(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182667
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】麻雀ゲームシステム、麻雀ゲームの制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20221201BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20221201BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20221201BHJP
A63F 13/798 20140101ALI20221201BHJP
A63F 13/46 20140101ALI20221201BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221201BHJP
【FI】
A63F13/80 A
A63F13/30
A63F13/53
A63F13/798
A63F13/46
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090354
(22)【出願日】2021-05-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1:令和3年3月22日 麻雀ゲームシステム「麻雀格闘倶楽部 疾風」の稼働 2:令和3年3月22日 ウェブサイトへの掲載「大逆転三麻卓」 3:令和3年3月22日 ウェブサイトへの掲載「KONAMIのオンライン対戦麻雀ゲーム麻雀格闘倶楽部疾風で3の付く日の新イベント「大逆転三麻卓」開催!」 4:令和3年3月23日 ウェブサイトへの掲載「3の付く日に新イベント「大逆転三麻卓」開催!!あがれば親番!ツモ2倍!」
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 翔太
(72)【発明者】
【氏名】荒牧 芳彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】永井 孝明
(72)【発明者】
【氏名】森山 茂和
(72)【発明者】
【氏名】山井 弘
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 和典
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC18
(57)【要約】
【課題】興趣性および戦略性が高い麻雀ゲームを提供する。
【解決手段】麻雀ゲームシステム100は、複数のプレイヤが複数の局において相互に対戦する麻雀ゲームを制御するシステムであって、複数の局の各々を進行させる進行制御部41と、複数の局の各々において各プレイヤの和了を判定する和了判定部51と、複数のプレイヤのうち第1局において和了したプレイヤを、複数の局のうち第1局の直後の第2局における親に設定し、複数のプレイヤのうち親以外のプレイヤを第2局における子に設定する親設定部42とを具備する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤが複数の局において相互に対戦する麻雀ゲームを制御する麻雀ゲームシステムであって、
前記複数の局の各々を進行させる進行制御部と、
前記複数の局の各々において前記各プレイヤの和了を判定する和了判定部と、
前記複数のプレイヤのうち第1局において和了したプレイヤを、前記複数の局のうち前記第1局の直後の第2局における親に設定し、前記複数のプレイヤのうち親以外のプレイヤを前記第2局における子に設定する親設定部と
を具備する麻雀ゲームシステム。
【請求項2】
前記複数のプレイヤのうちの一のプレイヤが、副露状態において自摸により特定の和了役で和了した場合に獲得する点数は、副露状態において他のプレイヤの捨牌により前記特定の和了役で和了した場合に獲得する点数を上回る
請求項1の麻雀ゲームシステム。
【請求項3】
前記一のプレイヤが、自摸により和了した場合の点数と、他のプレイヤの捨牌により和了した場合の点数との対比を表示装置に表示させる表示制御部
を具備する請求項2の麻雀ゲームシステム。
【請求項4】
前記第1局と前記第2局との間における親の変更を表す報知画像を、表示装置に表示させる表示制御部
を具備する請求項1または請求項2の麻雀ゲームシステム。
【請求項5】
前記進行制御部は、前記複数のプレイヤのうち親に設定されたプレイヤによる連荘の有無に関わらず前記複数のプレイヤによる対戦の局数を計数し、前記局数が所定値に到達した場合に、前記複数のプレイヤの順位を確定する
請求項1から請求項4の何れかの麻雀ゲームシステム。
【請求項6】
複数のプレイヤが複数の局において相互に対戦する麻雀ゲームを制御する麻雀ゲームの制御方法であって、
前記複数の局の各々を進行させ、
前記複数の局の各々において前記各プレイヤの和了を判定し、
前記複数のプレイヤのうち第1局において和了したプレイヤを、前記複数の局のうち前記第1局の直後の第2局における親に設定し、前記複数のプレイヤのうち親以外のプレイヤを前記第2局における子に設定する
麻雀ゲームの制御方法。
【請求項7】
複数のプレイヤが複数の局において相互に対戦する麻雀ゲームを制御するために、コンピュータシステムを、
前記複数の局の各々を進行させる進行制御部、
前記複数の局の各々において前記各プレイヤの和了を判定する和了判定部、および、
前記複数のプレイヤのうち第1局において和了したプレイヤを、前記複数の局のうち前記第1局の直後の第2局における親に設定し、前記複数のプレイヤのうち親以外のプレイヤを前記第2局における子に設定する親設定部
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプレイヤが相互に対戦する麻雀ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤが対戦可能な麻雀ゲームが従来から提案されている。例えば特許文献1には、和了翻数に応じたボーナス点を和了点に加算する麻雀ゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従前の麻雀ゲームにおいては、各プレイヤの順位が固定化され易いという傾向がある。例えば、上位のプレイヤとの点数差が充分に拡大した状態、または低順位のプレイヤについて親番が経過した状態になると、実際には逆転は困難である。以上の事情を背景として、興趣性または戦略性の向上という観点から、麻雀ゲームには更なる改善の余地がある。本発明のひとつの態様は、興趣性および戦略性が高い麻雀ゲームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明のひとつの態様に係る麻雀ゲームシステムは、複数のプレイヤが複数の局において相互に対戦する麻雀ゲームを制御する麻雀ゲームシステムであって、前記複数の局の各々を進行させる進行制御部と、前記複数の局の各々において前記各プレイヤの和了を判定する和了判定部と、前記複数のプレイヤのうち第1局において和了したプレイヤを、前記複数の局のうち前記第1局の直後の第2局における親に設定し、前記複数のプレイヤのうち親以外のプレイヤを前記第2局における子に設定する親設定部とを具備する。
【0006】
本発明のひとつの態様に係る麻雀ゲームの制御方法は、複数のプレイヤが複数の局において相互に対戦する麻雀ゲームを制御する麻雀ゲームの制御方法であって、前記複数の局の各々を進行させ、前記複数の局の各々において前記各プレイヤの和了を判定し、前記複数のプレイヤのうち第1局において和了したプレイヤを、前記複数の局のうち前記第1局の直後の第2局における親に設定し、前記複数のプレイヤのうち親以外のプレイヤを前記第2局における子に設定する。
【0007】
