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特開2022-182663情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182663
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20221201BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090350
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】506201518
【氏名又は名称】株式会社ラーニングエージェンシー
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】眞▲崎▼ 大輔
(72)【発明者】
【氏名】前田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】田中 敏志
(72)【発明者】
【氏名】土屋 典子
(72)【発明者】
【氏名】青山 結
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 光輝
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 佳純
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】研修の受講者の現在のスコアが、研修を続けることで将来どの程度伸びるかを受講者に提示することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、サーバ10において、ビジネス基礎力向上のための研修がN年間施される予定の受講者について、ビジネス基礎力を評価した現在のスコアを取得するテスト部121と、研修が既にN年間施された既存受講者のうち、研修を受ける予定の受講者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についてのスコアの過去N年間の成長の実績に基づいて、現在のスコアを補正する係数を生成し、当該係数を含む係数群を出力する係数群生成部122と、研修を受ける予定の受講者について現在のスコアを、当該係数群を用いて補正し、補正後のスコアを当該受講者のN年間後のスコアとして予測する予測部123と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の人材育成が所定期間施される予定の対象者について、ビジネスに関する現時点の能力を評価した現在の評価値を取得する評価値取得手段と、
前記人材育成が既に所定期間施された者のうち、前記対象者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についての前記評価の所定期間の成長の実績に基づいて、前記現在の評価値を補正する第1係数を生成し、当該第1係数を含む係数群を出力する係数群生成手段と、
前記対象者について前記現在の評価値に対して前記係数群を用いて補正し、補正後の評価値を当該対象者の所定期間後の評価値として予測する予測手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記係数群生成手段は、
さらに、前記対象者の成長パターンに基づいて、前記現在の評価値を補正する第2係数を生成する第2係数生成手段を備え、
前記第1係数と共に当該第2係数をさらに含む前記係数群を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記係数群生成手段は、
さらに、前記1以上の類似属性者の夫々についての所定期間を経る中で成長した前記評価値のぶれに基づいて、所定期間経過後に前記対象者が成長する際の評価値の最低と最高のぶれ幅を示す第3係数を生成する第3係数生成手段を備え、
前記第1係数及び前記第2係数と共に当該第3係数をさらに含む前記係数群を生成する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
所定の人材育成が所定期間施される予定の対象者について、ビジネスに関する現時点の能力を評価した現在の評価値を取得する評価値取得ステップと、
前記人材育成が既に所定期間施された者のうち、前記対象者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についての前記評価の所定期間の成長の実績に基づいて、前記現在の評価値を補正する第1係数を生成し、当該第1係数を含む係数群を出力する係数群生成ステップと、
前記対象者について前記現在の評価値に対して前記係数群を用いて補正し、補正後の評価値を当該対象者の所定期間後の評価値として予測する予測ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項5】
情報処理装置を制御するコンピュータに、
所定の人材育成が所定期間施される予定の対象者について、ビジネスに関する現時点の能力を評価した現在の評価値を取得する評価値取得ステップと、
前記人材育成が既に所定期間施された者のうち、前記対象者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についての前記評価の所定期間の成長の実績に基づいて、前記現在の評価値を補正する第1係数を生成し、当該第1係数を含む係数群を出力する係数群生成ステップと、
前記対象者について前記現在の評価値に対して前記係数群を用いて補正し、補正後の評価値を当該対象者の所定期間後の評価値として予測する予測ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザの技能(スキル)を診断し、診断結果に基づく人材育成の支援を図る人材育成支援システムは存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-246507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このように、従来、人材育成の支援により施される研修等は、ユーザ個人のスキルの向上に繋がることは分かるものの、人材育成が施されることで現在のスキルが将来どの程度成長するかといったことまでは分からないのが現状である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、人材育成の対象者の現時点のビジネスに関する能力が人材育成の支援により所定期間でどの程度成長するかを対象者に示すことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態である情報処理装置は、
所定の人材育成が所定期間施される予定の対象者について、ビジネスに関する現時点の能力を評価した現在の評価値を取得する評価値取得手段と、
前記人材育成が既に所定期間施された者のうち、前記対象者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についての前記評価の所定期間の成長の実績に基づいて、前記現在の評価値を補正する第1係数を生成し、当該第1係数を含む係数群を出力する係数群生成手段と、
前記対象者について前記現在の評価値に対して前記係数群を用いて補正し、補正後の評価値を当該対象者の所定期間後の評価値として予測する予測手段と、
を備える。
このように、人材育成が既に所定期間施された者のうち、対象者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についての評価の所定期間の成長の実績に基づいて、現在の評価値を補正する第1係数を生成し、当該第1係数を含む係数群を出力し、その出力された係数群を用いて対象者の現在の評価値を補正し、補正後の評価値を対象者の所定期間後の評価値として予測する。
これにより、人材育成が所定期間施される予定の対象者の現時点のビジネスに関する能力が所定期間でどの程度成長するかを対象者に分からせることができる。
本発明の一態様の上記情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理方及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、人材育成の対象者の現時点のビジネスに関する能力が人材育成の支援により所定期間でどの程度成長するかを対象者に示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の情報処理システムの全体構成を示している。
図2図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図1の情報処理システムにおけるサーバの機能的構成を示す機能ブロック図である。
図4】ビジネススキルの評価指標と対応付けた個々のユーザのスキルの評価結果の一例を示す図である。
図5図2、3のサーバにおける今後の成長予測動作を示すフローチャートである。
図6図2図3のサーバの予測ロジックの概要を示す図である。
図7】ある受講者のスキル毎の数値の一例を示す図である。
図8図6の予測ロジックを模式的に示す図である。
図9】複数の属性パターンにカテゴライズされた属性パターンテーブルを示す図である。
図10】受講者の性格属性を調べるためのアンケートの一例を示す図である。
図11図10のアンケートの項目に対する評価(スコア)の付け方の点数の一例を示すポイント表である。
図12図11の合計スコアに応じた性格属性(誠実性、開放性)の係数を示す対応表である。
図13】1乃至15のタイプにカテゴライズされた成長パターンの成長パターンテーブルを示す図である。
図14】4つのカテゴリのスキル間の相関関係を示す図である。
図15】4つのスキルのテーマ間の相関関係を示す図である。
図16】第1の事例におけるアンケートの結果を示す図である。
