(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182466
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】監視カメラ
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20221201BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20221201BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20221201BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20221201BHJP
【FI】
H04N5/232
H04N5/225 100
G03B15/00 S
G03B15/00 P
G03B15/00 Q
G03B17/56 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090043
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片山 彰
【テーマコード(参考)】
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA06
2H105AA13
2H105AA14
2H105EE35
5C122DA11
5C122EA54
5C122GA34
5C122GD04
5C122GD06
5C122HA01
5C122HA75
5C122HA82
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】監視カメラのサイズの小型化を図ること。
【解決手段】本開示の一実施例に係る監視カメラは、開口部を有する筐体と、内部空間を有し、前記筐体の開口部内にチルト回転可能に取り付けられるチルトユニットと、前記内部空間に収納され、映像を撮像する撮像部と、前記内部空間に収納され、熱源変化を検知する検知部と、前記チルトユニットをチルト回転させることで、前記撮像部及び前記検知部の位置を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する筐体と、
内部空間を有し、前記筐体の開口部内にチルト回転可能に取り付けられるチルトユニットと、
前記内部空間に収納され、映像を撮像する撮像部と、
前記内部空間に収納され、熱源変化を検知する検知部と、
前記チルトユニットをチルト回転させることで、前記撮像部及び前記検知部の位置を制御する制御部と、
を備える監視カメラ。
【請求項2】
前記検知部が前記筐体の外側に向けられている状態において、前記撮像部が有するレンズは露出しない、
請求項1に記載の監視カメラ。
【請求項3】
前記検知部が前記筐体の外側に向けられている状態において、前記制御部は、前記検知部による検知結果に基づいて動体の動きを検知した場合、前記撮像部が前記筐体の外側に向けられるように、前記チルトユニットをチルト回転させる、
請求項1又は2に記載の監視カメラ。
【請求項4】
前記撮像部が前記筐体の外側に向けられている状態において、前記制御部は、前記撮像部によって撮像された映像に基づいて動体の動きを検知しない場合、前記検知部が前記筐体の外側に向けられるように、前記チルトユニットをチルト回転させる、
請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の監視カメラ。
【請求項5】
前記撮像部が有するレンズの中心軸と前記検知部が有するセンサーの中心軸とは、略一直線上に並ぶように形成されている、
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の監視カメラ。
【請求項6】
前記検知部が有するセンサーは露出しない、
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の監視カメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被撮像対象を検出したときに撮像手段を作動させて被撮像対象を撮像する撮像装置であって、被撮像対象の移動方向を検出し、検出した移動方向に撮像手段の撮像範囲を移動させる撮像装置が開示されている。
【0003】
特許文献1の
図2及び