本発明のひとつの態様に係るプログラムは、複数のプレイヤが複数の局において相互に対戦する麻雀ゲームを制御するために、コンピュータシステムを、前記複数の局の各々を進行させる進行制御部、前記複数の局の各々において前記各プレイヤの和了を判定する和了判定部、および、前記複数のプレイヤのうち第1局において和了したプレイヤを、前記複数の局のうち前記第1局の直後の第2局における親に設定し、前記複数のプレイヤのうち親以外のプレイヤを前記第2局における子に設定する親設定部、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る麻雀ゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
【
図2】制御システムの構成を例示するブロック図である。
【
図3】麻雀ゲームシステムの機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図4】対戦設定処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図5】端末装置の構成を例示するブロック図である。
【
図6】和了時にプレイヤが獲得する点数の説明図である。
【
図8】管理処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図10】制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図12】第2実施形態における麻雀ゲームシステムの機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図13】第3実施形態における和了点の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に例示される形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る麻雀ゲームシステム100の構成を例示するブロック図である。麻雀ゲームシステム100は、複数のプレイヤが麻雀により相互に対戦する麻雀ゲームを提供するコンピュータシステムである。麻雀ゲームシステム100は、制御システム10と複数の端末装置20とを具備する。複数の端末装置20の各々は、例えばインターネットまたはLAN(Local Area Network)等の通信網200を介して制御システム10と通信する。
【0011】
複数の端末装置20の各々は、麻雀ゲームに使用される情報装置である。第1実施形態の各端末装置20は、例えばゲームセンター等の各種の施設に設置されたゲーム装置である。複数の端末装置20が1個の施設内に設置された形態、または、複数の端末装置20の各々が相異なる施設内に設置された形態が想定される。相異なる端末装置20を使用して複数のプレイヤが麻雀ゲームをプレイする。各プレイヤには、事前の利用登録により登録カードが付与される。登録カードは、プレイヤを識別するための識別情報が記録された記録媒体である。なお、例えばスマートフォン,タブレット端末,携帯型ゲーム装置,またはパーソナルコンピュータ等の情報装置が、端末装置20として麻雀ゲームに利用されてもよい。
【0012】
制御システム10は、複数の端末装置20の各々と協働することで麻雀ゲームを制御する。具体的には、第1実施形態の制御システム10は、麻雀ゲームにおいて相互に対戦する複数のプレイヤの組合せ(以下「対戦組」という)を設定する。なお、以下の説明では、3人のプレイヤが対戦する3人打ち麻雀を便宜的に想定する。
【0013】
図2は、制御システム10の構成を例示するブロック図である。
図2に例示される通り、制御システム10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13とを具備する。なお、制御システム10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0014】
制御装置11は、制御システム10の動作を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置11が構成される。
【0015】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置12として利用される。なお、例えば、制御システム10に対して着脱される可搬型の記録媒体、または、制御装置11が通信網200を介して書込または読出を実行可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)を、記憶装置12として利用してもよい。
【0016】
記憶装置12は、複数のプレイヤの各々についてゲームデータを記憶する。各プレイヤのゲームデータは、プレイヤの識別情報,氏名または居住地等の属性情報,過去の麻雀ゲームにおける戦績,プレイヤが所有するアイテム,およびプレイヤが属する階級(ランク,段位)等の各種の情報を含む。
【0017】
通信装置13は、通信網200を介して複数の端末装置20の各々と通信する。なお、通信装置13が使用する通信回線は、無線区間を含んでもよい。また、制御システム10とは別体の通信装置13を制御システム10に対して有線または無線により接続してもよい。
【0018】
図3は、麻雀ゲームシステム100の機能的な構成を例示するブロック図である。
図3に例示される通り、制御システム10の制御装置11は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで対戦設定部30として機能する。対戦設定部30は、麻雀ゲームにおいて相互に対戦する3人のプレイヤの組合せ(以下「対戦組」という)を設定する。
【0019】
図4は、制御システム10の制御装置11(対戦設定部30)が対戦組を設定する処理(以下「対戦設定処理」という)Saの具体的な手順を例示するフローチャートである。なお、対戦設定処理Saの開始前に実行される認証処理により、各プレイヤの正当性は認証された状態にある。
【0020】
各端末装置20は、プレイヤからの指示に応じて対戦要求を制御システム10に送信する。各端末装置20から送信される対戦要求は、当該端末装置20の所在情報とプレイヤの識別情報とを含む。所在情報は、端末装置20の所在を表す情報である。例えばIP(Internet Protocol)アドレスが所在情報として利用される。制御システム10の対戦設定部30は、各端末装置20から送信された対戦要求を通信装置13により受信する(Sa1)。対戦設定部30は、3人のプレイヤの各々のゲームデータを記憶装置12から取得する(Sa2)。すなわち、対戦要求に含まれる識別情報に対応するゲームデータが記憶装置12から読出される。
【0021】
対戦設定部30は、認証処理に成功した複数のプレイヤから、麻雀ゲームをプレイする3人のプレイヤの組合せ(以下「対戦組」という)を設定する(Sa3)。例えば、対戦設定部30は、ゲームデータが指定する各プレイヤの階級または戦績等の情報に応じて対戦組を設定(すなわちマッチング)する。
【0022】
対戦設定部30は、対戦組の各プレイヤが使用する3個の端末装置20に対して、通信装置13から対戦データを送信する(Sa4)。対戦データは、対戦組の各プレイヤが使用する端末装置20の所在情報と、当該各プレイヤのゲームデータとを含む。すなわち、麻雀ゲームに使用される3個の端末装置20の所在情報が各端末装置20に通知される。
【0023】
図5は、各端末装置20の構成を例示するブロック図である。
図5に例示される通り、端末装置20は、制御装置21と記憶装置22と通信装置23と表示装置24と操作装置25と受付装置26とを具備する。なお、端末装置20は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0024】
制御装置21は、端末装置20の動作を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置21が構成される。
