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特開2022-182376表示装置、表示装置の表示制御方法及び表示制御プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182376
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】表示装置、表示装置の表示制御方法及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20220101AFI20221201BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20221201BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20221201BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20221201BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G06F3/0488
G09G5/00 550C
G09G5/10 B
G09G5/00 520A
G09G5/36 520N
G09G5/36 520G
G09G5/00 510H
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089897
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】小菅 啓之
【テーマコード(参考)】
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5C182AB02
5C182AB08
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA12
5C182BA24
5C182BA28
5C182BA54
5C182BA57
5C182BA65
5C182BA72
5C182BC11
5C182BC26
5C182CA02
5C182CA11
5C182CB04
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB42
5C182CB47
5C182CB56
5C182CC21
5C182DA22
5C182DA62
5C182DA65
5C182DA70
5E555AA56
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC01
5E555CA12
5E555CB12
5E555DA01
5E555DB53
5E555DC11
5E555DC32
5E555DC35
5E555DD06
5E555EA03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】表示部の画面を清掃する清掃実施タイミングを視覚的に認知させることにより、ユーザーに画面の清掃を促すことができる表示装置、表示装置の表示制御方法及び表示制御プログラムを提供する。
【解決手段】表示装置の一例である複合機は、画面を有する表示部と、画面の表示内容を変化させる制御部とを有する。複合機は、画面に触れることによって画面上の位置を接触位置として入力可能な入力部を有する表示部と、表示部を制御する制御部とを備える。前回の画面清掃時からの画面の汚染度合を表す因子のうち少なくとも1つをパラメーターとする。この場合、制御部は、前回の画面清掃時から少なくとも1つのパラメーターの値を累積し(S11)、画面に表示される表示内容の視認度合をパラメーターの累積値に応じて低下させる(S12,S13,S16)。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を有する表示部と、前記画面の表示内容を変化させる制御部とを有する表示装置であって、
前記画面に触れることによって当該画面上の位置を接触位置として入力可能な入力部を有する前記表示部と、
前記表示部を制御する前記制御部とを備え、
前回の画面清掃時からの前記画面の汚染度合を表す因子のうち少なくとも1つをパラメーターとした場合、
前記制御部は、前回の画面清掃時から少なくとも1つの前記パラメーターの値を累積し、前記画面に表示される表示内容の視認度合を前記パラメーターの累積値に応じて低下させることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記パラメーターは、前回の画面清掃時からの経過時間、前回の画面清掃時から前記画面に触れて操作された操作回数、操作時間、前回の画面清掃時から表示装置に近づいた人数のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記画面におけるユーザーによる操作位置に応じた位置で前記表示内容の視認度合を低下させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記視認度合の低下は、表示濃度を変化させることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記視認度合の低下は、障害物を表示させることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記視認度合の低下は、前記入力部のサイズを小さくすることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記視認度合の低下は、前記画面に前記表示内容を表示させる領域である表示領域のサイズを小さくすることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記画面の清掃が実施されると、前記視認度合を初期状態に戻すことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記画面の清掃が進むに従って、前記視認度合を段階的または連続的に高くすることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記画面のうち清掃の終わった領域の前記視認度合を高くすることを特徴とする請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記画面の掃除を促す清掃管理モードを有し、前記表示内容の視認度合を前記パラメーターの累積値に応じて低下させる処理を前記清掃管理モードがオンのときに実行し、
前記清掃管理モードのオン・オフを切り換え可能に構成されることを特徴とする請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記パラメーターの累積値が閾値を超えると、前記表示内容の視認度合を低下させることを特徴とする請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記閾値を変更可能にユーザーにより操作される閾値変更操作部を備えることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記制御部は、複数のパラメーター間の換算式を用いて複数のパラメーターの総合的な前記累積値を取得し、当該累積値が前記閾値を超えるか否かを判断することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
周囲環境の温度、湿度、粉じん量、油分量、および、操作者の体温のうち少なくとも1つを検出する検出部を備え、
前記パラメーターの累積値に対して前記検出部により得られた検出量に応じた係数を乗じることで前記累積値を補正するか、または前記検出部より得られた検出値を基に前記閾値を変化させることを特徴とする請求項12~請求項14のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項16】
画面を有する表示部を備える表示装置の表示制御方法であって、
前記表示装置は、
前記画面に触れることによって当該画面上の位置を接触位置として入力するための入力部を有する前記表示部と、
前記表示部の動作を制御する制御部であって、前記表示部の動作モードとして、前記画面の掃除を促す清掃管理モードを有する前記制御部と、を備え、
前記制御部が、少なくとも前記清掃管理モードにおいて、前回の清掃時からの経過時間、操作回数、操作時間、複合機に近づいた人数のうち少なくとも1つをパラメーターとして当該パラメーターの値を累積し、前記パラメーターの累積値に応じて前記表示部の表示内容の視認度合を低下させることと、
前記画面が清掃されることで検出する接触面積に応じて、前記表示部の表示内容の視認度合を高く変更することと、
を含むことを特徴とする表示装置の表示制御方法。
【請求項17】
画面を有する表示部を備える表示装置が備えるコンピューターにより実行される表示制御プログラムであって、
前記表示装置は、
前記画面に触れることによって当該画面上の位置を接触位置として入力するための入力部を有する前記表示部と、
前記表示部の動作を制御する前記コンピューターであって、前記表示部の動作モードとして、前記画面の掃除を促す清掃管理モードを有する前記コンピューターと、を備え、
前記コンピューターに、
少なくとも前記清掃管理モードにおいて、前回の清掃時からの経過時間、操作回数、操作時間、複合機に近づいた人数のうち少なくとも1つをパラメーターとして当該パラメーターの値を累積し、前記パラメーターの累積値に応じて前記表示部の表示内容の視認度合を低下させるステップと、
前記画面が清掃されることで検出する接触面積に応じて、前記表示部の表示内容の視認度合を高く変更するステップと
を実行させることを特徴とする表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触することで入力が可能な画面を有する表示装置、表示装置の表示制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、タッチパネル方式の操作パネルを備えたプリンター(表示装置の一例)が開示されている。このプリンターでは、ユーザーが画面を掃除するときの掃除の完了度合いをタッチした画素数の累積で判定し、一定量を超えた時に、掃除完了とする。
【0003】
また、特許文献2には、掃除を行う際に誤って他の操作キーを操作してしまうことによる誤作動を防止する機能を備えたプリンター(表示装置の一例)が開示されている。このプリンターは、掃除中に他の操作キーの操作を無効にすることができるハードキーを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-205012号公報
【特許文献2】特開平5-94248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のプリンターでは、掃除の完了度合いを自動で判断しているが、掃除の必要性までは考慮されておらず、この技術を使用するのは、ユーザーが掃除したくなった時に限定される。
【0006】
また、上記特許文献2に記載のプリンターでは、ハードキーを設けることで、掃除のし易さや、誤動作させることなく掃除のみ確実に行える掃除の確実性は向上しているが、特許文献1と同様に掃除をするタイミングはユーザーの自発的な行動に委ねられる。
【0007】
