(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182413
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089950
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 元
(74)【代理人】
【識別番号】100217191
【弁理士】
【氏名又は名称】林 信吾
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 潤
(72)【発明者】
【氏名】藤原 海
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088EB55
(57)【要約】
【課題】興趣性が高い演出を実行可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機では、特別遊技を実行するか否かの判定結果に基づいて、変動演出および報知演出を実行可能であり、変動演出には、第1変動演出と第2変動演出とがある。特別遊技終了後に第2遊技状態で遊技が制御される場合は、第1変動演出または第2変動演出で報知演出が実行され、特別遊技終了後に第1遊技状態で遊技が制御される場合は、第1変動演出で報知演出が実行され、第2変動演出では報知演出が実行されない。また、第2変動演出が実行される場合、第1変動演出画像を表示してから第2変動演出画像を表示する画像表示演出が実行されることがある。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する判定手段と、
所定の特別図柄表示手段に特別図柄を変動表示させてから前記判定手段の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
前記特別遊技を実行すると前記判定手段によって判定されたことを示す特別図柄が前記特別図柄表示手段に停止表示された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技の終了後に、第1遊技状態および当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を含む複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態で遊技を制御する遊技制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備える、ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出を制御する演出制御手段を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ遊技機等の遊技機では、始動口に遊技球が入賞すると、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かが判定され、特別図柄を変動表示した後に上記判定の結果を示す特別図柄が停止表示される。この種の遊技機の中には、ノーマルリーチ、SPリーチ、SPSPリーチといった各種のリーチ演出を実行し、これらのリーチ演出のいずれかのリーチ演出で当たり報知演出を行って特別遊技を実行した場合に、特別遊技終了後は確変遊技状態で遊技を制御するものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の遊技機で行われる演出は必ずしも十分な興趣性を有しているとは言えず、更なる興趣性の向上が求められている。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、興趣性が高い演出を実行可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するための第1発明の遊技機は、
遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する判定手段と、
所定の特別図柄表示手段に特別図柄を変動表示させてから前記判定手段の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
前記特別遊技を実行すると前記判定手段によって判定されたことを示す特別図柄が前記特別図柄表示手段に停止表示された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技の終了後に、第1遊技状態および当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を含む複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態で遊技を制御する遊技制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備える、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、興趣性が高い演出を実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図
【
図5】遊技機1の遊技状態について説明するための説明図
【
図6】通常遊技状態における演出の流れについて説明するための説明図
【
図7】リーチ中ボタン演出について説明するための説明図
【
図9】可能性示唆画像の表示色と示唆演出の発生確率との関係性について説明するための説明図
【
図10】第1演出パターンの段階演出の具体例を示す画面図
【
図11】第2演出パターンの段階演出の具体例を示す画面図
【
図12】メインRAM83の記憶領域と各記憶領域に記憶される情報について説明するための説明図
【
図13】メイン制御基板80において実行される割込み処理を例示するフローチャート
【
図14】
図13のステップS2におけるセンサ検知処理の詳細フローチャート
【
図15】
図14のステップS211,219における事前判定処理の詳細フローチャート
【
図16】
図13のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャート
【
図17】
図16のステップS308における大当たり判定処理の詳細フローチャート
【
図18】
図16のステップS309における変動パターン選択処理の詳細フローチャート
【
図19】
図16のステップS317における特図停止時処理の詳細フローチャート
【
図20】メイン制御基板80において大当たり遊技終了時に実行される遊技状態設定処理を例示するフローチャート
【
図21】サブ制御基板90において実行される割込み処理を例示するフローチャート
【
図22】
図21のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャート
【
図23】
図22のステップS13における保留コマンド受信処理の詳細フローチャート
【
図24】
図22のステップS16における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャート
【
図25】
図24のステップS163における変動演出パターン設定処理の詳細フローチャート
【
図26】
図24のステップS164における予告演出パターン設定処理の詳細フローチャート
【
図27】画像音響制御基板100において実行される割込み処理を例示するフローチャート
【
図28】
図27のステップS71における画像表示制御処理の詳細フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係る遊技機(パチンコ遊技機)1について説明する。
【0010】
[遊技機1の構成例]
まず、
図1,2を参照しつつ、遊技機1の構成例について説明する。ここで、
図1は遊技機1の正面図であり、
図2は遊技盤2の正面図である。
図1,2に示されるように、遊技機1は、遊技機枠30と、遊技機枠30内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠30は、装飾面を有する前面枠31と、遊技盤2等を取り付けるための本体枠と、遊技機1をホールの島設備に固定するための外枠とを有して構成されている。前面枠31は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置されたガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域3が形成されている。
【0011】
また、
図1に示されるように、前面枠31には、遊技球を発射させるための発射ハンドル32と、発射装置(不図示)へ供給される遊技球を貯留する上皿33と、上皿33に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿34とが設けられている。遊技者が発射ハンドル32を握って時計回りに回転させると、上皿33に貯留されていた遊技球が発射装置へと案内され、発射ハンドル32の回転角度に応じた発射強度で発射される。発射された遊技球は、遊技領域3の左側に位置するレール部材4に沿って移動した後に遊技領域3の上部位置へと案内され、遊技領域3に設けられた遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って遊技領域3を流下する。
【0012】
なお、レール部材4の終端には球戻り防止片6が設けられており、この球戻り防止片6によって、一旦遊技領域3に進入した遊技球が発射装置側に戻ることが防止される。また、発射ハンドル32と近接する位置に停止ボタンが設けられており、遊技者は、この停止ボタンを操作することによって、発射ハンドル32を初期姿勢に戻さなくても遊技球の発射を一時的に停止させることが可能である。
【0013】
遊技者が発射ハンドル32を小さい回転角度だけ回転させる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い発射強度で発射され、この遊技球は、左遊技領域3Lを流下する。一方、遊技者が発射ハンドル32を大きい回転角度だけ回転させる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い発射強度で発射され、この遊技球は、センター装飾体10の右上方に位置するレール部材4に沿って移動した後に右遊技領域3Rを流下する。
【0014】
左遊技領域3Lにおける遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、開閉部材23、及び3つの一般入賞口24が設けられている(
図2参照)。また、右遊技領域3Rにおける遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口22、上記開閉部材23、1つの一般入賞口24、ゲート25、第1大入賞口26、開閉部材27、第2大入賞口28、及び開閉部材29が設けられている(
図2参照)。
【0015】
発射装置から発射された遊技球は、遊技盤2に沿って遊技領域3を流下する過程で、第1始動口21、第2始動口22、一般入賞口24、第1大入賞口26、及び第2大入賞口28のいずれかに入賞する場合がある。この場合、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿33または下皿34に払い出される。なお、いずれにも入賞しなかった遊技球は、遊技盤2の下端部に形成された排出口を介して遊技領域3から排出される。
【0016】
なお、遊技盤2の中央に形成された開口部には、センター装飾体10が設けられている。このセンター装飾体10は、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11と、ワープ入口およびワープ出口を両端とするワープ部12とを有して構成されている。左遊技領域3Lを流下する遊技球は、ワープ入口からワープ部12に進入する場合があり、この遊技球は、ワープ出口から排出されてステージ部11へと案内される。このステージ部11の左右中央の位置には、ステージ部11上を転動する遊技球を第1始動口21に向けて落下させる案内溝が形成されている。このため、ワープ部12を介してステージ部11へと案内された遊技球は、ワープ部12を通過することなく左遊技領域3Lを流下する遊技球に比べて、第1始動口21に入賞し易い。
【0017】
第1始動口21は、常時開放されている始動領域である。第2始動口22は、普通電動役物としての開閉部材23が作動していないときには閉塞されており、開閉部材23が作動することによって開放される始動領域である。遊技機1では、遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞した場合、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行するか否かが判定される。そして、後述する第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において、図柄が変動表示され、上記判定の結果を示す図柄(大当たり図柄またはハズレ図柄)が停止表示される。ここで、大当たり図柄が停止表示された場合、第1大入賞口26または第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が実行される。また、ハズレ図柄が停止表示された場合、大当たり遊技は実行されない。
【0018】
なお、以下の説明では、第1始動口21に対する遊技球の入賞に応じて実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口22に対する遊技球の入賞に応じて実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらを総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
【0019】
第1大入賞口26は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第1大入賞口26の開口部には、第1大入賞口26を開閉するプレートである開閉部材27が設けられている。第1大入賞口26は、通常はこの開閉部材27によって閉塞されている。これに対して、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に所定の大当たり図柄が停止表示された場合、開閉部材27を作動させて第1大入賞口26を開放する大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、開閉部材27が第1大入賞口26を開放する開姿勢(
図2参照)を維持してから第1大入賞口26を閉塞する閉姿勢に戻る長開放ラウンド遊技が複数回行われる。なお、第1大入賞口26を開放する各長開放ラウンド遊技は、本実施形態では、第1大入賞口26に10個の遊技球が入賞するか、或いは、第1大入賞口26が開放されてから25秒が経過するまで継続する。
【0020】
第2大入賞口28は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第2大入賞口28の開口部には、第2大入賞口28を開閉する羽根部材である開閉部材29が設けられている。第2大入賞口28は、通常はこの開閉部材29によって閉塞されている。これに対して、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に所定の大当たり図柄が停止表示された場合、開閉部材29を作動させて第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、開閉部材29が第2大入賞口28を開放する開姿勢(
図2参照)を維持してから第2大入賞口28を閉塞する閉姿勢に戻る長開放ラウンド遊技が複数回行われる。なお、第2大入賞口28を開放する各長開放ラウンド遊技は、本実施形態では、第2大入賞口28に10個の遊技球が入賞するか、或いは、第2大入賞口28が開放されてから25秒が経過するまで継続する。
【0021】
このように、大当たり遊技中は第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)を長開放する複数回の長開放ラウンド遊技が行われるため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
【0022】
なお、説明の便宜上、
図2には、画像表示装置7の表示画面70において演出図柄が変動表示されているときに、開閉部材27,29が大入賞口26,28を開放する開姿勢となっている状態が図示されているが、実際には、演出図柄の変動表示中に開閉部材27,29が開姿勢となることはない。また、長開放ラウンド遊技では、第1大入賞口26および第2大入賞口28のいずれか一方が用いられるため、実際には、
図2に示されるようにこれらの大入賞口が同時に開放されることはない。また、第1大入賞口26と第2大入賞口28のどちらの大入賞口を用いて大当たり遊技を行うかは、大当たりの種類に応じて予め設定されている。
【0023】
第2始動口22には開閉部材23(
図2参照)が近接配置されている。この開閉部材23は、開閉部材23が第2始動口22を閉塞する閉姿勢と、第2始動口22を開放する開姿勢(
図2参照)とに姿勢変化可能である。
【0024】
第2始動口22は、通常は開閉部材23によって閉塞されている。これに対して、遊技者が右打ちした遊技球がゲート25を通過すると、賞球は払い出されないものの、第2始動口22を開放するか否かの判定が行われる。ここで、第2始動口22を開放すると判定された場合、開閉部材23が所定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口22は、開閉部材23が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、開閉部材23が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。
【0025】
なお、以下の説明では、ゲート25に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
【0026】
一般入賞口24は、第1始動口21と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。ただし、第1始動口21等とは異なり、一般入賞口24に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
【0027】
[主表示器40の構成例]
図3は、
図2における主表示器40の拡大図である。
図3に例示されるように、主表示器40は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、普通図柄表示器43、第1特図保留表示器44、第2特図保留表示器45、普図保留表示器46、ラウンド表示器47、遊技状態表示器48、発射方向表示器49等を有して構成されている。
【0028】
第1特別図柄表示器41は、「i~p」で示す8個のLEDを有して構成されており、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記8個のLEDを順に点灯させることで図柄の変動表示を行い、第1特別図柄判定の判定結果に応じた組み合わせで各LEDを所定の確定時間(例えば0.6秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。
【0029】
第2特別図柄表示器42は、「a~h」で示す8個のLEDを有して構成されており、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記8個のLEDを順に点灯させることで図柄の変動表示を行い、第2特別図柄判定の判定結果に応じた組み合わせで各LEDを所定の確定時間(例えば0.6秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。
【0030】
第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)には、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す図柄として、大当たりであることを報知する「大当たり図柄」、又はハズレであることを報知する「ハズレ図柄」が停止表示される。なお、遊技機1では、大当たりの種類によって互いに異なる複数の大当たり図柄が用意されており、大当たり図柄が停止表示された場合、その大当たり図柄の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口26または第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が行われる。
【0031】
普通図柄表示器43は、「s~t」で示す2個のLEDを有して構成されており、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記2個のLEDを交互に点灯させることで図柄の変動表示を行い、普通図柄判定の判定結果に応じた点灯態様で各LEDを所定時間(例えば0.5秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。ここで、当たり図柄が停止表示された場合、現在の遊技状態に応じた開放パターンで開閉部材23を動作させることによって第2始動口22を開放する補助遊技が行われる。
【0032】
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41や第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器43に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。また、第1特別図柄表示器41に表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼び、第2特別図柄表示器42に表示される特別図柄を「第2特別図柄」と呼んで両者を区別する場合がある。
【0033】
第1特図保留表示器44は、「u~v」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特図保留表示器45は、「w~x」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって第2特別図柄判定の保留数を表示する。なお、本実施形態では、これらの保留数の上限がいずれも「4」に設定されている。普図保留表示器46は、「q~r」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって普通図柄判定の保留数を表示する。
【0034】
ラウンド表示器47は、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、その大当たり図柄に対応する大当たりに応じて実行される大当たり遊技における長開放ラウンド遊技のラウンド数を表示する。このラウンド表示器47は、4R用LEDと、6R用LEDと、8R用LEDと、10R用LEDとを有して構成されており、これらのLEDのいずれかが点灯することによって、長開放ラウンド遊技のラウンド数が報知される。
【0035】
遊技状態表示器48は、「a1~a3」で示す3個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって遊技機1の遊技状態を表示する。発射方向表示器49は、「y~z」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって遊技球の発射方向を表示する。すなわち、左打ちを行うべき状態であるか、或いは右打ちを行うべき状態であるかを表示する。
【0036】
[遊技機1が備える演出手段の構成例]
図1,2に例示されるように、遊技盤2や前面枠31には、各種の演出を行うものとして、装飾部材13、可動装飾部材14、枠ランプ37、スピーカ38、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、演出第2特図保留表示器127等が設けられている。また、遊技盤2の後方には、画像表示装置7が設けられている。
【0037】
装飾部材13は、複数のLEDを有して構成される盤面ランプ5(
図4参照)を内蔵しており、各LEDの点灯や点滅のパターンを変更したり、各LEDの発光色を変更したりすることによって、光による各種の演出を行う。
【0038】
可動装飾部材14は、画像表示装置7の前方であって且つ装飾部材13の後方に配置されている。この可動装飾部材14には複数のLEDが内蔵されており、可動装飾部材14は、可動装飾部材14自体の動きと光の両方或いは一方によって所定の演出を行う。本実施形態では、遊技盤2と画像表示装置7の表示画面70との間に、可動装飾部材14が動作可能な所定の空間が設けられており、可動装飾部材14は、表示画面70に沿って上下動可能に構成されている。可動装飾部材14は、通常は、その大部分が装飾部材13の後ろに隠れて可動装飾部材14の下端部だけが視認可能な初期位置(
図2参照)に配置されている。これに対して、可動装飾部材14は、例えば、画像表示装置7やスピーカ38を用いて大当たり信頼度が相対的に高い予告演出が実行される際や、大当たりを示唆する際に、所定の発光パターンで発光すると共に表示画面70の大部分を覆う動作位置へと落下する。
【0039】
枠ランプ37は、前面枠31の各所に内蔵された複数のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯や点滅のパターンを変更したり、各LEDの発光色を変更したりすることによって、光による各種の演出を行う。
【0040】
画像表示装置7は、その表示画面70に演出画像を表示する液晶表示装置であり、遊技者は、遊技盤2の中央部に形成された開口部を通して表示画面70を視認可能である。この表示画面70には、特別図柄判定の判定結果を報知する演出図柄、キャラクタやアイテム、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の保留数と同じ数だけ表示される保留画像(保留アイコン)、特別図柄の変動表示中であることを示唆する変動示唆画像(当該アイコン)等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置7は、演出画像を表示可能なものであれば液晶表示装置に限らず、EL表示装置等の他の画像表示装置であってもよい。
【0041】
スピーカ38は、表示画面70上で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音といった演出音を出力して音による演出を行う。
【0042】
演出表示器125は、2個のLEDを有して構成されており、特別図柄および演出図柄の変動表示に伴って図柄を変動表示し、特別図柄および演出図柄の停止表示に伴って特別図柄判定の判定結果を報知する図柄を停止表示する。この演出表示器125は、各LEDの点灯・消灯の組み合わせや点灯色によって、特別図柄判定の判定結果を報知する。
【0043】
演出第1特図保留表示器126は、2個のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯・消灯の組み合わせによって、第1特図保留表示器44に表示されるのと同じ第1特別図柄判定の保留数を表示する。演出第2特図保留表示器127は、2個のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯・消灯の組み合わせによって、第2特図保留表示器45に表示されるのと同じ第2特別図柄判定の保留数を表示する。
【0044】
[遊技機1が備える入力手段の構成例]
図1に例示されるように、前面枠31には、遊技者による入力が可能な入力手段として、第1演出ボタン35および第2演出ボタン36が設けられている。第1演出ボタン35は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。第2演出ボタン36は、遊技者が第2演出ボタン36の把持部を把持して第2演出ボタン36を押し込むことによって操作情報を入力するための押ボタンである。遊技機1では、第1演出ボタン35や第2演出ボタン36の操作に応じた演出が行われることがある。
【0045】
また、第1演出ボタン35には、第1演出ボタン35を発光させる複数のLEDから構成される第1演出ボタンランプ352(
図4参照)が内蔵され、第2演出ボタン36には、第2演出ボタン36を発光させる複数のLEDから構成される第2演出ボタンランプ362(
図4参照)が内蔵されている。遊技機1では、第1演出ボタン35の操作が有効な有効期間中に第1演出ボタン35の操作を遊技者に促すために、第1演出ボタンランプ352が複数の発光色のうちのいずれかの発光色で発光する。また、この第1演出ボタン35には、第1演出ボタン35を振動させる偏心モータから構成される振動モータ353(
図4参照)が内蔵されており、遊技機1では、大当たりを報知する演出図柄が表示画面70に表示されるのに伴って第1演出ボタン35が振動することで大当たりが報知される。また、遊技機1では、第2演出ボタン36の操作が有効な有効期間中に第2演出ボタン36の操作を遊技者に促すために、第2演出ボタンランプ362が複数の発光色のうちのいずれかの発光色で発光する。
【0046】
なお、入力手段の構成は本実施形態で例示するものに限らず、他のものであってもよい。すなわち、例えば、本実施形態では、遊技機1が2つの入力手段を備える場合について説明するが、入力手段は1つ或いは3つ以上であってもよい。また、押ボタンに限らず、遊技者のタッチ操作を検知可能なタッチパネル、例えば表示画面70に対してかざされた遊技者の手を検知可能な光センサ、前後左右に動かして位置や方向を指定するジョイスティック、遊技者が把持して姿勢変化させることが可能な入力手段といった他の入力手段であってもよい。
【0047】
[遊技機1が備える制御装置の構成]
図4は、遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図である。
遊技盤2の裏側には、遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
図4に例示されるように、遊技機1の制御装置は、遊技球を用いる遊技の進行を制御するメイン制御基板80、メイン制御基板80からの情報に基づいて演出を統括的に制御するサブ制御基板90、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板100、各種のランプや可動部材による演出を制御するランプ制御基板120等から構成されている。本実施形態では、メイン制御基板80が遊技の進行を制御する遊技制御部として機能し、サブ制御基板90、画像音響制御基板100、及びランプ制御基板120が演出を制御する演出制御部として機能する。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えばサブ制御基板90、画像音響制御基板100、及びランプ制御基板120が1つの基板で構成されていてもよい。
【0048】
<メイン制御基板80の構成例>
メイン制御基板80は、メインCPU81、メインROM82、及びメインRAM83を備えている。メインCPU81は、メインROM82に記憶されているプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM83は、メインCPU81が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。
【0049】
メイン制御基板80には、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、ゲートセンサ251、第1大入賞口センサ261、第2大入賞口センサ281、一般入賞口センサ241、第2始動口ソレノイド222、第1大入賞口ソレノイド262、第2大入賞口ソレノイド282が接続されている。なお、本実施形態の遊技機1は、4つの一般入賞口24に対応する4つの一般入賞口センサ241を備えているが、
図4では、説明の便宜上、一般入賞口センサ241が1つだけ表記されている。
【0050】
第1始動口センサ211は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第2始動口センサ221は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。ゲートセンサ251は、ゲート25に対する遊技球の通過を検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第1大入賞口センサ261は、第1大入賞口26に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第2大入賞口センサ281は、第2大入賞口28に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。一般入賞口センサ241は、一般入賞口24に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。
【0051】
第2始動口ソレノイド222は、開閉部材23に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材23を動作させて、第2始動口22を開閉する。第1大入賞口ソレノイド262は、開閉部材27に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材27を動作させて、第1大入賞口26を開閉する。第2大入賞口ソレノイド282は、開閉部材29に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材29を動作させて、第2大入賞口28を開閉する。
【0052】
図には示されていないが、遊技機1は、遊技盤2の裏面側に設けられた球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御して上皿33又は下皿34に遊技球を供給する払出制御基板を備えている。メインCPU81は、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、第1大入賞口センサ261、第2大入賞口センサ281、又は一般入賞口センサ241からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した箇所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板に指示し、また、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
【0053】
また、メインCPU81は、第1始動口センサ211からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、メインCPU81は、第2始動口センサ221からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。ここで、各種乱数とは、具体的には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数である。
【0054】
大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類(大当たり遊技のラウンド数や大当たり遊技終了後の遊技状態など)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有り演出を行うか或いはリーチ無し演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である。
【0055】
メインCPU81は、第1始動口21(又は第2始動口22)に遊技球が入賞したタイミングでこれらの乱数を取得し、先ず、取得した大当たり乱数が、メインROM82に記憶されている所定の乱数値(当選値)と一致するか否かに基づいて、大当たり遊技を実行するか否かを判定する。ここで、大当たり乱数が当選値と一致したことに基づいて大当たり遊技を実行すると判定した場合、上記大当たり乱数と一緒に取得した図柄乱数が、メインROM82に記憶されている(図柄乱数と比較される)所定の乱数値のどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
