(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182472
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090052
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】執行 里恵
(72)【発明者】
【氏名】山口 光
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CA02
5D208CA03
5D208CA07
5D208CB05
(57)【要約】
【課題】歌唱者が不快に感じることなく歌唱できるカラオケ装置を提供する。
【解決手段】携帯端末(M)をリモコン装置(14)として動作させる所定のアプリケーション(A)が複数の携帯端末にインストールされ、当該複数の携帯端末に通信可能にカラオケ装置(10)が接続されている。カラオケ装置には、各携帯端末の所定のアプリケーションから操作情報を取得する取得部(23)と、所定のアプリケーションに対して操作機能に関する指示を行う指示部(24)と、が設けられている。楽曲のカラオケ演奏中に取得部が取得した操作情報に応じて、指示部が所定のアプリケーションに操作機能の無効化を指示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末をリモコン装置として動作させる所定のアプリケーションが複数の携帯端末にインストールされ、当該複数の携帯端末に通信可能に接続されたカラオケ装置であって、
各携帯端末の前記所定のアプリケーションから操作情報を取得する取得部と、
前記所定のアプリケーションに対して操作機能に関する指示を行う指示部と、を備え、
楽曲のカラオケ演奏中に前記取得部が取得した操作情報に応じて、前記指示部が前記所定のアプリケーションに操作機能の無効化を指示することを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記複数の携帯端末の全台数に対する前記取得部が操作情報を取得した携帯端末の台数の割合が所定の割合以上である場合に、前記指示部が前記所定のアプリケーションに操作機能の無効化を指示することを特徴とする請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
カラオケ演奏中の楽曲の非歌唱区間においては、前記指示部が前記所定のアプリケーションに無効中の操作機能の有効化を指示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
所定の携帯端末から登録された楽曲が予約待ち行列に残っている場合に、前記指示部が当該所定の携帯端末の所定のアプリケーションに操作機能の無効化を指示することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置では楽曲の検索や予約に専用のリモコン装置が使用されている。近年では楽曲の検索や予約が可能な携帯端末向けのカラオケアプリケーションが存在し、楽曲の検索や予約に利用者が各自の携帯端末を使用することが可能になっている(例えば、特許文献1参照)。利用者が所持する携帯端末とカラオケ装置をペアリングすることで、利用者の携帯端末をリモコン装置として機能させている。利用者が各自の携帯端末を用いて楽曲の検索や予約を行うため、複数の利用者間で使い回しされる専用のリモコン装置と比較して感染症対策にも優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、歌唱者が歌唱している最中に、歌唱者以外の多くの利用者が携帯端末で次回の楽曲の検索や予約に夢中になると歌唱者が不快に感じることがある。
【0005】
本発明の目的は、歌唱者が不快に感じることなく歌唱することができるカラオケ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、携帯端末をリモコン装置として動作させる所定のアプリケーションが複数の携帯端末にインストールされ、当該複数の携帯端末に通信可能に接続されたカラオケ装置であって、各携帯端末の前記所定のアプリケーションから操作情報を取得する取得部と、前記所定のアプリケーションに対して操作機能に関する指示を行う指示部と、を備え、楽曲のカラオケ演奏中に前記取得部が取得した操作情報に応じて、前記指示部が前記所定のアプリケーションに操作機能の無効化を指示するカラオケ装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、楽曲のカラオケ演奏中に歌唱者以外の他の利用者が所定のアプリケーションを操作すると、カラオケ装置からの指示によって携帯端末の所定のアプリケーションの操作機能が無効化される。よって、歌唱者の歌唱中に他の利用者が楽曲の予約等に夢中になることがなく、歌唱者が快適に歌唱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のカラオケ装置の構成図である。
