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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182492
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】グラップルバケット装置
(51)【国際特許分類】
E02F 3/40 20060101AFI20221201BHJP
A01G 23/00 20060101ALI20221201BHJP
【ＦＩ】
E02F3/40 A
A01G23/00 514A
A01G23/00 513B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2021090078
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000103655
【氏名又は名称】オカダアイヨン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】岩本 直人
(72)【発明者】
【氏名】西川 和
【テーマコード（参考）】
2D012
【Ｆターム（参考）】
2D012DA02
2D012GA02
(57)【要約】
【課題】木材等の切断作業を円滑に行うことが可能なグラップルバケット装置を提供することを課題とする。
【解決手段】作業車両のアームの先端部に取り付けられ、バケット１１と、当該バケット１１の開口１８側に向かって揺動して前記バケットとの間で物を保持するグラップル部材２０と、前記バケット１１の開口１８側に向かって揺動して物を切断する切断刃５０を有するグラップルバケット装置１において、前記切断刃５０は、基端部から中間部までの間の切れ刃６１の稜線が、直線状又は切断の際の揺動方向に対して凹状であり、中間部から先の部分は、切れ刃６１の稜線が切断の際の揺動方向に対して反対側にのびていることを特徴とするグラップルバケット装置１。
【選択図】図２
【解決手段】作業車両のアームの先端部に取り付けられ、バケット１１と、当該バケット１１の開口１８側に向かって揺動して前記バケットとの間で物を保持するグラップル部材２０と、前記バケット１１の開口１８側に向かって揺動して物を切断する切断刃５０を有するグラップルバケット装置１において、前記切断刃５０は、基端部から中間部までの間の切れ刃６１の稜線が、直線状又は切断の際の揺動方向に対して凹状であり、中間部から先の部分は、切れ刃６１の稜線が切断の際の揺動方向に対して反対側にのびていることを特徴とするグラップルバケット装置１。
【選択図】図２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両のアームの先端部に取り付けられ、バケットと、当該バケットの開口側に向かって揺動して前記バケットとの間で物を保持するグラップル部材と、前記バケットの開口側に向かって揺動して物を切断する切断刃を有するグラップルバケット装置において、
前記切断刃は、基端部から中間部までの間の切れ刃の稜線が、直線状又は切断の際の揺動方向に対して凹状であり、中間部から先の部分は、切れ刃の稜線が切断の際の揺動方向に対して反対側にのびていることを特徴とするグラップルバケット装置。
前記切断刃は、基端部から中間部までの間の切れ刃の稜線が、直線状又は切断の際の揺動方向に対して凹状であり、中間部から先の部分は、切れ刃の稜線が切断の際の揺動方向に対して反対側にのびていることを特徴とするグラップルバケット装置。
【請求項2】
バケットの側壁部に、切断刃が没入可能な受け枠が設けられていることを特徴とする請求項１に記載のグラップルバケット装置。
【請求項3】
グラップル部材は、グラップル用シリンダーによって揺動するものであり、当該グラップル用シリンダーのロッドがグラップル部材側に軸支され、シリンダーのヘッド側が固定部に軸支されており、