上記のとおり、従来の技術は、掃除のし易さや掃除の確実性を向上してはいるが、掃除をするタイミングは、あくまでもユーザー自身の自発的行動が前提であった。タイマー等により、タッチパネル上に掃除のタイミングを文字情報で報知することはできたが、それを見たユーザーの自発的な行動を期待した技術に過ぎなかった。そのため、画面が汚れていても、画面の視認性に問題がなければ、ユーザーが掃除することなく放置されている場合があるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する表示装置は、画面を有する表示部と、前記画面の表示内容を変化させる制御部とを有する表示装置であって、前記画面に触れることによって当該画面上の位置を接触位置として入力可能な入力部を有する前記表示部と、前記表示部を制御する前記制御部とを備え、前回の画面清掃時からの前記画面の汚染度合を表す因子のうち少なくとも1つをパラメーターとした場合、前記制御部は、前回の画面清掃時から少なくとも1つの前記パラメーターの値を累積し、前記画面に表示される表示内容の視認度合を前記パラメーターの累積値に応じて低下させる。
【0009】
上記課題を解決する表示装置の表示制御方法は、画面を有する表示部を備える表示装置の表示制御方法であって、前記表示装置は、前記画面に触れることによって当該画面上の位置を接触位置として入力するための入力部を有する前記表示部と、前記表示部の動作を制御する制御部であって、前記表示部の動作モードとして、前記画面の掃除を促す清掃管理モードを有する前記制御部と、を備え、前記制御部が、少なくとも前記清掃管理モードにおいて、前回の清掃時からの経過時間、操作回数、操作時間、複合機に近づいた人数のうち少なくとも1つをパラメーターとして当該パラメーターの値を累積し、前記パラメーターの累積値に応じて前記表示部の表示内容の視認度合を低下させることと、前記画面が清掃されることで検出する接触面積に応じて、前記表示部の表示内容の視認度合を高く変更することと、を含む。
【0010】
上記課題を解決する表示制御プログラムは、画面を有する表示部を備える表示装置が備えるコンピューターにより実行される表示制御プログラムであって、前記表示装置は、前記画面に触れることによって当該画面上の位置を接触位置として入力するための入力部を有する前記表示部と、前記表示部の動作を制御する前記コンピューターであって、前記表示部の動作モードとして、前記画面の掃除を促す清掃管理モードを有する前記コンピューターと、を備え、前記コンピューターに、少なくとも前記清掃管理モードにおいて、前回の清掃時からの経過時間、操作回数、操作時間、複合機に近づいた人数のうち少なくとも1つをパラメーターとして当該パラメーターの値を累積し、前記パラメーターの累積値に応じて前記表示部の表示内容の視認度合を低下させるステップと、前記画面が清掃されることで検出する接触面積に応じて、前記表示部の表示内容の視認度合を高く変更するステップとを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態における複合機を示す斜視図。
図2】複合機の電気的構成を示すブロック図。
図3】表示部の画面に表示されるメイン画面を示す模式図。
図4】視認度合が低くなったメイン画面を示す模式図。
図5】視認度合が一番低くなったメイン画面を示す模式図。
図6】表示部の画面を清掃するときの表示制御処理を説明する模式図。
図7】第1表示制御処理を示すフローチャート。
図8】第1表示制御処理を示すフローチャート。
図9】第2実施形態の一例における表示部の画面に表示されるメイン画面の視認度合が低くなった状態を示す模式図。
図10】メイン画面の視認度合がかなり低くなった状態を示す模式図。
図11】メイン画面を払拭するときの表示制御処理を説明する模式図。
図12】第2実施形態の他の一例における表示部の画面に表示されるメイン画面の視認度合が低くなった状態を示す模式図。
図13】メイン画面の視認度合がかなり低くなった状態を示す模式図。
図14】メイン画面を払拭するときの表示制御処理を説明する模式図。
図15】第3実施形態における表示部の画面に表示されるメイン画面の視認度合が低くなった状態を示す模式図。
図16】メイン画面の視認度合がかなり低くなった状態を示す模式図。
図17】メイン画面を払拭するときの表示制御処理を説明する模式図。
図18】第4実施形態における表示部の画面に表示されるメイン画面の視認度合が低くなった状態を示す模式図。
図19】メイン画面の視認度合がかなり低くなった状態を示す模式図。
図20】メイン画面を払拭するときの表示制御処理を説明する模式図。
図21】第5実施形態における表示部の画面に表示されるメイン画面の視認度合が低くなった状態を示す模式図。
図22】メイン画面の視認度合がかなり低くなった状態を示す模式図。
図23】メイン画面を払拭するときの表示制御処理を説明する模式図。
図24】第6実施形態における表示部の画面に表示されるメイン画面の視認度合が低くなった状態を示す模式図。
図25】メイン画面の視認度合がかなり低くなった状態を示す模式図。
図26】メイン画面を払拭するときの表示制御処理を説明する模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、媒体読取装置の一実施形態について説明する。
以下、表示装置の一実施形態である複合機11について図面を参照して説明する。
図1において、複合機11は、水平面上に置かれているものとし、幅方向Y、奥行方向X、鉛直方向Zとする。幅方向Yおよび奥行方向Xは、鉛直方向Zと直交する方向である。なお、複合機11において、表示部15が設けられている側が正面である。
【0013】
<複合機の構成>
図1に示すように、表示装置の一例としての複合機11は、画面16を有する表示部15と、画面16の表示内容を制御する制御部20とを有する。複合機11は、直方体状をなす本体12と、本体12の上部に組み付けられている読取部13とを備える。表示部15は、本体12の上部に設けられている。表示部15は、読取部13よりも奥行方向Xの手前側に位置している。表示部15の画面16は、例えば、タッチパネルにより構成される。このため、ユーザーは、画面16を操作することにより複合機11に指示を与えることが可能である。
【0014】
表示部15は、画面16以外の部分に操作部21を備える。操作部21は、メカニカルスイッチにより構成される。操作部21は、画面16の表示内容が消えているときにも、ユーザーが操作することにより複合機11に指示を与えることが可能である。操作部21は、例えば、電源スイッチなどを含む。
【0015】
図1に示す読取部13は、原稿(図示略)の画像を読み取る。読取部13は、原稿を載置するための原稿台13Aと、原稿を搬送するための自動給送部14とを備える。自動給送部14は、原稿を載置可能な原稿トレイ14Aと、原稿トレイ14Aに載置された原稿を位置決めするエッジガイド14Bとを有する。自動給送部14は、原稿トレイ14Aに載置された原稿を1枚ずつ読取部13を経由する搬送経路(図示略)に沿って搬送する。読取部13は、自動給送部14により搬送された原稿を順次読み取る。なお、読取部13は、自動給送部14により搬送される原稿を読み取るフィード式の読取機能と、原稿台13Aに載置された原稿を読み取るフラットベット式の読取機能とを有する。
【0016】
本体12は、その全体が印刷部17となっている。印刷部17は、用紙等の媒体(図示略)が収容される複数段のカセット18と、カセット18から搬送された媒体に印刷が施された後、その印刷済みの媒体が排出される排出部19とを有する。排出部19は、本体12と読取部13との間に凹設されている。排出部19は、排出された媒体が載置される排出トレイ19Aを有する。
【0017】
印刷部17は、本体12内に、カセット18から排出トレイ19Aまでの搬送経路に沿って媒体を搬送する搬送部(図2参照)と、搬送経路の途中の印刷位置で媒体に印刷する記録ヘッド23(図2参照)とを内蔵する。
【0018】
また、本体12に設けられた表示部15の画面16には、メイン画面MG(図3参照)や選択画面等のサブ画面を含む複数の表示画面が選択的に表示される。複合機11が電源オン状態にあるとき、印刷が行われていないときは、通常、画面16には、メイン画面MGが表示される。なお、メイン画面MGは、例えば、メニュー画面である。
【0019】
<複合機の電気的構成>
次に、図2を参照して複合機11の電気的構成について説明する。
複合機11は、制御部20、操作部21、読取部13、印刷部17、表示部15および第1センサー25を備える。
【0020】
操作部21は、例えば物理的なハードスイッチよりなる操作部である。操作部としては、例えば、複合機11の電源をオン・オフする電源操作部が挙げられる。
読取部13は、制御部20により制御され、原稿を読み取る。印刷部17は、搬送部22および記録ヘッド23を備える。印刷部17は、制御部20により制御され、搬送部22により搬送された媒体に対して記録ヘッド23が文字または画像等を記録する。例えば、コピーの指示を受け付けたとき、制御部20は、読取部13に原稿を読み取らせるとともに、その読み取った原稿の画像を、印刷部17により媒体に印刷させることで、コピーを行う。
【0021】
表示部15は、接触検出部24を備える。表示部15は、例えば、タッチパネルにより構成される。接触検出部24は、ユーザーが画面16(図1図3を参照)に指で触れるとその接触位置の座標を検出する。
【0022】
第1センサー25は、前回の清掃時から複合機11に近づいた人を検知する。第1センサー25は、例えば、人感センサーである。また、複合機11は、複合機11の周辺の環境パラメーターの値を検出可能な検出部の一例としての第2センサー26を備えてもよい。第2センサー26は、複合機11の周囲環境の温度、湿度、粉じん量、油分量、および、表示部15の画面16を操作する操作者の体温のうち少なくとも1つを検出する。
【0023】
制御部20は、コンピューター30を備える。コンピューター30は、例えば、マイクロプロセッサーにより構成される。コンピューター30は、画面16に表示された入力部50(図3参照)の範囲内の位置での接触を接触検出部24が検出した場合、その座標範囲と対応付けられた入力部50が操作されたものとして検出する。
【0024】
コンピューター30は、第1計時部31、第2計時部32、第1カウンター33、第2カウンター34、表示制御部35および記憶部36を備える。
表示制御部35は、操作検出部41および接触位置検出部42を備える。操作検出部41は、ユーザーが画面16を操作(タッチ)した位置を検出した接触検出部24から入力した座標値に基づいてその座標値が入力部50(図3)の座標範囲内の値であれば、その画面16のタッチをユーザーによる操作であると検出する。
【0025】
接触位置検出部42は、ユーザーが画面16に接触(タッチ)した位置を、接触検出部24から入力した座標値に基づいて検出する。例えば、ユーザーが表示部15の画面16を清掃するために画面16を拭き取るときにタッチすると、その拭き取りのためにタッチした座標の動きを検出する。そのため、コンピューター30は、接触位置検出部42によって、ユーザーが画面16を拭き取った位置(拭き取り軌跡)を検出可能である。
【0026】