【0025】
記憶装置22は、制御装置21が実行するプログラムと制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置22として利用される。なお、例えば、端末装置20に対して着脱される可搬型の記録媒体、または、制御装置21が通信網200を介して書込または読出を実行可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)を、記憶装置22として利用してもよい。
【0026】
通信装置23は、通信網200を介して制御システム10または他の端末装置20と通信する。例えば、通信装置23は、操作装置25に対するプレイヤからの指示に応じて前述の対戦要求を制御システム10に送信し、当該対戦要求に応じて制御システム10から送信される対戦データを受信する。なお、通信装置23が使用する通信回線は、無線区間を含んでもよい。また、端末装置20とは別体の通信装置23を端末装置20に対して有線または無線により接続してもよい。
【0027】
表示装置24は、制御装置21による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、麻雀ゲームの進行を表す画像(例えば
図7の対戦画像Ga)が、表示装置24に表示される。例えば、液晶表示パネルまたは有機EL(Electroluminescence)パネル等の各種の表示パネルが、表示装置24として利用される。なお、端末装置20とは別体の表示装置24を端末装置20に対して有線または無線により接続してもよい。
【0028】
操作装置25は、プレイヤによる操作を受付ける入力機器である。例えば、プレイヤが操作可能な複数の操作子、または、表示装置24の表示面に対するプレイヤの接触を検知するタッチパネルが、操作装置25として利用される。
【0029】
受付装置26は、プレイヤの識別情報を受付ける。具体的には、受付装置26は、前述の登録カードから識別情報を取得する接触型または非接触型の読取機である。受付装置26が受付けた識別情報を含む前述の対戦要求が、通信装置23から制御システム10に送信される。なお、受付装置26は、麻雀ゲームをプレイするための価値媒体をプレイヤから受付ける構成を含んでもよい。価値媒体は、例えば物理メダル(トークン)または電子メダルである。
【0030】
図3に例示される通り、制御システム10が設定した対戦組に対応する3個の端末装置20のうち、何れか1個の端末装置20(以下「管理端末装置20a」という)がホストコンピュータとして機能し、管理端末装置20a以外の2個の端末装置20(以下「従属端末装置20b」という)がクライアントコンピュータとして機能する。例えば3個の端末装置20の何れかが、所定の条件によりまたは無作為に、管理端末装置20aとして選択される。なお、以下の説明において、管理端末装置20aと従属端末装置20bとを区別する必要がない場合には単に「端末装置20」と表記する。
【0031】
図3に例示される通り、各端末装置20の制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで制御処理部50として機能する。また、管理端末装置20aの制御装置21は、制御処理部50に加えて、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで管理処理部40としても機能する。相異なる端末装置20における複数の制御処理部50と管理端末装置20aの管理処理部40とが相互に協働することで、対戦組の3人のプレイヤが対戦する麻雀ゲームを進行させる。
【0032】
麻雀ゲームの1回の対戦(以下「単位ゲーム」という)は、複数の局で構成される。単位ゲームは、例えば1回の東風戦である。また、各局は、麻雀ゲームにおける対戦の最小単位である。具体的には、1個の局は、3人のプレイヤに対する配牌から1以上のプレイヤによる和了または流局までを単位とするゲームである。複数の局の各々は、概略的には以下の手順で進行する。なお、単位ゲームが開始された直後の各プレイヤの持点は、標準的な麻雀ゲームにおける点数(例えば25000点)と比較して高い点数(例えば35000点)に設定される。また、3人のプレイヤの何れかの点数が0以下となった場合(いわゆるハコテン)、単位ゲームはその時点で終了する。
【0033】
[手順1]複数の牌の配列により牌山が形成され、3人のプレイヤの各々に対して牌山から所定数の牌が配牌される。
[手順2]3人のプレイヤの各々は、1個の牌を牌山から取得(自摸)し、当該自摸牌および自身の手牌から1個の不要な牌を捨牌する。3人のプレイヤの各々について手順2が順番に反復される。
[手順3]自摸および捨牌の順番(自摸番)にあるプレイヤ以外のプレイヤは、自摸番のプレイヤの捨牌を取得(副露)することで手牌内の1個の面子を作成できる。副露は、ポン,チーまたはカンである。以下の説明においては、手牌内の1個以上の面子が副露により成立した状態を「副露状態」と表記する。
[手順4]3人のプレイヤのうち何れかのプレイヤの手牌について特定の和了役が成立した状態で当該プレイヤが和了を宣言した場合に、当該プレイヤについて和了が成立する。和了には、プレイヤ自身の自摸による和了(ツモ和了)と、他のプレイヤの捨牌による和了(ロン和了)とがある。なお、2人のプレイヤの手牌において待ち牌が共通する場合には、当該2人のプレイヤについて同時に和了が成立する場合(ダブルロン)がある。
[手順5]和了が成立したプレイヤは、和了役に応じた点数(和了役の翻数および符数に応じた点数)を他のプレイヤから獲得できる。
[手順6]3人のプレイヤの何れかによる和了または流局により1個の局が終了する。
【0034】
図3の管理処理部40は、麻雀ゲームの全体的な進行を制御する。管理処理部40は、進行制御部41と親設定部42とを具備する。
【0035】
進行制御部41は、1回の単位ゲームを構成する複数の局の各々を進行させる。なお、標準的な麻雀ゲームにおいては、親のプレイヤが連荘している間は局の番号(例えば東3局)は進行しない。第1実施形態の進行制御部41は、3人のプレイヤのうち親に設定されたプレイヤによる連荘の有無に関わらず局数nを計数し、局数nが所定値N(nおよびNは自然数)に到達した場合に、3人のプレイヤの順位を確定する。すなわち、連荘の有無に関わらず局数nは1局毎に「1」ずつ増加し、麻雀ゲームの1回の単位ゲームは計N局で終了する。所定値Nは、1回の単位ゲームを構成する局の総数であり、例えば「6」に設定される。以上の説明から理解される通り、1回の単位ゲームは、親による連荘の有無に関わらず、東1局→東2局→東3局→東4局→東5局→東6局、の計6局で終了する。
【0036】
親設定部42は、3人のプレイヤの何れかを親に設定する。親は、和了役に対して子が獲得できる点数を上回る点数(例えば1.5倍の点数)を当該和了役に対して獲得可能な地位である。なお、自風が東風であるプレイヤ(東家)を親と表現してもよい。
【0037】
標準的な麻雀ゲームにおいては、複数のプレイヤの各々が座席の順番で親に設定される。標準的な麻雀ゲームとは対照的に、第1実施形態の親設定部42は、3人のプレイヤのうち第n局において和了したプレイヤを、直後の第(n+1)局における親に設定し、親以外のプレイヤを第(n+1)局における子に設定する。例えば、第2局において和了したプレイヤが第3局における親に設定される。以上の説明から理解される通り、標準的な麻雀ゲームにおいては、複数のプレイヤの各々が座席の順番で親に設定されるのに対し、第1実施形態の麻雀ゲームにおいては、3人のプレイヤの何れかが順不同で親に設定される。したがって、複数の局にわたり連続的に和了したプレイヤは継続的に親に設定され、1回の単位ゲーム内で和了できないプレイヤは、当該対戦のなかで1回も親に設定されない可能性がある。以上の説明における第n局は「第1局」の一例であり、第(n+1)局は「第2局」の一例である。
【0038】
