(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182654
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】自動販売機
(51)【国際特許分類】
G07F 9/00 20060101AFI20221201BHJP
G07F 11/58 20060101ALI20221201BHJP
G07F 11/30 20060101ALI20221201BHJP
G07F 11/00 20060101ALI20221201BHJP
G16H 40/00 20180101ALI20221201BHJP
G16H 20/10 20180101ALI20221201BHJP
【FI】
G07F9/00 P
G07F9/00 110Z
G07F11/58 B
G07F11/30
G07F11/00 C
G16H40/00
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090340
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】500313606
【氏名又は名称】株式会社ブイシンク
(74)【代理人】
【識別番号】100156362
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 健一
(72)【発明者】
【氏名】井部 孝也
【テーマコード(参考)】
3E044
3E046
5L099
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044DA10
3E044EA01
3E046BA01
3E046BB01
3E046CA12
3E046CB07
3E046CC03
3E046DA03
3E046EA01
3E046EA11
3E046EA12
3E046EB01
3E046FA01
3E046GA10
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】医薬品の安全性と有効性を確保しながらも、医薬品の購入の利便性を向上させた自動販売機を提供する。
【解決手段】医薬品を販売する自動販売機1において、購入者により症状選択購入ルートが選択された場合には、病状項目と服用注意項目とを表示し、服用注意項目が選択されないと、選択された病状項目に基づいて医薬品の候補薬を表示し、表示した候補薬が選択されるときに医薬品を提供する制御を行う。また、購入者により商品選択購入ルートが選択された場合には、自動販売機1に収納されている複数の医薬品を表示し、表示した医薬品が選択されると、選択された医薬品に応じた服用注意項目を表示し、服用注意項目が選択されないときに医薬品を提供する制御を行う。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品を販売する自動販売機において、
購入者が少なくとも症状を選択することにより医薬品を購入していく症状選択購入ルートと、購入者が医薬品を選択することにより医薬品を購入していく商品選択購入ルートとが少なくとも含まれた複数の購入ルートのいずれかが購入者により選択されることにより、医薬品を販売するための制御を行う販売制御部を備え、
前記販売制御部は、
購入者により前記症状選択購入ルートが選択された場合には、
購入者が選択可能な項目として、病状を示す病状項目と、医薬品の服用に関わる注意事項を示す服用注意項目とを表示し、
購入者により前記服用注意項目が選択されなかったことを確認すると、購入者により選択された前記病状項目に基づいて、購入者が選択可能な医薬品の候補薬を表示し、
表示した前記候補薬が購入者により選択されたことを確認すると、医薬品を提供する制御を行い、
購入者により前記商品選択購入ルートが選択された場合には、
自動販売機に収納されている複数の医薬品を購入者が選択可能に表示し、
表示した医薬品が購入者により選択されたことを確認すると、購入者が選択可能な項目として、選択された医薬品に応じた前記服用注意項目を表示し、
購入者により前記服用注意項目が選択されなかったことを確認すると、医薬品を提供する制御を行う
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記販売制御部は、
購入者により前記商品選択購入ルートが選択された場合には、
自動販売機に収納されている複数の医薬品を購入者が選択可能に表示し、
表示した医薬品が購入者により選択されたことを確認すると、購入者が選択可能な項目として、選択された医薬品に応じた前記服用注意項目と前記病状項目とを表示し、
購入者により前記服用注意項目が選択されなかったことを確認し、かつ、購入者により前記病状項目が選択されたことを確認すると、医薬品を提供する制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前記病状項目及び前記服用注意項目は、項目内容と購入者の選択を受け付けるチェックボックスからなり、
前記販売制御部は、
購入者により前記服用注意項目が選択されたことを確認すると医薬品を販売しないように規制し、購入者により前記病状項目が選択されなかったことを確認すると医薬品を販売しないように規制することにより、
前記病状項目及び前記服用注意項目のいずれの選択もされないと、医薬品を販売しないように規制されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機。
【請求項4】
医薬品を収納し、左右方向の複数の収納レーンと上下方向の複数の収納段とで区画される複数の収納部と、
前記収納部の前方に配置され、医薬品を載置可能なトレイと、
前記収納部に収納された医薬品を前記トレイに搬送するコンベアと、
前記トレイを上下方向に昇降させ、前記トレイに載置された医薬品を商品取出し口に搬送する昇降駆動部とを更に備え、
前記販売制御部は、医薬品を提供する制御として、
販売する医薬品が収納された収納部の位置を算出し、
算出した収納部の収納段まで前記トレイを前記昇降駆動部により昇降させ、
算出した収納部の収納レーンに対応する前記コンベアにより医薬品を前記トレイに搬送し、
前記昇降駆動部により前記トレイに載置された医薬品を商品取出し口に搬送する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の自動販売機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品を販売する自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医師の処方箋に基づく医薬品を販売する自動販売機が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載されている自動販売機は、医師による投薬のデータが記録されている情報記録媒体(ICカード)から処方箋に係るデータを抽出し、抽出された処方箋に係るデータに基づいて薬品を調剤し、その調剤された薬品を排出している。特許文献2に記載されている自動販売機は、所定フォーマットの処方箋を読み取り、処方箋の読取結果に基づいて、医師により指定された既製薬を薬取出口に搬送している。
【0004】
また、市販薬、家庭薬、大衆薬とも称されるOTC医薬品(Over The Counter 医薬品)については、薬局やドラッグストアにおいて、医師の処方箋を必要とせずに、購入できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-90333号公報
【特許文献2】特開平10-269431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な体の不調は自分で手当てするというセルフメディケーションの観点からは、OTC医薬品について、医薬品の安全性と有効性を確保しながらも、購入の利便性を向上させることが望まれていた。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、OTC医薬品について、医薬品の安全性と有効性を確保しながらも、医薬品の購入の利便性を向上させた自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、医薬品を販売する自動販売機において、購入者が少なくとも症状を選択することにより医薬品を購入していく症状選択購入ルートと、購入者が医薬品を選択することにより医薬品を購入していく商品選択購入ルートとが少なくとも含まれた複数の購入ルートのいずれかが購入者により選択されることにより、医薬品を販売するための制御を行う販売制御部を備え、
前記販売制御部は、購入者により前記症状選択購入ルートが選択された場合には、購入者が選択可能な項目として、病状を示す病状項目と、医薬品の服用に関わる注意事項を示す服用注意項目とを表示し、購入者により前記服用注意項目が選択されなかったことを確認すると、購入者により選択された前記病状項目に基づいて、購入者が選択可能な医薬品の候補薬を表示し、表示した前記候補薬が購入者により選択されたことを確認すると、医薬品を提供する制御を行い、購入者により前記商品選択購入ルートが選択された場合には、自動販売機に収納されている複数の医薬品を購入者が選択可能に表示し、表示した医薬品が購入者により選択されたことを確認すると、購入者が選択可能な項目として、選択された医薬品に応じた前記服用注意項目を表示し、購入者により前記服用注意項目が選択されなかったことを確認すると、医薬品を提供する制御を行うことを特徴とする。
【0009】
好適には、本発明に係る自動販売機においては、前記販売制御部は、購入者により前記商品選択購入ルートが選択された場合には、自動販売機に収納されている複数の医薬品を購入者が選択可能に表示し、表示した医薬品が購入者により選択されたことを確認すると、購入者が選択可能な項目として、選択された医薬品に応じた前記服用注意項目と前記病状項目とを表示し、購入者により前記服用注意項目が選択されなかったことを確認し、かつ、購入者により前記病状項目が選択されたことを確認すると、医薬品を提供する制御を行うことが望ましい。