【
図2】第1実施形態のカラオケ装置の機能ブロック図である。
【
図3】第1実施形態のカラオケ装置のフロー図である。
【
図4】第2実施形態のカラオケ装置の機能ブロック図である。
【
図5】第2実施形態の予約待ち行列の一例を示す図である。
【
図6】第2実施形態のカラオケ装置のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1及び
図2を参照して、第1実施形態のカラオケ装置について説明する。
図1は、第1実施形態のカラオケ装置の構成図である。
図2は、第1実施形態のカラオケ装置の機能ブロック図である。なお、
図2の機能ブロック図には、説明の便宜上、特定処理を実現するための機能ブロックを図示しているが、カラオケ装置が通常備える構成については備えているものとする。また、携帯端末には符号M1-M4が付されているが、任意の携帯端末を特定しない場合には符号Mを用いる。同様に、カラオケアプリケーションには符号A1-A4が付されているが、任意のアプリケーションを特定しない場合には符号Aを用いる。
【0010】
図1に示すように、第1実施形態のカラオケ装置10には、モニタ11と、スピーカ12と、マイクロフォン13と、リモコン装置14と、が接続されている。モニタ11は、カラオケ装置10からの映像信号等に基づいて背景映像と共に歌詞テロップ等を表示する。マイクロフォン13は、歌唱音声を歌唱音声信号に変換してカラオケ装置10に入力する。スピーカ12は、カラオケ装置10からの演奏音信号及びマイクロフォン13からの歌唱音声信号に基づいて演奏音と共に歌唱音声を放音する。リモコン装置14は、カラオケ装置10に対する楽曲の予約操作等の利用者による各種操作を受け付けている。
【0011】
カラオケ装置10には利用者が所持する携帯端末M1-M4が通信可能に接続されている。携帯端末M1-M4には、それぞれカラオケアプリケーション(所定のアプリケーション)A1-A4がインストールされており、このカラオケアプリケーションA1-A4によって携帯端末M1-M4にリモコン装置14と同様な機能が付与されている。カラオケ装置10に携帯端末M1-M4がペアリングされることでカラオケアプリケーションA1-A4が利用可能になる。したがって、カラオケ装置10は、専用のリモコン装置14からだけでなく、携帯端末M1-M4からも楽曲の検索や予約等の各種操作が実施される。
【0012】
カラオケ装置10によってカラオケ演奏が開始されると、カラオケ演奏に合わせて歌詞テロップと背景映像がモニタ11に表示される。カラオケ装置10ではカラオケ演奏の演奏音信号とマイクロフォン13から入力された歌唱音声信号がミキサによってミキシングされて、このミキシング信号がアンプによって増幅されてスピーカ12から放音される。このように、歌唱者がカラオケ演奏に合わせて歌唱すると、スピーカ12から演奏音と共に歌唱音声が放音される。また、カラオケ装置10によって歌唱者の歌唱音声が採点されて採点結果がモニタ11に表示される。
【0013】
図2に示すように、カラオケ装置10は、携帯端末M1-M4のカラオケアプリケーションA1-A4を制御しており、歌唱者の歌唱中に歌唱者以外の他の利用者による携帯端末M1-M4を用いた操作を禁止している。カラオケ装置10には、予約部21と、演奏部22と、取得部23と、指示部24と、が設けられている。また、カラオケ装置10のメモリには、楽曲ID毎に楽曲データ等のカラオケ歌唱に関する各種データが記憶されている。楽曲データには、演奏音の元になる演奏データ、歌唱音声の採点基準となるリファレンスデータ、歌詞テロップの元になる歌詞データが含まれている。
【0014】
予約部21は、リモコン装置14又は携帯端末Mを用いた利用者の予約操作に応じて楽曲IDを予約待ち行列25に登録する。リモコン装置14の予約画面に楽曲IDが入力されると、リモコン装置14からカラオケ装置10に楽曲IDが送信される。また、携帯端末MのカラオケアプリケーションAの予約画面に楽曲IDが入力されると、このカラオケアプリケーションAからカラオケ装置10に楽曲IDが送信される。カラオケ装置10がリモコン装置14又はカラオケアプリケーションAから楽曲IDを受信すると、予約部21によって予約待ち行列25の最後尾に楽曲IDが登録される。
【0015】
演奏部22は、予約待ち行列25の先頭から順番に楽曲IDを読み出して、楽曲IDに対応する楽曲のカラオケ演奏を実施する。演奏部22は、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)音源等によって構成されている。演奏部22によってメモリから楽曲IDに対応する楽曲データが読み出され、楽曲データに含まれる演奏データが再生されて演奏音信号が出力される。演奏部22によって楽曲の演奏が開始されると、演奏部22から指示部24に演奏開始及び演奏終了を示すタイミング情報の他、前奏、間奏、後奏等を示す非歌唱区間情報が出力される。
