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特開2022-182585軽量盛土構造体、発泡ブロック及び軽量盛土構造体の構築方法
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  • 特開-軽量盛土構造体、発泡ブロック及び軽量盛土構造体の構築方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182585
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】軽量盛土構造体、発泡ブロック及び軽量盛土構造体の構築方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 11/00 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
E02B11/00 A
E02B11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090225
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000131810
【氏名又は名称】株式会社ジェイエスピー
(74)【代理人】
【識別番号】100094547
【弁理士】
【氏名又は名称】岩根 正敏
(72)【発明者】
【氏名】吉田 茂喜
(72)【発明者】
【氏名】梅野 清登
(72)【発明者】
【氏名】田中 富智夫
(72)【発明者】
【氏名】半根 隆巳
(57)【要約】      (修正有)
【課題】発泡ブロック集合体の撤去作業が容易な軽量盛土構造体を提供する。
【解決手段】下地Gと、直方体状の発泡ブロックから構成される発泡ブロック層を複数層積層してなる発泡ブロック集合体Aとを備え、発泡ブロック層の少なくとも一層は、二つ以上の分割発泡ブロックから構成された直方体状複合発泡ブロックYを含み、直方体状複合発泡ブロックYは、直方体状複合発泡ブロックYの上面から下面にわたって二つ以上に分割されていると共に、分割発泡ブロックが、それぞれ底面の形状が略台形である四角柱状発泡ブロックXであり、四角柱状発泡ブロックXの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックXの側面との成す角がいずれも90度以下である、軽量盛土構造体Sとした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地と、該下地上に形成された、直方体状の発泡ブロックから構成される発泡ブロック層を複数層積層してなる発泡ブロック集合体とを備える軽量盛土構造体であって、
上記発泡ブロック層の少なくとも一層は、二つ以上の分割発泡ブロックから構成された直方体状複合発泡ブロックを含み、
上記直方体状複合発泡ブロックは、直方体状複合発泡ブロックの上面から下面にわたって二つ以上に分割されていると共に、上記分割発泡ブロックが、それぞれ底面の形状が略台形である四角柱状発泡ブロックであり、
上記四角柱状発泡ブロックの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックの側面との成す角がいずれも90度以下であることを特徴とする、
軽量盛土構造体。
【請求項2】
上記四角柱状発泡ブロックの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックの側面との成す角の少なくとも一方が、60度以上90度未満であることを特徴とする、請求項1に記載の軽量盛土構造体。
【請求項3】
上記四角柱状発泡ブロックの底面における、底辺の長辺の長さが0.1m以上1m以下であり、上記長辺の長さに対する底辺の短辺の長さの比が0.6以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の軽量盛土構造体。
【請求項4】
上記四角柱状発泡ブロックの柱軸方向における長さが、0.5m以上3m以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の軽量盛土構造体。
【請求項5】
上記軽量盛土構造体が、地盤を掘削することにより形成された掘削溝内に配置されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の軽量盛土構造体。
【請求項6】
上記発泡ブロック集合体において、上記四角柱状発泡ブロックの柱軸方向が、上記掘削溝の延在方向に沿って配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の軽量盛土構造体。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の軽量盛土構造体の構築に用いられる発泡ブロックであって、
上記発泡ブロックは底面の形状が略台形である四角柱状発泡ブロックであり、