図17】性格属性の係数を判定するための対応表を示す図である。
図18】属性パターンの適合例を示す図である。
図19】適合した属性パターンに基づく類似属性者の属性係数を示す図である。
図20】対象者の現在のスコアと受講者全体の直近1年の平均点との対応関係を示す対応表である。
図21図20の対応表の照合により適合した成長パターンと係数を示す表である。
図22】年数に応じた係数がスキル毎に設定されている経年係数を示す図である。
図23】N年後の予測における入力と係数と出力の各数値を示す図である。
図24】第2の事例におけるアンケートの結果を示す図である。
図25】性格属性の係数を判定するための対応表を示す図である。
図26】属性パターンの適合例を示す図である。
図27】適合した属性パターンに基づく類似属性者の属性係数を示す図である。
図28】対象者の現在のスコアと受講者全体の直近1年の平均点との対応関係を示す対応表である。
図29図28の対応表の照合により適合した成長パターンと係数を示す表である。
図30】年数に応じた係数がスキル毎に設定されている経年係数を示す図である。
図31】N年後の予測における入力と係数と出力の各数値を示す図である。
図32】第3の事例におけるアンケートの結果を示す図である。
図33】性格属性の係数を判定するための対応表を示す図である。
図34】属性パターンの適合例を示す図である。
図35】適合した属性パターンに基づく類似属性者の属性係数を示す図である。
図36】対象者の現在のスコアと受講者全体の直近1年の平均点との対応関係を示す対応表である。
図37図36の対応表の照合により適合した成長パターンと係数を示す表である。
図38】年数に応じた係数がスキル毎に設定されている経年係数を示す図である。
図39】N年後の予測における入力と係数と出力の各数値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の情報処理システム1の全体構成を示している。
図1に示す情報処理システム1は、サーバ10と、n台(nは1以上の任意の整数値)の受講者端末20-1乃至20-nとが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることによって構成されている。
なお、以下、受講者端末20-1乃至20-nの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「受講者端末20」と呼ぶ。
【0010】
受講者端末20は、受講者毎に管理される情報処理装置であって、例えばタブレット端末やスマートフォン等で構成される。
サーバ10は、本サービス提供者により管理される。サーバ10は、受講者端末20-1乃至20-nの夫々の各動作を制御しつつ各種処理を実行する。
【0011】
本サービス提供者は、企業からの申し込みにより社員を受講者として講座に参加させて受講させたりオンライン研修等を行う。また、サービス提供者は、受講者が受講した講座やオンライン研修の内容の理解度や習得度を確認するために当該受講者に対してテストを行い、そのテストの結果を評価して当該受講者に対して今後のアドバイス等を行う。
さらに、本サービス提供者は、企業或いはその企業内の部署等に属する複数の社員(受講者)の夫々のテストの結果に基づいて、当該企業或いは当該部署等に対し成長の支援を行うとともに、今後の成長の最適解を提示し、社会の発展に貢献できるようにする。
【0012】
具体的には、本実施形態では、サーバ10は、次のように受講者端末20と連携して動作する。
即ち、サーバ10は、先ずサーバ10に予め記憶されている複数の問題のうち1以上からなるビジネス基礎力診断テスト(以下単に「テスト」と称す)を、受講者端末20に送信し、これら1以上の問題の夫々に対して受講者が入力した解答を受信する。
【0013】
テストは、サービス提供者により実施される。当該テストの問題は、受講者のビジネスにおける基礎的な力(ビジネス基礎力)を評価するためのものであり、サービス提供者により1以上のビジネスの評価対象のスキル毎及び夫々のスキルの1以上のテーマ毎に出題される。ビジネス基礎力とは、社会人として仕事を行う上で役に立つ技術又は能力をいう。
【0014】
ビジネス基礎力を評価するためのスキルとテーマとの関係について説明する。
スキルは、m個(mは1以上の任意の整数値)に定義され、さらに1以上のスキルの夫々にp個(pは、mとは独立した1以上の任意の整数値)のテーマが定義されている。
テストでは、当該テーマの夫々に関連する内容の問題が項目毎に出題される。
【0015】
受講者端末20は、サーバ10が送信したテストを受信する。そして、受講者は、受講者端末20を操作して、当該テストを構成する複数の問題の夫々について解答を入力する。
受講者端末20は、受講者が入力したテストの解答(各問題の解答の集合体)を、サーバ10に送信する。
【0016】
サーバ10は、受講者端末20-1乃至20-nの夫々からテストの解答が送信される毎に、当該回答を順次取得し採点を行う。また、サーバ10は、採点結果を前記項目毎に正規化し、これをスコアとして受講者毎に記憶し管理する。
【0017】
サーバ10は、受講者毎に管理しているスコアから、所定の母集団のスコアを抽出するための抽出条件を設定し記憶する。
なお、所定の母集団は、特に限定されず、例えば、受講者に関する各種属性情報のうち、所定の1以上の属性情報が一致する受講者からなる集団や、スコアが一定範囲内の受講者からなる集団等各種各様な集団を採用することができる。なおその前提として、サーバ10は、各受講者毎に、採点結果を示すスコアとともに、当該受講者の各種属性情報を対応付けて管理しているものとする。
この場合、所定の母集団のスコアを抽出するための抽出条件としては、例えば、同年齢、同職種、同業界、同役職、同入社年度、過去のスコアの値や範囲等を採用することができる。
【0018】
サーバ10は、所定の受講者のスコアと、当該所定の受講者が含まれる所定の母集団のスコアとを抽出し、両スコアを比較する。
具体的には、例えば当該所定の受講者のスコアと、当該所定の受講者が含まれる所定の母集団のスコアの平均値、最大値又は最小値とを比較することができる。
【0019】
また、サーバ10は、当該所定の受講者のスコアと当該所定の受講者が含まれる所定の母集団のスコアとをプロットしたグラフを、当該所定の受講者の受講者端末20の画面に表示させる。
【0020】
これにより、受講者は、受講者端末20の画面に表示されたグラフの、各スキルの各テーマ夫々についての当該受講者自身のスコアの値と、当該受講者が含まれる所定の母集団のスコアの値との分布から、当該受講者の現在のスキルと、過去のスキルとを比べた成長の度合いや企業の教育効果を容易に視認することができる。
【0021】
このように、研修が既にN年間施された既存受講者のうち、研修を受ける予定の受講者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についてのスコアの過去N年間の成長の実績(受検ログ)を読み出し、受検ログに基づいて、現在のスコアを補正する属性係数を生成し、当該属性係数を含む係数群を用いて、研修を受ける予定の受講者の現在のスコアを補正し、補正後のスコアを当該受講者のN年間後のスコアとして予測し、今後研修の受講を継続してN年後になったときの受講者のスコアの予測値を受講者に提示することで、受講者は、研修を続ければN年後に成果が得られることが分かり、受講者にN年後の将来に向けて研修を継続しようという意欲(やる気)を持たせることができる。
【0022】
図2は、図1の情報処理システム1のうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0023】
サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、バス104と、入出力インターフェース105と、出力部106と、入力部107と、記憶部108と、通信部109と、ドライブ110と、を備えている。
【0024】
CPU101は、ROM102に記録されているプログラム、又は、記憶部108からRAM103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM103には、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0025】
CPU101、ROM102及びRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104にはまた、入出力インターフェース105も接続されている。入出力インターフェース105には、出力部106、入力部107、記憶部108、通信部109及びドライブ110が接続されている。
【0026】
出力部106は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部107は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0027】
記憶部108は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部109は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(図1の例では受講者端末20)との間で通信を行う。
【0028】
ドライブ110には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア111が適宜装着される。ドライブ110によってリムーバブルメディア111から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部108にインストールされる。
また、リムーバブルメディア111は、記憶部108に記憶されている各種データも、記憶部108と同様に記憶することができる。
【0029】