【0016】
なお、非歌唱区間情報については、演奏データに付与された区間情報から非歌唱区間が特定されている。また、歌詞データ及びリファレンスデータから非歌唱区間が特定されてもよい。この場合、歌詞データに歌詞が付されていない区間や、リファレンスデータの基準ピッチが0に設定されている区間が非歌唱区間として特定されてもよい。
【0017】
取得部23は、携帯端末MのカラオケアプリケーションAから操作情報を取得する。利用者によって携帯端末MのカラオケアプリケーションAが操作される度に、カラオケアプリケーションAから取得部23に操作情報が通知される。取得部23によって操作情報が取得されると、取得部23から指示部24に操作情報が出力される。操作情報は、楽曲検索のための入力操作や楽曲予約のための入力操作を示す情報に限らず、カラオケアプリケーションAの表示画面上でのタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、ピンチアウト等の各種操作を示す情報でもよい。
【0018】
指示部24は、カラオケアプリケーションAに対して操作機能に関する指示を行っている。楽曲のカラオケ演奏中に取得部23によって取得された操作情報に応じて、指示部24によってカラオケアプリケーションAに操作機能の無効化が指示される。この場合、演奏部22から入力されたタイミング情報に応じて、指示部24によって楽曲のカラオケ演奏中か否かが認識される。また、携帯端末Mの全台数に対する取得部23に操作情報が取得された携帯端末Mの台数の割合が所定の割合以上である場合に、指示部24によってカラオケアプリケーションAに操作機能の無効化が指示される。
【0019】
例えば、携帯端末M4のカラオケアプリケーションA4から楽曲の楽曲予約が受け付けられて楽曲のカラオケ演奏が開始されている。このとき、歌唱者の携帯端末M4を除く携帯端末M1-M3の3台のうち、取得部23によって携帯端末M1のカラオケアプリケーションA1の操作情報が取得される。操作情報が取得された携帯端末Mの割合が33%になり、所定の割合として定めた50%未満になっている。歌唱者以外の他の利用者の3人中1人だけが操作を行っている状態であるため、指示部24から携帯端末M1のカラオケアプリケーションA1に操作機能を無効化させる指示が出されない。
【0020】
さらに、取得部23によって携帯端末M2のカラオケアプリケーションA2からも操作情報が取得されると、操作情報が取得された携帯端末Mの割合が67%になり、所定の割合として定めた50%以上になる。歌唱者以外の他の利用者の半数以上が操作を行っている状態であるため、指示部24から携帯端末M1、M2のカラオケアプリケーションA1、A2に操作機能を無効化させる指示が出される。これにより、歌唱者が不快に感じない程度に、他の利用者による楽曲の予約のための操作等が許容される。操作機能の無効化によってカラオケアプリケーションAの操作が禁止される。
【0021】
指示部24は、楽曲のカラオケ演奏の終了後に、カラオケアプリケーションAに無効中の操作機能の有効化を指示する。また、カラオケ演奏中の楽曲の非歌唱区間においては、指示部24がカラオケアプリケーションAに無効中の操作機能の有効化を指示してもよい。演奏部22から指示部24に非歌唱区間情報が入力されると、前奏区間、間奏区間、後奏区間のカラオケ演奏中であるため、指示部24から携帯端末M1、M2のカラオケアプリケーションA1、A2に操作機能を有効化させる指示が出される。これにより、楽曲のカラオケ演奏中であっても、歌唱者の非歌唱中には他の利用者による楽曲の予約のための操作等が許容される。
【0022】
カラオケ装置10の各部の処理は、プロセッサを用いてソフトウェアによって実現されてもよいし、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。プロセッサを用いる場合には、プロセッサがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで各種処理が実施される。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)が使用される。また、メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体によって構成されている。
【0023】
図3を参照して、カラオケ装置の処理動作について説明する。
図3は、第1実施形態のカラオケ装置のフロー図である。なお、ここでは、
図1及び
図2の符号を適宜使用して説明する。
【0024】
図3に示すように、各利用者の携帯端末Mとカラオケ装置10がペアリングされると(ステップS01)、各携帯端末MにインストールされているカラオケアプリケーションAが利用可能になる。いずれかの利用者によって携帯端末MのカラオケアプリケーションAから楽曲の予約操作が実施されると、予約部21によって予約待ち行列25に予約楽曲の楽曲IDが登録される(ステップS02)。次に、演奏部22によってメモリから楽曲IDに対応する楽曲データが読み出され、演奏部22によって楽曲データ内の演奏データが再生されて予約楽曲のカラオケ演奏が開始される(ステップS03)。
