラクタの表示態様を複数のキャラクタの印刷イメージを表す態様とし、対象キャラクタの表示態様を所定周期で点滅表示させてもよい。
【0063】
第三変形例、第四変形例の部分書式処理では、CPU71、91は、非対象キャラクタと、指定された書式との対応を表示しなくてもよい。対応テーブル77の内容は、適宜変更されてよい。書式を個別に設定可能な最小単位は、記憶部75に記憶されなくてもよいし、ユーザにより設定可能としてもよい。最小単位は、ブロック単位、行単位以外であってもよい。最小単位は、例えば、キャラクタ単位、単語単位等であってもよい。最小単位は、複数の書式に共通でもよい。対象キャラクタの特定方法は適宜変更されてよい。CPU71、91は、指定書式について、複数のキャラクタのうちの、カーソルの前又は後ろのキャラクタと同じ設定がされているキャラクタを対象キャラクタとしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1、101:印刷装置、2:入力部、5、98:表示部、10:印刷部、71、91:CPU、75、94:記憶部、90:端末装置、95:タッチパネル