図3は、図1の情報処理システムにおけるサーバの機能的構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、サーバ10の記憶部108(図2)の一領域には、受検DB141が設けられている。
受検DB141には、受講者に関する情報と、受講者が現在までに受講した研修の実績やビジネス基礎力診断テストを受けた結果の実績等のログ(以下「受検ログ」と称す)とが記憶されている。
受講者に関する情報は、例えば企業等で就労する従業員が、自身のスキル向上のために、サービス提供者が開催する講座や研修等を受講するための情報であり、受講者に関する情報には、受講者が属する企業や業種等の情報が含まれる。
【0030】
具体的には、受検DB141には、会社等の企業において研修サービスを受講させる従業員の氏名、年齢、性別、職種等の基本属性、社内における所属部署(部門等)、役職、受講する講座や研修に関する情報(講座名や講座番号、研修名や研修番号、受講日、受講履歴)、サービス提供者が受講者の夫々に対して行ったアンケート(質問)とその回答の組等が、受講者個人を識別する情報(受講者ID又は受講者番号等)に対応して記憶されている。
この他、受検DB141には、受講者全体として基本属性とその他の4つの副属性との組み合わせが設定された属性パターンテーブル(図9参照)、成長パターンテーブル(図13等)、年毎の経年係数(下限の係数MIN、上限の係数MAX)等が記憶されている。
属性パターンテーブル(図9参照)は、サービス事業者がいくつかにカテゴライズした受講者の属性パターンのうち、個々の受講者が他の受講者とどの属性パターンで属性を比較可能かを示すものである。この属性パターンテーブルに設定された属性パターンのうち予測対象者(受講者)が適合する属性パターンと同じ属性パターンを持つ既存受講者から属性係数が導出される。
成長パターンテーブル(図13等)は、受講者の4つのスキルの現在のスコアのうち、受講者全体の直近1年のスキル毎のスコアの平均点以上を取ったスキル項目とその数で分類した、スコアが伸びる傾向を示すパターンである。この成長パターンテーブルに設定されたタイプと同じタイプの成長パターンに設定された成長パターン係数が導出される。
受検DB141には、アンケート(図10を参照)と、アンケートから夫々の受講者の性格傾向を判定するためのポイント表(図10の性格傾向評定尺度表を参照)が記憶されている。
アンケートとポイント表では、質問に対する回答者(受講者)の回答から回答者(受講者)の性格の傾向を判定することができる。例えば質問に対して回答者が回答項目(当てはまる、当てはまらない等、図11参照)にチェックや〇、×を付けるだけで、その人の性格が導出できる。
【0031】
受講者が受講する研修としては、複数の講座が記憶されている。講座とは例えば研修プログラムを実施する研修会や講習会等であり、複数の講座に複数の受講者が参加することが可能である。複数の講座夫々には1つ以上の評価要素が対応している。
1つ以上の評価要素は、特に限定されないが、以下においては、テーマ又はサブテーマが採用されているものとして説明する。即ち、以下の例では、1つの講座に1以上(主に1つ)のテーマ又はサブテーマが対応付けられているものとする。
テーマは、ビジネスの技能要素の夫々をネーミングした主題であり、講座名と対応付けされる。サブテーマは、テーマの中に含まれる小テーマをいい、小テーマだけの講座も設定される。研修についても同様である。
【0032】
ビジネス基礎力を評価する指標は、例えば図4に示すグラフに示されるように、「ビジネス知識」(Business knowledge)、「プランニング&コントロール」(Planning & Control)、「シンキング」(Thinking)、「コミュニケーション」(Communication)等の4つに定義(カテゴリ分け)される。テーマは、夫々のスキルの評価要素の1つである。各スキルには、1以上のテーマが含まれる講座が設定される。
【0033】
例えば「ビジネス知識」のスキルのビジネス基礎力を図るテーマは、時事問題、法務・人事・労務、財務・経理、マーケティング、経営等がある。図示しないが、法務・人事・労務というテーマには、人事・労務、コンプライアンス等のサブテーマが含まれる。
【0034】
「プランニング&コントロール」のスキルのビジネス基礎力を図るテーマは、目的及び目標、計画、業務管理、振り返り・評価、改善等がある。図示しないが、目的及び目標というテーマには、目的思考というサブテーマが含まれる。また、計画というテーマには、アクションプラン立案というサブテーマが含まれる。
【0035】
「シンキング」のスキルのビジネス基礎力を図るテーマは、数的処理、思考法活用、情報収集、課題設定、解決策立案等がある。図示しないが、思考法活用というテーマには、要素分解力というサブテーマが含まれる。
【0036】
「コミュニケーション」のスキルのビジネス基礎力を図るテーマは、ネゴシエーション、文書伝達、口頭伝達、傾聴、ビジネスマナー等がある。図示しないが、文書伝達というテーマには、スライド作成力というサブテーマが含まれる。
【0037】
ここでビジネススキルを評価するためのスキルのカテゴライズの仕方(分け方)について説明する。
スキルは、人材育成において成長するために必要なスキルを体系化して大きく4つに分けられる。
人が成果を出すためには、計画性・実行力「プランニング&コントロール」が必要となる。この計画性・実行力を上げるためには意思や判断等の考え方「シンキング」、人間関係を構築するコミュニケーション力「コミュニケーション」、前提となる知識「ビジネス知識」が同時に必要である。
このように4つのスキルに分けてビジネス基礎力を診断することで、診断対象者の持っているスキルの特長が見え易くなる。
【0038】
ビジネス基礎力は、個々のテーマの単位、又は複数のテーマで1つ設定される講座の単位で、受講者が講座や研修を受講することにより、受講者のビジネススキルの向上が図られる。
受講者が講座や研修を受講するにあたり、受講前と受講中及び受講後等にビジネス基礎力診断テストが実施される。
【0039】
受検DB141には、サービス提供者が実施するテストに関する情報が記憶されている。テストに関する情報は、例えばテストの問題、解答、個々の受講者のテスト結果(テーマ毎の得点)やその総合的評価であるビジネス基礎力評価結果(スキル毎のスコア)、研修サービス利用企業及び受講者へのアンケートと、アンケートに対する回答、研修利用企業数、受講人数、階層教育に着手している企業数、研修テーマ別・階層別の受講人数、教育導入までの意思決定にかかるリードタイム、サービス利用者ID登録数等を含む人材育成ログ情報が記憶されている。
スコアは、テストのテーマ毎の得点を、例えば5段階等で評価した数値(“1”から“5”)であり、1スキル毎に合計した数値も記憶されている。1スキル5つのテーマとした場合に1スキル25点満点とし、この場合の個々のテーマのスコアを合計した値等で、受講者のスキル毎の評価が示される。
【0040】
受検DB141には、受講者が属する企業の情報(企業規模(人数)、組織構成(階層等)、部署、部門の配置等)が記憶されている。また、受検DB141には、企業における従業員(受講者)夫々の情報(例えば従業員の氏名、年齢、入社年月日、在職年数、組織上の職位、役職等)が社員番号等の従業員の個人特定情報に紐づけて記憶されている。
なお、上記で示した1年前や数年前等の受検ログは一例であり、3年前であってもよく過去の実績であれば足りる。
この他、受検DB141には、講座や研修を受講する企業の業績情報(例えば経済情報誌等で公開されている範囲の情報)が同業他社で比較可能に記憶されている。
【0041】
サーバ10のCPU101(図2参照)においては、処理を実行する際に、テスト部121と、係数群生成部122と、予測部123と、表示制御部124と、が機能する。
テスト部121は、企業等の組織に所属する1以上の従業員(構成員)の夫々についてのビジネス基礎力を示す情報を取得する。ビジネス基礎力を示す情報は、例えばビジネスの能力であるスキルを評価するためのテーマ毎のテストのスコア等である。
具体的には、テスト部121は、受検DB141に予め記憶されている、受講者のスキルを評価するための問題の中から、受講者が受講者端末20を操作して解答をするための問題を、各テーマの項目毎に作成する。このようにして作成された各スキルの夫々のテーマ毎の問題と解答の集合体がテストである。
【0042】
テスト部121は、テストを、通信部109を介して受講者端末20に表示させることにより、受講者に対しテストを出題する。
受講者は、受講者端末20を操作することにより、テスト部121が出題したテストに対する解答(各問題毎の解答)を入力する。受講者が入力した解答は、受講者端末20からサーバ10に対して送信される。
【0043】
テスト部121は、受講者端末20から送信されたテストの解答(各問題毎の解答の集合体)を、通信部109を介して取得する。
テスト部121は、取得したテストの解答を、所定の採点基準に基づいて各問題毎に採点する。
テスト部121は、各問題毎の採点の結果を、各スキルの各テーマ毎に正規化(スコア化)し、当該スコアを受検DB141に評価結果として各テーマの項目名と紐付けて記憶し受講者毎に管理する。
【0044】
受講者端末20からの評価提示要求(作表指示)に応じて受検DB141で管理されている1以上の受講者のスコアの中から、所定の受講者のスコアと、当該所定の受講者が含まれる所定の母集団のスコアとを取得し表示制御部124へ出力する。なお、所定の受講者を第1受講者と言い換える場合がある。
【0045】
なお、当該所定の母集団は、受検DB141に予め記憶されている所定の抽出条件によって抽出される。具体的には例えば、上述した様に、同年齢、同職種、同業界、同役職、同入社年度、又は所定の受講者本人の過去のスコアのうち、任意の数(1も含む)の任意の組合せを所定の抽出条件とした母集団を抽出することができる。
【0046】