【0056】
ここで、大当たりの種類としては、4回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「4R確変大当たり」、6回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「6R確変大当たり」、8回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「8R確変大当たり」、10回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「10R確変大当たり」が一例として挙げられる。
【0057】
一方、メインCPU81は、取得した大当たり乱数が当選値と一致しなかったことに基づいて大当たり遊技を実行しないと判定した場合、その大当たり乱数と一緒に取得したリーチ乱数が、メインROM82に記憶されている(リーチ乱数と比較される)所定の乱数値(リーチ有りに対応する乱数値)と一致するか否かに基づいて、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかを決定する。また、メインCPU81は、大当たり乱数に基づく判定の結果に関わらず、大当たり乱数と一緒に取得した変動パターン乱数に基づいて、特別図柄を変動表示する際の特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、特別図柄の変動時間が決定されることになる。
【0058】
メインCPU81は、大当たり遊技を実行すると判定して、大当たりの種類を決定した場合、第1大入賞口ソレノイド262(又は第2大入賞口ソレノイド282)を介して第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)の開閉を制御することによって、大当たりの種類に応じた大当たり遊技を実行する。
【0059】
また、メインCPU81は、ゲートセンサ251からの検知信号が入力されたタイミングで乱数(普通図柄乱数)を取得し、取得した普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、この普通図柄判定の結果として第2始動口22を開放すると判定した場合、第2始動口ソレノイド222を介して第2始動口22の開閉を制御することによって、第2始動口22を開放する補助遊技を実行する。
【0060】
また、メイン制御基板80には、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、普通図柄表示器43、第1特図保留表示器44、第2特図保留表示器45、普図保留表示器46、ラウンド表示器47、遊技状態表示器48、発射方向表示器49が接続されている。
【0061】
メインCPU81は、主表示器40を構成するこれらの表示器41~49を制御して、
図3に基づいて上述した表示処理を実行させる。
【0062】
<サブ制御基板90の構成例>
サブ制御基板90は、サブCPU91、サブROM92、サブRAM93、及びRTC(リアルタイムクロック)94を備えている。サブCPU91は、サブROM92に記憶されているプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM93は、サブCPU91が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。RTC94は、現時点の日時(日付や時刻)を計測する。
【0063】
サブ制御基板90には、第1演出ボタン35(
図1参照)が操作(押下)された場合に、その旨を示す操作情報(操作信号)をサブ制御基板90に出力する第1演出ボタン検知センサ351が接続されている。例えば、遊技者によって押下される第1演出ボタン35の操作部材には遮光片が設けられており、第1演出ボタン検知センサ351は、操作部材が押し下げられた操作位置に配置された際に上記遮光片を検知して、その検知信号(操作信号)をサブ制御基板90に出力するフォトインタラプタにより構成されている。サブCPU91は、有効期間中に第1演出ボタン検知センサ351からの操作信号が1回入力されたことに基づいて、第1演出ボタン35が「単押し」されたことを特定可能である。また、サブCPU91は、有効期間中に第1演出ボタン検知センサ351からの操作信号が断続的に複数回入力されたことに基づいて、第1演出ボタン35が「連打」されたことを特定可能である。また、第1演出ボタン検知センサ351からは、操作(押下)されていた第1演出ボタン35の操作部材が操作位置から初期位置に復帰した場合に、その旨を示す操作情報(復帰信号)がサブ制御基板90に出力される。このため、サブCPU91は、第1演出ボタン検知センサ351からの操作信号が入力されてから所定時間(例えば0.8秒)が経過しても復帰信号が入力されなかったことに基づいて、第1演出ボタン35が「長押し」されていることを特定可能である。
【0064】
また、サブ制御基板90には、第2演出ボタン36(
図1参照)が操作された場合に、その旨を示す操作情報(操作信号)をサブ制御基板90に出力する第2演出ボタン検知センサ361が接続されている。遊技者によって前方に押し込まれる第2演出ボタン36の操作部材には遮光片が設けられており、第2演出ボタン検知センサ361は、操作部材が押し込まれた操作位置に配置された際に上記遮光片を検知して、その検知信号(操作信号)をサブ制御基板90に出力するフォトインタラプタにより構成されている。
【0065】
サブCPU91は、メイン制御基板80から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、第1演出ボタン35や第2演出ボタン36からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU91は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信する。
【0066】
<画像音響制御基板100の構成例>
画像音響制御基板100は、画像表示装置7による画像表示の制御と、スピーカ38による演出音の出力の制御とを行うものである。この画像音響制御基板100は、本実施形態では、画像音響制御CPU101、制御ROM102、制御RAM103、VDP(Video Display Processor)104、CGROM105、VRAM106、音響DSP(Digital Signal Processor)107、音響ROM108、SDRAM109、及びアンプ110を備えている。
【0067】
制御ROM102は、マスクROMで構成されており、画像音響制御CPU101の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、ディスプレイリストを作成する処理に使用されるディスプレイリスト作成テーブル等の各種テーブルが記憶されている。ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。制御RAM103は、画像音響制御CPU101が上記制御プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。
【0068】
画像音響制御CPU101は、上記制御プログラムやディスプレイリスト作成テーブル等の各種テーブル、サブ制御基板90から受信したコマンド等に基づいて、VDP104に対して、CGROM105に記憶されている画像データ(演出データ)を画像表示装置7に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。また、画像音響制御CPU101は、音響DSP107に対して、音響ROM108に記憶されている音響データをスピーカ38から出力させる指示を行う。
【0069】
CGROM105は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出等を実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM105は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM105は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
【0070】
なお、CGROM105に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
【0071】
VRAM106は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、図には示されていないが、ディスプレイリスト記憶領域、展開記憶領域、フレームバッファ等を有して構成されている。
【0072】
ディスプレイリスト記憶領域は、画像音響制御CPU101から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域は、CGROM105から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファは、表示画面70に表示される画像データの描画および表示に兼用されるフレームバッファである。
【0073】
VDP104は、CGROM105に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域に格納する。また、VDP104は、ディスプレイリスト記憶領域に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域に格納した画像データを用いて、フレームバッファに対する描画処理を行う。また、VDP104は、フレームバッファに記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成して、生成したRGB信号を画像表示装置7に出力する。
【0074】
音響DSP107には、音響ROM108、SDRAM109、及びアンプ110が接続されている。音響ROM108は、楽曲や音声、効果音、警告音等に関する各種音響データを記憶している。SDRAM109は、音響DSP107によるデータ処理等の作業領域として使用されるものである。音響DSP107は、画像音響制御CPU101からの指示に対応する音響データを音響ROM108からSDRAM109に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データを(アンプ110を介して)スピーカ38に出力する。アンプ110は、画像音響制御CPU101から音響DSP107を介して得られる音量に関する指示に従って音量を調整して音響データをスピーカ38に出力させる。
【0075】
なお、本実施形態では、VDPが描画管理を担うと共に音響DSPがサウンド管理を担う場合について説明するが、他の実施形態では、VDPが描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSPを別途設ける必要はない。
【0076】
<ランプ制御基板120の構成例>
ランプ制御基板120は、ランプCPU121、ランプROM122、及びランプRAM123を備え、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、演出第2特図保留表示器127、第1演出ボタンランプ352、第2演出ボタンランプ362、及び振動モータ353が接続されている。ランプROM122は、ランプCPU121によって実行されるプログラム、発光パターンデータ、動作パターンデータ、振動パターンデータ等を記憶している。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14に内蔵されたLED等のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動装飾部材14等の動作パターンを示すデータである。振動パターンデータは、振動モータ353の駆動力によって振動する第1演出ボタン35の振動パターンを示すデータである。
【0077】
ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されているプログラムに基づいて、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14、演出表示器125、演出第1特図保留表示器126、演出第2特図保留表示器127等の動作を制御する際の演算処理を行う。
【0078】
ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている発光パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM123に読み出して、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14に内蔵されたLED、第1演出ボタンランプ352、第2演出ボタンランプ362の発光を制御する。また、ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている動作パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM123に読み出して、可動装飾部材14を動作させるモータの駆動を制御する。また、ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている振動パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する振動パターンデータをランプRAM123に読み出して、振動モータ353の駆動を制御する。
【0079】
また、ランプCPU121は、サブ制御基板90からのコマンドに基づいて、演出表示器125における図柄の変動表示および停止表示を制御する。また、ランプCPU121は、サブ制御基板90からのコマンドに基づいて、演出第1特図保留表示器126による第1特別図柄判定に係る保留数の表示、演出第2特図保留表示器127による第2特別図柄判定に係る保留数の表示を制御する。
【0080】
[遊技状態について]
次に、
図5を参照しつつ、遊技機1の遊技状態や遊技の流れについて説明する。ここで、
図5は、遊技機1の遊技状態について説明するための説明図である。
図5に例示されるように、遊技機1は、本実施形態では、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、及び「時短遊技状態」の3つの遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技が制御される。
【0081】
「通常遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、第2始動口22に対する遊技球の入賞をサポートするサポート機能(いわゆる「電サポ」等と呼ばれる機能)が付与されない遊技状態である。通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/200)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば20秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
【0082】
「確変遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、上記サポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/80)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば11/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば1.5秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.5秒×3回)に設定される。
【0083】
「時短遊技状態」は、上記低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、上記サポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、時短遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/200)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば11/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば1.5秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.5秒×3回)に設定される。
【0084】
特別図柄の変動時間に関してこれらの遊技状態を比較すると、「通常遊技状態」における特別図柄の変動時間に比べて、「確変遊技状態」や「時短遊技状態」における特別図柄の変動時間の方が相対的に短い時間に設定され易い。なお、各遊技状態の説明で示した、特別遊技を実行すると判定される確率(大当たり確率)、第2始動口22を開放すると判定される確率(普通図柄判定の当選確率)、普通図柄の変動時間、第2始動口22の開放時間は単なる一例であって、他の確率や時間であってもよいことは言うまでもない。
【0085】
なお、以下の説明では、上記サポート機能が付与されていることによって第2始動口22への遊技球の入賞が容易な状態を「高ベース状態」と呼び、サポート機能が付与されていないことによって第2始動口22への遊技球の入賞が困難な状態を「低ベース状態」と呼ぶものとする。
【0086】
[遊技の流れ]
遊技者が右打ちした遊技球は、第1始動口21には入賞せず、第2始動口22に入賞し得る。しかしながら、低ベース状態のときには、第2始動口22が開放され難く、開放されたとしてもその開放時間は極めて短い。このため、低ベース状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第1始動口21を狙った左打ちにより遊技を行うことになる。
【0087】
通常遊技状態のときに左打ちされた遊技球が第1始動口21に入賞すると、第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す第1特別図柄として、大当たり図柄またはハズレ図柄が停止表示される。
【0088】
ここで、ハズレ図柄が停止表示された場合は、大当たり遊技が行われることはなく、遊技状態も変化しない。一方、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示された場合、その大当たり図柄に応じた所定回数の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後は、確変遊技状態または時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
【0089】
なお、特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを報知する大当たり図柄(特別図柄)としては、確変大当たりを報知する「確変図柄」と、通常大当たりを報知する「通常図柄」とが用意されている。そして、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを報知する大当たり図柄として、「確変図柄」が停止表示された場合は大当たり遊技終了後に確変遊技状態で遊技が制御され、「通常図柄」が停止表示された場合は大当たり遊技終了後に時短遊技状態で遊技が制御される(
図5参照)。
【0090】
また、大当たり遊技終了を契機として遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態に移行した場合、すなわち、低ベース状態から高ベース状態に移行した場合、第2始動口22への遊技球の入賞を容易にする上記のサポート機能によって、第1始動口21よりも第2始動口22の方が、遊技球が入賞し易くなる。このため、高ベース状態(本実施形態では「確変遊技状態」または「時短遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第2始動口22を狙った右打ちにより遊技を行うことになる。このため、確変遊技状態または時短遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的には、第2特別図柄判定が行われる。
【0091】
また、本実施形態の遊技機1は、実質的に次回の大当たりまで確変遊技状態が継続するように構成されており、この確変遊技状態において第2特別図柄として「確変図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後に再び確変遊技状態で遊技が制御される。一方、確変遊技状態において第2特別図柄として「通常図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後は時短遊技状態で遊技が制御される。
【0092】
また、時短遊技状態において第2特別図柄として「確変図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後は確変遊技状態で遊技が制御され、「通常図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後は再び時短遊技状態で遊技が制御される。一方、時短遊技状態のときに規定回数(本実施形態では100回)の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても大当たりが発生しなかった場合は、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる。
【0093】
[変動演出について]
次に、通常遊技状態において第1特別図柄が変動表示されてから停止表示されるのに伴って、表示画面70等を用いて行われる変動演出について説明する。
【0094】
遊技機1では、第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄表示器41において、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す第1特別図柄が停止表示される。表示画面70には、第1特別図柄判定の判定結果を報知する演出図柄が表示される演出図柄表示領域73(
図2参照)が設けられており、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示に伴って、演出図柄の変動表示を含む変動演出が行われる(
図2参照)。そして、第1特別図柄判定が実行された際に選択された変動パターンに応じた変動時間だけ第1特別図柄(及び演出図柄)が変動表示されると、この第1特別図柄が停止表示されるのに伴って、第1特別図柄判定の判定結果を示す態様で演出図柄が停止表示される。
【0095】
このような演出図柄の変動表示中には、いわゆるリーチ演出が行われる場合がある。具体的には、表示画面70の演出図柄表示領域73には、例えば、1~9の数字が下から上へ縦方向に連続して記された演出図柄の図柄列の一部が横方向に3列表示されており、第1特別図柄の変動表示が開始されると、これらの図柄列が例えば上から下へスクロールするように変動表示(スクロール表示)される(例えば、
図2参照)。これに対して、リーチ演出が行われる場合には、全ての演出図柄が停止表示されるのに先立って、まず、例えば左列の演出図柄(左図柄)と右列の演出図柄(右図柄)が順番に、或いは同時に、完全には停止しないように擬似停止する。
図2には、左図柄として3図柄が擬似停止すると共に右図柄として同じく3図柄が擬似停止し、中列の図柄列がスクロール表示を継続している状態が例示されている。なお、擬似停止とは、演出図柄をほとんど移動させずにその場で揺動させる演出であり、以下の説明では、演出図柄を完全に静止させる本停止(単に「停止表示」と呼ぶ場合もある)と区別する場合には、擬似停止と呼ぶ場合がある。
【0096】
左図柄および右図柄として同じ演出図柄が有効ライン上に擬似停止するとリーチ成立となり、同一の演出図柄が3つ揃うことを遊技者に期待させるリーチ演出が行われる。このリーチ演出は、例えば、リーチ図柄(左図柄および右図柄)を擬似停止させた状態で中列の図柄列をスクロールさせ、最終的に、リーチ図柄と共通する中図柄、又はリーチ図柄とは異なる中図柄を有効ライン上に停止させて当落を報知する演出である。
【0097】
なお、詳細な説明は省略するが、このようなリーチ演出には、演出図柄の他に、キャラクタやアイテムといった他の表示オブジェクトが用いられる。また、以下の説明では、リーチ演出が行われる変動演出において、リーチが成立するまでに行われる演出を「リーチ前演出」と呼ぶ場合がある。
【0098】
リーチ演出の種類については後に詳述するが、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、ハズレを報知すべくリーチハズレ目(例えば「323」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。一方、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であってリーチ演出が行われない場合には、ハズレを報知すべくバラケ目(例えば「629」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。このように、大当たり遊技を実行しないと判定された場合、ハズレを示すリーチハズレ目またはバラケ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させてハズレ(大当たり遊技が実行されないこと)を報知するハズレ報知演出が実行される。
【0099】
このハズレ報知演出が実行された場合は大当たり遊技が実行されず、第1特別図柄判定の権利が保留されていれば、所定の確定時間(例えば0.6秒間)だけ第1特別図柄および演出図柄が停止表示されるとその第1特別図柄判定が行われて、第1特別図柄の次の変動表示が開始される。
【0100】
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、第1特別図柄の変動表示中に大抵はリーチ演出が実行され、大当たりを報知すべくゾロ目(例えば「333」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。このように、大当たり遊技を実行すると判定された場合、大当たりを示す態様で3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させて大当たり(大当たり遊技が実行されること)を報知する当たり報知演出が実行される。この当たり報知演出が実行された場合、大当たり遊技が実行される。
【0101】
[表示画面70の画面構成]
図2には、通常遊技状態における表示画面70の画面構成が例示されている。通常遊技状態で遊技が制御されているときには、
図2に例示されるように、保留アイコン表示領域71、当該アイコン表示領域72、及び演出図柄表示領域73が表示画面70上に形成される。演出図柄表示領域73は、上述したように、左列の図柄列を構成する左図柄と、中列の図柄列を構成する中図柄と、右列の図柄列を構成する右図柄とが表示される表示領域である。
【0102】
<保留アイコン表示領域71>
保留アイコン表示領域71(
図2参照)は、第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留アイコンが表示される表示領域である。遊技機1では、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中といった、特別図柄判定および特別図柄の変動表示を直ちに開始できない状況で第1始動口21に遊技球が入賞した場合には、第1特別図柄判定の権利が所定数(本実施形態では4つ)を上限として保留される。
【0103】
このように、第1特別図柄判定の権利が保留された場合、保留アイコン表示領域71には、第1特図保留表示器44が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
図2には、第1特別図柄判定の保留数が「2」であることを示唆するために、保留アイコン表示領域71に2個の保留アイコンが表示された状態が例示されている。
【0104】
なお、後述するSPSPリーチ(
図6(I)参照)といった高信頼度のリーチ演出が行われているときに保留アイコン表示領域71に保留アイコンを表示していると、リーチ演出に用いる表示領域が制限されるだけでなく、保留アイコンの表示がリーチ演出の興趣性を低下させる可能性がある。このため、本実施形態の遊技機1では、リーチ前演出中や後述するノーマルリーチ中は保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクトや保留アイコンを表示する一方、ノーマルリーチよりも大当たり信頼度が高い他のリーチ演出中は、保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクトや保留アイコンを表示画面70から消去する構成が採用されている。
【0105】
また、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的に第2始動口22に遊技球が入賞することがない。このため、通常遊技状態では、基本的には、第2特別図柄判定の権利が保留されることもなく、表示画面70に第2特別図柄判定に係る保留アイコンが表示されたり、この保留アイコンを表示するための表示領域が形成されたりすることはない。
【0106】
<当該アイコン表示領域72>
当該アイコン表示領域72は、第1特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像としての当該アイコンを表示する表示領域である。当該アイコンは、第1特別図柄の変動表示の開始に伴って当該アイコン表示領域72に表示され、例えば、第1特別図柄が停止表示されるタイミングで当該アイコン表示領域72から消去される。ただし、当該アイコンの消去タイミングはこれに限定されるものではなく、第1特別図柄の変動表示中に当該アイコンを消去してもよく、例えば、後述するSPSPリーチ発展時やSPSPリーチの途中で当該アイコンを消去するようにしてよい。
【0107】
ところで、特別図柄の変動表示が行われておらず、且つ特別図柄判定の権利が保留されていない状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、第1特別図柄の変動表示の開始に伴い、当該アイコン表示領域72に当該アイコンが表示される。一方、保留アイコン表示領域71に保留アイコンが表示されている状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(当該アイコン表示領域72に最も近い位置に表示されている保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定の実行に応じて第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、最先の保留アイコンが保留アイコン表示領域71から当該アイコン表示領域72へシフトして、新たな当該アイコンとして表示されることになる。このように、当該アイコン表示領域72にシフトした保留アイコン(ここでは、当該アイコン)は、保留アイコン表示領域71に表示されていたときに比べて大きく表示される(
図2参照)。このため、遊技者に対して、保留アイコン表示領域71に表示されている保留アイコンよりも、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに注目させることが可能である。
【0108】
なお、上記最先の保留アイコンとは異なる他の保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示されている場合、当該アイコン表示領域72への最先の保留アイコンのシフトに伴い、保留アイコン表示領域71において、他の保留アイコンが当該アイコン表示領域72へ近づく方向へシフトする。ここまでの説明から明らかなように、遊技機1では、保留アイコン表示領域71に表示されていた保留アイコンに対応する当該アイコンが当該アイコン表示領域72に表示される場合があるため、以下の説明では、保留アイコンと当該アイコンとを区別しない場合には、これらを総称して単に「アイコン」と呼ぶ場合がある。
【0109】
(アイコン変化演出について)
ところで、保留アイコンは、通常は白色の保留アイコン(デフォルトの保留アイコン)として表示される。これに対して、保留アイコン表示領域71に保留アイコンが表示されているときにその保留アイコンの色が変化するアイコン変化演出が行われる場合がある。このアイコン変化演出が行われた場合、白色の保留アイコンが、青色、緑色、赤色といった大当たり信頼度を示唆する色の保留アイコンに変化する。ここで例示した大当たり信頼度を示唆する色は、大当たり信頼度が低いものから高いものの順に並んでいる。赤色は、その赤色の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となる場合や、「ハズレ」となるものの特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定される場合に選択され易い。緑色は、「大当たり」となる場合や「ハズレ」となるものの特別図柄の変動時間が中程度の時間に設定される場合に選択され易い。青色は、「ハズレ」となる場合や「ハズレ」であって且つ特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定される場合に選択され易い。本実施形態では、白色の保留アイコンの大当たり信頼度が約1%に設定され、青色の保留アイコンの大当たり信頼度が約3%に設定され、緑色の保留アイコンの大当たり信頼度が約15%に設定され、赤色の保留アイコンの大当たり信頼度が約45%に設定されている。
【0110】
なお、ここでは、保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示されているときにその表示色が1回だけ変化するアイコン変化演出が行われる場合を例に説明したが、本実施形態の遊技機1では、他のアイコン変化演出が行われる場合もある。すなわち、例えば、白色の保留アイコンが、保留アイコン表示領域71に表示されているときに、青色の保留アイコンに変化し、更に緑色の保留アイコンに変化するというように、1つの保留アイコンを対象としてその保留アイコンの表示色が複数回変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。また、保留アイコン表示領域71から当該アイコン表示領域72にシフトした白色の保留アイコンが当該アイコンとして表示されているときに、その表示色が変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。
【0111】
また、保留アイコン表示領域71に表示されている保留アイコンの表示色が変化し、その後、その保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトして当該アイコンとして表示されているときにその表示色が変化するというように、保留アイコン表示領域71と当該アイコン表示領域72の両方でアイコンの表示色が変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。また、保留アイコンが最初から白色以外の表示色(例えば青色)で表示されるアイコン変化演出や、その初期色が白色以外である保留アイコンの表示色を変化させるアイコン変化演出が行われる場合もある。
【0112】
