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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182678
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】電圧供給回路及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/10 20200101AFI20221201BHJP
【FI】
H05B47/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090368
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】堺 圭亮
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA19
3K273CA02
3K273CA12
3K273FA06
3K273FA26
3K273FA28
3K273GA03
3K273GA12
3K273GA14
3K273GA22
3K273GA27
(57)【要約】
【課題】出力コンデンサの容量の大きさにかかわらず電源スイッチがオフされることに応じて所望のタイミングで出力電圧を所定の電圧まで降下させることができる電圧供給回路を提供する。
【解決手段】電圧供給回路1は、入力される直流電圧の電圧レベルを変換して出力電圧を生成する電圧変換部20~27、及び電圧変換部20~27によって生成された出力電圧が充電される出力コンデンサ28を有する直流電圧生成回路15と、出力電圧の電圧レベルが所定のトリガ電圧まで低下することを示すトリガ信号が入力されることに応じてオンする放電スイッチ42、及び降伏電圧がトリガ電圧よりも低く且つ放電スイッチに直列接続される放電ツェナーダイオード40を有し、出力コンデンサ28に並列接続される部分放電回路17とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧から変換された出力電圧が充電される出力コンデンサを有する直流電圧生成回路と、
前記入力電圧の電圧レベルが低下したことを示す検出信号を出力する検出回路と、
前記検出信号が前記検出回路から出力されたときに生成される前記トリガ信号が入力されてオンする放電スイッチ、及び前記放電スイッチがオンすることで前記出力電圧の放電を開始する放電開始電圧よりも降伏電圧が低く且つ放電スイッチに直列接続される放電ツェナーダイオードを有する部分放電回路と、
を有することを特徴とする電圧供給回路。
【請求項2】
前記検出回路は、
第1検出抵抗と、
前記第1検出抵抗に直列接続された第2検出抵抗と、
前記第2検出抵抗に並列接続された検出ツェナーダイオードと、
前記第2検出抵抗及び前記検出ツェナーダイオードに並列接続された検出コンデンサと、を有し、
前記入力電圧は、前記第1検出抵抗及び前記第2検出抵抗に印加され、
前記第1検出抵抗と前記第2検出抵抗との間の電圧を前記検出信号として出力する、請求項1に記載の電圧供給回路。
【請求項3】
前記出力コンデンサの接地レベルは、前記検出回路の接地レベルと相違し、
前記部分放電回路は、一端が前記出力コンデンサの接地レベルに接続され且つ他端が前記検出回路の接地レベルに接続され、前記検出信号が入力されることに応じて前記トリガ信号を前記放電スイッチに出力する接地レベル補償回路を有する、請求項1又は2に記載の電圧供給回路。
【請求項4】
前記部分放電回路は、前記検出回路と前記接地レベル補償回路との間に配置され、前記検出回路から出力される前記検出信号を遅延させて前記接地レベル補償回路に入力する遅延回路を更に有する、請求項3に記載の電圧供給回路。
【請求項5】
前記部分放電回路は、前記遅延回路と前記接地レベル補償回路との間に配置され、前記遅延回路に供給される電源電圧と同一の電源電圧が供給され、前記遅延回路によって遅延された前記検出信号をバッファリングするバッファ素子を更に有する、請求項4に記載の電圧供給回路。
【請求項6】
交流電圧を全波整流して、全波整流された整流電圧を生成する整流回路と、
前記整流電圧を平滑化して、第1電圧を生成する平滑コンデンサと、
前記第1電圧よりも低い第2電圧を充電する充電コンデンサ、及び前記充電コンデンサにアノードが接続され且つ前記平滑コンデンサにカソードが接続される放電ダイオードを有する充電回路と、
を更に有する、請求項1又は2に記載の電圧供給回路。
【請求項7】
前記検出信号が入力されることに応じて、前記トリガ信号を生成する半導体装置を更に有し、
前記充電回路は、前記第2電圧を前記半導体装置に電源電圧として供給する電源電圧生成回路である、請求項6に記載の電圧供給回路。
【請求項8】
入力電圧から変換された出力電圧が充電される出力コンデンサを有する直流電圧生成回路と、
前記入力電圧の電圧レベルが低下したことを示す検出信号を出力する検出回路と、
