(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182736
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】警報器
(51)【国際特許分類】
G08B 21/16 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
G08B21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090449
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥野 辰行
(72)【発明者】
【氏名】豊田 和男
(72)【発明者】
【氏名】河村 直美
(72)【発明者】
【氏名】田島 健冴
【テーマコード(参考)】
5C086
【Fターム(参考)】
5C086AA02
5C086BA01
5C086CA01
5C086CB12
5C086DA08
5C086GA10
(57)【要約】
【課題】ガスセンサに対するVOCガスやSi系ガスの影響を抑制し、これらのガスへの耐久性を向上した警報器を提供する。
【解決手段】警報器は、センサ室S1が内部に設けられた上ケース11、下ケース12と、ケース内に収容され、センサ室S1に含まれる対象ガスを検出するガスセンサ15と、ケースの外部とセンサ室S1とを連通するスリット14と、センサ室S1内における、ガスセンサ15とスリット14との間に設けられた隔壁17と、隔壁17とスリット14との間において、スリット14を覆うように設けられたフィルタ16と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ室が内部に設けられたケースと、
前記ケース内に収容され、前記センサ室に含まれる対象ガスを検出するガスセンサと、
前記ケースの外部と前記センサ室とを連通するスリットと、
前記センサ室内における、前記ガスセンサと前記スリットとの間に設けられた隔壁と、
前記隔壁と前記スリットとの間において、前記スリットを覆うように設けられたフィルタと、を備える、
警報器。
【請求項2】
前記隔壁は、前記ガスセンサにおける、前記スリットに対向する部分の全体を覆うように構成される、
請求項1に記載の警報器。
【請求項3】
前記フィルタは、前記隔壁と前記スリットとの間において、前記スリットの全体を覆うように設けられる、
請求項1又は2に記載の警報器。
【請求項4】
前記フィルタは、スポンジ又はSiO2系フィルタである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項5】
前記ガスセンサにおける、前記スリットに対向する部分と、前記スリットとの距離が10mm以上かつ12mm以下であり、前記隔壁の厚みが0.5mm以上かつ1.0mm以下の場合において、
前記隔壁は、前記ガスセンサにおける、前記スリットに対向する前記部分との距離が、1.5mm以上かつ4mm以下となる位置に配置される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の警報器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス警報器は、ガスセンサによって、空気中に含まれる検知対象ガスの濃度を検出し、この濃度が規定値よりも高い場合に警報を発する。ガスセンサとして、半導体式、電気化学式等のセンサが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
半導体式ガスセンサは、空気中に含まれる検知対象ガスの濃度が高いほどセンサ抵抗値が低下することを利用して、ガス濃度を検出する。半導体式ガスセンサは、有機シリコーンガス(Si系ガス)の被毒で、空気に対するセンサ抵抗値が低下し、かつ、ガス感度に対する抵抗変化が小さくなることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体式ガスセンサを用いた警報器が部屋に設置された後、長期にわたって部屋が使用されず放置された状態において、ガス機器が使用されていないにもかかわらず警報器が誤って発報する場合がある。