図3を参照すると、この撮像装置では、被撮像対象を検出する対象検出手段(赤外線センサ21A及び21B)と被撮像対象を撮像する撮像手段(CCDカメラ19)との両方が、カメラ収納部(筐体)の同じ端面に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、対象検出手段及び撮像手段を筐体の同じ端面に配置した場合、筐体(したがって撮像装置)が大型化するおそれがある。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、サイズの小型化を図ることができる監視カメラの提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る監視カメラは、開口部を有する筐体と、内部空間を有し、前記筐体の開口部内にチルト回転可能に取り付けられるチルトユニットと、前記内部空間に収納され、映像を撮像する撮像部と、前記内部空間に収納され、熱源変化を検知する検知部と、前記チルトユニットをチルト回転させることで、前記撮像部及び前記検知部の位置を制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施例によれば、監視カメラのサイズの小型化を図ることができる。
【0009】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の実施の形態に係る監視カメラの外観斜視図
【
図1B】本開示の実施の形態に係る監視カメラの外観斜視図
【
図2A】本開示の実施の形態に係る監視カメラの内部斜視図
【
図2B】本開示の実施の形態に係る監視カメラの内部斜視図
【
図2C】本開示の実施の形態に係る監視カメラの内部斜視図
【
図3A】本開示の実施の形態に係る監視カメラが備えるチルトユニットの斜視図
【
図3B】本開示の実施の形態に係る監視カメラが備えるチルトユニットの斜視図
【
図4A】本開示の実施の形態に係る監視カメラが備えるチルトユニットの断面図
【
図4B】本開示の実施の形態に係る監視カメラが備えるチルトユニットの断面図
【
図5A】本開示の実施の形態に係る監視カメラが備えるチルトユニットに収納されている撮像部の斜視図
【
図5B】本開示の実施の形態に係る監視カメラが備えるチルトユニットに収納されている検知部の斜視図
【
図6】本開示の実施の形態に係る監視カメラの内部構成例を示す図
【
図7】本開示の実施の形態に係る監視カメラの動作例を示すフローチャート
【
図8】本開示の実施の形態に係る監視カメラのモード移行例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0012】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
(実施の形態)
<監視カメラの構成>
図1~
図6を参照して、本開示の実施の形態に係る監視カメラ100の構成について説明する。例えば、監視カメラ100は、自宅で飼育されているペットを撮像するために自宅内に設置される。なお、撮像対象は、ペットに限定されるものではなく、例えば、子供や高齢者等の人物、一般的には生体、より一般的には動体であってよい。
【0014】
図1A及び
図1Bは、本開示の実施の形態に係る監視カメラ100の外観斜視図である。監視カメラ100は、筐体101と、基台部102と、チルトユニット103と、撮像部104と、検知部105と、を備える。
【0015】
筐体101は、図示されているように、例えば扁平な円柱体状を有している。チルトユニット103を含め、監視カメラ100の内部構成要素の多くは、筐体101内に収納されている。筐体101の一端には、チルトユニット103の円筒表面の一部(例えば半分)を露出させるための開口部が形成されている。以降、開口部が形成されている筐体101の一端側を前方と呼び、開口部が形成されている筐体101の一端の反対端側を後方と呼び。筐体101は、
図2Aを参照して後述するメイン基板106(例えば
図6を参照して後述するプロセッサ11a)から入力された制御信号に基づいて、後述するパン機構を介して、基台部102に対して矢印P方向に(左右方向に)パン回転可能なように基台部102に取り付けられている。
【0016】
チルトユニット103は、例えば円筒形状を有している。チルトユニット103は、メイン基板106(プロセッサ11a)から入力された制御信号に基づいて、後述するチルト機構を介して、矢印T方向に(上下方向に)チルト回転可能である。
【0017】
チルトユニット103は、後述するように、検知部105によって検知された熱源の変化(以降、熱源変化とも呼ぶ)に基づいてペットの動きが検知されたと判定されたこと、及び、撮像部104によって撮像された撮像映像に基づいてペットが動いていないことが検知されたと判定されたことに応じて、例えば180度チルト回転する。これにより、監視カメラ100は、監視カメラ100が有している撮像機能と検知機能とを切り替える。