【0010】
好適には、本発明に係る自動販売機においては、前記病状項目及び前記服用注意項目は、項目内容と購入者の選択を受け付けるチェックボックスからなり、前記販売制御部は、購入者により前記服用注意項目が選択されたことを確認すると医薬品を販売しないように規制し、購入者により前記病状項目が選択されなかったことを確認すると医薬品を販売しないように規制することにより、前記病状項目及び前記服用注意項目のいずれの選択もされないと、医薬品を販売しないように規制されていることが望ましい。
【0011】
好適には、本発明に係る自動販売機においては、医薬品を収納し、左右方向の複数の収納レーンと上下方向の複数の収納段とで区画される複数の収納部と、前記収納部の前方に配置され、医薬品を載置可能なトレイと、前記収納部に収納された医薬品を前記トレイに搬送するコンベアと、前記トレイを上下方向に昇降させ、前記トレイに載置された医薬品を商品取出し口に搬送する昇降駆動部とを更に備え、
前記販売制御部は、医薬品を提供する制御として、販売する医薬品が収納された収納部の位置を算出し、算出した収納部の収納段まで前記トレイを前記昇降駆動部により昇降させ、算出した収納部の収納レーンに対応する前記コンベアにより医薬品を前記トレイに搬送し、前記昇降駆動部により前記トレイに載置された医薬品を商品取出し口に搬送することが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、医薬品の安全性と有効性を確保しながらも、医薬品の購入の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る自動販売機の扉を閉鎖しているときの斜視図の一例である。
【
図2】実施形態に係る自動販売機の扉を開放しているときの斜視図の一例である。
【
図3】実施形態に係る自動販売機の側面図の構成を模式的に示す模式図の一例である。
【
図4】実施形態に係る自動販売機と外部装置とにより構成された自動販売機システムの機能的構成を示すブロック図の一例である。
【
図5】実施形態に係る自動販売機システムの処理遷移を示すシーケンス図の一例である。
【
図6】実施形態に係る自動販売機の販売統括制御処理を示すフローチャートの一例である。
【
図7】実施形態に係る自動販売機の商品選択購入ルート制御処理を示すフローチャートの一例である。
【
図8】実施形態に係る自動販売機の症状選択購入ルート制御処理を示すフローチャートの一例である。
【
図9】実施形態に係る自動販売機の表示部に表示される表示画面の遷移を示す画面遷移図の一例である。
【
図10】実施形態に係る自動販売機の表示部に表示される購入開始画面及び薬剤師相談案内画面の一例である。
【
図11】実施形態に係る自動販売機の表示部に表示される商品選択画面、選択商品説明画面及び商品最終確認画面の一例である。
【
図12】実施形態に係る自動販売機の表示部に表示されるカテゴリー項目選択画面、詳細病状選択画面及び候補薬表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本発明のいくつかの例を示すものであって、本発明の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本発明の構成及び動作として必須であるとは限らない。
【0015】
本実施形態では、商品を購入する購入者が自動販売機を操作する際に購入者と対向する方向を「前方」と称し、前方とは反対方向を「後方」と称する。また、本実施形態では、自動販売機の高さ方向を「上方」と称し、上方と反対方向を「下方」と称する。
【0016】
[自動販売機の外部構成]
まず、実施形態に係る自動販売機1の外部構成について説明する。
図1は、実施形態に係る自動販売機1の扉3を閉鎖しているときの斜視図の一例であり、
図2は、実施形態に係る自動販売機1の扉3を開放しているときの斜視図の一例である。また、
図3は、実施形態に係る自動販売機1の側面図の構成を模式的に示す模式図の一例である。
【0017】
自動販売機1は、商品として医薬品(OTC医薬品)を販売可能な自動販売機である。特に、本実施形態に係る自動販売機1は、様々なサイズの医薬品を販売可能な自動販売機であるとともに、販売する医薬品に過度な衝撃を与えることなく、購入者に提供することができる自動販売機である。
【0018】
図1に示すように、自動販売機1の筐体2の前面には、扉3が設けられている。自動販売機1では、扉3が開かれることによって、医薬品の補充作業及び医薬品の代金の回収作業等が行われる。
【0019】
扉3の前面側には、医薬品の説明、病状、服用注意項目等の情報を表示する表示部10と、購入者の選択操作を受け付ける操作入力部11とで構成されたタッチスクリーンが設けられている。
【0020】
また、扉3の前面には、購入者が購入した医薬品を取り出すための商品取出口12が設けられている。本実施形態においては、商品取出口12は、扉3のやや中央部に設けられている。このため、購入した医薬品を購入者が背を屈めたり、膝を曲げたりすることなく、安定した姿勢で取り出せることができる。なお、商品取出口12は、扉3の下方部に設けられてもよいし、扉3の上方部に設けられてもよい。
【0021】
また、扉3の前面には、医薬品の代金を支払う際に用いられるユニットとして、硬貨を受け付ける硬貨投入ユニット13と、紙幣を受け付けるビルバリユニット14と、カードの金銭情報を受け付けるカード決済ユニット15とが設けられている。さらに、購入者のパスポート情報を読み込むためのパスポートリーダ16と、レシートを出力するレシートプリンタ17と、釣銭を取り出すための釣銭取出口18とが設けられている。
【0022】
また、扉3の前面側の上方部には、音声等を出力するためのスピーカ19と、購入者を撮影するためのカメラ20とが設けられている。
【0023】
図2に示すように、自動販売機1の内部には、医薬品Pの種類ごとに分かれて医薬品を収納し、自動販売機1の左右方向の複数の収納レーンR1~R4と上下方向の複数の収納段D1~R10とで区画される複数の収納部30が設けられている。本実施形態においては、4つの収納レーンR1~R4と10段の収納段D1~R10とから区画される40個の収納部30を設けることが可能であるが、収納レーンと収納段との数は適宜設計変更が自由である。
【0024】
複数の収納部30は、それぞれが互い略同一の構造に形成され、それぞれの幅方向及び長手方向が自動販売機1の幅方向及び前後方向にそれぞれ沿うように配置されている。それぞれの収納部30は、自動販売機1から取り外しが可能であり、医薬品のサイズに応じた様々なサイズの医薬品を収納可能となっている。
【0025】
例えば、
図2に示すように、第3収納レーンR3と第6収納段D6とから区画される収納部30を取り外すことにより、第3収納レーンR3と第7収納段D7とから区画される収納部30において、上下方向の高さの高い医薬品Phを収納することができる。また、第1収納レーンR1及び第2収納レーンR2、並びに第5収納段D5とから区画される2つの収納部30のように、幅の広い医薬品Pwを2つの収納部30に跨って収納することもできる。このように、本実施形態に係る自動販売機1では、医薬品のサイズに応じた様々なサイズの医薬品を販売することができる。
【0026】
また、自動販売機1の内部には、扉3と複数の収納部30との間に配置されるとともに、自動販売機1の上下方向に沿って昇降可能に構成され、収納部30から搬出された医薬品を商品取出口12に搬送するエレベータ40が設けられている。
【0027】
エレベータ40は、収納部30から搬出された医薬品を載置可能なトレイ41と、トレイ41の上方に対向して配置された平板状の天井板42と、トレイ41と天井板42との左右方向の両端側に設けられ、トレイ41と天井板42とを連結する側面板43とを備えている。
【0028】
さらに、自動販売機1の内部には、商品取出口12に対向して配置され、自動販売機1に関する各種基板等が載置された断面視L字型状の障壁棚50が設けられている。
【0029】
図3に示すように、それぞれの収納部30には、収納部30に収納された医薬品Pを前方のトレイ41に搬送するコンベア31と、コンベア31に載置された医薬品Pを前方に押すプッシャ32とが備えられている。また、収納部30は、上下方向のそれぞれの収納部30どうしの間隔(複数の収納段D1~R10の間隔)が長さH1(例えば100mm)となるように配置されている。
【0030】
エレベータ40に備えられたトレイ41は、前側に緩やかに傾斜しており、トレイ41の前端部から天井板42までの上下方向の長さH2(例えば200mm)は、トレイ41の後端部から天井板42までの上下方向の長さH3(例えば180mm)よりも長く構成されている(H2>H3)。さらに、
図2に示したような上下方向の高さの高い医薬品Phを提供できるように、エレベータ40の長さH3は、1つの収納部30の長さH1よりも長く構成されている(H3>H1)。
【0031】
また、エレベータ40は、
図3に示されるように、収納部30から搬出された医薬品を商品取出口12に搬送する前には、商品取出口12と障壁棚50との間の位置を待機位置として、その待機位置に待機している。
【0032】
障壁棚50には、自動販売機1を統括的に制御する制御基板52等の各種部品が載置されている。また、障壁棚50は、断面視L字型状をなしており、上下方向に立設した障壁部51が形成されている。
【0033】
この障壁部51は、エレベータ40の後端側の開口部の面積よりも大きく構成されている(
図2参照)。このため、エレベータ40が待機位置に待機しているときには、自動販売機1の商品取出口12から手を入れて不正に医薬品を取り出そうとしても、上下方向に関してはトレイ41及び天井板42が壁となり、左右方向に関しては側面板43が壁となり、後方向に関しては障壁部51が壁となり、不正に医薬品を取り出すことを防止することができる。
【0034】