上記四角柱状発泡ブロックの側面の内、底辺を含む側面の一方と、該側面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックの側面との成す角がいずれも90度以下であることを特徴とする、
発泡ブロック。
【請求項8】
地盤を掘削することにより形成された掘削溝内の下地上に、直方体状の発泡ブロックから構成される発泡ブロック層を複数層積層して発泡ブロック集合体を形成する軽量盛土構造体の構築方法であって、
上記発泡ブロック層の少なくとも一層を、二つ以上の分割発泡ブロックから構成された直方体状複合発泡ブロックを含む発泡ブロック層から構成し、
上記直方体状複合発泡ブロックは、直方体状複合発泡ブロックの上面から下面にわたって二つ以上に分割されていると共に、上記分割発泡ブロックが、底面の形状が略台形である四角柱状発泡ブロックであり、
上記四角柱状発泡ブロックの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックの側面との成す角をいずれも90度以下とし、
上記四角柱状発泡ブロックの柱軸方向と上記掘削溝の延在方向とを一致させて、前記直方体状複合発泡ブロックを前記掘削溝内に配置することを特徴とする、
軽量盛土構造体の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量盛土構造体に関するもので、特に、地盤を掘削すること等により形成された掘削溝内に配置される軽量盛土構造体、発泡ブロック、軽量盛土構造体の構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
盛土構造体を構築する際に、軽量性、衝撃緩和性、加工容易性などの特性に優れる合成樹脂発泡材を盛土材として使用する軽量盛土工法(例えば、発泡スチロールブロックを用いたEPS工法)が知られている。この軽量盛土工法は、ブロック形状の合成樹脂発泡材を一定規則に従って積み上げて形成していき、その外面部分を土砂などで覆うことによって、盛土構造体を構築するものである。
【0003】
特許文献1には、防護性及び施工性に優れると共に、復旧工事において埋設管や埋設物の修復必要箇所を容易に発見することができる樹脂製埋設管の防護構造を提供することを課題とし、地中に埋設された樹脂製の埋設管を防護するための構造であって、埋設管の上側には、除去時に重機が必要となる舗装層の下面と前記埋設管との間の領域を埋めるように発泡樹脂製の防護ブロック体が設置され、舗装層を取り除くとその下側の防護ブロック体が表出し、該防護ブロック体を取り除くとその下側の埋設管が表出する樹脂製埋設管の防護構造が開示されている。
【0004】
この特許文献1に開示された軽量盛土構造体によれば、地震などの大規模災害などで埋設管が損傷した場合等に、重機によって舗装層を取り除くと防護ブロック体が表出するので、そこに埋設管が埋設されていることを容易に知ることができ、その際、防護ブロック体を取り除けば埋設管が表出するので、埋設管の破損箇所等の修復必要箇所の発見及びその修復を容易に行うことができるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-92239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したような軽量盛土構造体において、発泡樹脂製の防護ブロック体を取り除くためには周囲の土砂を予め取り除く必要があり、その作業は重機を用いた大掛かりなものとなることから、撤去工事が煩雑なものとなっていた。また災害現場等、重機が入りにくい現場等では、防護ブロック体の人力による撤去作業が困難となる場合があり、埋設管の破損箇所等の修復に支障が生じていた。
【0007】
本発明は、上述した背景技術が有する実情に鑑みなされたものであって、構築した発泡ブロック集合体の撤去作業が容易な、軽量盛土構造体、発泡ブロック及び軽量盛土構造体の構築方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するため、本発明は、次の〔1〕~〔8〕に記載した軽量盛土構造体、発泡ブロック及び軽量盛土構造体の構築方法とした。
〔1〕下地と、該下地上に形成された、直方体状の発泡ブロックから構成される発泡ブロック層を複数層積層してなる発泡ブロック集合体とを備える軽量盛土構造体であって、
上記発泡ブロック層の少なくとも一層は、二つ以上の分割発泡ブロックから構成された直方体状複合発泡ブロックを含み、
上記直方体状複合発泡ブロックは、直方体状複合発泡ブロックの上面から下面にわたって二つ以上に分割されていると共に、上記分割発泡ブロックが、それぞれ底面の形状が略台形である四角柱状発泡ブロックであり、
上記四角柱状発泡ブロックの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックの側面との成す角がいずれも90度以下であることを特徴とする、
軽量盛土構造体。
