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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182683
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】コンベヤ装置及び傾斜コンベヤ装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 39/12 20060101AFI20221201BHJP
   B65G 13/11 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
B65G39/12
B65G13/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090378
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 朋延
(72)【発明者】
【氏名】穴田 幸治
【テーマコード(参考)】
3F033
【Fターム(参考)】
3F033BB01
3F033BC04
3F033GA06
3F033GE02
(57)【要約】
【課題】搬送物を円滑に搬送することが可能なコンベヤ装置及び傾斜コンベヤ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】複数の回転部材が並列的に配置されたコンベヤ装置において、複数の区画に分かれており、各区画はフレーム本体と、複数の前記回転部材とを有し、前記回転部材には取付け軸があり、前記フレーム本体は、平行に配置されたフレーム片を有し、当該フレーム片の少なくとも一方には本体側開口が複数設けられ、保持部材を有し、当該保持部材は、保持部材側開口を複数有し、当該保持部材側開口は、その一部又は全部が曲線的に並んで配置されており、前記保持部材は、フレーム片の少なくとも一方であって、連接する区画に跨って取り付けられ、前記取付け軸が、前記本体側開口と前記保持部材側開口を連通した状態でフレーム片に固定されていることを特徴とするコンベヤ装置。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の回転部材が並列的に配置されたコンベヤ装置において、
複数の区画に分かれており、各区画はフレーム本体と、複数の前記回転部材とを有し、
前記回転部材には取付け軸があり、
前記フレーム本体は、平行に配置されたフレーム片を有し、当該フレーム片の少なくとも一方には本体側開口が複数設けられ、
保持部材を有し、当該保持部材は、保持部材側開口を複数有し、当該保持部材側開口は、その一部又は全部が曲線的に並んで配置されており、
前記保持部材は、フレーム片の少なくとも一方であって、連接する区画に跨って取り付けられ、前記取付け軸が、前記本体側開口と前記保持部材側開口を連通した状態でフレーム片に固定されていることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項2】
本体側開口は長孔又は切り欠きであることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ装置。
【請求項3】
前記保持部材は、湾曲した帯状の弓状部を有し、前記弓状部に前記保持部材側開口と、前記保持部材を前記フレーム片に固定する取り付け孔とが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンベヤ装置。
【請求項4】
傾斜姿勢に設置され、上部位置と下部位置との間で物品を搬送する傾斜コンベヤ装置において、上部側と下部側の少なくともいずれかに請求項1乃至3のいずれかに記載のコンベヤ装置が配置されていることを特徴とする傾斜コンベヤ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は傾斜姿勢に設置される傾斜コンベヤ装置に関するものである。また本発明は、傾斜コンベヤ装置として使用されるコンベヤ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、上の階にコンベヤラインがあり、下の階にもコンベヤラインがあり、上階と下の階の間にコンベヤ装置が傾斜姿勢で設置される場合がある。説明の便宜上、傾斜姿勢で設置されているコンベヤ装置を傾斜コンベヤ装置と称する。
