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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182571
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】乗用田植機
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
A01C11/02 350B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090197
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】今泉 大介
【テーマコード(参考)】
2B064
【Fターム(参考)】
2B064AA05
2B064AA07
2B064AB02
2B064CA02
2B064CA11
2B064CA19
2B064CA40
2B064CB01
(57)【要約】
【課題】本発明は、乗用田植機において、走行車体が横転することがあっても座席に座った作業者が甚大な被害を受けないようにすることを課題とする。
【解決手段】左右前輪1,1と左右後輪2,2で支持する走行車体3の後部に苗移植装置4を装着し、走行車体3の左右中央に操縦席5を設けた乗用田植機において、操縦席5の後部に走行車体3の左右を連結する後部ガード枠6を設け、操縦席5前のステアリングハンドル7の左右側部に側支柱8,8を立設し、該側支柱8,8と前記後部ガード枠6を操縦席5に座った作業者の頭部近くを前後に通すサイド連結枠9,9で連結したことを特徴とする乗用田植機とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右前輪(1,1)と左右後輪(2,2)で支持する走行車体(3)の後部に苗移植装置(4)を装着し、走行車体(3)の左右中央に操縦席(5)を設けた乗用田植機において、操縦席(5)の後部に走行車体(3)の左右を連結する後部ガード枠(6)を設け、操縦席(5)前のステアリングハンドル(7)の左右側部に側支柱(8,8)を立設し、該側支柱(8,8)と前記後部ガード枠(6)を操縦席(5)に座った作業者の頭部近くを前後に通すサイド連結枠(9,9)で連結したことを特徴とする乗用田植機。
【請求項2】
後部ガード枠(6)を後部に設ける施肥タンク(12)の高さと同程度にしたことを特徴とする請求項1に記載の乗用田植機。
【請求項3】
側支柱(8,8)が補助苗置台(14)の支柱であることを特徴とする請求項1に記載の乗用田植機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に苗を移植する田植機で、作業者が走行車体に設ける座席に座って操縦する乗用田植機に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用田植機は、前後の四輪で走行する走行車体の後部に苗移植装置を昇降可能に装着し、走行車体の中央に設ける座席に作業者が座ってその前に設けるステアリングハンドルを操作して走行するが、走行車体の左右側部に補助苗置台を設けて、多くの補給苗を運びながら苗移植装置で苗を移植するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019―10057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この乗用田植機は、柔らかく軟弱な圃場を前後左右に設ける四輪の走行車輪で走行車体を支持しながら走行するが、機体後部に装着する苗移植装置が重く、走行車体の左右側部に設ける補助苗置台に載せる補給苗も増減して重量が変動するので、走行車体が左右に傾いて座席に座った作業者を振り落とされて走行車体の下敷きになる危険性がある。
【0005】
そこで、本発明は、乗用田植機において、走行車体が横転することがあっても座席に座った作業者が甚大な被害を受けないようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
【0007】
請求項1の発明は、左右前輪1,1と左右後輪2,2で支持する走行車体3の後部に苗移植装置4を装着し、走行車体3の左右中央に操縦席5を設けた乗用田植機において、操縦席5の後部に走行車体3の左右を連結する後部ガード枠6を設け、操縦席5前のステアリングハンドル7の左右側部に側支柱8,8を立設し、該側支柱8,8と前記後部ガード枠6を操縦席5に座った作業者の頭部近くを前後に通すサイド連結枠9,9で連結したことを特徴とする乗用田植機とする。
【0008】
請求項2の発明は、後部ガード枠6を後部に設ける施肥タンク12の高さと同程度にしたことを特徴とする請求項1に記載の乗用田植機とする。