〔2〕上記四角柱状発泡ブロックの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックの側面との成す角の少なくとも一方が、60度以上90度未満であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の軽量盛土構造体。
〔3〕上記四角柱状発泡ブロックの底面における、底辺の長辺の長さが0.1m以上1m以下であり、上記長辺の長さに対する底辺の短辺の長さの比が0.6以上であることを特徴とする、上記〔1〕または〔2〕に記載の軽量盛土構造体。
〔4〕上記四角柱状発泡ブロックの柱軸方向における長さが、0.5m以上3m以下であることを特徴とする、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の軽量盛土構造体。
〔5〕上記軽量盛土構造体が、地盤を掘削することにより形成された掘削溝内に配置されていることを特徴とする、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の軽量盛土構造体。
〔6〕上記発泡ブロック集合体において、上記四角柱状発泡ブロックの柱軸方向が、上記掘削溝の延在方向に沿って配置されていることを特徴とする、上記〔5〕に記載の軽量盛土構造体。
〔7〕上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の軽量盛土構造体の構築に用いられる発泡ブロックであって、
上記発泡ブロックは底面の形状が略台形である四角柱状発泡ブロックであり、
上記四角柱状発泡ブロックの側面の内、底辺を含む側面の一方と、該側面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックの側面との成す角がいずれも90度以下であることを特徴とする、
発泡ブロック。
〔8〕地盤を掘削することにより形成された掘削溝内の下地上に、直方体状の発泡ブロックから構成される発泡ブロック層を複数層積層して発泡ブロック集合体を形成する軽量盛土構造体の構築方法であって、
上記発泡ブロック層の少なくとも一層を、二つ以上の分割発泡ブロックから構成された直方体状複合発泡ブロックを含む発泡ブロック層から構成し、
上記直方体状複合発泡ブロックは、直方体状複合発泡ブロックの上面から下面にわたって二つ以上に分割されていると共に、上記分割発泡ブロックが、底面の形状が略台形である四角柱状発泡ブロックであり、
上記四角柱状発泡ブロックの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックの側面との成す角をいずれも90度以下とし、
上記四角柱状発泡ブロックの柱軸方向と上記掘削溝の延在方向とを一致させて、前記直方体状複合発泡ブロックを前記掘削溝内に配置することを特徴とする、
軽量盛土構造体の構築方法。
【発明の効果】
【0009】
上記した本発明によれば、構築した発泡ブロック集合体の撤去作業が容易な、軽量盛土構造体、発泡ブロック及び軽量盛土構造体の構築方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る軽量盛土構造体の一実施形態を示した断面図である。
図2】本発明に係る四角柱状発泡ブロックの種々の底面(柱軸に直交する断面)の形状を示した図である。
図3】L型ピンを用いて四角柱状発泡ブロックを連結した状態を示した概念的な断面図である。
図4】緊結金具を用いて上下左右に隣接する四角柱状発泡ブロックを連結した状態を示した概念的な断面図である。
図5】四角柱状発泡ブロック間にシートを介在させた状態を示した斜視図である。
図6】構築した軽量盛土構造体を解体する作業工程を示した図である。
図7】本発明に係る軽量盛土構造体の他の実施形態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る軽量盛土構造体、発泡ブロック及び軽量盛土構造体の構築方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
本発明に係る軽量盛土構造体は、図1に示したように、下地Gと、該下地G上に形成された、直方体状の発泡ブロックから構成される発泡ブロック層を複数層積層してなる発泡ブロック集合体Aとを備える、軽量盛土構造体Sである。
【0013】
下地Gは、その上方に発泡ブロック集合体Aから成る盛土を構築する部位である。図1に示した実施形態においては、埋設管Bを埋めるために地盤を掘削して形成された掘削溝Dの底部に下地Gが形成されている。掘削溝Dは、例えばその溝幅が0.5m以上2m以下であることが好ましい。また、掘削溝Dは、例えばその溝高さが1m以上5m以下であることが好ましく、1m以上3m以下であることがより好ましい。埋設管Bは、掘削溝Dに沿って配設される。埋設管Bの周囲には、埋設管Bを保護するための防護体Cが配置される。防護体Cとしては、例えば砕石、土、コンクリート、発泡ブロック等を用いることができる。埋設管Bと防護体Cとを備える下地Gが掘削溝Dの底部に形成される。埋設管Bは、例えばガス管や上下水道管、給湯用配管、電力ケーブルや通信ケーブル等の各種のケーブルが挿通されるケーブル保護管等である。
【0014】