前記検出信号が前記検出回路から出力されたときに生成される前記トリガ信号が入力されてオンする放電スイッチ、及び前記放電スイッチがオンすることで前記出力電圧の放電を開始する放電開始電圧よりも降伏電圧が低く且つ放電スイッチに直列接続される放電ツェナーダイオードを有する部分放電回路と、を有する電圧供給回路と、
前記出力電圧が印加される発光装置と、を有し、
前記発光装置は、前記出力電圧の電圧レベルが前記放電開始電圧であるときに発光し、前記前記出力電圧の電圧レベルが前記放電ツェナーダイオードの降伏電圧であるときに消灯する、ことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧供給回路及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電圧を供給する商用電源に接続され、供給される交流電圧を直流電圧に変換して、変換された直流電圧を負荷である発光素子に供給する電圧供給回路が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載される電圧供給回路は、発光素子に供給する電流量をマイクロコンピュータによって制御することで、所望の輝度の光を出射するように発光素子に供給する電流量を制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014―7164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される電圧供給回路において、出力端子間に接続される出力コンデンサの容量が大きくなると、出力コンデンサ及び負荷等により形成されるRC回路の時定数が大きくなり、発光素子が消灯するまでの時間が長くなる。特許文献1に記載される照明装置において、発光素子が消灯するまでの時間が長くなると、電源スイッチがオフされてから発光素子が消灯するまでに発光装置から出射される残光が微点灯として操作者に視認され、操作者が違和感を覚えるおそれがある。
【0005】
本発明は、出力コンデンサの容量の大きさにかかわらず電源スイッチがオフされることに応じて所望のタイミングで出力電圧を所定の電圧まで降下させることができる電圧供給回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電圧供給回路は、入力電圧から変換された出力電圧が充電される出力コンデンサを有する直流電圧生成回路と、入力電圧の電圧レベルが低下したことを示す検出信号を出力する検出回路と、検出信号が検出回路から出力されたときに生成されるトリガ信号が入力されてオンする放電スイッチ、及び放電スイッチがオンすることで出力電圧の放電を開始する放電開始電圧よりも降伏電圧が低く且つ放電スイッチに直列接続される放電ツェナーダイオードを有する部分放電回路とを有する。
【0007】
さらに、本発明に係る電圧供給回路は、検出回路は、第1検出抵抗と、第1検出抵抗に直列接続された第2検出抵抗と、第2検出抵抗に並列接続された検出ツェナーダイオードと、第2検出抵抗及び検出ツェナーダイオードに並列接続された検出コンデンサとを有し、入力電圧は、第1検出抵抗及び第2検出抵抗に印加され、第1検出抵抗と第2検出抵抗との間の電圧を検出信号として出力することが好ましい。
【0008】
さらに、本発明に係る電圧供給回路は、出力コンデンサの接地レベルは、検出回路の接地レベルと相違し、部分放電回路は、一端が出力コンデンサの接地レベルに接続され且つ他端が検出回路の接地レベルに接続され、検出信号が入力されることに応じてトリガ信号を放電スイッチに出力する接地レベル補償回路を有することが好ましい。
【0009】
さらに、本発明に係る電圧供給回路は、部分放電回路は、検出回路と接地レベル補償回路との間に配置され、検出回路から出力される検出信号を遅延させて接地レベル補償回路に入力する遅延回路を更に有することが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係る電圧供給回路は、部分放電回路は、遅延回路と接地レベル補償回路との間に配置され、遅延回路に供給される電源電圧と同一の電源電圧が供給され、遅延回路によって遅延された検出信号をバッファリングするバッファ素子を更に有することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係る電圧供給回路は、電圧を全波整流して、全波整流された整流電圧を生成する整流回路と、整流電圧を平滑化して、第1電圧を生成する平滑コンデンサと、第1電圧よりも低い第2電圧を充電する充電コンデンサ、及び充電コンデンサにアノードが接続され且つ平滑コンデンサにカソードが接続される放電ダイオードを有する充電回路とを更に有することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係る電圧供給回路は、検出信号が入力されることに応じて、トリガ信号を生成する半導体装置を更に有し、充電回路は、第2電圧を半導体装置に電源電圧として供給する電源電圧生成回路であることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