記憶部36には、プログラムPR、第1閾値SV1、第2閾値SV2、第1画像データID1および第2画像データID2が記憶されている。プログラムPRには、図7にフローチャートで示される第1表示制御処理用の第1プログラムと、図8にフローチャートで示される第2表示制御処理用の第2プログラムとが含まれる。また、第1閾値SV1は、第1表示制御処理で使用され、第2閾値SV2は、第2表示制御処理で使用される。また、第1画像データID1は、画面16に表示させる表示内容の画像データである。第1画像データID1には、図3に示すメイン画面MGなどの表示画面を表示するための画像データが含まれる。第2画像データID2は、画面16に表示させる表示内容の視認度合を低下させるために用いられる画像データである。第2画像データID2は、第1画像データID1に替えて使用されたり、または第1画像データID1に基づく表示画面に対して視認度合を低下させるための画像を重畳表示させたりするために使用される。
【0027】
プログラムPRを構成する第1プログラムおよび第2プログラムは、記憶媒体に記憶されたものを複合機11にインストールされてもよい。この場合、第1プログラムおよび第2プログラムを記憶する記憶媒体は、複合機11を購入したときに同梱される付属品であってもよいし、複合機11と共に購入されたものでもよい。記憶媒体は、例えば、磁気ディスクや光ディスク等の記憶ディスクでもよいし、USBメモリー等の可搬型メモリーや、外付けタイプの外部記憶装置であってもよい。
【0028】
<画面の表示内容>
ここで、図3を参照して、表示制御部35により表示部15の画面16に表示される表示内容について説明する。図3は、表示部15の画面16に表示される表示内容の一例であるメイン画面MGである。
【0029】
図3に示すように、表示部15は、画面16に触れることによって画面16上の位置を接触位置として入力可能な入力部50を有する。
図3に示す例では、入力部50は、例えば、操作ボタンである。詳しくは、メニュー画面であるメイン画面MGには、入力部50として、印刷ボタン51、スキャンボタン52、コピーボタン53が含まれる。ユーザーがこれらのボタン51~53を接触すると、接触したボタンに対応する下位の画面であるサブ画面に切り換えられる。詳しくは、ユーザーが印刷ボタン51に接触してこれを操作すると、印刷設定画面(図示略)に切り換わる。また、ユーザーがスキャンボタン52に接触してこれを操作すると、スキャン設定画面(図示略)に切り換わる。さらに、ユーザーがコピーボタン53に接触してこれを操作すると、コピー設定画面(図示略)に切り換わる。
【0030】
また、メイン画面MGには、入力部50として、操作ボタン54,55が含まれる。操作ボタン54,55は、複合機11に指示を与えるために操作される指示ボタン、またはメイン画面MGの下位の画面である他のサブ画面(図示略)に切り換えるために操作される切換ボタンなどにより構成される。また、操作ボタン54,55は、シャットダウンボタン、選択ボタンなどであってもよい。
【0031】
他のサブ画面としては、例えば、メンテナンスを行うときに操作されるメンテナンス画面や、各種の設定を登録するために操作される設定登録画面などが挙げられる。なお、不図示のサブ画面も、表示内容の一例を構成する。このように、本例では、画面16の表示内容として複数の表示画面を含む。画面16の表示内容は、複数の表示画面のうち1つに切り換えられる。なお、メイン画面MGに対するサブ画面の階層は、2階層に限らず、3階層または4階層以上でもよい。また、サブ画面がない構成であってもよい。
【0032】
複合機11は、表示部15の動作モードとして、ユーザーに画面16の清掃を促す清掃管理モードを備える。複合機11は、清掃管理モードのオン・オフを切り換え可能に構成されてもよい。例えば、清掃管理モードのオン・オフを切り換える操作ボタンがメイン画面MGに設けられてもよい。また、複合機11は、ネットワークを介して通信可能にホスト装置と接続できる。このホスト装置のキーボードやマウス等の入力操作部を操作することで、清掃管理モードのオン・オフを切り換える構成でもよい。ホスト装置は、複合機11を使用する複数のユーザーが印刷または原稿読取りの指示を行うために複合機11に対して通信可能に接続される。ホスト装置は、パーソナルコンピューター、タブレットPC、携帯電話、スマートフォン等であってもよい。なお、清掃管理モードは、オン・オフを切り換え可能な構成に限定されず、複合機11の電源を投入すれば、常に起動されるモードであってもよい。
【0033】
また、図3では、メッセージMSが表示される。メッセージMSとしては、複合機11の動作状況をユーザーに知らせるメッセージや、ユーザーに操作を促すメッセージ、ユーザーに操作方法を知らせるメッセージなどがある。動作状況を知らせるメッセージには、印刷中、スキャン中、コピー中である旨を知らせるメッセージが含まれる。図3では、メッセージMSは、一例としてアルファベットの文字列で示されているが、メッセージMSの言語は何でもよい。
【0034】
また、表示画面の1つであるメイン画面MGには、背景BGが含まれる。背景BGは入力部50ではないので、背景BGの領域をユーザーが触れても操作として検出されない。メッセージMSは、背景BG(例えば背景GRのレイヤー)に対して手前側に重ねるように重畳表示される。なお、画面16にキーボードを表示して文字および文字列の入力が可能な構成としてもよい。この場合、画面16に表示されるキーボードは、入力部の一例である。
【0035】
複合機11は、ユーザーに画面16の清掃を促すように表示内容を変化させる清掃管理モードを備える。本実施形態の複合機11は、清掃モードにおいて、ユーザーによる画面16の清掃を促すように表示内容の視認度合を低下させる第1表示処理を行う。ユーザーは、画面16の清掃を実施するときは、操作部21または画面上の所定の入力部50を操作することで、複合機11を清掃実施モードにする。このモードの管理は、制御部20が行う。本実施形態の複合機11は、前述のとおり、清掃モードのオン・オフを切り換え可能である。例えば、ユーザーまたはサービスマンにより、操作部21または画面16上の所定の入力部50が操作されると、制御部20は、画面16に清掃モードのオン・オフを切り換える切換画面(図示略)を表示させる。この切換画面でユーザーがオン・オフのいずれかを選択する操作信号に基づいて、制御部20は、清掃モードのオン・オフを切り換える。
【0036】
そして、本実施形態の複合機11は、清掃モードにおいて、ユーザーによる画面16の清掃を促すように表示内容の視認度合を低下させる第1表示制御処理を行う。
前回の画面清掃時からの画面16の汚染度合を表す因子のうち少なくとも1つをパラメーターとする。制御部20は、前回の画面清掃時から少なくとも1つのパラメーターの値を累積し、画面16に表示される表示内容の視認度合をパラメーターの累積値に応じて低下させる。ここで、本実施形態では、パラメーターは、画面16の前回の清掃時からの累積値が大きいほど、画面16の次回の清掃タイミングに近づくことになる少なくとも1つの因子であるとも言える。
【0037】
第1表示制御処理の実行中において、制御部20は、画面16の汚染度合を示すパラメーターの値の累積値を求め、そのパラメーターの累積値に応じて、画面16の表示内容の視認度合を段階的または連続的に低下させる。
【0038】
少なくとも1つのパラメーターは、前回の清掃時からの経過時間、前回の清掃時から前記画面に触れて操作された操作回数、操作時間、前回の清掃時から複合機11に近づいた人数のうち、少なくとも1つを含む。
【0039】
汚染度合を表すパラメーターとしては、次のものが挙げられる。
(a)前回の画面清掃時からの経過時間。
(b)前回の画面清掃時から前記画面に触れて操作された操作回数。
(c)前回の画面清掃時からの操作時間。
(d)前回の画面清掃時から複合機11に近づいた人数。
これら(a)~(d)のうち少なくとも1つをパラメーターとする。なお、パラメーターは、1つでもよいし、(a)~(d)のうちから選択された2つまたは3つでもよいし、4つすべてでもよい。ここで、汚染度合とは、画面16の汚れ度合だけでなく、画面16におけるウィルスや菌等の汚染度合を含む。
【0040】
本実施形態の制御部20は、これら4つのパラメーターの全てについて、それぞれの累積値を求めることが可能に構成されている。
第1計時部31は、前回の画面清掃時からの経過時間を計時する。第1計時部31は、コンピューター30内の不図示のクロック回路からのクロックパルスまたはそのクロックパルスから生成された計時用パルスまたはそのパルスエッジの数を計数することで、前回の清掃時からの経過時間を計時する。
【0041】
第2計時部32は、前回の画面清掃時から画面16が操作された操作時間を計時する。第2計時部32は、画面16の操作が検出されている期間においてコンピューター30内の不図示のクロック回路からのクロックパルスまたはそのクロックパルスから生成された計時用パルスについてそのパルス数あるいはパルスエッジ数を計数する。この操作時間は、前回の清掃時から画面16が操作された操作時間の累積値(累積時間)である。
【0042】
第1カウンター33は、前回の画面清掃時から画面16に触れて操作された操作回数を計数する。ここで、操作とは、画面16のうちユーザーが複合機11に対する指示を入力可能な領域である入力部50が操作された回数である。なお、操作回数は、ユーザーによる入力部50の操作による入力を、制御部20が受け付けた入力受付回数であるとも言える。
【0043】
第2カウンター34は、前回の画面清掃時から複合機11に近づいた人数を計数する。制御部20は、第1センサー25が人を検知する度に、第2カウンター34の値を1つ増やすインクリメント処理を行う。
【0044】
制御部20内のコンピューター30は、記憶部36に記憶されたプログラムPRのうち、図7にフローチャートで示される第1プログラムを実行することで、第1表示制御処理を行う。また、コンピューター30は、記憶部36に記憶されたプログラムPRのうち、図8にフローチャートで示される第2プログラムを実行することで、第2表示制御処理を行う。
【0045】
第1閾値SV1は、表示内容の視認度合を初期状態(図3参照)から段階的または連続的に低下させる第1表示制御処理に用いられる。本例の第1表示制御処理では、表示内容の視認度合を初期状態から段階的に低下させる。第1閾値SV1は、値の異なる複数の数値よりなる複数の閾値を含む参照データである。第1閾値SV1は、参照データのうち値の小さいものから順番に用いられる。制御部20は、パラメーターの累積値が第1閾値SV1を超えると、画面16に表示される表示内容の視認度合を1段階低下させる。制御部20は、パラメーターの累積値が増えるに従って、値の異なる複数の第1閾値SV1に対してこの処理を順次行うことで、画面16の表示内容の視認度合を段階的に低下させる。
【0046】
第2閾値SV2は、清掃実施モードで、表示内容の視認度合が低下した画面16を清掃して、表示内容の視認度合を高める第2表示制御処理に用いられる。本例の第2表示制御処理では、表示内容の視認度合を初期状態に戻るまで段階的に高める。第2閾値SV2は、値の異なる複数の数値よりなる参照データである。値の異なる数値よりなる第2閾値SV2は、値の小さいものから順番に用いられる。
【0047】
次に、図4~6を参照して、コンピューター30が実行する表示制御処理について説明する。制御部20が行う表示部15の画面16の表示内容の制御は、詳しくは、制御部20内のコンピューター30が実行する。コンピューター30は、記憶部36に記憶されたプログラムPRを実行することで、表示制御処理を実行する。プログラムPRは、図7にフローチャートで示される第1表示制御処理用プログラムと、図8にフローチャートで示される第2表示制御処理用プログラムとを含む。
【0048】