構築された発泡ブロック集合体Aの周囲には、土砂H等が埋め戻され、上方には、必要に応じて路盤となる舗装層Eが形成されている。舗装層Eは、例えばそれを除去する際に路面カッター等の重機が必要となる固い層であってもよい。また、舗装層Eは、一層から構成される場合もあれば複数の層から構成される場合もあり、その層数や層構成は、路面の用途や耐荷重の大きさ等から決定される。
【0015】
上記発泡ブロック集合体Aにおいて、上記発泡ブロック層の少なくとも一層は、二つ以上の分割発泡ブロック(四角柱状発泡ブロックX)から構成された直方体状複合発泡ブロックYを含む。
また、上記直方体状複合発泡ブロックYは、直方体状複合発泡ブロックの上面から下面にわたって二つ以上に分割されていると共に、上記分割発泡ブロックが、それぞれ底面(柱軸に直交する断面)の形状が略台形である四角柱状発泡ブロックXにより構成されている(図2参照)。
発泡ブロック集合体Aにおいて、直方体状複合発泡ブロックYの上下面(上面及び下面)は、略水平に配置されていることが好ましい。なお、四角柱状発泡ブロックXの底辺側の側面が、直方体状複合発泡ブロックYの上下面をなすものとなる。
【0016】
また、上記四角柱状発泡ブロックXは、図2に示したように、上記四角柱状発泡ブロックXの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックXの側面との成す角αがいずれも90度以下である、底面(柱軸に直交する断面)の形状が略台形である四角柱状である。
【0017】
言い換えると、上記四角柱状発泡ブロックXとしては、図2に示したように、底面(柱軸に直交する断面)において、対向する一対の底辺1,2が略平行であり、かつ、該対向する一対の底辺1,2における第一の底辺(底辺の短辺)1が、第二の底辺(底辺の長辺)2の両端よりも突出することなく少なくとも一端が内方に位置し、該第一の底辺1と第二の底辺2との間に、第二の底辺2に向かって拡開する側辺3を有しているものである。
なお、上記四角柱状発泡ブロックXは、底辺が長辺と短辺とからなる略台形形状の底面を有する四角柱状発泡ブロックXとなる。
また、上記角αは、上記四角柱状発泡ブロックの上記底辺の長辺側の側面と、該底辺の長辺側の側面と交わる、二つの該底辺の長辺側の側面と隣接する側面との成す角とも表現できる。
四角柱状発泡ブロックXは、図2(a),(c),(d),(e)に示したように、一方のみ拡開する側辺3に形成され、他方の側辺は垂直に形成されていても、図2(b)に示したように、両方が拡開する側辺3に形成されていてもよい。また図2(f),(g)に示したように、階段状の拡開する側辺3に形成されていてもよい。
但し、四角柱状発泡ブロックXの加工が容易であると共に、発泡ブロック集合体Aの施工性、撤去性をより高める観点からは、四角柱状発泡ブロックXの側辺は直線状であることが好ましく、四角柱状発泡ブロックXの底面の形状が台形であることがより好ましい。また、四角柱状発泡ブロックXは直四角柱状の発泡ブロックであることが好ましい。
【0018】
上記直方体状複合発泡ブロックYは、上記した四角柱状発泡ブロックXの上記拡開する側辺3同士(四角柱状発泡ブロックXの拡開する側辺を含む側面同士)が当接することにより、2つ以上の分割発泡ブロック(四角柱状発泡ブロックX)から構成されている。例えば、直方体状複合発泡ブロックYとして、図2の(a),(b),(c)の底面形状の3つの四角柱状発泡ブロックXを組み合わせたもの、図2の(d),(e)の底面形状の2つの四角柱状発泡ブロックXを組み合わせたもの、図2の(f),(g)の底面形状の2つの四角柱状発泡ブロックXを組み合わせたもの等が挙げられる。発泡ブロック集合体Aの施工性、撤去性をより高める観点からは、直方体状複合発泡ブロックYは、2つ又は3つの分割発泡ブロックから構成されていることが好ましい。
なお、発泡ブロック集合体Aにおいて、該直方体状複合発泡ブロックYを構成する四角柱状発泡ブロックXは、四角柱状発泡ブロックの側面の内、柱軸方向において対向する、二つの底辺1あるいは二つの底辺2を含む側面が、直方体状複合発泡ブロックYの上下面となるように配置される。
図1に示した実施形態に係る発泡ブロック集合体Aにあっては、積層された全ての発泡ブロック層が、図2の(a),(b),(c)の底面形状の3つの四角柱状発泡ブロックXを組み合わせることにより構成された直方体状複合発泡ブロックYから構成されたものとなっている。
【0019】
四角柱状発泡ブロックXの加工が容易であると共に、発泡ブロック集合体Aの施工性、撤去性をより高める観点からは、直方体状複合発泡ブロックYは、四角柱状発泡ブロックXの側辺を含む側面(四角柱状発泡ブロックXの底辺側の側面以外の側面)の内、一方が斜面であり、他方が垂直な面である二つの四角柱状発泡ブロックXから形成されていること(図2の(d),(e)の組み合わせ)、又は四角柱状発泡ブロックXの側辺を含む側面の内、一方が斜面であり、他方が垂直な面である二つの四角柱状発泡ブロックXと、四角柱状発泡ブロックXの側辺を含む側面の両方が斜面である一つの四角柱状発泡ブロックXとから形成されていること(図2の(a),(b),(c)の組み合わせ)が好ましい。また、側方に生じる土圧等による該四角柱状発泡ブロックXの浮きをより抑制しやすくなる観点からは、直方体状複合発泡ブロックYは、四角柱状発泡ブロックXの側辺を含む側面の内、一方が斜面であり、他方が垂直な面である二つの四角柱状発泡ブロックXと、四角柱状発泡ブロックXの側辺を含む側面の両方が斜面である一つの四角柱状発泡ブロックXとから形成されていること(図2の(a),(b),(c)の組み合わせ)がより好ましい。