前記切断刃は、切断用シリンダーによって揺動されるものであり、当該切断用シリンダーのロッドが切断刃側に軸支され、シリンダーのヘッド側が同じ部材によって固定部に軸支されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のグラップルバケット装置。
前記切断刃は、切断用シリンダーによって揺動されるものであり、当該切断用シリンダーのロッドが切断刃側に軸支され、シリンダーのヘッド側が同じ部材によって固定部に軸支されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のグラップルバケット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木機械や、建設機械等の作業車両のアームの先端部に取り付けられるアタッチメントであって、地面を掘削する掘削機能と、木材等を保持するグラップル機能と、保持した木材等を切断する切断機能を備えたグラップルバケット装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建設機械等の作業車両のアームの先端部に取り付けられるアタッチメントの一つとして、グラップルバケット装置が知られている。グラップルバケット装置は、地面を掘削するバケットと、木材等を保持するグラップル装置を備えている。
また特許文献１には、切断装置１０１を備えたグラップルバケット装置１００が開示されている。
特許文献１に開示されたグラップルバケット装置１００は、図１１の様に、バケット１０２と、グラップル装置１０３を有し、さらに切断装置１０１を備えている。
グラップル装置１０３は、グラップル部材１０５を有している。グラップル部材１０５は、シリンダーによってバケット１０２の開口に対して近接・離反方向に揺動する。
また特許文献１には、切断装置１０１を備えたグラップルバケット装置１００が開示されている。
特許文献１に開示されたグラップルバケット装置１００は、図１１の様に、バケット１０２と、グラップル装置１０３を有し、さらに切断装置１０１を備えている。
グラップル装置１０３は、グラップル部材１０５を有している。グラップル部材１０５は、シリンダーによってバケット１０２の開口に対して近接・離反方向に揺動する。
【0003】
切断装置１０１は、切断刃１０６と、切断刃１０６を収容する受け枠１０７によって構成されている。
切断刃１０６も、シリンダーによって揺動し、自由端側がバケット１０２の開口から離れた姿勢から、受け枠１０７に入る方向に揺動する。
特許文献１に開示されたグラップルバケット装置１００は、グラップル部材１０５とバケット１０２の開口縁との間で木材を挟む。そして、切断刃１０６をバケット１０２の開口から離れた姿勢から受け枠１０７内に入る方向に揺動させ、木材を切断する。
切断刃１０６も、シリンダーによって揺動し、自由端側がバケット１０２の開口から離れた姿勢から、受け枠１０７に入る方向に揺動する。
特許文献１に開示されたグラップルバケット装置１００は、グラップル部材１０５とバケット１０２の開口縁との間で木材を挟む。そして、切断刃１０６をバケット１０２の開口から離れた姿勢から受け枠１０７内に入る方向に揺動させ、木材を切断する。
【0004】
特許文献１に開示されたグラップルバケット装置１００は、切断刃１０６が青龍刀の様な形状である。即ち特許文献１に開示された切断刃１０６は、 受け枠１０７側への回動方向に対して後退する方向に、円弧状に反っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第５９１１２５０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献１に開示されたグラップルバケット装置１００は、木材等を運ぶだけではなく、適当な長さに切断することができる。
しかしながら、特許文献１に開示されたグラップルバケット装置１００は、切断の際に木材等が逃げる場合があった。また特許文献１に開示されたグラップルバケット装置１００は、連続的に使用すると目詰まりを起こす場合があった。