なお、商品取出口12の後方にシャッター機構を設けたり、複数の収納部30の前面側にシャッター機構を設けたり、エレベータ40の後端側の開口部にシャッター機構を設けたりすることによっても、不正に医薬品を取り出すことを防止することができるものの、シャッター機構が複雑になったり、前後方向の寸法が延びるなどデメリットが生じることになる。もちろん、デメリットはあるものの、エレベータ40の待機位置及び障壁棚50を任意の位置に配置し、商品取出口12の後方にシャッター機構を設けたり、複数の収納部30の前面側にシャッター機構を設けたり、エレベータ40の後端側の開口部にシャッター機構を設けたりしてもよい。
【0035】
さらに、本実施形態においては、
図3に示されるように、エレベータ40の待機位置が、上下方向に対して収納段D1~R10のやや中央寄りに設けられていることから、待機位置から販売する医薬品が収納された収納部30の収納段Dまでの昇降距離を短縮させることができ、販売する医薬品の提供速度を向上させることもできる。
【0036】
また、
図2及び
図3に示すように、扉3の背面には、硬貨投入ユニット13と、ビルバリユニット14と、カード決済ユニット15と、パスポートリーダ16と、レシートプリンタ17と、釣銭取出口18とに接続され、金銭情報・カード情報・パスポート情報・釣銭情報の入出力を行う金銭情報入出力部60が設けられている。
【0037】
[自動販売機システムのブロック図]
次に、実施形態に係る自動販売機1と外部装置90とにより構成された自動販売機システム100の機能的構成について説明する。
図4は、実施形態に係る自動販売機1と外部装置90とにより構成された自動販売機システム100の機能的構成を示すブロック図の一例である。
【0038】
図4に示すように、自動販売機システム100は、複数の自動販売機1と外部装置90とで構成されている。外部装置90は、自動販売機1を管理する管理サーバ又は自動販売機1の管理者が所持する携帯端末、及びデータベースを記憶する記憶装置である。
【0039】
自動販売機1は、表示部10と、操作入力部11と、カメラ20と、コンベア31と、エレベータ40と、金銭情報入出力部60と、自動販売機1の動作を制御する制御部70と、外部装置90との間で通信を行う通信部80とを備えている。
【0040】
コンベア31は、医薬品が載置されるベルトを駆動させるモータからなるベルト駆動部34と、ベルト駆動部34のモータの回転変位量を検知する第1ロータリエンコーダ35と、プッシャ32の位置に基づいてベルトの位置を検知するベルト位置検知センサ36と、ベルトに医薬品が載置されているか否かを検知するベルト商品検知センサ37とを備えている。
【0041】
エレベータ40は、エレベータ40を上下方向に昇降させるモータからなる昇降駆動部44と、昇降駆動部44のモータの回転変位量を検知する第2ロータリエンコーダ45と、トレイ41の位置を検知するトレイ位置検知センサ46と、トレイ41に医薬品が載置されているか否かを検知するトレイ商品検知センサ47とを備えている。
【0042】
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのプロセッサからなり、制御基板52(
図3参照)に搭載されている。
【0043】
制御部70は、制御基板52の入力ポート(図示せず)を介して、操作入力部11とカメラ20と第1ロータリエンコーダ35とトレイ位置検知センサ46とトレイ商品検知センサ47とに接続されており、これらのデバイスから制御部70に各種の情報を入力できるように構成されている。また、制御部70は、制御基板52の出力ポート(図示せず)を介して、表示部10とベルト駆動部34と昇降駆動部44とに接続されており、制御部70からこれらのデバイスに各種の情報を出力ができるように構成されている。さらに、制御部70は、制御基板52の入出力ポート(図示せず)を介して、金銭情報入出力部60と通信部80とに接続されており、制御部70とこれらのデバイスとで各種の情報を入出力ができるように構成されている。また、制御部70は、医薬品を販売するための制御を行う販売制御部71を備えている。
【0044】
販売制御部71は、購入者により操作入力部11に入力された選択情報を入力したり、金銭情報入出力部60から金銭情報・カード情報・パスポート情報を入力したりすることによって、医薬品を販売するための各種の制御を行う。詳しくは後述するが、販売制御部71は、妊娠中、配合禁忌薬、18歳未満などの服用注意項目からなる「否定的条件項目」、喉が痛い、熱がある、くしゃみ、鼻水などの病状項目と常備薬としての医薬品を示す常備薬項目とジェネリックを希望することを示すジェネリック項目とで構成された「肯定的条件項目」、医薬品の「商品情報」を表示部10に表示させたり、購入者により選択された病状項目等に応じて複数の医薬品の中から候補薬を抽出して、抽出した候補薬を表示部10に表示させたりする制御を行う。
【0045】
また、販売制御部71は、ベルト駆動部34及び昇降駆動部44の駆動を制御して、医薬品を提供する制御を行う搬送制御部72と、購入者により操作入力部11に入力された選択情報に基づいて医薬品の販売を規制する購入者起因規制部74と、カメラ20により撮影された撮影情報に基づいて医薬品の販売を規制する装置起因規制部75とを有している。
【0046】
搬送制御部72は、トレイ位置検知センサ46及びトレイ商品検知センサ47からの位置情報等を入力しながら、ベルト駆動部34及び昇降駆動部44の駆動を制御して、販売する医薬品が収納された収納部30の収納段Dまでトレイ41を昇降させ、販売する医薬品が収納された収納部30の収納レーンRに対応するコンベア31により医薬品をトレイ41に搬送する。そして、搬送制御部72は、トレイ41に載置された医薬品を商品取出口12に搬送するように制御する。
【0047】
購入者起因規制部74は、購入者により操作入力部11に入力された選択情報を入力し、購入者により選択された服用注意項目からなる否定的条件項目及び病状項目等からなる肯定的条件項目の選択情報に基づいて、医薬品の販売を規制する。
【0048】
装置起因規制部75は、カメラ20により撮影された撮影情報を入力し、撮影情報としての購入者の顔情報に基づいて購入者が識別され、識別された購入者に対して、所定期間内に同じ医薬品を所定数以上販売することを規制する。さらに、装置起因規制部75は、カメラ20により撮影された撮影情報に基づいて購入者が大人であるか子供であるかが識別され、子供であると識別されたときには、大人用の医薬品であっても子供用の医薬品であっても医薬品の販売を規制し、大人であると識別されたときには、大人用の医薬品であっても子供用の医薬品であっても医薬品の販売を規制しないように制御する。
【0049】
外部装置90は、複数の自動販売機1と有線又は無線にて通信可能に接続されており、自動販売機1を管理する管理サーバ又は自動販売機1の管理者が所持する携帯端末からなる外部制御部91と、データベースを記憶するデータベース記憶部92とを備えている。
【0050】
外部制御部91は、CPU、ROM、RAMなどのプロセッサを備え、自動販売機1から入力した情報の解析を行い、解析結果に基づいて、自動販売機1に所定の情報を出力したり、データベース記憶部92に所定の情報を記憶させたりする。
【0051】
データベース記憶部92は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SDD)、光ディスクドライブ、磁気テープ装置等の大容量の記憶装置からなり、購入者の固有情報に対して、少なくとも医薬品の種類、医薬品毎の販売個数及び販売時期を対応付けた販売履歴情報を記憶している。
【0052】
[自動販売機システムのシーケンス図]
次に、自動販売機システム100の処理遷移について説明する。
図5は、実施形態に係る自動販売機システム100の処理遷移を示すシーケンス図の一例である。
【0053】
なお、
図5の左列は自動販売機1を示し、右列は外部装置90の処理を示している。また、
図5に示す各処理は、自動販売機1における販売制御部71の処理、外部装置90における外部制御部91の処理であって、後述する
図6~
図8における処理を概念的にまとめて記載したものであり、それぞれの詳細については後述して説明する。
【0054】
まず、自動販売機1は、購入者から購入開始操作があるか否かを確認する「購入開始操作受付処理」を行っている(ステップS10)。
【0055】
本実施形態において自動販売機1は、購入開始操作として、表示部10に購入開始画面が表示されているときに、操作入力部11に入力があること、金銭情報入出力部60に金銭情報、カード情報及びパスポート情報のいずれかの情報の入力があることを確認している。
【0056】
自動販売機1は、購入者から購入開始操作があると、購入者をカメラ20により撮影し、自動販売機1を識別するための自動販売機固有情報、カメラ20により撮影した購入者の撮影情報を外部装置90に送信するとともに、金銭情報入出力部60がパスポート情報を入力したときにはパスポート情報、金銭情報入出力部60がカード情報を入力したときにはカード情報を追加情報として外部装置90に送信する。
【0057】
外部装置90は、自動販売機1から購入者の撮影情報を受信すると、受信した撮影情報における顔情報から購入者を識別し、識別した購入者の固有情報を生成する「購入者識別処理」を行う(ステップS20)。また、購入者識別処理において、購入者の固有情報を生成すると、生成した購入者の固有情報を自動販売機1に送信する。
【0058】
外部装置90は、ステップS20の購入者識別処理が終了すると、医薬品の販売の規制を一部解除するための特定解除条件が成立したか否かの判定をする「規制解除判定処理」を行う(ステップS30)。
【0059】
本実施形態の規制解除判定処理において、外部装置90は、特定解除条件の成立として、自動販売機1の管理者によって特定の解除操作が行われること、自動販売機1から受信した自動販売機固有情報が特定地域(例えば空港)に設置されたものに対応すること、自動販売機1から受信したパスポート情報が特定のパスポート情報(例えば在外者)であることのいずれかが成立したか否かを判定している。
【0060】
本実施形態の規制解除判定処理において、外部装置90は、特定解除条件が成立していないと判定すると、ステップS40に処理を移す。また、外部装置90は、特定解除条件が成立したと判定すると、医薬品の販売の規制を一部解除するため、後述するステップS40及びステップS50の処理をスキップする。