る照明装置は、入力電圧から変換された出力電圧が充電される出力コンデンサを有する直流電圧生成回路と、入力電圧の電圧レベルが低下したことを示す検出信号を出力する検出回路と、検出信号が検出回路から出力されたときに生成されるトリガ信号が入力されてオンする放電スイッチ、及び放電スイッチがオンすることで出力電圧の放電を開始する放電開始電圧よりも降伏電圧が低く且つ放電スイッチに直列接続される放電ツェナーダイオードを有する部分放電回路と、を有する電圧供給回路と、出力電圧が印加される発光装置とを有し、発光装置は、出力電圧の電圧レベルが放電開始電圧であるときに発光し、出力電圧の電圧レベルが放電ツェナーダイオードの降伏電圧であるときに消灯する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る電圧供給回路は、出力コンデンサの容量の大きさにかかわらず電源スイッチがオフされることに応じて所望のタイミングで出力電圧を所定の電圧まで降下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る照明装置のブロック図である。
図2図1に示す電圧供給回路の回路図である。
図3図1に示す電圧供給回路の動作を示す図である。
図4】第2実施形態に係る電圧供給回路の回路図である。
図5図4に示す電圧供給回路の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る発光装置及び照明装置について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0017】
(第1実施形態に係る電圧供給回路及び照明装置の構成及び機能)
図1は、第1実施形態に係る照明装置のブロック図である。
【0018】
照明装置100は、電圧供給回路1と、発光装置101とを有する。電圧供給回路1は、商用電源102から電源スイッチ103を介して100又は200Vの商用の交流電圧VACが入力され、入力された交流電圧VACを整流して出力電圧VOを生成する。電圧供給回路1は、生成した出力電圧VOを一対の電力配線104及び105を介して発光装置101に出力する。
【0019】
発光装置101は、直列接続されたn個の発光素子101aを有し、電圧供給回路1により出力電圧VOが印加されることに応じて光を出射する。発光装置101は、例えば出力電圧VOが25Vであるときに光の出射を開始する。発光素子101aは矩形の平面形状を有する青色LEDダイであり、順方向電圧が印加されることに応じて青色の光を出射する。発光素子101aから出射される青色の光の主波長は、445nmと495nmとの間の範囲内であり、一例では450nmである。発光素子101aは、透明な基板であるサファイヤ基板上に窒化ガリウム(GaN)層により形成されるPN接合層を積層して形成される。
【0020】
図2は、電圧供給回路1の回路図である。
【0021】
電圧供給回路1は、フューズ11と、整流回路12と、平滑コンデンサ13と、チョークコイル14と、直流電圧生成回路15と、電源電圧生成回路16と、部分放電回路17と、検出回路18とを有する。電圧供給回路1は、商用電源102から入力される交流電圧VACを整流して直流電圧である出力電圧VOを生成する照明装置用の電源装置である。
【0022】
フューズ11は、整流回路12の入力側に配置され、商用電源102から過電流が入力されたときに、商用電源102と整流回路との間の電気的な接続を遮断する。整流回路12は、4個のダイオードにより形成されるブリッジ整流回路であり、商用電源102から入力された交流電圧VACを全波整流して、全波整流された整流電圧を生成する。平滑コンデンサ13及びチョークコイル14は、整流回路12によって生成された整流電圧を平滑化すると共に、平滑化された整流電圧から高調波成分を除去して、脈流状の第1電圧Vd1を生成する。
【0023】
直流電圧生成回路15は、入力コンデンサ20と、第1電圧抵抗21と、第2電圧抵抗22と、第3電圧抵抗23と、電圧スイッチ24と、半導体装置25と、トランス26と、電圧ダイオード27と、出力コンデンサ28とを有する。入力コンデンサ20~電圧ダイオード27は、直流電圧生成回路15の一対の入力端子に印加される入力電圧である第1電圧Vd1の電圧レベルを変換して出力電圧VOを生成する電圧変換部である。出力コンデンサ28は、電圧変換部によって生成された出力電圧VOが充電される。
【0024】
直流電圧生成回路15は、電源電圧生成回路16から第2電圧Vd2が半導体装置25に電源電圧として印加されるとき、半導体装置25が電圧スイッチ24をオンオフして、第1電圧Vd1を降圧して直流電圧である第3電圧Vd3を生成する降圧回路である。直流電圧生成回路15は、電圧スイッチ24がオンオフ制御されることに応じて、入力される第1電圧Vd1を降圧して第3電圧Vd3を生成し、生成した第3電圧Vd3を出力電圧VOとして発光装置101に供給する。
【0025】