このように、本実施形態の遊技機1は、特別図柄判定の権利が保留されていることを示す保留情報を表示画面70に表示し、その保留情報の表示態様を変化させることが可能である。なお、以下の説明では、表示色が白色以外の色である保留アイコンや当該アイコンを「特別アイコン」と呼んで、表示色が白色である通常の保留アイコンや当該アイコンと区別する場合がある。
【0113】
[保留情報の表示制御に関する変形例]
なお、保留情報の表示制御は、本実施形態で例示するものに限らず、以下のようなものであってもよい。すなわち、本実施形態では、説明の便宜上、アイコン(保留アイコンと当該アイコン)の表示色が白色、青色、緑色、及び赤色の4色である場合を例に説明するが、他の実施形態では、赤色よりも更に大当たり信頼度が高いことを示唆する金色や、「大当たり」となる場合にしか選択されない虹色といった他の色が用意されていてもよい。
【0114】
また、本実施形態では、アイコン(保留アイコンや当該アイコン)の表示色を変化させるアイコン変化演出を行う場合を例に説明するが、アイコン変化演出は、アイコンの表示態様を変化させる演出であれば本実施形態で例示される演出に限らず、アイコンの形状や大きさを変化させるアイコン変化演出、アイコンの形状や大きさに加えて表示色を変化させるアイコン変化演出等であってもよい。
【0115】
また、本実施形態では、保留アイコン表示領域71に表示された保留アイコンを対象とするアイコン変化演出に加えて、当該アイコン表示領域72に表示された当該アイコンを対象とするアイコン変化演出を実行可能な場合について説明するが、他の実施形態では、当該アイコン表示領域72を設けることなく(当該アイコンを表示することなく)、前者のアイコン変化演出のみを実行可能な構成を採用してもよい。
【0116】
また、本実施形態では、保留情報としての保留アイコンを表示画面70に表示して、その保留アイコンの表示色を変化させる場合を例に説明する。これに対して、他の実施形態では、例えば、発光色を変更可能な4つのカラーLEDを設けて第1特別図柄判定の保留数と同数のLEDを点灯させ、いずれかのLEDの発光色を変化させることによって、保留情報の表示態様を変化させるようにしてもよい。
【0117】
[第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れ]
次に、
図6を参照しつつ、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れについて説明する。ここで、
図6は、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れを例示する説明図である。
【0118】
通常遊技状態において第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄表示器41において第1特別図柄が変動表示され、第1特別図柄判定の結果を示す第1特別図柄が停止表示される。これに対して、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、演出図柄表示領域73における3つの図柄列の変動表示が開始される(
図6(A)参照)。具体的には、演出図柄表示領域73には、例えば「1」~「9」の数字が下から上へ縦方向に連続して記された演出図柄の図柄列の一部が横方向に3列表示されており、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、これらの図柄列が上から下へスクロールするように、3つの図柄列のスクロール表示が開始される。
【0119】
ここで、第1特別図柄の変動表示開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、リーチ演出を実行しないことが決定されている場合、第1特別図柄の変動表示の終盤でバラケ目(例えば「458」)を示す3つの演出図柄を擬似停止させ、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴ってこれら3つの演出図柄を本停止させるハズレ報知演出が行われる(
図6(B)参照)。
【0120】
一方、第1特別図柄判定の結果が「大当たり」である場合や、「ハズレ」であるもののリーチ演出を行うことが決定されている場合、第1特別図柄の変動表示中に、例えば、演出図柄表示領域73に左図柄を有効ライン上に擬似停止させ、左図柄と共通する右図柄が有効ライン上へと移動するように右列の図柄列を低速でスクロール表示させる演出を含むリーチ前演出が行われる(
図6(C)参照)。そして、このリーチ前演出が行われた結果として、共通する左図柄および右図柄が有効ライン上に擬似停止するとリーチ成立となる(
図6(D)、
図2参照)。
【0121】
このように、左図柄および右図柄として共通する演出図柄が擬似停止してリーチが成立すると、これらの演出図柄(リーチ図柄)と共通する演出図柄が中列における有効ライン上に停止することを遊技者に期待させるリーチ演出が行われる。本実施形態では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴って実行され得るリーチ演出として、
図6に例示されるように、ノーマルリーチ、第1SP前半リーチ、第2SP前半リーチ、第1SP後半リーチ、第2SP後半リーチ、及びSPSPリーチの6種類のリーチ演出が用意されている。
【0122】
ノーマルリーチ(
図6(E)参照)は、上記6種類のリーチ演出の中で大当たり信頼度が最も低いリーチ演出である(例えば、大当たり信頼度:約1%)。このノーマルリーチは、他のリーチ演出に比べて演出実行時間が短いリーチ演出であり、リーチが成立すると、先ずはノーマルリーチが行われる。このノーマルリーチが行われる場合、リーチが成立すると中列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していき、リーチを形成する左図柄および右図柄の間にリーチ図柄と同じ中図柄またはリーチ図柄とは異なる中図柄を擬似停止させる中図柄列のスクロール表示が行われる。
【0123】
ここで、ノーマルリーチで当落を報知する変動演出パターンが設定されている場合、ノーマルリーチの終盤で当落報知演出(当たり報知演出またはハズレ報知演出)が行われる(
図6(F)参照)。具体的には、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、リーチ図柄と同じ中図柄を有効ライン上に擬似停止させることでゾロ目(例えば「222」)を示す演出図柄を擬似停止させた後に、これらの演出図柄をそのまま本停止させる当たり報知演出が行われる。一方、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、リーチ図柄とは異なる中図柄を有効ライン上に擬似停止させることでリーチハズレ目(例えば「232」)を示す演出図柄を擬似停止させた後に、これらの演出図柄をそのまま本停止させるハズレ報知演出が行われる。
【0124】
一方、ノーマルリーチから他のリーチ演出に発展する変動演出パターンが設定されている場合、以下のような演出が行われる。例えば、ノーマルリーチ(
図6(E)参照)からは、第1SP前半リーチおよび第2SP前半リーチに発展する(
図6(G)参照)。本実施形態の遊技機1では、SPリーチとして、第1SPリーチおよび第2SPリーチの2種類のSPリーチが用意されている。
【0125】
第1SPリーチは、第1SP前半リーチ(
図6(G)参照)および第1SP後半リーチ(
図6(K)参照)から構成されており、第1SP前半リーチから第1SP後半リーチに発展して第1SP後半リーチにおいて当落報知演出が実行される場合(
図6(G),(K),(J)参照)と、第1SP前半リーチからSPSPリーチに発展してSPSPリーチにおいて当落報知演出が実行される場合(
図6(G),(I),(J)参照)と、第1SP前半リーチから第1SP後半リーチ(又はSPSPリーチ)に発展することなく、第1SP前半リーチにおいて当落報知演出が実行される場合(
図6(G),(F)参照)と、がある。
【0126】
一方、第2SPリーチは、第2SP前半リーチ(
図6(G)参照)および第2SP後半リーチ(
図6(H)参照)から構成されており、第2SP前半リーチから第2SP後半リーチに発展して第2SP後半リーチにおいて当落報知演出が実行される場合(
図6(G),(H),(F)参照)と、第2SP前半リーチから第2SP後半リーチに発展することなく、第2SP前半リーチにおいて当落報知演出が実行される場合(
図6(G),(F)参照)と、がある。
【0127】
このように、第1SP前半リーチには、第1SP後半リーチおよびSPSPリーチの2つの発展先があるのに対して、第2SP前半リーチには、発展先が第2SP後半リーチのみであるという点で、両者は相違している。
【0128】
第1SP前半リーチおよび第2SP前半リーチは、ノーマルリーチの次に大当たり信頼度が低いリーチ演出であり、本実施形態では、第1SP前半リーチの大当たり信頼度が約5%に設定され、第2SP前半リーチの大当たり信頼度が約3%に設定されている。このため、ノーマルリーチからこれらのSP前半リーチへと発展した場合、大抵は、これらのSP前半リーチのいずれか一方から他のリーチ演出には発展せず、これらのSP前半リーチのいずれかでハズレ報知演出が行われる。ただし、相対的に低い確率で、これらのSP前半リーチのいずれか一方で当たり報知演出が行われる場合や、これらのSP前半リーチから他のリーチ演出に発展して、発展先のリーチ演出において当落報知演出が行われる場合もある。
【0129】
なお、本実施形態の遊技機1では、ノーマルリーチからSPリーチに発展した場合、第1SP前半リーチおよび第2SP前半リーチが同時に開始され(
図6(G)、
図7(A)参照)、これらのSP前半リーチが同時に実行される状態が所定時間(例えば、20秒間)継続する。具体的には、
図8(A)に例示されるように、第1SP前半リーチに係る演出画像である第1SP前半リーチ演出画像が表示画面70における上側領域に表示されると共に、第2SP前半リーチに係る演出画像である第2SP前半リーチ演出画像が表示画面70における下側領域に表示された状態が所定時間継続する。
【0130】
このようにして2つのSP前半リーチが同時に開始されてから例えば12秒が経過すると、第1SP前半リーチ演出画像と第2SP前半リーチ演出画像とが交互にハイライト表示される。
図8(I)には、第1SP前半リーチ演出画像がハイライト表示されている様子が例示されている。このような交互のハイライト表示が開始されてから例えば5秒が経過すると、いずれか一方のSP前半リーチ演出画像がハイライト表示された状態が数秒間(例えば、3秒間)維持されることによって、いずれか一方のSP前半リーチの選択が確定する。その結果、選択された一方のSP前半リーチに係るSP前半リーチ演出画像が表示画面70に全画面表示されると共に、他方のSP前半リーチに係るSP前半リーチ演出画像が表示画面70から消去される。このような一連の演出によって、2つのSP前半リーチが同時に実行される状態から、いずれか一方のSP前半リーチが実行される状態へと変化することになる。
【0131】
なお、本実施形態の遊技機1では、第2SP前半リーチから発展する第2SP後半リーチの大当たり信頼度が約15%に設定され、第1SP前半リーチから発展する第1SP後半リーチの大当たり信頼度が約18%に設定され、同じく第1SP前半リーチから発展するSPSPリーチの大当たり信頼度が約35%に設定されている。
【0132】
このように、第1SP後半リーチおよびSPSPリーチの大当たり信頼度が、第2SP後半リーチの大当たり信頼度よりも高い値に設定されている。このため、上述したように、第1SP前半リーチ演出画像および第2SP前半リーチ演出画像を同時に表示して、これらのSP前半リーチ演出画像を交互にハイライト表示することによって、第1SP前半リーチが選択されて、その後にSPSPリーチ(又は第1SP後半リーチ)に発展することを遊技者に期待させることができ、結果として、高い演出効果を得ることが可能である。また、仮に、第1SP前半リーチが選択されなかった場合は、第2SP前半リーチが選択されて、その後に第2SP後半リーチに発展する可能性がある。このため、第1SP前半リーチが選択されなかったからといって、大当たりに対する遊技者の期待感が著しく低下することはないと考えられる。
【0133】
また、図柄変動の開始時に選択される第1特別図柄の変動パターンによっては、ノーマルリーチからSP前半リーチを経由することなくSPSPリーチに直接発展する場合もある(
図6(E),(I)参照)。このため、ノーマルリーチからSP前半リーチ(第1SP前半リーチと第2SP前半リーチ)には発展しないと考えていた遊技者に意外性を覚えさせることができ、且つ、大当たりに対する遊技者の期待感を効果的に向上させることが可能である。
【0134】
なお、リーチ前演出(
図6(C)参照)が行われているときに、「111」、「222」、「333」、「444」のように3つの図柄列の演出図柄が揃った状態で各図柄列のスクロール表示を行う全回転演出(
図6(L)参照)が開始される場合がある。この全回転演出は、今回の第1特別図柄の変動表示開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合に実行される一方で、「ハズレ」である場合には実行されない演出であるため、全回転演出に発展した場合は、その後に、ハズレ報知演出が実行されることはなく、必ず当たり報知演出(
図6(M)参照)が実行されることになる。
【0135】
[リーチ中ボタン演出および可能性示唆演出]
次に、
図7~
図9を参照しつつ、SP前半リーチに発展した後に実行されるリーチ中ボタン演出、及び、2つのSP前半リーチが同時に行われているときに実行される可能性示唆演出について説明する。ここで、
図7は、リーチ中ボタン演出について説明するための説明図である。
図8は、可能性示唆演出の具体例を示す画面図である。
図9は、可能性示唆画像の表示色と示唆演出の発生確率との関係性について説明するための説明図である。なお、
図8においては、説明の便宜上、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中であることを示唆する当該アイコンや、第1特別図柄判定の権利が保留されていることを示唆する保留アイコンの図示が省略されている。
【0136】
ノーマルリーチ(
図6(E)参照)からリーチ演出が発展する場合、先ず、2つのSP前半リーチ(第1SP前半リーチおよび第2SP前半リーチ)が同時に開始される(
図7(S-1)参照)。このように、2つのSP前半リーチが同時に開始されると、
図8(A)に例示されるように、第1SP前半リーチに係る背景画像やキャラクタ等を表す第1SP前半リーチ演出画像や小図柄表示された3つの図柄列が表示画面70における上側領域に表示され、第2SP前半リーチに係る背景画像やキャラクタ等を表す第2SP前半リーチ演出画像や小図柄表示された3つの図柄列が表示画面70における下側領域に表示される。
【0137】
次に、第1演出ボタン35の操作を遊技者に促す第1演出ボタン操作促進演出が行われる(
図7(S-2)参照)。具体的には、
図8(B)に例示されるように、第1演出ボタン35を模した第1演出ボタン画像と、第1演出ボタン35の操作が有効な有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージと、が表示画面70の中央領域に表示される。
【0138】
このような第1演出ボタン操作促進演出に係る有効期間中に遊技者が第1演出ボタン35を操作すると、第1可能性示唆演出が実行される(
図7(S-3)参照)。本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態におけるメインCPU81による第1特別図柄判定の判定結果に基づいて、大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆するSPSPリーチ(示唆演出の一例)をその第1特別図柄判定に対応する第1特別図柄の変動表示中に実行可能である。第1可能性示唆演出は、このSPSPリーチが実行される可能性が第1の程度であることを示唆する第1可能性示唆画像を表示する演出である。この第1可能性示唆演出が行われる場合、第1演出ボタン操作促進演出に対する第1演出ボタン35の操作(ここでは、単押し)に応じて、表示画面70の中央領域で爆発が発生する様子を表す演出表示が行われ(
図8(C)参照)、続いて、この爆発による爆煙が無くなって「23%」(第1の程度の一例)という青色の文字(第1可能性示唆画像)が露わになる演出表示が行われる(
図8(D)参照)。
【0139】
このように、第1演出ボタン35の操作に応じた操作対応演出として、「23%」という青色の文字を表す第1可能性示唆画像を表示する第1可能性示唆演出が行われる。このため、遊技者は、現段階では、SPSPリーチに発展する確率が23%あることを容易に認識することができる。また、「23%」という第1可能性示唆画像が示す数字は、SPSPリーチへの発展確率としては相対的に低い値であることから、「23%」の数字が青色で表示される。このため、遊技者は、第1可能性示唆画像示す数字の大小とその表示色との両方に基づいて、SPSPリーチへの発展確率が相対的に低いことを感覚的に認識することが可能である。
【0140】
ところで、本実施形態の遊技機1では、
図6の表記から明らかなように、第1SP前半リーチからはSPSPリーチに発展するものの、第2SP前半リーチからはSPSPリーチに発展しないという構成が採用されている。このため、第1可能性示唆演出は、(SPSPリーチに先立って行われる)第1SP前半リーチが選択される確率がどの程度あるかを示唆する演出であるとも言える。ただし、たとえ第1SP前半リーチに発展したとしても、第1SP前半リーチから(SPSPリーチではなく)第1SP後半リーチに発展する場合や、第1SP前半リーチから他のリーチ演出へと発展せずに第1SP前半リーチにおいて当落報知演出が行われる場合もあるため、上記の例で言えば、第1SP前半リーチに発展する確率が23%あるという訳ではない。
【0141】
なお、本実施形態では、第1演出ボタン操作促進演出(
図7(S-2)、
図8(B)参照)係る有効期間中に第1演出ボタン35が操作されることなく有効期間が終了した場合は、その有効期間が終了するタイミングで、第1演出ボタン35が操作された場合と共通する第1可能性示唆演出が実行されるが、有効期間内に第1演出ボタン35が操作されなかった場合には、第1可能性示唆演出を実行しないようにしてもよい。この場合、第1可能性示唆演出の後に第2可能性示唆演出を実行するよう設定されていれば、第2可能性示唆演出のみを実行するようにしてもよいし、第1可能性示唆演出が実行されなければ第2可能性示唆演出も実行しないようにしてもよい。
【0142】
また、
図8(D)には、「23%」という数字を表す第1可能性示唆画像が表示された状態が例示されているが、これは単なる一例であって、例えば、「5%」という数字を表す第1可能性示唆画像が表示される場合や、「38%」という数字を表す第1可能性示唆画像が表示される場合、「100%」という数字を表す第1可能性示唆画像が表示される場合もある。また、第1可能性示唆画像が表す数字の表示色も青色に限定されるものではなく、緑色の数字を表す第1可能性示唆画像が表示される場合や、赤色の数字を表す第1可能性示唆画像が表示される場合、金色の数字を表す第1可能性示唆画像が表示される場合、虹色の数字を表す第1可能性示唆画像が表示される場合もある(
図9参照)。この第1可能性示唆画像(及び後述する第2可能性示唆画像)の表示色については、
図9に基づいて後に詳述する。
【0143】
続いて、第1可能性示唆演出を行ってから第2可能性示唆演出を行う、言い換えれば、第1可能性示唆画像を第2可能性示唆画像へと変化させるよう図柄変動開始時に設定されている場合は、第1可能性示唆画像を第2可能性示唆画像へと変化させる契機演出として、群予告が実行される(
図7(S-4)参照)。具体的には、
図8(E)~(G)に例示されるように、多数のキャラクタが表示画面70上を左方向に移動する様子を表す演出表示が行われる。この多数のキャラクタを表す演出画像は、第1可能性示唆画像に対して重畳表示されるため、群予告の実行中は第1可能性示唆画像が視認できない状態となる(
図8(F)参照)。
【0144】
このような群予告の終了に伴う形で、第2可能性示唆演出が開始される(
図7(S-5)参照)。第2可能性示唆演出は、SPSPリーチが実行される可能性が(第1可能性示唆画像が示す第1の程度よりも高い)第2の程度であることを示唆する第2可能性示唆画像を表示する演出である。言い換えれば、第2可能性示唆演出は、第1可能性示唆画像が示す数字に対して所定の数字を上乗せした数字を示す第2可能性示唆画像を表示する演出であるとも言える。
図8(G)及び(H)には、「63%」という赤色の数字を表す第2可能性示唆画像を表示する第2可能性示唆演出が行われている様子が例示されている。
【0145】
図8(E)~(G)の表記から明らかなように、本実施形態の遊技機1では、群予告が実行されたことに応じて、SPSPリーチが実行される可能性が第1の程度よりも高い第2の程度であることを示唆する第2可能性示唆画像へと第1可能性示唆画像を変化させる変化演出が行われる。このため、第1可能性示唆画像を見て、SPSPリーチに発展する可能性が低いと考えていた遊技者に対して、SPSPリーチに発展する可能性が高まったという印象を与えて、SPSPリーチに発展することを大いに期待させることができ、結果として、大当たり遊技が実行されることに対する遊技者の期待感を効果的に向上させることが可能である。
【0146】
なお、本実施形態の遊技機1では、群予告の大当たり信頼度が40%に設定されており、第1可能性示唆画像が示す「23%」という数字に対して、群予告の大当たり信頼度と同じ「40%」の数字が加算され、結果として、「63%」の数字を示す第2可能性示唆画像が表示される(
図8(D)~(H)参照)。このため、遊技者は、第2可能性示唆画像に基づいて、SPSPリーチへの発展確率が63%であることを容易に認識することができ、且つ、第2可能性示唆画像が示す数字と第1可能性示唆画像が示す数字との差分(=63-23)に基づいて、群予告の大当たり信頼度も併せて認識することが可能である。
【0147】
ここまで、2つのSP前半リーチが同時に行われている状況で、群予告の実行を契機として第1可能性示唆画像を第2可能性示唆画像へと変化させる変化演出が行われる場合を例に説明したが、
図7(S-4)に示される群予告と、
図7(S-5)に示される第2可能性示唆演出を実行することなく、後述する
図7(S-6)以降の演出が実行される場合もある。また、
図7には表れていないが、第1可能性示唆演出および第2可能性示唆演出が実行されることなく、群予告が実行される場合もある。
【0148】
第2可能性示唆画像を表示する第2可能性示唆演出(
図7(S-5)参照)が行われた場合、又は、第1可能性示唆演出(
図7(S-3)参照)が行われた後に群予告および第2可能性示唆演出が行われなかった場合、2つのSP前半リーチ演出画像が交互にハイライト表示される(
図7(S-6)参照)。
図8(I)には、第2可能性示唆演出(
図8(H)参照)が実行された直後に、第1SP前半リーチ演出画像がハイライト表示されている様子が例示されている。第1SP前半リーチ演出画像のハイライト表示と、第2SP前半リーチ演出画像のハイライト表示と、を交互に繰り返すことによって、遊技者は、いずれか一方のSP前半リーチが選択されることを感覚的に認識することが可能である。
【0149】
ここで、今回の第1特別図柄の変動表示開始時に、メインCPU81によって選択された第1特別図柄の変動パターンに基づいて、ノーマルリーチを第1SP前半リーチに発展させる変動演出パターンがサブCPU91によって選択された場合は、第1SP前半リーチ選択演出(
図7(S-7)参照)が実行される。具体的には、第1SP前半リーチ演出画像をハイライト表示した直後に第2SP前半リーチ演出画像をハイライト表示するのではなく、第1SP前半リーチ演出画像をハイライト表示した状態を数秒間維持した後に、第2SP前半リーチ演出画像を消去して第1SP前半リーチ演出画像を表示画面70に全画面表示する演出が実行される。
【0150】
これにより、第1SP前半リーチおよび第2SP前半リーチが同時に実行される状態から、第1SP前半リーチのみが実行される状態へと変化することになる。このように、第1SP前半リーチのみが実行される状態に変化すると、第1SP前半リーチ中において、第1演出ボタン単押し促進演出(第1入力促進演出の一例)が実行される(
図7(S-8)参照)。具体的には、第1演出ボタン35を模した第1演出ボタン画像と、第1演出ボタン35の操作が有効な有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージと、遊技者に対して促す第1演出ボタン35の操作内容(ここでは単押し)を表す「押せ!」の文字と、が表示画面70に表示される。
【0151】
ここで、今回の図柄変動開始時に設定された変動演出パターンが、ノーマルリーチ(
図6(E)参照)から第1SP前半リーチ(
図6(G)参照)を介してSPSPリーチ(
図6(I)参照)に発展する変動演出パターンである場合は、以下のような一連の演出が実行される。具体的には、第1演出ボタン単押し促進演出に係る有効期間中における第1演出ボタン35の単押しに応じて、ギミック動作演出(特定入力対応演出の一例、
図7(S-9)参照)が実行される。このギミック動作演出は、可動装飾部材14(
図2参照)を表示画面70の大部分を覆う動作位置へと落下させると共に、可動装飾部材14の動作を演出する所定の演出画像を、表示画面70の可動装飾部材14によって覆われていない領域から視認されるように表示画面70に表示すると共に、所定の演出音をスピーカ38から出力する演出である。
【0152】
このギミック動作演出が終了して可動装飾部材14が初期位置に復帰するのに伴い、SPSPリーチが開始される(
図6(I)、
図7(S-10)参照)。そして、SPSPリーチの終盤において、第2演出ボタン36の単押しを遊技者に促す第2演出ボタン単押し促進演出(第2入力促進演出の一例)が実行される(
図7(S-11)参照)。具体的には、第2演出ボタン36を模した第2演出ボタン画像と、第2演出ボタン36の操作が有効な有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージと、遊技者に対して促す第2演出ボタン36の操作内容(ここでは単押し)を表す「押せ!」の文字と、が表示画面70に表示される。
【0153】
これに対して、第2演出ボタン単押し促進演出に係る有効期間中に第2演出ボタン36が操作された場合は、その操作に応じて、今回の第1特別図柄判定の判定結果を報知する当落報知演出(当たり報知演出またはハズレ報知演出)が実行される(
図6(J)、
図7(S-12)参照)。なお、この有効期間中に第2演出ボタン36が操作されなかった場合も、有効期間が終了した後に、当落報知演出が実行される。
【0154】
ここまで、第1SP前半リーチからSPSPリーチへとリーチ演出が発展して、SPSPリーチの終盤で当落報知演出が行われるまでの一連の演出の流れについて説明したが、SPSPリーチへの発展契機となる特定入力対応演出は、本実施形態で例示するギミック動作演出に限定されるものではなく、例えば、可動装飾部材14を用いることなく、表示画面70およびスピーカ38の両方或いはいずれか一方を用いる演出であってもよい。
【0155】
また、第2演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-11)参照)では、上記のように第2演出ボタン画像が表示されるが、例えば、当落報知演出(
図7(S-12)参照)として当たり報知演出が実行される可能性が相対的に低いことを示唆する第1表示色(例えば、第2演出ボタン36と同じ色)の第2演出ボタン画像と、当たり報知演出が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する第2表示色(例えば、赤色)を用いて表現された第2演出ボタン画像と、当たり報知演出が実行されることを確定的に報知する第3表示色(例えば、虹色)を用いて表現された第2演出ボタン画像と、のいずれかの第2演出ボタン画像を表示して、第2演出ボタン画像の表示色によって当たり報知演出の実行期待度を表現するようにしてもよい。
【0156】
また、当たり報知演出が実行される可能性が相対的に低いことを示唆する小サイズの第2演出ボタン36を表す第2演出ボタン画像と、当たり報知演出が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する大サイズの第2演出ボタン36を表す第2演出ボタン画像と、のいずれかの第2演出ボタン画像を表示して、第2演出ボタン画像が表す第2演出ボタン36の大きさによって当たり報知演出の実行期待度を表現するようにしてもよい。
【0157】
一方、今回の図柄変動開始時に設定された変動演出パターンが、ノーマルリーチ(
図6(E)参照)から第1SP前半リーチ(
図6(G)参照)を介して第1SP後半リーチ(
図6(K)参照)に発展する変動演出パターンである場合、第1演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-8)参照)に係る有効期間中における第1演出ボタン35の操作(単押し)に応じて、例えば、可動装飾部材14を動作させることに失敗したことを報知する所定の演出画像を表示する失敗演出(
図7(S-13)参照)が実行される。
【0158】
なお、第1演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-8)参照)に係る有効期間中に第1演出ボタン35が単押しされなかった場合は、有効期間が終了するのに伴い、ギミック動作演出(
図7(S-9)参照)または失敗演出(
図7(S-13)参照)が実行される。
【0159】
上記のように失敗演出が実行されると、第1SP後半リーチが開始される(
図7(S-14)参照)。その後、第1SP後半リーチの終盤において、第1演出ボタン35の連打を遊技者に促す第1演出ボタン連打促進演出(第3入力促進演出の一例)が実行される(
図7(S-15)参照)。具体的には、第1演出ボタン35を模した第1演出ボタン画像と、第1演出ボタン35の操作が有効な有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージと、遊技者に対して促す第1演出ボタン35の操作内容(ここでは連打)を表す「連打!」の文字と、が表示画面70に表示される。
【0160】
そして、第2演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-11)参照)に係る有効期間中に第2演出ボタン36が単押しされた場合と同様に、第1演出ボタン連打促進演出(
図7(S-15)参照)に係る有効期間中における第1演出ボタン35の連打に応じて、今回の第1特別図柄判定の判定結果を報知する当落報知演出(当たり報知演出またはハズレ報知演出)が実行される(
図7(S-12)参照)。
【0161】
なお、第1演出ボタン連打促進演出(
図7(S-15)参照)では、上記のように第1演出ボタン画像が表示されるが、例えば、当落報知演出(
図7(S-12)参照)として当たり報知演出が実行される可能性が相対的に低いことを示唆する第1表示色(例えば、第1演出ボタン35と同じ色)の第1演出ボタン画像と、当たり報知演出が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する第2表示色(例えば、赤色)を用いて表現された第1演出ボタン画像と、当たり報知演出が実行されることを確定的に報知する第3表示色(例えば、虹色)を用いて表現された第1演出ボタン画像と、のいずれかの第1演出ボタン画像を表示して、第1演出ボタン画像の表示色によって当たり報知演出の実行期待度を表現するようにしてもよい。
【0162】
また、当たり報知演出が実行される可能性が相対的に低いことを示唆する小サイズの第1演出ボタン35を表す第1演出ボタン画像と、当たり報知演出が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する大サイズの第1演出ボタン35を表す第1演出ボタン画像と、のいずれかの第1演出ボタン画像を表示して、第1演出ボタン画像が表す第1演出ボタン35の大きさによって当たり報知演出の実行期待度を表現するようにしてもよい。また、当たり報知演出が実行される可能性が相対的に高い場合は、第1演出ボタン連打促進演出(
図7(S-15)参照)に係る有効期間の開始に伴って振動モータ353の駆動を開始させて第1演出ボタン35を振動させたり、或いは、有効期間の開始前に振動モータ353の駆動を開始させて第1演出ボタン35を振動させたりしてもよい。
【0163】
ここまでの説明から明らかなように、本実施形態における遊技機1では、第1演出ボタン単押し促進演出の実行中における第1演出ボタン35の操作に応じて、ギミック動作演出が実行される場合と実行されない場合とがある(
図7(S-8),(S-9),(S-13)参照)。そして、ギミック動作演出が実行された場合は、第2演出ボタン36の単押しを遊技者に促す第2演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-11)参照)が実行され、ギミック動作演出が実行されなかった場合は、第1演出ボタン35の連打を遊技者に促す第1演出ボタン連打促進演出(
図7(S-15)参照)が実行される。
【0164】
図7には、第1演出ボタン連打促進演出(
図7(S-15)参照)に係る有効期間中における第1演出ボタン35の連打に応じて、或いは、第2演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-11)参照)に係る有効期間中における第2演出ボタン36の単押しに応じて、当落報知演出(
図7(S-12)参照)が実行される演出の流れが例示されているが、
図7には示されていないものの、この当落報知演出に先立って当落示唆演出が実行される。
【0165】
当落示唆演出は、当落報知演出(当たり報知演出またはハズレ報知演出)に先立って大当たりか否かを示唆する演出である。ゾロ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させる当たり報知演出が当落報知演出として実行される場合は、当落示唆演出として、可動装飾部材14を動作させると共に虹色を用いて表現された所定の演出画像を表示画面70に表示する当たり示唆演出が行われる。一方、リーチハズレ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させるハズレ報知演出が当落報知演出として実行される場合は、当落示唆演出として、可動装飾部材14が動作せず、辺りが静まり返っている様子を表す演出画像を表示画面70に表示するハズレ示唆演出が行われる。このような当たり示唆演出またはハズレ示唆演出は、後述する当落報知演出(
図7(S-24)参照)の直前でも同様に行われる。
【0166】
なお、本実施形態の遊技機1は、第2演出ボタン36の操作を促す演出が、大当たり信頼度が高い場合(例えば、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合や、「ハズレ」であっても第1特別図柄の変動時間が長い変動パターンが選択されている場合)に実行され易く、逆に、大当たり信頼度が低い場合(例えば、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって、第1特別図柄の変動時間が短い変動パターンが選択されている場合)には実行され難くなっている。また、第1SP前半リーチから第1SP後半リーチに発展するよりも、第1SP前半リーチからSPSPリーチに発展する方が、大当たり信頼度が高い。このため、第1SP前半リーチから発展したSPSPリーチの終盤で第2演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-11)参照)が実行される方が、第1SP前半リーチから発展した第1SP後半リーチの終盤で第1演出ボタン連打促進演出(
図7(S-15)参照)が実行されるよりも、当たり報知演出が実行される可能性が高くなっている。
【0167】
一方、今回の第1特別図柄の変動表示開始時に、ノーマルリーチを第2SP前半リーチに発展させる変動演出パターンがサブCPU91によって選択されている場合は、第2SP前半リーチ選択演出(
