(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182493
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】撮像装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090081
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】栗原 槙一郎
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA05
4M118AB01
4M118BA07
4M118CA14
4M118CB01
4M118CB14
4M118CB20
4M118EA14
4M118FB23
4M118GB03
4M118GB07
(57)【要約】
【課題】混色を抑制することのできる撮像装置およびこの撮像装置を用いた電子機器を提供する。
【解決手段】本開示の撮像装置は、半導体基板上に配置された光電変換層と、前記光電変換層上に配置された透明電極層と、前記光電変換層を、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に配列される複数の画素に分離し分離された画素の境界に沿って配置された第1遮光部と、 前記透明電極層の内部における前記分離された画素の境界に沿って配置され、かつ隣接する画素の境界の一部分が途切れるように配置された第2遮光部と、を備えている。
【選択図】
図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に配置された光電変換層と、
前記光電変換層上に配置された透明電極層と、
前記光電変換層を、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に配列される複数の画素に分離し分離された画素の境界に沿って配置された第1遮光部と、
前記透明電極層の内部における前記分離された画素の境界に沿って配置され、かつ隣接する画素の境界の一部分が途切れるように配置された第2遮光部と、
を備える、撮像装置。
【請求項2】
前記第2遮光部は、前記透明電極層における前記第1方向に沿って配列された画素の境界の一部分が途切れるよう配置され、かつ前記第2方向に沿って配列された画素同士を分断するように配置された請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第2遮光部は、前記透明電極層における前記第1方向に沿って配列された画素の境界の一部分が途切れるように配置され、かつ前記第2方向に沿って配列された画素の境界の一部分が途切れるように配置された請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記透明電極層上に配置された保護層を更に備え、
前記第2遮光部は、前記保護層の上面から前記保護層および前記透明電極層を貫通するように配置された請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記保護層上に設けられ前記第2遮光部に接続される第3遮光部を更に備え、前記第3遮光部は、画素の境界に沿って格子状に配置された請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1遮光部と前記第2遮光部は積層方向に分離された請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
前記透明電極層上に配置された保護層を更に備え、
前記第2遮光部は、前記保護層の上面から前記保護層を貫通し、かつ前記透明電極層を貫通しないように前記透明電極層の内部に配置された請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
前記保護層上に設けられ前記第2遮光部に接続される第3遮光部を更に備え、前記第3遮光部は、画素の境界に沿って格子状に配置された請求項7記載の撮像装置。
【請求項9】
前記半導体基板と前記光電変換層との間に設けられた配線積層構造体を更に備え、
前記第1遮光部は、前記配線積層構造体に電気的に接続される請求項7記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第1遮光部は、前記光電変換層の上面から下面まで貫通した電極を含み、前記電極は前記配線積層構造体に電気的に接続される請求項9記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第1遮光部は、前記画素の側部を取り囲むように配置された請求項6記載の撮像装置。
【請求項12】
前記第2遮光部は、前記透明電極層を貫通するように配置され、かつ前記第2遮光部の側部および端部は絶縁膜によって覆われている請求項6記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第1遮光部と前記第2遮光部は積層方向において接続された請求項1記載の撮像装置。
【請求項14】
前記透明電極層上に配置された保護層を更に備え、
前記第2遮光部は、前記保護層の上面から前記保護層および前記透明電極層を貫通しかつ側部が絶縁膜に覆われ、前記第1遮光部は、前記光電変換層を貫通するように配置され、かつ前記第2遮光部の側部および端部は絶縁膜によって覆われている請求項13記載の撮像装置。
【請求項15】
前記第1遮光部における前記端部の断面積は、他の部分の断面積より小さい請求項14記載の撮像装置。
【請求項16】
前記第1遮光部における前記端部の断面積は、他の部分の断面積より大きい請求項14記載の撮像装置。
【請求項17】
前記透明電極層上に配置された保護層と、
前記保護層上に設けられ前記第2遮光部に接続された第3遮光部と、を更に備える、請求項13記載の撮像装置。
【請求項18】
前記第1遮光部と前記第2遮光部は平面視したときに、少なくとも一部が重なるように配置された請求項1記載の撮像装置。
【請求項19】
前記透明電極層に接地電位を供給する第1配線と、前記第2遮光部に負のバイアス電位を供給する第2配線を更に備えた請求項1記載の撮像装置。
【請求項20】
撮像装置と、
前記撮像装置で撮像された画素信号に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を備え、
前記撮像装置は、
半導体基板上に配置された光電変換層と、
前記光電変換層上に配置された透明電極層と、
前記光電変換層を、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に配列される複数の画素に分離し分離された画素の境界に沿って配置された第1遮光部と、
前記透明電極層の内部における前記分離された画素の境界に沿って配置され、かつ隣接する画素の境界の一部分が途切れるように配置された第2遮光部と、
を備えた、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、撮像装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
