(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182591
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】洗濯乾燥機
(51)【国際特許分類】
D06F 58/02 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
D06F58/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090232
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】辻 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 純也
(72)【発明者】
【氏名】塚本 智幸
(72)【発明者】
【氏名】福井 秋陸
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA05
3B166AB23
3B166AB30
3B166AB32
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA35
3B166BA55
3B166CA01
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3B166CB01
3B166CB11
3B166CB13
3B166CD02
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3B166CD15
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3B166DC12
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3B166DC45
3B166DC47
3B166DE01
3B166DE02
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3B166EA03
3B166EA14
3B166EA18
3B166EA37
3B166EB03
3B166EB17
3B166ED05
3B166GA02
3B166GA12
(57)【要約】
【課題】冷却器で発生した凝縮水が加熱器に付着することを防止でき得る洗濯乾燥機を提供する。
【解決手段】洗濯乾燥機は、外槽に接続された循環路を備える。循環路は、送風器が配置された位置よりも下流側に、冷却器130および加熱器140が、加熱器140の上流側に冷却器130が位置するように配置される第2ダクト113を含む。第2ダクト113の内部には、第2ダクト113の底面壁303に沿って第2ダクト113内の空気の流れと直交する方向に延び、冷却器130の下流側から冷却器130と底面壁303との間の隙間に重なる防壁部340が設けられる。防壁部340には、冷却器130側に張り出し、冷却器130に接触する鍔部344が形成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置された外槽と、
前記外槽内に配置され、洗濯物が収容される洗濯槽と、
前記外槽に接続された循環路と、
前記循環路内に配置され、前記外槽と前記循環路との間で空気を循環させる送風器と、
前記循環路内を流れる空気を冷却し除湿を行う冷却器と、
前記循環路内を流れる空気を加熱する加熱器と、を備え、
前記循環路は、前記送風器が配置された位置よりも下流側に、前記冷却器および前記加熱器が、前記加熱器の上流側に前記冷却器が位置するように配置されるダクトを含み、
前記ダクトの内部には、前記ダクトの底面壁に沿って前記ダクト内の空気の流れと直交する方向に延び、前記冷却器の下流側から前記冷却器と前記底面壁との間の隙間に重なる防壁部が設けられ、
前記防壁部には、前記冷却器側に張り出し、前記冷却器に接触する鍔部が形成される、
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記防壁部は、前記底面壁から突出するリブと、当該リブに上方から被さるカバー部とを、を含み、
前記カバー部に前記鍔部が形成される、
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の洗濯乾燥機において、
前記鍔部は、弾性材料により形成される、
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項4】
請求項3記載の洗濯乾燥機において、
前記鍔部は、第1鍔と、当該第1鍔の上に設けられ、前記第1鍔よりも短く張り出す第2鍔と、を含む、
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の洗濯乾燥機において、
前記底面壁には、
前記防壁部よりも下流側であって前記加熱器よりも上流側に、排水口を有する排水凹部が形成され、
前記排水凹部よりも上流側に、前記排水凹部へ向かって下り傾斜し、前記排水凹部に繋がる排水溝が形成される、
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の洗濯乾燥機において、
前記底面壁には、前記加熱器の配置領域に、当該配置領域に侵入した水を排出するための排水部が設けられる、
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