【0018】
図1A及び
図1Bに示されているように、チルトユニット103の内部空間には、撮像部104及び検知部105が収納されている。
【0019】
図1Aには、監視カメラ100が撮像機能を発揮するモード(以降、カメラモードと呼ぶ)が示されている。カメラモードでは、チルトユニット103は、筐体101の開口部における中央又は略中央に配置された、撮像部104のレンズ117を所定の範囲内(例えば上下方向ともに90度内)で回転させるようにチルト回転可能であるとともに、筐体101が、基台部102に対して例えば306度パン回転可能である。これにより、撮像部104は、ペットの上下方向の動き及び左右方向の動きに追従しながらペットの撮像を行う。カメラモードでは、監視カメラ100の検知機能すなわち検知部105がオフにされる。
【0020】
一方、
図1Bには、監視カメラ100が検知機能を発揮するモード(以降、センサーモードと呼ぶ)が示されている。センサーモードでは、チルトユニット103の円筒表面の内側に隠されて配置されている検知部105がペット(具体的には熱源の変化)の検知を行う。センサーモードでは、監視カメラ100の撮像機能すなわち撮像部104がオフにされる。
【0021】
撮像部104は、レンズ117とイメージセンサ(図示せず)とを少なくとも有している。レンズ117は、監視カメラ100の外部から入射した光をイメージセンサ撮像面に結像させた光学被写体像を変換して撮像信号を出力する。イメージセンサは、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の固体撮像素子である。レンズ117は、チルトユニット103の円筒表面の円筒高さ方向の中央又は略中央に設けられた開口部に配置されている。
【0022】
検知部105は、赤外線センサー118を有している。赤外線センサー118は、例えば、PIR(Passive Infrared Ray)センサーであってよい。PIRセンサー118は、撮像部104が筐体101の外側に向けられている状態において撮像部104の撮像位置から撮像部104が撮像可能な最大撮像領域内の動きに基づく熱源(例えばペット)の変化を検知する。センサーモードにおいて、PIRセンサー118は、筐体101の開口部の中央又は略中央の内側に配置される。本実施の形態においては、PIRセンサー118を用いる例を説明するが、本開示はこの例に限定されるものではない。撮像部104の撮像位置から撮像部104が撮像可能な最大撮像領域内の動体の動きを検知できるセンサーであれば、PIRセンサーの代わりに、検知部105が有するセンサーとして用いられてよい。
【0023】
図2Aは、前方かつ一方のサイドからの、筐体101及び基台部102が取り除かれた状態の監視カメラ100の内部斜視図である。
図2Aに示されているように、監視カメラ100は、チルトユニット103等に加えて、メイン基板106と、チルトモータ107と、チルト回転用ギア108と、バッテリー109と、電源基板110と、電源線111と、電源ケーブル112と、支持部材113と、を更に備える。
【0024】
チルトユニット103は、例えば、筐体101の開口部内に支持部材113に支持可能に取り付けられ、筐体101内の前方に配置されている。
【0025】
メイン基板106は、例えば、支持部材113に支持可能に取り付けられ、バッテリー109の上部に配置されている。メイン基板106は、
図2Bを参照して後述する接続線115を介して、撮像部104の
図5Aを参照して後述するカメラ基板119に接続されている。メイン基板106は、撮像部104によって撮像された撮像画像(映像)を撮像部104から受け付け、撮像画像を処理する。また、メイン基板106は、図示しない接続線を介して、検知部105の
図5Bを参照して後述するセンサー基板120に接続されている。メイン基板106は、検知部105によって検知された熱源変化を検知部105から受け付け、熱源変化を処理する。メイン基板106は、必要に応じて、ルータ等を介して処理結果を離隔地に伝送又は通信する。
【0026】
メイン基板106は、チルトユニット103をチルト回転させるために、チルトモータ107を駆動させるための制御信号をチルトモータ107に出力する。このようにして、メイン基板106は、チルトユニット103をチルト回転させることで、撮像部104又は検知部105のいずれかが筐体101の外側に向けられるように、撮像部104及び検知部105の位置を制御する。また、メイン基板106は、基台部102に対して筐体101をパン回転させるために、