透明電極および光電変換層を有する撮像装置が知られている。この撮像装置は、光電変換層が有機光電変換材料を含む場合は有機センサとなり、光電変換層が化合物半導体(例えばInGaAs)を含む場合はInGaAsセンサとなる(特許文献1、特許文献2)。これらの撮像装置は、透明電極の導電性を確保するために、画素を区画するためのトレンチを透明電極の下部に形成し、このトレンチを遮光部材で埋め込んでいる。仮に、透明電極の上部迄トレンチを形成し、このトレンチを遮光部材で埋め込むような遮光部を形成すると、透明電極も画素に対応して区分けされるため、各画素に接続するための配線が必要となる。これらの配線を配置することは、レイアウトを実現する上で現実的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-112376号公報
【特許文献2】特開2017-038011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、特許文献1または2に記載された撮像装置においては、透明電極内の画素の境界領域に遮光部が設けられていないため、透明電極を透過した斜め光により混色が生じるという課題がある。
【0005】
本開示は、混色を抑制することのできる撮像装置およびこの撮像装置を用いた電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様による撮像装置は、半導体基板上に配置された光電変換層と、前記光電変換層上に配置された透明電極層と、前記光電変換層を、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に配列される複数の画素に分離し分離された画素の境界に沿って配置された第1遮光部と、 前記透明電極層の内部における前記分離された画素の境界に沿って配置され、かつ隣接する画素の境界の一部分が途切れるように配置された第2遮光部と、を備えてもよい。
【0007】
第1態様による撮像装置において、前記第2遮光部は、前記透明電極層における前記第1方向に沿って配列された画素の境界の一部分が途切れるよう配置され、かつ前記第2方向に沿って配列された画素同士を分断するように配置されてもよい。
【0008】
第1態様による撮像装置において、前記第2遮光部は、前記透明電極層における前記第1方向に沿って配列された画素の境界の一部分が途切れるように配置され、かつ前記第2方向に沿って配列された画素の境界の一部分が途切れるように配置されてもよい。
【0009】
第1態様による撮像装置において、前記透明電極層上に配置された保護層を更に備え、前記第2遮光部は、前記保護層の上面から前記保護層および前記透明電極層を貫通するように配置されてもよい。
【0010】
第1態様による撮像装置において、前記保護層上に設けられ前記第2遮光部に接続される第3遮光部を更に備え、前記第3遮光部は、画素の境界に沿って格子状に配置されてもよい。
【0011】
第1態様による撮像装置において、前記第1遮光部と前記第2遮光部は積層方向に分離されてもよい。
【0012】
第1態様による撮像装置において、前記透明電極層上に配置された保護層を更に備え、前記第2遮光部は、前記保護層の上面から前記保護層を貫通し、かつ前記透明電極層を貫通しないように前記透明電極層の内部に配置されてもよい。
【0013】
第1態様による撮像装置において、前記保護層上に設けられ前記第2遮光部に接続される第3遮光部を更に備え、前記第3遮光部は、画素の境界に沿って格子状に配置されてもよい。
【0014】
第1態様による撮像装置において、前記半導体基板と前記光電変換層との間に設けられた配線積層構造体を更に備え、前記第1遮光部は、前記配線積層構造体に電気的に接続されてもよい。
【0015】
第1態様による撮像装置において、前記第1遮光部は、前記光電変換層の上面から下面まで貫通した電極を含み、前記電極は前記配線積層構造体に電気的に接続されてもよい。
【0016】
第1態様による撮像装置において、前記第1遮光部は、前記画素の側部を取り囲むように配置されてもよい。
【0017】
第1態様による撮像装置において、前記第2遮光部は前記透明電極層を貫通するように配置され、かつ第2遮光部の前記側部および端部は絶縁膜によって覆われていてもよい。
【0018】
第1態様による撮像装置において、前記第1遮光部と前記第2遮光部は積層方向において接続されてもよい。
【0019】
第1態様による撮像装置において、前記透明電極層上に配置された保護層を更に備え、前記第2遮光部は、前記保護層の上面から前記保護層および前記透明電極層を貫通しかつ側部が絶縁膜に覆われ、前記第1遮光部は、前記光電変換層を貫通するように配置され、かつ前記第2遮光部の側部および端部は絶縁膜によって覆われていてもよい。
【0020】
第1態様による撮像装置において、前記第1遮光部における前記端部の断面積は他の部分の断面積より小さくてもよい。
【0021】
第1態様による撮像装置において、前記第1遮光部における前記端部の断面積は他の部分の断面積より大きくてもよい。
【0022】
第1態様による撮像装置において、前記透明電極上に配置された保護層と、前記保護層上に設けられ前記第2遮光部に接続された第3遮光部と、を更に備えてもよい。
【0023】
第1態様による撮像装置において、前記第1遮光部と前記第2遮光部は平面視したときに、少なくとも一部が重なるように配置されてもよい。
【0024】
第1態様による撮像装置において、前記透明電極層に接地電位を供給する第1配線と、前記第2遮光部に負のバイアス電位を供給する第2配線を更に備えてもよい。
【0025】
第2態様による電子機器は、撮像装置と、前記撮像装置で撮像された画素信号に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を備え、前記撮像装置は、半導体基板上に配置された光電変換層と、前記光電変換層上に配置された透明電極層と、前記光電変換層を、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に配列される複数の画素に分離し分離された画素の境界に沿って配置された第1遮光部と、前記透明電極層の内部における前記分離された画素の境界に沿って配置され、かつ隣接する画素の境界の一部分が途切れるように配置された第2遮光部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2A】
図1に示す切断面A-Aで切断した断面図。
【
図2B】
図1に示す切断面B-Bで切断した断面図。
【
図2C】
図1に示す切断面C-Cで切断した断面図。
【
図2D】
図1に示す切断面D-Dで切断した断面図。
【
図3】
図3A乃至3Fは第1実施形態の撮像装置の製造工程を示す断面図。
【
図5】第1実施形態の第1変形例による撮像装置を示す断面図。
【
図6A】
図5に示す切断面A-Aで切断した断面図。
【
図6B】
図5に示す切断面B-Bで切断した断面図。
【
図6C】
図5に示す切断面C-Cで切断した断面図。
【
図7】第1実施形態の第2変形例による撮像装置を示す断面図。
【
図8A】
図7に示す切断面A-Aで切断した断面図。
【
図8B】
図7に示す切断面B-Bで切断した断面図。
【
図8C】
図7に示す切断面C-Cで切断した断面図。
【
図11】
図11A乃至11Iは第2実施形態の撮像装置の製造工程を示す断面図。
【
図12】第3実施形態による撮像装置を示す断面図。
【
図14】第3実施形態による撮像装置の透明電極層を示す断面図。
【
図15】第4実施形態による撮像装置の透明電極層を示す断面図。
【
図16】第5実施形態による撮像装置の透明電極層を示す断面図。
【
図17】第6実施形態による撮像装置の透明電極層を示す断面図。
【
図18】第7実施形態による撮像装置の透明電極層を示す断面図。
【
図19】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図。
【