入力コンデンサ20は、一端がチョークコイル14に接続され、他端が平滑コンデンサ13の他端と共に接地される。第1電圧抵抗21の一端は入力コンデンサ20の一端に接続され、第1電圧抵抗21の他端は半導体装置25に接続され、第1電圧Vd1を半導体装置25に供給する。第2電圧抵抗22の一端は電圧スイッチ24及び半導体装置25に接続され、第2電圧抵抗22の他端は接地される。第3電圧抵抗23は、出力コンデンサ28に並列接続される。
【0026】
電圧スイッチ24は、nMOSトランジスタであり、半導体装置25によってオンオフ制御される。電圧スイッチ24のゲートは半導体装置25に接続され、電圧スイッチ24のソースは第2電圧抵抗22の一端及び半導体装置25に接続され、電圧スイッチ24のドレインはトランス26に接続される。
【0027】
半導体装置25は、電源電圧生成回路16から第2電圧Vd2が電源電圧として印加されるとき、所定のデューティ比でオンオフするように電圧スイッチ24をオンオフ制御する。また、半導体装置25は、検出回路18から検出電圧Vsが入力され、入力される検出電圧Vsが所定の電圧レベルまで低下してから所定の遅延時間が経過した後に、トリガ信号を部分放電回路17に出力する。半導体装置25は、電圧スイッチ24をオンオフ制御するスイッチング回路及びトリガ信号を生成するトリガ信号生成回路を有する。半導体装置25が有するスイッチング回路及びトリガ信号生成回路は、シリコン基板上に形成されるMOSトランジスタにより形成される。
【0028】
トランス26は、一次コイル26aと二次コイル26bとを有する。一次コイル26a及び二次コイル26bのそれぞれは、一次コイル26aに誘導される一次起電力よりも二次コイル26bに誘導される二次起電力が小さくなるように巻回される。一次コイル26aは、チョークコイル14と電圧スイッチ24との間に接続され、電圧スイッチ24がオンオフすることに応じて一次起電力を誘導する。二次コイル26bは、電圧ダイオード27を介して、第3電圧抵抗23及び出力コンデンサ28に並列接続される。
【0029】
電圧ダイオード27のアノードはトランス26の二次コイル26bに接続され、電圧ダイオード27のカソードは第3電圧抵抗23及び出力コンデンサ28の一端に接続される。電圧ダイオード27は、二次コイル26bに蓄えられたエネルギーを発光装置101の順方向に放電するために備えられる。
【0030】
出力コンデンサ28は、第3電圧抵抗23及び負荷である発光装置101に並列接続され、電源スイッチ103がオンして交流電圧VACが入力される間、一例では35Vである出力電圧VOの定格値が印加される。また、出力コンデンサ28は、電源スイッチ103がオフされたときに、出力コンデンサ28の容量値並びに電圧抵抗15eの抵抗値及び発光素子101aの等価抵抗値により決定される時定数に応じて遅延させながら、電圧レベルを低下させる。
【0031】
電源電圧生成回路16は、定電圧回路30と、電源コンデンサ31と、電源ダイオード32とを有し、直流電圧である第2電圧Vd2を半導体装置25に電源電圧として供給する。定電圧回路30は、直流電圧生成回路15から第3電圧Vd3が供給されるときに、第1電圧Vd3及び第3電圧Vd3よりも低い第2電圧Vd2となるように、電源コンデンサ31に充電される電圧を制御する。電源コンデンサ31は、一端が電源ダイオード32のアノードに接続され、他端が接地される。
【0032】
電源ダイオード32のカソードは、出力コンデンサ28に接続されると共に、発光装置101に接続される。電源ダイオード32は、商用電源102から入力される交流電圧VACが低下して、出力電圧VOが第2電圧Vd2まで低下すると、電源コンデンサ31に充電される電荷を発光装置101に放電する。
【0033】
部分放電回路17は、放電ツェナーダイオード40と、放電抵抗41と、放電スイッチ42とを有し、半導体装置25からトリガ信号が入力されることに応じて、出力電圧VOを放電開始電圧から部分放電し、出力電圧VOの電圧レベルを瞬時に低下させる。
【0034】
放電ツェナーダイオード40のカソードは、第3電圧抵抗23、二次コイル26b及び出力コンデンサ28の一端に接続され、放電ツェナーダイオード40のアノードは放電抵抗41の一端に接続される。放電ツェナーダイオード40の降伏電圧は、出力電圧VOが放電を開始する放電開始電圧よりも低く、出力電圧VOの定格値が35Vであるとき、例えば20Vである。放電抵抗41の他端は放電スイッチ42のドレインに接続される。
【0035】
放電スイッチ42は、nMOSトランジスタであり、ゲートが半導体装置25に接続され、ソースが第3電圧抵抗23、二次コイル26b及び出力コンデンサ28の他端に接続される。
【0036】
検出回路18は、第1検出抵抗18aと、第2検出抵抗18bと、検出ツェナーダイオード18cと、検出コンデンサ18dとを有し、第1検出抵抗18aと第2検出抵抗18bとの間の電圧を検出信号として出力する。検出信号は、第1電圧Vd1の電圧レベルが低下することに応じて電圧レベルが低下する。
【0037】
第1検出抵抗18aの一端は、平滑コンデンサ13の一端に接続される。第1検出抵抗18aの他端は、第2検出抵抗18b及び検出コンデンサ18dの一端並びに検出ツェナーダイオード18cのカソードに接続される。第2検出抵抗18bの他端は、検出ツェナーダイオード18cのアノード及び検出コンデンサ18dの他端と共に接地される。