例えば上階から下の階に搬送物を移動させる場合には、上の階のコンベヤラインによって傾斜コンベヤ装置の上階側の端部に搬送物を運ぶ。そして、傾斜コンベヤ装置を駆動して下の階のコンベヤラインに搬送物を降ろす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-135180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
傾斜コンベヤ装置の搬送面が傾斜しているのに対し、下の階に設置されたコンベヤラインの搬送面は水平である。そのため、傾斜コンベヤ装置の搬送面と、下の階のコンベヤラインの配送面との間に角度が生じ、傾斜コンベヤ装置と他のコンベヤ装置等の間における搬送物の受け渡しが円滑性を欠く。例えば、傾斜コンベヤ装置から下の階のコンベヤ装置に受け渡される際に、搬送物の角が下の階のコンベヤラインの配送面に突き当たる。
その結果、音が発生したり、搬送物を傷つけてしまう場合がある。
【0005】
傾斜領域と水平領域の境界部分の搬送面を曲面にすれば、搬送物の受け渡しを円滑に行うことができる。
しかしながら、搬送面が曲面となる様に搬送ローラ等を配置することは困難である。
【0006】
本発明は、上記した問題点を解決するものであり、搬送面が曲面となる様に搬送ローラ等を配置することが容易であって、搬送物を円滑に搬送することが可能なコンベヤ装置及び傾斜コンベヤ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための態様は、複数の回転部材が並列的に配置されたコンベヤ装置において、複数の区画に分かれており、各区画はフレーム本体と、複数の前記回転部材とを有し、前記回転部材には取付け軸があり、前記フレーム本体は、平行に配置されたフレーム片を有し、当該フレーム片の少なくとも一方には本体側開口が複数設けられ、保持部材を有し、当該保持部材は、保持部材側開口を複数有し、当該保持部材側開口は、その一部又は全部が曲線的に並んで配置されており、前記保持部材は、フレーム片の少なくとも一方であって、連接する区画に跨って取り付けられ、前記取付け軸が、前記本体側開口と前記保持部材側開口を連通した状態でフレーム片に固定されていることを特徴とするコンベヤ装置である。
【0008】
本態様のコンベヤ装置は保持部材を有し、保持部材によって回転部材を位置決めする。本態様のコンベヤ装置で採用する保持部材は、保持部材側開口を複数有し、当該保持部材側開口が曲線的に並んで配置されている。
そして回転部材の取付け軸が保持部材側開口に挿通される。そのため回転部材の搬送面は、必然的に曲線を描くこととなる。
また保持部材は、連接する区画に跨って取り付けられるので、区画の境界部についても搬送面が曲線を描く。
【0009】
上記した態様において、本体側開口は長孔又は切り欠きであることが望ましい。
【0010】
本態様によると、フレーム片側の取付け軸の取り付け位置に自由度があり、回転部材を取り付けやすい。
【0011】
上記した各態様において、前記保持部材は、湾曲した帯状の弓状部を有し、前記弓状部に前記保持部材側開口と、前記保持部材を前記フレーム片に固定する取り付け孔とが設けられていることが望ましい。
【0012】
本態様によると、保持部材をフレーム片に取り付けやすい。
【0013】
傾斜コンベヤ装置に関する態様は、傾斜姿勢に設置され、上部位置と下部位置との間で物品を搬送する傾斜コンベヤ装置において、上部側と下部側の少なくともいずれかに上記したいずれかのコンベヤ装置が配置されていることを特徴とする傾斜コンベヤ装置である。
【0014】
本態様の傾斜コンベヤ措置は、搬送面を曲面に構成しやすい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のコンベヤ装置及び傾斜コンベヤ装置は、曲面の搬送面を作ることが容易である。そのため本発明のコンベヤ装置及び傾斜コンベヤ装置は、搬送物を円滑に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は、本発明の実施形態の傾斜コンベヤの正面図であり、(b)はその平面図である。
図2】(a)は、図1の傾斜コンベヤの上部階平面領域及び上部曲面領域の正面図であり、(b)はその平面図である。
図3】(a)は、図1の傾斜コンベヤの下部曲面領域及び下部曲面領域の正面図であり、(b)はその平面図である。
図4図1の傾斜コンベヤの搬送ローラの取付け部分の断面図である。
図5】傾斜コンベヤの一部の分解斜視図である。