外槽に接続された取出口および戻し口を有する空気循環路と、外槽内の空気を取出口から空気循環路内に取り出して戻し口から外槽内に戻すことによって循環させる送風部と、空気循環路内に設けられ、冷媒と空気循環路内の空気との間で熱交換を行う熱交換器とを備える洗濯乾燥機が、以下の特許文献1に記載されている。
【0003】
この洗濯乾燥機において、空気循環路は、外槽よりも高い位置で前後方向に延びる途中部分を含む。さらに、熱交換器は、途中部分内において送風部の回転羽根よりも下流側に配置された加熱側の第1熱交換器と、第1熱交換器の下流側に配置された冷却側の第2熱交換器とを含む。第1熱交換器と第2熱交換器は、前後方向に並ぶ。
【0004】
第1熱交換器には、高温の冷媒が流れる。第1熱交換器を通過する空気が冷媒との熱交換により加熱されて熱風となる。第2熱交換器には、低温の冷媒が流れる。洗濯物から蒸発した水分を含む空気が、第2熱交換器を通過する際に冷媒との熱交換により冷却されて除湿される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の洗濯乾燥機において、加熱器である第1熱交換器と、冷却器である第2熱交換器との位置を入れ替え、第2熱交換器を第1熱交換器の上流側に配置することにより、第2熱交換器で除湿された後の空気を第1熱交換器により加熱するような構成を採ることができる。
【0007】
上記のような構成が採られた場合、送風部の下流側に、第2熱交換器と第1熱交換器とがこの順番に並ぶため、送風部から送り出された勢いの強い空気、即ち熱風が、第2熱交換器を通過しやすくなる。送風部からの空気は、放熱フィンの間を通過するだけでなく、第2熱交換器と空気循環路の底面との間を通過する。第2熱交換器と空気循環路の底面との間は、放熱フィンの間よりも風路抵抗が小さいため、通過する空気の勢いが落ちにくい。
【0008】
空気との熱交換により第2熱交換器、即ち第2熱交換器の放熱フィンに結露した水は、放熱フィンを下方へ伝って空気循環路の底面に落ちる。上記のような構成が採られた場合、冷却器と空気循環路の底面との間を流れる空気によって底面に存在する水が下流側へ飛ばされ、飛ばされた水が第1熱交換器に付着して加熱の妨げとなってしまうことが懸念される。
【0009】
本願発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、冷却器で発生した凝縮水が加熱器に付着することを防止でき得る洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主たる態様に係る洗濯乾燥機は、筐体内に配置された外槽と、前記外槽内に配置され、洗濯物が収容される洗濯槽と、前記外槽に接続された循環路と、前記循環路内に配置され、前記外槽と前記循環路との間で空気を循環させる送風器と、前記循環路内を流れる空気を冷却し除湿を行う冷却器と、前記循環路内を流れる空気を加熱する加熱器と、を備える。ここで、前記循環路は、前記送風器が配置された位置よりも下流側に、前記冷却器および前記加熱器が、前記加熱器の上流側に前記冷却器が位置するように配置されるダクトを含む。前記ダクトの内部には、前記ダクトの底面壁に沿って前記ダクト内の空気の流れと直交する方向に延び、前記冷却器の下流側から前記冷却器と前記底面壁との間の隙間に重なる防壁部が設けられる。前記防壁部には、前記冷却器側に張り出し、前記冷却器に接触する鍔部が形成される。
【0011】
上記の構成によれば、冷却器と底面壁との間を流れる空気により下流側へと飛ばされた水が防壁部で止められる。さらに、防壁部に沿って吹き上がった空気により上方に飛ばされた水が鍔部により止められる。これにより、冷却器で発生した凝縮水が、加熱器の配置領域に侵入して加熱器に付着することを防止でき、加熱器の加熱が妨げられることを防止できる。
【0012】
本態様に係る洗濯乾燥機において、前記防壁部は、前記底面壁から突出するリブと、当該リブに上方から被さるカバー部とを、を含むような構成とされ得る。この場合、前記カバー部に前記鍔部が形成され得る。
【0013】
上記の構成によれば、リブにカバー部を被せることにより、鍔部を有する防壁部をダクト内に容易に形成できる。
【0014】
本態様に係る洗濯乾燥機において、前記鍔部は、弾性材料により形成され得る。
【0015】
上記の構成によれば、鍔部は、弾性変形することにより、冷却器に強く接触しやすくなる。これにより、上方に飛ばされた水が、鍔部を越えて上方に漏れ出しにくくなる。
【0016】
上記の構成とされた場合、さらに、前記鍔部は、第1鍔と、当該第1鍔の上に設けられ、前記第1鍔よりも短く張り出す第2鍔と、を含むような構成とされ得る。
【0017】
上記の構成によれば、鍔部が、上下方向に第1鍔と第2鍔による二重構造となるため、一層、鍔部の上方に水が漏れ出しにくくなる。しかも、第2鍔は、第1鍔よりも張り出しが少なく、第1鍔に比べて冷却器に強く接触しにくいので、鍔部全体として、冷却器をダクト内に配置する際の冷却器への抵抗となりにくく、配置の妨げになりにくい。
【0018】
本態様に係る洗濯乾燥機において、前記底面壁には、前記防壁部よりも下流側であって前記加熱器よりも上流側に、排水口を有する排水凹部が形成され得る。この場合、前記排水凹部よりも上流側に、前記排水凹部へ向かって下り傾斜し、前記排水凹部に繋がる排水溝が形成され得る。
【0019】
上記の構成によれば、防壁部で止めた水を、底面壁に落ちた他の水とともに排水溝を通じて排水凹部に流し、排出口から排出できる。
【0020】
本態様に係る洗濯乾燥機において、前記底面壁には、前記加熱器の配置領域に、当該配置領域に侵入した水を排出するための排水部が設けられ得る。
【0021】