なお、1回の単位ゲームにおける最初の局(東1局)においては、親設定部42は、3人のプレイヤの何れかをプレイヤを親(すなわち起家)として選択する。東1局において親を選択する方法は任意である。例えば、東1局においては、乱数を利用した抽選処理により確率的に選択されたプレイヤが親に設定される。
【0039】
また、前述の通り、2人のプレイヤが1人のプレイヤの捨牌により同時に和了する場合(ダブルロン)がある。第n局において2人のプレイヤが同時に和了した場合、親設定部42は、当該2人のプレイヤから選択された1人のプレイヤを、第(n+1)局の親に設定する。具体的には、第n局において同時に和了した2人のプレイヤの一方が第n局における親である場合、親設定部42は、第n局の親のプレイヤを第(n+1)局でも親として設定する。また、第n局において同時に和了した2人のプレイヤの双方が子である場合、親設定部42は、当該2人のプレイヤのうち上家のプレイヤを、第(n+1)局の親として設定する。
【0040】
また、親設定部42は、3人のプレイヤの各々について自風(東風/南風/西風)を設定する。具体的には、親設定部42は、親に設定されたプレイヤの自風を東風に設定し(東家)、東家に対して下家の自風を南風に設定し(南家)、南家に対して下家の自風を西風に設定する(西家)。すなわち、標準的な麻雀ゲームにおいては、各プレイヤの自風が東風→南風→西風という順番で変更されるのに対し、第1実施形態の麻雀ゲームにおいては、各局で和了したプレイヤに応じて、各プレイヤの自風が順不同で変更される。
【0041】
図3の制御処理部50は、端末装置20毎の個別の処理を実行する。制御処理部50は、和了判定部51と点数管理部52と表示制御部53とを具備する。前述の通り、制御処理部50は、各端末装置20(管理端末装置20a,従属端末装置20b)に設置される。制御処理部50に関する以下の説明においては、麻雀ゲームをプレイする3人のプレイヤのうち当該制御処理部50を具備する端末装置20を使用するプレイヤを「対象プレイヤ」と表記し、対象プレイヤ以外の2人のプレイヤを「他プレイヤ」と表記する。
【0042】
和了判定部51は、対象プレイヤの和了を局毎に判定する。具体的には、和了判定部51は、対象プレイヤの自摸により手牌に和了役が成立し、かつ、操作装置25に対する操作で対象プレイヤが和了を指示した場合に、対象プレイヤが和了(ツモ和了)したと判定する。また、和了判定部51は、他プレイヤの捨牌により対象プレイヤの手牌に和了役が成立し、かつ、操作装置25に対する操作で対象プレイヤが和了を指示した場合に、対象プレイヤが和了(ロン和了)したと判定する。対象プレイヤについて和了を成立させる他プレイヤの捨牌を、以下では「和了牌」と表記する。
【0043】
点数管理部52は、対象プレイヤが保有する点数(以下「保有点」という)を管理する。保有点は記憶装置22に記憶される。具体的には、点数管理部52は、対象プレイヤが和了した場合には、和了役に応じた点数を対象プレイヤの保有点に加算し、対象プレイヤが他プレイヤに振込(いわゆる放銃)した場合には、他プレイヤの和了役に応じた点数を対象プレイヤの保有点から減算する。
【0044】
各プレイヤが和了により他のプレイヤから獲得する点数は、和了役が共通する場合でも、和了がツモ和了およびロン和了の何れであるかに応じて相違する。
図6は、和了時に各プレイヤが獲得する点数の説明図である。なお、以下の説明においては、和了役に対応する点数を「和了点」と表記する。和了点は、和了役の翻数および符数と和了したプレイヤの親/子の区別とに応じて決定される得点である。
図6においては、和了役が満貫である場合が想定されている。親の満貫の和了点は12000点であり、子の満貫の和了点は8000点である。
【0045】
まず、特定の和了役をロン和了したプレイヤには、和了牌を捨牌したプレイヤから当該和了役に対応する和了点が支払われる。例えば、
図6に例示される通り、親が満貫をロン和了した場合、和了牌を捨牌した子1から親に対して12000点が支払われる。また、親の捨牌により子1が満貫をロン和了した場合、和了牌を捨牌した親から子1に対して8000点が支払われる。同様に、子2の捨牌により子1が満貫をロン和了した場合、和了牌を捨牌した子2から子1に対して8000点が支払われる。以上の例示の通り、満貫のロン和了により、親は12000点を獲得し、子は8000点を獲得する。
【0046】
他方、特定の和了役をツモ和了したプレイヤには、当該プレイヤ以外の2人のプレイヤの各々から、当該和了役に対応する和了点が支払われる。例えば、
図6に例示される通り、親が満貫をツモ和了した場合、2人の子(子1および子2)の双方から親に対して、親の満貫に対応する和了点である12000点が支払われる。また、子1が満貫をツモ和了した場合、親および子2の双方から子1に対して、子の満貫に対応する和了点である8000点が支払われる。以上の例示の通り、満貫のロン和了により、親は24000点を獲得し、子は16000点を獲得する。
【0047】
以上の説明から理解される通り、各プレイヤは、ツモ和了によりロン和了時の和了点の2倍の点数を獲得できる。標準的な麻雀ゲームにおいてプレイヤが特定の和了役をツモ和了した場合には、当該和了役に対応する点数を他の2人のプレイヤが折半するのに対し、第1実施形態の麻雀ゲームにおいては、プレイヤが特定の和了役をツモ和了した場合に、当該和了役に対応する点数を他の2人のプレイヤの双方が支払う、と表現してもよい。以上の説明から理解される通り、第1実施形態におけるツモ和了には、ロン和了時の点数を上回る点数を獲得できるという特典(以下「ツモ和了特典」という)がある。
【0048】
なお、標準的な麻雀ゲームにおいても、各プレイヤは、門前清自摸(メンゼンツモ)の1翻によりロン和了の場合を上回る点数を獲得できる場合がある。しかし、第1実施形態のツモ和了特典は、和了役に対応する和了点を他の2人のプレイヤの双方から獲得できる点で、門前清自摸による点数の増加とは相違する。また、例えば標準的な麻雀ゲームにおいて副露状態を想定すると、各プレイヤが獲得できる点数は、ツモ和了およびロン和了の何れの和了でも同等である。以上の取扱とは対照的に、第1実施形態のツモ和了特典においては、副露状態において、和了がツモ和了およびロン和了の何れであるかに応じて、プレイヤが獲得できる点数が相違する。すなわち、第1実施形態においては、副露状態において特定の和了役をツモ和了した場合にプレイヤが獲得する点数が、副露状態において当該和了役をロン和了した場合に当該プレイヤが獲得する点数を上回る。
【0049】
図3の表示制御部53は、表示装置24に各種の画像を表示させる。例えば、表示制御部53は、
図7の対戦画像Gaを表示装置24に表示させる。
【0050】
図7に例示される通り、対戦画像Gaは、対象プレイヤの手牌の画像Ga1と、他プレイヤの手牌の画像Ga2と、各プレイヤの捨牌の画像Ga3と、各プレイヤの現在の点数の画像Ga4とを含む。また、対戦画像Gaには、現在の局数n(東n局)と、対戦終了までの残りの局数(以下「残局数」という)kとが表示される。残局数kは、1回の単位ゲームを構成する局の総数Nから現在の局数nを減算した数値(k=N-n)である。なお、残局数kが「0」である第N局では、第1局から第(N-1)局までの表示と比較して、局数nと残局数kとが強調表示される形態、または、最終局であることが明示的に表示される形態も想定される。
【0051】
図8は、管理端末装置20aの制御装置21(管理処理部40)が実行する処理(以下「管理処理」という)Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。制御システム10による対戦組の設定後に管理端末装置20aの制御装置21が管理処理Sbを開始する。
【0052】
管理処理Sbが開始されると、進行制御部41は、現在の局数nを、東1局を意味する「1」に初期化する(Sb1)。親設定部42は、第1局の親(起家)と各プレイヤの自風とを設定する(Sb2)。前述の通り、第1局の親は、例えば抽選処理により選択される。なお、局数nの初期化(Sb1)と自風の設定(Sb2)との先後は反転されてもよい。