図2Cを参照して後述するパンモータ114を駆動させるための制御信号をパンモータ114に出力する。
【0027】
チルトモータ107は、例えばネジ止めされる等して、支持部材113の側面に支持可能に取り付けられている。チルトモータ107は、メイン基板106から入力された制御信号に基づいて、チルト回転用ギア108を介して、チルトユニット103をチルト回転させる。
【0028】
チルト回転用ギア108は、チルトモータ107の動力をチルトユニット103に伝達する。チルト回転用ギア108のうちの1つは、撮像部104のカメラ基板119の側面に取り付けられている。
【0029】
チルトモータ107及びチルト回転用ギア108は、チルト機構を構成する。
【0030】
バッテリー109は、例えば、支持部材113に支持可能に取り付けられ、メイン基板106下部のスペースに配置されている。バッテリー109は、外部の商用電源から電源基板110等を介して供給された電荷を蓄積し、撮像部104、検知部105、メイン基板106、チルトモータ107及びパンモータ114等に電力を供給する。
【0031】
電源基板110は、例えば、基台部102に支持可能に取り付けられ、支持部材113下部に配置されている。電源基板110は、電源線111を介してメイン基板106等に接続されている。電源基板110はまた、電源ケーブル112を介して外部の商用電源に接続される。電源基板110は、外部の商用電源を入力として、監視カメラ100内部の各種構成要素で必要となる特定のDC電圧を出力する。
【0032】
図2Bは、前方かつ他方のサイドからの、筐体101が取り除かれた状態の監視カメラ100の内部斜視図である。
図2Bに示されているように、監視カメラ100は、パンモータ114と接続線115とを更に備える。
【0033】
パンモータ114は、例えばネジ止めされる等して、支持部材113の後方上面に支持可能に取り付けられている。パンモータ114は、メイン基板106から入力された制御信号に基づいて、
図2Cを参照して後述するパン回転用ギア116を介して、基台部102に対して筐体101をパン回転させる。パンモータ114及びパン回転用ギア116は、パン機構を構成する。
【0034】
接続線115は、上述したように、メイン基板106と撮像部104のカメラ基板119とを接続している。
【0035】
図2Cは、後方かつ一方のサイドからの、筐体101とメイン基板106とバッテリー109とが取り除かれた状態の監視カメラ100の内部斜視図である。
図2Cに示されているように、監視カメラ100は、パン回転用ギア116を更に備える。
【0036】
パン回転用ギア116は、パンモータ114の動力を基台部102に伝達する。パン回転用ギア116のうちの1つは、基台部102の上面に取り付けられている。
【0037】
図3A及び
図3Bは、監視カメラ100が備えるチルトユニット103の斜視図である。
図3Aに示されているように、また、上述したように、撮像部104のレンズ117は、チルトユニット103の円筒表面に設けられた開口部に配置されている。更に、
図3Bに示されているように、検知部105のPIRセンサー118は、チルトユニット103の円筒表面の内側に隠されて配置されている。
図3Aに示されている状態からチルトユニット103が180度チルト回転することにより、PIRセンサー118は、
図3Bに示されているように、
図3Aに示されているレンズ117と対応する位置に配置されることになる。すなわち、本実施の形態において、レンズ117の中心軸とPIRセンサー118の中心軸とは、一直線上又は略一直線上に並ぶように形成されている。
【0038】
図4A及び
図4Bは、監視カメラ100が備えるチルトユニット103の断面図である。
図4A及び
図4Bに示されているように、チルトユニット103の内部空間のうち半分又は略半分の第1領域に撮像部104が収納されており、チルトユニット103の内部空間のうち残りの半分又は略半分の第2領域に検知部105が収納されている。上述したように、レンズ117の中心軸とPIRセンサー118の中心軸とは、一直線上又は略一直線上に並ぶように形成されている。なお、
図5Bにおいて、PIRセンサー118が、チルトユニット103の円筒表面に設けられた開口部に配置されているように図示されているが、実際には、PIRセンサー118は、チルトユニット103の円筒表面の内側に隠されて配置されている。
【0039】
図5A及び