図7(S-17)参照)が実行される。具体的には、第2SP前半リーチ演出画像をハイライト表示した直後に第1SP前半リーチ演出画像をハイライト表示するのではなく、第2SP前半リーチ演出画像をハイライト表示した状態を数秒間維持した後に、第1SP前半リーチ演出画像を消去して第2SP前半リーチ演出画像を表示画面70に全画面表示する演出が実行される。
【0168】
これにより、第1SP前半リーチおよび第2SP前半リーチが同時に実行される状態から、第2SP前半リーチのみが実行される状態へと変化することになる。このように、第2SP前半リーチのみが実行される状態に変化すると、第2SP前半リーチの終盤において、第1演出ボタン単押し促進演出(第4入力促進演出の一例)が実行される(
図7(S-18)参照)。具体的には、第1演出ボタン35を模した第1演出ボタン画像と、第1演出ボタン35の操作が有効な有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージと、遊技者に対して促す第1演出ボタン35の操作内容(ここでは単押し)を表す「押せ!」の文字と、が表示画面70に表示される。このように、本実施形態では、第1SP前半リーチ選択演出が実行された場合と、第2SP前半リーチ選択演出が実行された場合とで、互いに共通する第1演出ボタン単押し演出が行われる(
図7(S-8),(S-18)参照)。
【0169】
ここで、今回の図柄変動開始時に設定された変動演出パターンが、ノーマルリーチ(
図6(E)参照)から第2SP前半リーチ(
図6(G)参照)に発展して第2SP前半リーチにおいて当落報知演出(
図6(F)参照)を実行する変動演出パターンである場合は、第1演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-18)参照)に係る有効期間中における第1演出ボタン35の単押しに応じて、所定のミッション(例えば、敵軍を撃退するというミッション)に失敗したことを報知する失敗演出(
図7(S-19)参照)および当落報知演出(
図7(S-20)参照)が行われる。なお、ここでの当落報知演出は、基本的にはハズレ報知演出であるが、ごく稀に、失敗演出に続いて、いわゆる復活演出が行われて、最終的に当たり報知演出が実行される場合もある。
【0170】
一方、今回の図柄変動開始時に設定された変動演出パターンが、ノーマルリーチから第2SP前半リーチ(
図6(G)参照)を介して第2SP後半リーチ(
図6(H)参照)に発展する変動演出パターンである場合は、第1演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-18)参照)に係る有効期間中における第1演出ボタン35の単押しに応じて、所定のミッション(例えば、敵軍を撃退するというミッション)に成功したことを報知する成功演出(
図7(S-21)参照)が行われる。この成功演出が行われた場合は、その直後に、第2SP後半リーチ(
図6(H)参照)が開始される(
図7(S-22)参照)。
【0171】
なお、第1演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-18)参照)に係る有効期間中に第1演出ボタン35が単押しされることなく有効期間が終了した場合は、その有効期間が終了したことに応じて、成功演出または失敗演出が実行される。また、成功演出が実行されて第2SP後半リーチに発展する方が、失敗演出が実行されて第2SP前半リーチの終盤で当落報知演出が行われる場合に比べて、大当たり信頼度が高い。このため、例えば、第1演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-18)参照)に係る有効期間中に、成功演出が実行される可能性が相対的に低いことを示唆する第1表示態様の第1演出ボタン画像に代えて、成功演出が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する第2表示態様の第1演出ボタン画像を表示して、成功演出が実行されることに対する遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。また、成功演出が実行される可能性が相対的に高い場合は、有効期間の開始前から、或いは、有効期間の開始に伴って、振動モータ353の駆動を開始させるようにしてもよい。
【0172】
第2SP後半リーチの終盤では、第1演出ボタン35の連打を遊技者に促す第1演出ボタン連打促進演出(第5入力促進演出の一例)が実行される(
図7(S-23)参照)。この第1演出ボタン連打促進演出は、第1SP後半リーチの終盤に行われる第1演出ボタン連打促進演出(
図7(S-15)参照)と同様の演出である。
【0173】
そして、第1演出ボタン連打促進演出(
図7(S-23)参照)に係る有効期間中における第1演出ボタン35の連打に応じて、上述した当落示唆演出(当たり示唆演出またはハズレ示唆演出)が行われ、その後に、今回の第1特別図柄判定の判定結果を報知する当落報知演出(当たり報知演出またはハズレ報知演出)が実行される(
図7(S-24)参照)。
【0174】
ここまで、
図7等を参照しつつ、各種のリーチ中ボタン演出について説明したが、これらのリーチ中ボタン演出を、操作に応じて当たり報知演出が実行される可能性が高いものから低いものの順に並べると、第2演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-11)参照)、第1演出ボタン連打促進演出(
図7(S-15)参照)、第1演出ボタン連打促進演出(
図7(S-23)参照)、第1演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-18)参照)の順となる。
【0175】
図9には、可能性示唆画像(第1可能性示唆画像と第2可能性示唆画像)の表示色と、示唆演出の発生確率(本実施形態では、SPSPリーチへの発展確率)と、の対応関係が例示されている。
図8等に基づいて上述したように、本実施形態の遊技機1では、第1可能性示唆演出(
図8(D)参照)および第2可能性示唆演出(
図8(H)参照)の2回の可能性示唆演出が実行される第1の場合と、第1可能性示唆演出が実行された後に第2可能性示唆演出が実行されない第2の場合と、がある。ここで、第1の場合は、第2可能性示唆演出によって表示される第2可能性示唆画像が最終的な可能性示唆画像となる。一方、第2の場合には、第1可能性示唆演出によって表示される第1可能性示唆画像が最終的な可能性示唆画像となる。
【0176】
図9に例示されるように、最終的な可能性示唆画像の表示色が青色である場合は、SPSPリーチへの発展確率は約3%である。このため、第1SP前半リーチ選択演出(
図7(S-7)参照)やギミック動作演出(
図7(S-9)参照)が実行される可能性は極めて低く、大抵の場合、第2SP前半リーチ選択演出(
図7(S-17)参照)が実行される。
【0177】
また、
図9に例示されるように、最終的な可能性示唆画像の表示色が緑色である場合は、SPSPリーチへの発展確率は約18%である。このため、2つのSP前半リーチが同時に実行される場合は、概ね5回に1回の割合で、第1SP前半リーチ選択演出が実行されることになる。また、
図9に例示されるように、最終的な可能性示唆画像の表示色が赤色である場合は、SPSPリーチへの発展確率は約45%である。このため、2つのSP前半リーチが同時に実行される場合は、概ね2回に1回の割合で、第1SP前半リーチ選択演出が実行されることになる。
【0178】
また、
図9に例示されるように、最終的な可能性示唆画像の表示色が金色や虹色である場合は、SPSPリーチへの発展確率は100%であり、2つのSP前半リーチが同時に実行される場合は、第1SP前半リーチ選択演出が必ず実行されて、その後に、ギミック動作演出が必ず実行されることになる。なお、虹色の可能性示唆画像を表示する可能性示唆演出は、いわゆる確定報知演出として機能する演出であり、虹色の可能性示唆画像が表示された後に第1SP前半リーチ選択演出およびギミック動作演出が必ず実行され、その後に、当たり報知演出が必ず実行されることになる。
【0179】
(リーチ中ボタン演出を実行可能な遊技機1について)
ここまで、
図6,7等を参照しつつ本実施形態の遊技機1で行われるリーチ中ボタン演出について説明したが、このようなリーチ中ボタン演出を実行可能な遊技機1は、以下の遊技機として捉えることができる。
【0180】
遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当たり遊技)を実行するか否かの判定を行う判定手段(例えば、
図16のステップS308における大当たり判定処理を実行するメインCPU81)と、
前記特別遊技を実行すると前記判定手段によって判定された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段(
図13のステップS6における大入賞口開閉制御処理を実行するメインCPU81)と、
演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記判定の結果に基づいて、入力手段に対する入力を遊技者に促す第1入力促進演出(例えば、第1演出ボタン単押し促進演出:
図7(S-8)参照)と、前記特別遊技が実行されることを報知する報知演出(例えば、当たり報知演出)と、を実行可能であり、
前記第1入力促進演出の実行中における入力手段に対する入力に応じて、特定入力対応演出(例えば、ギミック動作演出:
図7(S-9)参照)を実行する場合と実行しない場合とがあり、
前記特定入力対応演出を実行した場合は、入力手段に対する入力を遊技者に促す第2入力促進演出(例えば、第2演出ボタン単押し促進演出:
図7(S-11)参照)を実行し、前記特定入力対応演出を実行しなかった場合(例えば、
図7(S-13)に例示される失敗演出を実行した場合)は、入力手段に対する入力を遊技者に促す第3入力促進演出(例えば、第1演出ボタン連打促進演出:
図7(S-15)参照)を実行し、
前記第3入力促進演出が実行されたときと前記第2入力促進演出が実行されたときとで、前記報知演出が実行される可能性が異なる(例えば、
図7(S-11)の第2演出ボタン単押し促進演出が実行された場合の方が、
図7(S-15)の第1演出ボタン連打促進演出が実行される場合に比べて、当たり報知演出が実行される確率が高い)、ことを特徴とする遊技機。
【0181】
本実施形態の遊技機1によれば、第1入力促進演出に対する入力に応じて、特定入力対応演出が実行された場合は第2入力促進演出が実行され、特定入力演出(例えば、ギミック動作演出)が実行されなかった場合は第3入力促進演出が実行され、第1入力促進演出の後に行われる入力促進演出が第2入力促進演出である場合と第3入力促進演出である場合とで、(特別遊技が実行されることを報知する)報知演出が実行される可能性が異なる。このため、特定入力演出の有無によって、どちらの入力促進演出が実行されるかと、報知演出が実行される可能性がどの程度であるかを効果的に報知することができ、高い演出効果を得ることが可能である。また、遊技者は、特定入力演出の有無に基づいて、報知演出が実行される可能性の程度を推測することが可能である。このため、報知演出が実行されることを期待する遊技者に対して、第1入力促進演出に対する入力手段の入力を効果的に促すことが可能である。
【0182】
また、本実施形態の遊技機1は、以下の遊技機として捉えることもできる。
前記演出制御手段は、
前記判定の結果に基づいて、入力手段に対する入力を遊技者に促す第4入力促進演出(例えば、第1演出ボタン単押し促進演出:
図7(S-18)参照)を実行可能であり、
前記第4入力促進演出を実行した場合は、その後に、入力手段に対する入力を遊技者に促す演出であり且つ前記第3入力促進演出(例えば、第1演出ボタン連打促進演出:
図7(S-15)参照)と共通する第5入力促進演出(例えば、第1演出ボタン連打促進演出:
図7(S-23)参照)を実行可能である、ことを特徴とする遊技機。
【0183】
この遊技機によれば、第4入力促進演出が実行された場合は、その後に、特定入力対応演出が実行されなかった場合に実行される第3入力促進演出と共通する第5入力促進演出が実行される。このため、特定入力対応演出が実行された場合に第2入力促進演出が実行され、それ以外の場合には、入力促進演出が第3入力促進演出や第5入力促進演出となることを遊技者が容易に認識することが可能である。したがって、多彩な入力促進演出を実行することによって演出の流れが複雑になり、却って演出効果が低下するといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
【0184】
また、本実施形態の遊技機1は、以下の遊技機として捉えることもできる。
前記第4入力促進演出(例えば、
図7(S-18)参照)は、前記第1入力促進演出(
図7(S-8)参照)によって遊技者に促される入力と共通する入力を遊技者に促す演出である、ことを特徴とする遊技機。
【0185】
この遊技機によれば、(後に第5入力促進演出が実行される)第4入力促進演出(例えば、第1演出ボタン単押し促進演出:
図7(S-18)参照)によって、(後に第2入力促進演出または第3入力促進演出が実行される)第1入力促進演出(例えば、第1演出ボタン単押し促進演出:
図7(S-8)参照)と共通する入力が促される。このように、第4入力促進演出と第1入力促進演出とでは、遊技者に対して促される入力が共通しているものの、後に実行される入力促進演出が互いに異なるため、遊技者に対して最初に促す入力促進演出を共通化して演出が複雑になるのを抑制しつつ、後に行われる入力促進演出を多様化することによって、演出のバリエーションを増加させて高い演出効果を得ることが可能である。
【0186】
また、本実施形態の遊技機1は、以下の遊技機として捉えることもできる。
前記第2入力促進演出(例えば、第2演出ボタン単押し促進演出:
図7(S-11)参照)が実行された場合の方が、前記第5入力促進演出(例えば、第1演出ボタン連打促進演出:
図7(S-23)参照)が実行される場合に比べて、前記報知演出が実行される可能性が高い、ことを特徴とする遊技機。
【0187】
この遊技機によれば、特定入力対応演出および第2入力促進演出が実行された場合の方が、(第4入力促進演出および)第5入力促進演出が実行される場合に比べて、特別遊技が実行される可能性が高い。このため、特定入力対応演出が実行されることに対する遊技者の期待感を効果的に向上させることができ、第1入力促進演出に対する入力手段の入力が行われないことに起因して一連の演出の興趣性が低下する、といった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
【0188】
(リーチ中ボタン演出に関する他の構成)
リーチ中ボタン演出に関して、以下のような構成を採用してもよい。すなわち、本実施形態では、第1SP前半リーチおよび第2SP前半リーチという2種類のSP前半リーチが同時に実行される場合を例に説明したが、他の実施形態では、これら2種類のSP前半リーチが同時に実行されることがなく、ノーマルリーチから第1SP前半リーチおよび第2SP前半リーチのいずれか一方に発展するといった構成を採用してもよい。
【0189】
また、本実施形態では、SP前半リーチとして第1SP前半リーチおよび第2SP前半リーチの2種類のSP前半リーチが用意されている場合を例に説明するが、SP前半リーチの種類は、1種類であってもよいし、或いは、3種類以上であってもよい。SP前半リーチを1種類とする場合は、そのSP前半リーチの実行中に、第1演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-8)参照)または第1演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-18)参照)を、どちらの第1演出ボタン単押し促進演出が実行されているのかを遊技者が特定できない態様で実行することが考えられる。
【0190】
第1演出ボタン単押し促進演出(
図7(S-18)参照)が実行されていることを遊技者が容易に特定できる構成では、この第1演出ボタン単押し促進演出が実行された後にSPSPリーチに発展することがないため、この第1演出ボタン単押し促進演出を実行することによって、大当たり遊技が実行されることに対する遊技者の期待感を却って低下させてしまうおそれがある。これに対して、
図7(S-8)の第1演出ボタン単押し促進演出と識別できない態様で
図7(S-18)の第1演出ボタン単押し促進演出を実行するといった上記の構成を採用すれば、後者の第1演出ボタン単押し促進演出に基づいて、SPSPリーチに発展しないことを特定することが困難になるため、後者の第1演出ボタン単押し促進演出を実行することによって、大当たり遊技が実行されることに対する遊技者の期待感が低下するといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
【0191】
また、本実施形態では、
図7(S-18)に例示される第1演出ボタン単押し促進演出が、
図7(S-8)に例示される第1演出ボタン単押し促進演出によって遊技者に促される操作と共通する操作を遊技者に促す演出である場合を例に説明する。これに対して、他の実施形態では、
図7(S-18)に例示される第1演出ボタン単押し促進演出を、
図7(S-8)に例示される第1演出ボタン単押し促進演出によって遊技者に促される操作とは異なる操作(例えば、長押し)を遊技者に促す操作促進演出としてもよい。
【0192】
また、本実施形態では、
図7(S-15)に例示される第1演出ボタン連打促進演出と、
図7(S-23)に例示される第1演出ボタン連打促進演出と、を比較した場合、遊技者に促す操作の内容は共通しているものの、第1SP後半リーチ中に実行される前者の第1演出ボタン連打促進演出の方が、第2SP後半リーチ中に実行される後者の第1演出ボタン連打促進演出よりも、大当たり信頼度が高いという関係性がある。このため、例えば、
図7(S-23)に例示される第1演出ボタン連打促進演出では、第1演出ボタン35を模した通常表示態様のボタン画像を表示する一方で、
図7(S-15)に例示される第1演出ボタン連打促進演出では、第1演出ボタン35を模した特別表示態様のボタン画像(例えば、通常表示態様のボタン画像が表す第1演出ボタン35よりも大きい第1演出ボタン35を表すボタン画像)を表示することによって、後者の第1演出ボタン連打促進演出の方が、大当たり信頼度が高いことを表現してもよい。また、
図7(S-23)に例示される第1演出ボタン連打促進演出に係る有効期間中には、振動モータ353を駆動させず、
図7(S-15)に例示される第1演出ボタン連打促進演出に係る有効期間中には、振動モータ353を駆動させて第1演出ボタン35を振動させる場合と振動させない場合とがある、といった構成を採用してもよい。
【0193】
また、本実施形態では、
図7に例示されるように、第1演出ボタン35を用いるボタン演出と、第2演出ボタン36を用いるボタン演出(
図7(S-11)参照)とが混在する場合を例に説明するが、例えば、第1演出ボタン35を設ける一方で第2演出ボタン36を設けない構成として、
図7に例示される全ての入力促進演出を第1演出ボタン35の各種操作を遊技者に促すものとしてもよい。また、
図7に例示される各入力促進演出によって遊技者に促される入力内容は、単なる一例であって、他の入力であってもよいことは言うまでもない。
【0194】
(可能性示唆演出を実行可能な遊技機1について)
また、
図7~
図9等に基づいて説明した可能性示唆演出を実行可能な本実施形態の遊技機1は、以下の遊技機として捉えることができる。
【0195】
遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当たり遊技)を実行するか否かを判定する判定手段(例えば、
図16のステップS308における大当たり判定処理を実行するメインCPU81)と、
前記特別遊技を実行すると前記判定手段によって判定された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段(
図13のステップS6における大入賞口開閉制御処理を実行するメインCPU81)と、
演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記特別遊技が実行される可能性があることを示唆する示唆演出(例えば、SPSPリーチ)を実行可能であり、
前記示唆演出が実行される可能性が第1の程度(例えば、23%)であることを示唆する第1可能性示唆画像を表示し(例えば、
図8(D)参照)、所定の契機演出(例えば、群予告:
図8(E)参照)が実行されたことに応じて、前記示唆演出が実行される可能性が前記第1の程度よりも高い第2の程度(例えば、63%)であることを示唆する第2可能性示唆画像(例えば、
図8(H)参照)へと前記第1可能性示唆画像を変化させる変化演出(例えば、
図8(D)~(H)参照)を実行可能である、ことを特徴とする遊技機。
【0196】
この遊技機によれば、示唆演出が実行される可能性が第1の程度であることを示唆する第1可能性示唆画像が、示唆演出が実行される可能性が(第1の程度よりも高い)第2の程度であることを示唆する第2可能性示唆画像へと変化する(例えば、
図8(D)~(H)参照)。このため、示唆演出が実行される可能性が高まったという印象を遊技者に与えることができ、変化演出と示唆演出との相乗効果によって、高い演出効果を得ることができる。また、契機演出(例えば、群予告:
図8(E)~(G)参照)が実行されたことに応じて第1可能性示唆画像が第2可能性示唆画像に変化するため、遊技者は、契機演出に基づいて、第1可能性示唆画像が変化することを容易に認識することができ、第1可能性示唆画像が第2可能性示唆画像に変化する様子を遊技者が見逃してしまい、変化演出を実行することによる十分な演出効果が得られない、といった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
【0197】
(示唆演出や変化演出に関する他の構成)
示唆演出や変化演出に関して、以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、本実施形態では、示唆演出がSPSPリーチである場合を例に説明するが、示唆演出は、大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する演出であればSPSPリーチに限定されるものではなく、例えば、SPSPリーチ以外のリーチ演出や、SPSPリーチの終盤において所定のカットイン画像を表示画面70に表示するカットイン、当たり示唆演出等の他の演出であってもよい。
【0198】
また、本実施形態では、第1可能性示唆画像(例えば、
図8(D)参照)が第2可能性示唆画像(
図8(H)参照)に変化するときと変化しないときとがある場合を例に説明するが、他の実施形態では、第1可能性示唆画像が表示された場合は、第1可能性示唆画像が第2可能性示唆画像に必ず変化するといった構成を採用してもよい。
【0199】
また、本実施形態では、群予告が実行されたことを契機として、第1可能性示唆画像が第2可能性示唆画像に変化する場合について説明するが、契機演出は群予告に限定されるものではなく、例えば、所定のキャラクタが登場して「変化するよ!」といったセリフを発する様子を表すキャラ台詞予告といった他の演出であってもよい。また、契機演出に関して、真の契機演出とガセの契機演出とを容易しておき、真の契機演出が実行された場合は第1可能性示唆画像が第2可能性示唆画像に変化し、ガセの契機演出が実行された場合は第1可能性示唆画像が第2可能性示唆画像に変化しない、といった構成を採用することも可能である。
【0200】
また、本実施形態では、群予告によって第1可能性示唆画像を視認できない状態にしてから第2可能性示唆画像を表示する場合を例に説明するが、例えば、第1可能性示唆画像が視認可能に表示された状態のまま所定のキャラクタを登場させ、このキャラクタが「変化するよ!」といったセリフを発したことに応じて、表示中の第1可能性示唆画像を第2可能性示唆画像に変化させるといった構成を採用してもよい。
【0201】
また、本実施形態では、遊技者による操作に基づかない演出(本実施形態では、群予告)が実行されたことを契機として、第1可能性示唆画像が第2可能性示唆画像に変化する場合について説明する。これに対して、他の実施形態では、例えば、第1可能性示唆画像が表示されている状態で、第1演出ボタン35の操作(単押し、連打、又は、長押し)を遊技者に促す第1演出ボタン操作促進演出を実行し、この第1演出ボタン操作促進演出に係る有効期間中に第1演出ボタン35が操作されたことに応じて、第1可能性示唆画像を第2可能性示唆画像に変化させるようにしてもよい。この場合、有効期間中に第1演出ボタン35が操作されなければ、第1可能性示唆画像を第2可能性示唆画像に変化させないといった構成、或いは、第1演出ボタン35が操作されることなく有効期間が終了した場合は、その有効期間の終了を契機として第1可能性示唆画像を第2可能性示唆画像に変化させるといった構成を併せて採用することが考えられる。
【0202】
また、他の実施形態では、第1可能性示唆画像が第2可能性示唆画像に変化した場合は、第1可能性示唆画像が第2可能性示唆画像に変化しない場合に比べて、高信頼度の演出(例えば、複数あるカットイン画像の中で大当たり信頼度が最も高いカットイン画像を表示するカットイン演出)の実行確率が高い、といった構成を採用することも考えられる。
【0203】
また、本実施形態では、100%の数字を示す虹色の可能性示唆画像を表示することによって、示唆演出が必ず実行されることのみならず、当たり報知演出が実行されることを確定的に報知する場合を例に説明したが、例えば、可能性示唆画像の表示色が虹色ではない場合においても、「33%」や「77%」といった大当たりを連想させる数字を示す可能性示唆画像(第1可能性示唆画像または第2可能性示唆画像)が表示された場合にも、当たり報知演出が必ず実行される、といった構成を採用してもよい。
【0204】
また、本実施形態では、第1可能性示唆画像や第2可能性示唆画像が示す数字が大きいほど、示唆演出の実行確率が高まる場合を例に説明するが、他の実施形態では、第1可能性示唆画像や第2可能性示唆画像が示す数字が小さいほど、示唆演出の実行確率が高まる、といった構成を採用してもよい。
【0205】
また、本実施形態では、示唆演出(本実施形態では、SPSPリーチ)が実行される可能性の程度を、第1可能性示唆画像や第2可能性示唆画像が示す数字の大小と表示色との両方によって表現する場合を例に説明するが、他の実施形態では、数字の大小と表示色のうちのいずれか一方に基づいて、示唆演出が実行される可能性の程度を表現するようにしてもよい。
【0206】
また、示唆演出が実行される可能性が第1の程度であることを示唆する第1可能性示唆画像や、示唆演出が実行される可能性が第2の程度であることを示唆する第2可能性示唆画像は、これらの可能性を数字で表現するものに限らず、例えば、所定の表示オブジェクトの個数によって、示唆演出が実行される可能性の程度を示唆するものや、複数の目盛が順番に点灯して行くゲージ画像が示すゲージにおける目盛の貯まり具合によって、示唆演出が実行される可能性の程度を示唆するようなものであってもよい。
【0207】
また、本実施形態では、第1可能性示唆画像および第2可能性示唆画像が、いずれも2つのSP前半リーチが同時に実行される期間中に表示される場合を例に説明するが、これらの可能性示唆画像の表示タイミングは本実施形態で例示するタイミングに限らず、他のタイミングであってもよい。例えば、第1可能性示唆画像および第2可能性示唆画像をノーマルリーチ中に表示するようにしてもよい。また、例えば、ノーマルリーチ中に第1可能性示唆画像を表示した後、2つのSP前半リーチの実行期間中に変化演出を発生させて第2可能性示唆画像を表示するというように、それぞれの可能性示唆画像の表示を互いに異なるリーチ演出中に行うようにしてもよい。
【0208】
[演出モードについて]
本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態で遊技が制御されているときの演出モードとして、第1通常演出モードおよび第2通常演出モードを含む複数の通常演出モードが用意されており、第1通常演出モードおよび第2通常演出モードには、以下のような特徴がある。
【0209】
すなわち、第1通常演出モードで演出が制御されているときには、キャラクタ画像が付加されていない数字のみから構成される演出図柄が演出図柄表示領域73に表示される(
図2参照)。一方、第2通常演出モードで演出が制御されているときには、数字およびキャラクタ画像を有して構成される演出図柄が演出図柄表示領域73に表示される(
図10,11参照)。第2通常演出モードで演出が制御されているときには、演出図柄として、数字の「1」およびキャラクタAを表すキャラクタ画像を有して構成される1図柄と、数字の「2」およびキャラクタBを表すキャラクタ画像を有して構成される2図柄と、数字の「3」およびキャラクタCを表すキャラクタ画像を有して構成される3図柄と、数字の「4」およびキャラクタDを表すキャラクタ画像を有して構成される4図柄と、数字の「5」およびキャラクタEを表すキャラクタ画像を有して構成される5図柄と、数字の「6」およびキャラクタFを表すキャラクタ画像を有して構成される6図柄と、数字の「7」およびキャラクタGを表すキャラクタ画像を有して構成される7図柄と、数字の「8」およびキャラクタHを表すキャラクタ画像を有して構成される8図柄と、数字の「9」およびキャラクタIを表すキャラクタ画像を有して構成される9図柄と、が演出図柄表示領域73に表示される。
図10(A)には、第2通常演出モードにおいて、3図柄、6図柄、及び2図柄が本停止した状態が例示されている。
【0210】
また、第1通常演出モードで演出が制御されているときには、演出図柄表示領域73(
図2参照)において、「1」~「9」の数字が下から上へと縦方向に連続して記された演出図柄の図柄列の一部が表示されるように、各図柄列(左列、中列、及び右列)が横方向に3列表示されている。そして、通常遊技状態において第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って、これらの図柄列が上から下へスクロールするように、3つの図柄列のスクロール表示が行われる。このように、第1通常演出モードで演出が制御されているときの演出図柄の変動態様は、下スクロールとなっている。
【0211】
一方、第2通常演出モードで演出が制御されているときには、演出図柄表示領域73において、上記の1図柄~9図柄が左から右へと横方向に連続して記された演出図柄の図柄列の一部が表示されるように、各図柄列(上列、中列、及び下列)が縦方向に3列表示されている(例えば、
図10(A)参照)。そして、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って、これらの図柄列が右から左へスクロールするように、3つの図柄列のスクロール表示が開始される(例えば、
図10(B)参照)。このように、第2通常演出モードで演出が制御されているときの演出図柄の変動態様は、左スクロールとなっている。
【0212】
[第1演出パターンの段階演出]
次に、
図10を参照しつつ、通常遊技状態において、第2通常演出モードで演出が制御されているときに行われる第1演出パターンの段階演出について説明する。ここで、
図10は、第1演出パターンの段階演出の具体例を示す画面図である。本実施形態における段階演出は、所定の段階(本実施形態では、3段階)を上限として当該所定の段階以下のいずれかの段階まで段階的に発展する演出であって、各段階の演出が、所定のキャラクタがセリフを発する様子を表す演出画像を表示する演出として構成されている(例えば、
図10(C)~(E)参照)。
【0213】
図10(A)には、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、「362」のバラケ目を示す3つの演出図柄が本停止した状態が例示されている。具体的には、下列の図柄列に含まれる(数字の「3」およびキャラクタCを表すキャラクタ画像から構成される)3図柄が演出図柄表示領域73における左下領域に本停止し、中列の図柄列に含まれる(数字の「6」およびキャラクタFを表すキャラクタ画像から構成される)6図柄が演出図柄表示領域73における中央領域に本停止し、上列の図柄列に含まれる(数字の「2」およびキャラクタBを表すキャラクタ画像から構成される)2図柄が演出図柄表示領域73における右上領域に本停止した状態が例示されている。
【0214】
第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されると共に、上記のように「362」のバラケ目を示す演出図柄が本停止してから所定の確定時間(本実施形態では、0.6秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定がメインCPU81によって実行される。これに対して、サブ制御基板90では、メインCPU81による第1特別図柄判定の判定結果に基づいて、段階演出を実行するか否かと、段階演出を実行する場合にはどのような演出パターンで実行するかを決定する処理がサブCPU91によって実行される。ここでは、第3段階まで発展する第1演出パターンの段階演出を実行すると決定された場合に行われる段階演出の具体例について説明する。
【0215】
保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(
図10(A)参照)に対応する第1特別図柄判定が実行されると、この保留アイコンが保留アイコン表示領域71から当該アイコン表示領域72にシフトすると共に、縦方向に3列表示された3つの図柄列の左方向へのスクロール表示が開始される(
図10(A)及び(B)参照)。このように、上列、中列、及び下列の3つの図柄列の左スクロールが開始されると、下列の図柄列が一時的に非表示の状態となり、段階演出における第1段階の演出が開始される(
図10(C)参照)。
【0216】
(第1段階の演出)
第1段階の演出では、
図10(C)に例示されるように、キャラクタEが「どうかな?」という質問を投げ掛けている様子を表す演出表示が行われる。これに伴い、「どうかな?」というキャラクタEの音声がスピーカ38から出力される。この第1段階の演出では、第2通常演出モードにおいて表示される5図柄を構成するキャラクタEを表すキャラクタ画像が使用される。このため、あたかも5図柄がセリフを発しているかのような印象を遊技者に与えることができ、高い演出効果を得ることが可能である。
【0217】
また、第1段階の演出に限らず、各段階の演出では、第2通常演出モードにおいて表示される1図柄~9図柄の各演出図柄を構成するキャラクタ画像が用いられる(例えば、
図10(D)及び(E)参照)。したがって、段階演出を行うためにキャラクタ画像を別途用意しておく必要がなく、遊技機1の製造コストが嵩むのを抑制することが可能である。
【0218】
なお、
図10(C)に例示される第1段階の演出が行われているときには、下列の図柄列が非表示の状態となっており、また、上列および中列の図柄列は、それぞれ、高速スクロール表示されているために、各図柄列を構成する演出図柄を明確には視認できない状態となっている。そして、第1段階の演出において表示されるキャラクタEには、数字が付加されていない。このため、演出図柄表示領域73における左下領域に5図柄が停止していると遊技者が誤認するといった問題が生じるのを抑制しつつ、キャラクタEを表すキャラクタ画像を有して構成される5図柄が演出を行っているかのような印象を遊技者に与えることが可能である。
【0219】
(第2段階の演出)
第1段階の演出が開始されてから所定時間が経過すると、下列の図柄列に加えて上列の図柄列が非表示の状態となり、第2段階の演出が開始される(
図10(D)参照)。この第2段階の演出では、
図10(D)に例示されるように、第1段階の演出に登場したキャラクタEを表示したまま、「もう1回だよ!」というセリフをキャラクタCが発している様子を表す演出表示が行われる。これに伴い、「もう1回だよ!」というキャラクタCの音声がスピーカ38から出力される。この第2段階の演出では、第2通常演出モードにおいて表示される3図柄を構成するキャラクタCを表すキャラクタ画像が使用される。このため、あたかも3図柄がセリフを発しているかのような印象を遊技者に与えることが可能である。なお、この第2段階の演出は、いわゆる擬似連演出が実行されることを示唆する演出となっている。