【0061】
外部装置90は、識別した購入者に対し、所定期間内に同じ医薬品を所定数以上販売することを規制する「多数販売規制処理」を行う(ステップS40)。
【0062】
本実施形態の多数販売規制処理においては、外部装置90は、RTC(Real Time Clock)等から現在の時間情報を取得したうえで、データベース記憶部92に記憶された販売履歴情報を参照し、ステップS20で生成した購入者の固有情報に対応する販売履歴情報を抽出して、抽出した販売履歴情報と現在の時間情報とに基づいて、所定期間内に同じ医薬品を所定数以上販売することになるか否かを判定する。外部装置90は、所定期間内(例えば1週間以内)に同じ医薬品を所定数以上販売することになると判定すると、医薬品の販売の規制をする多数販売禁止情報(装置要因販売禁止情報)を自動販売機1に送信する。また、外部装置90は、所定期間内に同じ医薬品を所定数以上販売しないと判定すると、ステップS50に処理を移す。
【0063】
外部装置90は、ステップS40の多数販売規制処理が終了すると、子供への医薬品を規制する「子供販売規制処理」を行う(ステップS50)。
【0064】
本実施形態の子供販売規制処理においては、外部装置90は、自動販売機1から受信した撮影情報における顔情報や身長情報等から大人であるか子供であるかを識別し、子供であると識別したときには、医薬品の販売の規制をする子供販売禁止情報(装置要因販売禁止情報)を自動販売機1に送信する。外部制御部91は、大人であると識別したときには、本処理を終了する。このため、本実施形態の自動販売機システム100は、大人であると識別されたときには、子供用の医薬品であっても医薬品の販売が規制されないことになる。
【0065】
再び、左列の自動販売機1の処理に説明を戻し、自動販売機1は、購入者から購入開始操作があると、医薬品等の選択から販売する医薬品の確定までを制御する「販売統括制御処理」を行う(ステップS60)。また、販売統括制御処理においては、外部装置90から装置要因販売禁止情報として多数販売禁止情報または子供販売禁止情報を受信すると、医薬品の販売を規制するように制御されている。この販売統括制御処理については、詳しくは
図6~
図8を用いて後述する。
【0066】
自動販売機1は、ステップS60の販売統括制御処理において販売する医薬品が確定されると、ベルト位置検知センサ36、ベルト商品検知センサ37、トレイ位置検知センサ46及びトレイ商品検知センサ47からの位置情報等を入力しながら、ベルト駆動部34及び昇降駆動部44の駆動を制御して、販売する医薬品を商品取出口12まで搬送する搬送制御処理を行う(ステップS70)。
【0067】
本実施形態の搬送制御処理においては、販売する医薬品が収納された収納部30の収納段Dまでトレイ41を昇降させた後、販売する医薬品が収納された収納部30の収納レーンRに対応するコンベア31により医薬品をトレイ41に搬送し、トレイ41に載置された医薬品を商品取出口12に搬送する。
【0068】
自動販売機1は、ステップS70の搬送制御処理が終了すると、購入者の固有情報に対応付けて、少なくとも販売した医薬品の種類とその医薬品の販売個数との情報が含まれた販売結果情報を外部装置90に送信する。なお、本実施形態においては、販売結果情報は、ステップS70の搬送制御処理が終了したときに送信されるように構成されているが、ステップS60の販売統括制御処理が終了したときに送信されるように構成してもよい。
【0069】
外部装置90は、自動販売機1から購入者の固有情報を対応付けた販売結果情報を受信すると、データベース記憶部92に対し、販売結果情報に対応付けられた購入者の固有情報の販売履歴情報に、販売結果情報を受信した受信時間と、受信した販売結果情報の情報とを追加して更新させる「販売履歴情報更新処理」を行う(ステップS80)。
【0070】
このように、本実施形態における自動販売機システム100によれば、複数の自動販売機1と接続された外部装置90により多数販売規制処理(ステップS40)が行われるため、店舗Aで設置された自動販売機1において医薬品を購入した後、別の店舗Bに設置された自動販売機1において同じ医薬品を購入するような場合であっても、同じ購入者に対して所定期間内に同じ医薬品を所定数以上販売することを規制することができる。
【0071】
また、外部装置90により多数販売規制処理(ステップS40)及び子供販売規制処理(ステップS50)が行われるため、自動販売機1における制御負担の軽減を図り、自動販売機が医薬品を提供するまでの制御処理時間の短縮を図ることもできる。
【0072】
なお、上述したシーケンス図における自動販売機1及び外部装置90(外部制御部91及びデータベース記憶部92)の処理は、自動販売機1及び外部装置90の全ての処理を示したものではなく、この他にも多数の機能を果たすための処理が行われている。
【0073】
[自動販売機の販売統括制御処理]
次に、
図5において上述した自動販売機1の販売統括制御処理の詳細について説明する。
図6は、実施形態に係る自動販売機1の販売統括制御処理を示すフローチャートの一例である。
【0074】
ステップ101において、販売制御部71は、外部装置90から装置要因販売禁止情報として、多数販売禁止情報または子供販売禁止情報を受信したか否かを判定する。
【0075】
ステップ101において、販売制御部71は、多数販売禁止情報または子供販売禁止情報を受信したと判定した場合、医薬品の販売の規制をするためにステップ102に処理を移す。一方、販売制御部71は、多数販売禁止情報または子供販売禁止情報を受信していないと判定した場合、医薬品を購入させる選択を行わせるためにステップ103に処理を移す。
【0076】
ステップ102において、販売制御部71は、「薬剤師相談案内画面」を表示させる表示処理を行う。
【0077】
この「薬剤師相談案内画面」においては、
図10(b)で後述するように、表示部10に医薬品を購入できない旨が表示され、医薬品を購入させるための選択が行われず、医薬品の販売が規制されている。この処理を終了すると、販売する医薬品が確定されないことから、ステップS70の搬送制御処理(
図5参照)も行われず、その後の操作によって「購入開始画面」に戻ることになる。
【0078】
ステップ103において、販売制御部71は、「購入開始画面」からいずれかの購入ルートが選択されたか否かを判定する。
【0079】
ここで、「購入開始画面」においては、
図10(a)で後述するように、購入者が医薬品を選択して医薬品を購入していくための「商品選択の購入ルート」を選択するボタンと、購入者が症状を選択して医薬品を購入していくための「症状選択の購入ルート」を選択するボタンとが少なくとも表示されており、購入者が医薬品を購入するにあたり、いずれかの購入ルートを選択できるように構成されている。
【0080】
ステップ103において、販売制御部71は、「購入開始画面」からいずれかの購入ルートが選択されたと判定した場合、ステップ104に処理を移す。一方、販売制御部71は、「購入開始画面」からいずれの購入ルートも選択されていないと判定した場合、購入ルートが選択されるまで待機する。
【0081】
ステップ104において、販売制御部71は、購入ルートとして「商品選択の購入ルート」が選択されたか否かを判定する。
【0082】
ステップ104において、販売制御部71は、購入ルートとして「商品選択の購入ルート」が選択されたと判定した場合、商品選択購入ルートとしてステップ200の商品選択購入ルート制御処理に処理を移す。一方、販売制御部71は、購入ルートとして「商品選択の購入ルート」が選択されていないと判定した場合、症状選択購入ルートとしてステップ300の症状選択購入ルート制御処理に処理を移す。
【0083】
ステップ200において、販売制御部71は、購入者が医薬品を選択して、医薬品を購入していくための商品選択購入ルート制御処理を行う。この商品選択購入ルート制御処理については、詳しくは
図7を用いて後述する。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ105に処理を移す。
【0084】
ステップ300において、販売制御部71は、購入者が症状を選択して、医薬品を購入していくための症状選択購入ルート制御処理を行う。この症状選択購入ルート制御処理については、詳しくは
図8を用いて後述する。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ105に処理を移す。
【0085】
ステップ105において、販売制御部71は、表示部10に「商品最終確認画面」を表示しているか否かを判定する。
【0086】
この「商品最終確認画面」においては、
図11(c)で後述するように、ステップ200の商品選択購入ルート制御処理またはステップ300の症状選択購入ルート制御処理において最終的に選択された医薬品を購入するか否かの意思確認の表示が行われるように構成されている。
【0087】
ステップ105において、販売制御部71は、表示部10に「商品最終確認画面」を表示していると判定した場合、ステップ106に処理を移す。一方、販売制御部71は、表示部10に「商品最終確認画面」を表示していないと判定した場合、今回の処理を終了する。
【0088】
ステップ106において、販売制御部71は、最終的に選択された医薬品の購入を確定したか否かを判定する。
【0089】
ステップ106において、販売制御部71は、最終的に選択された医薬品の購入を確定したと判定した場合、ステップ107に処理を移す。一方、販売制御部71は、最終的に選択された医薬品の購入を確定しなかったと判定した場合、今回の処理を終了する。
【0090】
ステップ107において、販売制御部71は、最終的に選択された医薬品を確定し、確定した医薬品に関する情報を記憶する医薬品の確定処理を行う。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ108に処理を移す。
【0091】
ステップ108において、販売制御部71は、確定した医薬品の購入代金を算出する算出処理を行う。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ109に処理を移す。