図20】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、撮像装置および電子機器の構成部分を主に説明するが、撮像装置および電子機器には、図示又は説明されていない構成部分や機能が存在しうる。以下の説明は、図示又は説明されていない構成部分や機能を除外するものではない。
【0028】
また、以下の説明で参照される図面は、本開示の実施形態の説明と、その理解を促すための図面であり、分かり易くするために、図中に示される形状、寸法、比などは実際と異なる場合がある。
【0029】
(第1実施形態)
第1実施形態による撮像装置の断面図を
図1に示す。この第1実施形態の撮像装置は、半導体基板10と、この半導体基板10上に配置された配線積層構造体20と、配線積層構造体20上に配置されたバッファ層30と、このバッファ層30上に配置された光電変換層40と、この光電変換層40上に配置されたバッファ層50と、このバッファ層50上に配置された透明電極層60と、この透明電極層60上に配置された保護層70と、を備えている。
【0030】
半導体基板10は、半導体(例えばシリコン)を含む。配線積層構造体20は、絶縁膜22に配線層24が積層された構造を有している。光電変換層40は、保護層70、透明電極層60、バッファ層50を介して入射された光を電気信号に変換する。この光電変換層40が化合物半導体(例えば、InGaAs)を含む場合は、本実施形態の撮像装置はInGaAsセンサとなり、光電変換層40が有機光電変換層である場合は、本実施形態の撮像装置は,有機センサとなる。光電変換層40が化合物半導体を含む場合は、光電変換層40と配線積層構造体20との間に配置されるバッファ層30は化合物半導体を生成する種基板となる。透明電極層60は、光を透過する材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)を含む電極である。保護層70は光透過性を有する無機材料、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンなどにより形成される。
【0031】
本実施形態の撮像装置は、保護層70、透明電極層60,バッファ層50、および光電変換層40を積層方向に貫通し、バッファ層30に達する遮光部材80と、この遮光部材80の側面および底面を覆う絶縁膜82とを更に備えている。遮光部材80は、画素領域区画部を構成するとともに画素間遮光部の一部を形成する。
【0032】
本実施形態の撮像装置を、
図1に示す切断面A-Aで切断した断面を
図2Aに示し、切断面B-Bで切断した断面を
図2Bに示し、切断面C-Cで切断した断面を
図2Cに示し、切断面D-Dで切断した断面を
図2Dに示す。
図2Aに示すように、保護層70上には遮光部材90が画素領域300を囲むように四角形状の格子構造を形成している。後述するように四角形で囲まれた領域が画素領域に対応する。格子構造を有する遮光部材90は画素間遮光部の一部を形成する。
【0033】
図2Bに示すように、保護層70において、遮光部材80は、画素領域300を囲むように互いに接続しない辺を有する略四角形状に配置されている。略四角形状に配置された遮光部材80は、直上の四角形状の遮光部材90に対応し、遮光部材80の辺はそれぞれ、遮光部材90の対応する辺に接続する。
図2Cに示すように、透明電極層60において、遮光部材80は、画素領域300を囲むように、互いに接続しない辺を有する略四角形状に配置されている。また、
図2Dに示すように、光電変換層40において、遮光部材80は、画素領域300を囲むように、互いに接続しない辺を有する略四角形状に配置されている。すなわち、遮光部材80は、保護層70、透明電極層60,バッファ層50、および光電変換層40の各層において、画素領域300を囲むように、互いに接続しない辺を有する略四角形状に配置されている。
【0034】
光電変換層40の略四角形で囲まれた画素領域300は、
図2Dにおいて、横方向および縦方向にアレイ状に配置される。すなわち、本実施形態の撮像装置においては、複数の画素を備えており、遮光部材80は、画素間遮光部の一部を形成する。保護層70、透明電極層60,バッファ層50、および光電変換層40の各層において、遮光部材80は、略四角形で囲まれた画素領域300に区画する。すなわち、遮光部材80は画素領域を区画する画素領域区画部となる。また、遮光部材80および遮光部材90は、区画された画素の画素間遮光部となる。
【0035】
このように、本実施形態の撮像装置においては、各画素領域300が画素間遮光部を構成する遮光部材80によって区画される。そして、光電変換層40.バッファ層50、透明電極層60、および保護層70においては、画素領域300は、各辺が接続されない略四角形状の遮光部材80によって区画され、保護層70上では略四角形状の格子構造を有する遮光部材90に区画される。したがって、ある画素領域300に入射した光は、上記当該画素領域300に隣接する画素領域への侵入が、画素間遮光部を構成する遮光部材90、80によって抑制される。遮光部材80は、透明電極層60の上面からみたときに、各辺が接続されない略四角形状を有しているので、各辺が接続されていない部分から当該画素領域に、隣接画素領域へ入射する光が入り込む可能性がある。しかし、斜め方向から入射する光は、当該画素領域に直交する方向から入射する光に比べて半分以下であるため、当該画素領域の光の受光特性に大きな劣化が生じることを抑制することができる。したがって、混色を抑制することができる。また、透明電極層60は、画素間遮光部を構成する遮光部材80によって分断されず、連続した構造を有する。このため、各画素に対して透明電極層を電気的に接続するための配線が不要となり、レイアウトを容易に行うことができる。
【0036】
(製造方法)
次に、第1実施形態の撮像装置の製造方法について、
図3A乃至3Fを参照して説明する。まず、
図3Aに示すように、例えばシリコンを含む半導体基板10上に、配線積層構造体20、バッファ層30、光電変換層40、バッファ層50、透明電極層60、および保護層70を順次積層する。その後、保護層70上にマスク100を形成し、このマスクにリソグラフィー技術を用いてパターニングを行う。
【0037】
次に、
図3Bに示すように、パターニングされたマスク100を用いて、保護層70、透明電極層60、バッファ層50、光電変換層40をエッチングし、保護層70からバッファ層30の表面に達する開口102を形成する。その後、マスク100を除去する。
【0038】
次に、
図3Cに示すように、開口102の側面および底面に絶縁膜82を形成する。続いて、
図3Dに示すように、開口102を例えばタングステンを含む金属で埋め込み、遮光部材80を形成するとともに、保護層70上に金属膜110を形成する。その後、
図3Eに示すように、金属膜110上に
図2Aに示すような遮光部材90を形成するためのマスク120を形成する。このマスク120を用いて金属膜110をパターニングすることにより、
図3Fに示すように、保護層70上に遮光部材90を形成する。これにより、第1実施形態の撮像装置が完成する。
【0039】
第1実施形態の撮像装置においては、画素間遮光部(遮光部材)80.90に印加する電圧と、透明電極層60に印加する電圧を異なるようにすることができる。例えば、透明電極層60は、電圧降下を抑制するために、GND(接地電位)が印加することが好ましく、画素間遮光部(遮光部材)80,90は、光電変換層のピニング形成のために負バイアスを印加することが好ましい。このように、第1実施形態において、画素間遮光部(遮光部材)80.90と、透明電極層60とに対して異なる電圧を印加することができること、