テスト部121は、ビジネス基礎力向上のための研修がN年間施される予定の受講者について、ビジネス基礎力を評価した現在のスコアを取得する。
具体的には、テスト部121は、研修をN年間受講予定の受講者のスコアを受検DB141より読み出すことで現在のスコアを取得する。
【0047】
係数群生成部122は、研修が既にN年間施された既存受講者のうち、研修を受ける予定の受講者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についてのスコアの過去N年間の成長の実績に基づいて、現在のスコアを補正する予測係数(補正係数ともいう)を生成し、当該予測係数を含む係数群を出力する。
具体的には、係数群生成部122は、研修が既にN年間施された既存受講者のうち、研修を受ける予定の受講者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についてのスコアの過去N年間の成長の実績を受検DB141より読み出す。
係数群生成部122は、受検DB141から読み出した、1以上の類似属性者の過去N年間の成長の実績であるスコアの平均変化率を算出し、その平均変化率を予測係数とする。
ある受講者の「ビジネス知識」の現在のスコアを100%とし、1年後のスコアが5%上昇した場合、つまり105%となったときの変化率は1.05となる。複数の類似属性者の変化率の平均値をとったものが平均変化率である。この平均変化率を、他のカテゴリのプランニング&コントロール、コミュニケーション、シンキングについても算出する。
係数群生成部122は、属性係数生成部131と、成長パターン係数生成部132と、経年係数生成部133とを有する。
【0048】
ここで、図6乃至図8を用いて係数(予測係数)について説明する。
図6に示すように、サーバ1は、受講者の現在のスコア(実績値)を入力値として、そのスコアに係数(予測係数)を掛け算することで、受講者のN年後のスコア(予測値)を出力する。係数(予測係数)は、属性係数、成長パターン係数、経年係数等を含み、夫々の係数が掛け算される。
【0049】
属性係数は、受講者の基本属性(性別、年齢、職種等)と類似する属性を持つ受講者がN年間の研修を過去から現在までに受講した結果どの程度スコアが変化したかを示す係数であり、属性係数生成部131により算出される。
属性係数は、これまでの人材育成の実績を基に属性係数生成部131により算出される対象者の個人属性に対する成長の傾向を示す係数である。即ち属性係数は、受講者個人の成長の加速度の指標である。
【0050】
成長パターン係数は、4つにカテゴライズされたスキルのスコアのうち、平均以上のスコアをとったカテゴリに応じて成長パターン係数生成部132により算出される係数である。
【0051】
経年係数は、これまでの人材育成の実績を基に経年係数生成部133により算出される、経年に対する成長の傾向を示す係数である。即ち経年係数は、研修を続ける中でN年後のスコアの下方へのぶれ幅(MIN)と上方へのぶれ幅(MAX)の夫々で示される指標である。
【0052】
属性係数生成部131は、予測対象の受講者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についてのスコアの過去N年間の成長の実績に基づいて、現在のスコアを補正する予測係数(補正係数ともいう)を生成する。
【0053】
成長パターン係数生成部132は、受講者の成長パターンに基づいて、現在のスコアを補正する成長パターン係数を生成する。
【0054】
経年係数生成部133は、1以上の既存受講者の夫々についての過去N年間を経る中で成長したスコアのぶれに基づいて、今後N年間経過後に受講者が成長する際のスコアの最低と最高のぶれ幅(MIN、MAX)を示す経年係数を生成する。
【0055】
予測部123は、研修を受ける予定の受講者について現在のスコアを、当該係数群を用いて補正し、補正後のスコアを当該受講者のN年間後のスコアとして予測(生成)する。
具体的には、予測部123は、研修を受ける予定の受講者の現在のスコアを受検DB141から読み出し、読み出した現在のスコアを、当該係数群を用いて補正し、その補正したスコアを受講者のN年間後のスコアの予測値とする。なお、予測部123の予測ロジックについては後述する。
【0056】
表示制御部124は、予測部123により予測(生成)される受講者のスコアのN年間後の予測値を受講者端末20の画面に表示させる制御を行う。
【0057】
この他、表示制御部124は、テスト部121により取得される1以上の従業員の夫々のスコアを円形の表示領域(例えば図4参照)にプロットした折れ線グラフと、当該従業員が含まれる母集団のスコアを円形の表示領域にプロットした折れ線グラフとを重畳させて、通信部109を介して受講者端末20の画面に表示させる制御を行う。
【0058】
表示制御部124は、テスト部121から出力されるスコアをプロットしたビジネス基礎力診断結果の評価値であるスコアをグラフとして表示する。
具体的には、表示制御部124は、テスト部121から出力される所定の受講者のスコアと、当該所定の受講者が含まれる所定の母集団のスコアとをグラフ(図4参照)にして、通信部109を介して受講者端末20の画面に表示させる制御を行う。
【0059】
図4は、所定の受講者のスコアの値と、当該所定の受講者が含まれる所定の母集団のスコアの値とを円領域にプロットし夫々を折れ線グラフとして重畳表示した例を示す図である。
図4に示すように、本実施形態において、受講者のビジネス基礎力を評価する指標を、例えばビジネスの実務能力という面で人を評価するように4つのスキルに分けて定義し、各スキル毎に5つのテーマで項目が設定されている。
具体的には、ビジネス基礎力を評価する上で定義される4つのスキルとして、例えば「ビジネス知識」(Buisiness Knowlege)、「プランニング&コントロール」(Planning & Control)、「コミュニケーション」(Communication)、並びに「シンキング」(Thinking)等がある。
【0060】
また、4つのスキルの夫々には、5つのテーマが設定されている。5つのテーマとしては、例えば「ビジネス知識」というスキルには、時事問題、法務・人事・労務、財務・経理、マーケティング、経営というテーマで項目が設定されている。
「プランニング&コントロール」というスキルには、目的及び目標、計画、業務管理、振り返り・評価、改善というテーマで項目が設定されている。
「コミュニケーション」というスキルには、ネゴシエーション、文書伝達、口頭伝達、傾聴、ビジネスマナーというテーマで項目が設定されている。
「シンキング」というスキルには、数的処理、思考法活用、情報収集、課題設定、解決策立案というテーマで項目が設定されている。
【0061】
そして、サーバ10のテスト部121は、受講者に対し、各スキル毎に設定したテーマ毎に個別のテストを課し、当該テストの結果を取得し、各スキル毎に設定したテーマ毎の所定の採点基準に基づいて採点をした上で、当該採点結果を正規化(スコア化)し、これをスコアとして取得し、当該スコアを所定の表示領域にプロットしたグラフを受講者端末20に表示させる。
【0062】
具体的には、図4に示す同心円状の表示領域(円領域又は円グラフ、レーダーチャート等という)に、4つのスキルを表示領域の外周上に均等に割り当て表示し、各スキル毎に設定した各テーマの夫々を、スキルとの関係がわかるようにして円領域の外周上に均等間隔で配置し、正規化により取得したスコアの最低値“0”(ゼロ)を同心円状の中心に割り当て、中心から遠ざかる方向に一定間隔で数値(“1”乃至“5”)を配置する。当該スコアの最高値“5”は円領域の外周上に配置される。また、スコアが取り得る値(“1”乃至“5”)の夫々に同心円が配置される。
【0063】
そして、サーバ10は、受講者毎に管理しているスコアから、所定の受講者のスコアと、当該所定の受講者が含まれる所定の母集団であって、同年齢、同職種、同業界、同役職、同入社年度、又は本人の過去の結果の母集団のスコアとの1又は2以上の組合せを、前記表示領域にプロットしたグラフを受講者端末20に表示させる。
即ち、図4の表示領域には、受講者個人の今回スコア、前回スコア、前々回スコアという3つのスコアについて、線種を分けたレーダーチャートで描かれる。チャートどうしは、同一領域に重ねて表示されており、変化した項目(スキル)が一目で比較可能になっている。
各スキルの項目名の位置には、そのスキルの総点数に対する受講者の取得点数が提示される。レーダーチャートの外側のスキル名、例えば「ビジネス知識」というスキル名の枠の位置には、そのスキルにおける受講者の獲得スコア(点数)が示される。この例では、スキルの合計点(25満点)に対する獲得スコア(19点)として、例えば19/25等という表示形態で提示される。
【0064】
このように、各スキル毎の各テーマのスコアの値の分布状態を可視化することで、当該所定の受講者は、現状のスキルと過去のスキルとを比べた成長の度合い、並びに企業の教育効果を容易に視認することができる。
【0065】
このように、受講者は、受講者自身のビジネスにおけるスキルの高さを容易に視認できるとともに、受講者と同年齢の受講者や、受講者と同職種かつ同年齢の受講者のビジネスにおけるスキルの水準についても視認できるため、受講者自身のビジネスにおけるスキルの高さを相対的に把握することができる。
したがって、受講者は、受講者自身の強みとして伸ばすべきスキルや、弱みとしてフォローすべきスキルを容易に把握することができる。
【0066】
続いて、図5を参照してこの情報処理システム1におけるサーバ10の今後の成長予測動作を説明する。図5は、サーバ10の成長予測動作を示すフローチャートである。
サーバ10では、図5のステップS11において、テスト部121は、ビジネス基礎力向上のための研修がN年間施される予定の受講者について、ビジネス基礎力を評価した現在のスコアを取得する。
【0067】