【0220】
(第3段階の演出)
第2段階の演出が開始されてから所定時間が経過すると、第3段階の演出が開始される(
図10(E)参照)。この第3段階の演出では、
図10(E)に例示されるように、第1段階および第2段階の演出に登場したキャラクタEと、第2段階の演出に登場したキャラクタCと、を表示したまま、「保変も来るね!」というセリフをキャラクタEが発している様子を表す演出表示が行われる。これに伴い、「保変も来るね!」というキャラクタEの音声がスピーカ38から出力される。なお、この第3段階の演出は、当該アイコンを対象とするアイコン変化演出が実行されることを示唆する演出となっている。
【0221】
ここまで、
図10(C)~(E)を参照しつつ、上限の第3段階まで発展する段階演出について説明したが、第3段階まで発展せずに段階演出が第2段階で終了する場合や、第2段階以降の演出が実行されずに段階演出が第1段階で終了する場合もある。
【0222】
図10(C)~(E)に例示される第1演出パターンの段階演出が実行された場合、その後に以下のような演出が行われる。すなわち、第3段階の演出の終了に伴い、第3段階の演出に係る演出画像が表示画面70から消去され、これに伴い、上列の図柄列および下列の図柄列が再度表示されて、上列、中列、及び下列の3列の高速での左スクロール表示が再開される(
図10(F)参照)。
【0223】
この3列の高速スクロール表示が再開されるのに伴い、第3段階の演出によって示唆されたアイコン変化演出が実行される(
図10(E)~(F)参照)。具体的には、
図10(E)~(F)に例示されるように、表示色が白色である通常の当該アイコンを特別アイコン(例えば、緑色の当該アイコン)へと変化させるアイコン変化演出が実行される。なお、第3段階の演出が行われている時点で、当該アイコンとして既に特別アイコンが表示されている場合は、その特別アイコンを表示色がより上位である特別アイコンへと変化させるアイコン変化演出が実行されることになる。
【0224】
続いて、3列の図柄列の高速スクロールが再開されてから所定時間が経過すると、例えば、下列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していき、下列の図柄列に含まれる(キャラクタAを表すキャラクタ画像および数字の「1」を有して構成される)1図柄が演出図柄表示領域73における左下領域に擬似停止する(
図10(G)参照)。そして、上列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していき、上列の図柄列に含まれる(キャラクタAを表すキャラクタ画像および数字の「1」を有して構成される)1図柄が演出図柄表示領域73における右上領域に擬似停止する(
図10(H)参照)。これにより1図柄でのリーチが成立した状態となる。
【0225】
この場合、本来であれば、
図6(E)等に基づいて上述したノーマルリーチが開始されるが、段階演出(
図10に示される例では、第2段階の演出:
図10(D)参照)によって擬似連演出の実行が示唆されている場合は、以下のような演出が行われる。すなわち、リーチを形成する2つの1図柄が擬似停止した状態で、キャラクタ画像が付加されていない数字のみから構成される中図柄が表示画面70の中央領域に擬似停止し、その後に、遊技機1の上下方向を軸方向として時計回りに回転(自転)する(
図10(H)参照)。
図10(H)には、中図柄が回転する過程において、一時的に2図柄が表示されている様子が例示されている。この中図柄は、2図柄、3図柄、4図柄というように、1回転する毎に「1」加算した数字を表す中図柄へと変化する。そして、ここでは、擬似連演出の実行が示唆されているため、中図柄が7図柄まで変化し、この7図柄が8図柄に変化することなく演出図柄表示領域73の中央領域に擬似停止する(
図10(I)参照)。
【0226】
この中7図柄は、擬似連演出の実行を報知する擬似連図柄として機能する演出図柄であり、中7図柄が中列に所定時間擬似停止した後は、3列の図柄列の左スクロールが再開されて、擬似2連目の変動演出が開始されることになる。
【0227】
[第2演出パターンの段階演出]
次に、
図11を参照しつつ、通常遊技状態において、第2通常演出モードで演出が制御されているときに行われる第2演出パターンの段階演出について説明する。ここで、
図11は、第2演出パターンの段階演出の具体例を示す画面図である。
【0228】
図11(A)には、
図10(B)と同様に、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示の開始に伴い、第2通常演出モードにおいて、3つの図柄列の左スクロールが開始された直後の様子が例示されている。
【0229】
上述したように、本実施形態の遊技機1では、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを報知する第1特別図柄として、「確変図柄」および「通常図柄」が用意されている。そして、第1特別図柄表示器41に「確変図柄」が停止表示された場合は、大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御され、「通常図柄」が停止表示された場合は、大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態で遊技が制御される。
【0230】
これに対して、表示画面70では、メインCPU81による第1特別図柄判定の判定結果に基づいて、第1特別図柄の変動表示に伴って演出図柄を変動表示する演出を含む変動演出が行われる。この変動演出には、「第1変動演出」と、「第2変動演出」と、がある。本実施形態では、表示画面70に表示される演出図柄として、キャラクタ画像が付加されているか否かに関わらず、1図柄、2図柄、3図柄、4図柄、5図柄、6図柄、7図柄、8図柄、及び、9図柄の9つの演出図柄が用意されている。「第1変動演出」は、これら9つの演出図柄のうちの、いずれかの偶数図柄(2図柄、4図柄、6図柄、又は8図柄)によるリーチが成立した状態で行われるリーチ演出(以下、「通常リーチ」とも言う。)のことである。また、「第2変動演出」は、上記9つの演出図柄のうちの、いずれかの奇数図柄(1図柄、3図柄、5図柄、7図柄、又は9図柄)によるリーチが成立した状態で行われるリーチ演出(以下、「確変リーチ」とも言う。)のことである。
【0231】
第1特別図柄表示器41に「確変図柄」が停止表示され、大当たり遊技終了後に確変遊技状態(「第2遊技状態」の一例)で遊技が制御される場合、サブCPU91は、第1変動演出または第2変動演出において当たり報知演出を実行する。ここで、第2変動演出において当たり報知演出を実行する場合、例えば、3図柄によるリーチが成立した状態で確変リーチを行い、この確変リーチの終盤で「333」のゾロ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させ、第1特別図柄として「確変図柄」が停止表示されるのに伴い、これら3つの演出図柄を本停止させる当たり報知演出を実行する。このように、共通する3つの奇数図柄を擬似停止させてから本停止させる当たり報知演出を行うことによって、遊技者は、確変大当たりに当選したことを容易に認識することが可能である。
【0232】
また、サブCPU91は、上記のように、大当たり遊技終了後に確変遊技状態で遊技が制御される場合、第1変動演出において当たり報知演出を実行することもある。例えば、4図柄によるリーチが成立した状態で通常リーチを行い、この通常リーチの終盤で「444」のゾロ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させ、第1特別図柄として「確変図柄」が停止表示されるのに伴い、これら3つの演出図柄を本停止させる当たり報知演出を実行する。このように、共通する3つの偶数図柄を擬似停止させてから本停止させる当たり報知演出を行うことによって、大当たり遊技終了後に時短遊技状態で遊技が制御されると遊技者に感じさせることができる。しかしながら、大当たり遊技終了後は確変遊技状態で遊技が制御されることから、サブCPU91は、大当たり遊技中にいわゆる確変昇格演出を実行して、大当たり遊技終了後は確変遊技状態で遊技が制御されることを報知する。
【0233】
一方、第1特別図柄表示器41に「通常図柄」が停止表示され、大当たり遊技終了後に時短遊技状態(「第1遊技状態」の一例)で遊技が制御される場合、サブCPU91は、第1変動演出において当たり報知演出を実行する。例えば、2図柄によるリーチが成立した状態で通常リーチを行い、このリーチ演出の終盤で「222」のゾロ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させ、第1特別図柄として「通常図柄」が停止表示されるのに伴い、これら3つの演出図柄を本停止させる当たり報知演出を実行する。このように、共通する3つの偶数図柄を擬似停止させてから本停止させる当たり報知演出を行うことによって、大当たり遊技終了後に時短遊技状態で遊技が制御されることを明確に報知することが可能である。
【0234】
なお、第2変動演出は、上記のように、奇数図柄によるリーチが成立した状態で行われる確変リーチである。このため、大当たり遊技終了後に時短遊技状態で遊技が制御される場合、この大当たり遊技に対応する第1特別図柄の変動表示中に、確変リーチである第2変動演出が実行されることはない。
【0235】
図11の説明に戻り、奇数図柄によるリーチが成立した状態で行われる確変リーチである第2変動演出が行われる場合、以下のような演出が行われる。すなわち、縦方向に3列表示された3つの図柄列の左方向へのスクロール表示(
図11(A)参照)が開始されてから所定時間が経過すると、下列の図柄列が一時的に非表示の状態となり、段階演出における第1段階の演出が開始される(
図11(B)参照)。
【0236】
(第1段階の演出)
第1段階の演出では、
図11(B)に例示されるように、キャラクタFが「通常リーチかな?」という質問を投げ掛けている様子を表す演出表示が行われる。すなわち、通常リーチである第1変動演出に関する第1変動演出画像として、キャラクタFが「通常リーチかな?」というセリフを発している様子を表す演出画像が表示画面70に表示される。これに伴い、「通常リーチかな?」というキャラクタFの音声がスピーカ38から出力される。この第1段階の演出では、第2通常演出モードにおいて表示される6図柄を構成するキャラクタFを表すキャラクタ画像が使用される。このため、あたかも6図柄がセリフを発しているかのような印象を遊技者に与えることができ、高い演出効果を得ることが可能である。なお、この第1段階の演出は、キャラクタFのセリフ内容からも明らかなように、偶数図柄によるリーチが成立した状態でリーチ演出が実行される可能性があることを示唆する演出となっている。
【0237】
(第2段階の演出)
第1段階の演出が開始されてから所定時間が経過すると、下列の図柄列に加えて上列の図柄列が非表示の状態となり、第2段階の演出が開始される(
図11(C)参照)。この第2段階の演出では、
図11(C)に例示されるように、第1段階の演出に登場したキャラクタFを表示したまま、「確変リーチだよ!」というセリフをキャラクタAが発している様子を表す演出表示が行われる。すなわち、確変リーチである第2変動演出に関する第2変動演出画像として、(1図柄に付加されているものと同じ)キャラクタAが「確変リーチだよ!」というセリフを発している様子を表す演出画像が表示画面70に表示される。この第2段階の演出では、第2通常演出モードにおいて表示される1図柄を構成するキャラクタAを表すキャラクタ画像が使用される。このため、あたかも1図柄がセリフを発しているかのような印象を遊技者に与えることが可能である。なお、この第2段階の演出は、キャラクタAのセリフ内容からも明らかなように、奇数図柄によるリーチが成立した状態でリーチ演出が実行されることを確定的に報知する演出となっている。
【0238】
(第3段階の演出)
第2段階の演出が開始されてから所定時間が経過すると、第3段階の演出が開始される(
図11(D)参照)。この第3段階の演出では、
図11(D)に例示されるように、第1段階および第2段階の演出に登場したキャラクタFと、第2段階の演出に登場したキャラクタAと、を表示したまま、「アツいね!」というセリフをキャラクタFが発している様子を表す演出表示が行われる。これに伴い、「アツいね!」というキャラクタFの音声がスピーカ38から出力される。なお、この第3段階の演出は、当たり報知演出が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する演出となっている。
【0239】
このように、段階演出における第3段階の演出が実行されると、その後は、
図10(F)に基づいて上述したのと同様に、上列の図柄列および下列の図柄列が再度表示されて、上列、中列、及び、下列の3列の高速での左スクロール表示が再開される(
図11(E)参照)。そして、3列の図柄列の高速での左スクロール表示が再開されてから所定時間が経過すると、例えば、下列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していき、下列の図柄列に含まれる(キャラクタGを表すキャラクタ画像および数字の「7」を有して構成される)7図柄が演出図柄表示領域73における左下領域に擬似停止する(
図11(F)参照)。そして、上列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していき、上列の図柄列に含まれる(キャラクタGを表すキャラクタ画像および数字の「7」を有して構成される)7図柄が演出図柄表示領域73における右上領域に擬似停止する(
図11(G)参照)。これにより7図柄でのリーチが成立した状態となる(
図11(H)参照)。なお、
図11(H)には、段階演出における第3段階の演出(ここでは、大当たり信頼度が相対的に高いことを示唆する演出画像を表示する演出:
図11(D)参照)と対応するように、「激熱!」の文字を含むリーチラインが左下7図柄および右上7図柄に重畳表示されている様子が例示されている。
【0240】
図11(H)のように、7図柄でのリーチが成立すると、ノーマルリーチ(
図6(E)参照)が実行され、このノーマルリーチの終盤で当たり報知演出が実行される場合がある。また、7図柄でリーチを成立させる演出は、通常リーチや他の奇数図柄での確変リーチと比べて、当たり報知演出が実行される可能性が高い演出となっている。このため、ノーマルリーチの終盤でハズレ報知演出が実行される可能性は極めて低く、ノーマルリーチの終盤で当たり報知演出が実行されなかった場合は、ノーマルリーチからSPリーチ(
図6(G)に例示される第1SP前半リーチまたは第2SP前半リーチ)へと発展して、これらのSP前半リーチ、第1SP後半リーチ、第2SP後半リーチ、及び、SPSPリーチのいずれかにおいて、当落報知演出(当たり報知演出またはハズレ報知演出)が実行されることになる。
【0241】
なお、ここでは、
図11に基づいて、通常リーチに関する第1変動演出画像が第1段階の演出で表示される場合を例に説明したが、この第1変動演出画像は、第2段階の演出で表示される場合や、第3段階の演出で表示される場合もあり、第1変動演出画像が第3段階の演出で表示された場合は、確変リーチに関する第2変動演出画像が表示されない(すなわち、通常リーチが実行されることが確定する)という特徴がある。また、段階演出における第1段階の演出または第2段階の演出で通常リーチに関する第1変動演出画像が表示された場合に、その後に確変リーチに関する第2変動演出画像が表示されない場合もある。例えば、本実施形態の遊技機1では、第1段階の演出における「通常リーチかな?」というキャラクタFのセリフ(
図11(B)参照)を肯定する内容の「そうだね!」というセリフをキャラクタAが発する様子を表す第2段階の演出を第1段階の演出の後に行う演出パターンが用意されており、この場合、第2段階の演出が行われた時点で、通常リーチへの発展が確定する。このため、第3段階の演出において、確変リーチに関する第2変動演出画像が表示されることはない。
【0242】
また、
図11には、通常リーチに関する第1変動演出画像が第1段階の演出で表示され、確変リーチに関する第2変動演出画像が第1段階の次の段階である第2段階で表示される場合が例示されているが、第1変動演出画像が第1段階の演出で表示された後、第3段階の演出において、確変リーチに関する第2変動演出画像が表示される場合もある。このような場合には、第2段階の演出において、擬似連演出が実行されることを示唆する演出画像(例えば、
図10(D)参照)を表示する演出が行われたり、或いは、当該アイコンを対象とするアイコン変化演出が実行されることを示唆する演出画像(例えば、
図10(E)参照)を表示する演出が行われたりすることがある。
【0243】
また、
図11には、確変リーチに関する第2変動演出画像が第3段階の演出で表示される場合が例示されているが、この第2変動演出画像は、第1段階の演出で表示される場合や、第2段階の演出で表示される場合もあり、第2変動演出画像が第1段階の演出で表示された場合は、通常リーチに関する第1変動演出画像が表示されないという特徴がある。
【0244】
(段階演出を実行可能な遊技機1について)
図11に基づいて説明した第2演出パターンの段階演出を実行可能な本実施形態の遊技機1は、以下の遊技機として捉えることができる。
【0245】
遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当たり遊技)を実行するか否かを判定する判定手段(例えば、
図16のステップS308における大当たり判定処理を実行するメインCPU81)と、
所定の特別図柄表示手段(例えば、第1特別図柄表示器41)に特別図柄(例えば、第1特別図柄)を変動表示させてから前記判定手段の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる図柄表示制御手段(
図16のステップS311,S315の処理を実行するメインCPU81)と、
前記特別遊技を実行すると前記判定手段によって判定されたことを示す特別図柄が前記特別図柄表示手段に停止表示された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段(
図13のステップS6における大入賞口開閉制御処理を実行するメインCPU81)と、
前記特別遊技の終了後に、第1遊技状態(例えば、時短遊技状態)および当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(例えば、確変遊技状態)を含む複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態で遊技を制御する遊技制御手段(例えば、メインCPU81)と、
演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示を含む変動演出と、前記特別遊技が実行されることを報知する報知演出(例えば、当たり報知演出)と、を実行可能であり、
前記変動演出には、第1変動演出(例えば、偶数図柄でリーチが成立した状態で行われるリーチ演出:通常リーチ)と、当該第1変動演出とは異なる第2変動演出(例えば、奇数図柄でリーチが成立した状態で行われるリーチ演出:確変リーチ)と、があり、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技の終了後に前記第2遊技状態(例えば、確変遊技状態)で遊技が制御される場合は、前記第1変動演出または前記第2変動演出において前記報知演出を実行し、
前記特別遊技の終了後に前記第1遊技状態(例えば、時短遊技状態)で遊技が制御される場合は、前記第1変動演出において前記報知演出を実行する一方、前記第2変動演出においては前記報知演出を実行せず、
前記第2変動演出が実行される場合に、前記第1変動演出に関する第1変動演出画像(例えば、
図11(B)参照)を表示してから前記第2変動演出に関する第2変動演出画像(例えば、
図11(C)参照)を表示する画像表示演出を実行可能である、ことを特徴とする遊技機。
【0246】
この遊技機によれば、第1変動演出において報知演出が実行された場合は、特別遊技の終了後に第1遊技状態で遊技が制御されるときと第2遊技状態で遊技が制御されるときとがある一方で、第2変動演出において報知演出が実行された場合は、特別遊技の終了後に、第2遊技状態で遊技が制御され、第1遊技状態で遊技が制御されるときがない。これに対して、第2変動演出が実行される場合に、第1変動演出画像が表示されてから第2変動演出画像が表示されることがある(
図11(B)~(C)参照)。このため、第1変動演出において報知演出が実行されるかもしれないと予測していた遊技者に対して、第2変動演出において報知演出が実行されることを期待させることができ、高い演出効果を得ることが可能である。
【0247】
(第1変動演出画像や第2変動演出画像に関する他の構成)
第1変動演出画像や第2変動演出画像に関して、以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、本実施形態では、第1変動演出画像を表示した後に第2変動演出画像を表示する画像表示演出が通常遊技状態において行われる場合を例に説明する。ただし、通常遊技状態に限らず、確変遊技状態(又は時短遊技状態)において、第2特別図柄判定の判定結果に基づいて、本実施形態で例示したものと同様の画像表示演出を行うようにしてもよい。例えば、確変遊技状態において第2特別図柄表示器42に「通常図柄」が停止表示される通常大当たりが発生すると、大当たり遊技終了後は、確変遊技状態ではなく時短遊技状態で遊技が制御されることになる。このため、偶数図柄によるリーチが成立した状態で行われるリーチ演出に関する第1変動演出画像を表示する演出は、確変遊技状態が終了する可能性があることを示唆するものであるため、遊技者にとって大ピンチであると言える。これに対して、確変遊技状態において、このような第1変動演出画像を表示した後に(奇数図柄によるリーチが成立した状態で行われる確変リーチに関する)第2変動演出画像を表示する画像表示演出を行うことによって、少なくとも確変が終了することが無くなったという安心感を遊技者に覚えさせることができ、一旦は焦燥感を覚えさせてから安心感を覚えさせることが可能な興趣性が高い演出を実行することが可能である。
【0248】
また、本実施形態では、
図11(B)~(C)に例示されるように、通常リーチに関する第1変動演出画像の表示を終了させてから、確変リーチに関する第2変動演出画像を表示する画像表示演出を実行する場合を例に説明する。これに対して、他の実施形態では、第1変動演出画像を表示したまま第2変動演出画像を表示する画像表示演出を実行するようにしてもよい。また、第1変動演出画像を第2変動演出画像へと変化させる画像表示演出を実行するようにしてもよい。
【0249】
また、本実施形態では、通常リーチに関する第1変動演出画像として、所定のキャラクタが発するセリフ(例えば、
図11(B)参照)を表示する場合を例に説明するが、第1変動演出画像はこれに限らず、例えば、通常リーチを連想させる「2」の数字を含むカード(2図柄によるリーチが成立した状態で行われる通常リーチに対応するカード)を表す演出画像や、通常リーチに対応する通常キャラクタを表す演出画像といった、他の演出画像であってもよい。
【0250】
また、本実施形態では、確変リーチに関する第2変動演出画像として、所定のキャラクタが発するセリフ(例えば、
図11(C)参照)を表示する場合を例に説明するが、第2変動演出画像はこれに限らず、例えば、確変リーチを連想させる「7」の数字を含むカード(7図柄によるリーチが成立した状態で行われる確変リーチに対応するカード)を表す演出画像や、確変リーチに対応する確変キャラを表す演出画像といった、他の演出画像であってもよい。
【0251】
また、本実施形態では、遊技者による操作とは無関係に、第1変動演出画像(例えば、
図11(B)参照)や第2変動演出画像(例えば、
図11(C)参照)、擬似連演出が実行されることを示唆する演出画像(例えば、
図10(D)参照)、アイコン変化演出が実行されることを示唆する演出画像(例えば、
図10(E)参照)、大当たり信頼度が相対的に高いことを示唆する演出画像(例えば、
図11(D)参照)が表示される場合を例に説明する。これに対して他の実施形態では、遊技者による第1演出ボタン35の操作に応じて、これらの演出画像のいずれかが表示されるといった構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合、例えば、遊技者による第1演出ボタン35の操作を受け付け可能な合計操作回数を決定する合計操作回数決定演出が行われる。この合計操作回数決定演出は、例えば、第1演出ボタン35を模したボタンマークと、このボタンマークの右横に「×1」や「×2」、「×3」といった合計操作回数と、を併せて表示する演出として構成されている。
【0252】
ここで、ボタンマークおよび「×1」の合計操作回数を表示する合計操作回数決定演出が行われた場合、1つの有効期間が設定される。そして、この有効期間中に、第1演出ボタン35の操作を遊技者に促す第1演出ボタン操作促進演出が実行され、有効期間中に第1演出ボタン35が操作されたことに応じて、第1段階の演出が実行されて段階演出が第1段階で終了する。また、ボタンマークおよび「×2」の合計操作回数を表示する合計操作回数決定演出が行われた場合、断続する2つの有効期間が設定される。そして、これら2つの有効期間のそれぞれにおいて、第1演出ボタン35の操作を遊技者に促す第1演出ボタン操作促進演出が実行され、1回目の有効期間中に第1演出ボタン35が操作されたことに応じて第1段階の演出が実行され、2回目の有効期間中に第1演出ボタン35が操作されたことに応じて第2段階の演出が実行されて、段階演出が第2段階で終了する。
【0253】
また、ボタンマークおよび「×3」の合計操作回数を表示する合計操作回数決定演出が行われた場合、断続する3つの有効期間が設定される。そして、これら3つの有効期間のそれぞれにおいて、第1演出ボタン35の操作を遊技者に促す第1演出ボタン操作促進演出が実行され、1回目の有効期間中に第1演出ボタン35が操作されたことに応じて第1段階の演出が実行され、2回目の有効期間中に第1演出ボタン35が操作されたことに応じて第2段階の演出が実行され、3回目の有効期間中に第1演出ボタン35が操作されたことに応じて第3段階の演出が実行されて、段階演出が上限の第3段階で終了する。
【0254】
このような合計操作回数決定演出を実行すると共に、遊技者による第1演出ボタン35の操作に応じて段階演出の各段階の演出を実行するといった構成を採用すれば、合計操作回数決定演出によって報知される合計操作回数が多いほど、段階演出がより上位の段階まで発展することになり、また、確変リーチに関する第2変動演出画像(例えば、
図11(C)参照)や、大当たり信頼度が相対的に高いことを示唆する演出画像(例えば、
図11(D)参照)が表示される可能性が高まることになる。
【0255】
このため、合計操作回数が相対的に多いことを報知する合計操作回数決定演出を実行することによって、遊技者による第1演出ボタン35の操作機会を増やすことができ、且つ、当たり報知演出が実行されることに対する遊技者の期待感を効果的に向上させて、第1演出ボタン35を操作することに関する強い動機付けを遊技者に与えることが可能である。
【0256】
以下、
図6~
図11の図面に基づいて説明した演出を実現するためのメイン制御基板80のRAM構成や、各制御基板で行われる処理について説明する。
【0257】
[メインRAM83の構成例]
図12は、メインRAM83の記憶領域と各記憶領域に記憶される情報について説明するための説明図である。
図12(A)に例示されるように、メインRAM83には、第1始動口21に遊技球が入賞した際に取得された取得情報等を記憶する記憶領域として、判定用記憶領域830、特
図1・第1保留記憶領域831、特
図1・第2保留記憶領域832、特
図1・第3保留記憶領域833、及び特
図1・第4保留記憶領域834が設けられている。また、メインRAM83には、第2始動口22に遊技球が入賞した際に取得された取得情報等を記憶する記憶領域として、上記判定用記憶領域830、特
図2・第1保留記憶領域835、特
図2・第2保留記憶領域836、特
図2・第3保留記憶領域837、及び特
図2・第4保留記憶領域838が設けられている。
【0258】
判定用記憶領域830は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。特
図1・第1保留記憶領域831~特
図1・第4保留記憶領域834は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域であり、特
図2・第1保留記憶領域835~特
図2・第4保留記憶領域838は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。そして、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、第2特別図柄判定の方が第1特別図柄判定よりも優先消化される。このため、判定用記憶領域830には、保留されている特別図柄判定の実行に際して、第2特別図柄判定が保留されている場合には特
図2・第1保留記憶領域835に記憶されている各種情報がシフトされ、第1特別図柄判定のみが保留されている場合には特
図1・第1保留記憶領域831に記憶されている各種情報がシフトされる。
【0259】
図12(B)に例示されるように、保留記憶領域831~838は、特別図柄判定の権利を保留するための情報を記憶する領域であって、それぞれ、メインCPU81によって取得された、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、事前判定結果を示す情報である事前判定情報を記憶する領域等を含んでいる。
【0260】
ここで、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数については、上述した通りである。事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(
図15参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。ここで、入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口21に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。これらの情報を含む事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
【0261】
遊技機1では、第1始動口21に遊技球が入賞する毎に、
図12(B)に基づいて説明した5つの情報が、特
図1・第1保留記憶領域831から順に、特
図1・第1保留記憶領域831~特
図1・第4保留記憶領域834のいずれかに格納される。また、第2始動口22に遊技球が入賞する毎に、上記5つの情報が、特
図2・第1保留記憶領域835から順に、特
図2・第1保留記憶領域835~特
図2・第4保留記憶領域838のいずれかに格納される。
【0262】
例えば、判定用記憶領域830に情報が記憶されると共に特
図1・第1保留記憶領域831~特
図1・第4保留記憶領域834のいずれにも情報が記憶されていない状態で、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて新たに取得された第1特別図柄判定に係る5つの情報が特
図1・第1保留記憶領域831に格納される。また、例えば、判定用記憶領域830、特
図1・第1保留記憶領域831、及び特
図1・第2保留記憶領域832のそれぞれに5つの情報が記憶された状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて新たに取得された第1特別図柄判定に係る5つの情報が特
図1・第3保留記憶領域833に格納される。
【0263】
また、第1特別図柄判定の実行に際して特
図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報が判定用記憶領域830にシフトされると、特
図1・第2保留記憶領域832以降の第1特別図柄判定に係る保留記憶領域に記憶されている情報が特
図1・第1保留記憶領域831側にシフトされる。例えば、特
図1・第1保留記憶領域831~特
図1・第3保留記憶領域833のそれぞれに情報が記憶された状態で特
図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報が判定用記憶領域830にシフトされると、特
図1・第2保留記憶領域832に記憶されている情報が特
図1・第1保留記憶領域831にシフトされ、特
図1・第3保留記憶領域833に記憶されている情報が特
図1・第2保留記憶領域832にシフトされる。
【0264】
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される特
図2・第1保留記憶領域835~特
図2・第4保留記憶領域838においても同様に行われる。なお、本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄判定および第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち特
図1・第1保留記憶領域831と特
図2・第1保留記憶領域835の両方に情報が記憶されている場合、特
図1・第1保留記憶領域831~特
図1・第4保留記憶領域834を対象とするシフト処理に先立って、特
図2・第1保留記憶領域835~特
図2・第4保留記憶領域838を対象とするシフト処理が優先して行われる。
【0265】
ところで、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中に第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。このため、メインCPU81は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を、特別図柄判定の権利を保留する情報として保留記憶領域831~838のいずれかの領域に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU81は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域830に直接格納する。
【0266】
[メイン制御基板80による割込み処理]
次に、
図13を参照しつつ、メイン制御基板80において実行される割込み処理について説明する。ここで、
図13は、メイン制御基板80において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。メイン制御基板80は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、
図13に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、
図13以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御基板80の処理は、メインROM82に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU81が発行する命令に従って行われる。
【0267】
まず、メインCPU81は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。
【0268】
ステップS1の処理に続いて、メインCPU81は、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、ゲートセンサ251の各センサからの検知信号が入力されたことに応じて各種の乱数を取得する処理を含むセンサ検知処理を実行する(ステップS2)。このセンサ検知処理については、
図14に基づいて後に詳述する。
【0269】
ステップS2の処理に続いて、メインCPU81は、特別図柄判定を実行して、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、