次に、清掃管理モードと清掃実施モードについて説明する。複合機11は、清掃管理モードがオンのとき、表示部15の画面16に表示される表示内容の視認度合を低下させる。複合機11は、清掃実施モードがオンのとき、表示部15の画面16に表示される表示内容の視認度合を高めることが可能である。そのため、清掃管理モードにおいて、画面16の表示内容の視認度合が低下すると、ユーザーは表示内容の視認度合を高めるために画面16の清掃を行う。そのため、制御部20は、清掃管理モードにおいて、画面16の汚染が進むに従って画面16の表示内容の視認度合を低下させることで、ユーザーに適切な清掃タイミングで画面16の清掃を促すことが可能である。
【0049】
<清掃管理モード>
まず、清掃管理モードについて説明する。本実施形態では、制御部20は、清掃管理モードにおいて、パラメーターの累積値に基づいて画面16の表示内容の視認度合を低下させる。詳しくは、制御部20は、パラメーターの累積値が閾値を超えると表示内容の視認度合を低下させる。本実施形態では、制御部20は、パラメーターの累積値が第1閾値SV1を超える度に表示内容の視認度を1段階低下させる。制御部20は、パラメーターの累積値が第1閾値SV1を超える度に、第1閾値SV1を値の1段階大きなものに切り換える。こうして、制御部20は、パラメーターの累積値が大きくなるに従って、表示内容の視認度合を段階的に低下させる。なお、第1閾値SV1を1つのみとし、視認度合の異なる表示内容の切り換えを2段階としてもよい。
【0050】
複合機11は、閾値を変更可能にユーザーにより操作される閾値変更操作部を備えてもよい。本例では、入力部50である操作ボタン54,55のうちの1つが、閾値変更操作部の一例に相当する。例えば、図3に示すメイン画面MG中の操作ボタン54,55のうちの一方が、閾値変更操作部の一例に相当する。例えば、操作ボタン55が閾値変更操作部の一例であるとすると、ユーザーが操作ボタン55にタッチして操作すると、サブ画面として閾値変更画面(図示略)が表示される。ユーザーは閾値変更画面でタッチ操作を行うことで、第1閾値SV1を変更する。また、メカニカルスイッチである操作部21を閾値変更操作部の一例としてもよい。さらに、ホスト装置の入力操作部を操作することで、第1閾値SV1を変更することが可能であってもよい。第1閾値SV1は、一定の間隔で複数の値が設定されている。ユーザーは、例えば、第1閾値SV1の最小値と、第1閾値SV1の一定の間隔とを変更可能である。
【0051】
制御部20は、複数のパラメーター間の換算式を用いて複数のパラメーターの総合的な累積値を取得し、累積値が閾値を超えるか否かを判断する。
ここで、複数のパラメーターを採用してもよい。複数のパラメーターの各々の累積値を、a,b,c…とし、各パラメーターの寄与度に応じた係数をA,B,C,…とする。複数のパラメーターの各々の累積値を換算して1つの値にまとめた1つの累積値は、各パラメーターの累積値に係数を乗じた値の積算値として求められる。すなわち、パラメーターの累積値Fは、F=A*a+B*b+C*c+…により計算される。
【0052】
例えば、経過時間「1時間」と操作回数「1回」とを同等に評価する。この場合、経過時間のパラメーターと、操作回数のパラメーターとの各係数を同じ値にする。また、複合機11に近づいた人数「5人」と、操作回数「1回」とを同等に評価する。この場合、操作回数のパラメーターに乗じる係数を、複合機11に近づいた人数のパラメーターに乗じる係数の5倍にする。
【0053】
また、制御部20は、パラメーターの累積値に対して第2センサー26により得られた検出値に応じた係数を乗じることで、累積値を補正するか、または第2センサー26より得られた検出値を基に閾値の一例である第1閾値SV1を変化させてもよい。詳しくは、制御部20は、第2センサー26の検出値である、複合機11の周囲環境の温度、湿度、粉じん量、油分量、および、操作者の体温のうち少なくとも1つを基に、パラメーターの累積値を補正してもよい。あるいは、制御部20は、第2センサー26の検出値である、複合機11の周囲環境の温度、湿度、粉じん量、油分量、および、操作者の体温のうち少なくとも1つを基に、第1閾値SV1を補正してもよい。
【0054】
本実施形態の制御部20内のコンピューター30は、清掃管理モードのオン時に、図7にフローチャートで示される第1表示制御プログラムを実行する。これにより、コンピューター30は、画面16の汚染が進むに連れて、画面16の表示内容の視認度合を段階的または連続的に低下させる第1表示制御処理を行う。
【0055】
<清掃実施モード>
本実施形態では、制御部20は、清掃実施モードにおいて、ユーザーが画面16を払拭した払拭領域である清掃領域WA(図6参照)の面積に基づいて画面16の表示内容の視認度合を高める。詳しくは、制御部20は、清掃領域WAの面積である清掃面積が第2閾値SV2を超える度に表示内容の視認度を1段階高くする。制御部20は、清掃面積が第2閾値SV2を超える度に、第2閾値SV2を値の1段階大きなものに切り換える。こうして、制御部20は、清掃面積が大きくなるに従って、表示内容の視認度合を初期状態に戻るまで段階的に高くする。
【0056】
第2閾値SV2は、ユーザーが入力操作することで可変可能な構成とすることもできる。例えば、ユーザーが、操作部21、画面16上の操作ボタン54,55、ホスト装置の入力操作部のうち1つを操作することで、第2閾値SV2を変更することが可能である。第2閾値SV2は、例えば、一定の間隔で複数の値が設定されている。ユーザーは、例えば、第2閾値SV2の最小値と、第2閾値SV2の一定の間隔とを変更可能である。
【0057】
本実施形態の制御部20内のコンピューター30は、清掃実施モードのオン時に、図8にフローチャートで示される第2表示制御プログラムを実行する。これにより、制御部20は、画面16の清掃が実施されると、視認度合を図3に示す初期状態に戻す。本実施形態では、制御部20は、画面16の清掃が進むに従って、視認度合を段階的または連続的に高くする。詳しくは、コンピューター30は、画面16の払拭が進むに連れて、画面16の表示内容の視認度合を初期状態に復帰するまで段階的または連続的に高める第2表示制御処理を行う。また、本実施形態では、制御部20は、画面16のうち清掃の終わった領域の視認度合を高くする。このとき、制御部20は、ユーザーが画面16を払拭(清掃)した位置を接触検出部24からの検出信号に基づいて取得し、この取得した払拭位置から清掃の終わった領域を認知する。
【0058】
<実施形態の作用>
次に、本実施形態の複合機11の作用について説明する。
以下、制御部20のコンピューター30が実行する第1表示制御処理および第2表示制御処理について説明する。コンピューター30は、電源オン中において清掃管理モードにあるときは、図7にフローチャートで示される第1表示制御処理を実行する。以下、図3図5図7を参照して、第1表示制御処理について説明する。
【0059】
まず、ステップS11では、コンピューター30は、前回の清掃時からパラメーターの値を計数する。例えば、第1計時部31は、前回の清掃時からの経過時間を計時する。第2計時部32は、前回の清掃時から画面16が操作された操作時間を計時する。第1カウンター33は、前回の清掃時から画面16に触れて操作された操作回数を計数する。第2カウンター34は、前回の清掃時から複合機11に近づいた人数を計数する。この例では、コンピューター30は、4つのパラメーターを計数する。記憶部36には、パラメーターごとに第1閾値SV1が記憶されてもよいし、複数のパラメーターの計数値を、パラメーターごとの重み係数を用いた換算式により1つの累積値として換算したその累積値に対する第1閾値SV1が記憶されてもよい。なお、図2に示す例では、少なくとも1つのパラメーターは、複数のパラメーターであるが、パラメーターは1つのみであってもよい。この場合、1つのみのパラメーターは、前回の清掃時からの経過時間、前回の清掃時からの操作時間、前回の清掃時からの操作回数、および前回の清掃時から複合機11に近づいた人数のうち、いずれか1つであってもよい。また、パラメーターは、前回の清掃時からの経過時間、操作時間、操作回数、および複合機11に近づいた人数のうち、2つまたは3つであってもよい。
【0060】
ステップS12では、コンピューター30は、パラメーターの計数値が第1閾値を超えたか否かを判定する。例えば、パラメーターが1つである場合は、その1つのパラメーターの計数値(累積値)が第1閾値SV1を超えたか否かを判定する。また、パラメーターが2つ以上の複数である場合は、換算式を用いて複数のパラメーターの計数値(累積値)を1つの累積値として換算したその累積値が第1閾値SV1を超えたか否かを判定する。パラメーターの計数値が第1閾値SV1を超えなければ、ステップS11の処理に戻り、ステップS12でパラメーターの計数値が第1閾値SV1を超えたと判定されるまで、ステップS11で計数処理を繰り返し実行する。一方、パラメーターの計数値が第1閾値SV1を超えたと判定すると、ステップS13に移行する。
【0061】
ステップS13では、コンピューター30は、表示内容の視認度合を低下させる。例えば、図3に示す画面16の表示内容から、図4に示す画面16の表示内容へ、表示濃度が薄くなることで、画面16の表示内容の視認度合が低下する。
【0062】
ステップS14では、コンピューター30は、清掃実施モードのオン操作があったか否かを判定する。そのオン操作があれば当該ルーチンを終了し、そのオン操作がなければステップS15に移行する。
【0063】
ステップS15では、コンピューター30は、初期化操作があったか否かを判定する。ここで、初期化操作とは、清掃実施モードで画面16を清掃しなくても、画面16の表示内容を強制的に図3に示す初期状態に戻す操作である。初期化操作があればステップS17に移行し、初期化操作がなければステップS16に移行する。
【0064】
ステップS16では、コンピューター30は、第1閾値を1段階大きな値へ切り換える。すなわち、ステップS12においてパラメーターの計数値(累積値)が第1閾値SV1を超え、それまでの第1閾値SV1よりも大きな値になっているので、現在の計数値よりも大きな値へ第1閾値SV1を1段階大きな値に変更する。
【0065】
ステップS17では、コンピューター30は、表示画面を初期状態に復帰させる。すなわち、コンピューター30は、ユーザーによる初期化操作を受け付けた場合、画面16の表示内容である表示画面を初期状態に復帰させる。
【0066】
ステップS16において第1閾値SV1を1段階大きな値に切り換えた後、コンピューター30は、ステップS11の処理に戻る。以降、コンピューター30は、ステップS11~S16の処理を繰り返す。この結果、図4に示す画面16の表示内容から、図5に示す画面16の表示内容へ、表示濃度が薄くなることで、画面16の表示内容の視認度合がさらに低下する。こうして、画面16の汚染が進むに従って、画面16における表示画面(例えばメイン画面MG)の表示濃度が段階的に薄くなることで、画面16の表示内容の視認度合が段階的に低下する。なお、本例では、画面16に表示される表示内容の視認度合を段階的に低下させたが、連続的に低下させてもよい。
【0067】
このように画面16の表示内容の視認度合が段階的に低下することで、あるタイミングでユーザーは低い視認度合による表示内容の見にくさを解消すべく画面16の清掃を行う。この画面16の清掃を行うに当たり、ユーザーは清掃実施モードをオンにするオン操作を行う。この結果、コンピューター30は、ステップS14でオン操作ありと判定し、当該ルーチンを終了する。このルーチン終了と共に、清掃管理モードから清掃実施モードへ移行する。清掃実施モードに移行すると、コンピューター30は、図8に示す第2表示制御処理を実行する。