【0053】
進行制御部41は、各端末装置20(管理端末装置20aおよび各従属端末装置20b)の制御処理部50に対して第n局の開始を指示する(Sb3)。各端末装置20は、第n局の開始の指示を契機として麻雀ゲーム処理を開始する。麻雀ゲーム処理は、各端末装置20の制御処理部50が相互に協働しながら前述の手順1から手順6を実行することで、第n局の対戦を進行させる処理である。前述の通り、1以上のプレイヤによる和了または流局により第n局は終了する。
【0054】
第n局が終了すると、進行制御部41は、現在の局数nが所定値Nに一致するか否かを判定する(Sb4)。局数nが所定値Nに一致する場合(Sb4:YES)、進行制御部41は終了処理を実行する(Sb5)。終了処理は、各プレイヤの点数に応じて3人のプレイヤの間の順位を確定する処理である。終了処理の結果が各端末装置20の表示装置24に表示される。以上の通り、進行制御部41は、局数nが所定値Nに到達した場合(すなわち第N局が終了した場合)に3人のプレイヤの順位を確定する。また、終了処理は、制御システム10の記憶装置12に記憶された各プレイヤのゲームデータに今回の単位ゲームの結果を反映させる処理を含む。なお、3人のプレイヤの何れかの点数が0以下に減少した場合には、局数nが所定値Nに到達する前に単位ゲームが終了し、終了処理が実行される。
【0055】
他方、局数nが所定値Nを下回る場合(Sb4:NO)、親設定部42は、次局の親を設定する(Sb6~Sb9)。具体的には、親設定部42は、まず、第n局が和了により終了したか否かを判定する(Sb6)。すなわち、第n局が和了および流局の何れにより終了したのかが判定される。
【0056】
第n局が和了により終了した場合(Sb6:YES)、親設定部42は、直後の第(n+1)局の親を設定する(Sb7)。具体的には、親設定部42は、第n局にて和了したプレイヤを、直後の第(n+1)局における親に設定し、当該親以外の各プレイヤを第(n+1)局における子に設定する。また、親設定部42は、第(n+1)局の親を基準として、各子の自風を設定する(Sb8)。
【0057】
親設定部42は、各端末装置20の表示制御部53に報知画像Gbの表示を指示する(Sb9)。各端末装置20の表示制御部53は、親設定部42からの指示に応じて
図9の報知画像Gbを表示装置24に表示させる。報知画像Gbは、第n局と第(n+1)局との間における親の変更を表す画像である。
図9に例示された報知画像Gbは、第n局と第(n+1)局との間における親の変更を意味する遷移画像Gb1を含む。遷移画像Gb1は、変更前の親から変更後の親に向かう矢印である。
図9の報知画像Gbにおいては、「Player B」から「Player A」に親が変更される場合が想定されている。また、報知画像Gbは、第n局と第(n+1)局との間における各プレイヤの自風の変更も表す。
【0058】
他方、第n局が流局により終了した場合(Sb6:NO)、親設定部42は、親および自風の変更(Sb7~Sb9)を実行しない。すなわち、第n局における親のプレイヤが第(n+1)局においても引続き親に設定される。また、第n局が流局により終了した場合には、報知画像Gbは表示されない。ただし、第n局と第(n+1)局との間で親および自風が変更されないことを表す報知画像Gbを、表示制御部53が表示装置24に表示させてもよい。
【0059】
以上の処理が実行されると、進行制御部41は、現在の局数nに「1」を加算する(Sb10)。すなわち、単位ゲームが次局に進行する。局数nを更新すると、進行制御部41は、処理をステップSb3に移行する。すなわち、進行制御部41は、各端末装置20(管理端末装置20aおよび各従属端末装置20b)の制御処理部50に対して、更新後の第n局の開始を指示する(Sb3)。以上の説明から理解される通り、第N局の終了(Sb4:YES)まで、親設定部42による親および自風の設定(Sb7,Sb8)と、進行制御部41による局の進行(Sb10)とが反復される。
【0060】
図10は、各端末装置20の制御装置21(制御処理部50)が実行する処理(以下「制御処理」という)Scの具体的な手順を例示するフローチャートである。各局の麻雀ゲーム処理のなかで各端末装置20の制御装置21が制御処理Scを実行する。
【0061】
制御処理Scが開始されると、制御処理部50は、麻雀ゲーム処理(具体的には前述の手順2および手順3)を進行させる(Sc1)。対象プレイヤが聴牌した状態において、和了判定部51は、対象プレイヤの手牌に対する和了牌を他プレイヤが捨牌したか否かを判定する(Sc2)。対象プレイヤの和了牌が捨牌された場合(Sc2:YES)、点数管理部52は、対象プレイヤの手牌と当該和了牌とで成立する和了役に対応する和了点W1を算定する(Sc3)。
【0062】
表示制御部53は、点数画像Gcを表示装置24に表示させる(Sc4)。
図11は、点数画像Gcの模式図である。点数画像Gcは、現在の手牌について対象プレイヤが和了したと仮定した場合に当該対象プレイヤが獲得できる点数を表す画像である。具体的には、点数画像Gcは、他プレイヤが捨牌した和了牌によりロン和了した場合に獲得できる和了点W1と、対象プレイヤが当該和了牌をツモ和了した場合の点数W2との対比を表す画像である。具体的には、第1実施形態の点数画像Gcにおいては、ロン和了時の和了点W1とツモ和了時の点数W2とが並列に表示される。例えば対戦画像Gaに重ねて点数画像Gcが表示される。前述の通り、対象プレイヤがツモ和了した場合には、和了点W1を2人の他プレイヤの双方から獲得できる。したがって、点数画像Gcにおけるツモ和了時の点数W2は、ロン和了時の和了点W1の2倍である。
【0063】
対象プレイヤは、点数画像Gcにおける和了点W1および点数W2と、対戦画像Gaにおける各プレイヤの保有点(画像Ga4)とを参照することで、他プレイヤの捨牌によるロン和了と、当該捨牌の看過(さらに自身によるツモ和了を目指す)との何れかを選択できる。すなわち、対象プレイヤは、操作装置25に対する操作により、ロン和了または捨牌の看過を指示する。和了判定部51は、対象プレイヤからロン和了の指示を受付けたか否かを判定する(Sc5)。捨牌の看過が指示された場合(Sc5:NO)、制御処理部50は、処理をステップSc1に移行する。すなわち、他プレイヤによる捨牌が看過され、下家のプレイヤによる自摸に移行する。
【0064】
他方、対象プレイヤによりロン和了が指示された場合(Sc5:YES)、点数管理部52は、対象プレイヤと和了牌を捨牌した1人の他プレイヤとの間で和了点W1を授受する(Sc6)。具体的には、点数管理部52は、対象プレイヤの保有点に今回の和了点W1を加算し、和了牌を捨牌した他プレイヤの端末装置20に対して和了点W1の支払を通知する。他プレイヤの端末装置20における点数管理部52は、当該通知に応じて和了点W1を保有点から減算する。また、表示制御部53は、対象プレイヤのロン和了とプレイヤ間における点数の授受とを表す結果画像(図示略)を表示装置24に表示させる(Sc7)。結果画像の表示により制御処理Scは終了する。
【0065】
麻雀ゲーム処理の進行(Sc1)により和了牌を自摸した場合、対象プレイヤは、当該和了牌によるツモ和了と、当該和了牌または手牌の捨牌(さらに手牌の変化を目指す)との何れかを選択できる。すなわち、対象プレイヤは、操作装置25に対する操作により、ツモ和了または捨牌を指示する。和了牌が捨牌されない場合(Sc2:NO)、和了判定部51は、対象プレイヤからツモ和了の指示を受付けたか否かを判定する(Sc8)。捨牌が指示された場合(Sc8:NO)、制御処理部50は、処理をステップSc1に移行する。すなわち、対象プレイヤのツモ和了は成立せずに、下家のプレイヤによる自摸に移行する。
【0066】