上記の構成によれば、配置領域内に水が浸入し、その底部に溜まるようなことが生じても、溜まった水がダクトから漏れ出して外槽内に侵入する、ということを防止できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、冷却器で発生した凝縮水が加熱器に付着することを防止でき得る洗濯乾燥機を提供できる。
【0023】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る、洗濯機乾燥機の構成を模式的に示す側面断面図である。
【
図2】
図2(a)は、実施の形態に係る、乾燥装置が装着された外槽を後上方から見た斜視図である。
図2(b)は、実施の形態に係る、排気口の周辺が示された外槽の要部の斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る、冷却器および加熱器が配置された、上ケースが外された状態の第2ダクトの平面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る、冷却器および加熱器が配置された第2ダクトを、排水凹部の位置で前後方向に切断した断面図である。
【
図5】
図5(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、冷却器および加熱器の斜視図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る、下ケースの斜視図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る、パッキンが取り外された下ケースを、冷却器の配置領域の前方で切断した斜視断面図である。
【
図8】
図8(a)は、実施の形態に係る、パッキンを後上方から見た斜視図である。
図8(b)および(c)は、それぞれ、実施の形態に係る、パッキンの正面断面図および側面断面図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る、第2ダクト内の防壁部の周辺を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の洗濯乾燥機の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、洗濯乾燥機1の構成を模式的に示す側面断面図である。
図2(a)は、乾燥装置100が装着された外槽20を後上方から見た斜視図である。
図2(b)は、排気口203の周辺が示された外槽20の要部の斜視図である。
【0027】
本実施の形態の洗濯乾燥機1は、いわゆるドラム式の洗濯乾燥機である。洗濯乾燥機1は、直方体状の筐体10を備える。筐体10の前面には、洗濯物が投入される円形の投入口11が形成される。投入口11は、開閉自在なドア12により覆われる。
【0028】
筐体10内には、外槽20が、複数のダンパー21とスプリング22とにより弾性的に支持される。外槽20は、円筒状の周面壁201と円盤状の後面壁202とを有する。外槽20内には、ドラム23が回転自在に配置される。ドラム23は、水平軸Lの周りに回転する。ドラム23は、前面に円形の開口部23aを有する。外槽20は、ドラム23の開口部23aの前方に円形の開口部20aを有する。
【0029】
ドラム23の周面壁には、多数の脱水孔23bが形成される。また、ドラム23内には、周面壁に、洗濯物を掻き揚げるためのバッフル24が設けられる。ドラム23は、本発明の洗濯槽に相当する。
【0030】
外槽20の後方には、ドラム23を回転させるためのトルクを発生させる駆動モータ30が配置される。駆動モータ30は、たとえば、アウターロータ型のDCブラシレスモータである。駆動モータ30は、洗い工程およびすすぎ工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力より小さく、洗濯物がタンブリングする回転数でドラム23を回転させる。一方、駆動モータ30は、脱水工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力よりはるかに大きく、洗濯物がドラム23の周面壁に張り付く回転数でドラム23を回転させる。
【0031】
外槽20の底部には、排水口20bが形成される。排水口20bには、排水ホース等により構成される排水路40が接続される。排水路40には、排水バルブ41と排水フィルタ42が設けられる。排水バルブ41は、たとえば、バルブと、バルブを開閉させるトルクモータとを含む。排水バルブ41が開放されると、外槽20内に溜められた水が排水路40を通じて機外に排出される。排水フィルタ42により、排水に含まれるリント等の異物が捕獲される。
【0032】
筐体10内の上部には、給水部50が配置される。給水部50は、第1給水バルブ51と、第2給水バルブ52と、第1給水ホース53と、第2給水ホース54とを含む。第1給水バルブ51と第2給水バルブ52は、2連電磁バルブによって構成される。第1給水ホース53は、一端が第1給水バルブ51に接続され、他端が外槽20の後面壁202に設けられた注水口20cに接続される。第2給水ホース54は、一端が第2給水バルブ52に接続され、他端が給水路160に接続される。
【0033】
第1給水バルブ51が開放されると、水道栓からの水道水が第1給水ホース53を流れて注水口20cから外槽20内に供給される。第2給水バルブ52が開放されると、水道水が第2給水ホース54を流れて給水路160に供給される。
【0034】
筐体10内の上部には、ドラム23内の洗濯物を乾燥させるための乾燥装置100が配置される。乾燥装置100は、循環路110と、送風器120と、冷却器130と、加熱器140と、乾燥フィルタ150と、給水路160と、ワイパ機構170と、を備える。