ステップS12において、係数群生成部122は、研修が既にN年間施された既存受講者のうち、研修を受ける予定の受講者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についてのスコアの過去N年間の成長の実績に基づいて、現在のスコアを補正する属性係数(第1係数)を生成し、当該属性係数を含む係数群を出力する。
【0068】
ステップS13において、予測部123は、研修を受ける予定の受講者について現在のスコアを、当該係数群を用いて補正し、補正後のスコアを当該受講者のN年間後のスコアとして予測する。
【0069】
このように受講者と同一又は類似する属性を有する既存受講者の過去N年間のスコアの成長実績を受検DB141より読み出し、受講者の能力が成長する加速度の指標である属性係数を生成して係数群の一つとし、当該係数群を用いて当該受講者のN年間後のスコアを予測するので、研修を受講中で次の研修を受ける予定の受講者やこれから研修を受講予定の者(これらを対象者等と呼ぶ)の現在の能力(ビジネス基礎力診断テストのスコア)が、研修を続けることで将来どの程度成長するかを対象者に示すことができる。
【0070】
ここで、図6乃至図8を参照してサーバの予測ロジックの概要を説明する。
図6は、図2図3のサーバの予測ロジックの概要を示す図である。図7は、ある受講者のスキル毎の数値の一例を示す図である。図8は、図6の予測ロジックを模式的に示す図である。なお、図7では、ビジネス知識をBK、プランニング&コントロールをP&C、コミュニケーションをCOM、シンキングをTHIと記載する。
図6に示すように、サーバ10では、受講者の現在のスコア(実績値又は評価値と称す)を入力として、その現在のスコアを、属性係数、成長パターン係数、経年係数等を含む係数群により補正し、補正後の数値(評価値)を当該受講者のN年後のスコア(予測値又はN年後の評価値)として予測する。
具体的には、サーバ10は、図7のように、受講者の4つのスキルの項目(ビジネス知識(BK)、プランニング&コントロール(P&C)、コミュニケーション(COM)、シンキング(THI)の夫々の現在の点数(実績値)に対して上記係数群に基づいて予測値を算出する。
【0071】
例えば図7のビジネス知識(BK)の現在の点数が12点、属性係数が105.2%、成長パターン係数が105.0%、経年係数のMINが96%、MAXが103%である場合、予測部123は、12×1.052×1.05×0.96を計算して下振れ(下限)の予測値12.7(MIN)を算出する。また、予測部123は、12×1.052×1.05×1.03を計算して上振れ(上限)の予測値13.7(MAX)を算出する。なお、他のカテゴリのスキルの項目についても同様に算出する。
【0072】
各係数の算出から上述の予測計算を実行するまでの詳細な動作を説明する。
この場合、図8に示すように、ステップS21において、係数群生成部122は、ビジネス基礎力向上のための研修がN年間施される予定の受講者Xについて、基礎パターンに基づいて属性情報と現在のスコア(実績値)を受検DB141から読み出す。
【0073】
係数群生成部122は、研修が既にN年間施された既存受講者のうち、研修を受ける予定の受講者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者Yとして、1以上の類似属性者YのN年前のスコア(実績値)と、1以上の類似属性者YがN年間研修を受講した後のスコア(実績値)とを受検DB141から読み出す。
【0074】
具体的には、ステップS22において、係数群生成部122は、類似属性者Yの夫々のN年前のスコア(N年前実績値)を読み出し、ステップS23において、N年前からN年経過した現在のスコア(N年後実績値)を読み出し、ステップS24において、読み出したN年前実績値とN年後実績値との比をとって、N年前からN年後のスコアの変化率(N年後/N年前)を算出し、1以上の類似属性者Yの変化率の平均を求め、それを属性係数とする。
即ち、係数群生成部122は、1以上の類似属性者Yの夫々のスコア(実績値)に基づいて、受講者Xの現在のスコアを補正する属性係数(第1係数)をスキル毎に生成し、当該属性係数を含む係数群を予測部123へ出力する。
【0075】
次に、ステップS25において、係数群生成部122は、受講者Xの成長パターンに基づいて、現在のスコアを補正する成長パターン係数を生成する。
具体的には、受講者Xの4つのカテゴリのスキルの夫々の1年間の平均スコアのうち平均点以上を取ったスコアのスキル項目数(平均点以上のスキル項目が1つ、2つ、3つ、4つ)に応じた成長パターンを受検DB141の成長パターンテーブルから読み出す。2つ以上はスキル項目の組み合わせで異なる成長パターンが設定されている。
そして、係数群生成部122は、読み出した成長パターンを持ちかつ同じ属性パターンの1以上の既存受講者(類似属性者Y)の群全体のスキル毎の成長係数(第2係数)を、成長パターンと成長係数との対応表より読み出し、当該成長係数を含む係数群を予測部123へ出力する。
【0076】
ステップS26において、係数群生成部122は、受講者Xが予測を望む年数に応じた経年係数(第3係数)を受検DB141から読み出し、当該経年係数を含む係数群を予測部123へ出力する。経年係数は、経年によるぶれ幅を示す係数のため、下限の係数MINと上限の係数MAXの2つが出力される。
【0077】
ステップS27において、予測部123は、研修を受ける予定の受講者Xについて現在のスコアを、係数群生成部122から入力される当該係数群を用いて補正し、補正後のスコアを当該受講者XのN年間後のスコアとして予測、つまり受講者XのN年後のスコアの予測値を出力する。
【0078】
具体的には、予測部123は、受検DB141から読み出した受講者Xの4つのスキルの夫々の現在のスコアに、係数群に含まれる属性係数、成長パターン係数、成長係数を掛け算して現在のスコアを補正し、その補正した値を、受講者Xの4つのスキルの夫々のスコアのN年後の予測値として出力する。
予測値は、N年後の下限の予測値を示すMIN予測値とN年後の上限の予測値を示すMAX予測値との2つが出力される。
【0079】
続いて、図9乃至図15を参照して上述した各係数(属性係数、成長パターン係数、成長係数)の導出方法について説明する。図9は、複数の属性パターンにカテゴライズされた属性パターンテーブルを示す図である。図10は、受講者の性格属性を調べるためのアンケートの一例を示す図である。図11は、図10のアンケートの項目に対する評価(スコア)の付け方の点数の一例を示す図である。図12は、図11の合計スコアに応じた性格属性(誠実性、開放性)の係数を示す対応表である。図13は、1乃至15のタイプにカテゴライズされた成長パターンの成長パターンテーブルを示す図である。図14は、4つのカテゴリのスキル間の相関関係を示す図である。図15は、4つのスキルのテーマ間の相関関係を示す図である。
【0080】
まず、図9乃至図12を参照して属性係数について説明する。
属性係数を導出するためには、受講者の属性と同じか類似する属性を有する1以上の既存受講者を抽出する必要がある。
【0081】
人の属性は、主属性として基本属性(年齢、性別、就労中の企業内の職種(事務職、営業職等))と、その他の副属性(業界属性、所属属性、性格属性、思考属性)との組み合わせによりいくつかにカテゴライズ(分類)できる。なお、受講者の基本属性以外に副属性が取得されていない場合は、基本属性のみの属性パターンとなる。基本属性でも将来のスコアの予測は可能であるが、属性の情報が多いほど予測精度が高まる。
受講者の属性は、受検DB141に登録されている受講者に関する情報から取得されるが、受講者であれば基本属性は受検DB141に記憶されているものの、副属性については一部のみ記憶されている場合がある。
【0082】
副属性のうち、業界属性は、受講者が就業している企業の業界(小売業、建設業、卸業等)の属性である。
所属属性は、受講者が就業している企業内の所属部門、つまり部署(事務部門、営業部門、設計部門等)の属性である。
人の特性(性格)を判断する5つの特性因子(例えば性格ビッグファイブ等)が既に知られている。性格属性は、5つの特性因子のうちスキルの伸びに影響する受講者の誠実性や開放性に関する属性である。5つの特性因子は、例えばニューキャッスル・パーソナリティ評定尺度表等で示される特定の質問(図10参照)に対する回答で判断できる。
思考属性は、研修後における受講者へのアンケートやコメントに見られるキーワードから推測できる受講者の考え方(振り返り学習をする、物事を前向きに考える等)を示す属性である。
【0083】
具体的には、図9に示す属性パターンテーブルが受検DB141に記憶されている。
属性パターンテーブルには、番号1から番号15までの属性パターンが設定されている。
例えば番号1の属性パターンは、基本属性のみの属性パターンである。また番号2の属性パターンは、基本属性と業界属性との組の属性パターンである。番号3の属性パターンは、基本属性と所属属性との組の属性パターンである。番号4の属性パターンは、基本属性と性格属性との組の属性パターンである。番号5の属性パターンは、基本属性と思考属性との組の属性パターンである。
番号6乃至15の属性パターンは、基本属性に対して上記副属性を組み合わせた属性パターンである。
【0084】
この場合、受講者個人の基本属性、又は基本属性と受講者に関する既取得の副属性との組み合わせの属性パターンが、属性パターンテーブルのどの属性パターンに該当するかによって、その属性パターンで受講者の属性と同じか又は類似する属性を持つ既存受講者の属性係数が導出される。
なお、属性パターンテーブルの番号について、番号の数値が大きいほど、属性の組み合わせが多いため、予測精度は高くなる。
【0085】
性格属性を取得するには、図10に示すアンケートが用いられる。このアンケートは、例えばアンケートには、質問番号1:乃至10:と、質問番号毎の質問が記載されている。アンケートの質問番号1乃至10のうち質問番号3、4、8、9の質問は、受講者の性格を判定する上で必要な質問であり、質問番号3、8はアンケート回答者である受講者の開放性を判断するためのものであり、4、9は誠実性を判断するためのものである。