【0020】
上記発泡ブロック集合体Aは、発泡ブロックとして、底面の形状が略台形である四角柱状発泡ブロックXを複数含むものであり、該四角柱状発泡ブロックXの柱軸方向が、上記掘削溝Dの延在方向に沿って配置されている。
【0021】
上記四角柱状発泡ブロックXの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックXの側面との成す角αの少なくとも一方(四角柱状発泡ブロックXの上記底面(柱軸に直交する断面)における、上記第二の底辺2と該第二の底辺2と交わる上記拡開する側辺3とにより形成される角部の角度α)は、60度以上90度未満であることが好ましく、70度以上85度以下であることがより好ましい。このように比較的深い角度(鉛直に近い角度)で側面が形成されていることで、掘削溝D内等に配置されて埋設された際に、側方に生じる土圧等による該四角柱状発泡ブロックXの浮きを抑制することができ、良好な発泡ブロック集合体Aを安定して形成することができる。
また、側方に生じる土圧等による該四角柱状発泡ブロックXの浮きをより抑制しやすくなる観点からは、直方体状複合発泡ブロックYが、上記四角柱状発泡ブロックXの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックXの側面との成す角がいずれも60度以上90度未満である四角柱状発泡ブロックXを含むことが好ましく、該角がいずれも70度以上85度以下である四角柱状発泡ブロックXを含むことがより好ましい。
【0022】
また、四角柱状発泡ブロックXの上記底面における、底辺の長辺の長さ(上記第二の底辺2の長さ)は0.1m以上1m以下であることが好ましく、上記長辺の長さに対する底辺の短辺の長さ(上記第一の底辺1の長さ)の比は0.6以上であることが好ましい。このような形状・寸法の四角柱状発泡ブロックXは、取扱性に優れていると共に、細い第一の底辺1側においても欠けや割れが生じ難いものとなるために好ましい。かかる観点から、上記底辺の長辺の長さは0.2m以上であることが好ましい。また、上記底辺の長辺の長さは0.8m以下であることが好ましく、0.6m以下であることがより好ましく、0.5m以下であることがさらに好ましい。また、上記底辺の長辺の長さに対する上記底辺の短辺の長さの比は0.7以上0.9以下であることがより好ましい。
【0023】
また、四角柱状発泡ブロックXの柱軸方向βにおける長さは、0.5m以上3m以下であることが好ましく、1m以上2.5m以下であることがより好ましい。また、四角柱状発泡ブロックXの高さ(上記第一の底辺1と上記第二の底辺2との間の長さ)は、0.1m以上1m以下であることが好ましく、0.3m以上0.8m以下であることがより好ましい。このような形状・寸法の四角柱状発泡ブロックXは、取扱性に優れており、該四角柱状発泡ブロックXを用いた発泡ブロック集合体Aの構築作業性、また構築した発泡ブロック集合体Aの解体作業性が良好なものとなる。同様の観点から、四角柱状発泡ブロックXの体積は、0.1m以上であることが好ましく、0.2m以上であることがより好ましい。また四角柱状発泡ブロックXの体積は、2m以下であることが好ましく、1m以下であることがより好ましく、0.6m以下であることがさらに好ましい。
【0024】
上記四角柱状発泡ブロックXを構成する基材樹脂としては、軽量盛土の構築に一般的に使用されている直方体状発泡ブロックを構成する基材樹脂と同様の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。中でも、軽量性、耐水性、耐久性等の特性並びにコスト等に優れることから、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする四角柱状発泡ブロックXを用いることが好ましく、ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする四角柱状発泡ブロックXを用いることがより好ましい。
なお、四角柱状発泡ブロックXを構成する基材樹脂として例示した樹脂を、四角柱状発泡ブロックX以外の発泡ブロックを構成する基材樹脂として使用することができる。また、四角柱状発泡ブロックXを構成する基材樹脂と、四角柱状発泡ブロックX以外の発泡ブロックを構成する基材樹脂は、同種の樹脂であることがより好ましい。
【0025】