他方、対象プレイヤによりツモ和了が指示された場合(Sc8:YES)、点数管理部52は、対象プレイヤの手牌と対象プレイヤが自摸した和了牌とで成立する和了役に対応する和了点W1を算定する(Sc9)。そして、点数管理部52は、対象プレイヤと2人の他プレイヤとの間で和了点W1を授受する(Sc10)。具体的には、点数管理部52は、対象プレイヤの保有点に和了点W1の2倍の点数を加算し、2人の他プレイヤの各々の端末装置20に対して和了点W1の支払を通知する。各他プレイヤの端末装置20における点数管理部52は、当該通知に応じて和了点W1を保有点から減算する。また、表示制御部53は、対象プレイヤのツモ和了とプレイヤ間における点数の授受とを表す結果画像(図示略)を表示装置24に表示させる(Sc11)。結果画像の表示により制御処理Scは終了する。
【0067】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、第n局において和了したプレイヤが直後の第(n+1)局における親に設定される。したがって、3人のプレイヤの各々が座席の順番で親に設定される標準的な麻雀ゲームと比較して、麻雀ゲームの1回の単位ゲームが終了するまで各プレイヤが逆転を目指し易い。例えば、単位ゲームを構成する計N局の何れの局においても各プレイヤが親に設定され得るから、単位ゲーム内の任意の局において親として高得点の獲得を目指すことが可能である。すなわち、興趣性および戦略性が高い麻雀ゲームを提供できる。
【0068】
ところで、第n局において和了したプレイヤが第(n+1)局の親に設定される形態では、各プレイヤが座席の順番で親に設定される標準的な麻雀ゲームと比較して、3人のプレイヤの何れが親であるのか各プレイヤが把握し難い。第1実施形態においては、第n局と第(n+1)局との間における親の変更を表す報知画像Gbが表示装置24に表示されるから、各プレイヤが局毎に親を把握し易いという利点がある。
【0069】
また、第1実施形態においては、自摸による和了(ツモ和了)の場合に、他のプレイヤの捨牌による和了(ロン和了)の場合と比較して高い点数を獲得できる。したがって、副露状態ではツモ和了時の点数とロン和了時の点数とが同等である標準的な麻雀ゲームと比較して、各プレイヤの保有点が変動し易い。したがって、興趣性および戦略性が高い麻雀ゲームを提供できる。例えば、各プレイヤがツモ和了およびロン和了の何れを目指すかという戦略が重視される興趣性の高い麻雀ゲームが実現される。
【0070】
第1実施形態においては特に、他プレイヤの捨牌により和了した場合の点数(和了点W1)と対象プレイヤが自摸により和了した場合の点数W2とが表示装置24に対比的に表示される。したがって、各プレイヤは、例えば各プレイヤの保有点を考慮したうえで、ツモ和了とロン和了との何れを優先させるべきかを判断できる。すなわち、戦略性が高い麻雀ゲームを提供できる。
【0071】
また、第1実施形態においては、親による連荘の有無に関わらず局数nが計数され、局数nが所定値Nに到達した場合に1回の単位ゲームが終了する。したがって、親の連荘数に応じて対戦の時間が大幅に変動する標準的な麻雀ゲームと比較して、1回の単位ゲームに必要な時間を予測し易い。
【0072】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0073】
第2実施形態の麻雀ゲームシステム100は、
図1に例示した第1実施形態と同様に、制御システム10と複数の端末装置20とを具備する。第1実施形態においては、各種の施設に設置されたゲーム装置を端末装置20として例示したが、第2実施形態の端末装置20は、各プレイヤが所有する情報装置である。例えばスマートフォン,タブレット端末,携帯型ゲーム装置,またはパーソナルコンピュータ等の情報装置が、端末装置20として麻雀ゲームに利用される。ただし、例えばゲームセンター等の各種の施設に設置されたゲーム装置が、第2実施形態の端末装置20として利用されてもよい。
【0074】
第2実施形態の端末装置20は、
図5に例示した構成と同様に、制御装置21と記憶装置22と通信装置23と表示装置24と操作装置25とを具備する。第1実施形態の端末装置20は、プレイヤの識別情報を受付ける受付装置26を具備するが、第2実施形態の端末装置20は受付装置26を具備しない。プレイヤの識別情報は、記憶装置22に記憶される。すなわち、記憶装置22に記憶された識別情報を含む対戦要求が端末装置20から制御システム10に送信される。
【0075】
図12は、第2実施形態における麻雀ゲームシステム100の機能的な構成を例示するブロック図である。
図12に例示される通り、第2実施形態における制御システム10の制御装置11は、第1実施形態と同様の対戦設定部30として機能するほか、管理処理部40としても機能する。管理処理部40は、第1実施形態と同様に、進行制御部41と親設定部42とを具備する。すなわち、第1実施形態において管理端末装置20aに搭載された管理処理部40が、第2実施形態においては制御システム10に搭載される。
【0076】
第1実施形態の麻雀ゲームシステム100おいては、対戦組に対応する3個の端末装置20が相互に通信することで麻雀ゲームが進行する。第2実施形態の麻雀ゲームシステム100においては、対戦組に対応する3個の端末装置20の各々が制御システム10と通信することで麻雀ゲームを進行させる。すなわち、第2実施形態における各端末装置20は、制御システム10を中継して間接的に通信し、各端末装置20の相互間の直接的な通信は実行されない。ただし、各端末装置20が制御システム10を中継せずに直接的に通信してもよい。
【0077】
管理処理部40の構成および動作は第1実施形態と同様である。また、各端末装置20における制御処理部50の構成および機能も第1実施形態と同様である。したがって、第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
【0078】
なお、管理処理部40が端末装置20(管理端末装置20a)に搭載された第1実施形態の構成においては、制御システム10と各端末装置20との間の通信量および制御システム10の処理負荷が軽減されるという利点がある。また、管理処理部40が制御システム1に搭載された第2実施形態においては、各端末装置20間の通信が不要であるから、通信の安定性およびセキュリティを確保し易いという利点がある。
【0079】
[第3実施形態]
第1実施形態においては、標準的な麻雀ゲームと同様に、和了役の翻数と符数とに応じて和了点W1が算定される形態を例示した。例えば、親の和了役が2翻40符であれば和了点W1は2600点であり、子の和了役が4翻30符であれば和了点W1は7700点である。第3実施形態は、和了点W1の算定を簡略化した形態である。
【0080】
図13は、第3実施形態における和了点W1の説明図である。
図13には子の和了点W1が例示されている。親の和了点W1は、
図13に例示された数値の1.5倍である。また、
図13には、ロン和了の場合の和了点W1とツモ和了の場合の点数W2とが併記されている。第1実施形態と同様に、ツモ和了時の点数W2は、ロン和了時の和了点W1の2倍である。
【0081】
図13から理解される通り、第3実施形態の点数管理部52は、和了役の翻数Hに応じて和了点W1を算定する。すなわち、和了役の符数は和了点W1に反映されない。具体的には、点数管理部52は、下記の数式(1)で表現される通り、所定の基礎値Bに翻数Hを加算した数値を和了点W1として算定する。
W1=B+H …(1)
【0082】
基礎値Bは、所定の正数(例えば自然数)に設定される。
図13には基礎値Bが「2」である場合が想定されている。例えば、和了役の翻数Hが「4」であれば、子がロン和了した場合の和了点W1は「6」であり、和了役の翻数Hが「7」であれば、子がロン和了した場合の和了点W1は「9」である。なお、基礎値Bが「0」に設定された形態(W1=H)も想定される。
【0083】