図6】(a)は、図1の傾斜コンベヤの一部の区画の平面であり、(b)はそのA-A断面図であり、(c)は、図1の傾斜コンベヤの他の区画の拡大図平面である。
図7】(a)は、図1の傾斜コンベヤで採用する保持部材の正面図である。
図8】保持部材の変形例の正面図である。
図9】(a)は、本発明の他の実施形態の傾斜コンベヤの上部曲面領域の正面図であり、(b)はその平面図であり、(c)は、一部の拡大平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の傾斜コンベヤ装置1は、図1の様に傾斜姿勢で設置されるローラコンベヤである。傾斜コンベヤ装置1は、搬送路が複数の短い搬送ゾーン(区画)に分割されている。即ち傾斜コンベヤ装置1では、複数のゾーンコンベヤが直列に連結されて構成されている。
【0018】
ゾーンコンベヤ2は、全長が短いローラコンベヤであり、フレーム本体7と、複数の搬送ローラ(回転部材)5とを有している。
図5に示すように、フレーム本体7は、平行に配置された左右のフレーム片3a、3bを有している。そして左右のフレーム片3a、3bに複数の搬送ローラ(回転部材)5が並列的に取り付けられている。
搬送ローラ5は、搬送方向に所定間隔で軸支されている。搬送ローラ5は、自由に回転する従動ローラと、駆動用モータ(図示しない)を内蔵するモータ内蔵ローラとからなる。本実施形態では、モータ内蔵ローラは1本だけであり、他はすべて従動ローラである。
搬送ローラ(回転部材)5は、いずれもローラ本体11を有し、その両端から取付け軸15が突出している。取付け軸15にはネジ12が形成されている。取付け軸15には六角形の部分がある(図示せず)。
【0019】
ゾーンコンベヤ2内で隣接する搬送ローラ5同士は伝動ベルト6で巻回されている。そのため、モータ内蔵ローラの回転駆動力を全ての従動ローラに伝動することができる。本実施形態では、中央部にモータ内蔵ローラを配している。
【0020】
本実施形態で採用するゾーンコンベヤ2は、特異な形状のフレーム片3a、3bが採用されており、さらにフレーム片3a、3bの外側に保持部材20が設けられている。以下、これらについて説明する。
フレーム片3a、3bは、直線状の部材であり、図4図5の様な断面形状が「コ」字状の部材の部材である。即ちフレーム片3a、3bは、下面壁21、縦壁22及び上面壁23を有している。
そして縦壁22に一定の間隔をあけて本体側開口25が設けられている。本体側開口25は、いずれも長孔であり縦方向に長い孔である。
またフレーム片3a、3bには、保持部材20を取り付ける取り付け孔30が設けられている。
【0021】
保持部材20は、図7の様にやや弓状に湾曲した帯状の板であり、その両端に突出部26が設けられている。即ち保持部材20は、弓状に湾曲した帯状の本体部(弓状部)27を有し、その両端に略正方形の突出部26がある。
【0022】
保持部材20の本体部27には、一定の間隔をあけて保持部材側開口28が複数、形成されている。保持部材側開口28は、後記するように、搬送ローラ(回転部材)5の取付け軸15が挿通される孔である。
保持部材側開口28の形状は、六角形である。保持部材側開口28のピッチは、前記した本体側開口25のピッチと同一である。
保持部材側開口28の列を正面から観察すると、保持部材側開口28は、図7の様にわずかに湾曲した曲線状に配列されている。
【0023】
突出部26には、取り付け孔31が設けられている。
保持部材20の形状は単一ではなく、複数の種類がある。即ち、保持部材側開口28の列が異なるものが存在する。具体的には、保持部材側開口28の列が上に凸形に配列されているものと、下に凸形に配列されているものがある。
【0024】
本実施形態の傾斜コンベヤ装置1は、複数のゾーンコンベヤ2が所定の角度で連結されたものである。
各ゾーンコンベヤ2のフレーム本体7は、直線状であるから、図1の様に、フレーム本体7は不連続状に繋がっている。
本実施形態の傾斜コンベヤ装置1は、搬送路が、a~gの7ゾーンに区画されている。
この内、区画aは、上階側平坦領域50を含む区画である。区画b、cは、上階側曲面領域である。区画dは、直線傾斜領域51を含む区画である。区画e、fは、下階側曲面領域である。区画gは、下階側平坦領域52を含む区画である。
【0025】
本実施形態では、フレーム本体7に保持部材20が固定されている。具体的には、フレーム片3a、3bの縦壁22の外側に、保持部材20が固定されている。ここで、本実施形態では、保持部材20は、隣接する区画のフレーム片3a、3bに跨って取り付けられている。