図5Bはそれぞれ、監視カメラ100が備えるチルトユニット103に収納されている撮像部104及び検知部105の斜視図である。レンズ117及びイメージセンサを介して取得された撮像画像は、カメラ基板119を介してメイン基板106に出力される。PIRセンサー118を介して取得された熱源変化は、センサー基板120を介してメイン基板106に出力される。
【0040】
図6は、監視カメラ100の内部構成例を示す図である。監視カメラ100は、通信部10aと、BUS10bと、外部メモリI/F(interface)部10cと、プロセッサ11aと、映像メモリ制御部11bと、音声入力制御部11cと、マイクMk及びスピーカSPと、メモリ12aと、映像メモリ12bと、を備える。例えば、通信部10a、BUS10b、外部メモリI/F部10c、プロセッサ11a、映像メモリ制御部11b、音声入力制御部11c、メモリ12a及び映像メモリ12b(特にプロセッサ11a)は、上述したメイン基板106に相当する。また、プロセッサ11aは、本開示に係る制御部の一例である。また、監視カメラ100は、撮像部13と、検知部14(赤外線センサー14aを含む))と、LED(light Emitting Diode)15と、駆動部16(パンモータ16a及びチルトモータ16bを含む)と、温度センサー17と、電源部18と、照度センサー19と、を更に備える。
【0041】
通信部10aは、アンテナAntを有している。通信部10aは、例えばルータとの間で無線通信可能に接続される。通信部10aは、ルータ又はネットワークを介して、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)等のユーザコンピュータ装置との間でデータの送受信を実行する。なお、通信部10aは、ルータとの間で有線通信可能に接続されてもよい。
【0042】
BUS10bは、通信部10a、プロセッサ11a、映像メモリ制御部11b及び音声入力制御部11cとの間のデータの入出力を実行する。
【0043】
外部メモリI/F部10cは、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカード等の記憶媒体の一例としての外部メモリ12cとの間で通信可能である。外部メモリI/F部10cは、例えばUSBメモリ又はSDカード等の外部メモリ12cを挿抜可能に設けられている。なお、外部メモリI/F部10cは、複数の外部メモリと同時に接続可能であってもよい。
【0044】
プロセッサ11aは、例えばCPU(Central Processing Unit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成され、メモリ12aと協働して、各種の処理及び制御を行う。具体的には、プロセッサ11aは、メモリ12aに記録されているプログラム及びデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、ペットの位置を検知する機能、ペットの動きを検知する機能、ペットに追従しながら撮像する機能等を実現する。また、プロセッサ11aは、ペットを撮像した録画映像を生成する機能を実現する。
【0045】
プロセッサ11aは、メモリ12aに記録された録画映像のデータの概要を示す録画開始時刻、検知エリアの情報、録画長等を含むメタ情報を生成する。プロセッサ11aは、録画映像に、生成されたメタ情報を含めてメモリ12a及び映像メモリ12bに記録させる。なお、プロセッサ11aは、ルータ又はネットワークを介してユーザコンピュータ装置からユーザ操作により録画映像の記録先として外部メモリ12cを指定する信号を受信した場合、メタ情報を含む録画映像を外部メモリI/F部10cを介して、外部メモリ12cに送信して記録させる。
【0046】
映像メモリ制御部11bは、プロセッサ11aから、撮像部13によって撮像された録画映像を受け付けると、受け付けた録画映像を映像メモリ12bに記録させる。
【0047】
音声入力制御部11cは、マイクMkによって収音された音(音声)を電気信号に変換してプロセッサ11aに出力する。また、音声入力制御部11cは、BUS10bから入力された電気信号をスピーカSPに出力する。スピーカSPは、音声入力制御部11cから入力された電気信号を音(音声)に変換して出力する。
【0048】
記憶部の一例としてのメモリ12aは、例えばプロセッサ11aの各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、プロセッサ11aの動作を規定したプログラム及びデータを格納するROM(Read Only Memory)と、を含む。RAMには、プロセッサ11aにより生成又は取得されたデータ又は情報が一時的に記憶される。ROMには、プロセッサ11aの動作を規定するプログラムが格納されている。メモリ12aは、監視カメラ100のプリセット位置、記録(録画)された録画映像等を記憶する。