【0038】
第1検出抵抗18a及び第2検出抵抗18bは、分圧電圧を生成する抵抗対である。検出ツェナーダイオード18cの降伏電圧は、例えば5Vであり、半導体装置25に出力される検出信号をクランプする。検出コンデンサ18dは、脈流状の第1電圧Vd1を分圧して生成される検出信号を平滑化する。
【0039】
図3は、電圧供給回路1の動作を示す図である。図3において、横軸は時間を示し、縦軸は出力電圧VOを示す。
【0040】
時間t1において、電源スイッチ103がオンして商用電源102から電源スイッチ103を介して交流電圧VACが電圧供給回路1に入力されることに応じて、出力電圧VOは、立ち上がる。
【0041】
時間t2において、電源スイッチ103がオフして電圧供給回路1が商用電源102から遮断されることに応じて、出力電圧VOは、定格値から低下し始める。出力電圧VOは、出力コンデンサ28の容量値並びに電圧抵抗15eの抵抗値及び発光素子101aの等価抵抗値により決定される時定数に応じて遅延しながら電圧レベルを低下させる。
【0042】
時間t2において、電源スイッチ103がオフすると、入力電圧である第1電圧Vd1の電圧レベルが低下することに伴って検出信号Vsの電圧レベルが低下する。半導体装置25は、検出信号Vsの電圧レベルが所定の検出しきい値電圧まで低下すると、所定の遅延時間の計時を開始する。
【0043】
時間t3において、計時を開始してから計時時間が経過すると、半導体装置25は、トリガ信号を放電スイッチ42に出力する。半導体装置25が放電スイッチ42に出力するときの出力電圧VOは、例えば28Vである。放電スイッチ42は、トリガ信号が入力されることに応じてオンする。放電スイッチ42がオンすると、放電ツェナーダイオード40に降伏電流が流れ、出力電圧VOは、部分放電して、28Vから放電ツェナーダイオード40の降伏電圧である20Vまで急激に降下する。出力電圧VOが20Vまで降下すると、発光装置101は消灯する。
【0044】
(第1実施形態に係る電圧供給回路の作用効果)
電圧供給回路1では、トリガ信号が入力されることに応じて放電スイッチがオンして部分放電することで、発光装置101が発光する電圧よりも低い電圧に出力電圧VOが急激に低下して発光装置101が消灯する。電圧供給回路1は、部分放電して出力電圧VOを電圧に急激に低下させることで、発光装置から出射される残光が微点灯として操作者に視認され、操作者が違和感を覚えるおそれを低くすることができる。電圧供給回路1は、微点灯として操作者に視認されるおそれがないので、出力コンデンサ28の容量値を大きくして、発光装置101が有する不図示の制御装置の最小動作電圧を下回るまでの時間である保持時間を伸ばすことができる。
【0045】
また、電圧供給回路1では、部分放電回路17は、放電ツェナーダイオード40、放電抵抗41及び放電スイッチ42の安価な3個の電子部品で形成されるので、製造コストの上昇を抑制しながら、微点灯の発生を防止できる。
【0046】
また、電圧供給回路1は、出力コンデンサ28に充電される電荷を全放電することなく部分放電して出力電圧VOを低下させるので、電圧供給回路1を形成する電子部品の定格電力の低いものを選択することができる。
【0047】
また、電圧供給回路1は、出力電圧VOが第2電圧Vd2まで低下すると、電源ダイオード32を介して電源コンデンサ31に充電される電荷を発光装置101に放電する。電圧供給回路1は、電源ダイオード32を介して電源コンデンサ31に充電される電荷を発光装置101に放電することで、発光装置101が有する不図示の制御装置の最小動作電圧を下回るまでの時間である保持時間を伸ばすことができる。
【0048】
また、電圧供給回路1は、第1検出抵抗18aと第2検出抵抗18bとの間の電圧を検出信号Vsとして使用するので、検出電圧Vsの電圧レベルを第1検出抵抗18aと第2検出抵抗18bの分圧比により容易に設定できる。
【0049】
(第2実施形態に係る電圧供給回路の構成及び機能)
図4は、第2実施形態に係る電圧供給回路の回路図である。
【0050】
電圧供給回路2は、バックブースト回路とも称される昇降圧回路であり、接地レベルが発負荷である発光装置101の接地レベルと相違する。電圧供給回路2は、整流電圧を平滑化して生成された第1電圧Vd1を昇圧して出力電圧VOを生成して、出力電圧VOを発光装置101に印加する。
【0051】
電圧供給回路2は、バリスタ50、フィルタリング回路51、平滑抵抗52及び第2平滑コンデンサ53を有することが電圧供給回路1と相違する。また、電圧供給回路2は、直流電圧生成回路55及び部分放電回路56を直流電圧生成回路15及び部分放電回路17の代わりに有することが電圧供給回路と相違する。バリスタ50~部分放電回路56以外の電圧供給回路2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された電圧供給回路1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0052】