例えば区画aと区画bに注目すると、保持部材20abは、区画aと区画bとに跨って取り付けられている。即ち、保持部材20abの一方の突出部26aは、区画aのフレーム片3a、3bに取り付けられ、保持部材20abの他方の突出部26bは、区画bのフレーム片3a、3bに取り付けられている。具体的には、保持部材20abの突出部26aの取り付け孔31と、区画aのフレーム片3a、3bの取り付け孔30にねじ33が挿通され、保持部材20abの突出部26bの取り付け孔31と、区画bのフレーム片3a、3bの取り付け孔30にねじ33が挿通され、これらのねじによって、保持部材20abが、区画aと区画bとに跨って固定されている。
ここで、区画aと区画bに跨る保持部材20abは、保持部材側開口28の列が上に凸形に配列されている。即ち、保持部材20abでは、保持部材側開口28の列が山形に配列されている。
【0026】
区画bと区画cに注目すると、保持部材20bcは、区画bと区画cとに跨って取り付けられている。即ち、保持部材20bcの一方の突出部26aは、区画bのフレーム片3a、3bに取り付けられ、保持部材20bcの他方の突出部26bは、区画cのフレーム片3a、3bに取り付けられている。
ここで、区画bと区画cに跨る保持部材20bcは保持部材側開口28の列が上に凸形に配列されている。即ち、保持部材20bcでは、保持部材側開口28の列が山形に配列されている。
【0027】
同様に、区画cと区画dとに跨って保持部材20cdが取り付けられ、区画dと区画eとに跨って保持部材20deが取り付けられ、区画eと区画fとに跨って保持部材20efが取り付けられ、区画fと区画gとに跨って保持部材20fgが取り付けられている。
保持部材20cdは、保持部材側開口28の列が上に凸形に配列されている。
【0028】
これに対して、区画dと区画eとに跨って取り付けられた保持部材20de、区画eと区画fとに跨って取り付けられた保持部材20ef、区画fと区画gとに跨って取り付けられた保持部材20fgは、保持部材側開口28の列が下に凸形に配列されている。
即ち、保持部材20de、保持部材20ef及び保持部材20fgは、保持部材側開口28の列が谷形に配列されている。
前記した様に、区画dは、直線傾斜領域51を含む区画である。区画dに取り付けられた保持部材20cdと、保持部材20deの間は、図1の様に保持部材20が存在しない領域53がある。
他の領域については保持部材20同士が近接している。
【0029】
傾斜コンベヤ装置1に取り付けられた保持部材20の、保持部材側開口28の配列を概観すると、上階側平坦領域50から直線傾斜領域51に至る間はなだらかな曲線で繋がっている。直線傾斜領域51から下階側平坦領域52に至る間もなだらかな曲線で繋がっている。
【0030】
ここで前記した様に、保持部材側開口28のピッチと、本体側開口25のピッチが同一であるから、保持部材側開口28と本体側開口25は連通する。
保持部材側開口28は、湾曲した曲線状に配列されているから、保持部材側開口28の位置は、フレーム片3a、3bの縦壁22の高さ方向にばらつくこととなる。即ち、保持部材側開口28が、曲線状に配列されているのに対して、フレーム片3a、3bが直線状の部材であるから、保持部材側開口28の位置は、フレーム片3a、3bの縦壁22の高さ方向にばらつく。
これに対して、保持部材側開口28は上下方向に長い長孔であるから、上下方向に自由度があり、保持部材側開口28は、本体側開口25のいずれかの部分と連通する。
【0031】
本実施形態では、保持部材側開口28と本体側開口25の連通孔に、搬送ローラ(回転部材)5の取付け軸15が挿通されている。そして搬送ローラ5の取付け軸15にナット35が取り付けられ、搬送ローラ5が、フレーム片3a、3bに固定されている。
保持部材側開口28の形状は六角形であり、搬送ローラ5の取付け軸15の一部と係合する。そのため搬送ローラ5の取付け軸15は、フレーム片3a、3bに対する相対回転が阻止される。
【0032】
搬送ローラ5の取付け軸15は、保持部材側開口28に挿通されているから、搬送ローラ5の取付け軸15の位置は、保持部材側開口28によって位置決めされ、規制されることとなる。
従って、上階側平坦領域50から直線傾斜領域51に至る間の搬送ローラ5群の搬送面は、なだらかな曲面を構成する。同様に、直線傾斜領域51から下階側平坦領域52に至る間の搬送ローラ5群の搬送面も、なだらかな曲面を構成している。