【0009】
請求項3の発明は、側支柱8,8が補助苗置台14の支柱であることを特徴とする請求項1に記載の乗用田植機とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明で、操縦席に座った作業者の後部を後部ガード枠で囲い、左右側部をサイド連結枠で囲っているので、走行車体が左右に傾くことがあっても作業者が走行車体から放り出されることを防いで、走行車体の下敷きになることが無いので、安全である。
【0011】
請求項2の発明で、後部ガード枠6は操縦席5の後部で走行車体3に取り付けた強固部材であるが、作業者が立ち上がって施肥タンク12に肥料を補給する際に、後部ガード枠6に肥料袋を置いて供給作業を安定して行える。
【0012】
請求項3の発明で、補助苗置台14を受ける支柱がサイド連結枠9の左右前側の側支柱8を兼用して構成が簡略になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態にかかる乗用田植機の概略左側面図である。
図2】同乗用田植機の概略平面図である。
図3】(A)乗用田植機の別例のサイド連結枠の斜視図、(B)さらに別例のサイド連結枠の斜視図である。
図4】乗用田植機の別例の概略左側面図である。
図5図4の乗用田植機の概略平面図である。
図6】別例の乗用田植機の概略左側面図である。
図7図6の乗用田植機の概略平面図である。
図8図6の乗用田植機の一部概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に示す実施例を参照しながら説明する。なお、実施例の説明においては、機体の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後というが、本発明の構成を限定するものでは無い。
【0015】
図1は、乗用田植機の概略を示す側面図で、図2は乗用田植機の概略を示す平面図で、走行車体3が左右の前輪1,1と左右の後輪2,2で支持され、走行車体3の後部に苗移植装置4を昇降可能に装着している。
【0016】
走行車体3の前部で左右中央にハンドルポスト11を設け、その上部にステアリングハンドル7を設け、走行車体後部の原動ボックス10上に操縦席5を設け、作業者が操縦席5に座ってステアリングハンドル7を操作して走行する。
【0017】
操縦席5の後部で走行車体3の左右を繋ぐ背面視でU字状の後部ガード枠6を立設し、その後ろに施肥タンク12を走行車体3に取り付けている。後部ガード枠6の高さは施肥タンク12の高さと略同一で、作業者が後向きで後部ガード枠6を越えて施肥タンク12に肥料を供給できる。
【0018】
ハンドルポスト11の左右側部に側支柱8,8を立設し、三段に補助苗置台14を設けて、その上端を前枠13で連結している。また、この側支柱8,8と後部ガード枠6とを操縦席5に座る作業者の頭高さのサイド連結枠9,9で連結している。
【0019】
このように、操縦席5の周囲を前枠13とサイド連結枠9,9と後部ガード枠6で囲んでいるので、走行車体3が傾くことがあっても操縦席5に座った作業者が走行車体3の外に飛び出すことが無く、安全である。
【0020】
図3は乗用田植機の一例で、(A)は右側のサイド連結枠9を無くした構成で、(B)は後部ガード枠6を無くした構成であるが、これらの例でも作業者の安全をある程度守ることが可能である。
【0021】
図4図5は、乗用田植機の別例を示し、苗移植装置4の苗置台を下部苗置台41と上部苗置台42に分割して、上部苗置台42を第一リンク15と第二リンク16で支持して、通常の苗移植時には下部苗置台41の上に下部苗置台41を位置して移植作業を行うが、苗の補給時には上部苗置台42を操縦席5の上方に移動して補助苗置台14から苗マットを上部苗置台42に移し易く、その後上部苗置台42を下部苗置台41にスライドする。
【0022】
これにより、苗補給時に、苗マットを苗移植装置4上まで移動する必要が無く、操縦席5や施肥タンク12がある狭い機体後方を作業者が補助苗を持って移動しながらの苗補給作業を無くして作業性が良くなる。
【0023】
図6図7は、乗用田植機の別例を示し、走行車体3の前左右側部に設ける三段の補助苗置台14を側部で水平に並べられる水平変換台として、施肥タンク12の左右側に第四補助苗置台18を設けた構成で、図8の如く水平に並べた補助苗置台14に続けて第四補助苗置台18を連結することで、走行車体3の前側から補給苗ケースをスライドして苗移植装置4の苗置台へ移動し易くなる。
【符号の説明】
【0024】
1 前輪
2 後輪
3 走行車体
4 苗移植装置
5 操縦席
6 後部ガード枠
7 ステアリングハンドル
8 側支柱
9 サイド連結枠
12 施肥タンク
14 補助苗置台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8