図4A乃至
図4Cを参照して説明する。
【0040】
第1実施形態の撮像装置の平面図を
図4Aに示す。この撮像装置は、画素がアレイ状に配置された長方形状の画素アレイ200を備えている。この画素アレイ200の4辺のそれぞれに対応して複数の端子210が配置され、これらの端子210から撮像装置の透明電極層60に接地電位が供給される。また、画素アレイ200の4つの角部にはそれぞれ、負のバイアス電圧を供給するための端子220が配置され、これらの端子220から撮像装置の遮光部材90に負のバイアス電圧が供給される。
【0041】
図4Aに示す部分Bの断面図を
図4Bに示し、
図4Aに示す部分Cの断面図を
図4Cに示す。
図4Bからわかるように、端子220は、画素アレイ200の外側の絶縁膜250内に設けられ、外部から負のバイアス電位が供給される。この端子220は、絶縁膜250に設けられた開口252の側面に配置されかつ絶縁膜250の上面および保護層70の上面に配置された配線230に接続される。この配線230は保護層70上に配置された遮光部材90に接続される。すなわち、負のバイアス電位は端子220および配線230を介して遮光部材90、80に供給される。
【0042】
また、
図4Cからわかるように、端子210は、画素アレイ200の外側の絶縁膜250内に設けられ、外部から接地電位が供給される。この端子210は、絶縁膜250に設けられた開口254の側面に配置されかつ絶縁膜250の上面に配置された配線240に接続される。この配線240は保護層70内の開口を介して透明電極層60に接続される。すなわち、接地電位は端子210および配線240を介して透明電極層60に供給される。なお、この第1実施形態は、
図2A乃至
図2Dに示すように、画素領域300を囲む遮光部材80が構成する略四角形の各角部が接続されていないので、半導体基板へのストレスが低いものとなる。
【0043】
以上説明したように、第1実施形態の撮像装置によれば、透明電極層より上層における混色を抑制することができる。また、画素間遮光部を構成する遮光部材80、90に印加する電圧と透明電極層60に印加する電圧を異なるようにすることができ、光電変換層40のピニング形成を行うことができる。
(第1変形例)
第1実施形態の第1変形例による撮像装置の断面を
図5に示す。また、第1変形例の撮像装置を、
図5に示す切断面A-Aで切断した断面を
図6Aに示し、切断面B-Bで切断した断面を
図6Bに示し、切断面C-Cで切断した断面を
図6Cに示す。
図5乃至
図6Cから分かるように、第1変形例の撮像装置は、
図1に示す第1実施形態の撮像装置とは、バッファ層30に接する遮光部材80の先端部が異なった形状を備えている。第1実施形態における遮光部材80は光電変換層40においては、断面形状が一定である。しかし、第1変形例においては、先端部が尖型形状を有している。
【0044】
第1変形例のように、遮光部材80の先端部を尖型とすることにより、第1実施形態に比べて、遮光部材80の先端部における混色の耐性を上昇させることができる。なお、この第1変形例も第1実施形態と同様に、透明電極層より上層における混色を抑制することができる。また、画素間遮光部を構成する遮光部材80、90に印加する電圧と透明電極層60に印加する電圧を異なるようにすることができ、光電変換層40のピニング形成を行うことができる。
(第2変形例)
第1実施形態の第2変形例による撮像装置の断面を
図7に示す。また、第1変形例の撮像装置を、
図7に示す切断面A-Aで切断した断面を
図8Aに示し、切断面B-Bで切断した断面を
図8Bに示し、切断面C-Cで切断した断面を
図8Cに示す。
図7乃至
図8Cから分かるように、第2変形例の撮像装置は、
図1に示す第1実施形態の撮像装置とは、バッファ層30に接する遮光部材80の先端部が異なった形状を備えている。第2変形例においては、遮光部材80は、先端部の断面積が他の部分(例えばバッファ層50に近い部分)の断面積よりも大きい形状を有している。
【0045】
第2変形例のように、遮光部材80の先端部の断面積を他の部分の断面積よりも大きい形状を有することにより、第1実施形態に比べて、遮光部材80の先端部における混色の耐性を上昇させることができる。なお、この第2変形例も第1実施形態と同様に、透明電極層より上層における混色を抑制することができる。また、画素間遮光部を構成する遮光部材80、90に印加する電圧と透明電極層60に印加する電圧を異なるようにすることができ、光電変換層40のピニング形成を行うことができる。
【0046】
(第2実施形態)
第2実施形態による撮像装置の断面を
図9に示し、
図9に示す切断面A-Aで切断した断面を
図10Aに示し、切断面B-Bで切断した断面を
図10Bに示し、切断面C-Cで切断した断面を
図10Cに示す。
【0047】
この第2実施形態の撮像装置は、
図1に示す撮像装置において、遮光部材80を遮光部材84および遮光部材86に分割するとともに、配線積層構造体20を配線積層構造体20Aに置き換えた構造を有している。遮光部材84は、バッファ層50から光電変換層40およびバッファ層30を貫通する構造を有し、側面に絶縁膜81が設けられている。なお、遮光部材84が絶縁材を含む場合は、絶縁膜81は削除してもよい。遮光部材86は保護層70および透明電極層60を貫通し、バッファ層50内に達する。遮光部材86の側面および底面には絶縁膜83が設けられ、遮光部材84と遮光部材86は電気的に接続しない構成となっている。遮光部材90は、
図10Aおよび
図2Aから分かるように保護層70上では第1実施形態の遮光部材90と同じ断面構造を有している。また、遮光部材86は、
図10Bおよび
図2Cからわかるように透明電極層60内においては、第1実施形態の遮光部材80と同じ形状を有している。
【0048】
配線積層構造体20Aには、絶縁膜22内に配置された配線24、24aが配置され、配線24aは負のバイアス電位を遮光部材84に供給する。遮光部材84は、光電変換層40において、
図10Cに示すように断面形状が
図2Dに示す第1実施形態の遮光部材80とは異なっており、各画素領域300を取り囲むように、四角形の格子状に配置される。また、遮光部材84は、格子点において、配線24aに電気的に接続される。
【0049】
このように構成された第2実施形態の撮像装置は、光電変換層40において各画素の側面が四角形の格子状の遮光部材84、すなわち画素間遮光膜によって完全に取り囲まれているため、第1実施形態にくらべて、混色の更なる抑制を行うことができる。また、遮光部材90および遮光部材86には、遮光部材84とは異なるバイアス電位を印加することができる。
【0050】
(製造方法)
次に、第2実施形態の撮像装置の製造方法について
図11A乃至11Iを参照して説明する。まず、
図11Aに示すように、例えばシリコンを含む半導体基板10上に、配線積層構造体20A、バッファ層30、光電変換層40、およびバッファ層50を順次積層する。その後、バッファ層50上にマスク100を形成し、このマスクにリソグラフィー技術を用いてパターニングを行う。このパタ-ニングは、
図10Cに示す格子状の遮光部材を形成するためのものである。続いて、パターニングされたマスク100を用いて、バッファ層50、光電変換層40、およびバッファ層30をエッチングし、配線積層構造体20Aの上面に達する開口104を形成する。その後、マスク100を除去する。
【0051】
次に、
図11Bに示すように、開口104の側面に絶縁膜81を形成する。なお、開口104の底面にも絶縁膜81が形成されるが除去する。続いて、