【0086】
図10に示したアンケートに対するアンケート回答者である受講者の回答は、図11に示すポイント表によりポイントが付与される。
図11のポイント表では、「きわめて当てはまる」、「やや当てはまる」、「どちらでもない」、「やや当てはまらない」、「きわめて当てはまらない」等の5つの回答に対して、質問番号7、9と、質問番号7、9以外とでポイントの順序が逆になるように設定されている。
【0087】
受講者の回答を、図11のポイント表に照合し、夫々のスコアを計数し、計数したスコアの合計得点から誠実性、開放性の夫々の係数を特定するものである。
合計得点と、誠実性、開放性の夫々の係数との対応関係は、図12に示す対応表により設定されている。
図12の対応表には、開放性と誠実性の夫々の項目について、合計スコアの範囲に応じた係数が設定されている。対応表は、受検DB141に記憶されており、属性係数生成部131が受検DB141から読み出して係数の特定に利用する。
開放性については、図10のアンケートの質問番号3,8の回答のスコア合計が0-3、4-7、8-10の得点範囲のどの範囲に属するかにより係数が決定される。
誠実性については、図10のアンケートの質問番号4,9の回答のスコア合計が0-3、4-7、8-10の得点範囲のどの範囲に属するかにより係数が決定される。
【0088】
続いて、図13を参照して成長パターン係数について説明する。
成長パターン係数生成部132は、受講者の現時点の4つのカテゴリのスキルの夫々のスコアの中で、受講者自身が過去1年の平均スコア以上を取ったスキルとそのスキルの項目数とが、成長パターンテーブルのどの成長パターンのタイプかを判定し、そのタイプの成長パターンに応じた成長パターン係数を決定する。
即ち成長パターン係数は、現時点のテストの評価結果(スコア)と、受検ログと、成長パターンのタイプに基づいて導出される。
このため、受検DB141には、図13に示す成長パターンテーブルが記憶されている。
成長パターンテーブルは、4つのスキル項目のうち現時点のスコアが自身の1年の平均点以上を取ったスキル項目と、そのスキル項目の個数とを組み合わせた成長パターンがタイプ別に設定されたテーブルである。
【0089】
例えばタイプ1は、直近1年でビジネス知識のスキルのスコアだけが平均点以上になった成長パターンである。タイプ2は、直近1年でプランニング&コントロールのスキルのスコアだけが平均点以上になった成長パターンである。タイプ3は、直近1年でコミュニケーションのスキルのスコアだけが平均点以上になった成長パターンである。タイプ4は、直近1年でシンキングのスキルのスコアだけが平均点以上になった成長パターンである。
タイプ5乃至9は、直近1年で2つ以上のスキルのスコアが平均点以上になった成長パターンである。
タイプ10乃至14は、直近1年で3つ以上のスキルのスコアが平均点以上になった成長パターンである。
タイプ15乃至14は、直近1年で4つの全てのスキルのスコアが平均点以上になった成長パターンである。
【0090】
ここで、重要なのは、2以上のスキル同士の組み合わせであり、スキル同士の組み合わせのタイプによって係数が異なる。
【0091】
以下、図14図15を参照してカテゴリの相関関係について説明する。
サービス提供者は、受講者に対して研修サービスを提供する中で蓄積している過去の膨大な量の受検ログを分析する中で、カテゴリ(スキル)間に相関関係があり、スキルの関係が受講者の成長に影響を与えることが分かった。
【0092】
図14に示すように、プランニング&コントロール(P&C)のスコアが高いと、シンキング(THI)とコミュニケーション(COM)のスコアも上がり易く、全体としてスコアが伸び易い。
ベースのスキルであるビジネス知識(BK)のスコアが高まれば、全体のスコアを押し上げる。
シンキング(THI)とコミュニケーション(COM)は相互に影響しない。
【0093】
また、夫々のスキルに含まれるテーマのスコアについても他のテーマのスコアとの相関関係がある。
図15に示すように、テスト結果の評価を示すグラフにおいて、プランニング&コントロールに含まれる目的・目標、振り返り・評価のテーマと、プランニング&コントロールに含まれる改善のテーマや、シンキングに含まれる解決策立案のテーマとは相関関係がある。
例えばプランニング&コントロールに含まれる目的・目標、振り返り・評価のテーマのスコアや、シンキングに含まれる課題設定のテーマのスコアが上がると、プランニング&コントロールに含まれる改善のテーマや、シンキングに含まれる解決策立案のテーマのスコアが上がってくる。
また、シンキングに含まれる各テーマは、思考系の能力を向上させるため、他のテーマの精度を高める効果がある。
コミュニケーションに含まれる傾聴のテーマのスコアが高いと、コミュニケーションのスキル全体のスコアが上がり易い。
【0094】
上述の内容から、以下のようなことが分かった。
課題設定・解決策立案には振り返り・評価が必要である。振り返りのためには課題設定が必要である。傾聴は全てに効く、他を促進させるための要素である。目的目標と振り返りが高いと課題設定が伸びる。課題設定が伸びると目的目標が伸びる。
このような結果に基づいて、成長パターンのタイプ毎に成長パターン係数が設定され、受検DB141に記憶されている。
【0095】
以下、図16乃至図23を参照して第1の事例を説明する。
図16は、第1の事例におけるアンケートの結果を示す図である。図17は、性格属性の係数を判定するための対応表を示す図である。図18は、属性パターンの適合例を示す図である。図19は、適合した属性パターンに基づく類似属性者の属性係数を示す図である。図20は、対象者の現在のスコアと受講者(全体)の直近1年の平均点との対応関係を示す対応表である。図21は、図20の対応表の照合により適合した成長パターンと係数を示す表である。図22は、年数に応じた係数がスキル毎に設定されている経年係数を示す図である。図23は、N年後の予測における入力と係数と出力の各数値を示す図である。
【0096】
第1の事例において、予測対象の受講者(対象者)の基本属性は、性別:男性、年齢:20代後半、職種:企画職とする。
対象者の副属性のうち、業界属性は、サービス業とする。所属属性は、情報無しとする。性格属性は、図16のアンケートの結果から、開放性が2点+5点=7点、誠実性が4点+4点=8点であり、これらの点数を、図17の対応表に照合すると、誠実性は、107%(百分率表記)、開放性は、105%(百分率表記)という係数が抽出される。思考属性は、情報無しとする。
【0097】
まず、係数群生成部122において、属性係数を生成する。
上述した副属性(業界属性、性格属性)と基本属性との組み合わせを、図9の属性パターンテーブルに照合すると、図18の番号7の属性パターンが適合する。
この番号7の属性パターンと同じ属性パターンを有する1以上の既存受講者(類似属性者)に関する情報(過去N年前のスコアと現在のスコア等)を受検DB141の受検ログから抽出し、抽出した1以上の既存受講者(類似属性者)の夫々のN年前のスコアとそれからN年後の現在のスコアとの比を計算して比率を求め、夫々の比率を平均したものを属性係数とする。この結果が、図19の番号7の属性パターンを有する類似属性者の各スキル(図19のBK、P&C、COM、THI)の夫々の属性係数となる。
【0098】
続いて、係数群生成部122において、成長パターン係数を生成する。
図20の対応表のように、対象者(受講者)の現在のスコアが、例えばBK=11、P&C=16、COM=17、THI=13であり、受講者(全体)の直近1年の平均点が例えばBK=12.9、P&C=15.6、COM=16.5、THI=13.8であったとする。
現在のスコアが受講者(全体)の直近1年の平均点以上のスキルの項目は、P&CとCOMであるので、図13の成長パターンテーブルに照合すると、タイプ8の成長パターンに適合し、図21に示す表のように、タイプ8の成長パターンに対応する係数として、BK=100.0%(百分率表記)、P&C=105.3%(百分率表記)、COM=110.0%(百分率表記)、THI=110.0%(百分率表記)が導出される。即ち、対象者の現在のスコアと受講者(全体)の直近1年の平均点とから、対象者に適合する成長パターンが割り出される。
【0099】
次に、係数群生成部122において、経年係数を生成する。
経年係数は、図22に示すように、年数に応じた係数(値)がスキル毎に設定されており、予測対象の年数に応じた係数を受検DB141から読み出すものとする。
例えば3年後のスコアを予測する場合は3-5年後の数値を用いるため、BK、P&C、COM、THIのMINの98.0%、BK、P&CのMAXの105.0%、COM、THIのMAXの103.0%が受検DB141から読み出される。
なお、図中、経年係数を百分率で表記しているが、スコアに経年係数を掛ける計算をする際は経年係数を100で割った数値を用いる。
上述したように生成された各係数は、係数群生成部122から予測部123に出力される。
【0100】
予測部123は、係数群生成部122から出力される係数を含む係数群(成長パターン係数、経年係数)を、対象者の現在の点数に掛け算して、予測値を算出し、算出結果を表示制御部124に出力する。予測部123が用いる各数値は、図23の表に示す。
具体的には、図23の表のように、BKの現在の数値が11点であり、この数値の11に対して、属性係数の105.2%、成長パターン係数の100.0%、経年係数のMINの98%を夫々の100で割った数値が掛け算され、予測値の下限値MINとして11.3という数値が出力される。
また、BKのスキルの現在の数値が11点であり、この数値の11に対して、属性係数の105.2%、成長パターン係数の100.0%、経年係数のMAXの105%を夫々の100で割った数値が掛け算され、予測値の上限値MAXとして12.2という数値が出力される。他のスキルについても同様に計算されて、下限(下ぶれ)と上限(上ぶれ)の夫々の予測値が出力される。