即ち、特許文献１に開示された切断刃１０６は、切れ刃の稜線が円弧状に反っている。そのため、木材を切断するために切れ刃を木材に押し当てた際、木材に接線方向の分力が発生し、木材が逃げる方向に移動する場合がある。そのため、木材を円滑に切断することができない場合がある。
しかしながら、特許文献１に開示されたグラップルバケット装置１００は、切断の際に木材等が逃げる場合があった。また特許文献１に開示されたグラップルバケット装置１００は、連続的に使用すると目詰まりを起こす場合があった。
即ち、特許文献１に開示された切断刃１０６は、切れ刃の稜線が円弧状に反っている。そのため、木材を切断するために切れ刃を木材に押し当てた際、木材に接線方向の分力が発生し、木材が逃げる方向に移動する場合がある。そのため、木材を円滑に切断することができない場合がある。
【0007】
また、特許文献１に開示されたグラップルバケット装置１００は、木材を切断する際に、切断刃１０６がバケットの開口から離れた姿勢から、受け枠１０７内に入る方向に揺動し、切断刃１０６の多くの部分が受け枠１０７内に嵌りこむことによって切断が完了する。
ここで、木材の切断を連続的に行うと、木材の切れ端や落ち葉が受け枠１０７内に入る。そして切断刃１０６が受け枠１０７内に入るたびに切れ端や落ち葉が圧縮され、硬くなる。特に切断刃１０６の基端側に切れ端や落ち葉が溜まり、圧縮されて硬化する。
そしてついには、受け枠内に切断刃１０６の基端側が入り込む余地がなくなり、切断刃１０６の揺動範囲が狭まり、木材の切断が不能になってしまう。
また仮に切断刃１０６が切れ端等に抗して受け枠内入ることができたとしても、相当の押圧力が切れ端に抗する作用に浪費され、木材の切断に寄与する揺動力がそがれてしまう。
ここで、木材の切断を連続的に行うと、木材の切れ端や落ち葉が受け枠１０７内に入る。そして切断刃１０６が受け枠１０７内に入るたびに切れ端や落ち葉が圧縮され、硬くなる。特に切断刃１０６の基端側に切れ端や落ち葉が溜まり、圧縮されて硬化する。
そしてついには、受け枠内に切断刃１０６の基端側が入り込む余地がなくなり、切断刃１０６の揺動範囲が狭まり、木材の切断が不能になってしまう。
また仮に切断刃１０６が切れ端等に抗して受け枠内入ることができたとしても、相当の押圧力が切れ端に抗する作用に浪費され、木材の切断に寄与する揺動力がそがれてしまう。
【0008】
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、木材等の切断作業を円滑に行うことが可能なグラップルバケット装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するための態様は、作業車両のアームの先端部に取り付けられ、バケットと、当該バケットの開口側に向かって揺動して前記バケットとの間で物を保持するグラップル部材と、前記バケットの開口側に向かって揺動して物を切断する切断刃を有するグラップルバケット装置において、前記切断刃は、基端部から中間部までの間の切れ刃の稜線が、直線状又は切断の際の揺動方向に対して凹状であり、中間部から先の部分は、切れ刃の稜線が切断の際の揺動方向に対して反対側にのびていることを特徴とするグラップルバケット装置である。
【0010】
本態様のグラップルバケット装置で採用する切断刃は、切れ刃の形状に特徴がある。即ち本態様のグラップルバケット装置で採用する切断刃は、基端部から中間部までの間の切れ刃の稜線が、直線状又は切断の際の揺動方向に対して凹状であり、中間部から先の部分は、切れ刃の稜線が切断の際の揺動方向に対して反対側にのびている。そのため、直線状の領域又は凹状の領域と、揺動方向に対して反対側にのびている領域との境界部分は、切断の際における揺動方向に突出している。
そのため、木材を切断する際に、その突出部分が木材に当たる。また突出部分は比較的小さい領域であるから、木材等に対する単位面積当たりの力が強く、容易に木材等に食い込む。
そのため、切断の際に木材等が逃げにくい。