【0049】
記憶部の一例としての映像メモリ12bは、撮像部13によって撮像された撮像映像を録画映像として撮像日ごとに記録(録画)する。なお、映像メモリ12bは、プロセッサ11aにより生成されたメタ情報に含まれるデータ「録画開始時刻」に含まれる日付情報により撮像日を管理する。
【0050】
記憶部の一例としての外部メモリ12cは、例えばUSBメモリ、SDカード等の記憶媒体である。外部メモリ12cも、撮像部13によって撮像された撮像映像を記録する。なお、
図6において、監視カメラ100は、1つの外部メモリI/F部10cと1つの外部メモリ12cとを備える例が示されているが、複数の外部メモリI/F部10cと複数の外部メモリ12cとが存在してもよい。なお、外部メモリ12cは、プロセッサ11aにより生成されたメタ情報に含まれるデータ「録画開始時刻」に含まれる日付情報により撮像日を管理する。
【0051】
撮像部13は、少なくともレンズ(図示せず)とイメージセンサ(図示せず)とを有している。撮像部13は、上述した撮像部104に相当する。撮像部13は、撮像した撮像映像をプロセッサ11aに出力する。
【0052】
検知部14は、赤外線センサー14aを有している。赤外線センサー14aは、PIRセンサーであってよい。検知部14は、上述した検知部105に相当する。赤外線センサー14aは、上述したPIRセンサー118に相当する。なお、赤外線センサー14aの数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。赤外線センサー14aを含む検知部14は、検知した熱源変化を、検知結果としてプロセッサ11aに出力する。
【0053】
センサーモードにおいて、プロセッサ11aは、検知部14から入力された検知結果に基づいてペットの動きを検知したと判定し、チルトモータ16bを駆動させるための制御信号をチルトモータ16bに出力する。これにより、チルトユニット103は、撮像部13のレンズが筐体101の開口部の中央又は略中央に配置されるように回転し、監視カメラ100はカメラモードに移行する。すなわち、検知部14が筐体101の外側に向けられている状態において、プロセッサ11aは、検知部14による検知結果に基づいてペットの動きを検知した場合、プロセッサ11aは、撮像部13が筐体101の外側に向けられるように、チルトユニット103をチルト回転させる。
【0054】
カメラモードにおいて、プロセッサ11aは、撮像部13によって連続して撮像された複数の撮像画像のそれぞれにおいて明るさの変化量が所定の変化量以上となる領域があるか否かを判定する。プロセッサ11aは、明るさの変化量が所定の変化量以上となる領域がある場合、ペットの動きを検知したと判定し、撮像された撮像映像の記録(録画)を開始する。また、プロセッサ11aは、ペットの動きの検知を判定したこのタイミングから所定の時間(例えば、10秒、20秒等)だけ前に撮像された撮像映像を含めて記録(録画)を開始してもよい。
【0055】
カメラモードにおいて、プロセッサ11aは、撮像部13によって撮像された撮像画像内のペットの位置を検知し、検知したペットの位置に追従するように、駆動部16(すなわちパンモータ16a及びチルトモータ16bのうちの少なくとも一方)を駆動させる制御信号を生成して駆動部16に出力する。
【0056】
なお、プロセッサ11aは、ルータ又はネットワークを介してユーザコンピュータ装置からユーザ操作により駆動部16を駆動させる信号を受信した場合、受信した信号に応じた制御信号を生成して駆動部16に出力することも可能である。すなわち、ユーザは、手動で監視カメラ100をチルト回転及びパン回転させることも可能である。
【0057】
プロセッサ11aは、ペットの動き及び位置を検知するためのこの判定処理を例えば200ミリ秒ごとに定期的に繰り返し実行する。なお、プロセッサ11aによって実行されるペットの動き及び位置を検知するための判定処理は、例えば100ミリ秒ごとに実行されてもよいし、300ミリ秒ごとに実行されてもよい。
【0058】