【0025】
取得部23によって歌唱者以外の他の利用者の携帯端末Mから操作情報が取得されると(ステップS04でYes)、携帯端末Mの全台数に対して取得部23に操作情報が取得された携帯端末Mの台数の割合が指示部24によって求められる(ステップS05)。携帯端末Mの台数の割合が所定の割合未満の場合(ステップS05でNo)、ステップS07に処理が移行する。携帯端末Mの台数の割合が所定の割合以上の場合(ステップS05でYes)、指示部24によって操作情報が取得された全ての携帯端末MのカラオケアプリケーションAに操作機能の無効化が指示される(ステップS06)。
【0026】
楽曲のカラオケ演奏が終了すると(ステップS07でYes)、指示部24によって無効中のカラオケアプリケーションAに操作機能の有効化が指示される(ステップS08)。そして、予約待ち行列25から先頭の楽曲IDが削除されて、予約待ち行列25から登録楽曲が無くなるまで、カラオケ装置10によってステップS03-S08までの各種処理が繰り返される(ステップS09)。なお、楽曲のカラオケ演奏が非歌唱区間まで進行したときには、指示部24によって非歌唱区間のカラオケ演奏中だけ無効中のカラオケアプリケーションAに操作機能の有効化が指示されてもよい。
【0027】
以上、第1実施形態によれば、楽曲のカラオケ演奏中に歌唱者以外の他の利用者がカラオケアプリケーションAを操作すると、カラオケ装置10からの指示によって他の歌唱者が所持する携帯端末MのカラオケアプリケーションAの操作機能が無効化される。よって、歌唱者の歌唱中に他の利用者が楽曲の予約等に夢中になることがなく、歌唱者が快適に歌唱することができる。
【0028】
<第2実施形態>
図4及び
図5を参照して、第2実施形態のカラオケ装置について説明する。
図4は、第2実施形態のカラオケ装置の機能ブロック図である。
図5は、第2実施形態の予約待ち行列の一例を示す図である。なお、第2実施形態のカラオケ装置は、予約待ち行列に登録楽曲が残っている場合に、この登録楽曲を予約した携帯端末のカラオケアプリケーションに操作機能の無効化を指示する点で第1実施形態のカラオケ装置と相違する。したがって、第2実施形態については、第1実施形態と同様な構成については説明を省略する。
【0029】
図4に示すように、第2実施形態のカラオケ装置30には、予約部31と、演奏部32と、取得部33と、指示部34と、が設けられている。予約部31は、携帯端末Mの端末IDに対応付けて楽曲IDを予約待ち行列35に登録する(
図5参照)。携帯端末MのカラオケアプリケーションAの予約画面に楽曲IDが入力されると、携帯端末Mからカラオケ装置30に端末IDと楽曲IDが送信される。予約部31によって端末IDに対応付けられて楽曲IDが予約待ち行列35の最後尾に登録される。なお、リモコン装置14から楽曲が予約される場合には、予約待ち行列35に楽曲IDだけが登録されてもよい。
【0030】
指示部34は、操作情報が取得された携帯端末Mの台数の割合に加えて、予約待ち行列35の楽曲の登録状況に応じて、カラオケアプリケーションAに操作機能の無効化を指示する。この場合、携帯端末Mの全台数に対する取得部33に操作情報が取得された携帯端末Mの台数の割合が所定の割合以上か否かが指示部34によって判定される。そして、操作情報が取得された携帯端末Mの台数の割合が所定の割合以上であり、携帯端末Mから登録された楽曲が予約待ち行列35に残っている場合に、指示部34によって当該携帯端末MのカラオケアプリケーションAに操作機能の無効化が指示される。
【0031】
例えば、携帯端末M4のカラオケアプリケーションA4から楽曲の楽曲予約が受け付けられて楽曲のカラオケ演奏が開始されている。このとき、歌唱者の携帯端末M4を除く携帯端末M1-M3の3台のうち、取得部33によって携帯端末M1、M2のカラオケアプリケーションA1、A2の操作情報が取得される。操作情報が取得された携帯端末Mの割合が67%になり、所定の割合として定めた50%以上になっている。続いて、指示部34によって予約待ち行列35が参照され、予約待ち行列35に携帯端末M1、M2が登録した楽曲が残っているか否かが確認される。
【0032】
図5に示すように、予約待ち行列35には2曲が登録されている。予約待ち行列35の1行目には楽曲ID「B」と携帯端末M1の端末ID「M1」が関連付けられて登録されている。予約待ち行列35の2行目には楽曲ID「C」と携帯端末M3の端末ID「M3」が関連付けられて登録されている。携帯端末M1によって登録された楽曲が予約待ち行列35に残っているにも関わらず、取得部33によって携帯端末M1のカラオケアプリケーションA1の操作情報が取得されている。このため、指示部34によって携帯端末M1のカラオケアプリケーションA1に操作機能の無効化が指示される。