バリスタ50は、一対の入力端子の間に接続され、交流電圧VACにサージ電圧等の高電圧が重畳されたときにオンして、電圧供給回路2を形成する電子部品を高電圧から保護する。フィルタリング回路51は、フィルタ抵抗51a、フィルタコンデンサ51b及びフィルタトランス51cとを有し、交流電圧VACに重畳するノイズをフィルタリングして整流回路12に出力する。平滑抵抗52及び第2平滑コンデンサ53は、直列接続されると共に、平滑コンデンサ13に並列接続される。
【0053】
直流電圧生成回路55は、第1電圧抵抗70aと、第2電圧抵抗70bと、第3電圧抵抗70cと、第4電圧抵抗70dと、第5電圧抵抗70eと、第6電圧抵抗70fと、第1電圧コンデンサ71aと、第2電圧コンデンサ71bと、半導体装置72とを有する。直流電圧生成回路55は、電圧ツェナーダイオード73と、電圧スイッチ74と、電圧コイル75と、電圧ダイオード76と、出力コンデンサ77とを更に有する。第1電圧抵抗70a~電圧ダイオード76は、直流電圧生成回路15の一対の入力端子に印加される第1電圧Vd1の電圧レベルを変換して出力電圧VOを生成する電圧変換部である。出力コンデンサ77は、電圧変換部によって生成された出力電圧VOが充電される。
【0054】
第1電圧抵抗70aの一端は整流回路12の一方の入力端子に接続され、第1電圧抵抗70aの他端は第1電圧コンデンサ71aの一端及び半導体装置72に接続される。第2電圧抵抗70bの一端は整流回路12の他方の入力端子に接続され、第2電圧抵抗70bの他端は第1電圧コンデンサ71aの一端及び半導体装置72に接続される。第3電圧抵抗70cの一端は第1検出抵抗18aの一端に接続され、第3電圧抵抗70cの他端は半導体装置72に接続される。第4電圧抵抗70dの一端は第1検出抵抗81aの一端に接続され、第4電圧抵抗70dの他端は電圧ツェナーダイオード73のカソードに接続される。第5電圧抵抗70eの一端は電圧スイッチ74のソースに接続され、第5電圧抵抗70eの他端は接地される。第6電圧抵抗70fの一端は電圧ダイオード76のカソード及び出力コンデンサ77の一端に接続され、第6電圧抵抗70fの他端は電圧コイル75及び出力コンデンサ77の他端に接続される。
【0055】
第1電圧コンデンサ71aの一端は第1電圧抵抗70a及び第2電圧抵抗70bの他端に接続される共に半導体装置72に接続され、第1電圧コンデンサ71aの他端は接地される。第1電圧コンデンサ71aは、半導体装置72に供給される電源電圧を充電する。第2電圧コンデンサ71bの一端は半導体装置72に接続されると共に、部分放電回路56に接続され、第2電圧コンデンサ71bの他端は接地される。第2電圧コンデンサ71bは、半導体装置72から供給される電源電圧を充電し、部分放電回路56に供給する。
【0056】
電圧ツェナーダイオード73のカソードは第4電圧抵抗70dの他端、半導体装置72及び電圧スイッチ74のゲートに接続され、電圧ツェナーダイオード73のアノードは接地される。電圧ツェナーダイオード73は、交流電圧VACが電圧供給回路2に供給される間、降伏電圧を電圧スイッチ74のゲート電圧として供給するクランプ素子である。
【0057】
電圧スイッチ74は、nMOSトランジスタである。電圧スイッチ74のソースは第5電圧抵抗70eの一端及び半導体装置72に接続され、電圧スイッチ74のドレインは電圧コイル75の他端及び電圧ダイオード76のアノードに接続される。電圧スイッチ74は、半導体装置72によって所定のデューティ比でオンオフするようにオンオフ制御される。
【0058】
電圧コイル75の一端は平滑コンデンサ13及び出力コンデンサ77に接続され、電圧コイル75の他端は電圧スイッチ74のドレイン及び電圧ダイオード76のアノードに接続される。電圧コイル75は、電圧スイッチ74がオンすることで電流が供給され、電圧スイッチ74がオフすることで誘導される誘導電圧を電圧ダイオード76を介して出力コンデンサ77に出力する。
【0059】
部分放電回路56は、入力スイッチ80と、遅延回路81と、バッファ素子82と、接地レベル補償回路83と、放電抵抗84と、放電スイッチ85と、放電ツェナーダイオード86とを有する。入力スイッチ80、遅延回路81、バッファ素子82及び接地レベル補償回路83は、検出信号が入力されることに応じて、放電スイッチ85をオンするトリガ信号伝達回路を形成する。
【0060】
入力スイッチ80は、nMOSトランジスタである。入力スイッチ80のゲートは検出回路18に接続され、検出信号Vsが入力される。入力スイッチ80のソースは接地され、入力スイッチ80のドレインは遅延回路81に接続される。入力スイッチ80は、検出信号Vsの電圧レベルが低下することに応じてオフすると共に、検出信号Vsの電圧レベルが上昇することに応じてオンする。
【0061】
遅延回路81は、遅延抵抗81aと、遅延コンデンサ81bとを有し、検出信号Vsを遅延させてバッファ素子82に出力する。遅延抵抗81aの一端は、第2電圧コンデンサ71bの一端及び半導体装置72に接続され、半導体装置72から電源電圧が供給される。遅延抵抗81aの他端は、入力スイッチ80のドレイン、遅延コンデンサ81bの一端及びバッファ素子82の入力端子に接続される。