【0068】
なお、図7におけるステップS11,S12,S13,S16の処理が、「少なくとも前記清掃管理モードにおいて、前回の清掃時からの経過時間、操作回数、操作時間、複合機11に近づいた人数のうち少なくとも1つをパラメーターとして当該パラメーターの値を累積し、前記パラメーターの累積値に応じて前記表示部の表示内容の視認度合を低下させること(またはステップ)」という処理の一例に相当する。
【0069】
次に、図3図6および図8等を参照して、第2表示制御処理について説明する。ユーザーは、画面16を清掃するときは、操作部21、操作ボタン54,55、ホスト装置の入力操作部のうちの1つを操作することで、複合機11を清掃実施モードに切り換える。コンピューター30は、清掃実施モードがオンされると、画面16の表示画面上の入力部50を操作不能な状態にする。そのため、ユーザーが画面16を清掃用の布などを用いて払拭しても、入力部50が操作されてしまうことがない。以下、清掃実施モードで、ユーザーが画面16を払拭するに従って、画面16に表示された表示内容の視認度合が段階的または連続的に高くなる。ユーザーが画面16を払拭するときの表示内容の処理は、コンピューター30が、図8にフローチャートで示される第2清掃制御処理を実行することにより行われる。以下、図8を参照して第2表示制御処理について説明する。
【0070】
まずステップS21では、コンピューター30は、画面の清掃領域を検出する。ユーザーが画面16を払拭すると、その画面16上の払拭領域である清掃領域は、接触検出部24により検出される。すなわち、コンピューター30は、表示部15の接触検出部24が検出した接触位置に基づいて清掃領域を検出する。ここで、コンピューター30は、表示部15の画面16で接触が検知された画素の数を計数することで、清掃領域の面積(例えば画素数)を取得する。
【0071】
ステップS22では、コンピューター30は、清掃領域WAの面積が第2閾値SV2を超えたか否かを判定する。清掃領域WAの面積が第2閾値SV2を超えなければステップS21に戻り、ステップS22で、清掃領域WAの面積が第2閾値SV2を超えるまで、画面16の清掃領域WAの検出を継続する。そして、コンピューター30は、清掃領域WAの面積が第2閾値SV2を超えればステップS23に移行する。
【0072】
ステップS23では、コンピューター30は、表示内容の視認度合を高くする。例えば、コンピューター30は、表示内容の視認度合を1段階高くする。清掃実施モード移行前は、図4図5に示すように表示内容の背景BGや文字の濃度が薄くなることで、視認度合が低下していた。図6に示すように、画面16のうちユーザーが払拭により清掃し終わった清掃領域WAの視認度合が高くなる。よって、ユーザーは、画面16のうち清掃が終わった領域を認知することができる。また、清掃実施モードでは、画面16の表示内容のうち入力部50はタッチしても操作として検知されない操作不活性状態にある。このため、ユーザーが入力部50を払拭過程でタッチしても、そのタッチは操作として検知されない。よって、画面16を清掃するときにユーザーが指または払拭布により入力部50をタッチしてしまうことに起因する誤操作の発生を抑制できる。また、ユーザーが画面16を払拭するとき、図6に示すように、画面16には、ユーザーの払拭経路に追従して移動する払拭部56が表示される。なお、清掃に用いる払拭布として、画面16に接触してもその接触が検知されない材質または表面処理されたものを使用することで、操作を不活性にする清掃実施モードを無くしてもよい。
【0073】
ステップS24では、コンピューター30は、初期状態に復帰したか否かを判定する。初期状態に復帰していなければステップS25に移行し、初期状態に復帰していればステップS26に移行する。ユーザーが画面16の清掃を開始してから、画面16の全域を払拭し終わるまでの清掃途中の段階では、画面16の表示内容は、図6に示すような一部のみが清掃領域WAにあって、図3に示す初期状態にはない。よって、清掃途中の段階では、コンピューター30は、ステップS25の処理に移行する。
【0074】
ステップS25では、コンピューター30は、第2閾値を1段階大きな値へ切り換える。すなわち、ステップS22において清掃領域WAの面積(例えば画素数)が第2閾値SV2を超え、それまでの第2閾値SV2よりも大きな値になっているので、現在の清掃領域WAの面積よりも大きな値へ第2閾値SV2を1段階大きな値に変更する。
【0075】
ステップS25において第2閾値SV2を1段階大きな値に切り換えた後、コンピューター30は、ステップS21の処理に戻る。以降、コンピューター30は、ステップS21~S25の処理を繰り返す。この結果、ユーザーによる画面16の清掃が進むに従って、図6に示すように高い視認度合に復帰した清掃領域WAが段階的に増える。なお、本例では、画面16のうち払拭により高い視認度合に復帰した清掃領域WAを段階的に増やしたが、連続的に増やしてもよい。
【0076】
このように画面16のうち高い視認度合に復帰した清掃領域WAが増えることで、あるタイミングでユーザーは画面16の全域の清掃を終えたことを認知することができる。ユーザーは、画面16の清掃を終えると、清掃実施モードを終えるべく終了操作を行う。例えば、ユーザーが、操作部21、画面16上の操作ボタン54,55、ホスト装置の入力操作部のうち1つを操作することで、清掃実施モードの終了操作を行う。
【0077】
ステップS26では、コンピューター30は、清掃実施モードの終了操作があったか否かを判定する。コンピューター30は、清掃実施モードの終了操作がなければ、その終了操作があるまで待機し、清掃実施モードの終了操作ありと判定すると、ステップS27に移行する。
【0078】
ステップS27では、コンピューター30は、清掃実施モードを終了する。なお、ユーザーが清掃実施モードの終了操作をし忘れる場合もあるため、コンピューター30は、表示内容が初期状態に復帰した後、一定時間を経過しても、清掃実施モードの終了操作を受け付けない場合は、強制的に清掃実施モードを終了させる。こうして清掃実施モードが終了することにより、複合機11は清掃管理モードに復帰する。
【0079】
なお、図8におけるステップS21,S22,S23,S25の処理が、「画面が清掃されることで検出する接触面積に応じて、表示部の表示内容の視認度合を高く変更すること(またはステップ)」という処理の一例に相当する。
【0080】
第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1-1)表示装置の一例である複合機11は、画面16を有する表示部15と、画面16の表示内容を変化させる制御部20とを有する。複合機11は、画面16に触れることによって画面16上の位置を接触位置として入力可能な入力部50を有する表示部15と、表示部15を制御する制御部20とを備える。前回の画面清掃時からの画面16の汚染度合を表す因子のうち少なくとも1つをパラメーターとする。この場合、制御部20は、前回の画面清掃時から少なくとも1つのパラメーターの値を累積し、画面16に表示される表示内容の視認度合をパラメーターの累積値に応じて低下させる。この構成によれば、前回の画面清掃時から累積された少なくとも1つのパラメーターの累積値に基づいて表示内容の視認度合が低下するので、視認度合の低下によって、ユーザーに対して自発的に画面16の清掃を促すことができる。よって、画面16が清掃されることなく放置される頻度を低減できる。
【0081】
(1-2)少なくとも1つのパラメーターは、前回の画面清掃時からの経過時間、前回の画面清掃時から画面16に触れて操作された操作回数、操作時間、前回の画面清掃時から表示装置に近づいた人数のうち、少なくとも1つを含む。この構成によれば、前回の画面清掃時からの経過時間、操作回数、操作時間、表示装置に近づいた人数のうち、少なくとも1つをパラメーターとするので、ユーザーに対して適切な清掃タイミングに自発的に画面16の清掃を促すことができる。
【0082】
(1-3)視認度合の低下は、表示濃度を変化させることによる。この構成によれば、画面16において表示濃度が変化することで視認度合が低下するので、ユーザーに対して自発的な画面16の清掃を促しやすい。
【0083】
(1-4)制御部20は、画面16の清掃が実施されると、視認度合を初期状態に戻す。この構成によれば、画面16の清掃が実施されると、視認度合を初期状態に戻るので、掃除を促しやすい。
【0084】
(1-5)制御部20は、画面16の清掃が進むに従って、視認度合を段階的または連続的に高くする。この構成によれば、画面16の清掃が進むに従って、視認度合が高くなるので、清掃の進み度合を認知しやすい。
【0085】
(1-6)制御部20は、画面16のうち清掃の終わった領域の視認度合を高くする。この構成によれば、画面16の清掃の進み度合をユーザーに認知させることができる。例えば、清掃のやり残しが発生しにくい。
【0086】
(1-7)制御部20は、画面16の掃除を促す清掃管理モードを有する。制御部20は、表示内容の視認度合をパラメーターの累積値に応じて低下させる処理を、清掃管理モードがオンのときに実行する。複合機11は、清掃管理モードのオン・オフを切り換え可能に構成される。この構成によれば、画面16の清掃を促すことを望む場合にその選択をすることができる。
【0087】
(1-8)制御部20は、パラメーターの累積値が閾値を超えると表示内容の視認度合を低下させる。この構成によれば、パラメーターの累積値に応じて表示内容の視認度合を段階的に低下させることができる。例えば、制御部20の処理の負担を軽減できる。
【0088】
(1-9)複合機11は、閾値を変更可能にユーザーにより操作される閾値変更操作部を備える。この構成によれば、ユーザーは閾値変更操作部を操作することで閾値を変更できるので、視認度合を低下させる速度を調整することができる。よって、画面16の清掃をより適切なタイミングでユーザーに促すことができる。
【0089】
(1-10)制御部20は、複数のパラメーター間の換算式を用いて複数のパラメーターの総合的な累積値を取得し、累積値が閾値を超えるか否かを判断する。この構成によれば、複数のパラメーターの総合的な累積値が換算値を用いて適切に取得されるので、画面16の汚染度合を複数の要因から適切に評価できる。よって、画面16の清掃をより適切なタイミングでユーザーに促すことができる。
【0090】
(1-11)複合機11は、周囲環境の温度、湿度、粉じん量、油分量、および、操作者の体温のうち少なくとも1つを検出する検出部を備える。パラメーターの累積値に対して検出部により得られた検出量に応じた係数を乗じることで累積値を補正するか、または検出部より得られた検出値を基に閾値を変化させる。この構成によれば、囲環境の温度、湿度、粉じん量、油分量、および、操作者の体温のうち少なくとも1つが考慮された累積値に基づいて画面16の汚染度合が評価される。よって、画面16の清掃をより適切なタイミングで促すことができる。
【0091】
(1-12)画面16を有する表示部15を備える表示装置の表示制御方法では、制御部20は、次の(A)および(B)を行う。(A)制御部20が、少なくとも清掃管理モードにおいて、前回の清掃時からの経過時間、操作回数、操作時間、複合機に近づいた人数のうち少なくとも1つをパラメーターとしてパラメーターの値を累積し、パラメーターの累積値に応じて表示部15の表示内容の視認度合を低下させること。(B)画面16が清掃されることで検出する接触面積に応じて、表示部15の表示内容の視認度合を高く変更すること。この表示制御方法によれば、表示装置の一例である複合機11と同様に、画面16が清掃されることなく放置される頻度を低減できる。