図11Cに示すように、開口104を例えばタングステンを含む金属で埋め込む。このとき、バッファ層50の上面にも金属層が形成される。この金属層は
図11Dに示すように例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)を用いて削除され、開口104内に遮光部材84が形成される。
【0052】
次に、
図11Eに示すように、遮光部材84およびバッファ層50を覆うように、透明電極層60を形成する。続いて、
図11Fに示すように、透明電極層60上に保護層70を形成し、さらに保護層70上にパターニングされたマスク106を形成する。このパターニングされたマスク106は遮光部材86を形成するためのものである。その後、マスク106を用いて保護層70および透明電極層60をエッチングし、開口107を形成する。その後、マスク106を除去する(
図11G)。
【0053】
次に、
図11Hに示すように、開口107の底面および側面に絶縁膜83を形成する。続いて、
図11Iに示すように、開口107を埋め込むとともに保護層70上に、例えばタングステンを含む金属膜を形成する。このとき、開口107に埋め込まれた金属膜は遮光部材86となる。その後、保護層70上の金属膜をパターニングすることにより、保護層70上に遮光部材90を形成する。これにより、第2実施形態の撮像装置が完成する。
【0054】
以上説明したように、第2実施形態の撮像装置は、第1実施形態の撮像装置と同様に、透明電極層より上層における混色を抑制することができる。また、透明電極層よりも下層における混色を第1実施形態に比べて、より抑制することができる。
【0055】
(変形例)
第2実施形態の変形例による撮像装置の断面を
図12に示し、
図12に示す切断面A-Aで切断した断面を
図13Aに示し、切断面B-Bで切断した断面を
図13Bに示し、切断面C-Cで切断した断面を
図13Cに示す。
【0056】
この変形例の撮像装置は、遮光部材86が透明電極層60を貫通しない構造を有している以外は、
図9に示す撮像装置と同じ構造を備えている。すなわち、この変形例においては、遮光部材86の底面がバッファ層50の上面に達せず、透明電極層60の途中に位置する。
【0057】
この変形例の撮像装置も第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】
(第3実施形態)
第3実施形態による撮像装置について
図14を参照して説明する。第1実施形態および第2実施形態ならびにそれらの変形例の撮像装置のいずれかにおいて、透明電極層60における遮光部材80または86の断面形状は、
図2Cに示すように、各辺が接続されない略四角形状を有している。
【0059】
第3実施形態の撮像装置は、透明電極層60における遮光部材80の断面形状を
図14に示す。第3実施形態における遮光部材80は、
図14に示すように、画素領域300を囲むように配置され、
図14において左右方向(第1方向)に沿って延びる第1部分80aおよび第2部分80bと、
図14において上下方向(第2方向)に延びる第3部分80cおよび第4部分80dとを備えている。そして、第3部分80cおよび第4部分80dは、第1部分80aと第2部分80bとの間の領域に配置される。すなわち、画素領域300を囲むように配置された第1部分80a、第2部分80b、第3部分80c、第4部分80dは、略四角形状の辺を構成し、これらの辺は、それぞれ接続されないように配置される。すなわち、第3部分80cは第1部分80aおよび第2部分80bと接続せず、分80dは第1部分80aおよび第2部分80bと接続しないように配置される。
【0060】
この実施形態においては、第1部分80aおよび第2部分80bが第1方向に沿って延びているので、ある画素領域300の透明電極層60は、第1方向に隣接する画素領域の透明電極層と電気的に接続される。しかし、第2方向に隣接する画素領域の透明電極層とは電気的に接続されない。このため、第1実施形態および第2実施形態ならびにそれらの変形例に比べて、第2方向からの混色を、より抑制することができる。
【0061】
(第4実施形態)
第4実施形態の撮像装置について、
図15を参照して説明する。この第4実施形態の撮像装置は、第3実施形態の撮像装置において、透明電極層60における遮光部材80の断面形状を
図15に示す形状に変えた構成を有している。
【0062】
この第4実施形態の遮光部材80は、
図15に示すように、第1方向に沿って延びた第1部分80aおよび第2部分80bと、第1方向に交差する第2方向に沿って延びた第3部分80cおおよび第4部分80dを有している。これらの第1乃至第4部分80a~80dは、互いに交差せずに配置されている。第1部分80aの一部分、第2部分80bの一部分、第3部分80cの一部分、および第4部分80dの一部分がそれぞれ、画素領域300を囲む略四角形状の辺を構成している。
【0063】
第1部分80aは第1方向に沿って配置された第1端部80a1および第2端部80a2を有し、第2部分80bは第1方向に沿って配置された第3端部80b1および第4端部80b2を有し、第3部分80cは第2方向に沿って配置された第5端部80c1および第6端部80c2を有し、第4部分80dは第2方向に沿って配置された第7端部80d1および第8端部80d2を有している。第1部分80aの一部(例えば、中央部)から第2端部80a2までの部分が略四角形の辺を構成し、第2部分80bの一部(例えば、中央部)から第4端部80b2までの部分が略四角形の辺を構成し、第3部分80cの一部(例えば、中央部)から第6端部80c2までの部分が略四角形の辺を構成し、第4部分80dの一部(例えば、中央部)から第8端部80d2までの部分が略四角形の辺を構成する。
【0064】
したがって、第1部分80aにおいて第1端部80a1から第2端部80a2に向かう方向が第3部分80cの第5端部80c1と第6端部80c2との間に位置しかつ第2端部80a2が第3部分80cに接続しない。第2部分80bにおいて第3端部80b1から第4端部80b2に向かう方向が第4部分80dの第7端部80d1と第8端部80d2との間に位置しかつ第4端部80b2が第4部分80dに接続しない。第3部分80cにおいて第5端部80c1から第6端部80c2に向かう方向が第2部分80bの第3端部80b1と第4端部80b2との間に位置しかつ第6端部80c2が第2部分80bに接続しない。第4部分80dにおいて第7端部80d1から第8端部80d2に向かう方向が第1部分80aの第1端部80a1と第2端部80a2との間に位置し第8端部80d2が第1部分80aに接続しない。
【0065】
このように構成された第4実施形態においては、画素の略四角形の角部はそれぞれ、この角部を構成する辺とは接続されていない。このため、すべての画素領域300は電気的に接続されて、各画素に対して透明電極層を電気的に接続するための配線が不要となり、レイアウトを容易に行うことができる。また、第4実施形態も第1実施形態と同様に、混色が生じるのを抑制することができる。なお、この第5実施形態においては、第1乃至第4部分の長さを長くすることができるため、加工時に半導体基板が反るのを抑制することができる。
【0066】
(第5実施形態)
第5実施形態の撮像装置について、
図16を参照して説明する。この第5実施形態の撮像装置は、第4実施形態の撮像装置において、透明電極層60における遮光部材80の断面形状を
図16に示す形状に変えた構成を有している。
【0067】
この第5実施形態の遮光部材80は、