また基端側に凹状の領域がある場合は、基端側で切れ端や落ち葉等を圧縮しない。
そのため、木材を切断する際に、その突出部分が木材に当たる。また突出部分は比較的小さい領域であるから、木材等に対する単位面積当たりの力が強く、容易に木材等に食い込む。
そのため、切断の際に木材等が逃げにくい。
また基端側に凹状の領域がある場合は、基端側で切れ端や落ち葉等を圧縮しない。
【0011】
上記した態様において、バケットの側壁部に、切断刃が没入可能な受け枠が設けられていることが望ましい。
【0012】
本態様によると、木材等を円滑に切断することができる。
【0013】
上記した各態様において、グラップル部材は、グラップル用シリンダーによって揺動するものであり、当該グラップル用シリンダーのロッドがグラップル部材側に軸支され、シリンダーのヘッド側が固定部に軸支されており、前記切断刃は、切断用シリンダーによって揺動されるものであり、当該切断用シリンダーのロッドが切断刃側に軸支され、シリンダーのヘッド側が同じ部材によって固定部に軸支されていることが望ましい。
【0014】
本態様のグラップルバケット装置では、グラップル用シリンダーと、切断用シリンダーが、共通のピンによって軸支されている。そのため本態様のグラップルバケット装置は、部品点数が少ない。
【発明の効果】
【0015】
本発明のグラップルバケット装置は、切断作業を円滑に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態のグラップルバケット装置を装着した土木・建設機械（作業車両）の正面図である。
【図2】本発明の実施形態のグラップルバケット装置の斜視図である。
【図7】切断刃の輪郭線を表示した正面図である。
【図8】（ａ）乃至（ｅ）は、切断刃によって木材を切断する場合の様子を段階的に示す説明図である。
【図9】切断刃と受け枠の関係を説明する説明図であり、（ａ）は、切断刃が開いた状態を示し、（ｂ）は、切断刃が閉じて受け枠の中に収容された状態を示す。
【図10】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は、本発明の他の実施形態における切断刃の正面図である。
【図11】従来技術のグラップルバケット装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態のグラップルバケット装置１は、図１の様に、土木・建築機械（作業車両）２に取り付けられるアタッチメントである。
図１に示す土木・建築機械２は、公知のパワーショベル等の自走式作業車両の本体部分であり、走行車両３に、ブーム５が取り付けられ、さらにアーム６が設けられている。公知の通り、ブーム５及びアーム６は、シリンダー７、８によって揺動する。
本実施形態のグラップルバケット装置１は、図１の様に、土木・建築機械（作業車両）２に取り付けられるアタッチメントである。
図１に示す土木・建築機械２は、公知のパワーショベル等の自走式作業車両の本体部分であり、走行車両３に、ブーム５が取り付けられ、さらにアーム６が設けられている。公知の通り、ブーム５及びアーム６は、シリンダー７、８によって揺動する。
【0018】
グラップルバケット装置１は、図１の様にアーム６の先端に取り付けられる。
グラップルバケット装置１は、ブラケット部１０と、バケット部１１を有している。
ブラケット部１０は、バケット部１１を支持し、バケット部１１を土木・建築機械２のアーム６に接続するものである。
ブラケット部１０には回動部材３８が設けられており、バケット部１１は、回動部材３８に取り付けられている。回動部材３８は、図示しない油圧モータによって回動するものである。バケット部１１は、回動部材３８を駆動することにより、アーム６の延長方向の軸心を中心にして回転する。
グラップルバケット装置１は、ブラケット部１０と、バケット部１１を有している。
ブラケット部１０は、バケット部１１を支持し、バケット部１１を土木・建築機械２のアーム６に接続するものである。
