IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 井関農機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-脱穀装置の揺動選別装置 図1
  • 特開-脱穀装置の揺動選別装置 図2
  • 特開-脱穀装置の揺動選別装置 図3
  • 特開-脱穀装置の揺動選別装置 図4
  • 特開-脱穀装置の揺動選別装置 図5
  • 特開-脱穀装置の揺動選別装置 図6
  • 特開-脱穀装置の揺動選別装置 図7
  • 特開-脱穀装置の揺動選別装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182769
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】脱穀装置の揺動選別装置
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/32 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
A01F12/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090493
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】上加 郁朗
(72)【発明者】
【氏名】北川 智志
(72)【発明者】
【氏名】二神 伸
(72)【発明者】
【氏名】渡部 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】澤村 亮
(72)【発明者】
【氏名】黒木 慎
(72)【発明者】
【氏名】玉田 晋太郎
【テーマコード(参考)】
2B095
【Fターム(参考)】
2B095AA07
2B095BA04
2B095BA07
2B095BA18
2B095BA23
2B095BA28
2B095BB24
(57)【要約】
【課題】本発明は、揺動選別棚の始端側における移送棚に工夫をこらし、石ころや砂、泥土等の固形異物を除去する手段を設けることによって、扱室の受網から漏下する処理物の選別精度、品質の向上を図ることを目的とする。
【解決手段】 本発明は、扱室(2)の受網(4)から漏下する処理物を揺動選別棚(5)によって処理選別するコンバインにおいて、前記揺動選別棚(5)の始端側の移送棚(6)には、送り方向への揺動によって固形異物を取り込む適宜幅のスリット(13)を開口して設ける。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱室(2)の受網(4)から漏下する処理物を揺動選別棚(5)によって処理選別するコンバインにおいて、前記揺動選別棚(5)の始端側の移送棚(6)には、送り方向への揺動によって固形異物を取り込む適宜幅のスリット(13)を開口して設けてあることを特徴とする脱穀装置の揺動選別装置。
【請求項2】
前記移送棚(6)の下方には、スリット(13)から下方に落下する固形異物を選別経路を避けた経路で機外に排出する排出経路(19)を設けてある請求項1記載の脱穀装置の揺動選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、扱室の受網から漏下する処理物を受け入れて選別するコンバインの揺動選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1には、揺動選別棚のチャフシーブの上方に選別網を設けることで、夾雑物と穀粒とを選別し、選別網への付着物の付着を抑制して、選別処理を促進させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-85958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、揺動選別棚の始端側における移送棚に工夫をこらし、石ころや砂、泥土等の固形異物を除去する手段を設けることによって、扱室の受網から漏下する処理物の選別精度、品質の向上を図ることを目的とする。
【0005】
要するに、全稈投入する汎用コンバインにあっては、扱室の入り口側から多くの固形異物が投入され、揺動選別棚の始端側の移送棚上に漏下する。また、2番物を揺動選別棚の始端側に還元して再処理する形態ものにあっても、従来に増して、異物の混入が多くなり、品質低下を招く。
【0006】
このように、自脱型にしろ、汎用コンバインにしろ、異物混入の多少に拘わらず、固形異物の除去は欠かせない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、次のような技術的手段を講じた。
【0008】
すなわち、請求項1記載の本発明は、扱室2の受網4から漏下する処理物を揺動選別棚5によって処理選別するコンバインにおいて、前記揺動選別棚5の始端側の移送棚6には、送り方向への揺動によって固形異物を取り込む適宜幅のスリット13を開口して設けてあることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の本発明は、請求項1において、前記移送棚6の下方には、スリット13から下方に落下する固形異物を選別経路を避けた経路で機外に排出する排出経路19を設けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上要するに、請求項1記載の本発明によれば、移送棚には異物を取り込むスリットを設けることで、異物、特に石ころや砂、泥土などの固形物を除去でき、汚粒の発生を低減し、収穫物の品質、精度の向上を図ることができる。
【0011】
請求項2記載の本発明によれば、請求項1記載の効果に加えて、選別経路を避けた最も短距離のコースで直接唐箕ケースの上側を利用してガイド板を介するだけの簡単な構成で外部に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態にかかる汎用型脱穀装置の側断面図
図2】同上脱穀装置の揺動選別棚の平面図
図3】同上要部の拡大平面図
図4】同上要部の別実施例の拡大平面図
図5】同上要部の別実施例の拡大平面図
図6図5の背面図
図7】同上要部の別実施例の拡大平面図
図8】同上要部の別実施例の拡大平面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0014】
図1は、汎用コンバイン用脱穀装置の側断面図、図2は揺動選別棚の平面図、図3は要部の拡大平面図を示すものであり、次のような構成になっている。
【0015】
すなわち、脱穀装置1は、刈取前処理部から全稈投入される作物が扱室2内を駆動回転する扱胴3によって脱穀処理される構成になっている。
【0016】
扱室2の下半周部には受網4が張設され、この受網を漏下する処理物は、下方の揺動選別装置(揺動選別棚)5によって揺動ふるい選別されるようになっている。
【0017】
揺動選別棚5は、選別方向上手側から移送棚6、チャフシーブ7、ストロ-ラック8の順に配置し、且つ、前記チャフシ-ブ7の下方にグレンシ-ブ9を配置して設けた構成になっている。
【0018】
また、揺動選別棚5の下方には選別方向の上手側から順に、唐箕10と、1番ラセン11、2番ラセン12を配備した構成になっている。
【0019】
前記移送棚6は、上面がラック状に形成され、受けた処理物を後続するチャフシーブ7上に向けて送る構成になっている。
【0020】
そして、移送棚6には、石ころや砂等の固形異物を除去する手段が設けられている。すなわち、図3に示すように、移送棚6の平面部6aには、固形異物を取り込む適宜幅のスリット13が開口されている。この実施例では縦方向に設けられているが、図7に示すように横方向、図8のように斜め方向であってもよく、その方向については任意に構成することができる。
【0021】
なお、スリット13を斜め向きに設ける場合は、寄せ板16と略並行にすることで、寄せ板16に沿って送られる選別処理部の砂や泥を効率的に排出できる。
【0022】
図4に示す実施例では、移送棚の斜面部6bにおいてスリット13を設けた構成で、そのスリットの開口方向については任意である。
【0023】
また、図5及び図6例では、移送棚の垂直面部6c(垂直状送り面)にスリット13を設けた構成で、そのスリットの方向については上記と同様任意に構成することができる。
【0024】
移送棚6の下方には、スリット13から落下する固形異物を機外に排出するため、移送棚から最も近い唐箕10の唐箕ケース17の上側から機外の前方側に向けて排出するようになっており、ガイド板18を介して排出通路19が構成されている。
【符号の説明】
【0025】
2 扱室
4 受網
5 揺動選別棚
6 移送棚
6a 平面部
6b 斜面部
6c 垂直面部
13 スリット
17 唐箕ケース
18 ガイド板
19 排出経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8