図16に基づいて後に詳述する。
【0270】
ステップS3の処理に続いて、メインCPU81は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器43に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
【0271】
ステップS4の処理に続いて、メインCPU81は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口22を開放すると判定した場合に、開閉部材23を動作させる第2始動口ソレノイド222を制御して第2始動口22を開閉する第2始動口開閉制御処理を実行する(ステップS5)。
【0272】
ステップS5の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS3の特別図柄処理において実行される大当たり判定処理で「大当たり」であると判定した場合に、第1大入賞口ソレノイド262(又は第2大入賞口ソレノイド282)を制御して第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)を開閉する大入賞口開閉制御処理を実行する(ステップS6)。
【0273】
ステップS6の処理に続いて、メインCPU81は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
【0274】
ステップS7の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM83にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報をサブ制御基板90に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
【0275】
[メイン制御基板80によるセンサ検知処理]
図14は、
図13のステップS2におけるセンサ検知処理の詳細フローチャートである。
図14に例示されるように、メインCPU81は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、ゲートセンサ251からの検知信号の入力の有無に基づいて、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知したか否かを判定する(ステップS201)。ここで、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知したと判定した場合(ステップS201:YES)、メインRAM83に記憶されている普通図柄判定の保留数Fが、予め設定されている普通図柄判定の最大保留数Fmax(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0276】
メインCPU81は、保留数Fが「4」未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数Fを「1」加算した値に更新し(ステップS203)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される普通図柄乱数に関して、ゲート25に対する遊技球の通過を検知したタイミングの値を取得して、メインRAM83の所定領域に格納する(ステップS204)。
【0277】
一方、メインCPU81は、ステップS204の処理を実行した場合、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知していないと判定した場合(ステップS201:NO)、保留数Fが「4」未満ではないと判定した場合(ステップS202:NO)、第2始動口センサ221からの検知信号の入力の有無に基づいて、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したか否かを判定する(ステップS206)。ここで、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したと判定した場合(ステップS206:YES)、メインRAM83に記憶されている第2特別図柄判定の保留数T2が、予め設定されている第2特別図柄判定の最大保留数T2max(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS207)。
【0278】
メインCPU81は、保留数T2が「4」未満であると判定した場合(ステップS207:YES)、保留数T2を「1」加算した値に更新し(ステップS208)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に関して、第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したタイミングの値をそれぞれ取得する(ステップS209)。
【0279】
このように、保留数T2が最大保留数T2max未満の状態で第2始動口22に対する遊技球の入賞が検知されるという取得条件の成立に応じて、第2特別図柄判定に係る各種の乱数が取得される。なお、第2特別図柄判定および第2特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域830に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は特
図2・第1保留記憶領域835~特
図2・第4保留記憶領域838のいずれかの領域に格納される。
【0280】
メインCPU81は、ステップS209の処理を実行した場合、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS210)。メインRAM83には、時短遊技フラグが記憶されている。この時短遊技フラグは、第2始動口22に遊技球が入賞し難い低ベース状態となるように開閉部材23の動作を制御する場合に「OFF」に設定され、第2始動口22に遊技球が入賞し易い高ベース状態となるように開閉部材23の動作を制御する場合に「ON」に設定されるフラグである。メインCPU81は、ステップS210において、この時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する。
【0281】
メインCPU81は、現在の状態が高ベース状態であると判断した場合(ステップS210:YES)、すなわち時短遊技フラグが「ON」に設定されている場合、第2特別図柄判定の保留に係る事前判定処理を実行する(ステップS211)。具体的には、第2始動口22に遊技球が入賞したことに応じて取得した各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理(
図17参照)や変動パターン選択処理(
図18参照)が実行されるのに先立って、ステップS209の処理で取得された各種乱数に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第2特別図柄判定が実行された際に第2特別図柄の変動パターンとしてどの変動パターンが選択されるかを事前判定する事前判定処理を実行する。この事前判定処理の結果である事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数等が記憶されているのと同じ保留記憶領域に格納される。
【0282】
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第2特別図柄判定の保留数T2が「0」の状態で第2始動口22に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域830に直接格納されて、これらの乱数に基づく第2特別図柄判定が直ちに実行される。この場合、第2特別図柄判定は保留されないため、第2特別図柄判定に係る事前判定処理は行われない。このような事前判定処理については、
図15に基づいて後に詳述する。
【0283】
メインCPU81は、ステップS211の処理を実行した場合、又は高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS210:NO)、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS212)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。なお、ステップS211の事前判定処理が行われることなくステップS212の処理が行われた場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。一方、ステップS211の事前判定処理が行われた後にステップS212の処理が行われた場合には、事前判定情報を含む保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。
【0284】
一方、メインCPU81は、ステップS212の処理を実行した場合、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知していないと判定した場合(ステップS206:NO)、第2特別図柄判定の保留数T2が「4」未満ではないと判定した場合(ステップS207:NO)、第1始動口センサ211からの検知信号の入力の有無に基づいて、第1始動口センサ211が第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したか否かを判定する(ステップS214)。ここで、第1始動口センサ211が第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したと判定した場合(ステップS214:YES)、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1が、予め設定されている第1特別図柄判定の最大保留数T1max(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS215)。
【0285】
メインCPU81は、保留数T1が「4」未満であると判定した場合(ステップS215:YES)、保留数T1を「1」加算した値に更新し(ステップS216)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に関して、第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したタイミングの値をそれぞれ取得する(ステップS217)。
【0286】
このように、保留数T1が最大保留数T1max未満の状態で第1始動口21に対する遊技球の入賞が検知されるという取得条件の成立に応じて、第1特別図柄判定に係る各種の乱数が取得される。なお、第1特別図柄判定および第1特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域830に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は特
図1・第1保留記憶領域831~特
図1・第4保留記憶領域834のいずれかの領域に格納される。
【0287】
メインCPU81は、ステップS217の処理を実行した場合、ステップS210の処理と同様に、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS218)。ここで、現在の状態が高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS218:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合、第1特別図柄判定の保留に係る事前判定処理を実行する(ステップS219)。具体的には、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて取得した各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理(
図17参照)や変動パターン選択処理(
図18参照)が実行されるのに先立って、ステップS217の処理で取得された各種乱数に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行された際に第1特別図柄の変動パターンとしてどの変動パターンが選択されるかを事前判定する事前判定処理を実行する。この事前判定処理の結果である事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数等が記憶されているのと同じ保留記憶領域に格納される。
【0288】
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第1特別図柄判定の保留数T1が「0」の状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域830に直接格納されて、これらの乱数に基づく第1特別図柄判定が直ちに実行される。この場合、第1特別図柄判定は保留されないため、第1特別図柄判定に係る事前判定処理は行われない。このような事前判定処理については、
図15に基づいて後に詳述する。
【0289】
メインCPU81は、ステップS219の処理を実行した場合、又は高ベース状態であると判断した場合(ステップS218:YES)、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS220)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。なお、ステップS219の事前判定処理が行われることなくステップS220の処理が行われた場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。一方、ステップS219の事前判定処理が行われた後にステップS220の処理が行われた場合には、事前判定情報を含む保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。
【0290】
[メイン制御基板80による事前判定処理]
以下、
図15を参照しつつ、メイン制御基板80によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、
図15は、
図14のステップS211,219における事前判定処理の詳細フローチャートである。なお、ここでは、第1特別図柄判定の権利が保留された場合に行われる事前判定処理を例に説明を行うが、使用される乱数やテーブルが異なる点を除き、第2特別図柄判定の権利が保留された場合にも同様の事前判定処理が行われる。
【0291】
メインCPU81は、
図14のステップS210の処理で高ベース状態であると判断した場合(ステップS210:YES)、又は
図14のステップS218の処理で高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS218:NO)、大当たり判定処理を実行する(ステップS2191)。具体的には、低確率状(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)である場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする。一方、高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)である場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする。そして、
図14のステップS209の処理(又は
図14のステップS217の処理)で取得した大当たり乱数が、メインRAM83にセットした大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを判定する。
【0292】
次に、メインCPU81は、ステップS2191の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりであると判定されるか否かを判断する(ステップS2192)。ここで、当該変動開始時に大当たりであると判定されると判断した場合(ステップS2192:YES)、大当たり用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS2193)。
【0293】
一方、メインCPU81は、当該変動開始時に大当たりではないと判定されると判断した場合(ステップS2192:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2194)。具体的には、ステップS2191の大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、メインROM82に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
【0294】
メインCPU81は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2194:YES)、リーチハズレ用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS2195)。
【0295】
ところで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ当該変動中にリーチ演出が行われない場合、当該変動開始時における第1特別図柄判定の保留数に基づいて第1特別図柄の変動パターンが決定される。そして、保留されている第1特別図柄判定が消化される前と後では第1特別図柄判定の保留数が相異なる場合がある。このため、第1特別図柄判定が消化される前に取得した特別図柄の変動パターンが、その第1特別図柄判定が実際に消化される際に選択される特別図柄の変動パターンとは異なる場合がある。すなわち、当該変動中にリーチ演出が行われない第1特別図柄判定の権利に対しては、その第1特別図柄判定に先立って正確な第1特別図柄の変動パターンを取得できない場合がある。
【0296】
このため、リーチ演出が行われないとメインCPU81によって判定された場合には(ステップS2194:NO)、後述するステップS2196の変動パターン乱数判定処理が行われることなくステップS2197に処理が進められる。
【0297】
メインCPU81は、大当たり用変動パターン選択テーブル又はリーチハズレ用変動パターン選択テーブルをセットすると、変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS2196)。具体的には、ステップS2191の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数が、メインRAM83にセットされている変動パターン選択テーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
【0298】
メインCPU81は、ステップS2196の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2194:NO)、事前判定情報を生成してメインRAM83に格納する(ステップS2197)。この事前判定情報が格納される領域については、
図12に基づいて上述した通りである。
【0299】
このように、メインCPU81は、遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報に基づいて、この取得情報に基づく大当たり判定処理や変動パターン選択処理が行われるのに先立って、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動パターン(すなわち変動時間)を取得する。
【0300】
[メイン制御基板80による特別図柄処理]
次に、
図16を参照しつつ、メイン制御基板80によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、
図16は、
図13のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
【0301】
図16に例示されるように、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
【0302】
メインCPU81は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM83に記憶されている第2特別図柄判定の保留数T2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数T2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数T2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
【0303】
メインCPU81は、保留数T2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数T1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、保留数T1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
【0304】
メインCPU81は、ステップS304の処理またはステップS306の処理を実行した場合、情報シフト処理を実行する(ステップS307)。具体的には、ステップS304の処理に続いてステップS307の処理を実行する場合、特
図2・第1保留記憶領域835に記憶されている情報を判定用記憶領域830にシフトさせるシフト処理を実行する。その際、特
図2・第2保留記憶領域836以降の保留記憶領域にも情報が記憶されている場合には、これらの情報を特
図2・第1保留記憶領域835側にシフトさせるシフト処理も併せて実行する。一方、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合、特
図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報を判定用記憶領域830にシフトさせるシフト処理を実行する。その際、特
図1・第2保留記憶領域832以降の保留記憶領域にも情報が記憶されている場合には、これらの情報を特
図1・第1保留記憶領域831側にシフトさせるシフト処理も併せて実行する。
【0305】
メインCPU81は、ステップS307のシフト処理によって大当たり乱数や図柄乱数等の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)に必要な情報を判定用記憶領域830に格納すると、これらの情報に基づいて、ステップS308の大当たり判定処理とステップS309の変動パターン選択処理を実行する。
【0306】
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第1特別図柄判定の保留数T1と第2特別図柄判定の保留数T2が両方とも「0」の状態で遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞した場合、その入賞に応じて取得された大当たり乱数や図柄乱数等の情報が判定用記憶領域830に直接格納される。このような場合は、ステップS307のシフト処理が実行されることなく、大当たり判定処理および変動パターン選択処理が実行されることになる。
【0307】
メインCPU81は、判定用記憶領域830に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS308)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類(大当たり図柄)が決定されることになる。そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM83にセットされる。この大当たり判定処理については、
図17に基づいて後に詳述する。
【0308】
ステップS308の大当たり判定処理に続いて、メインCPU81は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS309)。この変動パターン選択処理については、
図18に基づいて後に詳述する。
【0309】
ステップS309の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS308の処理で設定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS309の処理で選択した変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS310)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。これにより、表示画面70における演出図柄の変動表示を含む変動演出が開始されることになる。
【0310】
ステップS310の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS310の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS311)。その際、判定用記憶領域830に第1特別図柄判定に係る情報が記憶された状態でステップS308~ステップS310の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41における第1特別図柄の変動表示を開始する。一方、判定用記憶領域830に第2特別図柄判定に係る情報が記憶された状態でステップS308~ステップS310の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42における第2特別図柄の変動表示を開始する。
【0311】
次に、メインCPU81は、ステップS311における特別図柄の変動表示を開始してからの経過時間の計測を開始する(ステップS312)。メインCPU81は、ステップS312の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS312の処理で計測を開始した経過時間が、ステップS309の変動パターン選択処理で選択された変動パターンの変動時間に到達したか否かを判定する(ステップS313)。ここで、経過時間が変動時間に到達していないと判定された場合(ステップS313:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
【0312】
メインCPU81は、経過時間が変動時間に到達したと判定した場合(ステップS313:YES)、特別図柄の変動表示が終了することを通知する変動終了コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS314)。この変動終了コマンドは、ステップS8における送信処理によってサブ制御基板90に送信される。これにより、表示画面70に変動表示されていた演出図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
【0313】
ステップS314の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS311の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS315)。具体的には、ステップS308の処理で設定した特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば0.6秒)が経過するまで継続される。
【0314】
このように、メインCPU81は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
【0315】
ステップS315の処理に続いて、メインCPU81は、上記ステップS312の処理で計測を開始した経過時間をリセットし(ステップS316)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む特図停止時処理を実行する(ステップS317)。この特図停止時処理については、
図19に基づいて後に詳述する。
【0316】
一方、メインCPU81は、第1特別図柄判定の保留数T1が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS305:NO)、大当たり遊技中ではなく、特別図柄判定の権利が保留されておらず、且つ、特別図柄が変動表示されていない入賞待ち状態になったことを通知する入賞待ちコマンドをメインRAM83にセットする(ステップS318)。なお、
図16には示されていないが、このステップS318の処理が実行されると、メインRAM83に記憶されている入賞待ち状態フラグが「ON」に設定される。メインCPU81は、第1特別図柄判定の保留数T1が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS305:NO)、入賞待ち状態フラグが「ON」に設定されているか否かを判定し、入賞待ちフラグが「ON」に設定されている場合は、入賞待ちフラグをセット済みであるため、ステップS318の処理が実行されることなく、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
【0317】
[メイン制御基板80による大当たり判定処理]
図17は、
図16のステップS308における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、まず、判定用記憶領域830に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3081)。具体的には、判定用記憶領域830に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。ここでの当選値は、高確率時用大当たり乱数テーブル又は低確率時用大当たり乱数テーブルに規定されている大当たりの当選値である。高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)のときに大当たり判定が実行される場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。一方、低確率状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)のときに大当たり判定が実行される場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。
【0318】
このように、メインCPU81は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域830に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
【0319】
ステップS3081の処理に続いて、メインCPU81は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判断する(ステップS3082)。ここで、大当たり判定の判定結果が「大当たり」ではないと判断した場合(ステップS3082:NO)、すなわち大当たり判定の判定結果が「ハズレ」である場合、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3083)。これにより、上記ステップS315の処理の際に、ここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示されることになる。この場合、大当たり遊技は行われない。
【0320】
一方、メインCPU81は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」であると判断した場合(ステップS3082:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示される大当たり図柄を選択する大当たり図柄選択処理を実行する(ステップS3084)。具体的には、ステップS3081の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域830に記憶されている図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第1始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの大当たり図柄の乱数値と一致するかに基づいて、いずれかの大当たり図柄を選択する。また、図柄乱数が第2特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第2始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの大当たり図柄の乱数値と一致するかに基づいて、いずれかの大当たり図柄を選択する。
【0321】
そして、メインCPU81は、選択した大当たり図柄の設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3085)。これにより、上記ステップS315の処理の際に、ここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示され、その後、その大当たり図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
【0322】
[メイン制御基板80による変動パターン選択処理]
図18は、
図16のステップS309における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、
図16のステップS308における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3081の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3091)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3091:YES)、大当たり用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3092)。
【0323】
一方、メインCPU81は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3091:NO)、判定用記憶領域830に記憶されているリーチ乱数がメインROM82に記憶されているリーチ乱数の当選値(リーチ有り演出に対応する乱数値)と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3093)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3093:YES)、リーチハズレ用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3094)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3093:NO)、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3095)。
【0324】
メインCPU81は、ステップS3092の処理、ステップS3094の処理、又はステップS3095の処理によってメインRAM83にセットされた変動パターン選択テーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3096)。具体的には、大当たり用変動パターン選択テーブル又はリーチハズレ用変動パターン選択テーブルがメインRAM83にセットされた場合、判定用記憶領域830に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の変動パターンを選択する。また、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルがメインRAM83にセットされた場合、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1(又は第2特別図柄判定の保留数T2)に基づいて保留数を特定し、特定した保留数に対応する変動パターンをリーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の変動パターンを選択する。このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