ブラケット部１０には回動部材３８が設けられており、バケット部１１は、回動部材３８に取り付けられている。回動部材３８は、図示しない油圧モータによって回動するものである。バケット部１１は、回動部材３８を駆動することにより、アーム６の延長方向の軸心を中心にして回転する。
【0019】
回動部材３８の内部にはボールベアリングがある。
公知の様に、ボールベアリングには、グリスが内蔵されており、通常はグリスニップルが設けられており、グリスガンを使用して給脂される。本実施形態では、これに加えて、ボールベアリングに自動給脂装置４１が取り付けられている。自動給脂装置４１は、ガス圧その他によってグリスを強制的に押し出して給脂するものである。
本実施形態では、自動給脂装置４１が装着されているので、使用者が仮に給脂を失念していても、ベアリングの耐久性が確保される。
公知の様に、ボールベアリングには、グリスが内蔵されており、通常はグリスニップルが設けられており、グリスガンを使用して給脂される。本実施形態では、これに加えて、ボールベアリングに自動給脂装置４１が取り付けられている。自動給脂装置４１は、ガス圧その他によってグリスを強制的に押し出して給脂するものである。
本実施形態では、自動給脂装置４１が装着されているので、使用者が仮に給脂を失念していても、ベアリングの耐久性が確保される。
【0020】
バケット部１１は、地面を掘る機能を有するものであり、土等をすくうことができるものである。
本実施形態で採用するバケット部１１は、固定側部材１２と、バケット本体１７を有している。またバケット部１１には、グラップル部材２０及び切断刃５０がある。
バケット本体１７は、対向する側壁１５、１６を有し、当該対向する側壁１５、１６の間に略「Ｌ」字状の底壁３３が設けられたものである。バケット本体１７は、対向する側壁１５、１６と、両者を繋ぐ底壁３３によって土等を貯める空間１３が構成されている。
バケット本体１７の一面は開放されている。バケット本体１７の一面が、バケット部１１の開口部１８となっている。
バケット本体１７は、軸４０を介して固定側部材１２に揺動可能に支持されている。
またバケット本体１７は、土木・建築機械２のアーム６に設けられたシリンダー４２が接続されており、バケット本体１７は、当該シリンダー４２によって揺動する。即ちバケット本体１７は、アーム６に対してうなずく様に揺動する。
本実施形態で採用するバケット部１１は、固定側部材１２と、バケット本体１７を有している。またバケット部１１には、グラップル部材２０及び切断刃５０がある。
バケット本体１７は、対向する側壁１５、１６を有し、当該対向する側壁１５、１６の間に略「Ｌ」字状の底壁３３が設けられたものである。バケット本体１７は、対向する側壁１５、１６と、両者を繋ぐ底壁３３によって土等を貯める空間１３が構成されている。
バケット本体１７の一面は開放されている。バケット本体１７の一面が、バケット部１１の開口部１８となっている。
バケット本体１７は、軸４０を介して固定側部材１２に揺動可能に支持されている。
またバケット本体１７は、土木・建築機械２のアーム６に設けられたシリンダー４２が接続されており、バケット本体１７は、当該シリンダー４２によって揺動する。即ちバケット本体１７は、アーム６に対してうなずく様に揺動する。
【0021】
本実施形態では、バケット部１１の一方の側壁１６の外側に、受け枠３７が設けられている。受け枠３７は、バケット部１１の一方の側壁１６と、当該側壁１６外側へ所定の間隔をあけて設けた枠壁２１によって構成されている。受け枠３７は、切断刃５０が収容される部位であり、図５、６に示す様に底壁３５がある。
【0022】
グラップル部材２０は、図２の様に対向するアーム片２２を有し、当該アーム片２２の先端同士が接続片２３で接続されたものである。アーム片２２の間隔は、バケット部１１の開口幅よりも狭い。
グラップル部材２０は、基端側がバケット部１１の固定側部材１２に軸４３を介して軸支されている。
グラップル部材２０は、グラップル用シリンダー２６によって揺動する。