また、上記四角柱状発泡ブロックXの高さ方向における10%変形圧縮応力は、荷重による発泡ブロック集合体Aの変形を抑制し、軽量盛土構造の強度を高める観点から、30kN/m以上であることが好ましく、50kN/m以上であることがより好ましく、100kN/m以上であることがさらに好ましい。なお、10%変形圧縮応力の上限は、概ね600kN/mであることが好ましく、500kN/mであることがより好ましい。
なお、上記10%変形圧縮応力は、JIS K7220:2006に準じて圧縮試験を行うことにより測定される、圧縮歪みが10%の時の圧縮応力〔kN/m〕である。
また、四角柱状発泡ブロックXの見掛け密度は、軽量であると共に、強度が良好となる観点から、12kg/m以上100kg/m以下であることが好ましく、15kg/m以上60kg/m以下であることがより好ましく、20kg/m以上50kg/m以下であることがさらに好ましい。
【0026】
上記四角柱状発泡ブロックXの製法としては、特に限定されるものではないが、例えば、発泡粒子を型内成形することにより、上記形状を有する発泡粒子成形体(四角柱状発泡ブロックX)を製造する方法や、所定形状に形成された既製の発泡ブロックを、切断等により加工することにより、上記形状を有する四角柱状発泡ブロックXを製造する方法が挙げられる。なお、板状の発泡体を複数積層すること等によって発泡ブロックや四角柱状発泡ブロックXを形成してもよい。
【0027】
直方体状複合発泡ブロックYにおける、上記四角柱状発泡ブロックXの拡開する側辺3同士が当接する面積は、0.1m以上5m以下であることが好ましく、0.5m以上3.5m以下であることがより好ましい。四角柱状発泡ブロックX同士が上記した面積で当接していることが、構築される発泡ブロック集合体Aの構造安定性を高める観点から好ましい。
【0028】
また、上記直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層は、発泡ブロック集合体Aの高さ方向において、少なくとも下地G上面から発泡ブロック集合体Aの最大高さの50%の位置までの範囲に配置されていることが好ましい。これは、発泡ブロック集合体Aの下部に位置する発泡ブロックほど土圧の影響等により撤去し難いものとなるため、発泡ブロック集合体Aの下方部に撤去性を向上させる上記直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層が配置されていることが好ましい。なお、最大高さの50%の位置に、発泡ブロック層の少なくとも一部が存在している場合、その発泡ブロック層は最大高さの50%の位置までの範囲に配置されているものとする。
かかる観点から、発泡ブロック集合体Aの高さ方向において、下地G上面から発泡ブロック集合体Aの最大高さの50%の位置までの範囲に配置されている直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層数の割合は、発泡ブロック集合体Aの最大高さの50%の位置までの範囲に存在する発泡ブロック層数を100%としたときに、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。
また、同様の観点から、発泡ブロック集合体A中の上記直方体状複合発泡ブロックYを構成する四角柱状発泡ブロックXの体積割合は、概ね20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。一方、発泡ブロック集合体Aの構築作業性を高める観点や、発泡ブロック集合体Aの構造安定性を高める観点からは、発泡ブロック集合体A中の上記直方体状複合発泡ブロックYを構成する四角柱状発泡ブロックXの体積割合は、85%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましい。
【0029】
発泡ブロック集合体Aの高さ方向において、下層側に位置する直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層は、上層側に位置する直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層に対して、四角柱状発泡ブロックXの上記底面における上記角部の角度αが小さく形成されていることが好ましい。発泡ブロック集合体Aの下層側に位置する発泡ブロック層は、掘削溝D内等に配置されて埋設された際に側方に生じる土圧等の影響がより大きくなるため、四角柱状発泡ブロックXを引き抜き難い傾向にあるが、下層側に位置する直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層における四角柱状発泡ブロックXの角部の角度αを比較的浅く形成することで、四角柱状発泡ブロックXの引き抜き性を高めることができる。かかる観点から、発泡ブロック集合体Aの高さ方向において、最下層側に位置する直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層における四角柱状発泡ブロックXの上記底面における上記角部の角度αは、最上層側に位置する直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層における四角柱状発泡ブロックXの上記底面における上記角部の角度αよりも小さいことが好ましく、1~10度小さいことがより好ましい。