図16に示すように、第1方向に沿って延びた第1部分80aおよび第2部分80bと、第1方向に交差する第2方向に沿って延びた第3部分80cおおよび第4部分80dを有している。第1部分80aは第4部分80dと互いに中央部で接続するが第3部分80cとは接続せず、第2部分80bは第3部分80cと互いに中央部で接続するが第4部分80dとは接続しない。第1部分80aの一部分、第2部分80bの一部分、第3部分80cの一部分、および第4部分80dの一部分がそれぞれ、画素領域300を囲む略四角形状の辺を構成している。
【0068】
第1部分80aは第1方向に沿って配置された第1端部80a1および第2端部80a2を有し、第2部分80bは第1方向に沿って配置された第3端部80b1および第4端部80b2を有し、第3部分80cは第2方向に沿って配置された第5端部80c1および第6端部80c2を有し、第4部分80dは第2方向に沿って配置された第7端部80d1および第8端部80d2を有している。第1部分80aの中央部から第2端部80a2までの部分が略四角形の辺を構成し、第2部分80bの中央部から第4端部80b2までの部分が略四角形の辺を構成し、第3部分80cの中央部から第5端部80c1までの部分が略四角形の辺を構成し、第4部分80dの中央部から第7端部80d1までの部分が略四角形の辺を構成する。
【0069】
したがって、画素領域300を区画する遮光部材80の透明電極層60における断面形状の略四角形は、第1部分80aと第3部分とが構成する角部は接続されず、第1部分80aと第3部分とが構成する角部は接続されない。
【0070】
このように構成された第5実施形態においては、画素領域300の略四角形の対角に位置する2つの角部は、これらの角部を構成する辺とは接続されていない。このため、すべての画素領域300は電気的に接続されて、各画素に対して透明電極層を電気的に接続するための配線が不要となり、レイアウトを容易に行うことができる。また、第5実施形態も第1実施形態と同様に、混色が生じるのを抑制することができる。なお、この第5実施形態においては、第1乃至第4部分の長さを長くすることができるため、加工時に半導体基板が反るを抑制することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態の撮像装置について、
図17を参照して説明する。この第6実施形態の撮像装置は、第1実施形態の撮像装置において、透明電極層60における遮光部材80の断面形状を
図17に示す形状に変えた構成を有している。
【0071】
この第6実施形態の遮光部材80は、
図2Cに示す第1実施形態の遮光部材80のように、略四角形状に配置され互いに接続しない第1部分80a、第2部分80b、第3部分80c、および第4部分80dを備え、更に、略四角形の角部に第5部分80e、第6部分80f、第7部分80g、第8部分80hが配置された構成を備えている。第5部分80eは第1部分80aと第3部分80cが構成する角部に配置されかつ第1部分80aおよび第3部分80cとは接続しないように配置される。第6部分80fは第3部分80cと第2部分80bが構成する角部に配置されかつ第3部分80cおよび第2部分80bとは接続しないように配置される。第7部分80gは第2部分80bと第4部分80dが構成する角部に配置されかつ第2部分80bおよび第4部分80dとは接続しないように配置される。第8部分80hは第4部分80dと第1部分80aが構成する角部に配置されかつ第4部分80dおよび第1部分80aとは接続しないように配置される。
【0072】
このように構成された第6実施形態においては、画素領域300の略四角形の対角に位置する4つの角部には第5部分80e乃至第8部分80hが配置され、これらの第1乃至第8部分80a~80hは、互いに接続しないように配置される。このため、すべての画素領域300は電気的に接続されて、各画素に対して透明電極層を電気的に接続するための配線が不要となり、レイアウトを容易に行うことができる。また、第6実施形態は、略四角形の各角部に第5乃至第8部分80e~80hが配置されているため、第1実施形態の場合に比べて斜め方向から隣接画素から光の侵入を抑制することが可能となり、混色が生じるのをより抑制することができる。なお、この第6実施形態においては、略四角形の角部に第5乃至第8部分が配置されるため、加工時に半導体基板が反るを抑制することができる。
【0073】
(第7実施形態)
第7実施形態の撮像装置について、
図18を参照して説明する。この第7実施形態の撮像装置は、第6実施形態の撮像装置において、透明電極層60における遮光部材80の断面形状を
図18に示す形状に変えた構成を有している。
【0074】
この第7実施形態の遮光部材80は、
図17に示す第6実施形態の遮光部材80において、略四角形の角部に配置された第5部分80e、第6部分80f、第7部分80g、第8部分80hをそれぞれ、対応する角部から画素領域300の内側の領域に移動した配置を備えている。第5部分80eは第1部分80aと第3部分80cが構成する角部から画素領域300の内側に移動されかつ第1部分80aおよび第3部分80cとは接続しないように配置される。第6部分80fは第3部分80cと第2部分80bが構成する角部から画素領域300の内側に移動されかつ第3部分80cおよび第2部分80bとは接続しないように配置される。第7部分80gは第2部分80bと第4部分80dが構成する角部から画素領域300の内側に移動されかつ第2部分80bおよび第4部分80dとは接続しないように配置される。第8部分80hは第4部分80dと第1部分80aが構成する角部から画素領域300の内側に移動されかつ第4部分80dおよび第1部分80aとは接続しないように配置される。なお、第1乃至第8部分は互いに接続しないように配置される。
【0075】
このように構成された第7実施形態においては、第5乃至第8部分80e~80hが画素領域300の略四角形の角部よりも画素領域300の内側に配置され、かつこれらの第1乃至第8部分80a~80hは、互いに接続しないように配置される。このため、すべての画素領域300は電気的に接続されて、各画素に対して透明電極層を電気的に接続するための配線が不要となり、レイアウトを容易に行うことができる。また、第6実施形態は、略四角形の各角部よりも画素領域300の内側に第5乃至第8部分80e~80hが配置されているため、第1実施形態の場合に比べて斜め方向から隣接画素から光の侵入を抑制することが可能となり、混色が生じるのをより抑制することができる。なお、この第7実施形態においては、略四角形の角部よりも内側に第5乃至第8部分が配置されるため、加工時に半導体基板が反るを抑制することができる。
【0076】
(応用例)
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0077】
図19は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図19に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
【0078】
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。
図19では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
【0079】
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
【0080】
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
【0081】