グラップル用シリンダー２６は、図４の様に、ヘッド側がピン３０を介してバケット本体１７の、固定側部材１２に取り付けられている。そしてグラップル用シリンダー２６のロッド２７がグラップル部材２０側にピン６３を介して軸支されている。
グラップル部材２０は、グラップル用シリンダー２６を伸縮することによって、軸４３を中心として揺動する。グラップル部材２０は、グラップル用シリンダー２６を伸長することにより、バケット部１１の開口部１８側に向かって揺動し、バケット本体１７の開口縁４５との間に木材等の物を挟んで保持することができる。
グラップル部材２０は、基端側がバケット部１１の固定側部材１２に軸４３を介して軸支されている。
グラップル部材２０は、グラップル用シリンダー２６によって揺動する。
グラップル用シリンダー２６は、図４の様に、ヘッド側がピン３０を介してバケット本体１７の、固定側部材１２に取り付けられている。そしてグラップル用シリンダー２６のロッド２７がグラップル部材２０側にピン６３を介して軸支されている。
グラップル部材２０は、グラップル用シリンダー２６を伸縮することによって、軸４３を中心として揺動する。グラップル部材２０は、グラップル用シリンダー２６を伸長することにより、バケット部１１の開口部１８側に向かって揺動し、バケット本体１７の開口縁４５との間に木材等の物を挟んで保持することができる。
【0023】
切断刃５０は、図５に示す様に、基端側がバケット部１１の固定側部材１２にピン４６介して軸支されている。ピン４６は、受け枠３７の近傍にある。
切断刃５０は、切断刃用シリンダー５１によって揺動する。
切断刃用シリンダー５１は、ヘッド側がピン３０を介してバケット本体１７の、固定側部材１２に取り付けられている。即ちグラップル用シリンダー２６のヘッド側を軸支するピン３０と同じピン３０によって切断刃用シリンダー５１が取り付けられている。
そして切断刃用シリンダー５１のロッド５２が切断刃５０側にピン４７を介して軸支されている。
切断刃５０は、切断刃用シリンダー５１を伸縮することによって、ピン４６を中心として揺動する。切断刃５０は、切断刃用シリンダー５１を伸長することにより、バケット部１１の開口部１８側に向かって揺動する。
切断刃５０は、切断刃用シリンダー５１によって揺動する。
切断刃用シリンダー５１は、ヘッド側がピン３０を介してバケット本体１７の、固定側部材１２に取り付けられている。即ちグラップル用シリンダー２６のヘッド側を軸支するピン３０と同じピン３０によって切断刃用シリンダー５１が取り付けられている。
そして切断刃用シリンダー５１のロッド５２が切断刃５０側にピン４７を介して軸支されている。
切断刃５０は、切断刃用シリンダー５１を伸縮することによって、ピン４６を中心として揺動する。切断刃５０は、切断刃用シリンダー５１を伸長することにより、バケット部１１の開口部１８側に向かって揺動する。
【0024】
本実施形態では、バケット本体１７の側面に、受け枠３７がある。切断刃５０の揺動中心は、受け枠３７の近傍にあるから、切断刃用シリンダー５１を伸ばしきると、図６の様に、切断刃５０が受け枠３７の中に収容される。
本実施形態では、受け枠３７と切断刃５０の間で木材等を挟み、木材等をせん断することができる。
実際には、グラップル部材２０とバケット部１１の開口縁４５との間で木材等の被切断物を挟んで保持し、この状態で切断刃５０をバケット部１１の開口縁４５側に揺動させて切断刃５０を木材等に押し当て、木材等を切断することとなる。
本実施形態では、受け枠３７と切断刃５０の間で木材等を挟み、木材等をせん断することができる。
実際には、グラップル部材２０とバケット部１１の開口縁４５との間で木材等の被切断物を挟んで保持し、この状態で切断刃５０をバケット部１１の開口縁４５側に揺動させて切断刃５０を木材等に押し当て、木材等を切断することとなる。
【0025】
本実施形態のグラップルバケット装置１では、特徴的な刃型の切断刃５０を採用している。