【0092】
ステップ109において、販売制御部71は、購入者により支払われた支払代金≧算出した医薬品の購入代金であるか否かを判定する。
【0093】
ステップ109において、販売制御部71は、支払代金≧購入代金であると判定した場合、ステップ110に処理を移す。一方、販売制御部71は、支払代金≧購入代金でないと判定した場合、追加の支払代金があるまで待機する。
【0094】
ステップ110において、販売制御部71は、支払代金から購入代金を減算し、釣銭を算出する釣銭算出処理を行う。また、この釣銭算出処理では、算出した釣銭の情報を金銭情報入出力部60に出力する。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ111に処理を移す。
【0095】
ステップ111において、販売制御部71は、確定した医薬品が収納された収納部30の位置を算出する算出処理を行う。この処理を終了すると、販売制御部71は、ステップS70の搬送制御処理(
図5参照)に処理を移す。
【0096】
(商品選択購入ルート制御処理)
次に、上述した自動販売機1の商品選択購入ルート制御処理の詳細について説明する。
図7は、販売統括制御処理のサブルーチンとして、実施形態に係る自動販売機1の商品選択購入ルート制御処理を示すフローチャートの一例である。
【0097】
ステップ201において、販売制御部71は、「購入開始画面」から「商品選択の購入ルート」が選択されたか否かを判定する。
【0098】
ステップ201において、販売制御部71は、「購入開始画面」から「商品選択の購入ルート」が選択されたと判定した場合、ステップ202に処理を移す。一方、販売制御部71は、「購入開始画面」から「商品選択の購入ルート」が選択されていないと判定した場合、ステップ203に処理を移す。
【0099】
ステップ202において、販売制御部71は、表示部10に「商品選択画面」を表示させる表示処理を行う。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ203に処理を移す。
【0100】
この「商品選択画面」においては、
図11(a)で後述するように、自動販売機1に収納された複数の医薬品が表示され、いずれかの医薬品を選択できるように構成されている。
【0101】
ステップ203において、販売制御部71は、表示部10に「商品選択画面」を表示しているか否かを判定する。
【0102】
ステップ203において、販売制御部71は、表示部10に「商品選択画面」を表示していると判定した場合、ステップ204に処理を移す。一方、販売制御部71は、表示部10に「商品選択画面」を表示していないと判定した場合、ステップ207に処理を移す。
【0103】
ステップ204において、販売制御部71は、「商品選択画面」において購入者により医薬品が選択されたか否かを判定する。
【0104】
ステップ204において、販売制御部71は、医薬品が選択されたと判定した場合、ステップ205に処理を移す。一方、販売制御部71は、医薬品が選択されていないと判定した場合、ステップ207に処理を移す。
【0105】
ステップ205において、販売制御部71は、選択された医薬品に基づいて、服用注意項目からなる否定的条件項目と、病状項目等からなる肯定的条件項目との抽出を行う。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ206に処理を移す。
【0106】
本実施形態においては、「肯定的条件項目」は、喉が痛い、熱がある、くしゃみ、鼻水などの具体的な病状の内容を示す病状項目と、常備薬としての医薬品を示す常備薬項目と、ジェネリックを希望することを示すジェネリック項目とで構成されており、商品選択購入ルート制御処理においては、肯定的条件項目として、選択された医薬品に基づいて病状項目と常備薬項目とが抽出される。例えば、医薬品として「薬A」が選択された場合には、薬Aの安全性と有効性を確保するために、薬アレルギー、妊娠中、ステロイド使用中などの服用注意項目と、喉が痛い、熱がある、くしゃみなどの病状項目と、常備薬としての医薬品を示す常備薬項目とが抽出される。
【0107】
ステップ206において、販売制御部71は、表示部10に「選択商品説明画面」を表示させる表示処理を行う。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ207に処理を移す。
【0108】
この「選択商品説明画面」においては、
図11(b)で後述するように、選択された医薬品、ステップ205で抽出された否定的条件項目及び肯定的条件項目が表示され、それぞれの項目を選択できるように構成されている。
【0109】
ステップ207において、販売制御部71は、表示部10に「選択商品説明画面」を表示しているか否かを判定する。
【0110】
ステップ207において、販売制御部71は、表示部10に「選択商品説明画面」を表示していると判定した場合、ステップ208に処理を移す。一方、販売制御部71は、表示部10に「選択商品説明画面」を表示していないと判定した場合、今回の処理を終了する。
【0111】
ステップ208において、販売制御部71は、否定的条件項目及び肯定的条件項目の選択が終了したか否かを判定する。
【0112】
ステップ208において、販売制御部71は、否定的条件項目及び肯定的条件項目の選択が終了したと判定した場合、ステップ209に処理を移す。一方、販売制御部71は、否定的条件項目及び肯定的条件項目の選択が終了していないと判定した場合、否定的条件項目及び肯定的条件項目の選択が終了するまで待機する。
【0113】
ステップ209において、販売制御部71は、いずれの否定的条件項目の選択もないか否かを判定する。
【0114】
ステップ209において、販売制御部71は、いずれの否定的条件項目の選択もないと判定した場合、ステップ210に処理を移す。一方、販売制御部71は、いずれかの否定的条件項目の選択があると判定した場合、医薬品の販売の規制をするためにステップ211に処理を移す。
【0115】
ステップ210において、販売制御部71は、いずれかの肯定的条件項目の選択があるか否かを判定する。
【0116】
ステップ210において、販売制御部71は、いずれかの肯定的条件項目の選択があると判定した場合、ステップ212に処理を移す。一方、販売制御部71は、いずれの肯定的条件項目の選択もないと判定した場合、医薬品の販売の規制をするためにステップ211に処理を移す。
【0117】
ステップ211において、販売制御部71は、上述したステップ102と同様に、医薬品の販売の規制をするために表示部10に「薬剤師相談案内画面」を表示させる表示処理を行う。
【0118】
ステップ212において、販売制御部71は、「商品選択画面」において選択された医薬品について最終的な購入の意思確認をするために、表示部10に「商品最終確認画面」を表示させる表示処理を行う。この処理を終了すると、販売制御部71は、ステップS105(
図6参照)に処理を移す。
【0119】
(症状選択購入ルート制御処理)
次に、上述した自動販売機1の症状選択購入ルート制御処理の詳細について説明する。
図8は、販売統括制御処理のサブルーチンとして、実施形態に係る自動販売機1の症状選択購入ルート制御処理を示すフローチャートの一例である。
【0120】
ステップ301において、販売制御部71は、「購入開始画面」から「症状選択の購入ルート」が選択されたか否かを判定する。
【0121】
ステップ301において、販売制御部71は、「購入開始画面」から「症状選択の購入ルート」が選択されたと判定した場合、ステップ302に処理を移す。一方、販売制御部71は、「購入開始画面」から「症状選択の購入ルート」が選択されていないと判定した場合、ステップ303に処理を移す。
【0122】
ステップ302において、販売制御部71は、表示部10に「カテゴリー項目選択画面」を表示させる表示処理を行う。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ303に処理を移す。
【0123】
この「カテゴリー項目選択画面」においては、
図12(a)で後述するように、複数のカテゴリー項目が表示され、いずれかのカテゴリー項目を選択できるように構成されている。
【0124】
ここで、「カテゴリー項目」とは、喉が痛い、熱がある、くしゃみ、鼻水などの具体的な病状項目等からなる肯定的条件項目について症状、部位等からグルーピングした上位概念の項目であり、例えば、「風邪・熱・頭痛」、「消化器・肛門」、「皮膚」、「目・耳・鼻・口」、「筋肉・関節」、「生活習慣」、「女性・小児」等の項目が挙げられる。
【0125】
ステップ303において、販売制御部71は、表示部10に「カテゴリー項目選択画面」を表示しているか否かを判定する。
【0126】
ステップ303において、販売制御部71は、表示部10に「カテゴリー項目選択画面」を表示していると判定した場合、ステップ304に処理を移す。一方、販売制御部71は、表示部10に「カテゴリー項目選択画面」を表示していないと判定した場合、ステップ307に処理を移す。
【0127】
ステップ304において、販売制御部71は、「カテゴリー項目選択画面」において購入者によりカテゴリー項目が選択されたか否かを判定する。
【0128】
ステップ304において、販売制御部71は、カテゴリー項目が選択されたと判定した場合、ステップ305に処理を移す。一方、販売制御部71は、カテゴリー項目が選択されていないと判定した場合、ステップ307に処理を移す。
【0129】
ステップ305において、販売制御部71は、選択されたカテゴリー項目に基づいて、服用注意項目からなる否定的条件項目と、病状項目等からなる肯定的条件項目との抽出を行う。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ306に処理を移す。
【0130】