【0035】
循環路110は、空気が流れる風路であり、外槽20に接続される。循環路110は、第1ダクト111と、ファンケーシング112と、第2ダクト113と、導入パイプ114とを含む。
【0036】
図2(b)に示すように、外槽20の周面壁201には、その後部であって、外槽20の中心よりも上側の部分に排気口203が設けられる。排気口203は、前後方向、即ち外槽20の軸方向に長く角が丸い長方形状を有する。
【0037】
図2(a)に示すように、第1ダクト111は、外槽20の後部において、周面壁201に配置されて排気口203に接続され、排気口203から周面壁201に沿って周面壁201の頂上側へ延びる。ファンケーシング112は、外槽20の後部において、周面壁201の上方であって、周面壁201の頂上よりも右側の第1ダクト111の上方に配置される。
【0038】
ファンケーシング112は、扁平な中空円柱状に形成され、下面に吸込口を有し、周面に吐出口を有する。第1ダクト111は、フレキシブルな接続ホース115を介してファンケーシング112の吸込口に接続される。
【0039】
第2ダクト113は、前後方向に長いほぼ直方体の箱状を有し、周面壁201の上方であって、ファンケーシング112の前方に配置される。第2ダクト113は、後端がファンケーシング112の吐出口に接続される。導入パイプ114は、第2ダクト113の前端から延びて、外槽20の前上部に形成された吸気口204に接続される。導入パイプ114は、第2ダクト113と一体形成された第1パイプ114aと、第1パイプ114aと吸気口204との間を繋ぐ第2パイプ114bとで構成される。第2ダクト113の底部には、冷却器130により空気から凝縮された水が排出されるドレインホース116が接続される。ドレインホース116は、図示しない接続ホースを介して、外槽20に接続される。なお、第2ダクト113は、本発明のダクトに相当する。
【0040】
送風器120は、たとえば、遠心ファンであり、ファンケーシング112内に収容されたファン121と、ファン121を回転駆動するためのファンモータ122とを含む。送風器120は、外槽20と循環路110との間で空気を循環させる。排気口203を通じて外槽20内から排出された空気は、第1ダクト111、ファンケーシング112、第2ダクト113、導入パイプ114の順に循環路110内を流れ、吸気口204を通じて外槽20内に戻る。送風器120とファンケーシング112とにより送風ユニットが構成される。
【0041】
冷却器130および加熱器140は、それぞれ、第2ダクト113内の上流側および下流側に配置される。冷却器130および加熱器140は、それぞれ、ヒートポンプ装置に含まれるエバポレータおよびコンデンサにより構成される。ヒートポンプ装置には、エバポレータおよびコンデンサとともに冷熱回路を構成するコンプレッサ、膨張弁等が含まれる。
【0042】
冷却器130の内部には、低温の冷媒が流れる。冷却器130は、第2ダクト113内、即ち循環路110内を流れる空気を、低温の冷媒との間の熱交換により冷却して、空気の除湿を行う。加熱器140の内部には、高温の冷媒が流れる。加熱器140は、第2ダクト113内、即ち循環路110内を流れる除湿後の空気を、高温の冷媒との間の熱交換により加熱する。
【0043】
乾燥フィルタ150、給水路160およびワイパ機構170は、第1ダクト111に配置される。乾燥フィルタ150は、第1ダクト111内において、風路を塞ぐように配置される。乾燥フィルタ150は、循環路110内において、送風器120、冷却器130および加熱器140よりも空気の流れの上流に位置する。乾燥フィルタ150は、外槽20から排出された空気に含まれるリント等の異物を捕獲する。
【0044】
給水路160とワイパ機構170は、乾燥フィルタ150を清掃するためものである。給水路160は、給水部50から供給された水を乾燥フィルタ150に流し、乾燥フィルタ150の捕獲面に付着した異物を流す。ワイパ機構170は、捕獲面を移動するワイパ171を含み、ワイパ171により捕獲面に付着した異物を拭き取る。
【0045】
図3は、冷却器130および加熱器140が配置された、上ケース302が外された状態の第2ダクト113の平面図である。
図4は、冷却器130および加熱器140が配置された第2ダクト113を、排水凹部313の位置で前後方向に切断した断面図である。
図5(a)および(b)は、それぞれ、冷却器130および加熱器140の斜視図である。
図6は、下ケース301の斜視図である。
図7は、パッキン341が取り外された下ケース301を、冷却器130の配置領域320の前方で切断した斜視断面図である。
図8(a)は、パッキン341を後上方から見た斜視図である。
図8(b)および(c)は、それぞれ、パッキン341の正面断面図および側面断面図である。
図9は、第2ダクト113内の防壁部340の周辺を模式的に示す図である。
【0046】
図3ないし
図9を参照し、第2ダクト113、冷却器130および加熱器140の構成について詳細に説明する。
【0047】
第2ダクト113は、上面が開口する下ケース301と下面が開口する上ケース302とを結合することにより構成される。第2ダクト113は、樹脂材料で形成され、底面壁303、天面壁304、前側面壁305、後側面壁306、右側面壁307および左側面壁308を含む。
【0048】