【0062】
入力スイッチ80に入力される検出信号Vsの電圧レベルが低下すると、入力スイッチ80はオフし、遅延コンデンサ81bは、充電される。遅延コンデンサ81bが充電されるとき、遅延コンデンサ81bの電圧レベルは、遅延抵抗81aの抵抗値及び遅延コンデンサ81bの容量値により決定される時定数に基づいて遅延しながら上昇する。遅延回路81は、遅延抵抗81aの抵抗値及び遅延コンデンサ81bの容量値により決定される時定数に基づいて検出信号Vsを遅延させてバッファ素子82の入力端子に出力する。
【0063】
一方、入力スイッチ80に入力される検出信号Vsの電圧レベルが上昇すると、入力スイッチ80はオンし、遅延コンデンサ81bは、放電される。遅延コンデンサ81bが放電されるとき、遅延コンデンサ81bの電圧レベルは、遅延することなく接地レベルに低下する。
【0064】
バッファ素子82は、遅延回路81と接地レベル補償回路83との間に配置される。バッファ素子82は、半導体装置72から電源電圧が供給され、入力端子に入力される検出信号をバッファリングして出力端子から出力する。バッファ素子82は、遅延コンデンサ81bの電圧レベルが所定のしきい値レベルまで上昇することに応じて、半導体装置72から供給される電源電圧を検出信号として出力する。また、バッファ素子82は、遅延コンデンサ81bの電圧レベルが所定のしきい値レベルまで低下することに応じて、接地レベルの検出信号を出力する。
【0065】
接地レベル補償回路83は、レベル補償スイッチ83aと、レベル補償抵抗83bと、レベル補償ツェナーダイオード83cとを有する。接地レベル補償回路83は、一端が出力コンデンサ77の接地レベルに接続され、他端が直流電圧生成回路55の接地レベルに接続され、バッファ素子82から検出信号が入力されることに応じて、トリガ信号を放電スイッチ85に出力して放電スイッチ85をオンする。
【0066】
レベル補償スイッチ83aは、nMOSトランジスタである。レベル補償スイッチ83aのゲートはバッファ素子82の出力端子に接続され、レベル補償スイッチ83aのソースは接地され、レベル補償スイッチ83aのドレインはレベル補償抵抗83bの一端に接続される。レベル補償抵抗83bの他端はレベル補償ツェナーダイオード83cのアノード及び放電スイッチ85のゲートに接続される。レベル補償ツェナーダイオード83cのカソードは、出力コンデンサ77及び放電抵抗84の一端に接続される。
【0067】
放電スイッチ85は、pMOSトランジスタである。放電スイッチ85のゲートは、レベル補償抵抗83bの他端及びレベル補償ツェナーダイオード83cのアノードに接続される。放電スイッチ85のソースは放電抵抗84の他端に接続され、放電スイッチ85のドレインは放電ツェナーダイオード86のカソードに接続される。放電ツェナーダイオード86のアノードは、出力コンデンサ77の他端及び発光装置101の最終段の発光素子101aのカソードに接続される。放電ツェナーダイオード86の降伏電圧は、放電スイッチ103がオンすることで出力電圧VOの放電を開始する放電開始電圧よりも低く、出力電圧VOの定格値が35Vであるとき、例えば20Vである。
【0068】
レベル補償スイッチ83aのゲートに検出信号が入力されると、レベル補償スイッチ83aはオンして接地レベル補償回路83に電流が流れ、レベル補償ツェナーダイオード83cの降伏電圧が放電スイッチ85のゲート―ソース間に印加される。放電スイッチ85は、レベル補償ツェナーダイオード83cの降伏電圧が放電スイッチ85のゲート―ソース間に印加されることに応じてオンして、出力電圧VOの電圧レベルは、部分放電により放電ツェナーダイオード86の降伏電圧に瞬時に低下する。
【0069】
図5は、電圧供給回路2の動作を示す図である。図5において、横軸は時間を示し、波形W1は第1検出抵抗18aと第2検出抵抗18bとの間から出力される検出信号Vsを示し、波形W2はバッファ素子82の入力端子の電圧を示す。また、波形W3は出力電圧VOを示し、波形W4は放電スイッチ85に流れる放電電流を示す。
【0070】
時間t1において、電源スイッチ103がオンして商用電源102から電源スイッチ103を介して交流電圧VACが電圧供給回路1に入力されることに応じて、検出信号Vsの電圧W1は、5Vに立ち上がる。検出信号Vsの電圧W1が5Vに立ち上がることに応じて、バッファ素子82の入力端子の電圧W2は遅延することなく立ち下がる。また、出力電圧VOの電圧W3は、出力コンデンサ77の容量値並びに第6電圧抵抗70fの抵抗値及び発光素子101aの等価抵抗値により決定される時定数に応じて遅延させながら電圧レベルを上昇させる。時間t2において、出力電圧VOの電圧W3は定格電圧に到達する。
【0071】