更に、カメラモードにおいて、プロセッサ11aは、明るさの変化量が所定の変化量以上となる領域がない場合、ペットが動いていないことを検知した(ペットの動きを検知しない)と判定し、撮像部13によって撮像された撮像映像を記録(録画)するのを終了する。プロセッサ11aは、撮像映像を記録(録画)するのを終了するとともに、チルトモータ16bを駆動させるための制御信号をチルトモータ16bに出力する。これにより、チルトユニット103は、検知部14の赤外線センサー14aが筐体101の開口部の中央又は略中央に配置されるように回転し、監視カメラ100はセンサーモードに移行する。すなわち、撮像部13が筐体101の外側に向けられている状態において、プロセッサ11aは、撮像部13によって撮像された撮像映像に基づいてペットの動きを検知しない場合、プロセッサ11aは、検知部14が筐体101の外側に向けられるように、チルトユニット103をチルト回転させる。
【0059】
LED15は、例えば夜間、早朝、雨天等、屋内が暗く、ペットの撮像に適さない場合に撮像部13の撮像領域を照明する。LED15は、照度センサー19により検知された明るさに応じて点灯又は消灯する。なお、撮像部13は、LED15が点灯している間は白黒画像を撮像してもよい。
【0060】
駆動部16は、プロセッサ11aから入力された制御信号に基づいて、パンモータ16a及びチルトモータ16bのうちの少なくとも一方を駆動させる。
【0061】
パンモータ16aは、プロセッサ11aから入力された制御信号に基づいて、基台部102に対して筐体101をパン回転させ、撮像部13の撮像領域を変更する。パンモータ16aは、上述したパンモータ114に相当する。
【0062】
チルトモータ16bは、プロセッサ11aから入力された制御信号に基づいて、監視カメラ100がセンサーモードとカメラモードとを切り替えるように、チルトユニット103をチルト回転させる。また、チルトモータ16bは、プロセッサ11aから入力された制御信号に基づいて、撮像部13の撮像領域を変更するように、チルトユニット103をチルト回転させる。
【0063】
温度センサー17は、監視カメラ100が設置されている屋内の気温(室温)を測定する。温度センサー17は、測定結果としての気温データをプロセッサ11aに出力する。プロセッサ11aは、温度センサー17から入力された気温データをメモリ12aに記憶させるとともに、通信部10aを介して、ユーザコンピュータ装置に送信する。
【0064】
電源部18は、外部の商用電源から監視カメラ100に電力を供給する。電源部18は、電源の供給を外部の商用電源から直接得てもよい。また、電源部18は、外部の商用電源から供給された電荷を蓄積可能なバッテリー(例えば電池)を含んでもよいし、そのようなバッテリーを脱着可能な構成であってもよく、外部の商用電源から切り離された状態であっても、監視カメラ100に電力を供給可能であってもよい。電源部18は、上述したバッテリー109及び電源基板110のうちの少なくとも一方に相当する。
【0065】
<監視カメラの動作>
図7は、本開示の実施の形態に係る監視カメラ100の動作例を示すフローチャートである。
【0066】
監視カメラ100が電源オンされると、ステップS701において、メイン基板106は、初期化処理を実行して、監視カメラ100をセンサーモードに移行させる。
【0067】
ステップS702において、メイン基板106は、検知部105が検知した熱源の変化の有無に基づいて、ペットの動きを検知したか否かを判定する。
【0068】
ペットの動きを検知していない場合(ステップS702においてNO)、ステップS702が繰り返される。
【0069】
ペットの動きを検知した場合(ステップS702においてYES)、ステップS703において、メイン基板106は、チルトユニット103が回転するようにチルト機構を制御し、監視カメラ100をカメラモードに移行させる。
【0070】
ステップS704において、メイン基板106は、撮像部104が撮像した撮像映像に基づいて、ペットの動きを検知したか否かを判定する。
【0071】
ペットの動きを検知した場合(ステップS704においてYES)、ステップS705において、メイン基板106は、撮像部104が撮像した撮像画像を録画(記録)する。そして、処理はステップS704に戻る。
【0072】
ペットの動きを検知していない場合(ステップS704においてNO)、ステップS705において撮像画像を録画(記録)しているならば、撮像画像の録画(記録)を終了し、ステップS706において、メイン基板106は、チルトユニット103が回転するようにチルト機構を制御し、監視カメラ100をセンサーモードに移行させる。そして、処理は、ステップS702に戻る。
【0073】
図8は、本開示の実施の形態に係る監視カメラ100のモード移行例を示す図である。
【0074】
監視カメラ100が電源オンされると、監視カメラ100は、
図8の上側に示されているセンサーモードに移行する(
図7のステップS701)。