底面壁303は、右端部がほぼ水平であり、右端部よりも左側の部分が左端に向かって上り傾斜する形状を有する。後側面壁306には、左右方向に長い長方形状の流入口309が形成される。流入口309には、ファンケーシング112の吐出口が接続される。前側面壁305には、左右方向に細長い形状の流出口310が形成される。流出口310には、第2ダクト113と一体形成された導入パイプ114の第1パイプ114aが接続される。ファンケーシング112から送出された空気は、第2ダクト113内を後方から前方へ流れる。
【0049】
第2ダクト113の内部おいて、上流側となる後側の配置領域320に冷却器130が配置され、下流側となる前側の配置領域330に加熱器140が配置される。冷却器130と加熱器140は、互いに接近した状態で前後方向に直線的に並ぶ。
【0050】
図5(a)に示すように、冷却器130は、エバポレータであり、前後方向に並ぶ3つの熱交換器131と、これら熱交換器131を接続するための2つの接続管132と、を含む。各熱交換器131は、冷媒が流れる扁平なパイプを上下方向に蛇行させることにより構成され、蛇行部分に多数の放熱フィン131aを有する。冷却器130には、上側の接続管132の前部に冷媒の入口133が設けられ、下側の接続管132の後部に冷媒の出口134が設けられる。
【0051】
図5(b)に示すように、加熱器140は、コンデンサであり、前後方向に並ぶ4つの熱交換器141と、これら熱交換器141を接続するための2つの接続管142と、を含む。各熱交換器141は、冷媒が流れる扁平なパイプを左右方向に蛇行させることにより構成され、蛇行部分に多数の放熱フィン141aを有する。加熱器140には、上側の接続管142の前部および後部に、それぞれ冷媒の入口143および出口144が設けられる。
【0052】
冷却器130および加熱器14は、正面の形状が、第2ダクト113の正面の断面形状に対応している。
【0053】
図3に示すように、第2ダクト113の内部には、2つの配置領域320,330の右側に、前後方向に延びる仕切壁311により仕切られた収容部312が設けられる。仕切壁311は、下側部分が下ケース301に形成され、上側部分が上ケース302に形成される。
【0054】
図示しないコンプレッサの吐出口および吸込口からそれぞれ延びる送り管181および戻り管182が収容部312に導入される。送り管181は、加熱器140の入口143に接続される。戻り管182は、冷却器130の出口134に接続される。
【0055】
収容部312には、膨張弁であるキャピラリーチューブ183を有する接続管184が配置される。接続管184の入口が加熱器140の出口144に接続され、接続管184の出口が冷却器130の入口133に接続される。
【0056】
コンプレッサで圧縮されて高温となった冷媒が送り管181を通じて加熱器140に供給され、加熱器140の3つの熱交換器141を流れる。これにより、加熱器140が高温となる。加熱器140を出た冷媒は、接続管184内でキャピラリーチューブ183を通過する際に減圧されて低温となる。低温の冷媒が冷却器130に供給され、冷却器130の3つの熱交換器131を流れる。これにより、冷却器130が低温となる。冷却器130を出た冷媒は、戻り管182を通ってコンプレッサに戻る。
【0057】
図6および
図7に示すように、第2ダクト113の内部において、冷却器130の配置領域320には、仕切壁311の下側部分から冷却器130の左端部に近接するように張り出す直方体状の張出部321が設けられる。また、配置領域320には、底面壁303の水平部分に、配置領域320を前後方向に横切る排水溝322が形成される。排水溝322は、前方向に下り傾斜する。
【0058】
配置領域320において、底面壁303には、張出部321と右側面壁307との間で左右方向に延びる4つの底面リブ323が、前後方向に間隔を置いて設けられる。また、右側面壁307には、上下方向に延び、下端が底面リブ323に繋がる4つの側面リブ324が設けられる。さらに、張出部321には、当該張出部321の側面から上面へと延び、下端が底面リブ323に繋がる4つの支持リブ325が設けられる。
【0059】
後方の3つの底面リブ323は、底面壁303の傾斜部分に対応する部分が階段状を有する。一番前と一番後ろの底面リブ323は、排水溝322の部分が途切れている。中間の2つの底面リブ323は、排水溝322の部分を含む底面壁303の水平部分の多く範囲において途切れている。4つの支持リブ325は、右側が半U字状に凹んでいる。
【0060】
配置領域320には、前後の2つの底面リブ323の各間であって、底面壁303の水平部分における排水溝322の右側と左側とに、左右方向に延びる高さの低い載置リブ326が形成される。
【0061】
冷却器130は、各熱交換器131が、前後の2つの底面リブ323、側面リブ324および支持リブ325の間に挟まれる。これにより、冷却器130の前後方向の動きが規制される。また、冷却器130は、各熱交換器131が載置リブ326に載置され、2つの接続管132が支持リブ325に支えられる。これにより、冷却器130と底面壁303との間に隙間が生じる。
【0062】
第2ダクト113の内部には、冷却器130の前方、即ち下流に、冷却器130と近接するように、防壁部340が設けられる。防壁部340は、第2ダクト113の底面壁303に沿って左右方向、即ち第2ダクト113内の空気の流れと直交する方向に延び、冷却器130の下流側から冷却器130と底面壁303との間の隙間に重なる。
【0063】
防壁部340は、一番前の底面リブ323と、この底面リブ323に上方から被せられるパッキン341とで構成される。パッキン341は、ゴムなどの弾性材料により、底面リブ323に対応する形状に形成され、左右方向に底面リブ323と同じ長さを有する。一番前の底面リブ323は、本発明のリブに相当し、パッキン341は、本発明のカバー部に相当する。