【0030】
上記した直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層を有する発泡ブロック集合体Aを構築するにあたっては、直方体状複合発泡ブロックYを構成する四角柱状ブロックXが連結具により連結されていることが好ましい。この場合、直方体状複合発泡ブロックYを輸送しやすくなると共に、直方体状複合発泡ブロックYの施工性をより高めることができる。連結具としては、L型ピン、緊結金具等が挙げられる。例えば図3に示したように、四角柱状発泡ブロックXの拡開する側辺3同士を当接させて直方体状複合発泡ブロックYを構成するに際し、その当接する拡開する側辺3同士をL型ピン10を突き刺すことにより連結すること、また、図4に示したように、両爪型の緊結金具20を用い、上下左右に隣接する四角柱状発泡ブロックX同士を連結すること等は、安定した発泡ブロック集合体Aを構築する上で好ましい。
また、四角柱状発泡ブロックXの施工性や撤去性を高めるために、四角柱状発泡ブロックXに取っ手を設けても良い。
【0031】
また、より解体の容易な発泡ブロック集合体Aを構築する観点からは、直方体状複合発泡ブロックYにおける四角柱状発泡ブロックXの合わせ面に、シート状物が介在していることが好ましい。この際、シート状物は、直方体状複合発泡ブロックYの外方に露出していることが好ましい。シート状物としては、摩擦係数を低減させるようなシート等を用いることができる。例えば図5に示したように、直方体状複合発泡ブロックYを構成するにあたって、中央に配置する四角柱状発泡ブロックXにシート30を挟み込むことは、該発泡ブロックをより引き抜き容易にするために好ましい。介在させるシートの材質としては、引張強度を有し柔軟性を有するものが好ましく、例えばポリエチレンシートやポリプロピレンシート等が挙げられる。これらのシートは、予め四角柱状発泡ブロックXに貼着されていてもよく、現場においてシートを四角柱状発泡ブロックX間に挟み込む作業を行ってもよい。
【0032】
上記した本発明に係る軽量盛土構造体Sは、例えば次のようにして構築することができる。
【0033】
先ず、埋設管を配設する箇所の土砂を掘って掘削溝Dを形成し、その掘削溝Dの底部に埋設管Bを設置する。掘削溝Dは、埋設管Bの外径よりも十分に幅広に形成し、埋設管Bの左右両側に所定の余裕を持たせておく。そして、その埋設管Bの周囲に防護体C等を配置し、掘削溝Dの底面上に下地Gを形成する。
【0034】
続いて、掘削溝Dの下地G上に、複数の直方体状の発泡ブロックから構成される発泡ブロック層を複数層積層してなる発泡ブロック集合体Aを構築する。
ここで、上記発泡ブロック層の少なくとも一層を、二つ以上の分割発泡ブロック(四角柱状発泡ブロックX)から構成された直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層から構成する。この発泡ブロック集合体Aの構築に際して、直方体状複合発泡ブロックYは、直方体状複合発泡ブロックの上面から下面にわたって二つ以上に分割されていると共に、上記分割発泡ブロックが、底面の形状が略台形である四角柱状発泡ブロックXにより構成されている。また、直方体状複合発泡ブロックYにおいて、上記四角柱状発泡ブロックXの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックの側面との成す角αがいずれも90度以下となっている。
なお、直方体状複合発泡ブロックYは、二つ以上の上記した四角柱状発泡ブロックXの上記拡開する側辺3同士を当接させることにより形成される。また、発泡ブロック集合体Aにおいて、直方体状複合発泡ブロックYの上下面(上面及び下面)は、略水平に配置される。
そして、上記四角柱状発泡ブロックXの柱軸方向βと上記掘削溝Dの延在方向とを一致させて、前記直方体状複合発泡ブロックYを前記掘削溝D内に配置する。このようにして、直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層を少なくとも一層形成する。発泡ブロック集合体Aを構築する際には、必要に応じて、軽量盛土の構築に一般的に使用されている直方体状発泡ブロックを積層載置し、発泡ブロック集合体Aを構築する。なお、図1に示した実施形態に係る発泡ブロック集合体Aにあっては、積層された3層全ての発泡ブロック層が、四角柱状発泡ブロックXを組み合わせることにより構成された直方体状複合発泡ブロックYから構成されたものとなっている。
【0035】
続いて、構築された発泡ブロック集合体Aの周囲に、土砂H等を埋め戻し、上方に、必要に応じて路盤となる舗装層Eを形成し、軽量盛土構造体Sが完成する。
【0036】
上記した本発明に係る軽量盛土構造体、発泡ブロック及び軽量盛土構造体の構築方法によれば、構築した発泡ブロック集合体Aの撤去作業が容易なものとなる。これを、図1に示した軽量盛土構造体Sの解体作業を例に挙げて、次に説明する。