本発明者らは、この事象は、部屋への人の出入りがないため、換気率が低く、建材等による揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)ガスや、Si系ガスが充満していたことに起因すると予測した。
本発明者らは、この予測の元に検討を行った結果、半導体式ガスセンサがSi系ガス及びVOCガス中に暴露した場合、以下のような影響があることを見出した。
1)検知対象ガスが存在しない空気に対するセンサ抵抗値が低下する。
2)空気に対するセンサ抵抗値と検知対象ガスに対するセンサ抵抗値との差が小さくなり、ガス濃度に対するセンサ抵抗値の変化がほとんど見られなくなる、すなわち、感度が低下する。
1)の影響が早めに又は強く表れると、誤警報となり、2)の影響が早めに又は強く表れると、警報しにくくなる。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガスセンサに対するVOCガスやSi系ガスの影響を抑制し、これらのガスへの耐久性を向上した警報器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る警報器は、下記(1)~(5)を特徴としている。
(1)センサ室が内部に設けられたケースと、
前記ケース内に収容され、前記センサ室に含まれる対象ガスを検出するガスセンサと、
前記ケースの外部と前記センサ室とを連通するスリットと、
前記センサ室内における、前記ガスセンサと前記スリットとの間に設けられた隔壁と、
前記隔壁と前記スリットとの間において、前記スリットを覆うように設けられたフィルタと、を備える、
警報器。
(2)前記隔壁は、前記ガスセンサにおける、前記スリットに対向する部分の全体を覆うように構成される、
上記(1)に記載の警報器。
(3)前記フィルタは、前記隔壁と前記スリットとの間において、前記スリットの全体を覆うように設けられる、
上記(1)又は(2)に記載の警報器。
(4)前記フィルタは、スポンジ又はSiO2系フィルタである、
上記(1)~(3)のいずれか一に記載の警報器。
(5)前記ガスセンサにおける、前記スリットに対向する部分と、前記スリットとの距離が10mm以上かつ12mm以下であり、前記隔壁の厚みが0.5mm以上かつ1.0mm以下の場合において、
前記隔壁は、前記ガスセンサにおける、前記スリットに対向する前記部分との距離が、1.5mm以上かつ4mm以下となる位置に配置される、
上記(1)~(4)のいずれか一に記載の警報器。
【0007】
上記(1)の構成の警報器によれば、センサ室内の、ガスセンサとスリットとの間に隔壁が設けられることで、低濃度のVOCガス及びSiガス中に暴露された場合であっても、ガスセンサにガスが直接接触しにくくなる。さらに、隔壁とスリットとの間にフィルタを設け、ガスの流入を抑制するので、ガスセンサへのガス流入を遅れさせることができる。よって、警報器が低濃度のVOCガス及びSiガス中に暴露された場合において、エアベースの低抵抗化と感度の低下がみられるものの、抵抗値が警報点を下回って誤報が発生するまでの経過日数を延長できる。このように、上記構成の警報器によれば、VOCガス及びSiガスへの耐久性が向上する。
【0008】
上記(2)の構成の警報器によれば、隔壁が、ガスセンサにおけるスリットに対向する部分の全体を覆うので、スリットからセンサ室に流入したガスがガスセンサに一層接触しにくくなる。
【0009】
上記(3)の構成の警報器によれば、フィルタが、スリットの全体を覆うように設けられるので、ガスの流入抑制効果を向上できる。
【0010】
上記(4)の構成の警報器によれば、Si系ガスに対する耐久性及び静電気耐性を向上できる。
【0011】
上記(5)の構成の警報器によれば、落下による影響を最小化し、検知遅れ性能への影響を最小化し、Si系ガスに対する耐久性を向上できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ガスセンサに対するVOCガスやSi系ガスの影響を抑制し、これらのガスへの耐久性を向上できる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態の警報器の外観を模式的に示す図であり、
図1(a)は平面図、
図1(b)は正面図、
図1(c)は側面図である。