【0033】
図6を参照して、カラオケ装置の処理動作について説明する。
図6は、第2実施形態のカラオケ装置のフロー図である。なお、ここでは、
図4の符号を適宜使用して説明する。
【0034】
図6に示すように、各利用者の携帯端末Mとカラオケ装置30がペアリングされると(ステップS11)、各携帯端末MにインストールされているカラオケアプリケーションAが利用可能になる。いずれかの利用者によって携帯端末MのカラオケアプリケーションAから楽曲の予約操作が実施されると、予約部31によって予約待ち行列35に予約楽曲の楽曲ID及び携帯端末Mの端末IDが登録される(ステップS12)。次に、演奏部32によってメモリから楽曲IDに対応する楽曲データが読み出され、演奏部32によって楽曲データ内の演奏データが再生されて予約楽曲のカラオケ演奏が開始される(ステップS13)。
【0035】
取得部33によって歌唱者以外の他の利用者の携帯端末Mから操作情報が取得されると(ステップS14でYes)、携帯端末Mの全台数に対して取得部33に操作情報が取得された携帯端末Mの台数の割合が指示部34によって求められる(ステップS15)。携帯端末Mの台数の割合が所定の割合未満の場合(ステップS15でNo)、ステップS18に処理が移行する。携帯端末Mの台数の割合が所定の割合以上の場合(ステップS15でYes)、指示部34によって予約待ち行列35が参照され、操作情報が取得された携帯端末Mの端末IDと予約待ち行列35に残っている端末IDが比較される(ステップS16)。
【0036】
操作情報が取得された携帯端末Mの端末IDが予約待ち行列35に残っていない場合(ステップS16でNo)、ステップS18に処理が移行する。操作情報が取得された携帯端末Mの端末IDが予約待ち行列35に残っている場合(ステップS16でYes)、指示部34によって当該携帯端末MのカラオケアプリケーションAに操作機能の無効化が指示される(ステップS17)。楽曲のカラオケ演奏が終了すると(ステップS18でYes)、指示部34によって無効中のカラオケアプリケーションAに操作機能の有効化が指示される(ステップS19)。そして、予約待ち行列35から先頭の楽曲IDが削除されて、予約待ち行列35から登録楽曲が無くなるまで、カラオケ装置30によってステップS13-S19までの各種処理が繰り返される(ステップS20)。
【0037】
以上、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、歌唱者の歌唱中に他の利用者が楽曲の予約等に夢中になることがなく、歌唱者が快適に歌唱することができる。また、歌唱者の歌唱中であっても、予約待ち行列35に楽曲が残っていない他の利用者による楽曲の予約のための操作を許容することができる。
【0038】
また、各実施形態のカラオケ装置では、操作情報が取得された携帯端末の台数の割合や、予約待ち行列の楽曲の登録状況に応じて、カラオケアプリケーションに操作機能の無効化が指示されているが、これらの構成に限定されない。楽曲のカラオケ演奏中に取得した操作情報に応じて、カラオケアプリケーションに操作機能の無効化が指示されればよい。例えば、所定時間以内に操作情報を取得した回数が所定の回数以上となった場合や、操作情報を取得した携帯端末の台数が所定の台数以上となった場合、または携帯端末から操作情報を取得した時の延べ時間が所定以上の時間となった場合には、カラオケアプリケーションに操作機能の無効化が指示されてもよい。
【0039】
また、各実施形態の端末装置は、カラオケアプリケーションがインストール可能な電子機器であればよい。例えば、端末装置はスマートフォン、パーソナルコンピュータ、携帯電話、ゲーム機器でもよい。
【0040】
また、上記した各実施形態において、カラオケ装置にプログラムをインストールすることによって、カラオケ装置にカラオケアプリケーションの操作に関する指示機能が追加されてもよい。このプログラムは記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は特に限定されないが、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0041】
また、本実施形態を説明したが、他の実施形態として、上記実施形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0042】
また、本発明の技術は上記の実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方によって実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0043】
10、30:カラオケ装置
14 :リモコン装置
23、33:取得部
24、34:指示部
25、35:予約待ち行列
A :カラオケアプリケーション
M :携帯端末