【0075】
その後、ペットの動きが検知されると、チルトユニット103は、
図8の右側に示されているようにチルト回転し、監視カメラ100は、
図8の下側に示されているカメラモードに移行する(
図7のステップS703)。
【0076】
カメラモードでの動作が続き、その後、ペットの動きが検知されなくなると、チルトユニット103は、
図8の左側に示されているようにチルト回転し、監視カメラ100は、
図8の上側に示されているセンサーモードに移行する(
図7のステップS706)。以降、上記の処理が繰り返される。
【0077】
(実施の形態における効果)
本実施の形態において、監視カメラ100は、開口部を有する筐体と、内部空間を有し、筐体の開口部内にチルト回転可能に取り付けられるチルトユニットと、内部空間に収納され、映像を撮像する撮像部と、内部空間に収納され、熱源変化を検知する検知部と、チルトユニットをチルト回転させることで、撮像部及び検知部の位置を制御する制御部と、を備える。この構成によれば、制御部は、チルト回転可能なチルトユニットの内部空間に収納されている撮像部及び検知部の位置を、チルトユニットをチルト回転させることで制御するので、筐体のサイズを、したがって監視カメラ100のサイズを、小型化することが可能である。
【0078】
本実施の形態において、制御部は、チルトユニットの内部空間に収納されている撮像部又は検知部のいずれかが筐体の外側に向けられるように、撮像部及び検知部の位置を制御するので、筐体のサイズを、したがって監視カメラ100のサイズを、更に小型化することが可能である。
【0079】
撮像部と検知部とを備える撮像装置では、撮像部の消費電力の方が検知部の消費電力よりも大きい。また、撮像部を動作させ続ける場合には消費電力がより大きくなってしまう。本実施の形態において、検知部が筐体の外側に向けられている状態において撮像部はオフにされ、撮像部が筐体の外側に向けられている状態において、撮像部は必要に応じて撮像を行うので、消費電力を低減することが可能である。このことは、特に監視カメラ100がバッテリー電力で動作するときに有利である。
【0080】
本実施の形態において、検知部が筐体の外側に向けられている状態において、撮像部が有するレンズは露出しないので、監視カメラ100が設置されている部屋等にいる人物が、監視されているという感覚を低減させることができる。
【0081】
本実施の形態において、検知部が有するセンサーは露出しないので、監視カメラ100が設置されている部屋等にいる人物が、監視されているという感覚を更に低減させることができる。
【0082】
本実施の形態において、制御部は、チルトユニットをチルト回転させることで、撮像部又は検知部のいずれかを筐体の外側に向けるように配置させるので、撮像部が捉えることが可能な角度と検知部が捉えることが可能な角度とを一致させることができる。
【0083】
<変形例>
本実施の形態では、レンズ117の中心軸とPIRセンサー118の中心軸とが、一直線上又は略一直線上に並ぶように形成されている例を説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。
【0084】
例えば、カメラ基板119に対してセンサー基板120が傾けられてもよく、レンズ117の中心軸とPIRセンサー118の中心軸とが、一直線上又は略一直線上に並ばないように形成されていてもよい。
【0085】
この場合、カメラモードとセンサーモードとを切り替えるのにチルトユニット103を略180度回転させる必要がないので、カメラ基板119及びセンサー基板120に接続されている配線の回転による負荷を軽減することができる。
【0086】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例又は修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本開示の一実施例は、ペット等の動体を検知及び撮像する監視カメラに有用である。
【符号の説明】
【0088】
100 監視カメラ
101 筐体
102 基台部
103 チルトユニット
104 撮像部
105 検知部
106 メイン基板
107 チルトモータ
108 チルト回転用ギア
114 パンモータ
116 パン回転用ギア
117 レンズ
118 赤外線センサー(PIRセンサー)
119 カメラ基板
120 センサー基板
11a プロセッサ
11b 映像メモリ制御部
12a メモリ
12b 映像メモリ
13 撮像部
14 検知部
14a 赤外線センサー(PIRセンサー)
16 駆動部
16a パンモータ
16b チルトモータ