ところで、標準的な麻雀ゲームにおいては、翻数Hが「6」または「7」である場合(跳満)の子の和了点W1は18000点であり、翻数Hが「8」から「10」である場合(倍満)の子の和了点W1は24000点である。すなわち、翻数Hの増加に対して和了点W1は階段状に増加し、翻数Hが増加しても和了点W1が増加しない範囲がある。以上の形態とは対照的に、第3実施形態においては、翻数Hの増加に対して和了点W1は直線的(線形)に増加する。すなわち、和了点W1は翻数H毎に相違する。
【0084】
以上の通り、和了点W1は、基本的には前掲の数式(1)で算定されるが、和了役の翻数Hが「13」以上である場合(すなわち数え役満)の和了点W1は「20」に設定される。すなわち、翻数Hが「13」以上である場合の和了点W1は、数式(1)で算定される数値を上回る。なお、単位ゲームが開始された直後の各プレイヤの持点は、例えば35点に設定される。
【0085】
点数管理部52が和了点W1を算定する方法以外は第1実施形態と同様である。したがって、第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第3実施形態においては特に、標準的な麻雀ゲームと比較して和了点W1の算定の方法が簡略化されるから、麻雀ゲームに不慣れな初心者でも和了点W1を容易に把握できるという利点がある。なお、第2実施形態の構成は第3実施形態にも同様に適用される。
【0086】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0087】
(1)前述の各形態においては3人打ち麻雀ゲームを想定したが、麻雀ゲームをプレイするプレイヤの人数は以上の例示に限定されない。例えば4人打ち麻雀ゲームにも、前述の各形態が同様に適用される。なお、第n局で和了したプレイヤが第(n+1)局の親に設定される構成によれば、1回の単位ゲームの終了まで各プレイヤが逆転を目指し易いという傾向がある。他方、3人打ち麻雀ゲームは、本来的に、4人打ち麻雀ゲームと比較して和了し易く、各プレイヤの順位の変動が発生し易いという傾向がある。したがって、第n局で和了したプレイヤが第(n+1)局の親に設定される構成は、3人打ち麻雀ゲームに特に馴染みやすいと言える。
【0088】
(2)前述の各形態においては、第n局において2人のプレイヤが1人のプレイヤの捨牌により同時に和了した場合(ダブルロン)に、2人のうち親または上家のプレイヤが第(n+1)局の親に設定される形態を例示したが、複数のプレイヤが同時に和了した場合に次局の親を設定する方法は以上の例示に限定されない。例えば、同時に和了した複数のプレイヤのうち第n局における和了点W1または保有点に応じて選択されたプレイヤが、第(n+1)局の親に設定されてもよい。例えば、和了点W1または保有点が多いプレイヤが第(n+1)局の親に設定される。なお、4人打ち麻雀ゲームにおいては、2人のプレイヤが同時に和了する場合(ダブルロン)のほか、3人のプレイヤが同時に和了する場合(トリプルロン)も想定される。
【0089】
(3)前述の各形態においては、第n局と第(n+1)局との間における親の変更を表す遷移画像Gb1を含む報知画像Gb(
図9)を例示したが、報知画像Gbの内容は以上の例示に限定されない。例えば、変更前のプレイヤの名称と変更後のプレイヤの名称とが並列に配置された画像が報知画像Gbとして表示装置24に表示されてもよい。
【0090】
(4)前述の各形態においては、ロン和了時の和了点W1とツモ和了時の点数W2とを並列に配置した点数画像Gcを例示したが、点数画像Gcの内容は以上の例示に限定されない。例えば、和了点W1と点数W2との差異を点数画像Gcに含ませてもよい。和了点W1および点数W2が並列に表示される第1実施形態、および、和了点W1と点数W2との差異が表示される形態は、ロン和了時の和了点W1とツモ和了時の点数W2との対比が表示される形態として包括的に表現される。なお、和了点W1または点数W2の表示に代えて、上位者との点数差が和了により縮小される度合を表示させてもよい。
【0091】
(5)前述の各形態においては、構成1から構成3を具備する構成を例示した。
[構成1]第n局において和了したプレイヤが第(n+1)局の親に設定される。
[構成2]ツモ和了により獲得できる点数W2がロン和了時の和了点W1を上回る。
[構成3]局数nが所定値Nに到達した場合に単位ゲームが終了する。
以上に例示した構成1から構成3の各々は個別に採用されてもよい。すなわち、構成1から構成3の各々は、他の構成を要件とせずに独立に成立する。
【0092】
(6)前述の各形態においては、現実のプレイヤが麻雀ゲームをプレイする場合を例示したが、複数のプレイヤのうち1以上のプレイヤは、制御装置21による演算で実現される仮想的なプレイヤ(いわゆるCPUプレイヤ等のノンプレイヤーキャラクター)でもよい。
【0093】
(7)麻雀ゲームシステム100の各機能(対戦設定部30,管理処理部40,制御処理部50)が搭載される場所は任意である。例えば、制御処理部50の一部(例えば和了判定部51および点数管理部52)または全部が、制御システム10に搭載された形態も想定される。また、管理処理部40の一部または全部が、各端末装置20に搭載されてもよい。
【0094】
(8)前述の各形態に係る麻雀ゲームシステム100の機能は、制御装置(11または21)を構成する1以上のプロセッサと、記憶装置(12または22)に記憶されたプログラムとの協働により実現される。以上の各形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網200を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記録媒体が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0095】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0096】
[付記1]
本開示のひとつの態様(付記1)に係る麻雀ゲームシステム(100)は、複数のプレイヤが複数の局において相互に対戦する麻雀ゲームを制御する麻雀ゲームシステム(100)であって、前記複数の局の各々を進行させる進行制御部(41)と、前記複数の局の各々において前記各プレイヤの和了を判定する和了判定部(51)と、前記複数のプレイヤのうち第1局において和了したプレイヤを、前記複数の局のうち前記第1局の直後の第2局における親に設定し、前記複数のプレイヤのうち親以外のプレイヤを前記第2局における子に設定する親設定部(42)とを具備する。以上の態様においては、第1局において和了したプレイヤが、直後の第2局における親に設定される。したがって、複数のプレイヤの各々が座席の順番で親に設定される標準的な麻雀ゲームと比較して、麻雀ゲームの終了まで各プレイヤが逆転を目指し易い。すなわち、興趣性および戦略性が高い麻雀ゲームを提供できる。
【0097】
「プレイヤ」は、麻雀ゲームをプレイするものを意味する。現実のプレイヤのほか、コンピュータによる演算で実現される仮想的なプレイヤ(いわゆるCPU)も「プレイヤ」の概念に包含される。現実のプレイヤが離脱した場合に仮想的なプレイヤによるプレイに切替わる形態も想定される。なお、プレイヤの人数は任意である。すなわち、麻雀ゲームは、3人打ち麻雀および4人打ち麻雀の何れでもよい。
【0098】
「親」は、各和了役に対して子が獲得できる点数を上回る点数(例えば1.5倍の点数)を当該和了役に対して獲得可能な地位である。「親」は、1人の子が和了した場合に当該子に差出す点数が、他の子が差出す点数を上回る地位とも換言される。また、自風が東風であるプレイヤを「親」と表現してもよい。
【0099】