【0101】
次に、図24乃至図31を参照して第2の事例を説明する。
図24は、第2の事例におけるアンケートの結果を示す図である。図25は、性格属性の係数を判定するための対応表を示す図である。図26は、属性パターンの適合例を示す図である。図27は、適合した属性パターンに基づく類似属性者の属性係数を示す図である。図28は、対象者の現在のスコアと受講者(全体)の直近1年の平均点との対応関係を示す対応表である。図29は、図28の対応表の照合により適合した成長パターンと係数を示す表である。図30は、年数に応じた係数がスキル毎に設定されている経年係数を示す図である。図31は、N年後の予測における入力と係数と出力の各数値を示す図である。
【0102】
第2の事例において、予測対象の受講者(対象者)の基本属性は、性別:女性、年齢:30代前半、職種:営業職とする。
対象者の副属性のうち、業界属性は、情報通信業とする。所属属性は、営業第2部とする。性格属性は、図24のアンケートの結果から、開放性が4点+4点=8点、誠実性が5点+4点=9点であり、これらの点数を、図25の対応表に照合すると、誠実性及び開放性は、共に107%(百分率表記)という係数が抽出される。思考属性は、カラオケ、ネコ、読書等がキーワードとして抽出されたものとする。
【0103】
まず、係数群生成部122において、属性係数を生成する。
上述した副属性(業界属性、性格属性)と基本属性との組み合わせを、図9の属性パターンテーブルに照合すると、図26の番号15の属性パターンが適合する。
この番号7の属性パターンと同じ属性パターンを有する1以上の既存受講者(類似属性者)に関する情報(過去N年前のスコアと現在のスコア等)を受検DB141の受検ログから抽出し、抽出した1以上の既存受講者(類似属性者)の夫々のN年前のスコアとそれからN年後の現在のスコアとの比を計算して比率を求め、夫々の比率を平均したものを属性係数とする。この結果が、図27の番号15の属性パターンを有する類似属性者の各スキル(図27のBK、P&C、COM、THI)の夫々の属性係数となる。
【0104】
続いて、係数群生成部122において、成長パターン係数を生成する。
図28の対応表のように、対象者の現在のスコアが、例えばBK=14、P&C=16、COM=15、THI=14であり、受講者(全体)の直近1年の平均点が例えばBK=12.9、P&C=15.6、COM=16.5、THI=13.8であったとする。
対象者の現在のスコアが、受講者(全体)の直近1年の平均点以上のスキルの項目は、P&CとTHIであるので、図13の成長パターンテーブルに照合すると、タイプ9の成長パターンに適合し、図29に示す表のように、タイプ9の成長パターンに対応する係数として、BK=103.0%(百分率表記)、P&C=109%(百分率表記)、COM=105%(百分率表記)、THI=110%(百分率表記)が導出される。即ち、対象者の現在のスコアと受講者(全体)の直近1年の平均点から、対象者に適合する成長パターンが割り出される。
【0105】
次に、係数群生成部122において、経年係数を生成する。
経年係数は、図30に示すように、年数に応じた係数(値)がスキル毎に設定されており、予測対象の年数に応じた係数が受検DB141から読み出される。
例えば6年後のスコアを予測する場合は6-10年後の数値を用いるため、BK、P&C、COM、THIのMINの98.0%、BK、P&CのMAXの106.0%、COM、THIのMAXの105.0%が受検DB141から読み出される。
なお、図中、経年係数を百分率で表記しているが、スコアに経年係数を掛ける計算をする際は経年係数を100で割った数値を用いる。
上述したように生成された各係数は、係数群生成部122から予測部123に出力される。
【0106】
予測部123は、係数群生成部122から出力される係数を含む係数群(成長パターン係数、経年係数)を、対象者の現在の点数に掛け算して、予測値を算出し、算出結果を表示制御部124に出力する。予測部123が用いる各数値は、図31の表に示す。
具体的には、図31の表のように、BKの現在の数値が14点であり、この数値の14に対して、属性係数の110%、成長パターン係数の103%、経年係数のMINの98%を夫々の100で割った数値が掛け算され、予測値の下限値MINとして15.5という数値が出力される。
また、BKのスキルの現在の数値が14点であり、この数値の14に対して、属性係数の110%、成長パターン係数の103%、経年係数のMAXの106%を夫々の100で割った数値が掛け算され、予測値の上限値MAXとして16.8という数値が出力される。他のスキルについても同様に計算されて、下限(下ぶれ)と上限(上ぶれ)の夫々の予測値が出力される。
【0107】
次に、図32乃至図39を参照して第3の事例を説明する。
図32は、第3の事例におけるアンケートの結果を示す図である。図33は、性格属性の係数を判定するための対応表を示す図である。図34は、属性パターンの適合例を示す図である。図35は、適合した属性パターンに基づく類似属性者の属性係数を示す図である。図36は、対象者の現在のスコアと受講者(全体)の直近1年の平均点との対応関係を示す対応表である。図37は、図36の対応表の照合により適合した成長パターンと係数を示す表である。図38は、年数に応じた係数がスキル毎に設定されている経年係数を示す図である。図39は、N年後の予測における入力と係数と出力の各数値を示す図である。
【0108】
第3の事例において、予測対象の受講者(対象者)の基本属性は、性別:女性、年齢:40代前半、職種:事務職とする。
対象者の副属性のうち、業界属性は、小売業とする。所属属性は、無しとする。性格属性は、図32のアンケートの結果から、開放性が3点+2点=5点、誠実性が3点+3点=6点であり、これらの点数を、図33の対応表に照合すると、誠実性及び開放性は、共に105%(百分率表記)という係数が抽出される。思考属性は、料理、音楽等がキーワードとして抽出されたものとする。
【0109】
まず、係数群生成部122において、属性係数を生成する。
上述した副属性(業界属性、性格属性)と基本属性との組み合わせを、図9の属性パターンテーブルに照合すると、図34の番号14の属性パターンが適合する。
この番号14の属性パターンと同じ属性パターンを有する1以上の既存受講者(類似属性者)に関する情報(過去N年前のスコアと現在のスコア等)を受検DB141の受検ログから抽出し、抽出した1以上の既存受講者(類似属性者)の夫々のN年前のスコアとそれからN年後の現在のスコアとの比を計算して比率を求め、夫々の比率を平均したものを属性係数とする。この結果が、図35の番号14の属性パターンを有する類似属性者の各スキル(図35のBK、P&C、COM、THI)の夫々の属性係数となる。
【0110】
続いて、係数群生成部122において、成長パターン係数を生成する。
図36の対応表のように、対象者の現在のスコアが、例えばBK=14、P&C=15、COM=13、THI=13であり、受講者(全体)の直近1年の平均点が例えばBK=12.9、P&C=15.6、COM=16.5、THI=13.8であったとする。
対象者の現在のスコアが、受講者(全体)の直近1年の平均点以上のスキルの項目は、BKのみであるので、図13の成長パターンテーブルに照合すると、タイプ1の成長パターンに適合し、図37に示す表のように、タイプ1の成長パターンに対応する係数として、BK=105.0%(百分率表記)、P&C=103%(百分率表記)、COM=102%(百分率表記)、THI=103%(百分率表記)が導出される。即ち、対象者の現在のスコアと受講者(全体)の直近1年の平均点から、対象者に適合する成長パターンが割り出される。
【0111】
次に、係数群生成部122において、経年係数を生成する。
経年係数は、図38に示すように、年数に応じた係数(値)がスキル毎に設定されており、予測対象の年数に応じた係数が受検DB141から読み出される。
例えば1年後のスコアを予測する場合は1-2年後の数値を用いるため、BK、P&C、COM、THIのMINの95.0%、BK、P&CのMAXの103.0%、COM、THIのMAXの102.0%が受検DB141から読み出される。
なお、図中、経年係数を百分率で表記しているが、スコアに経年係数を掛ける計算をする際は経年係数を100で割った数値を用いる。
上述したように生成された各係数は、係数群生成部122から予測部123に出力される。
【0112】
予測部123は、係数群生成部122から出力される係数を含む係数群(成長パターン係数、経年係数)を、対象者の現在の点数に掛け算して、予測値を算出し、算出結果を表示制御部124に出力する。予測部123が用いる各数値は、図39の表に示す。
具体的には、図39の表のように、BKの現在の数値が14点であり、この数値の14に対して、属性係数の105.4%、成長パターン係数の105%、経年係数のMINの95%を夫々の100で割った数値が掛け算され、予測値の下限値MINとして14.7という数値が出力される。
また、BKのスキルの現在の数値が14点であり、この数値の14に対して、属性係数の105.4%、成長パターン係数の105%、経年係数のMAXの103%を夫々の100で割った数値が掛け算され、予測値の上限値MAXとして16.0という数値が出力される。他のスキルについても同様に計算されて、下限(下ぶれ)と上限(上ぶれ)の夫々の予測値が出力される。
【0113】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0114】
例えば、図2に示したハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0115】
また、図3に示した機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に図3の例に限定されない。