【0064】
図8(a)ないし(c)に示すように、パッキン341には、下面に左右方向に延びる嵌合溝342が形成される。パッキン341は、左右の端部が上方に突出し、左右の端部では、嵌合溝342が上方へ延びる。パッキン341の上面には、嵌合溝342に繋がる4つの孔343が形成される。
【0065】
パッキン341の上端部には、後方、即ち冷却器130側に張り出す鍔部344が形成される。鍔部344は、左右方向にパッキン341と同じ長さを有する。鍔部344は、底面壁303に近づくように斜めに張り出す第1鍔344aと、第1鍔344aの上に設けられ、パッキン341の上面、即ち第2ダクト113の底面壁303と平行に張り出す第2鍔344bと、を含む。第2鍔344bは、第1鍔344aよりも短く張り出す。
【0066】
パッキン341が一番前の底面リブ323に被せられた状態において、パッキン341の嵌合溝342が、底面リブ323の上部、側面リブ324の下端部および支持リブ325の下端部に嵌まり込む。また、パッキン341の4つの孔343に、底面リブ323の上端に設けられた4つの突起327が挿入される。さらに、底面リブ323における、排水溝322の上方の途切れた部分が、パッキン341により覆われる。
【0067】
図9に示すように、防壁部340は、鍔部344が、配置領域320に配置された冷却器130に接触する。冷却器130が上方から配置領域320に配置されると、鍔部344は、第1鍔344aが、前下方に弾性変形しつつ冷却器130に強く接触し、第2鍔344bが、第1鍔344aの上方で第1鍔344aよりも弱く冷却器130と接触する。このように、鍔部344は、弾性変形することによって冷却器130に密着しやすくなる。
【0068】
なお、パッキン341は、上面の前側のほぼ半分が、大きく面取りがなされることにより傾斜面とされている。これにより、パッキン341の上面に付着した水が、傾斜面により底面壁303へと流れやすくなるので、上面に残った水が熱風により加熱器140側に飛ばされることを防止できる。パッキン341の上面の前側は、大きなRが形成されることにより円弧状の傾斜面とされてもよい。
【0069】
第2ダクト113の内部において、排水溝322の前方には、底面壁303を凹ませることにより排水凹部313が設けられる。排水凹部313は、防壁部340よりも下流側であって、加熱器140の配置領域330よりも上流側に位置する。排水溝322が排水凹部313に繋がる。排水凹部313には、その後面壁の下部に円筒状の排水口314が形成される。排水口314には、ドレインホース116が接続される。さらに、排水凹部313には、その前面壁の下部に円筒状の導入口315が形成される(
図4参照)。
【0070】
図6に示すように、加熱器140の配置領域330では、底面壁303の傾斜部分が階段状を有する。配置領域330において、底面壁303には、仕切壁311と右側面壁307との間で左右方向に延びる5つの底面リブ331が、前後方向に間隔を置いて設けられる。また、右側面壁307には、上下方向に延び、下端が底面リブ331に繋がる5つの側面リブ332が設けられる。各底面リブ331は、底面壁303の傾斜部分に対応する部分が階段状を有する。
【0071】
加熱器140は、各熱交換器141が、前後の2つの底面リブ331および側面リブ332の間に挟まれる。これにより、加熱器140の前後方向の動きが規制される。また、加熱器140は、各熱交換器141が底面壁303に載置され、2つの接続管142が、後側の4つの底面リブ331に支えられる。
【0072】
配置領域330には、底面壁303の水平部分に所定形状の凹部333が形成される。中間の3つの底面リブ331は、凹部333が形成された部分が途切れている。凹部333の最前部には、排水部334が設けられる。排水部334は、底面壁303を凹ませることにより形成された排水凹部335と、排水凹部335の後面壁の下部に形成された円筒状の排水口336とを含む。
【0073】
図4に示すように、排水口336と導入口315とが接続パイプ350により接続される。これにより、排水口336、即ち排水凹部335は、接続パイプ350および排水凹部313を介してドレインホース116に接続される。これにより、排水部334は、ドレインホース116を、排水凹部313と共用できる。
【0074】
なお、排水部334が、凹部333の底面に設けられて底面壁303を貫通する排水口のみにより構成されてもよい。
【0075】
さて、洗濯乾燥機1では、各種運転コースの洗濯乾燥運転、洗濯運転または乾燥運転が行われる。洗濯乾燥運転では、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程、最終脱水工程および乾燥工程が順番に行われる。洗濯運転では、洗い工程から最終脱水工程までが行われ、乾燥工程が行われない。乾燥運転では、乾燥工程のみが行われる。運転コースによっては、すすぎ工程と中間脱水工程とが2回以上行われる場合がある。
【0076】
洗い工程では、ドラム23内に収容された洗濯物の負荷量に応じた所定水位まで、外槽20内に洗剤を含む水が溜められ、その水の中に浸された洗濯物が、ドラム23の正回転および逆回転が繰り返されることによりタンブリングされる。洗濯物の内部まで洗剤を含む水が浸透し、洗剤の力とタンブリングによる機械力とにより洗濯物の表面や内部に付着した汚れが落とされる。
【0077】
すすぎ工程では、外槽20内に所定水位までの水が溜められた状態でドラム23が正回転および逆回転し、洗濯物がタンブリングされる。これにより、洗濯物に含まれた洗剤が水とともに排出され、洗濯物がすすがれる。