【
図2】
図2は、センサ室及びセンサ収容室を形成する下ケースの部分を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、センサ室を形成する上ケースの部分を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、下ケースに設けられた隔壁の配置を説明するための図である。
【
図5】
図5は、VOCガス及びSi系ガス耐久試験結果を示すグラフであり、
図5(a)は参考例の警報器についての結果、
図5(b)は実施形態の警報器についての結果をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0016】
図1は、実施形態の警報器10の外観を模式的に示す図であり、
図1(a)は平面図、
図1(b)は正面図、
図1(c)は側面図である。
図2は、センサ室S1及びセンサ収容室S2を形成する下ケース12の部分を示す斜視図である。
図3は、センサ室S1を形成する上ケース11の部分を示す斜視図である。本実施形態では、メタンを主成分とする都市ガスの警報機能を有する警報器の例を説明する。警報器10は、ガス漏れや燃焼機器の不完全燃焼などの異常状態を検知した場合に発光及びブザー音の発生により警報を行うものである。
【0017】
図1に示すように、警報器10は、上ケース11及び下ケース12を備え、ケースを構成する上ケース11及び下ケース12の内部に、基板20及び円筒状のガスセンサ15を収容する(
図2参照)。
【0018】
上ケース11は、平面視で円形状の天井壁と、この天井壁の全周を包囲する側壁と、を有し、側壁が下ケース12と嵌合可能に構成される。上ケース11は、天井壁に複数の発光部13を有する。複数の発光部13は、例えば、基板20上に設けられた照明用LED、通電表示用LED、及びガス警報表示用LEDからの、白色、緑色、赤色の各発光光を外部へ導く。上ケース11は、天井壁及び側壁にわたるスリット14を有する。スリット14は、円周方向に沿って設けられた複数の開口部からなる。
【0019】
下ケース12は、平面視で円形状の底壁と、この底壁の全周を包囲する側壁と、を有し、側壁が上ケース11の側壁と嵌合可能に構成される。下ケース12は、底壁及び側壁にわたるスリット14を有する。下ケース12のスリット14は、上ケース11のスリット14に対応する位置に設けられ、円周方向に沿って設けられた複数の開口部からなる。
【0020】
上ケース11と下ケース12とが嵌合されることにより、ケースの内部に、
図2に示すセンサ室S1及びセンサ収容室S2が形成される。以下、センサ室S1及びセンサ収容室S2をセンサ室Sと総称する場合がある。センサ室S1は、センサ収容室S2に隣接して設けられる。センサ収容室S2は、ガスセンサ15を収容する。センサ室S1は、上ケース11及び下ケース12において、スリット14が設けられた位置に配置される。
【0021】
センサ室S1の下側部分は、下ケース12において、スリット14が設けられた底壁及び側壁、底壁に立設し側壁から円形状底壁の中心方向に延びる2つの側壁12a、並びに、2つの側壁12a間を接続する側壁12bによって画成される。側壁12bには、U字型の凹部12cが設けられ、側壁12bとガスセンサ15の端面とが面一となるように、ガスセンサ15の端部が凹部12cに配置される。
センサ室S1の上側部分は、
図3に示すように、上ケース11において、スリット14が設けられた天井壁及び側壁、天井壁に立設し側壁から円形状天井壁の中心方向に延びる2つの側壁11a、並びに、2つの側壁11aを接続する側壁11bによって画成される。側壁11bには半円状の凹部11cが設けられる。
【0022】
センサ収容室S2は、下ケース12において、ガスセンサ15が載置される底壁、2つの側壁12aからそれぞれ中心方向に延びる2つの側壁12d、及び2つの側壁12dを接続する側壁12eによって画成される。側壁12eは、幅方向(
図2の紙面における左右方向)の中央部分が、平面視円形状の下ケース12における中心方向に向かって、U字状に突出し、この突出部内に、ガスセンサ15の端部が収容される。センサ収容室S2の上方は上ケース11内に開放されている。
【0023】