【0116】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図3に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、別々のハードウェアに備えてもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0117】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0118】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各受講者にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各受講者に提供される記録媒体等で構成される。
【0119】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0120】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【0121】
例えば、上述の実施形態では、ビジネス基礎力に関する評価を行うためのスキルとして、例えばビジネス知識、計画及びコントロール、コミュニケーション、並びに思考等の4種類のスキルに分けたが、これは例示に過ぎない。
即ち、ビジネス基礎力に関する任意のm個(mは1以上の整数値)夫々のスキルを採用することができる。この場合、各スキル毎に設けられるテーマも、上述の実施形態の例に特に限定されず、任意のp個(pは、mとは独立した1以上の整数値)のテーマを採用することができる。
【0122】
上記実施形態では、企業に所属する1以上の従業員の夫々についてのビジネス基礎力を示す情報として、例えばビジネススキルを評価する1以上のスキルにおけるテーマ毎のビジネス基礎力診断テストの得点を正規化したスコア等を取得したが、この例以外であってもよい。
例えば企業の他、団体やコミュニティであってもよく、組織であれば足りる。従業員の他、例えば社員や所員、署員等であってもよく、構成員であれば足りる。
また、ビジネス基礎力を示す情報としてスキルやテーマ毎のテストを正規化したスコアを取得したが、この他、例えばテストの得点そのものを取得してもよく、ビジネス基礎力を示す情報であれば足りる。
【0123】
上記実施形態では、テスト部121は、ビジネス基礎力向上のための研修がN年間施される予定の受講者について、ビジネス基礎力を評価した現在のスコアを取得したが、これ以外であってもよく、所定の人材育成が所定期間施される予定の対象者について、ビジネスに関する現時点の能力を評価した現在の評価値を取得すれば足りる。
上記実施形態では、係数群生成部122は、研修が既にN年間施された既存受講者のうち、研修を受ける予定の受講者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についてのスコアの過去N年間の成長の実績に基づいて、現在のスコアを補正する3つの係数(属性係数、成長パターン係数、経年係数等)を生成し、当該係数を含む係数群を出力したが、これ以外に、例えば3つの係数(属性係数、成長パターン係数、経年係数のうち一つだけを用いてもよいし、3つの係数のうち2つを組み合わせて利用してもよい。3つの係数にさらに他の係数を追加してもよい。3つの係数のうち1つ以上の係数と他の係数と入れ代えて利用してもよい。
即ち、人材育成が既に所定期間施された者のうち、対象者と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についての評価の所定期間の成長の実績に基づいて、現在の評価値を補正する第1係数を生成し、当該第1係数を含む係数群を出力すれば足りる。
上記実施形態では、予測部123は、研修を受ける予定の受講者について現在のスコアを、当該係数群を用いて補正し、補正後のスコアを当該受講者のN年間後のスコアとして予測したが、これ以外であってもよく、対象者について前記現在の評価値に対して前記係数群を用いて補正し、補正後の評価値を当該対象者の所定期間後の評価値として予測すれば足りる。
上記実施形態では、予測する期間(年月)について1年、3年、6年等を例示したが、これ以外であってもよく、N年間後であれば足りる。予測するN年間後については、受講者のマイページに設けられている「今後の成長予測」等のボタンを操作することで表示される予測画面に対して所望の期間を入力するものとする。所望の期間については、プルダウンメニューから年月を選択するようにしてもよく、西暦や和暦等の年月を直接入力してもよい。
上記実施形態では、過去N年の平均値を、受講者(全体)の直近1年の平均値として説明したが、この他、類似属性者の直近1年の平均値でもよく、対象者本人の直近1年の平均値でもよい。即ち、対象者の成長の基準になる数値であればよい。
上記実施形態では、会員のマイページから希望者全員に今後の成長予測の予測値(予測情報)を提示し閲覧させることを前提にしているため、予測情報の提示対象を制限することについては記載していないが、研修サービスの会員となった受講者のリテンション施策として活用してもよい。
例えば通常の会員と、プレミアム会員(オプション課金者)とを設定し、プレミアム会員にのみ予測情報を提示可能にし、レベル差を付けてもよい。また、通常の会員には、おおよその予測情報を提供し、プレミアム会員には、具体的な数値や上述したぶれ幅等を含めて提示するようにしてもよい。また、会員だけでなく、一般の人に対して、会員勧誘の一環として、本サービス提供者の研修サービスを受けることで、自身の能力がどの程度伸びるのかを無料又は有料で提供するようにしてもよい。
【0124】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば図3のサーバ10等)は、
所定の人材育成(研修サービス)が所定期間(N年間)施される予定の対象者(受講者又は受講予定者)について、ビジネスに関する現時点の能力を評価した現在の評価値(スコア)を取得する評価値取得手段(例えば図3のテスト部121等)と、
前記人材育成が既に所定期間(N年間)施された者のうち、前記対象者(受講者又は受講予定者)のと同一又は類似する属性を有する者(既存受講者)を類似属性者として、1以上の類似属性者についての前記評価の所定期間(N年間)の成長の実績に基づいて、前記現在の評価値(スコア)を補正する第1係数(属性係数)を生成し、当該第1係数(属性係数)を含む係数群を出力する係数群生成手段(例えば図3の係数群生成部122等)と、
前記対象者(受講者又は受講予定者)について前記現在の評価値(スコア)に対して前記係数群を用いて補正し、補正後の評価値(スコア)を当該対象者(受講者又は受講予定者)の所定期間(N年間)後の評価値(予測スコア又は予測値)として予測する予測手段(例えば図3の予測部123等)と、
を備える。
このように、対象者(受講者)評価結果(スコア)と、対象者(受講者)個人の属性(属性係数)とから対象者(受講者)の所定期間(N年)後の評価値を算出(予測)することで、人材育成(研修)予定の対象者(受講者)の現時点のビジネスに関する能力を示す評価値(ビジネス基礎力を評価したスコア)が、人材育成(研修)の支援により所定期間(N年間)でどの程度成長するかを対象者(受講者)に提示することができる。
【0125】
前記係数群生成手段(例えば図3の係数群生成部122等)は、さらに、前記対象者(受講者)の成長パターンに基づいて、前記現在の評価値(スコア)を補正する第2係数(成長パターン係数)を生成する第2係数生成手段(例えば図3の成長パターン係数生成部132等)を備え、
前記第1係数(属性係数)と共に当該第2係数(成長パターン係数)をさらに含む前記係数群を生成する。
このように、第1係数(属性係数)と共に第2係数(成長パターン係数)を含めて生成した係数群を用いて現時点の評価値(スコア)を補正することで、対象者(研修を受講予定の受講者)が所定期間(N年間)人材育成を施した(研修を受講した)後の評価値(スコア)の予測精度を向上することができる。
【0126】
前記係数群生成手段は、さらに、前記1以上の類似属性者(既存受講者)の夫々についての所定期間を経る中で成長した前記評価値(スコア)のぶれに基づいて、所定期間経過後に前記対象者(受講者)が成長する際の評価値(スコア)の最低と最高のぶれ幅(MIN、MAX)を示す第3係数(経年係数)を生成する第3係数生成手段(例えば図3の経年係数生成部133等)を備え、
前記第1係数(属性係数)及び前記第2係数(成長パターン係数)と共に当該第3係数(経年係数)をさらに含む前記係数群を生成する。
このように、第1係数(属性係数)及び第2係数(成長パターン係数)と共に第3係数(経年係数)を含めて生成した係数群を用いて現時点の評価値(スコア)を補正することで、対象者(研修を受講予定の受講者)に所定期間(N年間)人材育成を施した(研修を受講した)後の評価値(スコア)の予測精度をさらに向上することができる。
【符号の説明】
【0127】
1・・・情報処理システム、10・・・サーバ、20、20-1、20-n・・・受講者端末、101・・・CPU、102・・・ROM、103・・・RAM、104・・・バス、105・・・入出力インターフェース、106・・・出力部、107・・・入力部、108・・・記憶部、109・・・通信部、110・・・ドライブ、111・・・リムーバブルメディア、121・・・テスト部、122・・・係数群生成部、123・・・予測部、131・・・属性係数生成部、132・・・成長パターン係数生成部、133・・・経年係数生成部、124・・・表示制御部、141・・・受講者DB、N・・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図33
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図39