【0092】
(1-13)画面16を有する表示部15を備える表示装置が備えるコンピューター30により実行される表示制御プログラムは、コンピューター30に、次のAステップおよびBステップを実行させる。Aステップ:コンピューター30に、少なくとも清掃管理モードにおいて、前回の清掃時からの経過時間、操作回数、操作時間、複合機11に近づいた人数のうち少なくとも1つをパラメーターとしてパラメーターの値を累積し、パラメーターの累積値に応じて表示部15の表示内容の視認度合を低下させる。Bステップ:画面16が清掃されることで検出する接触面積に応じて、表示部15の表示内容の視認度合を高く変更する。この表示制御プログラムによれば、表示装置の一例である複合機11と同様に、画面16が清掃されることなく放置される頻度を低減できる。
【0093】
(第2実施形態)
次に、図9図14を参照して第2実施形態について説明する。なお、複合機11の基本的な構成および電気的な構成は前記第1実施形態と同様であるので、以下、第1実施形態と特に異なる点について説明する。
【0094】
制御部20は、画面16におけるユーザーによる操作位置に応じた位置で表示内容の視認度合を低下させる。前記第1実施形態では、画面16の表示内容全体について視認度合を段階的または連続的に低下させた。これに対して、第2実施形態では、画面16の表示内容であるメイン画面MGのうちユーザーが接触した操作位置に応じた位置において部分的に表示内容の視認度合を低下させる。また、前記第1実施形態では、視認度合の低下は、表示濃度を変化させることにより行った。これに対して、第2実施形態では、視認度合の低下は、障害物を表示させることにより行う。
【0095】
具体的には、図9に示すように、画面16におけるユーザーによる操作位置に応じた位置に、障害物61を表示する処理を行う。図9では、ユーザーによる操作位置に応じた位置に、例えば落ち葉である障害物61を表示する。このため、ユーザーが入力部50を操作するために指で画面16に接触した位置に、障害物61が表示される。この結果、表示部15の表示内容であるメイン画面MGの視認度合が低下する。
【0096】
そして、図10に示すように、画面16において、前回の画面清掃時からの経過時間、前回の画面清掃時からのユーザーの操作回数、操作時間、前回の画面清掃時からの複合機11に近づいた人数のうち少なくとも1つであるパラメーターの累積値が大きくなるほど、障害物61の数が段階的に増える。ユーザーにとって、画面16において障害物61の数が増えるほど、表示内容であるメイン画面MGの視認度合が低下する。このように画面16の表示内容の視認度合が低下することで、ユーザーに画面16の清掃を促す。
【0097】
ユーザーは、画面16に表示された表示内容の視認度合が低下すると、あるタイミングで、画面16を掃除することで、画面16の表示内容の視認度合を図3に示す初期状態に戻す。
【0098】
図11に示す例では、ユーザーが画面16を清掃のために払拭すると、画面16に表示された箒62が、図11に一点鎖線で示されるユーザーが画面16を払拭した払拭経路T1に沿って移動する。そして、制御部20は、ユーザーが画面16を払拭した払拭経路T1に沿って追従する箒62が、落ち葉である障害物61を払拭領域から掃き出して移動する画像を表示する。落ち葉である障害物61が箒62によって画面16から掃き出されることによって、画面16の表示内容は、図3と同じ初期状態に戻る。こうして、ユーザーが画面16の全体を払拭し終わると、画面16は図3に示す初期状態に戻る。
【0099】
制御部20は、画面16の清掃が終わると、ユーザーによる終了操作の受け付け、またはタイムリミットにより、清掃実施モードから清掃管理モードに戻す。
また、図12図14に示すように、障害物63は桜の花でもよい。具体的には、図12に示すように、画面16におけるユーザーによる操作位置に応じた位置に、障害物63を表示する処理を行う。図12では、ユーザーによる操作位置に応じた位置に、例えば桜の花である障害物63を表示する。このため、ユーザーが入力部50を操作するために指で画面16に接触した位置に、障害物63が表示される。この結果、表示部15の表示内容であるメイン画面MGの視認度合が低下する。
【0100】
そして、図13に示すように、画面16において、前回の画面清掃時からの経過時間、前回の画面清掃時からのユーザーの操作回数、操作時間、前回の画面清掃時からの複合機11に近づいた人数のうち少なくとも1つであるパラメーターの累積値が大きくなるほど、障害物63の数が段階的に増える。ユーザーにとって、画面16において障害物63の数が増えるほど、表示内容であるメイン画面MGの視認度合が低下する。このように画面16の表示内容の視認度合が低下することで、ユーザーに画面16の清掃を促す。
【0101】
ユーザーは、画面16に表示された表示内容の視認度合が低下すると、あるタイミングで、画面16を掃除することで、画面16の表示内容の視認度合を図3に示す初期状態に戻す。
【0102】
図14に示す例では、ユーザーが画面16を清掃のために払拭すると、画面16に表示された箒62が、図14に一点鎖線で示されるユーザーが画面16を払拭した払拭経路T1に沿って移動する。そして、制御部20は、ユーザーが画面16を払拭した払拭経路T1に沿って追従する箒62が、桜の花である障害物63を払拭領域から掃き出して移動する画像を表示する。桜の花である障害物63が箒62によって画面16から掃き出されることによって、画面16の表示内容は、図3と同じ初期状態に戻る。こうして、ユーザーが画面16の全体を払拭し終わると、画面16は図3に示す初期状態に戻る。
【0103】
制御部20は、画面16の清掃が終わると、ユーザーによる終了操作の受け付け、またはタイムリミットにより、清掃実施モードから清掃管理モードに戻す。
制御部20は、内部のクロックにより管理する現在の日付情報に基づく日付が属する季節に応じて障害物61,63の図柄を変更してもよい。例えば、現在の日付情報から現在の季節が「秋」であれば、図9図11に示す秋に関連する「落ち葉」の図柄を障害物61とする。また、現在の日付情報から現在の季節が「春」であれば、図12図14に示す春に関連する「桜の花」の図柄を障害物61とする。
【0104】
第2実施形態によれば、第1実施形態における(1-1)、(1-2)、(1-4)~(1-13)の効果が同様に得られる他、以下の効果が得られる。
(2-1)制御部20は、画面16におけるユーザーによる操作位置に応じた位置で表示内容の視認度合を低下させる。この構成によれば、画面16においてユーザーによる操作頻度の高い位置ほど視認度合が低下するので、ユーザーに対して自発的な画面16の清掃を一層促しやすい。
【0105】
(2-2)視認度合の低下は、障害物61,63を表示させることによる。この構成によれば、画面16において障害物61,63を表示させることで視認度合が低下するので、ユーザーに対して自発的な画面16の清掃を促しやすい。
【0106】
(第3実施形態)
次に、図15図17を参照して第3実施形態について説明する。なお、複合機11の基本的な構成および電気的な構成は前記第1実施形態と同様であるので、以下、第1実施形態と特に異なる点について説明する。
【0107】
制御部20は、画面16におけるユーザーによる操作位置に応じた位置で表示内容の視認度合を低下させる。前記第1実施形態では、画面16の表示内容全体について視認度合を段階的または連続的に低下させた。これに対して、第3実施形態では、第2実施形態と同様に、画面16の表示内容であるメイン画面MGのうちユーザーが接触した操作位置に応じた位置において部分的に表示内容の視認度合を低下させる。また、前記第1実施形態では、視認度合の低下は、表示濃度を変化させることにより行った。この第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、視認度合の低下は、表示濃度を変化させることにより行う。
【0108】
すなわち、第3実施形態においては、画面16におけるユーザーによる操作位置に応じた位置で表示内容の視認度合を部分的に低下させ、その視認度合を低下させる処理を、表示濃度を低下させる処理により行う。
【0109】
具体的には、図15に示すように、画面16におけるユーザーによる操作位置に応じた位置に、表示濃度を下げた低濃度領域71を表示する処理を行う。図15では、ユーザーによる操作位置に応じた位置に、例えば円形の低濃度領域71を表示する。このため、ユーザーが指等で画面16に接触した位置に、低濃度領域71が表示されるので、表示内容であるメイン画面MGの視認度合が低下する。
【0110】
そして、図16に示すように、画面16において、前回の画面清掃時からの経過時間、前回の画面清掃時からのユーザーの操作回数、操作時間、前回の画面清掃時からの複合機11に近づいた人数のうち少なくとも1つであるパラメーターの累積値が多くなるほど、障害物61の数が段階的に増える。ユーザーにとって、画面16において低濃度領域71の数が増えるほど、表示内容であるメイン画面MGの視認度合が低下する。このように画面16に表示される表示内容の視認度合が低下することで、ユーザーに画面16の清掃を促す。
【0111】
ユーザーは、画面16に表示された表示内容の視認度合が低下すると、あるタイミングで画面16を掃除する。ユーザーは、画面16の清掃を行うときは、清掃管理モードから清掃実施モードへ切り換える。ユーザーは、画面16を払拭して清掃することで、画面16の表示内容の視認度合を図3に示す初期状態に戻す。
【0112】
図17に示す例では、ユーザーが画面16を清掃のために払拭すると、画面16に表示された払拭部72が、ユーザーが画面16を払拭した払拭経路に沿って移動する払拭部72を表示させる。そして、制御部20は、ユーザーが画面16を払拭した領域、つまりユーザーが画面16を払拭した払拭経路に沿って追従する払拭部72で払拭された領域を、初期状態と同じ表示濃度に戻す。こうして、ユーザーが画面16の全体を払拭し終わると、画面16は図3に示す初期状態に戻る。
【0113】
制御部20は、画面16の清掃が終わると、ユーザーによる終了操作の受け付け、またはタイムリミットにより、清掃実施モードから清掃管理モードに戻す。
第3実施形態によれば、第1実施形態における(1-1)~(1-13)の効果、および第2実施形態における(2-1)の効果が同様に得られる。
【0114】
(第4実施形態)
次に、図18図20を参照して第2実施形態について説明する。なお、複合機11の基本的な構成および電気的な構成は前記第1実施形態と同様であるので、以下、第1実施形態と特に異なる点について説明する。
【0115】
制御部20は、画面16におけるユーザーによる操作位置に応じた位置で表示内容の視認度合を低下させる。前記第1実施形態では、画面16の表示内容全体について視認度合を段階的または連続的に低下させた。これに対して、第4実施形態では、第2実施形態と同様に、画面16の表示内容であるメイン画面MGのうちユーザーが接触した操作位置に応じた位置において部分的に表示内容の視認度合を低下させる。また、第4実施形態では、視認度合の低下は、第2実施形態と同様に、障害物73を表示させることにより行う。
【0116】
具体的には、図18に示すように、画面16におけるユーザーによる操作位置に応じた位置に、障害物73を表示する処理を行う。図18では、ユーザーによる操作位置に応じた位置に、例えば指紋である障害物73を表示する。このため、ユーザーが指等で画面16に接触した位置に、障害物73が表示されるので、表示内容であるメイン画面MGの視認度合が低下する。