センサ収容室S2にガスセンサ15を収容した状態で、上ケース11と下ケース12とを嵌合させると、上ケース11の2つの側壁11a及び側壁11bと、下ケース12の2つの側壁12a及び側壁12bとが当接して、センサ室S1が形成される。ケース(上ケース11及び下ケース12)の外部とセンサ室S1とがスリット14によって連通され、ケースの周囲の雰囲気ガスがスリット14からセンサ室S1に流入する。センサ室S1は、側壁12b及び側壁11bによってセンサ収容室S2と実質的に隔離されるが、センサ室S1に流入した雰囲気ガスは、センサ収容室S2を経てセンサ室S外に多少流出し得る。
【0024】
ガスセンサ15は、センサ室S1に含まれる対象ガスを検出する。本実施形態では、ガスセンサ15は、半導体式ガスセンサであり、空気中に含まれるメタン(CH4)ガスの濃度に応じてセンサ抵抗値が低下することを利用して、メタンガス濃度を検出する。本発明者らは、半導体式ガスセンサが、有機シリコーンガス(Si系ガス)及び揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)ガス中に暴露した場合、以下のような影響があることを見出した。
1)検知対象ガスが存在しない空気に対するセンサ抵抗値が低下する。
2)空気に対するセンサ抵抗値と検知対象ガスに対するセンサ抵抗値との差が小さくなり、ガス濃度に対するセンサ抵抗値の変化がほとんど見られなくなる、すなわち、感度が低下する。
1)の影響が早めに又は強く表れると、誤警報となり、2)の影響が早めに又は強く表れると、警報しにくくなる。
【0025】
上記のSi系ガスやVOCガスによる影響を抑制し、これらのガスへの耐久性を向上するため、本実施形態の警報器10は、
図2に示すように、隔壁17と、フィルタ16とを備える。
【0026】
隔壁17は、センサ室S1内における、ガスセンサ15とスリット14との間に設けられる。隔壁17は、下ケース12の底壁に立設した円板状部材であり、ガスセンサ15におけるスリット14に対向する端面(以下、センサ面という。)よりも大きな面積の円形状を有し、センサ面の全面を覆うように配置される。尚、隔壁17は、センサ面の一部又は全部を実質的に覆う部材であればよく、円板状部材に限定されず、矩形板状等でもよい。
【0027】
図4は、下ケース12に設けられた隔壁17の配置を説明するための図である。
図4は、一例として、ガスセンサ15のセンサ面とスリット14との距離が10ミリメートル(mm)以上かつ12mm以下であり、隔壁17の厚みが0.5mm以上かつ1.0mm以下である例を示す。隔壁17は、センサ面から距離d離間した位置に配置される。この距離は、
図4に示す例においては、約1.5mm~4mmの間が好ましい。距離dが1.5mm未満になると、検知対象ガスがセンサ室S1に流入した際の検知遅れ性能を満足できない場合がある。一方、距離dが4mmを超えた場合、Si系ガスへの耐久性向上効果が低下する場合がある。
【0028】
フィルタ16は、隔壁17とスリット14との間において、スリット14を覆うように設けられるスポンジである。フィルタ16は、上ケース11及び下ケース12のスリット14全体を覆うように配置される。フィルタ16は、Siガスへの耐久性を向上する観点、及び落下振動等による移動を防止する観点から、スリット14の幅方向(円周方向)全体を覆うサイズ、かつ、上ケース11及び下ケース12のスリット14と隔壁17との間を埋めるような厚みが好ましい。フィルタ16は、セルサイズが例えば20ppi(pore per inch)、30ppi、50ppi等のスポンジを用い得るが、検知遅れ性能を担保する観点から、20ppi以下のセルサイズが好ましい。また、フィルタ16は、セルサイズ等を考慮した上で、活性炭や、SiO2系又はゼオライト系の吸着剤を含侵させたスポンジでもよい。但し、フィルタ16として活性炭フィルタを用いた場合、Si系ガスに対する耐久性は向上するが、静電気耐性が低下するため、スポンジ又はSiO2系フィルタが望ましい。
【0029】
図5は、VOCガス及びSi系ガス耐久試験結果を示すグラフであり、
図5(a)は参考例の警報器についての結果、
図5(b)は実施形態の警報器10についての結果をそれぞれ示す。参考例の警報器は、実施形態の警報器10と比較して、隔壁17及びフィルタ16を有しない点が異なり、その他の構成は同等である。