本実施形態の切断刃５０は、図７の様に、円形の揺動中心部５３と刃体部５５によって構成される。切断刃５０は、揺動中心部５３が前記したピン４６介してバケット部１１の固定側部材１２に軸支され、揺動中心部５３を中心として揺動するものである。
本実施形態の切断刃５０は、図７の様に、円形の揺動中心部５３と刃体部５５によって構成される。切断刃５０は、揺動中心部５３が前記したピン４６介してバケット部１１の固定側部材１２に軸支され、揺動中心部５３を中心として揺動するものである。
【0026】
刃体部５５は、切れ刃６１が曲線を描く領域と、直線を描く領域がある。即ち刃体部５５は、基端部から中間部までの間は、切れ刃６１の稜線６２が曲線であり、切断の際の揺動方向（図７の矢印）に対して凹状となっている。これに対して、中間部から先の部分は、切れ刃６１の稜線６２が切断の際の揺動方向（図７の矢印）に対して反対側に直線的にのびている。
したがって、刃体部５５は、中間部が、切断の際の揺動方向に向かって最も突出している。
本実施形態では、刃体部５５の刃渡りをＷとして、Ｗの基端部から５分の１から３分の２の位置、好ましくは、Ｗの基端部から３分の１から２分の１の位置に変曲点６０がある。即ち、刃体部５５の切れ刃は、刃の根本から先に凹状部領域５６があり、その先に突端部５７があり、さらにその先が、後方に後退する後方傾斜部５８となっている。
本実施形態では、突端部５７は、三角形に近く、とがっている。
したがって、刃体部５５は、中間部が、切断の際の揺動方向に向かって最も突出している。
本実施形態では、刃体部５５の刃渡りをＷとして、Ｗの基端部から５分の１から３分の２の位置、好ましくは、Ｗの基端部から３分の１から２分の１の位置に変曲点６０がある。即ち、刃体部５５の切れ刃は、刃の根本から先に凹状部領域５６があり、その先に突端部５７があり、さらにその先が、後方に後退する後方傾斜部５８となっている。
本実施形態では、突端部５７は、三角形に近く、とがっている。
【0027】
次に、本実施形態のグラップルバケット装置１を使用して木材を切断する際の様子について図８を参照しつつ説明する。
切断の準備段階として、グラップル部材２０とバケット部１１の開口縁４５との間で木材等の被切断物を挟んで保持する。このとき、図８（ａ）、図９（ａ）の様に、刃体部５５は、バケット部１１の開口縁４５から離れた状態で待機している。
そして、切断刃５０をバケット部１１の開口縁４５に向かって揺動させ、図８（ｂ）の様に、木材に刃体部５５の切れ刃６１を押し当てる。ここで切断刃５０は、中間部に突端部５７があり、当該突端部５７が、切断刃５０の揺動方向に対して最も先頭の位置にある。そのため、刃体部５５が揺動する際に、突端部５７が最初に木材と接触する。
切断の準備段階として、グラップル部材２０とバケット部１１の開口縁４５との間で木材等の被切断物を挟んで保持する。このとき、図８（ａ）、図９（ａ）の様に、刃体部５５は、バケット部１１の開口縁４５から離れた状態で待機している。
そして、切断刃５０をバケット部１１の開口縁４５に向かって揺動させ、図８（ｂ）の様に、木材に刃体部５５の切れ刃６１を押し当てる。ここで切断刃５０は、中間部に突端部５７があり、当該突端部５７が、切断刃５０の揺動方向に対して最も先頭の位置にある。そのため、刃体部５５が揺動する際に、突端部５７が最初に木材と接触する。
【0028】
ここで、突端部５７はとがっており、押し当てられた際における単位面積当たりの力が強いので、容易に木材に突き刺さる。そのため木材が逃げにくい。また突端部５７よりも基端側の領域は、凹状であるから、仮に木材が逃げようとしてころがる場合、基端側に向かって転がるように誘導される。
そのため、木材は刃体部５５に捕捉され、揺動が進むにしたがって、切込みが進む。そしてついには切断される。
そのため、木材は刃体部５５に捕捉され、揺動が進むにしたがって、切込みが進む。そしてついには切断される。
【0029】
切断刃５０の揺動が進むと、図８（ｄ）、図９（ｂ）の様に、切断刃５０は最終的に受け枠３７内に収容される。
受け枠３７の中には木材の切れ端や落ち葉がたまっていることがあり、これらは切断刃５０の揺動中心たるピン４６の周辺に集まる。