【0078】
中間脱水工程および最終脱水工程では、駆動モータ30が一方向に高速回転し、ドラム23が、ドラム23内の洗濯物に作用する遠心力が重力よりはるかに大きくなる回転数で一方向に回転する。遠心力の作用により、洗濯物が、ドラム23の周壁面に押し付けられ、脱水される。最終脱水工程では、中間脱水工程での回転数よりも高い回転数でドラム23が回転する。
【0079】
乾燥工程では、送風器120の動作により外槽20と循環路110との間で空気が循環し、加熱器140の動作により外槽20に導入される空気が加熱され、熱風となる。さらに、ドラム23が正回転および逆回転し、洗濯物がタンブリングされる。
【0080】
吸気口204から外槽20内に導入された熱風がタンブリングする洗濯物に当たり、洗濯物が乾燥する。洗濯物から水分を奪った熱風は、排気口203から循環路110へ戻る。洗濯物から出たリント等の異物は、熱風とともに循環路110に取り込まれる。異物は、熱風が乾燥フィルタ150を通過する際に乾燥フィルタ150の捕獲面で捕獲される。乾燥フィルタ150よりも下流側の循環路110内を異物が流れにくくなり、下流にある送風器120、冷却器130および加熱器140に異物が付着しにくくなる。
【0081】
循環路110内において、熱風は、加熱器140で加熱される前に冷却器130を通過して、冷却器130により除湿される。このとき、冷却器130の放熱フィン131aに空気から凝縮した水が結露し、結露した水が放熱フィン131aを伝って下方へ移動し、冷却器130の下の底面壁303に落ちる。
図7の矢印に示すように、底面壁303に落ちた水は、冷却器130と底面壁303の間の隙間を排水溝322へと流れ、排水溝322を通って排水凹部313に流れ込む。排水凹部313に流れ込んだ水は、排水口314から排出され、ドレインホース116を通って外槽20内に排出される。
【0082】
洗濯乾燥運転および乾燥運転では、乾燥工程が終了すると、乾燥フィルタ150から異物を除去するためのフィルタ清掃運転が行われる。フィルタ清掃運転では、給水工程とワイパ動作工程とが順番に行われる。
【0083】
給水工程では、所定の給水時間、給水路160から乾燥フィルタ150に給水が行われる。乾燥フィルタ150の捕獲面に水が流れて捕獲面に付着した異物が水で流し落とされる。ワイパ動作工程では、所定のワイパ動作時間、ワイパ171が動作する。ワイパ171のブラシが乾燥フィルタ150の捕獲面を擦りながら移動することにより、捕獲面に付着した異物が削ぎ落とされる。
【0084】
給水工程およびワイパ動作工程において、外槽20内に排出された異物は、外槽20内に排出された水とともに排水路40へと流れ、排水路40に配置された排水フィルタ42で回収される。
【0085】
乾燥装置100において、循環路110内では、送風器120の下流側に、冷却器130および加熱器140が、この順番に並ぶ。このため、送風器120から送り出された勢いの強い空気、即ち熱風が、冷却器130を通過しやすい。熱風は、放熱フィン131aの間を通過するだけでなく、冷却器130と底面壁303との間を通過する。冷却器130と底面壁303との間は、放熱フィン131aの間よりも風路抵抗が小さいため、通過する熱風の勢いが落ちにくい。よって、
図9に示すように、冷却器130から落ちて底面壁303に存在する水が、冷却器130と底面壁303との間を流れる熱風によって下流側へと飛ばされやすい。
【0086】
本実施の形態では、第2ダクト113の内部において、冷却器130の下流側に防壁部340が設けられている。このため、
図9に示すように、熱風により下流側へと飛ばされ水は、防壁部340で止められる。さらに、熱風が防壁部340に沿って吹き上がり、水が上方に飛ばされた場合、上方に飛ばされた水は、防壁部340に形成された鍔部344により止められる。鍔部344は、上下方向に第1鍔344aと第2鍔344bによる二重構造となっており、また、弾性変形により冷却器130にしっかりと密着しているため、水が鍔部344を越えにくい。防壁部340に止められた水は、排水溝322を通って排水凹部313へ流れる。
【0087】
このように、冷却器130から底面壁303に落ちた水が熱風によって下流側へと飛ばされても、防壁部340によって、飛ばされた水が加熱器140の配置領域330に侵入することが防止される。よって、冷却器130で発生した凝縮水が加熱器140に付着することを防止でき、加熱器140の加熱が妨げられることを防止できる。
【0088】
さらに、本実施の形態では、加熱器140の配置領域330に排水部334が設けられている。このため、万一、配置領域330内に水が浸入し、その底部に溜まるようなことが生じても、溜まった水は排水部334により排出される。排出された水は、接続パイプ350および排水凹部313を通じてドレインホース116に流れ、機外へ廃棄される。これにより、配置領域330に溜まった水が流出口310を通じて第2ダクト113から漏れ出し、導入パイプ114を流れて外槽20内に侵入する、ということを防止できる。
【0089】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、循環路110は、送風器120が配置された位置よりも下流側に、冷却器130および加熱器140が、加熱器140の上流側に冷却器130が位置するように配置される第2ダクト113を含む。第2ダクト113の内部には、第2ダクト113の底面壁303に沿って第2ダクト113内の空気の流れと直交する方向に延び、冷却器130の下流側から冷却器130と底面壁303との間の隙間に重なる防壁部340が設けられる。防壁部340には、冷却器130側に張り出し、冷却器130に接触する鍔部344が形成される。