図5の横軸は、警報器を設置した時点からの経過日数(単位:日)を示し、縦軸はガスセンサ15のセンサ抵抗値(単位:kΩ)を示す。
図5(a)(b)において、L1a、L1bは、検知対象ガスであるメタンガスを含まない空気に対するセンサ抵抗値、L2a、L2bは、1000ppmのメタンガスに対するセンサ抵抗値、L3a、L3bは、4000ppmのメタンガスに対するセンサ抵抗値、LAは警報点のセンサ抵抗値、をそれぞれ示す。
【0030】
参考例の警報器の結果を示す
図5(a)では、経過日数が100日を過ぎた時点D1で空気に対するセンサ抵抗値L1aが警報点LA以下となり、誤報が発生している。一方、実施形態の警報器10では、
図5(b)に示すように、経過日数が100日を過ぎた時点D1では誤報が発生せず、120日の時点D2で、空気に対するセンサ抵抗値L1bが警報点LA以下となり、誤報が発生している。このように、
図5から、誤報が発生する時点を、D2とD1との差分D3の日数分(約20日間)延命できたことが理解される。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の警報器10によれば、センサ室S1内の、ガスセンサ15とスリット14との間に隔壁17が設けられることで、低濃度のVOCガス及びSiガス中に暴露された場合であっても、ガスセンサ15にガスが直接接触しにくくなる。さらに、隔壁17とスリット14との間にフィルタ16を設け、ガスの流入を抑制するので、ガスセンサ15へのガス流入を遅れさせることができる。よって、警報器10が低濃度のVOCガス及びSiガス中に暴露された場合において、空気に対するセンサ抵抗値の低下(エアベースの低抵抗化)と感度の低下がみられるものの、センサ抵抗値が警報点LAを下回って誤報が発生するまでの経過日数を延長できる。このように、警報器10によれば、VOCガス及びSiガスへの耐久性が向上する。
【0032】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。上記実施形態では、下ケース12に隔壁17を設けたが、上ケース11に隔壁を設けてもよい。また、上記実施形態では、ガスセンサ15が半導体式である例を示したが、半導体式に限らず、電気化学式、又は接触燃焼式等の各種ガスセンサを利用することができる。
【0033】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る警報器の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] センサ室(S1)が内部に設けられたケース(上ケース11、下ケース12)と、
前記ケース内に収容され、前記センサ室に含まれる対象ガスを検出するガスセンサ(15)と、
前記ケースの外部と前記センサ室とを連通するスリット(14)と、
前記センサ室内における、前記ガスセンサと前記スリットとの間に設けられた隔壁(17)と、
前記隔壁と前記スリットとの間において、前記スリットを覆うように設けられたフィルタ(16)と、を備える、
警報器(10)。
[2] 前記隔壁は、前記ガスセンサにおける、前記スリットに対向する部分の全体を覆うように構成される、
上記[1]に記載の警報器。
[3] 前記フィルタは、前記隔壁と前記スリットとの間において、前記スリットの全体を覆うように設けられる、
上記[1]又は[2]に記載の警報器。
[4] 前記フィルタは、スポンジ又はSiO2系フィルタである、
上記[1]~[3]のいずれか一に記載の警報器。
[5] 前記ガスセンサにおける、前記スリットに対向する部分(センサ面)と、前記スリットとの距離が10mm以上かつ12mm以下であり、前記隔壁の厚みが0.5mm以上かつ1.0mm以下の場合において、
前記隔壁は、前記ガスセンサにおける、前記スリットに対向する前記部分との距離が、1.5mm以上かつ4mm以下となる位置に配置される、
上記[1]~[4]のいずれか一に記載の警報器。
【符号の説明】
【0034】
10 警報器
11 上ケース
11a、11b、12a、12b、12d、12e 側壁
11c、12c 凹部
12 下ケース
13 ランプ
14 スリット
15 ガスセンサ
16 フィルタ
17 隔壁
20 基板
S、S1 センサ室
S2 センサ収容室