「局」は、複数のプレイヤに対する配牌から1以上のプレイヤによる和了または流局までの単位を意味する。なお、「第1局」および「第2局」における「第1」「第2」は、複数の局のうちの2局の識別のみを目的とする表記であり、複数の局に関する順番を意味しない。すなわち、「第1局」は、複数の局のうち最後の局以外の任意の1局を意味し、複数の局のうち第1番目の局には限定されない。同様に、「第2局」は、複数の局のうち第1局の直後の1局(すなわち最初の局以外の1局)を意味し、複数の局のうち第2番目の局には限定されない。
【0100】
「和了(あがり,ホーラ)」は、各プレイヤの手牌について特定の和了役が成立した状態で当該プレイヤが和了を宣言することを意味する。「和了」は、プレイヤ自身の自摸による和了(ツモ和了)と他のプレイヤの捨牌による和了(ロン和了)との双方を含む。また、ツモ和了は、牌山からの自摸による和了のほか、嶺上牌の自摸による和了(嶺上開花)も含む。
【0101】
1局において和了したプレイヤを直後の局において親に設定する取扱は、1回の麻雀ゲームを構成する複数の局の全部について適用される必要はなく、一部の局について限定的に適用されてもよい。
【0102】
第1局において2以上のプレイヤが他のプレイヤによる捨牌により同時に和了した場合(3人打ち麻雀/4人打ち麻雀におけるダブルロン、または4人打ち麻雀におけるトリプルロン)、当該2以上のプレイヤから選択された1人のプレイヤが第2局における親に設定される。例えば、2以上のプレイヤの何れかが親である場合に当該親のプレイヤが第2局も親に設定される形態、または、2以上のプレイヤのうち上家のプレイヤが第2局の親に設定される形態が想定される。また、例えば、2以上のプレイヤのうち例えば和了点数または保有点数に応じて選択されたプレイヤ(例えば保有点数または和了点数が多いプレイヤ)が第2局の親に設定される形態も想定される。
【0103】
なお、親番が座席の順番で順次に下家に遷移する従前の麻雀ゲームにおいて、例えば第1局において親の下家が和了した場合には、第1局において和了したプレイヤが第2局の親に設定される。本発明においては、第1局において親の下家が和了した場合に当該下家のプレイヤが第2局の親に設定されるほか、第1局において親の上家が和了した場合には、当該上家のプレイヤが第2局の親に設定される。すなわち、本発明においては、親番が座席順の順方向(上家→下家)および逆方向(下家→上家)の双方に遷移し得る点で、従前の麻雀ゲームとは顕著に相違する。
【0104】
[付記2]
付記1の具体例(付記2)において、前記複数のプレイヤのうちの一のプレイヤが、副露状態において自摸により特定の和了役で和了した場合に獲得する点数(W2)は、副露状態において他のプレイヤの捨牌により前記特定の和了役で和了した場合に獲得する点数(W1)を上回る。以上の態様においては、自摸による和了(ツモ和了)の場合に、他者の捨牌による和了(ロン和了)の場合と比較して高い点数を獲得できる。したがって、副露状態ではツモ和了時の点数とロン和了時の点数とが同等である標準的な麻雀ゲームと比較して、各プレイヤが保有する点数が変動し易い。したがって、興趣性および戦略性が高い麻雀ゲームを提供できる。例えば、各プレイヤがツモ和了およびロン和了の何れを目指すかという戦略性が向上する。
【0105】
「副露(フーロ)状態」とは、他のプレイヤの捨牌を取得すること(チー,ポンまたはカン)で手牌における1以上の面子を成立させた状態を意味する。
【0106】
[付記3]
付記2の具体例(付記3)に係る麻雀ゲームシステム(100)は、前記一のプレイヤが、自摸により和了した場合の点数(W2)と、他のプレイヤの捨牌により和了した場合の点数(W1)との対比を表示装置(21)に表示させる表示制御部(53)を具備する。以上の態様においては、自摸により和了した場合の点数(W2)と他のプレイヤの捨牌により和了した場合の点数(W1)との対比が表示装置(21)に表示される。したがって、各プレイヤは、例えば各プレイヤが保有する点数を考慮したうえで、自摸による和了と捨牌による和了との何れを優先させるべきかを判断できる。すなわち、戦略性が高い麻雀ゲームを提供できる。
【0107】
自摸により和了した場合の点数(W2)と捨牌により和了した場合の点数(W1)との「対比を表示させる」とは、各プレイヤが双方の点数を対比可能な画像(Gc)を表示させることを意味する。例えば、双方の点数を並列に表示する形態のほか、双方の点数の差分を表示する形態が想定される。
【0108】
[付記4]
付記1または付記2の具体例(付記4)に係る麻雀ゲームシステム(100)は、前記第1局と前記第2局との間における親の変更を表す報知画像(Gb)を、表示装置(21)に表示させる表示制御部(53)を具備する。第1局において和了したプレイヤが第2局における親に設定される構成では、各プレイヤが座席の順番で親に設定される標準的な麻雀ゲームと比較して、複数のプレイヤの何れが親であるのか各プレイヤが把握し難い。第1局と第2局との間における親の変更を表す報知画像(Gb)が表示される態様によれば、各プレイヤが局毎に親を把握し易いという利点がある。
【0109】
「報知画像(Gb)」は、第1局と第2局との間における親の変更を表す任意の画像である。例えば、第1局における親に設定されたプレイヤの名称と、第2局における親に設定されたプレイヤの名称とが並列に配置された画像が「報知画像(Gb)」の典型例である。
【0110】
[付記5]
付記1から付記4の何れかの具体例(付記5)において、前記進行制御部(41)は、前記複数のプレイヤのうち親に設定されたプレイヤによる連荘の有無に関わらず前記複数のプレイヤによる対戦の局数を計数し、前記局数が所定値に到達した場合に、前記複数のプレイヤの順位を確定する。以上の態様においては、連荘の有無に関わらず局数が計数され、局数が所定値に到達した場合に1回のゲーム(例えば1回の東風戦)が終了する。したがって、親の連荘数に応じて対戦の時間が大幅に変動する標準的な麻雀ゲームと比較して、1回のゲームに必要な時間を予測し易い。
【0111】
「連荘」とは、1人のプレイヤが2以上の局において連続して和了することを意味する。「複数のプレイヤの順位を確定する」とは、複数の局を含む1回のゲーム(例えば1半荘)が終了することを意味する。
【0112】
また、「親に設定されたプレイヤによる連荘の有無に関わらず局数を計数」するとは、複数の局にわたり親のプレイヤが連荘している場合でも各局を1局として局数を計数することを意味する。親の連荘数に関わらず、対戦済の局数が所定値に到達した場合には、複数のプレイヤによる対戦が終了する。
【0113】
[付記6]
本開示のひとつの態様(付記6)に係る麻雀ゲームの制御方法は、複数のプレイヤが複数の局において相互に対戦する麻雀ゲームを制御する麻雀ゲームの制御方法であって、前記複数の局の各々を進行させ、前記複数の局の各々において前記各プレイヤの和了を判定し、前記複数のプレイヤのうち第1局において和了したプレイヤを、前記複数の局のうち前記第1局の直後の第2局における親に設定し、前記複数のプレイヤのうち親以外のプレイヤを前記第2局における子に設定する。
【0114】
[付記7]
本開示のひとつのい態様(付記7)に係るプログラムは、複数のプレイヤが複数の局において相互に対戦する麻雀ゲームを制御するために、コンピュータシステムを、前記複数の局の各々を進行させる進行制御部(41)、前記複数の局の各々において前記各プレイヤの和了を判定する和了判定部(51)、および、前記複数のプレイヤのうち第1局において和了したプレイヤを、前記複数の局のうち前記第1局の直後の第2局における親に設定し、前記複数のプレイヤのうち親以外のプレイヤを前記第2局における子に設定する親設定部(42)、として機能させる。
【符号の説明】
【0115】
100…麻雀ゲームシステム、200…通信網、10…制御システム、11,21…制御装置、12,22…記憶装置、13,23…通信装置、20…端末装置、20a…管理端末装置、20b…従属端末装置、24…表示装置、25…操作装置、26…受付装置、30…対戦設定部、40…管理処理部、41…進行制御部、42…親設定部、50…制御処理部、51…和了判定部、52…点数管理部、53…表示制御部。