【0325】
メインCPU81は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3097)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS308の大当たり判定処理によってメインRAM83にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれてサブ制御基板90に送信される。
【0326】
[メイン制御基板80による特図停止時処理]
図19は、
図16のステップS317における特図停止時処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、上記ステップS316の処理によって経過時間をリセットした後、
図19に例示されるように、ステップS3082(
図17参照)の処理と同様に、大当たりであるか否かを判断する(ステップS3171)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3171:YES)、メインRAM83に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3172)。
【0327】
次に、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定し(ステップS3173)、同じくメインRAM83に記憶されている時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3174)。ここで、確変遊技フラグは、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態であるか否かを示すフラグである。
【0328】
本実施形態の遊技機1では、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの設定により遊技状態が制御される。すなわち、遊技状態を「確変遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「ON」に設定される。また、遊技状態を「通常遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。また、遊技状態を「時短遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグが「OFF」に設定されると共に時短遊技フラグが「ON」に設定される。
【0329】
ステップS3174の処理に続いて、メインCPU81は、大当たり遊技が開始されることを通知するためのオープニングコマンドをメインRAM83にセットする(ステップS3175)。このオープニングコマンドは、大当たりの種類、大当たり遊技中の第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)の開放パターン等の情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。
【0330】
一方、メインCPU81は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3171:NO)、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3176)。ここで、確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3176:YES)、すなわち特別図柄判定が高確率状態で行われている場合、メインRAM83に記憶されている高確率遊技残回数Kを「1」減算した値に更新する(ステップS3177)。この高確率遊技残回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
【0331】
ステップS3177の処理に続いて、メインCPU81は、高確率遊技残回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3178)。ここで、高確率遊技残回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3178:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3179)。これにより、特別図柄判定が低確率状態で行われるようになる。
【0332】
メインCPU81は、ステップS3179の処理を実行した場合、確変遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS3176:NO)、又は高確率遊技残回数Kが「0」ではないと判定した場合(ステップS3178:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3180)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3180:YES)、メインRAM83に記憶されている時短遊技残回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3181)。この時短遊技残回数Jは、時短状態(高ベース状態)で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
【0333】
ステップS3181の処理に続いて、メインCPU81は、時短遊技残回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3182)。ここで、時短遊技残回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3182:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3183)。これにより、第2始動口22への遊技球の入賞を容易にするサポート機能が付与されなくなる。
【0334】
[メイン制御基板80による遊技状態設定処理]
図20は、メイン制御基板80において大当たり遊技終了時に実行される遊技状態設定処理を例示するフローチャートである。遊技機1では、ステップS6の大入賞口開閉制御処理によって大当たり遊技が実行されるが、この大当たり遊技におけるエンディング期間が終了すると、大当たり遊技終了後の遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行される。
【0335】
メインCPU81は、大当たり遊技中において、大当たり遊技におけるエンディング期間が終了したか否かを判定する(ステップS631)。ここで、エンディング期間が終了したと判定した場合(ステップS631:YES)、例えば、メインRAM83にセットした図柄の設定情報に基づいて、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判定する(ステップS632)。ここで、確変大当たりであると判定した場合(ステップS632:YES)、確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS633)、高確率遊技残回数Kを例えば「10000」に設定する(ステップS634)。これらのステップS633の処理およびステップS634の処理が行われることにより、10000回の特別図柄判定が実行されるまで高確率状態が継続することになる。
【0336】
次に、メインCPU81は、時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS635)、時短遊技残回数Jを例えば「10000」に設定する(ステップS636)。これらのステップS635の処理およびステップS636の処理が行われることにより、10000回の特別図柄判定が実行されるまで高ベース状態が継続することになる。このように、ステップS633~ステップS636の一連の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから10000回の特別図柄判定が実行されるまで確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
【0337】
一方、メインCPU81は、今回の大当たりが確変大当たりではないと判定した場合(ステップS632:NO)、すなわち今回の大当たりが通常大当たりである場合、ステップS635の処理と同様に時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS637)、時短遊技斬回数Jを例えば「100」に設定する(ステップS638)。このように、ステップS637の処理およびステップS638の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから100回の特別図柄判定が実行されるまで時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
【0338】
[サブ制御基板90による割込み処理]
遊技機1の電源が投入されると、サブ制御基板90のサブCPU91は、後述する割込み処理を行う周期である割込み周期を設定する。そして、サブCPU91は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理を割込み周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU91は、遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、割込み周期で割込み処理を繰り返す。
【0339】
以下、
図21を参照しつつ、サブ制御基板90において実行される割込み処理について説明する。ここで、
図21は、サブ制御基板90において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80で行われる割込み処理(
図13参照)と同様に、
図21に例示される一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、
図21以降のフローチャートに基づいて説明するサブ制御基板90で行われる処理は、サブROM92に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU91が発行する命令に従って行われる。
【0340】
サブCPU91は、まず、メイン制御基板80からコマンドを受信した場合にそのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、
図22に基づいて後に詳述する。
【0341】
ステップS10の処理に続いて、サブCPU91は、第1演出ボタン35または第2演出ボタン36が操作されたか否かを判定する(ステップS40)。第1演出ボタン35の「単押し」、「連打」、「長押し」が行われたこと、第2演出ボタン36が操作されたことの特定については、上述した通りである。ここで、第1演出ボタン35または第2演出ボタン36が操作されたと判定した場合(ステップS40:YES)、その旨を通知する操作コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS41)。この操作コマンドは、第1演出ボタン35または第2演出ボタン36の操作内容を示す情報を含むものであり、ステップS50のコマンド送信処理によって、画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信される。これに対して、画像音響制御CPU101およびランプCPU121が、受信した操作コマンドに対応する処理を実行することにより、第1演出ボタン35または第2演出ボタン36の操作に応じた演出上の効果が実現される(すなわち、操作対応演出が行われる)ことになる。
【0342】
サブCPU91は、ステップS41の処理を実行した場合、又は、第1演出ボタン35および第2演出ボタン36がどちらも操作されていないと判定した場合(ステップS40:NO)、コマンド送信処理を実行する(ステップS50)。具体的には、ステップS10のコマンド受信処理やステップS41の処理によってサブRAM93にセットされたコマンドを画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信する。このコマンド送信処理が実行されることによって、画像表示や演出音の出力等による演出の実行が画像音響制御基板100に対して指示され、各種ランプの点灯や可動役物等による演出の実行がランプ制御基板120に対して指示される。
【0343】
ステップS50の処理に続いて、サブCPU91は、データ転送処理を実行する(ステップS60)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板100から送信されるので、そのデータをランプ制御基板120に転送する。これにより、画像表示装置7(表示画面70)およびスピーカ38で行われる演出と同期するように、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14等の演出手段による演出がランプ制御基板120によって制御される。
【0344】
[サブ制御基板90によるコマンド受信処理]
図22は、
図21のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。
図22に例示されるように、サブCPU91は、まず、メイン制御基板80からのコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS11)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS11:NO)、上述したステップS40に処理が進められる。
【0345】
サブCPU91は、メイン制御基板80からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、そのコマンドが
図14のステップS212の処理またはステップS220の処理に応じてメイン制御基板80から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、保留コマンドではないと判定された場合(ステップS12:NO)、後述するステップS15に処理が進められる。
【0346】
サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS13)。この保留コマンド受信処理については、
図23に基づいて後に詳述する。
【0347】
サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS12:NO)、そのコマンドが
図16のステップS310の処理に応じてメイン制御基板80から送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定された場合(ステップS15:NO)、後述するステップS17に処理が進められる。
【0348】
サブCPU91は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS16)。この変動開始コマンド受信処理については、
図24に基づいて後に詳述する。
【0349】
サブCPU91は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS15:NO)、そのコマンドが
図16のステップS314の処理に応じてメイン制御基板80から送信された変動終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS17)。サブCPU91は、変動終了コマンドであると判定した場合(ステップS17:YES)、演出図柄の変動表示を終了して図柄変動開始時に実行された特別図柄判定の判定結果を示す態様で演出図柄を停止表示する処理の実行を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS18)。
【0350】
この変動演出終了コマンドがステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信されることによって、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す演出図柄が表示画面70に停止表示されることになる。
【0351】
サブCPU91は、受信したコマンドが変動終了コマンドではないと判定した場合(ステップS17:NO)、そのコマンドが
図19のステップS3175の処理に応じてメイン制御基板80から送信されたオープニングコマンドであるか否かを判定する(ステップS19)。ここで、受信したコマンドがオープニングコマンドであると判定した場合(ステップS19:YES)、大当たり遊技のオープニング期間において大当たりの種類を報知したり遊技者に右打ちを促したりするオープニング演出の開始を画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に指示するためのオープニング演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS20)。
【0352】
一方、サブCPU91は、受信したコマンドがオープニングコマンドではないと判定した場合(ステップS19:NO)、その他の処理を実行する(ステップS21)。
【0353】
[サブ制御基板90による保留コマンド受信処理]
図23は、
図22のステップS13における保留コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80から受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、
図23に例示される一連の保留コマンド受信処理を実行する。
【0354】
すなわち、サブCPU91は、サブRAM93に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS131)。具体的には、第1特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新し、第2特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する。
【0355】
ステップS131の処理に続いて、サブCPU91は、メイン制御基板80から受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれているか否かを判定する(ステップS132)。ここで、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれていないと判定した場合(ステップS132:NO)、保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS133)。このステップS133の処理によってセットされる保留アイコン表示コマンドは、保留アイコンの表示を指示するコマンドであって、事前判定情報に基づく演出(例えば、アイコン変化演出)の設定情報を含まないコマンドである。
【0356】
この保留アイコン表示コマンドが
図21におけるステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信されると、保留アイコン表示領域71に白色の保留アイコンが表示されるが、この白色の保留アイコンを対象とするアイコン変化演出が行われることはない。
【0357】
一方、サブCPU91は、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれていると判定した場合(ステップS132:YES)、その事前判定情報をサブRAM93の所定領域に格納し(ステップS134)、アイコン変化演出抽選を実行する(ステップS135)。具体的には、アイコン変化演出乱数を取得してサブRAM93に格納する。このアイコン変化演出乱数は、サブ制御基板90における乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU91は、例えば、保留コマンドを受信した時点のカウント値をアイコン変化演出乱数として取得する。そして、このアイコン変化演出乱数が予めサブROM92に記憶されているアイコン変化演出乱数と比較される乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する。
【0358】
なお、図には示されていないが、サブROM92には、第1特別図柄判定に係る事前判定結果(「大当たり」か否か)と、第1特別図柄の変動パターンと、上記のアイコン変化演出乱数と比較される乱数値とが対応付けられたテーブルが記憶されている。サブCPU91は、このテーブルを参照して、取得したアイコン変化演出乱数が、ステップS134の処理(
図33参照)でサブRAM93に格納された事前判定情報から特定される第1特別図柄判定の判定結果、及び第1特別図柄の変動パターンに対応付けられている乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する。なお、このテーブルでは、第1特別図柄判定に係る事前判定結果に関して、「ハズレ」よりも「大当たり」に対してより多くの乱数値が対応付けられている。また、第1特別図柄の変動時間が長い変動パターンほど、より多くの乱数値が対応付けられている。このため、本実施形態の遊技機1では、大当たり信頼度が高いほどアイコン変化演出が実行され易く、逆に、大当たり信頼度が低いほどアイコン変化演出が実行され難くなっている。
【0359】
続いて、サブCPU91は、ステップS135の抽選結果に基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを判定し(ステップS136)、アイコン変化演出を実行すると判定した場合(ステップS136:YES)、アイコン変化演出の設定情報として、アイコン変化演出パターン情報をサブRAM93にセットする(ステップS137)。
【0360】
なお、図には示されていないが、サブROM92には、アイコン変化演出パターンを選択するためのアイコン変化演出パターン選択テーブルが記憶されている。アイコン変化演出パターン選択テーブルでは、第1特別図柄判定の判定結果と、第1特別図柄の変動パターンと、アイコン変化演出を開始する際の第1特別図柄判定の保留数と、アイコンの表示態様の変化パターンと、乱数値とが対応付けられている。サブCPU91は、アイコン変化演出を実行すると判定した場合(ステップS136:YES)、アイコン変化演出パターン選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする。そして、サブRAM93に格納されている事前判定情報により特定される第1特別図柄判定の判定結果および第1特別図柄の変動パターンと、ステップS131の処理で更新した第1特別図柄判定の保留数と、保留コマンドを受信した際に取得したアイコン変化演出乱数とに対応する変化パターンを、サブRAM93にセットされているアイコン変化演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、アイコン変化演出に係る1の変化パターンを選択する。そして、このようにして選択した変化パターンを示すアイコン変化演出パターン情報をサブRAM93にセットする。
【0361】
また、ここでは、アイコン変化演出の変化パターンを選択する際に、ステップS135のアイコン変化演出抽選に使用したのと同じアイコン変化演出乱数を使用する場合を例に説明したが、アイコン変化演出乱数とは別の乱数を使用してアイコン変化演出の変化パターンを選択するようにしてもよい。
【0362】
なお、ここでは、アイコン変化演出を実行するか否かを決定する抽選と、アイコン変化演出の演出パターンを選択する抽選とが別抽選である場合を例に説明したが、アイコン変化演出を実行するか否かと、実行する場合にはアイコン変化演出をどのような演出パターンで実行するかを、1回の抽選で決定するようにしてもよい。また、ここでは、保留された第1特別図柄判定の権利に対応する保留アイコンに係るアイコン変化演出パターンを設定する処理について説明したが、確変遊技状態(又は時短遊技状態)において第2特別図柄判定が保留された場合についても、使用するテーブル等が異なる点を除けば、同様にアイコンの変化演出パターンを設定することが可能である。
【0363】
[サブ制御基板90による変動開始コマンド受信処理]
図24は、
図22のステップS16における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80から受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、
図24に例示される一連の変動開始コマンド受信処理を実行する。
【0364】
すなわち、サブCPU91は、サブ制御基板90における乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、メイン制御基板80から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM93に格納する(ステップS161)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する変動開始コマンド解析処理を実行する(ステップS162)。
【0365】
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
【0366】
サブCPU91は、変動開始コマンドを解析すると、その解析結果に基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS163)。この変動演出パターン設定処理が実行されることによって、演出図柄の変動態様、リーチ演出の有無、擬似連演出の有無(演出図柄の短変動表示の有無)、リーチ図柄を構成する演出図柄の種類、リーチ演出の種類や内容、擬似連演出の内容(短変動表示の回数)、停止表示される演出図柄の種類等が決定される。このように、リーチ図柄を構成する演出図柄の種類が決定されることにより、奇数図柄によるリーチが成立した状態で行う確変リーチを行うのか、或いは、偶数図柄によるリーチが成立した状態で行う通常リーチを行うのかが決定されることになる。また、リーチ演出の種類や内容が決定されることにより、リーチ演出をどのような流れで発展させるか等が決定されることになる。この変動演出パターン設定処理については、
図25に基づいて後に詳述する。
【0367】
ステップS163の処理に続いて、サブCPU91は、ステップS163の処理で設定した変動演出パターンで演出図柄が変動表示されているときに実行する各種予告演出(例えば、ステップアップ演出やセリフ予告、群予告やカットイン等)に関する設定を行う予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS164)。この予告演出パターン設定処理については、
図26に基づいて後に詳述する。
【0368】
次に、サブCPU91は、ステップS163の処理で設定した変動演出パターンでの変動演出の開始、及びステップS164の処理で設定した予告演出パターンでの予告演出の実行を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS166)。
【0369】
この変動演出開始コマンドは、少なくとも、ステップS163の処理によって設定された変動演出パターンを示す情報と、ステップS164の処理によって設定された予告演出パターンを示す情報と、を含むものであり、ステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信される。これにより、サブ制御基板90において演出パターンが決定された変動演出および予告演出が、画像音響制御基板100およびランプ制御基板120によって実現されることになる。
【0370】
ステップS166の処理に続いて、サブCPU91は、サブRAM93に記憶されている保留数を「1」減算した値に更新する(ステップS167)。具体的には、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドが第1特別図柄の変動表示の開始を通知するものである場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。一方、受信した変動開始コマンドが第2特別図柄の変動表示の開始を通知するものである場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
【0371】
[サブ制御基板90による変動演出パターン設定処理]
図25は、
図24のステップS163における変動演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、ステップS162の処理に続いて、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の停止表示に伴って表示画面70に最終的に確定表示(本停止)させる演出図柄を設定する(ステップS1631)。具体的には、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報に基づいて、図柄変動の終了時に大当たりを示す特別図柄(大当たり図柄)が停止表示されるのか、或いはハズレを示す特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されるのかを特定する。そして、大当たり図柄が停止表示されることを特定した場合には、本停止させる演出図柄として大当たりを報知するための演出図柄(例えばゾロ目を示す演出図柄)を設定し、ハズレ図柄が停止表示されることを特定した場合には、ハズレを報知するための演出図柄を設定する。なお、ハズレを報知するための演出図柄を設定する際に、リーチ演出を行ってからハズレを報知する場合には、ハズレを報知するための演出図柄としてリーチハズレ目を設定し、リーチ演出を行うことなくハズレを報知する場合には、ハズレを報知するための演出図柄としてバラケ目を設定する。
【0372】
次に、サブCPU91は、受信した変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンの設定情報に基づいて、今回の特別図柄の変動表示に伴ってリーチ有り演出を行う必要があるか否かを判断する(ステップS1632)。ここで、リーチ有り演出を行う必要があると判断した場合(ステップS1632:YES)、リーチ有り演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1633)。例えば、特別図柄判定の判定結果と特別図柄の変動パターンとの組み合わせのそれぞれに対して複数種類のリーチ有り演出の変動演出パターンが対応付けられたリーチ有り用変動演出パターン選択テーブルから、ステップS161の処理で取得した演出乱数に対応するいずれか1つの変動演出パターンを読み出して、その変動演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする。
【0373】
一方、サブCPU91は、リーチ有り演出を行う必要が無いと判断した場合(ステップS1632:NO)、リーチ無し演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1634)。例えば、特別図柄の変動パターン毎に複数種類のリーチ無し演出の変動演出パターンが対応付けられたリーチ無し用変動演出パターン選択テーブルから、ステップS161の処理で取得した演出乱数に対応するいずれか1つの変動演出パターンを読み出して、その変動演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする。
【0374】
本実施形態の遊技機1では、ステップS1633の処理またはステップS1634の処理が行われることによって、演出図柄をどのような変動パターンで変動表示するか、リーチ演出を行う場合にどのリーチ演出を行うか、リーチ演出を発展させる場合にはどのような流れでリーチ演出を発展させるか等が決定されることになる。
【0375】
[サブ制御基板90による予告演出パターン設定処理]
図26は、
図24のステップS164における予告演出パターン設定処理の詳細フローチャートであり、通常遊技状態において第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドを受信した場合に行われる処理を例示するものである。サブCPU91は、ステップS163の変動演出パターン設定処理に続いて、
図26に例示されるように、SP前半リーチに発展するか否かを判定する(ステップS1641)。具体的には、ステップS163の変動演出パターン設定処理によって設定される変動演出パターンが、ノーマルリーチ(
図6(E)参照)から2つのSP前半リーチが同時に実行される期間を経て、
図6(G)に例示される第1SP前半リーチまたは第2SP前半リーチへとリーチ演出が発展することになる変動演出パターンであるか否かに基づいて、SP前半リーチに発展するか否かを判定する。ここで、SP前半リーチに発展しないと判定された場合(ステップS1641:NO)、後述するステップS1648に処理が進められる。
【0376】
上述したように、第1SP前半リーチおよび第2SP前半リーチが同時に実行される期間中には、
図7(S-2)や
図8(B)に例示される第1演出ボタン操作促進演出が実行される。また、
図7(S-17)に例示される第2SP前半リーチ選択演出が実行される場合は、
図7(S-18)に例示される第1演出ボタン単押し促進演出が実行され、また、第2SP前半リーチから第2SP後半リーチへと発展した場合は、
図7(S-23)に例示される第1演出ボタン連打促進演出が実行される。また、
図7(S-7)に例示される第1SP前半リーチ選択演出が実行される場合は、
図7(S-8)に例示される第1演出ボタン単押し促進演出が実行され、また、第1SP前半リーチから第1SP後半リーチへと発展した場合は、
図7(S-15)に例示される第1演出ボタン連打促進演出が実行され、第1SP前半リーチからSPSPリーチへと発展した場合は、
図7(S-11)に例示される第2演出ボタン単押し促進演出が実行される。
【0377】
このように、本実施形態における遊技機1では、SP前半リーチ以上の各リーチ演出が実行される期間中に、どのような操作促進演出を実行するかが予め定められている。
【0378】
このため、サブCPU91は、SP前半リーチに発展すると判定した場合(ステップS1641:YES)、リーチ中ボタン演出パターン設定処理を実行する(S1642)。具体的には、今回の第1特別図柄の変動表示中にノーマルリーチからSPリーチへとリーチ演出が発展することを示す変動演出パターンが設定されている場合は、
図7(S-2)に例示される第1演出ボタン操作促進演出を実行するための設定情報(例えば、操作促進演出の種類が第1演出ボタン操作促進演出であることを示す情報や、第1演出ボタン操作促進演出に係る有効期間を示す情報など)を生成して、生成した設定情報をサブRAM93にセットする。
【0379】
また、今回の第1特別図柄の変動表示中にノーマルリーチから第2SP前半リーチへとリーチ演出が発展することを示す変動演出パターンが設定されている場合は、
図7(S-18)に例示される第1演出ボタン単押し促進演出を実行するための設定情報(例えば、操作促進演出の種類が第1演出ボタン単押し促進演出であることを示す情報や、第1演出ボタン単押し促進演出に係る有効期間を示す情報など)を生成して、生成した設定情報をサブRAM93にセットする。なお、この設定情報には、第2SP前半リーチから第2SP後半リーチへとリーチ演出が発展する場合には、有効期間中に第1演出ボタン35が単押しされたことに応じて成功演出(