上述したように、「肯定的条件項目」は、病状項目と常備薬項目とジェネリック項目とで構成されているが、症状選択購入ルート制御処理においては、肯定的条件項目として、選択されたカテゴリー項目に基づいて病状項目とジェネリック項目とが抽出される。例えば、カテゴリー項目として「生活習慣」が選択された場合には、医薬品の安全性と有効性を確保するために、薬アレルギー、妊娠中、18歳未満、ステロイド使用中などの服用注意項目と、疲労、だるさ、二日酔い、乗り物酔い、熱中症、便秘、食欲不振、肩こり、目が疲れるなどの病状項目と、ジェネリックを希望することを示すジェネリック項目とが抽出される。
【0131】
ステップ306において、販売制御部71は、表示部10に「詳細病状選択画面」を表示させる表示処理を行う。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ307に処理を移す。
【0132】
この「詳細病状選択画面」においては、
図12(b)で後述するように、ステップ305で抽出された否定的条件項目及び肯定的条件項目が表示され、それぞれの項目を選択できるように構成されている。
【0133】
ステップ307において、販売制御部71は、表示部10に「詳細病状選択画面」を表示しているか否かを判定する。
【0134】
ステップ307において、販売制御部71は、表示部10に「詳細病状選択画面」を表示していると判定した場合、ステップ308に処理を移す。一方、販売制御部71は、表示部10に「詳細病状選択画面」を表示していないと判定した場合、今回の処理を終了する。
【0135】
ステップ308において、販売制御部71は、否定的条件項目及び肯定的条件項目の選択が終了したか否かを判定する。
【0136】
ステップ308において、販売制御部71は、否定的条件項目及び肯定的条件項目の選択が終了したと判定した場合、ステップ309に処理を移す。一方、販売制御部71は、否定的条件項目及び肯定的条件項目の選択が終了していないと判定した場合、否定的条件項目及び肯定的条件項目の選択が終了するまで待機する。
【0137】
ステップ309において、販売制御部71は、いずれの否定的条件項目の選択もないか否かを判定する。
【0138】
ステップ309において、販売制御部71は、いずれの否定的条件項目の選択もないと判定した場合、ステップ310に処理を移す。一方、販売制御部71は、いずれかの否定的条件項目の選択があると判定した場合、医薬品の販売の規制をするためにステップ311に処理を移す。
【0139】
ステップ310において、販売制御部71は、いずれかの肯定的条件項目の選択があるか否かを判定する。
【0140】
ステップ310において、販売制御部71は、いずれかの肯定的条件項目の選択があると判定した場合、ステップ312に処理を移す。一方、販売制御部71は、いずれの肯定的条件項目の選択もないと判定した場合、医薬品の販売の規制をするためにステップ311に処理を移す。
【0141】
ステップ311において、販売制御部71は、上述したステップ102と同様に、医薬品の販売の規制をするために表示部10に「薬剤師相談案内画面」を表示させる表示処理を行う。
【0142】
ステップ312において、販売制御部71は、選択された1または複数の肯定的条件項目に含まれた病状項目に基づいて、自動販売機1に収納された複数の医薬品の中から、選択された肯定的条件項目に対する効能・効果等を有する1または複数の医薬品を候補薬として抽出する。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ313に処理を移す。
【0143】
ステップ313において、販売制御部71は、表示部10に「候補薬表示画面」を表示させる表示処理を行う。この処理を終了すると、販売制御部71はステップ314に処理を移す。
【0144】
この「候補薬表示画面」においては、
図12(c)で後述するように、ステップ312で抽出された候補薬が表示され、表示された候補薬を選択できるように構成されている。
【0145】
ステップ314において、販売制御部71は、表示部10に「候補薬表示画面」を表示しているか否かを判定する。
【0146】
ステップ314において、販売制御部71は、表示部10に「候補薬表示画面」を表示していると判定した場合、ステップ315に処理を移す。一方、販売制御部71は、表示部10に「候補薬表示画面」を表示していないと判定した場合、今回の処理を終了する。
【0147】
ステップ315において、販売制御部71は、「候補薬表示画面」において候補薬の中から医薬品が選択されたか否かを判定する。
【0148】
ステップ315において、販売制御部71は、候補薬の中から医薬品が選択されたと判定した場合、ステップ309に処理を移す。一方、販売制御部71は、候補薬の中から医薬品が選択されなかったと判定した場合、候補薬の中から医薬品が選択されるまで待機する。
【0149】
ステップ316において、販売制御部71は、「候補薬表示画面」において選択された医薬品について最終的な購入の意思確認をするために、表示部10に「商品最終確認画面」を表示させる表示処理を行う。この処理を終了すると、販売制御部71は、ステップS105(
図6参照)に処理を移す。
【0150】
[自動販売機の表示画面の遷移]
次に、自動販売機1の表示部10に表示される表示画面の遷移について説明する。
図9は、実施形態に係る自動販売機1の表示部10に表示される表示画面の遷移を示す画面遷移図の一例である。
【0151】
図9に示すように、自動販売機1の表示部10には、医薬品を購入するための初期表示画面として、購入開始画面500が表示されている。
【0152】
図9の左列に示すように、購入開始画面500において商品選択の購入ルートが選択されると、表示画面が商品選択画面601に移行する。
【0153】
商品選択画面601において医薬品が選択されると、表示画面が選択商品説明画面602に移行する。なお、上述のフローチャートでは処理の説明を省略したが、商品選択画面601においては、所定の購入ルート変更ボタンが選択されると、表示画面が商品選択画面601からカテゴリー項目選択画面701に移行可能に構成されている。
【0154】
選択商品説明画面602において否定的条件項目及び肯定的条件項目が選択されると、選択内容に応じて、表示画面が商品最終確認画面501または薬剤師相談案内画面502に移行する。なお、上述のフローチャートでは処理の説明を省略したが、選択商品説明画面602においては、戻るボタンが選択されると、表示画面が選択商品説明画面602から商品選択画面601に戻ることも可能に構成されている。
【0155】
上述したように、選択商品説明画面602において、いずれの否定的条件項目の選択もなく、かつ、いずれかの肯定的条件項目の選択があるときには、表示画面が商品最終確認画面501に移行する。一方、いずれかの否定的条件項目の選択があるとき、または、いずれの肯定的条件項目の選択もないとき、さらには、否定的条件項目及び肯定的条件項目のすべての項目の選択がないときには、医薬品の購入を規制するための購入規制画面として、表示画面が薬剤師相談案内画面502に移行する。
【0156】
図9の右列に示すように、購入開始画面500において症状選択の購入ルートが選択されると、表示画面がカテゴリー項目選択画面701に移行する。
【0157】
カテゴリー項目選択画面701においてカテゴリー項目が選択されると、表示画面が詳細病状選択画面702に移行する。なお、上述のフローチャートでは処理の説明を省略したが、カテゴリー項目選択画面701においては、所定の購入ルート変更ボタンが選択されると、表示画面がカテゴリー項目選択画面701から商品選択画面601に移行可能に構成されている。
【0158】
詳細病状選択画面702において否定的条件項目及び肯定的条件項目が選択されると、選択内容に応じて、表示画面が候補薬表示画面703または薬剤師相談案内画面502に移行する。なお、上述のフローチャートでは処理の説明を省略したが、詳細病状選択画面702においては、戻るボタンが選択されると、表示画面が詳細病状選択画面702からカテゴリー項目選択画面701に戻ることも可能に構成されている。
【0159】
上述したように、詳細病状選択画面702において、いずれの否定的条件項目の選択もなく、かつ、いずれかの肯定的条件項目の選択があるときには、表示画面が候補薬表示画面703に移行する。一方、いずれかの否定的条件項目の選択があるとき、または、いずれの肯定的条件項目の選択もないとき、さらには、否定的条件項目及び肯定的条件項目のすべての項目の選択がないときには、表示画面が薬剤師相談案内画面502に移行する。
【0160】
候補薬表示画面703において候補薬の中から医薬品が選択されると、表示画面が商品最終確認画面501に移行する。なお、上述のフローチャートでは処理の説明を省略したが、候補薬表示画面703においては、戻るボタンが選択されると、表示画面が候補薬表示画面703から詳細病状選択画面702に戻ることも可能に構成されている。
【0161】
商品最終確認画面501において最終的に選択された医薬品の購入が確定されたときには、医薬品の販売が行われることになる。なお、上述のフローチャートでは処理の説明を省略したが、商品選択画面601においては、医薬品を購入しないNOボタンが選択されると、表示画面が商品最終確認画面501から1つ前の表示画面に戻ることも可能に構成されている。
【0162】
[自動販売機の表示画面]
上述した自動販売機1の表示部10に表示される表示画面の一例について説明する。
【0163】
(購入開始画面及び薬剤師相談案内画面)
まず、
図10を参照して、自動販売機1の表示部10に表示される購入開始画面500及び薬剤師相談案内画面502について説明する。
図10は、実施形態に係る自動販売機1の表示部10に表示される購入開始画面500及び薬剤師相談案内画面502の一例である。
【0164】
図10(a)は、自動販売機1の表示部10に表示される購入開始画面500の一例である。
【0165】
図10(a)に示すように、購入開始画面500においては、購入者が医薬品を選択して医薬品を購入していくための商品選択の購入ルートを選択するボタン511と、購入者が症状を選択して医薬品を購入していくための症状選択の購入ルートを選択するボタン512とが少なくとも表示されている。
【0166】
図10(b)は、自動販売機1の表示部10に表示される薬剤師相談案内画面502の一例である。