時間t3において、電源スイッチ103がオフして電圧供給回路1が商用電源102から遮断されることに応じて、検出信号Vsの電圧W1は、低下する。検出信号Vsの電圧W1が低下すると、入力スイッチ80はオフする。バッファ素子82の入力端子の電圧W2は、入力スイッチ80がオフすることに応じて、遅延抵抗81aの抵抗値及び遅延コンデンサ81bの容量値により決定される時定数に基づいて遅延しながら上昇する。
【0072】
時間t4において、レベル補償スイッチ83aがオンすることに応じて放電スイッチ85がオンすると、放電電流W4が流れて、出力電圧VOが部分放電する。時間t5において、放電電流W4が流れなくなると、出力電圧VOの部分放電が終了する。
【0073】
(第2実施形態に係る電圧供給回路の作用効果)
電圧供給回路2では、部分放電回路56は、トリガ信号が入力されることに応じて放電スイッチ85をオンする接地レベル補償回路83を有するので、発光装置101の接地レベルが電圧変換部の接地レベルと相違するときも部分放電が可能である。
【0074】
また、電圧供給回路2では、部分放電回路56は、出力電圧VOが低下するときに検出信号を遅延させる遅延回路81を有するので、第1電圧Vd1の電圧レベルが低下したときに部分放電を精度高く実行できる。
【0075】
また、電圧供給回路2では、遅延回路81は、出力電圧VOが上昇するときにバッファ素子82に入力される電圧レベルを遅延することなくの接地レベルに低下するので、放電スイッチ85を瞬時にオフして発光装置101の通常状態の発光への影響を最小限にできる。
【0076】
また、電圧供給回路2では、部分放電回路56は、遅延回路81と接地レベル補償回路83との間にバッファ素子82を有するので、部分放電回路56に供給される電源電圧のばらつきをバッファ素子82によって吸収することができる。電圧供給回路2では、部分放電回路56は、部分放電回路56に供給される電源電圧のばらつきをバッファ素子82によって吸収することで、遅延回路81における遅延時間のばらつきを最小限にできる。
【0077】
(実施形態に係る電圧供給回路の変形例)
電圧供給回路1及び2は、整流回路12を有するが、実施形態に係る電圧供給回路は、整流回路を有さず、入力電圧を降圧又は昇圧する直流-直流変換回路であってもよい。また、電圧供給回路1及び2は、発光装置101が負荷であるが、実施形態に係る電圧供給回路は、発光装置以外の他の電気機器が負荷であってもよい。
【0078】
また、電圧供給回路1では、半導体装置25は、電源電圧生成回路16から電源電圧を供給されるが、実施形態に係る電圧供給回路では、半導体装置は、外部装置等の電源電圧生成回路16から電源電圧が供給されてもよい。また、実施形態に係る電圧供給回路では、電源電圧生成回路16以外の回路を、負荷に放電する電荷を充電する充電回路として使用してもよい。
【0079】
また、電圧供給回路1及び2は、検出回路18を有するが、実施形態に係る電圧供給回路では、検出回路18は省略されてもよい。実施形態に係る電圧供給回路は、検出回路18が省略されるとき、第1電圧コンデンサ71aの一端の電圧を検出信号として使用してもよい。また、電圧供給回路2では、検出回路18は、平滑コンデンサ13と直流電圧生成回路55との間に配置されるが、実施形態に係る電圧供給回路では、直流電圧生成回路は、出力電圧VOの変化に応じて変化する電圧が印加されればよい。また、電圧供給回路1では、トリガ信号は半導体装置25によって生成されるが、トリガ信号は、電圧供給回路2と同様にディスクリート品により形成される回路によって生成されてもよい。
【0080】
また、電圧供給回路2では、部分放電回路56は、入力スイッチ80~バッファ素子82を有するが、実施形態に係る電圧供給回路では、電圧供給回路は、同様の機能を有する半導体装置を入力スイッチ80~バッファ素子82の代わりに有してもよい。入力スイッチ80~バッファ素子82の代わりに使用される半導体装置は、立ち上がり遅延及び立下り遅延の遅延量を設定可能な遅延回路を内蔵する電圧検出用のIC又はMCUを使用してもよい。
【0081】
また、照明装置100では、発光素子101aは、単一の列として直列接続されるが、実施形態に係る照明装置では、発光素子は、色温度が異なる複数列に配列され、電源スイッチ103のオンオフに応じて調光可能なように配置されてもよい。実施形態に係る照明装置では、発光素子が調光可能なように配置されるとき、電圧供給回路の出力電圧VOが部分放電されることで、電源スイッチ103のオンオフにより調光される間隔時間を所望の時間に設定することができる。また、実施形態に係る照明装置では、電源スイッチ103のオンオフにより調光される間隔時間の差、すなわち公差が小さくなる。実施形態に係る照明装置は、公差を小さくできるので、複数の発光装置が単一の電源スイッチ103により並列制御されるときに、公差に起因して複数の発光装置の間で色温度が異なる光を出射する状態が発生するおそれを低くできる。
【符号の説明】
【0082】
1、2 電圧供給回路
11 フューズ
12 整流回路
13 平滑コンデンサ
14 チョークコイル
15、55 直流電圧生成回路
16 電源電圧生成回路
17、56 部分放電回路
18 検出回路
100 照明装置
101 発光装置
図1
図2
図3
図4
図5