【0037】
先ず、図6(a)に示したように、軽量盛土構造体Sの舗装層Eを重機等によって取り除く。舗装層Eを取り除くと、発泡ブロック集合体Aが表出するので、作業者は、撤去する発泡ブロック集合体Aの位置を容易に知ることができる。
【0038】
続いて、図6(b)に示したように、最上層の複数の四角柱状発泡ブロックXから構成される直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層中の、中央部の四角柱状発泡ブロックXを先ず撤去する。この中央部の四角柱状発泡ブロックXの撤去作業は、その形状から、土圧や他の発泡ブロックとの摩擦などの影響を受け難く、人力により容易に撤去することができる。
なお、特許文献1のような従来の方法では、発泡樹脂製の防護ブロック体を取り除く際に、周囲の土砂を取り除かないと、土圧や、土砂と防護ブロック体との摩擦などで、該防護ブロック体の撤去することが困難であり、その作業は重機を用いた大掛かりなものとなることから、撤去工事が煩雑なものとなっていたが、本発明においては、撤去工事を容易なものとすることができる。
【0039】
続いて、図6(c)に示したように、最上層の複数の四角柱状発泡ブロックXから構成される直方体状複合発泡ブロックYを含む発泡ブロック層中の、両端部の四角柱状発泡ブロックXを撤去する。この両端部の四角柱状発泡ブロックXの撤去作業は、端部の四角柱状発泡ブロックXを中央部方向に寄せる、即ち、周囲の土砂Hから離して撤去することができることから、土圧や他の発泡ブロックとの摩擦などの影響を受け難く、やはり人力により容易に撤去することができる。
【0040】
続いて、図6(d)に示したように、第二層及び最下層を構成する四角柱状発泡ブロックXを、上記したと同様の方法により撤去し、埋設管Bの周囲の砕石或いは保護体Cを取り除くことにより、埋設管Bを露出させることができ、その修復を行うことができる。
【0041】
上記したことから、本発明に係る軽量盛土構造体、発泡ブロック及び軽量盛土構造体の構築方法は、地震等の大規模災害によって修復が必要となった埋設管の上方を埋める盛土構造として利用した場合、その盛土の撤去が重機を使用することなく容易に人力により行えるものとなる。また、撤去する際に盛土材である発泡ブロックに損傷を与えることが少ないため、撤去した発泡ブロックを軽量盛土構造の構築に再利用しやすくなる。
【0042】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、既述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想としての軽量盛土構造体、発泡ブロック及び軽量盛土構造体の構築方法の範囲内において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
例えば、上記実施形態においては、埋設管Bを配設した比較的幅が狭く、高さも低い掘削溝Dに構築する軽量盛土構造体Sについて説明したが、図7(a)に示したように、地下施設上に構築される幅も広く高さも高い大掛かりな軽量盛土構造体についても、また、図7(b)に示したように、橋台背面のような段状の下地上に構築する軽量盛土構造体についても適用可能なものである。なお、図7(a)、(b)の軽量盛土構造体においては、図2(d)、(e)に示す四角柱状発泡ブロックXを組み合わせることにより構成された直方体状複合発泡ブロックYを発泡ブロック層中に含むものとなっている。また、図7は、構築した発泡ブロック集合体の解体途中を図示したものである。また、図7において、図1と同一部材、部分については同一符号を付し、Oは一般的に盛土材として使用されている直方体状発泡ブロック、Fは地下駐車場、地下水槽等の地下施設である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る軽量盛土構造体、発泡ブロック及び軽量盛土構造体の構築方法は、構築した発泡ブロック集合体の撤去作業が容易なものとなるので、構築後、修復等のために撤去が必要となることが予想される盛土構造体を構築するために、広く利用することができるものである。
【符号の説明】
【0044】
G・・・下地
A・・・発泡ブロック集合体
B・・・埋設管
C・・・防護体
D・・・掘削溝
E・・・舗装層
H・・・砕石,土砂等
S・・・軽量盛土構造体
X・・・四角柱状発泡ブロック
1,2・・・対向する一対の底辺
1・・・第一の底辺(底辺の短辺)
2・・・第二の底辺(底辺の長辺)
3・・・拡開する側辺
α・・・四角柱状発泡ブロックの上下面の一方と、該上下面の一方と交わる二つの四角柱状発泡ブロックの側面との成す角
β・・・四角柱状発泡ブロックの柱軸方向
Y・・・二つ以上の分割発泡ブロック(四角柱状発泡ブロック)から構成された直方体状複合発泡ブロック
10・・・L型ピン
20・・・緊結金具
30・・・シート
O・・・直方体状発泡ブロック
F・・・地下施設
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7