【0117】
そして、図19に示すように、画面16において、前回の画面清掃時からの経過時間、前回の画面清掃時からのユーザーの操作回数、操作時間、前回の画面清掃時からの複合機11に近づいた人数のうち少なくとも1つであるパラメーターの累積値が大きくなるほど、障害物73の数が段階的に増える。ユーザーにとって、画面16において障害物73の数が増えるほど、表示内容であるメイン画面MGの視認度合が低下する。このように画面16の表示内容の視認度合が低下することで、ユーザーに画面16の清掃を促す。
【0118】
本実施形態では、ユーザーが接触した位置に障害物73が表示されるので、ユーザーは、他のユーザーを含む複数人が画面16のどの位置を触れたかを視認できる。例えば、他のユーザーが触れた位置を避けて入力部50を操作することが可能になる。
【0119】
さらに、本実施形態の制御部20は、画面16に接触した位置に表示させた障害物73を、表示時点からの時間の経過と共にその表示濃度を薄く変化させる。そのため、ユーザーは、障害物73の表示濃度から、他のユーザー等が画面16に接触した時からの経過時間の長短を推測することが可能である。よって、ユーザーは、なるべく表示濃度の高い障害物73を避けて画面16の入力部50を操作することができる。例えば、ユーザーは、画面16を介した感染症の接触感染を予防することができる。
【0120】
障害物73の表示濃度を制御する処理では、制御部20は、複数の障害物73の表示時点からの経過時間を個々に管理して各障害物73の表示濃度を個々の経過時間から個別に変化させてもよい。また、制御部20は、複数の障害物73のうち最も新しい障害物73の表示時点からの経過時間に合わせて全ての障害物73を同じ表示濃度で表示させてもよい。
【0121】
ユーザーは、画面16に表示された表示内容の視認度合が障害物73によって低下すると、あるタイミングで画面16を掃除する。ユーザーは、画面16の清掃を行うときは、清掃管理モードから清掃実施モードへ切り換える。ユーザーは、画面16を払拭して清掃することで、画面16の表示内容の視認度合を図3に示す初期状態に戻す。
【0122】
図20に示す例では、ユーザーが画面16を清掃のために払拭すると、画面16に表示された払拭部74が、図20に一点鎖線で示されるユーザーが画面16を払拭した払拭経路T2に沿って移動する。そして、制御部20は、ユーザーが画面16を払拭した払拭経路T2に沿って追従する払拭部74が、指紋である障害物73を払拭して消滅させる画像を表示する。指紋である障害物73が払拭部74によって画面16から拭き取られることによって、画面16の表示内容は、図3と同じ初期状態に戻る。こうして、ユーザーが画面16の全体を払拭し終わると、画面16は図3に示す初期状態に戻る。
【0123】
制御部20は、画面16の清掃が終わると、ユーザーによる終了操作の受け付け、またはタイムリミットにより、清掃実施モードから清掃管理モードに戻す。
第4実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
【0124】
(4-1)制御部20は、画面16に接触した位置に表示させた障害物73を、表示時点からの時間の経過と共にその表示濃度を薄く変化させる。よって、ユーザーは、なるべく表示濃度の高い障害物73を避けて画面16の入力部50を操作することができる。例えば、ユーザーは、画面16を介した接触感染を予防することができる。
【0125】
(第5実施形態)
次に、図21図23を参照して第5実施形態について説明する。なお、複合機11の基本的な構成および電気的な構成は前記第1実施形態と同様であるので、以下、第1実施形態と特に異なる点について説明する。
【0126】
制御部20は、前回の画面清掃時から少なくとも1つのパラメーターの値を累積し、画面16に表示される表示内容の視認度合をパラメーターの累積値に応じて低下させる。
制御部20は、表示内容の視認度合を低下させるために、画面16に表示される入力部50のサイズを小さくする。この第5実施形態では、画面16のうち表示画面を描画する表示領域DAを小さくすることで、視認度合を低下させる。図21に示す例では、表示領域DAを小さく変化させることで、メイン画面MGのサイズが小さく変化する。つまり、制御部20は、メイン画面MGの表示サイズを小さなサイズに縮小することで、メイン画面MG中の入力部50の表示サイズを小さく変化させる。これにより、画面16の表示内容の視認度合を低下させる。
【0127】
具体的には、図21に示すように、画面16において、前回の画面清掃時からの経過時間、前回の画面清掃時からのユーザーの操作回数、操作時間、前回の画面清掃時からの複合機11に近づいた人数のうち少なくとも1つであるパラメーターの累積値が大きくなるほど、表示領域DAの表示サイズが段階的または連続的に小さくなる。例えば、パラメーターの累積値が第1閾値SV1を超える度に、図21図22に示すように、表示領域DAの表示サイズが段階的に小さくなる。ユーザーにとって、表示領域DAの表示サイズが小さくなるほど、入力部50の表示サイズが小さくなるので、入力部50の視認度合が低下する。このように画面16の表示内容の視認度合が低下することで、ユーザーに画面16の清掃を促す。
【0128】
ユーザーは、画面16の表示内容の視認度合が表示領域DAの表示サイズの縮小によって低下すると、あるタイミングで画面16を掃除する。ユーザーは、画面16の清掃を行うときは、清掃管理モードから清掃実施モードへ切り換える。ユーザーは、画面16を払拭して清掃することで、画面16の表示内容の視認度合を図3に示す初期状態に戻す。
【0129】
図23に示す例では、ユーザーが画面16を清掃のため払拭すると、画面16に表示された払拭部74が、図23に一点鎖線で示されるユーザーによる払拭経路T2に沿って移動する。そして、制御部20は、ユーザーが画面16を払拭した払拭面積(例えば画素数)が増えるに従って段階的または連続的に表示領域DAの表示サイズを大きく変化させる。
【0130】
本例の制御部20は、ユーザーが画面16を払拭した払拭面積(例えば画素数)が第2閾値SV2を超える度に、表示領域DAの表示サイズを段階的に大きくする。そして、ユーザーが画面16の全体を拭き取ることによって、画面16の表示領域DAの表示サイズが、図3と同じ初期状態に戻る。つまり、画面16における入力部50の表示サイズが初期状態と同じサイズに戻る。こうして、ユーザーが画面16の全体を払拭し終わると、画面16は図3に示す初期状態に戻る。
【0131】
制御部20は、画面16の清掃を終えたユーザーからの終了操作の受け付け、または画面16の表示内容が初期状態に戻った時点からのタイムリミットにより、清掃実施モードから清掃管理モードに戻す。
【0132】
第5実施形態によれば、第1実施形態における(1-1)、(1-2)、(1-4)、(1-5)、(1-7)~(1-13)の効果が同様に得られる他、以下の効果が得られる。
【0133】
(5-1)視認度合の低下は、入力部50のサイズを小さくすることによる。この構成によれば、画面16において入力部50のサイズが小さくなることで視認度合が低下するので、ユーザーに対して自発的な画面16の清掃を促しやすい。
【0134】
(第6実施形態)
次に、図24図26を参照して第6実施形態について説明する。なお、複合機11の基本的な構成および電気的な構成は前記第1実施形態と同様であるので、以下、第1実施形態と特に異なる点について説明する。
【0135】
制御部20は、前回の画面清掃時から少なくとも1つのパラメーターの値を累積し、画面に表示される表示内容の視認度合をパラメーターの累積値に応じて低下させる。
制御部20は、表示内容の視認度合を低下させるために、画面16に表示内容(表示画面)を表示させる領域である表示領域DAのサイズを小さくする。この第6実施形態では、画面16に表示されるメイン画面MG等の表示画面の表示サイズはそのままで、画面16のうち表示画面を表示する表示領域DAを小さくすることで、表示内容の視認度合を低下させる。図24に示す例では、表示領域DAを小さく変化させることで、メイン画面MGのうち表示される領域が小さく変化する。つまり、制御部20は、メイン画面MGのうち表示領域DAの表示サイズを小さなサイズに縮小することで、メイン画面MGの視認度合を低下させる。これにより、画面16の表示内容の視認度合を低下させる。
【0136】
具体的には、図24に示すように、画面16において、前回の画面清掃時からの経過時間、前回の画面清掃時からのユーザーの操作回数、操作時間、前回の画面清掃時からの複合機11に近づいた人数のうち少なくとも1つであるパラメーターの累積値が大きくなるほど、表示領域DAの表示サイズが段階的または連続的に小さくなる。例えば、パラメーターの累積値が第1閾値SV1を超える度に、図24図25に示すように、表示領域DAの表示サイズが段階的に小さくなる。ユーザーにとって、表示領域DAの表示サイズが小さくなるほど、メイン画面MGのうち表示領域DAの表示サイズが小さくなるので、メイン画面MGの視認度合が低下する。このように画面16の表示内容の視認度合が低下することで、ユーザーに画面16の清掃を促す。
【0137】
ユーザーは、画面16の表示内容の視認度合が表示領域DAの表示サイズの縮小によって低下すると、あるタイミングで画面16を掃除する。ユーザーは、画面16の清掃を行うときは、清掃管理モードから清掃実施モードへ切り換える。ユーザーは、画面16を払拭して清掃することで、画面16の表示内容の視認度合を図3に示す初期状態に戻す。
【0138】
図26に示す例では、ユーザーが画面16を清掃のため払拭すると、画面16に表示された払拭部74が、図26に一点鎖線で示されるユーザーによる払拭経路T2に沿って移動する。そして、制御部20は、ユーザーが画面16を払拭した払拭面積(例えば画素数)が増えるに従って段階的または連続的に表示領域DAの表示サイズを大きく変化させる。
【0139】
本例の制御部20は、ユーザーが画面16を払拭した払拭面積(例えば画素数)が第2閾値SV2を超える度に、表示領域DAの表示サイズを段階的に大きくする。そして、ユーザーが画面16の全体を拭き取ることによって、画面16の表示領域DAの表示サイズが、図3と同じ初期状態に戻る。つまり、画面16における入力部50の表示サイズが初期状態と同じサイズに戻る。こうして、ユーザーが画面16の全体を払拭し終わると、画面16は図3に示す初期状態に戻る。
【0140】
制御部20は、画面16の清掃を終えたユーザーからの終了操作の受け付け、または画面16の表示内容が初期状態に戻った時点からのタイムリミットにより、清掃実施モードから清掃管理モードに戻す。
【0141】
第6実施形態によれば、第1実施形態における(1-1)、(1-2)、(1-4)、(1-5)、(1-7)~(1-13)の効果が同様に得られる他、以下の効果が得られる。
【0142】
(6-1)視認度合の低下は、画面16に表示内容を表示させる領域である表示領域DAのサイズを小さくすることによる。この構成によれば、画面16における表示領域DAのサイズが小さくなることで視認度合が低下するので、ユーザーに対して自発的な画面16の清掃を促しやすい。
【0143】
なお、上記実施形態は以下に示す変更例のような形態に変更することもできる。さらに、上記実施形態および以下に示す変更例を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできるし、以下に示す変更例同士を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできる。