ここで切断刃５０は、基端部が凹状であるから、受け枠３７の底壁３５と切断刃５０の基端部の刃先の間には隙間がある。本実施形態では切断刃５０の凹状部領域５６が、逃げ領域となり、切れ端や落ち葉があっても切断刃５０は無理なく受け枠３７内に入る。
そのため、切断刃５０の揺動力が切れ端等の圧縮に消費される力が少なく、揺動力の大半が木材の切断に寄与する。
受け枠３７の中には木材の切れ端や落ち葉がたまっていることがあり、これらは切断刃５０の揺動中心たるピン４６の周辺に集まる。
ここで切断刃５０は、基端部が凹状であるから、受け枠３７の底壁３５と切断刃５０の基端部の刃先の間には隙間がある。本実施形態では切断刃５０の凹状部領域５６が、逃げ領域となり、切れ端や落ち葉があっても切断刃５０は無理なく受け枠３７内に入る。
そのため、切断刃５０の揺動力が切れ端等の圧縮に消費される力が少なく、揺動力の大半が木材の切断に寄与する。
【0030】
以上説明した実施形態では、凹状部領域５６と後方傾斜部５８との境界部分がとがっているが、図１０（ａ）に示す切断刃７０の様に、短い範囲の直線部があってもよい。
また図１０（ｂ）に示す切断刃７１の様に、後方傾斜部５８は、湾曲していてもよい。
また図１０（ｂ）に示す切断刃７１の様に、後方傾斜部５８は、湾曲していてもよい。
【0031】
以上説明した実施形態では、基端部から中間部までの間の稜線６２が曲線であるが、図１０（ｃ）の様に、当該部分が直線状であってもよい。
図１０（ｃ）に示す切断刃７２は、刃の根本から先に直線領域７３があり、その先に突端部５７があり、さらにその先が、後方に後退する後方傾斜部５８となっている。
切断刃７２は、切断の際に揺動するので、中間部が、切断の際の揺動方向に向かって最も突出することとなる。
本実施形態においても、突端部５７は、三角形に近く、とがっている。
図１０（ｃ）に示す切断刃７２は、刃の根本から先に直線領域７３があり、その先に突端部５７があり、さらにその先が、後方に後退する後方傾斜部５８となっている。
切断刃７２は、切断の際に揺動するので、中間部が、切断の際の揺動方向に向かって最も突出することとなる。
本実施形態においても、突端部５７は、三角形に近く、とがっている。
【0032】
本実施形態においても、切断刃７２をバケット部１１の開口縁４５に向かって揺動させ、木材に刃体部５５の切れ刃６１を押し当てる。本実施形態においても、切断刃７２は、中間部に突端部５７があり、当該突端部５７が、切断刃７２の揺動方向に対して最も先頭の位置にある。
突端部５７はとがっており、押し当てられた際における単位面積当たりの力が強いので、容易に木材に突き刺さる。そのため木材が逃げにくい。
そのため、木材は刃体部５５に捕捉され、揺動が進むにしたがって、切込みが進む。そしてついには切断される。
突端部５７はとがっており、押し当てられた際における単位面積当たりの力が強いので、容易に木材に突き刺さる。そのため木材が逃げにくい。
そのため、木材は刃体部５５に捕捉され、揺動が進むにしたがって、切込みが進む。そしてついには切断される。
【符号の説明】
【0033】
１ グラップルバケット装置
１１ バケット部
１２ 固定側部材
１７ バケット本体
１８ 開口部
２０ グラップル部材
２６ グラップル用シリンダー
３０ ピン
３７ 受け枠
５０、７０、７１、７２ 切断刃
５１ 切断刃用シリンダー
５３ 揺動中心部
５５ 刃体部
５６ 凹状部領域
５７ 突端部
５８ 後方傾斜部
６１ 切れ刃
６２ 稜線
７３ 直線領域
１１ バケット部
１２ 固定側部材
１７ バケット本体
１８ 開口部
２０ グラップル部材
２６ グラップル用シリンダー
３０ ピン
３７ 受け枠
５０、７０、７１、７２ 切断刃
５１ 切断刃用シリンダー
５３ 揺動中心部
５５ 刃体部
５６ 凹状部領域
５７ 突端部
５８ 後方傾斜部
６１ 切れ刃
６２ 稜線
７３ 直線領域
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】