【0167】
図10(b)に示すように、薬剤師相談案内画面502においては、医薬品を購入できない旨が表示され、医薬品を購入させるための選択が行われず、医薬品の販売が規制されている。
【0168】
(商品選択の購入ルートが選択されたときの表示画面)
次に、
図11を参照して、商品選択の購入ルートが選択されたときに、自動販売機1の表示部10に表示される表示画面の一例について説明する。
図11は、実施形態に係る自動販売機1の表示部10に表示される商品選択画面601、選択商品説明画面602及び商品最終確認画面501の一例である。
【0169】
図11(a)は、自動販売機1の表示部10に表示される商品選択画面601の一例である。
【0170】
図11(a)に示すように、商品選択画面601においては、自動販売機1に収納された複数の医薬品が表示され、表示された医薬品を選択する複数の医薬品選択ボタン611が少なくとも表示されている。
【0171】
図11(b)は、自動販売機1の表示部10に表示される選択商品説明画面602の一例であり、商品選択画面601において「医薬品10」の医薬品選択ボタン611が選択されて表示画面が移行したとき選択商品説明画面602の一例である。
【0172】
図11(b)に示すように、選択商品説明画面602においては、選択された医薬品10に関する「効能/効果」、「用法/容量」、「成分」、「注意」に関する商品情報612と、薬アレルギー、妊娠中、〇〇薬使用中などの服用注意項目からなる否定的条件項目を選択する否定的条件項目ボタン521と、病状項目等からなる肯定的条件項目を選択する肯定的条件項目ボタン522と、否定的条件項目及び肯定的条件項目の各項目の選択を終了する入力終了ボタン523とが少なくとも表示されている。また、本実施形態の選択商品説明画面602においては、肯定的条件項目ボタン522は、喉が痛い、熱がある、くしゃみなど病状項目を選択する病状項目ボタン522aと、常備薬としての医薬品を示す常備薬項目を選択する常備薬項目ボタン522bとで構成されている。
【0173】
また、この否定的条件項目ボタン521と肯定的条件項目ボタン522とは、購入者が選択可能なチェックボックスから構成され、購入者により選択される前には、否定的条件項目ボタン521と肯定的条件項目ボタン522とは異なる色のチェックボックスで表示されている。そして、購入者により否定的条件項目ボタン521または肯定的条件項目ボタン522が選択されると、否定的条件項目ボタン521と肯定的条件項目ボタン522とは同じ色のチェックボックスに変化するように構成されている。このため、購入者により否定的条件項目ボタン521または肯定的条件項目ボタン522が選択される前には、否定的条件項目ボタン521と肯定的条件項目ボタン522とが区別可能であり、購入者により否定的条件項目ボタン521または肯定的条件項目ボタン522が選択された後には、否定的条件項目ボタン521と肯定的条件項目ボタン522とが区別できないことになる。
【0174】
図11(c)は、自動販売機1の表示部10に表示される商品最終確認画面501の一例であり、選択商品説明画面602において、いずれの否定的条件項目521の選択もなく、かつ、いずれかの肯定的条件項目522の選択がされて表示画面が移行したときの商品最終確認画面501の一例である。
【0175】
図11(c)に示すように、商品最終確認画面501においては、最終的に選択された医薬品の購入を確定するYESボタン531と、最終的に選択された医薬品を購入しないNOボタン532とが少なくとも表示されている。
【0176】
(症状選択の購入ルートが選択されたときの表示画面)
次に、
図12を参照して、症状選択の購入ルートが選択されたときに、自動販売機1の表示部10に表示される表示画面の一例について説明する。
図12は、実施形態に係る自動販売機1の表示部10に表示されるカテゴリー項目選択画面701、詳細病状選択画面702及び候補薬表示画面703の一例である。
【0177】
図12(a)は、自動販売機1の表示部10に表示されるカテゴリー項目選択画面701の一例である。
【0178】
図12(a)に示すように、カテゴリー項目選択画面701においては、複数のカテゴリー項目が表示され、表示されたカテゴリー項目を選択する複数のカテゴリー項目選択ボタン711が少なくとも表示されている。
【0179】
図12(b)は、自動販売機1の表示部10に表示される詳細病状選択画面702の一例であり、カテゴリー項目選択画面701において「生活習慣」のカテゴリー項目が選択されて表示画面が移行したとき詳細病状選択画面702の一例である。
【0180】
図12(b)に示すように、詳細病状選択画面702においては、服用注意項目からなる否定的条件項目を選択する否定的条件項目ボタン521と、病状項目等からなる肯定的条件項目を選択する肯定的条件項目ボタン522と、否定的条件項目及び肯定的条件項目の各項目の選択を終了する入力終了ボタン523とが少なくとも表示されている。また、本実施形態の詳細病状選択画面702においては、肯定的条件項目ボタン522は、具体的な病状の内容を示す病状項目を選択する病状項目ボタン522aと、ジェネリックを希望することを示すジェネリック項目を選択するジェネリック項目ボタン522cとで構成されている。
【0181】
また、否定的条件項目ボタン521と肯定的条件項目ボタン522とは、選択商品説明画面602と同様の機能を有するチェックボックスで構成されている。
【0182】
図12(c)は、自動販売機1の表示部10に表示される候補薬表示画面703の一例であり、詳細病状選択画面702において、いずれの否定的条件項目521の選択もなく、かつ、いずれかの肯定的条件項目522の選択がされて表示画面が移行したときの候補薬表示画面703の一例である。
【0183】
図12(c)に示すように、候補薬表示画面703においては、複数の候補薬が表示され、表示された候補薬を選択する複数の候補薬選択ボタン731が少なくとも表示されている。なお、候補薬表示画面703においては、上述したように、必ずしも複数の候補薬が表示されることに限定されず、選択された肯定的条件項目に応じては、1つの候補薬しか表示されないこともある。
【0184】
(1-1)以上のように、本実施形態においては、販売制御部71は、症状選択購入ルートが選択された場合には、病状項目と服用注意項目とを表示し、購入者により服用注意項目が選択されなかったことを確認すると、購入者により選択された病状項目に基づいて、医薬品の候補薬を表示し、表示した候補薬が購入者により選択されたことを確認すると、医薬品を提供する制御を行う。また、販売制御部71は、商品選択購入ルートが選択された場合には、自動販売機に収納されている複数の医薬品を購入者が選択可能に表示し、表示した医薬品が購入者により選択されたことを確認すると、購入者が選択可能な項目として、選択された医薬品に応じた服用注意項目を表示し、購入者により服用注意項目が選択されなかったことを確認すると、医薬品を提供する制御を行っている。
このため、病状項目により医薬品の有効性を確保し、服用注意項目により医薬品の安全性を確保しながらも、購入者による症状選択購入ルートまたは商品選択購入ルートの選択により、医薬品の購入の利便性を向上させることができる。さらに、症状選択購入ルートが選択された場合には、購入者により選択された病状項目に基づいて適切な医薬品の候補薬を表示し、商品選択購入ルートが選択された場合には、購入者により選択された医薬品に基づいて適切な服用注意項目を表示することができる。
【0185】
(1-2)さらに、本実施形態においては、販売制御部71は、商品選択購入ルートが選択された場合には、表示した医薬品が購入者により選択されたことを確認すると、選択された医薬品に応じて服用注意項目と病状項目を表示し、購入者により服用注意項目が選択されなかったことを確認し、かつ、購入者により病状項目が選択されたことを確認すると、医薬品を提供する制御を行っている。
このため、購入者が医薬品を直接選択したときであっても、選択した医薬品に応じて適切な服用注意項目ばかりではなく、選択した医薬品に応じて適切な病状項目も表示されることから、購入者の誤りや勘違いで医薬品を選択したとしても、病状項目から効能や効果等による誤りや勘違いを気づかせ、医薬品の安全性と有効性をより高めることができる。
【0186】
(1-3)さらに、本実施形態においては、病状項目及び服用注意項目は、項目内容と購入者の選択を受け付けるチェックボックスから構成されている。そして、販売制御部71は、購入者により服用注意項目が選択されたことを確認すると医薬品を販売しないように規制し、購入者により病状項目が選択されなかったことを確認すると医薬品を販売しないように規制することにより、病状項目及び服用注意項目のいずれの選択もされないと、医薬品を販売しないように規制されている。
このため、購入者は、医薬品を直接選択したときであっても、病状を選択したときであっても、必ず病状項目の受付を必要とし、購入者の意思確認を省くようないわゆるノーチェックで自動的に医薬品を購入することを防止し、医薬品の安全性と有効性をより高めることができる。
【0187】
(1-4)さらに、本実施形態においては、自動販売機1は、医薬品を収納し、左右方向の複数の収納レーンR1~R4と上下方向の複数の収納段D1~R10とで区画される複数の収納部30と、収納部30の前方に配置され、医薬品を載置可能なトレイ41と、収納部30に収納された医薬品をトレイ41に搬送するコンベア31と、トレイ41を上下方向に昇降させ、トレイ41に載置された医薬品を商品取出し口12に搬送する昇降駆動部44を備えている。そして、販売制御部71は、販売する医薬品が収納された収納部30の位置を算出し、算出した収納部30の収納段D1~R10までトレイ41を昇降駆動部44により昇降させ、算出した収納部30の収納レーンに対応するコンベア31により医薬品をトレイ41に搬送し、昇降駆動部44によりトレイ41に載置された医薬品を商品取出し口12に搬送している。
このため、医薬品を提供するにあたり、販売する医薬品に過度な衝撃を与えることなく、医薬品の錠剤や瓶を破壊せずに医薬品を提供することができる。
【0188】