図7(S-21)参照)を実行することを指示する情報が含まれる。一方、第2SP前半リーチから第2SP後半リーチへとリーチ演出が発展しない場合、すなわち、第2SP前半リーチの終盤で当落報知演出が実行される場合は、有効期間中に第1演出ボタン35が単押しされたことに応じて失敗演出(
図7(S-19)参照)を実行することを指示する情報が含まれる。このため、画像音響制御CPU101は、第1演出ボタン単押し促進演出に係る有効期間が終了するタイミングになっても、第1演出ボタン35が単押しされたことを通知する操作コマンドをサブ制御基板90から受信できない場合は、有効期間が終了するタイミングにおいて、成功演出または失敗演出を実行することが可能である。
【0380】
また、今回の第1特別図柄の変動表示中に第2SP後半リーチへとリーチ演出が発展することを示す変動演出パターンが設定されている場合は、
図7(S-23)に例示される第1演出ボタン連打促進演出を実行するための設定情報(例えば、操作促進演出の種類が第1演出ボタン連打促進演出であることを示す情報や、第1演出ボタン連打促進演出に係る有効期間を示す情報)を生成して、生成した設定情報をサブRAM93にセットする。なお、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに基づいて特定される第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合は、有効期間中における第1演出ボタン35の連打に応じて、上述した当たり示唆演出を実行することを指示する情報が設定情報に含まれ、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合は、有効期間中における第1演出ボタン35の連打に応じてハズレ示唆演出を実行することを指示する情報が設定情報に含まれる。このため、画像音響制御CPU101は、第1演出ボタン連打促進演出に係る有効期間が終了するタイミングになっても、第1演出ボタン35が連打されたことを通知する操作コマンドをサブ制御基板90から受信できない場合は、有効期間が終了するタイミングにおいて、当たり示唆演出またはハズレ示唆演出を実行することが可能である。
【0381】
また、今回の第1特別図柄の変動表示中に第1SP前半リーチへとリーチ演出が発展することを示す変動演出パターンが設定されている場合は、
図7(S-8)に例示される第1演出ボタン単押し促進演出を実行するための設定情報(例えば、操作促進演出の種類が第1演出ボタン単押し促進演出であることを示す情報や、第1演出ボタン単押し促進演出に係る有効期間を示す情報)を生成して、生成した設定情報をサブRAM93にセットする。なお、設定されている変動演出パターンが、第1SP前半リーチからSPSPリーチへと発展することを示すものである場合は、有効期間中における第1演出ボタン35の単押しに応じてギミック動作演出(
図7(S-9)参照)を実行することを指示する情報が設定情報に含まれる。一方、設定されている変動演出パターンが、第1SP前半リーチから第1SP後半リーチへと発展することを示すものである場合は、有効期間中における第1演出ボタン35の単押しに応じて失敗演出(
図7(S-13)参照)を実行することを指示する情報が設定情報に含まれる。このため、画像音響制御CPU101は、第1演出ボタン単押し促進演出に係る有効期間が終了するタイミングになっても、第1演出ボタン35が単押しされたことを通知する操作コマンドをサブ制御基板90から受信できない場合は、有効期間が終了するタイミングにおいて、ギミック動作演出または失敗演出を実行することが可能である。
【0382】
また、今回の第1特別図柄の変動表示中に第1SP前半リーチから第1SP後半リーチへとリーチ演出が発展することを示す変動演出パターンが設定されている場合は、
図7(S-15)に例示される第1演出ボタン連打促進演出を実行するための設定情報(例えば、操作促進演出の種類が第1演出ボタン連打促進演出であることを示す情報や、第1演出ボタン連打促進演出に係る有効期間を示す情報)を生成して、生成した設定情報をサブRAM93にセットする。なお、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに基づいて特定される第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合は、有効期間中における第1演出ボタン35の連打に応じて当たり示唆演出を実行することを指示する情報が設定情報に含まれ、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合は、有効期間中における第1演出ボタン35の連打に応じてハズレ示唆演出を実行することを指示する情報が設定情報に含まれる。このため、画像音響制御CPU101は、第1演出ボタン連打促進演出に係る有効期間が終了するタイミングになっても、第1演出ボタン35が連打されたことを通知する操作コマンドをサブ制御基板90から受信できない場合は、有効期間が終了するタイミングにおいて、当たり示唆演出またはハズレ示唆演出を実行することが可能である。
【0383】
また、今回の第1特別図柄の変動表示中に第1SP前半リーチからSPSPリーチへとリーチ演出が発展することを示す変動演出パターンが設定されている場合は、
図7(S-11)に例示される第2演出ボタン単押し促進演出を実行するための設定情報(例えば、操作促進演出の種類が第2演出ボタン単押し促進演出であることを示す情報や、第2演出ボタン単押し促進演出に係る有効期間を示す情報)を生成して、生成した設定情報をサブRAM93にセットする。なお、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに基づいて特定される第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合は、有効期間中における第2演出ボタン36の単押しに応じて当たり示唆演出を実行することを指示する情報が設定情報に含まれ、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合は、有効期間中における第2演出ボタン36の単押しに応じてハズレ示唆演出を実行することを指示する情報が設定情報に含まれる。このため、画像音響制御CPU101は、第2演出ボタン単押し促進演出に係る有効期間が終了するタイミングになっても、第2演出ボタン36が単押しされたことを通知する操作コマンドをサブ制御基板90から受信できない場合は、有効期間が終了するタイミングにおいて、当たり示唆演出またはハズレ示唆演出を実行することが可能である。
【0384】
ここまでの説明から明らかなように、サブCPU91は、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに含まれている大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報や、ステップS163の変動演出パターン設定処理で設定する変動演出パターンに基づいて、SPリーチ以上の各種リーチ演出中に行われるボタン演出の演出パターンを設定する。
【0385】
ところで、本実施形態の遊技機1では、
図7~
図8等に基づいて上述したように、2つのSP前半リーチが同時に実行される期間中において、第1演出ボタン操作促進演出(
図7(S-2)参照)に係る有効期間中に第1演出ボタン35が操作されると、第1可能性示唆画像を表示する第1可能性示唆演出(
図8(D)参照)が必ず実行され、その後は、
図7(S-3)~
図7(S-6)の表記から明らかなように、第2可能性示唆画像を表示する第2可能性示唆演出(
図8(H)参照)が実行される場合と実行されない場合とがある。
【0386】
このように、本実施形態の遊技機1では、SP前半リーチへとリーチ演出が発展した場合は、少なくとも第1可能性示唆演出が実行されることから、ステップS1641の処理で「YES」と判定された場合には、ステップS1642の処理に続いて、可能性示唆演出の演出パターンを設定するための以下のような処理が行われる。
【0387】
サブCPU91は、ステップS1642の処理に続いて、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに含まれている大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報に基づいて、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する(ステップS1643)。ここで、「大当たり」であると判定した場合(ステップS1643:YES)、大当たり用可能性示唆演出パターン選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットし(ステップS1644)、「大当たり」ではないと判定した場合(ステップS1643:NO)、ハズレ用可能性示唆演出パターン選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする(ステップS1645)。
【0388】
そして、サブCPU91は、ステップS1644の処理またはステップS1645の処理によってサブRAM93にセットした可能性示唆演出パターン選択テーブルを参照して、可能性示唆演出の演出パターンを選択する可能性示唆演出パターン選択処理を実行する(ステップS1646)。
【0389】
図には示されていないが、サブROM92に記憶されている可能性示唆演出パターン選択テーブルでは、第1特別図柄判定の判定結果と、第1特別図柄の変動パターンと、可能性示唆演出の演出パターンと、乱数値とが対応付けられている。サブCPU91は、ステップS1646の処理において、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドにより特定される第1特別図柄判定の判定結果および第1特別図柄の変動パターンと、ステップS161の処理で取得した演出乱数と、に対応する可能性示唆演出の演出パターンをサブRAM93にセットされている可能性示唆演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、可能性示唆演出の1の演出パターンを選択する。
【0390】
なお、可能性示唆演出パターン選択テーブルで規定されている可能性示唆演出の演出パターンは、大別すると、第1可能性示唆演出(
図7(S-2)参照)を実行するものの第2可能性示唆演出(
図7(S-5)参照)を実行しない第1の演出パターンと、第1可能性示唆演出を実行した後に第2可能性示唆演出を実行する(すなわち、第1可能性示唆画像を第2可能性示唆画像に変化させる)第2の演出パターンと、に分類される。そして、第1可能性示唆演出によって様々な数字の第1可能性示唆画像が表示されるように、多数の第1の演出パターンが用意されている。また、第1可能性示唆演出によって表示される第1可能性示唆画像が示す数字と、第2可能性示唆演出によって表示される第2可能性示唆画像が示す数字と、が様々な組み合わせとなるように、多数の第2の演出パターンが用意されている。
【0391】
すなわち、第1可能性示唆画像が示す数字が固定値を示すのではなく、例えば、
図8(D)に例示されるように23%を示す場合もあれば、10%を示す場合もあり、また、32%や46%といった様々な数字を表示し得るように、第1の演出パターンに分類される演出パターンが多数用意されている。また、23%の数字を示す第1可能性示唆画像(例えば、
図8(D)参照)を表示してから63%の数字を示す第2可能性示唆画像(
図8(H)参照)を表示するだけでなく、例えば、23%の数字を示す第1可能性示唆画像を表示してから37%の数字を示す第2可能性示唆画像を表示したり、10%の数字を示す第1可能性示唆画像を表示してから28%の数字を示す第2可能性示唆画像を表示したりするように、第2の演出パターンに分類される演出パターンも多数用意されている。
【0392】
また、可能性示唆画像(第1の可能性示唆画像または第2の可能性示唆画像)が示す数字が、第1の数値範囲に含まれる場合にはその数字を青色で表示し、第2の数値範囲に含まれる場合にはその数字を緑色で表示し、第3の数値範囲に含まれる場合にはその数字を赤色で表示するというように、数値範囲と可能性示唆画像の表示色とが予め対応付けられている。このため、可能性示唆画像が示す数字の値を決定することによって、その数字の表示色も併せて決定されることになる。
【0393】
なお、大当たり用可能性示唆演出パターン選択テーブルおよびハズレ用可能性示唆演出パターン選択テーブルの図示は省略するが、大当たり用可能性示唆演出パターン選択テーブルが参照される場合の方が、ハズレ用可能性示唆演出パターン選択テーブルが参照される場合に比べて、第1可能性示唆画像が示す数字と、第2可能性示唆画像が示す数字と、がどちらも大きな値となり易いという特徴がある。
【0394】
図26の説明に戻り、サブCPU91は、ステップS1646の処理で選択した可能性示唆演出パターンを示す可能性示唆演出パターン情報を、可能性示唆演出の設定情報としてサブRAM93にセットする(ステップS1647)。このステップS1647の処理でセットされた可能性示唆演出パターン情報を含む変動演出開始コマンドが画像音響制御基板100に送信されることによって、サブ制御基板90において設定された演出パターンで可能性示唆演出が行われることになる。
【0395】
サブCPU91は、ステップS1647の処理を実行した場合、又は、SP前半リーチに発展しないと判定した場合(ステップS1641:NO)、今回の第1特別図柄の変動表示中に、
図10,11に基づいて上述した段階演出を実行するか否かを決定するための段階演出抽選を実行する(ステップS1648)。具体的には、段階演出乱数を取得してサブRAM93に格納する。この段階演出乱数は、サブ制御基板90における乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU91は、第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドをメイン制御基板80から受信した時点のカウント値を段階演出乱数として取得する。そして、この段階演出乱数が予めサブROM92に記憶されている段階演出乱数と比較される乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、段階演出を実行するか否かを決定する。
【0396】
なお、図には示されていないが、サブROM92には、第1特別図柄判定の判定結果(「大当たり」か否か)と、第1特別図柄の変動パターンと、上記の段階演出乱数と比較される乱数値とが対応付けられたテーブルが記憶されている。サブCPU91は、このテーブルを参照して、取得した段階演出乱数が、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに基づいて特定される第1特別図柄判定の判定結果、及び第1特別図柄の変動パターンに対応付けられている乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、段階演出を実行するか否かを決定する。なお、このテーブルでは、第1特別図柄判定の判定結果に関して、「ハズレ」よりも「大当たり」に対してより多くの乱数値が対応付けられている。また、第1特別図柄の変動時間が長い変動パターンほど、より多くの乱数値が対応付けられている。このため、本実施形態の遊技機1では、大当たり信頼度が高いほど段階演出が実行され易く、逆に、大当たり信頼度が低いほど段階演出が実行され難くなっている。
【0397】
続いて、サブCPU91は、ステップS1648の抽選結果に基づいて、段階演出を実行するか否かを判定する(ステップS1650)。ここで、段階演出を実行しないとサブCPU91によって判定された場合(ステップS1650:NO)、予告演出パターン設定処理が終了して、ステップS166に処理が進められる。
【0398】
一方、サブCPU91は、段階演出を実行すると判定した場合(ステップS1650:YES)、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報が、大当たり図柄を示す情報であるか否かに基づいて、今回の図柄変動に係る第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する(ステップS1651)。ここで、「大当たり」であると判定した場合(ステップS1651:YES)、図柄の設定情報が示す大当たり図柄が「確変図柄」であるか否かに基づいて、その「大当たり」が確変大当たりであるか否かを判定する(ステップS1652)。
【0399】
サブCPU91は、今回の「大当たり」が確変大当たりであると判定した場合(ステップS1652:YES)、確変大当たり用段階演出パターン選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする(ステップS1653)。一方、図柄の設定情報が示す大当たり図柄が「通常図柄」であることに基づいて、今回の「大当たり」が確変大当たりではないと判定した場合(ステップS1652:NO)、通常大当たり用段階演出パターン選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする(ステップS1654)。また、図柄の設定情報が示す図柄がハズレ図柄であることに基づいて、今回の図柄変動に係る第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」ではないと判定した場合(ステップS1651:NO)、ハズレ用段階演出パターン選択テーブルをサブROM92から読み出してサブRAM93にセットする(ステップS1655)。
【0400】
そして、サブCPU91は、ステップS1653の処理、ステップS1654の処理、又は、ステップS1655の処理によってサブRAM93にセットした段階演出パターン選択テーブルを参照して、段階演出の演出パターンを選択する段階演出パターン選択処理を実行する(ステップS1656)。
【0401】
図には示されていないが、サブROM92に記憶されている各段階演出パターン選択テーブルでは、第1特別図柄の変動パターンと、リーチ種別と、段階演出の演出パターンと、演出乱数と比較される乱数値と、が対応付けられている。ここでリーチ種別は、リーチ図柄として奇数図柄(確変図柄)によるリーチが成立した状態で行われる確変リーチと、リーチ図柄として偶数図柄(通常図柄)によるリーチが成立した状態で行われる通常リーチと、リーチ無し演出と、に分類される。なお、基本的に、大当たりの場合には必ずリーチ演出が行われるため、確変大当たり用段階演出パターン選択テーブルと通常大当たり用段階演出パターン選択テーブルでは、リーチ無し演出は規定されていない。
【0402】
サブCPU91は、ステップS1656の処理において、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドにより特定される第1特別図柄の変動パターンと、ステップS161の処理で取得した演出乱数と、ステップS163の変動演出パターン設定処理で設定した変動演出パターンにより特定されるリーチ種別と、に対応する段階演出の演出パターンをサブRAM93にセットされている段階演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、段階演出の1の演出パターンを選択する。そして、選択した演出パターンを示す段階演出パターン情報を段階演出の設定情報としてサブRAM93にセットする(ステップS1657)。このステップS1657の処理でセットされた段階演出パターン情報を含む変動演出開始コマンドが、ステップS50のコマンド送信処理(
図21参照)によって画像音響制御基板100に送信されることにより、サブ制御基板90において設定された演出パターンでの段階演出が画像音響制御基板100によって実現されることになる。
【0403】
サブCPU91は、このステップS1657の処理を実行した場合、又は、段階演出を実行しないと判定した場合(ステップS1650:NO)、例えば、セリフ予告や群予告、カットインといった他の演出の演出パターンを設定する(ステップS1658)。
【0404】
なお、確変大当たり用段階演出パターン選択テーブル、通常大当たり用段階演出パターン選択テーブル、及び、ハズレ用段階演出パターン選択テーブルには、以下のような特徴がある。すなわち、いずれの段階演出パターン選択テーブルを参照した場合にも、第1特別図柄の変動時間が短いほど、段階演出の最終的な段階数が小さくなり易く、逆に、第1特別図柄の変動時間が長いほど、段階演出の最終的な段階が大きくなり易い、という特徴がある。また、確変大当たり用段階演出パターン選択テーブルまたは通常大当たり用段階演出パターン選択テーブルが参照される場合の方が、ハズレ用段階演出パターン選択テーブルが参照される場合に比べて、段階演出の最終的な段階が大きくなり易いという特徴がある。これらのことから、段階演出の最終的な段階数が大きくなるほど、大当たり信頼度が高くなるということが言える。
【0405】
ところで、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であり、且つ、その「大当たり」の種類が通常大当たりである場合に、通常リーチに関する第1変動演出画像(例えば、
図11(B)参照)を表示してから確変リーチに関する第2変動演出画像(例えば、
図11(C)参照)を表示するのは不適切である。このため、第1特別図柄判定の結果が通常大当たりとなった場合に参照される通常大当たり用段階演出パターン選択テーブルでは、上記のように第1変動演出画像を表示してから第2変動演出画像を表示する段階演出の演出パターンは規定されていない。
【0406】
[画像音響制御基板100による割込み処理]
次に、
図27を参照しつつ、画像音響制御基板100において実行される割込み処理について説明する。ここで、
図27は、画像音響制御基板100において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。画像音響制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、
図27に例示される一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
【0407】
まず、画像音響制御CPU101は、サブ制御基板90から受信したコマンドに基づいて表示画面70における画像表示を制御する画像表示制御処理を実行する(ステップS71)。この画像表示制御処理については、
図28に基づいて後に詳述する。
【0408】
ステップS71の処理に続いて、画像音響制御CPU101は、表示画面70で行われる画面表示と同期するように或いは非同期に、スピーカ38から各種の演出音を出力させるための演出音出力制御処理を実行する(ステップS72)。
【0409】
ステップS72の処理に続いて、画像音響制御CPU101は、データ送信制御処理を実行する(ステップS73)。具体的には、画像音響制御基板100において行われる画像音響制御に関するデータをサブ制御基板90に送信する。これに対して、サブ制御基板90は、
図21のステップS60におけるデータ転送処理によって、画像音響制御基板100から受信したデータをランプ制御基板120に転送する。これにより、表示画面70およびスピーカ38によって実行される演出と同期するように、枠ランプ37や盤面ランプ5、可動装飾部材14等が制御される。
【0410】
[画像音響制御基板100による画像表示制御処理]
図28は、
図27のステップS71における画像表示制御処理の詳細フローチャートである。画像音響制御CPU101は、まず、サブ制御基板90から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS711)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS711:NO)、ステップS72に処理が進められる。
【0411】
一方、画像音響制御CPU101は、サブ制御基板90からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS711:YES)、そのコマンドに含まれている設定情報を制御RAM103にセットする(ステップS712)。そして、制御RAM103にセットした設定情報に基づいて、表示画面70に演出画像をどのように表示すべきかを判断し、VDP104の描画処理を制御するためのディスプレイリストを作成して制御RAM103の所定領域に格納し(ステップS713)、そのディスプレイリストをVRAM106のディスプレイリスト記憶領域にセットする(ステップS714)。このディスプレイリスト記憶領域にセットされたディスプレイリストに基づいてVDP104が描画処理を実行することによって、サブ制御基板90から指示された演出表示が実現されることになる。
【0412】
[他の変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、本発明をいわゆる確変ループタイプと呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明を、いわゆるST機と呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機や、いわゆる1種2種混合タイプと呼ばれるパチンコ遊技機等の他の遊技機に適用してもよい。
【0413】
また、上記実施形態において説明した遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、乱数値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した図面等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。
【0414】
[参考発明]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
【0415】
(参考発明1)
参考発明1-1の遊技機は、
遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定を行う判定手段と、
前記特別遊技を実行すると前記判定手段によって判定された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記判定の結果に基づいて、入力手段に対する入力を遊技者に促す第1入力促進演出と、前記特別遊技が実行されることを報知する報知演出と、を実行可能であり、
前記第1入力促進演出の実行中における入力手段に対する入力に応じて、特定入力対応演出を実行する場合と実行しない場合とがあり、
前記特定入力対応演出を実行した場合は、入力手段に対する入力を遊技者に促す第2入力促進演出を実行し、前記特定入力対応演出を実行しなかった場合は、入力手段に対する入力を遊技者に促す第3入力促進演出を実行し、
前記第3入力促進演出が実行されたときと前記第2入力促進演出が実行されたときとで、前記報知演出が実行される可能性が異なる、ことを特徴とするものである。
【0416】
この遊技機によれば、第1入力促進演出に対する入力に応じて、特定入力対応演出が実行された場合は第2入力促進演出が実行され、特定入力演出が実行されなかった場合は第3入力促進演出が実行され、第1入力促進演出の後に行われる入力促進演出が第2入力促進演出である場合と第3入力促進演出である場合とで、(特別遊技が実行されることを報知する)報知演出が実行される可能性が異なる。このため、特定入力演出の有無によって、どちらの入力促進演出が実行されるかと、報知演出が実行される可能性がどの程度であるかを効果的に報知することができ、高い演出効果を得ることが可能である。また、遊技者は、特定入力演出の有無に基づいて、報知演出が実行される可能性の程度を推測することが可能である。このため、報知演出が実行されることを期待する遊技者に対して、第1入力促進演出に対する入力手段の入力を効果的に促すことが可能である。
【0417】
また、参考発明1-2の遊技機は、参考発明1-1の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記判定の結果に基づいて、入力手段に対する入力を遊技者に促す第4入力促進演出を実行可能であり、
前記第4入力促進演出を実行した場合は、その後に、入力手段に対する入力を遊技者に促す演出であり且つ前記第3入力促進演出と共通する第5入力促進演出を実行可能である、ことを特徴とするものである。
【0418】
この遊技機によれば、第4入力促進演出が実行された場合は、その後に、特定入力対応演出が実行されなかった場合に実行される第3入力促進演出と共通する第5入力促進演出が実行される。このため、特定入力対応演出が実行された場合に第2入力促進演出が実行され、それ以外の場合には、入力促進演出が第3入力促進演出や第5入力促進演出となることを遊技者が容易に認識することが可能である。したがって、多彩な入力促進演出を実行することによって演出の流れが複雑になり、却って演出効果が低下するといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
【0419】
また、参考発明1-3の遊技機は、参考発明1-2の遊技機において、
前記第4入力促進演出は、前記第1入力促進演出によって遊技者に促される入力と共通する入力を遊技者に促す演出である、ことを特徴とするものである。
【0420】
この遊技機によれば、(後に第5入力促進演出が実行される)第4入力促進演出によって、(後に第2入力促進演出または第3入力促進演出が実行される)第1入力促進演出と共通する入力が促される。このように、第4入力促進演出と第1入力促進演出とでは、遊技者に対して促される入力が共通しているものの、後に実行される入力促進演出が互いに異なるため、遊技者に対して最初に促す入力促進演出を共通化して演出が複雑になるのを抑制しつつ、後に行われる入力促進演出を多様化することによって、演出のバリエーションを増加させて高い演出効果を得ることが可能である。
【0421】
また、参考発明1-4の遊技機は、参考発明1-2または1-3の遊技機において、
前記第2入力促進演出が実行された場合の方が、前記第5入力促進演出が実行される場合に比べて、前記報知演出が実行される可能性が高い、ことを特徴とするものである。
【0422】
この遊技機によれば、特定入力対応演出および第2入力促進演出が実行された場合の方が、(第4入力促進演出および)第5入力促進演出が実行される場合に比べて、特別遊技が実行される可能性が高い。このため、特定入力対応演出が実行されることに対する遊技者の期待感を効果的に向上させることができ、第1入力促進演出に対する入力手段の入力が行われないことに起因して一連の演出の興趣性が低下する、といった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
【0423】
(参考発明2)
参考発明2-1の遊技機は、
遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する判定手段と、
前記特別遊技を実行すると前記判定手段によって判定された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記特別遊技が実行される可能性があることを示唆する示唆演出を実行可能であり、
前記示唆演出が実行される可能性が第1の程度であることを示唆する第1可能性示唆画像を表示し、所定の契機演出が実行されたことに応じて、前記示唆演出が実行される可能性が前記第1の程度よりも高い第2の程度であることを示唆する第2可能性示唆画像へと前記第1可能性示唆画像を変化させる変化演出を実行可能である、ことを特徴とするものである。
【0424】
この遊技機によれば、示唆演出が実行される可能性が第1の程度であることを示唆する第1可能性示唆画像が、示唆演出が実行される可能性が(第1の程度よりも高い)第2の程度であることを示唆する第2可能性示唆画像へと変化する。このため、示唆演出が実行される可能性が高まったという印象を遊技者に与えることができ、変化演出と示唆演出との相乗効果によって、高い演出効果を得ることができる。また、契機演出が実行されたことに応じて第1可能性示唆画像が第2可能性示唆画像に変化するため、遊技者は、契機演出に基づいて、第1可能性示唆画像が変化することを容易に認識することができ、第1可能性示唆画像が第2可能性示唆画像に変化する様子を遊技者が見逃してしまい、変化演出を実行することによる十分な演出効果が得られない、といった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
【0425】
(参考発明3)
参考発明3-1の遊技機は、
遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する判定手段と、
所定の特別図柄表示手段に特別図柄を変動表示させてから前記判定手段の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
前記特別遊技を実行すると前記判定手段によって判定されたことを示す特別図柄が前記特別図柄表示手段に停止表示された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技の終了後に、第1遊技状態および当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を含む複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態で遊技を制御する遊技制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示を含む変動演出と、前記特別遊技が実行されることを報知する報知演出と、を実行可能であり、
前記変動演出には、第1変動演出と、当該第1変動演出とは異なる第2変動演出と、があり、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技の終了後に前記第2遊技状態で遊技が制御される場合は、前記第1変動演出または前記第2変動演出において前記報知演出を実行し、
前記特別遊技の終了後に前記第1遊技状態で遊技が制御される場合は、前記第1変動演出において前記報知演出を実行する一方、前記第2変動演出においては前記報知演出を実行せず、
前記第2変動演出が実行される場合に、前記第1変動演出に関する第1変動演出画像を表示してから前記第2変動演出に関する第2変動演出画像を表示する画像表示演出を実行可能である、ことを特徴とするものである。
【0426】
この遊技機によれば、第1変動演出において報知演出が実行された場合は、特別遊技の終了後に第1遊技状態で遊技が制御されるときと第2遊技状態で遊技が制御されるときとがある一方で、第2変動演出において報知演出が実行された場合は、特別遊技の終了後に、第2遊技状態で遊技が制御され、第1遊技状態で遊技が制御されるときがない。これに対して、第2変動演出が実行される場合に、第1変動演出画像が表示されてから第2変動演出画像が表示されることがある。このため、第1変動演出において報知演出が実行されるかもしれないと予測していた遊技者に対して、第2変動演出において報知演出が実行されることを期待させることができ、高い演出効果を得ることが可能である。
【0427】
なお、上記参考発明1~3の2以上の任意の発明を組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0428】
1 遊技機(パチンコ遊技機)、7 画像表示装置、21 第1始動口、22 第2始動口、23 開閉部材、26 第1大入賞口、28 第2大入賞口、35 第1演出ボタン、36 第2演出ボタン、41 第1特別図柄表示器、42 第2特別図柄表示器、70 表示画面、80 メイン制御基板、81 メインCPU、90 サブ制御基板、91 サブCPU、100 画像音響制御基板、101 画像音響制御CPU、120 ランプ制御基板、121 ランプCPU、211 第1始動口センサ、221 第2始動口センサ、351 第1演出ボタン検知センサ、352 第1演出ボタンランプ、353 振動モータ、361 第2演出ボタン検知センサ、362 第2演出ボタンランプ。