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0082】
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
【0083】
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
【0084】
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
【0085】
ここで、
図20は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910,7912,7914,7916,7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912,7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0086】
なお、
図20には、それぞれの撮像部7910,7912,7914,7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b,cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912,7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910,7912,7914,7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0087】
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7922,7924,7926,7928,7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7926,7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920~7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
【0088】
図19に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
【0089】
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
【0090】
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
【0091】
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0092】
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
【0093】
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX(登録商標)、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)若しくはLTE-A(LTE-Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi-Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
【0094】
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
【0095】
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
【0096】
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
【0097】
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
【0098】
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
【0099】
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
【0100】
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
【0101】
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図19の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
【0102】
なお、
図19に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
【0103】
なお、
図19に示す撮像部7410または
図20に示す撮像部7910~7916として第1乃至第7実施形態およびそれらの変形例のいずれかの撮像装置を用いることができる。
【0104】
以上、添付図面を参照して本開示の実施形態をについて詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかである。これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0105】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記効果とともに、または上記効果に代えて、本明細書の記載から当業者に明らかな他の効果を奏し得る。
【0106】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1) 半導体基板上に配置された光電変換層と、前記光電変換層上に配置された透明電極層と、前記光電変換層を、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に配列される複数の画素に分離し分離された画素の境界に沿って配置された第1遮光部と、 前記透明電極層の内部における前記分離された画素の境界に沿って配置され、かつ隣接する画素の境界の一部分が途切れるように配置された第2遮光部と、を備えた撮像装置。
(2) 前記第2遮光部は、前記透明電極層における前記第1方向に沿って配列された画素の境界の一部分が途切れるよう配置され、かつ前記第2方向に沿って配列された画素同士を分断するように配置された(1)記載の撮像装置。
(3) 前記第2遮光部は、前記透明電極層における前記第1方向に沿って配列された画素の境界の一部分が途切れるように配置され、かつ前記第2方向に沿って配列された画素の境界の一部分が途切れるように配置された(1)記載の撮像装置。
(4) 前記透明電極層上に配置された保護層を更に備え、前記第2遮光部は、前記保護層の上面から前記保護層および前記透明電極層を貫通するように配置された(1)乃至(3)のいずれかに記載の撮像装置。
(5) 前記保護層上に設けられ前記第2遮光部に接続される第3遮光部を更に備え、前記第3遮光部は、画素の境界に沿って格子状に配置された(4)記載の撮像装置。
(6) 前記第1遮光部と前記第2遮光部は積層方向に分離された(1)乃至(5)のいずれかに記載の撮像装置。
(7) 前記透明電極層上に配置された保護層を更に備え、前記第2遮光部は、前記保護層の上面から前記保護層を貫通し、かつ前記透明電極層を貫通しないように前記透明電極層の内部に配置された(6)記載の撮像装置。