(2-1)また、本実施形態においては、自動販売機1は、購入者の操作により選択情報を入力する操作入力部11と、購入者を撮影するカメラ20と、医薬品を販売するための制御を行う販売制御部71とを備えている。そして、販売制御部71は、購入者により操作入力部20に入力された選択情報に基づいて医薬品の販売を規制する購入者起因規制部74と、カメラ20により撮影された撮影情報に基づいて医薬品の販売を規制する装置起因規制部75とを有している。
このため、購入者の意思確認による自発的な医薬品の安全性と有効性の確認と、装置(カメラ)による強制的な医薬品の安全性と有効性の確認とを図ることができ、医薬品の安全性と有効性を確保しながらも、自動販売機1として医薬品の購入の利便性を向上させることができる。
【0189】
(2-2)さらに、本実施形態においては、装置起因規制部75は、カメラ20により撮影された購入者の顔情報に基づいて購入者が識別され、識別された購入者に対して、所定期間内に同じ医薬品を所定数以上販売することを規制している。
このため、所定期間内に同じ医薬品を多数販売することを防止し、医薬品の安全性をより高めることができる。
【0190】
(2-3)さらに、本実施形態においては、自動販売機1は、複数の自動販売機1と通信可能に接続された外部装置90と通信するための通信部80を備えている。そして、装置起因規制部75は、カメラ20により撮影された撮影情報を外部装置90に送信し、外部装置90に撮影情報を送信したことにより、外部装置90から所定期間内に同じ医薬品を所定数以上販売することを規制するための多数販売禁止情報を受信すると、医薬品の販売を規制し、多数販売禁止情報を受信せずに、医薬品の販売を行ったときには、購入した購入者の固有情報に少なくとも販売した医薬品の販売個数を対応付けた販売結果情報を外部装置90に送信している。
このため、カメラ20により識別された同じ購入者に対しては、異なる店舗で設置された自動販売機1にわたって多数の医薬品を購入しようとしても、所定期間内に同じ医薬品を所定数以上販売することを規制することができる。
【0191】
(2-4)さらに、本実施形態においては、販売制御部71は、自動販売機1の管理者によって特定の解除操作が行われたり、金銭情報入出力部60から入力されたパスポート情報が特定のパスポート情報(例えば在外者)であったりすると、特定解除条件が成立したとして、購入者起因規制部74による医薬品の販売の規制は維持したまま、装置起因規制部75による医薬品の販売の規制を行わないようにしている。
このため、医薬品の安全性と有効性を確保できるような条件下であれば、装置起因規制部75による医薬品の販売の規制を解除し、医薬品の購入の利便性を向上させることができる。
【0192】
(2-5)さらに、本実施形態においては、装置起因規制部75は、カメラ20により撮影された撮影情報に基づいて購入者が大人であるか子供であるかが識別され、子供であると識別されたときには、大人用の医薬品であっても子供用の医薬品であっても医薬品の販売を規制し、大人であると識別されたときには、大人用の医薬品であっても子供用の医薬品であっても医薬品の販売を規制しないように制御されている。
このため、子供に対し医薬品の販売を規制して医薬品の安全性を確保しながらも、大人に対しては親が子供の医薬品を購入できるので、医薬品の購入の利便性を向上させることができる。
【0193】
(2-6)さらに、本実施形態の自動販売機システム100において、外部装置90は、購入者の固有情報に対して少なくとも販売した医薬品の販売個数を対応付けた販売履歴情報を記憶するデータベース記憶部92を有している。そして、外部装置90は、データベース記憶部92に記憶された販売履歴情報を参照し、自動販売機1のカメラ20により撮影された撮影情報に基づいて識別された購入者の固有情報に対して、所定期間内に同じ医薬品を所定数以上販売することになるか否かを判定し、所定期間内に同じ医薬品を所定数以上販売することになると判定すると、多数販売禁止情報を自動販売機1に送信している。
このため、自動販売機システム100によれば、カメラ20により識別された同じ購入者に対しては、異なる店舗で設置された自動販売機1にわたって多数の医薬品を購入しようとしても、所定期間内に同じ医薬品を所定数以上販売することを規制することができる。
【0194】
[その他の変形例]
本実施形態においては、自動販売機1は、収納部30に収納された医薬品を前方のトレイ41に搬送するコンベア31と、上下方向に沿って昇降可能に構成され、収納部30から搬出された医薬品を商品取出口12に搬送するエレベータ40とを備えて構成した。しかしながら、自動販売機1は、コンベア31とエレベータ40とを備えずに、周知の飲料缶の自動販売機のように、医薬品の種類ごとに医薬品を上下方向に積み重ねてラックに収納し、ラックの下方に設けられたストッパを解除することにより、ラックに収納された医薬品を落下させて、商品取出口12に医薬品を搬送するように構成してもよい。
【0195】
また、本実施形態においては、
図9、
図10(a)等に示したように、購入開始画面においては、購入者が医薬品を選択して医薬品を購入していくための「商品選択の購入ルート」と、購入者が症状を選択して医薬品を購入していくための「症状選択の購入ルート」との2つの購入ルートを選択可能に構成したが、購入者が部位を選択してから症状を選択し、医薬品を購入していくための「部位選択の購入ルート」のように、3つ以上の購入ルートを選択可能に構成してもよい。例えば、「部位選択の購入ルート」であれば、
図12(a)に示したようなカテゴリー項目選択画面を2つに分けるようなイメージで、上述したカテゴリー項目を部位に関わる項目をグルーピングし、カテゴリー項目のうち部位に関わる項目が除かれた第1カテゴリー項目を表示する画面を第1カテゴリー項目選択画面とし、カテゴリー項目のうち部位に関わる項目のみからなる第2カテゴリー項目を表示する画面を第2カテゴリー項目選択画面として、購入開始画面からは、購入ルートを選択するボタンにより、商品選択画面、第1カテゴリー項目選択画面、または第2カテゴリー項目選択画面に移行可能に構成すればよい。
【0196】
また、本実施形態においては、
図5において上述したように、外部装置90が多数販売規制処理(ステップS40)及び子供販売規制処理(ステップS50)を行うように構成したが、自動販売機1が、多数販売規制処理及び子供販売規制処理を行うように構成してもよい。さらには、自動販売機1は、多数販売規制処理または子供販売規制処理を行わなくてもよい。
【0197】
また、本実施形態においては、
図5において上述したように、外部装置90が規制解除判定処理(ステップS30)を行うように構成したが、自動販売機1(販売制御部71)が、規制解除判定処理を行うように構成してもよい。自動販売機1が、規制解除判定処理を行う場合には、自動販売機1の管理者によって自動販売機1に特定の解除操作が行われたり、金銭情報入出力部60から入力されたパスポート情報が特定のパスポート情報(例えば在外者)であったりすると、特定解除条件が成立したものとして、カメラ20により撮影した購入者の撮影情報を外部装置90に送信せずに、外部装置90が多数販売規制処理及び子供販売規制処理を行えないようにすればよい。また、自動販売機1が、
図5において上述した規制解除判定処理(ステップS30)、多数販売規制処理(ステップS40)及び子供販売規制処理(ステップS50)を行うように構成してもよい。
【0198】
また、本実施形態においては、否定的条件項目は、薬アレルギー、妊娠中、18歳未満、ステロイド使用中などの服用注意項目からなるように構成したが、その他の注意項目を備えて構成してもよい。
【0199】
また、本実施形態においては、肯定的条件項目は、具体的な病状の内容を示す病状項目と、常備薬としての医薬品を示す常備薬項目と、ジェネリックを希望することを示すジェネリック項目とを備えて構成したが、肯定的条件項目は、病状項目を必須の項目として、常備薬項目またはジェネリック項目を備えずに構成してもよい。
【0200】
また、本実施形態においては、肯定的条件項目として、商品選択購入ルート制御処理(
図7参照)においては、選択された医薬品に基づいて病状項目と常備薬項目とを抽出し、症状選択購入ルート制御処理(
図8参照)においては、選択されたカテゴリー項目に基づいて病状項目とジェネリック項目とを抽出するように構成したが、商品選択購入ルート制御処理及び症状選択購入ルート制御処理のいずれの処理においても、肯定的条件項目として、病状項目と常備薬項目とジェネリック項目とを抽出するように構成してもよい。
【0201】
上述の実施形態は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用し得ることは、当業者には明らかであろう。
【0202】
上述の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。従って、特許請求の範囲を逸脱することなく本発明の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0203】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語は、限定的でない用語として解釈されるべきである。例えば、「含む」という用語は、「含むものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「備える」という用語は、「備えるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0204】
1 自動販売機
2 筐体
3 扉
10 表示部
11 操作入力部
12 商品取出し口
20 カメラ
30 収納部
31 コンベア
40 エレベータ
41 トレイ
44 昇降駆動部
70 制御部
71 販売制御部
74 購入者起因規制部
75 装置起因規制部
80 通信部
90 外部装置
91 外部制御部
92 データベース記憶部
100 自動販売機システム
502 薬剤師相談案内画面
521 否定的条件項目ボタン
522 肯定的条件項目ボタン
602 選択商品説明画面
702 詳細病状選択画面
R1~R4 収納レーン
D1~R10 収納段