【0090】
この構成によれば、冷却器130と底面壁303との間を流れる空気により下流側へと飛ばされた水が防壁部340で止められる。さらに、防壁部340に沿って吹き上がった空気により上方に飛ばされた水が鍔部344により止められる。これにより、冷却器130で発生した凝縮水が、加熱器140の配置領域330に侵入して加熱器140に付着することを防止でき、加熱器140の加熱が妨げられることを防止できる。
【0091】
さらに、本実施の形態によれば、防壁部340は、底面壁303から突出する底面リブ323と、当該底面リブ323に上方から被さるパッキン341と、を含み、パッキン341に鍔部344が形成される。
【0092】
この構成によれば、底面リブ323にパッキン341を被せることにより、鍔部344を有する防壁部340を第2ダクト113内に容易に形成できる。
【0093】
さらに、本実施の形態によれば、鍔部344は、弾性材料により形成されているので、弾性変形することにより、冷却器130に強く接触しやすくなる。これにより、上方に飛ばされた水が、鍔部344を越えて上方に漏れ出しにくくなる。
【0094】
さらに、本実施の形態によれば、弾性材料により形成された鍔部344は、第1鍔344aと、第1鍔344aの上に設けられ、第1鍔344aよりも短く張り出す第2鍔344bと、を含む。
【0095】
この構成によれば、鍔部344が、上下方向に第1鍔344aと第2鍔344bによる二重構造となるため、一層、鍔部344の上方に水が漏れ出しにくくなる。しかも、第2鍔344bは、第1鍔344aよりも張り出しが少なく、第1鍔344aに比べて冷却器130に強く接触しないので、鍔部344全体として、冷却器130を第2ダクト113内に配置する際の冷却器130への抵抗となりにくく、配置の妨げになりにくい。
【0096】
さらに、本実施の形態によれば、底面壁303には、防壁部340よりも下流側であって加熱器140よりも上流側に、排水口314を有する排水凹部313が形成され、排水凹部313よりも上流側に、排水凹部313へ向かって下り傾斜し、排水凹部313に繋がる排水溝322が形成される。
【0097】
この構成によれば、防壁部340で止めた水を、底面壁303に落ちた他の水とともに排水溝322を通じて排水凹部313に流し、排水口314から排出できる。
【0098】
さらに、本実施の形態によれば、底面壁303には、加熱器140の配置領域330に、配置領域330に侵入した水を排出するための排水部334が設けられる。
【0099】
この構成によれば、配置領域330内に水が浸入し、その底部に溜まるようなことが生じても、溜まった水が第2ダクト113から漏れ出して外槽20内に侵入する、ということを防止できる。
【0100】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0101】
たとえば、上記実施の形態では、第2ダクト113は、底面壁303の一部が外槽20の周面壁201に対応して傾斜するような直方体の箱状に形成された。しかしながら、第2ダクト113は、その内部の上流側および下流側に、それぞれ冷却器130および加熱器140が並ぶ構造であれば、如何なる形状とされてもよい。
【0102】
さらに、上記実施の形態では、防壁部340が、底面壁303から突出する底面リブ323と、弾性部材で形成された、鍔部344を有するパッキン341とにより構成された。しかしながら、防壁部340の構成は、上記のものに限られない。たとえば、防壁部340は、底面壁303から突出するリブの上部に、弾性材料で形成された鍔部が装着されるような構成とされてもよい。
【0103】
さらに、上記実施の形態では、冷却器130および加熱器140が、それぞれ、ヒートポンプ装置に含まれるエバポレータおよびコンデンサにより構成された。しかしながら、冷却器130は、水冷式の熱交換器等により構成されてもよく、加熱器140は、半導体ヒータ等により構成されてもよい。
【0104】
さらに、上記実施の形態では、防壁部340は、鍔部344が、弾性材料により形成され、第1鍔344aおよび第2鍔344bの2つの鍔を有する構成とされた。しかしながら、鍔部344は、弾性材料以外、たとえば樹脂材料で構成されてもよい。また、鍔部344は、1つの鍔、あるいは3つ以上の鍔を有する構成とされてもよい。
【0105】
さらに、上記実施の形態では、排水部334の排水口336が、接続パイプ350および排水凹部313を介してドレインホース116に接続された。しかしながら、排水口336が、接続パイプ350を介してドレインホース116に接続されてもよいし、排水口336が、排水路40に繋がる他のドレインホースに接続されてもよい。
【0106】
さらに、上記実施の形態では、洗濯乾燥機1は、横軸型のドラム23を備えるドラム式の洗濯乾燥機であった。しかしながら、本発明は、内部にパルセータを有する縦軸型の洗濯脱水槽を備える、いわゆる縦型の洗濯乾燥機に適用することもできる。
【0107】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0108】
10 筐体
20 外槽
23 ドラム(洗濯槽)
110 循環路
113 第2ダクト(ダクト)
120 送風器
130 冷却器
140 加熱器
313 排水凹部
314 排水口
322 排水溝
323 底面リブ(リブ)
330 配置領域
334 排水部
340 防壁部
341 パッキン(カバー部)
344 鍔部
344a 第1鍔
344b 第2鍔