(8) 前記保護層上に設けられ前記第2遮光部に接続される第3遮光部を更に備え、前記第3遮光部は、画素の境界に沿って格子状に配置された(7)記載の撮像装置。
(9) 前記半導体基板と前記光電変換層との間に設けられた配線積層構造体を更に備え、前記第1遮光部は、前記配線積層構造体に電気的に接続される(7)または(8)記載の撮像装置。
(10) 前記第1遮光部は、前記光電変換層の上面から下面まで貫通した電極を含み、前記電極は前記配線積層構造体に電気的に接続される(9)記載の撮像装置。
(11) 前記第1遮光部は、前記画素の側部を取り囲むように配置された(6)記載の撮像装置。
(12) 前記第2遮光部は前記透明電極層を貫通するように配置され、前記第遮光部の側部および端部は絶縁膜によって覆われている(6)記載の撮像装置。
(13) 前記第1遮光部と前記第2遮光部は積層方向において接続された(1)記載の撮像装置。
(14) 前記透明電極層上に配置された保護層を更に備え、前記第2遮光部は、前記保護層の上面から前記保護層および前記透明電極層を貫通しかつ側部が絶縁膜に覆われ、前記第1遮光部は、前記光電変換層を貫通するように配置され、かつ前記第2遮光部の側部および端部は絶縁膜によって覆われている(13)記載の撮像装置。
(15) 前記第1遮光部における前記端部の断面積は他の部分の断面積より小さい(14)記載の撮像装置。
(16) 前記第1遮光部における前記端部の断面積は他の部分の断面積より大きい(14)記載の撮像装置。
(17) 前記保護層上に設けられた第3遮光部を更に備え、前記第3遮光部は前記第2遮光部に接続された(13)記載の撮像装置。
(18) 前記第1遮光部と前記第2遮光部は平面視したときに、少なくとも一部が重なるように配置された(1)乃至(17)のいずれかに記載の撮像装置。
(19) 前記透明電極層に接地電位を供給する第1配線と、前記第2遮光部に負のバイアス電位を供給する第2配線を更に備えた(1)乃至(18)のいずれかに記載の撮像装置。
(20) 撮像装置と、前記撮像装置で撮像された画素信号に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を備え、前記撮像装置は、半導体基板上に配置された光電変換層と、前記光電変換層上に配置された透明電極層と、前記光電変換層を、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に配列される複数の画素に分離し分離された画素の境界に沿って配置された第1遮光部と、前記透明電極層の内部における前記分離された画素の境界に沿って配置され、かつ隣接する画素の境界の一部分が途切れるように配置された第2遮光部と、を備えた、電子機器。
(21) 前記第2遮光部は、前記透明電極層の上面側から見たときに、前記第1方向に延び対向する第1部分および第2部分と、前記第2方向に延び対向する第3部分および第4部分と、を有し、前記第1乃至第4部分は前記区画された画素を囲む略四角形の辺に対応し、前記略四角形の少なくとも2つの角部のそれぞれを構成する辺に対応する部分は接続されていない(1)記載の撮像装置。
(22) 前記略四角形のそれぞれの角部を構成する辺に対応する部分は接続されていない(21)記載の撮像装置。
(23) 前記第3部分および前記第4部分はそれぞれ、前記第1部分と前記第2部分との間の領域に配置される(22)記載の撮像装置。
(24) 前記第1部分は前記第1方向に配置された第1端部および第2端部を有し、前記第2部分は前記第1方向に配置された第3端部および第4端部を有し、前記第3部分は前記第2方向に配置された第5端部および第6端部を有し、前記第4部分は前記第2方向に配置された第7端部および第8端部を有し、前記第1部分の一部から前記第2端部までの部分が前記略四角形の辺を構成し、前記第2部分の一部から前記第4端部までの部分が前記略四角形の辺を構成し、前記第3部分の一部から前記第6端部までの部分が前記略四角形の辺を構成し、前記第4部分の一部から前記第8端部までの部分が前記略四角形の辺を構成し、前記第1部分において前記第1端部から前記第2端部に向かう方向が前記第3部分の前記第5端部と前記第6端部との間に位置しかつ前記第2端部が前記第3部分に接続せず、前記第2部分において前記第3端部から前記第4端部に向かう方向が前記第4部分の前記第7端部と前記第8端部との間に位置しかつ前記第4端部が前記第4部分に接続せず、前記第3部分において前記第5端部から前記第6端部に向かう方向が前記第2部分の前記第3端部と前記第4端部との間に位置しかつ前記第6端部は前記第2部分に接続せず、前記第4部分において前記第7端部から前記第8端部に向かう方向が前記第1部分の前記第1端部と前記第2端部との間に位置しかつ前記第8端部は前記第1部分に接続しない請求項(22)記載の撮像装置。
(25) 前記第2遮光部は第5乃至第8部分を更に備え、前記第5部分は前記第1部分と前記第3部分とによって構成される角部に配置され、前記第6部分は前記第3部分と前記第2部分とによって構成される角部に配置され、前記第7部分は前記第2部分と前記第4部分とによって構成される角部に配置され、前記第8部分は前記第4部分と前記第1部分とによって構成される角部に配置されている(22)記載の撮像装置。
(26) 前記第2遮光部は第5乃至第8部分を更に備え、前記第5部分は前記第1部分と前記第3部分とによって構成される角部に対応する前記画素の内側に配置され、前記第6部分は前記第3部分と前記第3部分とによって構成される角部に対応する前記画素の内側に配置され、前記第7部分は前記第2部分と前記第4部分とによって構成される角部に対応する前記画素の内側に配置され、前記第8部分は前記第4部分と前記第1部分とによって構成される角部に対応する前記画素の内側に配置されている(22)記載の撮像装置。
(27) 前記第1部分は前記第4部分に接続するが前記第3部分に接続せず、前記第2部分は前記第3部分に接続するが前記第4部分に接続しない(21)記載の撮像装置。
【符号の説明】
【0107】
10・・・半導体基板、20・・・配線積層構造体、22・・・絶縁膜、24・・・配線層、30・・・バッファ層、40・・・光電変換層、50・・・バッファ層、60・・・透明電極層、70・・・保護層、80・・・遮光部材、81・・・絶縁膜、82・・・絶縁膜、83・・・絶縁膜、84・・・遮光部材、86・・・遮光部材、90・・・遮光部材、100・・・マスク、102,104・・・開口、106・・・マスク、107・・・開口、110・・・金属膜、200・・・画素アレイ、210,220・・・端子、230,240・・・配線、250・・・絶縁膜、252,254・・・開口、7000・・・車両制御システム、7010・・・通信ネットワーク、7100・・・駆動系制御ユニット、7110・・・車両状態検出部、7200・・・ボディ系制御ユニット、7300・・・バッテリ制御ユニット、7310・・・二次電池、7400・・・車外情報検出ユニット、7410・・・撮像部、7420・・・車外情報検出部、7500・・・車内情報検出ユニット、7510・・・運転者状態検出部、7600・・・統合制御ユニット、7610・・・マイクロコンピュータ、7620・・・汎用通信I/F、7630・・・専用通信I/F、7640・・・測位部、7650・・・ビーコン受信部、7660・・・車内機器I/F、7670・・・音声画像出力部、7680・・・車載ネットワークI/F、7690・・・記憶部、7710・・・オーディオスピーカ、7720・・・表示部、7730・・・インストルメントパネル、7750・・・外部環境、7760・・・車内機器、7800・・・入力部、7900・・・車両、7910~7916・・・撮像部、7920~7930・・・車外情報検出部