そのため、搬送物が引っかかることなく円滑に搬送される。
【0033】
また本実施形態の傾斜コンベヤ装置1は、一部の区画の搬送ローラ5に滑り止め部材40が装着されている。具体期には、区画dの直線傾斜領域の搬送ローラ5に滑り止め部材40が装着されている。
滑り止め部材40は、幅が搬送ローラ5よりも短い無端ベルトである。滑り止め部材40は、ゴム等の様に、搬送ローラ5の表面よりも摩擦係数が高い素材によって作られている。滑り止め部材40は、隣接する搬送ローラ5の間に懸架されている。また滑り止め部材40は、3列に設置されている。
【0034】
両側の滑り止め部材40の列と、中央の滑り止め部材40の列は、千鳥状に配列されている。
滑り止め部材40は、摩擦係数が高いので、搬送物が滑りにくい。また、滑り止め部材40は、隣接する搬送ローラ5の間に懸架されているから、搬送ローラ5同士の間に搬送物が嵌りこむことが防がれる。
特に本実施形態では、滑り止め部材40が千鳥状に配列されているから、隣接する滑り止め部材40の間に、いずれかの滑り止め部材40が存在する。言い換えると、滑り止め部材40が設けられた領域においては、隣接するすべての搬送ローラ5同士の間に、少なくとも一個の滑り止め部材40が懸架されており、搬送ローラ5同士の間に搬送物が嵌りこむ危険性が低い。
【0035】
以上説明した実施形態で採用した保持部材20は、両端に突出部26があり、当該突出部26に取り付け孔31が設けられている。そして当該取り付け孔31を利用して保持部材20をフレーム片3a、3bに固定している。
保持部材20の取付け構造は、上記した構造に限定されるものではない。例えば、図8に示す保持部材41の様に、本体部(弓状部)27に取り付け孔42が設けられていてもよい。保持部材41では、保持部材側開口(搬送ローラ5の取付け軸15が挿通される孔)28と、取り付け孔42が交互に設けられている。保持部材側開口28は、六角孔であり、取り付け孔42は、丸穴である。
フレーム片3a、3bの取り付け孔42に対応する部分には、取り付け孔45が設けられている。取り付け孔45は、縦に長い長孔である。
保持部材41は、図9(c)に示すように、保持部材41の取り付け孔42と、フレーム片3a、3b側の取り付け孔45にボルト46が挿通され、当該ボルト46にナット47を係合させることによって、フレーム片3a、3bに固定されている。
【0036】
以上説明した実施形態では、本体側開口25が長孔であったが、上方又は下方が解放された切り欠きであってもよい。またより大きな孔であってもよい。
【0037】
以上説明した実施形態では、搬送物を搬送する回転部材としてローラを例示したが、搬送物と接して搬送物を付勢することができる物であれば足りる。
【0038】
以上説明した実施形態では、区画dの様に、保持部材20が存在しない領域53がある。
これは、当該領域が、直線傾斜領域51の一部であり、搬送面を曲面にする必要が無いためである。
しかし、直線傾斜領域51を含む場合であっても、保持部材20を密に配置してもよい。 この場合、例えば、直線傾斜領域となる区画dには、一部の保持部材側開口28が直線状に配列されたものが使用される。
即ち、保持部材20の保持部材側開口28の列は、全体的に曲線を描くものであってもよいが、一部に直線状に配列された部分があってもよい。
【0039】
以上説明した実施形態では、傾斜コンベヤ装置1を構成するすべての区画に保持部材20が取り付けられているが、保持部材20が無い区画があってもよい。
例えば、直線傾斜領域51が長く、直線傾斜領域51だけで複数の区画に分かれている様な傾斜コンベヤ装置であれば、直線領域を構成する区画同士の間に、保持部材20を設置する必要はない。
この様な構造の傾斜コンベヤでは、上端近傍と、下端近傍の区画のみに、保持部材20があれば足りる。
【0040】
以上説明した実施形態では、上端近傍と下端近傍の双方の搬送面が、保持部材20によって曲面状に構成されているが、上端近傍と、下端近傍のいずれかだけが曲面状であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 傾斜コンベヤ装置
2 ゾーンコンベヤ
3a、3b フレーム片
5 搬送ローラ(回転部材)
15 取付け軸
20 保持部材
25 本体側開口
26 突出部
27 本体部(弓状部)
28 保持部材側開口
31 取り付け孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9