【0144】
・第1実施形態において、画面16の表示内容の視認度合を低下させるため、第2および第4実施形態における障害物61,63,73をさらに表示してもよい。
・第2実施形態において、制御部20は、第4実施形態と同様に、障害物61,63の表示時点からの経過時間に従って障害物61,63の表示濃度を段階的または連続的に薄く変化させてもよい。
【0145】
・第2実施形態において、ユーザーが画面16を清掃したときに障害物61,63が掃き出される画像に替え、第4実施形態のように、障害物61,63が拭き取られる画像を表示させてもよい。
【0146】
・第1実施形態および第3実施形態において、表示内容の視認度合の低下は、表示濃度を濃くすることにより行ってもよい。第1実施形態では、表示画面であるメイン画面MGの表示濃度を高くすることで、表示画面の視認度合を低下させてもよい。また、第3実施形態では、低濃度領域71に替え、高濃度領域を採用してもよい。
【0147】
・第5実施形態および第6実施形態において、表示内容の視認度合の低下は、表示内容の表示濃度を薄くすることを加えてもよい。
・各実施形態において、表示装置は、清掃管理モードを備え、清掃実施モードを備えない構成でもよい。
【0148】
・表示装置の一例としての複合機11は、フラットベッド方式とフィード方式とのうち一方の読取部を有する構成でもよい。
・表示装置は、複合機11に限定されず、スキャン機構およびコピー機能を備えないプリンターでもよい。この場合、プリンターは、インクジェット方式プリンターでもよいし、ドットインパクト式プリンターでもよい。また、表示装置は、捺染機でもよい。また、複合機11およびプリンターは、シリアルプリンター、ラインプリンター、ページプリンターのうちどれでもよい。
【0149】
・表示装置は、表示部を有するスキャナーでもよい。
・表示装置は、複合機11、プリンター、スキャナー以外の電子機器でもよい。つまり、表示装置は、表示部を有する電子機器であればよい。電子機器は、表示部を有する家電機器でもよい。なお、表示装置に近づいた人数をパラメーターとする場合は、複数人に共用される電子機器であることが好ましい。
【0150】
以下、前記実施形態及び変更例から把握される技術思想を効果と共に記載する。
(A)画面を有する表示部と、前記画面の表示内容を変化させる制御部とを有する表示装置であって、前記画面に触れることによって当該画面上の位置を接触位置として入力可能な入力部を有する前記表示部と、前記表示部を制御する前記制御部とを備え、前回の画面清掃時からの前記画面の汚染度合を表す因子のうち少なくとも1つをパラメーターとした場合、前記制御部は、前回の画面清掃時から少なくとも1つの前記パラメーターの値を累積し、前記画面に表示される表示内容の視認度合を前記パラメーターの累積値に応じて低下させる。
【0151】
この構成によれば、前回の画面清掃時から累積された少なくとも1つのパラメーターの累積値に基づいて表示内容の視認度合が低下するので、視認度合の低下によって、ユーザーに対して自発的に画面の清掃を促すことができる。よって、画面が清掃されることなく放置される頻度を低減できる。
【0152】
(B)上記表示装置において、少なくとも1つの前記パラメーターは、前回の画面清掃時からの経過時間、前回の画面清掃時から前記画面に触れて操作された操作回数、操作時間、前回の画面清掃時から表示装置に近づいた人数のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0153】
この構成によれば、前回の画面清掃時からの経過時間、操作回数、操作時間、表示装置に近づいた人数のうち、少なくとも1つをパラメーターとするので、ユーザーに対して適切な清掃タイミングに自発的に画面の清掃を促すことができる。
【0154】
(C)上記表示装置において、前記制御部は、前記画面におけるユーザーによる操作位置に応じた位置で前記表示内容の視認度合を低下させてもよい。
この構成によれば、画面においてユーザーによる操作頻度の高い位置ほど視認度合が低下するので、ユーザーに対して自発的な画面の清掃を一層促しやすい。
【0155】
(D)上記表示装置において、前記視認度合の低下は、表示濃度を変化させることでもよい。この構成によれば、画面において表示濃度が変化することで視認度合が低下するので、ユーザーに対して自発的な画面の清掃を促しやすい。
【0156】
(E)上記表示装置において、前記視認度合の低下は、障害物を表示させることでもよい。この構成によれば、画面において障害物を表示させることで視認度合が低下するので、ユーザーに対して自発的な画面の清掃を促しやすい。
【0157】
(F)上記表示装置において、前記視認度合の低下は、前記入力部のサイズを小さくすることでもよい。
この構成によれば、画面において入力部のサイズが小さくなることで視認度合が低下するので、ユーザーに対して自発的な画面の清掃を促しやすい。
【0158】
(G)上記表示装置において、前記視認度合の低下は、前記画面に前記表示内容を表示させる領域である表示領域のサイズを小さくすることでもよい。
この構成によれば、画面において操作部のサイズが小さくなることで視認度合が低下するので、ユーザーに対して自発的な画面の清掃を促しやすい。
【0159】
(H)上記表示装置において、前記制御部は、前記画面の清掃が実施されると、前記視認度合を初期状態に戻してもよい。
この構成によれば、画面の清掃が実施されると、視認度合を初期状態に戻るので、掃除を促しやすい。
【0160】
(I)上記表示装置において、前記制御部は、前記画面の清掃が進むに従って、前記視認度合を段階的または連続的に高くしてもよい。
この構成によれば、画面の清掃が進むに従って、視認度合が高くなるので、清掃の進み度合を認知しやすい。
【0161】
(J)上記表示装置において、前記制御部は、前記画面のうち清掃の終わった領域の前記視認度合を高くしてもよい。
この構成によれば、画面の清掃の進み度合をユーザーに認知させることができる。例えば、清掃のやり残しが発生しにくい。
【0162】
(K)上記表示装置において、前記制御部は、前記画面の掃除を促す清掃管理モードを有し、前記表示内容の視認度合を前記パラメーターの累積値に応じて低下させる処理を前記清掃管理モードがオンのときに実行し、前記清掃管理モードのオン・オフを切り換え可能に構成されてもよい。この構成によれば、画面の清掃を促すことを望む場合にその選択をすることができる。
【0163】
(L)上記表示装置において、前記制御部は、前記パラメーターの累積値が閾値を超えると前記表示内容の視認度合を低下させてもよい。
この構成によれば、パラメーターの累積値に応じて表示内容の視認度合を段階的に低下させることができる。例えば、制御部の処理の負担を軽減できる。
【0164】
(M)上記表示装置において、前記閾値を変更可能にユーザーにより操作される閾値変更操作部を備えてもよい。
この構成によれば、ユーザーは閾値変更操作部を操作することで閾値を変更できるので、視認度合を低下させる速度を調整することができる。よって、画面の清掃をより適切なタイミングでユーザーに促すことができる。
【0165】
(N)上記表示装置において、前記制御部は、複数のパラメーター間の換算式を用いて複数のパラメーターの総合的な前記累積値を取得し、当該累積値が前記閾値を超えるか否かを判断してもよい。
【0166】
この構成によれば、複数のパラメーターの総合的な累積値が換算値を用いて適切に取得されるので、画面の汚染度合を複数の要因から適切に評価できる。よって、画面の清掃をより適切なタイミングでユーザーに促すことができる。
【0167】
(O)上記表示装置において、周囲環境の温度、湿度、粉じん量、油分量、および、操作者の体温のうち少なくとも1つを検出する検出部を備え、前記パラメーターの累積値に対して前記検出部により得られた検出量に応じた係数を乗じることで前記累積値を補正するか、または前記検出部より得られた検出値を基に前記閾値を変化させてもよい。
【0168】
この構成によれば、囲環境の温度、湿度、粉じん量、油分量、および、操作者の体温のうち少なくとも1つが考慮された累積値に基づいて画面の汚染度合が評価される。よって、画面の清掃をより適切なタイミングで促すことができる。
【0169】
(P)画面を有する表示部を備える表示装置の表示制御方法であって、前記表示装置は、前記画面に触れることによって当該画面上の位置を接触位置として入力するための入力部を有する前記表示部と、前記表示部の動作を制御する制御部であって、前記表示部の動作モードとして、前記画面の掃除を促す清掃管理モードを有する前記制御部と、を備え、前記制御部が、少なくとも前記清掃管理モードにおいて、前回の清掃時からの経過時間、操作回数、操作時間、複合機に近づいた人数のうち少なくとも1つをパラメーターとして当該パラメーターの値を累積し、前記パラメーターの累積値に応じて前記表示部の表示内容の視認度合を低下させることと、前記画面が清掃されることで検出する接触面積に応じて、前記表示部の表示内容の視認度合を高く変更することと、を含む。この方法によれば、表示装置と同様に、画面が清掃されることなく放置される頻度を低減できる。
【0170】
(Q)画面を有する表示部を備える表示装置が備えるコンピューターにより実行される表示制御プログラムであって、前記表示装置は、前記画面に触れることによって当該画面上の位置を接触位置として入力するための入力部を有する前記表示部と、前記表示部の動作を制御する前記コンピューターであって、前記表示部の動作モードとして、前記画面の掃除を促す清掃管理モードを有する前記コンピューターと、を備え、前記コンピューターに、少なくとも前記清掃管理モードにおいて、前回の清掃時からの経過時間、操作回数、操作時間、複合機に近づいた人数のうち少なくとも1つをパラメーターとして当該パラメーターの値を累積し、前記パラメーターの累積値に応じて前記表示部の表示内容の視認度合を低下させるステップと、前記画面が清掃されることで検出する接触面積に応じて、前記表示部の表示内容の視認度合を高く変更するステップとを実行させる。このプログラムによれば、表示装置と同様に、画面が清掃されることなく放置される頻度を低減できる。
【符号の説明】
【0171】
11…表示装置の一例としての複合機、12…本体、13…読取部、13A…原稿台、14…自動給送部、14A…原稿トレイ、14B…エッジガイド、15…表示部、16…画面、17…印刷部、18…カセット、19…排出部、19A…排出トレイ、20…制御部、21…操作部、22…搬送部、23…記録ヘッド、24…接触検出部、25…第1センサー、26…検出部の一例としての第2センサー、30…コンピューター、31…第1計時部、32…第2計時部、33…第1カウンター、34…第2カウンター、35…表示制御部、36…記憶部、41…操作検出部、42…接触位置検出部、50…入力部、51…印刷ボタン、52…スキャンボタン、53…コピーボタン、54…操作ボタン、55…操作ボタン、56…払拭部、61…障害物、62…箒、63…障害物、71…低濃度領域、72…払拭部、73…障害物、74…払拭部、MG…メイン画面、PR…プログラム、SV1…第1閾値、SV2…第2閾値、ID1…第1画像データ、ID2…第2画像データ、F…累積値、BG…背景、MS…メッセージ、T1…払拭経路、T2…払拭経路、DA…表示領域、X…奥行方向、Y…幅方向、Z…鉛直方向。
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